JPH08292273A - 津波・海象監視予測装置 - Google Patents

津波・海象監視予測装置

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JPH08292273A
JPH08292273A JP7096351A JP9635195A JPH08292273A JP H08292273 A JPH08292273 A JP H08292273A JP 7096351 A JP7096351 A JP 7096351A JP 9635195 A JP9635195 A JP 9635195A JP H08292273 A JPH08292273 A JP H08292273A
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Tomohito Fujii
智史 藤井
Masayuki Tokuda
正幸 徳田
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Kokusai Kogyo Co Ltd
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Communications Research Laboratory
Kokusai Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 面的でかつ準実時間的に海象観測でき、面的
なデータを利用した有効的な海象異常の監視と信頼性の
ある津波の監視予測を可能とする。 【構成】 監視海域における海面流照射方向の平面分布
および波浪特性の平面分布を観測する2台のレーダ装置
1A、1Bと、該2台のレーダ装置で観測される各平面
分布データを合成して、潮流、吹走流、沿岸流の予測パ
ターンと津波来襲情報を用いて津波の存在の有無、津波
の特性、津波の到着時刻を監視予測し、波浪特性を含む
海象の予測パターンを用いて異常海象を監視する監視予
測装置2〜6とを備え、2台のレーダ装置で観測される
海面流照射方向の平面分布をベクトル合成して海面流ベ
クトルの平面分布を求めてから、潮流、吹走流、沿岸流
の予測パターンとの差により海面流の異常平面分布を求
め、流速偏差解析を行って海面流の異常偏差分布を求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、津波や潮流、吹走流、
沿岸流による異常を監視予測する津波・海象監視予測装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明で議論する範囲は津波の特性を直
接的に測定し、それに基づいて行う津波予測システムで
ある。よって、気象庁等が行っている地震計の観測網の
データに基づく間接的な津波予報法は含まないものとす
る。
【0003】従来、津波計測は、従来の海象観測測器ま
たはそれを応用した測器を用いることによって行われて
いる。その場合、津波を特に意識しない場合が多い。津
波計測は、津波波形(津波波高)の計測と流速の計測に
分かれるが、波形の計測が主に行われている。これは水
位計と同じ測定原理に基づいている。すなわち、海面の
水位を測定するもので、直接測定法と間接測定法に分け
られる。
【0004】直接測定法は、海面にセンサーを設置し、
水位変化を電気特性の変化に変換するか、または水面に
浮かべたフロートの上下変動を計測する方法である。前
者は波高計の原理と同じであり、後者は潮位計の原理と
同じである。間接測定法は、海底に設置する圧力計によ
る方法である。これらはいずれも津波計測を意識して1
個又は複数個のセンサーから構成される観測システム以
外は、特別に津波計と呼ばれない場合が多い。
【0005】津波の特徴は、上記のような津波波形ばか
りでなく、流速分布においても計測が可能である。流速
の計測センサーとしては、通常に用いられている流速計
で十分である。流速計による方法も、津波波高計測と同
様に、津波計測を意識して1個又は複数個のセンサーか
ら構成される観測システム以外は、特別に津波計と呼ば
れない場合が多い。
【0006】上述した技術は、センサー中心の内容であ
る。これらのセンサーから一般的な海象現象とともに津
波は観測されるが、記録から具体的に津波を検出するア
ルゴリズム(検出法)は明確に示されていない。一般的
には行われている方法は次のようなものである。
【0007】海象現象変動において、水位変動の波動
は、20秒以下の周期の波浪、10分オーダーの周期の
津波、12時間及び24時間程度の周期の潮汐となり、
流速変動には、上述した水位変動の他に、吹走流と沿岸
流がある。しかし、これらは上記の水位変動のような、
固有的な周期を持たない変動性を有する。本発明で述べ
る沿岸流は発生原因が明確な潮流と吹走流を除く、沿岸
域で発達する流れを意味する。よって、この流れは、主
に外洋で発達した流れの分流、例えば海流の分流と考え
られる。このような海象変動のなかで、津波を抽出する
根拠は周期の大きさの違いにある。これとともに、津波
は、主に地震で発生するので、震源地と伝播速度から観
測場所の到着時刻がある程度正確に予測でき、変動の出
現時刻から、津波の検知を行うことができる。
【0008】また、周期1分間程度以上のゆっくりした
水位変動において、主に見られる海象現象は、潮位変動
であり、潮位変動の中で主要な部分を占める天文潮は、
正確に予測できる天体運動で決まるために、高い精度で
予測が可能となる。よって、海岸で観測された水位と予
測天文潮位の差を求め、その偏差から津波の検知を行う
こともある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】津波は、海象現象の中
で、上述した特徴の他に、次の特徴を有する現象と言え
る。津波は、簡単に言えば地震によって地層に断層がで
き、それによって海底面に起伏ができ、それに伴って海
面が持ち上がり、その高まりが伝播する波動であるが、
波浪や潮汐の波動と異なって、孤立波である。すなわ
ち、これらの津波以外の波動は、時間的にも空間的にも
ある程度の範囲で周期的な変動が見られるが、津波は特
に波源域から直接伝播してくるもの(とくに先頭の海面
の高まりはLeading Waveと呼ばれる)は小
さい変動を無視すると1つの高まり(孤立波)が伝播す
るだけとなる。伝播方向の広がりは小さいが、伝播方向
と直角方向の広がりは非常に大きい特徴をもつ。津波を
いち早く検知して、その後の津波の伝播を予測するため
には、このLeading Waveを観測する必要が
ある。
【0010】従来の方法では、たとえ数個のセンサーを
用いたとしても本質的には点の観測であり、また津波の
検知アルゴリズムにおいても、津波の特性を十分に利用
して津波を検知し予測するシステムにおいても不十分と
言える。すなわち、津波を面的に観測し、面的なデータ
から津波の存在とその特性を検知し、予測する点におい
て不十分と言える。このことは、海象監視という点にお
いても同様に言えることである。すなわち、海象監視に
おいても面的な観測をしておらず、海象の異常性の抽出
においても明確な予測パターンに基づいた偏差法を取っ
ていないことである。
【0011】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、面的でかつ準実時間的に海象観測でき、面的なデ
ータを利用した有効的な海象異常の監視と信頼性のある
津波の監視予測を可能とする津波・海象監視予測装置を
提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、津
波や潮流、吹走流、沿岸流による海象異常を監視予測す
る津波・海象監視予測装置であって、監視海域における
海面流照射方向の平面分布および波浪特性の平面分布を
観測する2台のレーダ装置と、該2台のレーダ装置で観
測される各平面分布データを合成して、潮流、吹走流、
沿岸流の予測パターンと津波来襲情報を用いて津波の存
在の有無、津波の特性、津波の到着時刻を監視予測し、
波浪特性を含む海象の予測パターンを用いて異常海象を
監視する監視予測装置とを備えたことを特徴とする。
【0013】また、監視予測装置は、2台のレーダ装置
で観測される海面流照射方向の平面分布をベクトル合成
して海面流ベクトルの平面分布を求めてから、潮流、吹
走流、沿岸流の予測パターンとの差により海面流の異常
平面分布を求め、流速偏差解析を行って海面流の異常偏
差分布を求めることを特徴とし、レーダ装置および監視
予測装置は、動作モードとして海象監視用モードと津波
監視予測用モードを有し、海象監視用モードでは、数時
間の観測時間で異常海象を監視し、津波監視予測用モー
ドでは、きわめて短時間の観測で津波の存在の有無、津
波の特性、津波の到着時刻を監視予測することを特徴と
する。
【0014】
【作用】本発明の津波・海象監視予測装置では、監視海
域における海面流照射方向の平面分布および波浪特性の
平面分布を観測する2台のレーダ装置と、該2台のレー
ダ装置で観測される各平面分布データを合成して、潮
流、吹走流、沿岸流の予測パターンと津波来襲情報を用
いて津波の存在の有無、津波の特性、津波の到着時刻を
監視予測し、波浪特性を含む海象の予測パターンを用い
て異常海象を監視する監視予測装置とを備えたので、ア
ンテナの視線方向が異なる方位を持つ2台のレーダ装置
により面的でかつ準実時間的に海象観測でき、面的なデ
ータを利用した有効的な海象異常の監視と信頼性のある
津波の監視予測を可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は本発明に係る津波・海象監視予測装置の
1実施例を示す図である。図1において、2台のレーダ
装置1A、1Bは、監視海域における海面流照射方向の
平面分布および波浪特性の平面分布を観測するものであ
る。監視予測装置は、合成処理部2、解析処理部3、予
測パターンデータ4、監視処理部5、データ蓄積出力部
6からなり、2台のレーダ装置1A、1Bで観測される
各平面分布データを合成して、潮流、吹走流、沿岸流の
予測パターンと津波来襲情報を用いて津波の存在の有
無、津波の特性、津波の到着時刻を監視予測し、波浪特
性を含む海象の予測パターンを用いて異常海象を監視す
るものである。合成処理部2は、海面流照射方向の平面
分布データをベクトル合成して海面流ベクトルの平面分
布を求め、また、波浪特性の平面分布データを統計処理
して波浪特性平面分布を求めるものである。予測パター
ンデータ4は、潮流や吹走流、沿岸流の予測パターン、
波浪特性を含む海象の予測パターンの各データを格納す
るファイルである。解析処理部3は、これら予測パター
ンのデータを用い、合成処理部2で求めた海面流ベクト
ルの平面分布と潮流、吹走流、沿岸流の予測パターンと
の差から海面流の異常平面分布を求め、流速偏差解析を
行って海面流の異常偏差分布を求めるものであり、ま
た、合成処理部2で求めた波浪特性平面分布と波浪特性
を含む海象の予測パターンとの差から波浪特性異常平面
分布を求めるものである。監視処理部5は、津波来襲情
報に基づき海象監視用モードと津波監視予測用モードと
の動作モードの切り換えを行い、海象監視用モードで
は、数時間の観測時間で異常海象を監視し、津波監視予
測用モードでは、きわめて短時間の観測で津波の存在の
有無、津波の特性、津波の到着時刻を監視予測するもの
である。そして、データ蓄積出力部6は、監視処理部5
で得られた津波の存在の有無、津波の特性、津波の到着
時刻等の情報を出力し、また、沿岸海域特性の調査のた
めのデータを蓄積し、出力するものである。
【0016】本発明は、上記のように第1に面的な観測
手段として、広域で面的に海面流と波浪特性の分布をき
わめて短時間で計測できる2台のレーダ装置1A、1B
を用いるものであり、第2に津波抽出の技術として、海
象の異常性抽出法と、津波来襲時に特に海面流平面分布
から津波特性を抽出する方法を用いるものである。ま
ず、面的な観測手段としてレーダ装置の海面流速及び波
浪特性の測定の原理を説明する。なお、以下に説明する
原理は、レーダ計測の研究において、Barrick("HF RADI
O OCEANOGRAPHY--A REVIEW",Boundary-Layer Meteorolo
gy, Vol. 13, pp23-43. 1978) 等によって明らかにされ
た方法である。
【0017】図2はドップラスペクトラム分布とドップ
ラ周波数シフトfD を説明するための図である。始め
に、海面流速の測定の原理を説明する。これはブラッグ
散乱(ブラッグ条件を満たす散乱)された、1次の海面
散乱エコーのドップラ周波数から計測されるものであ
る。すなわち、海面に向けて発射された電波は、海面波
(波浪成分波)によって散乱される。特に送信電波の1
/2の波長を持ち電波照射方向(レーダアンテナの視線
方向)に伝播する海面波による散乱は、ブラッグの条件
を満たすため強い後方共鳴散乱を生じる。
【0018】電波の波数K、電波照射方向の海面波の波
数をκとすると、ブラッグの条件を満たすのは、κ=±
2Kである。波数κの海面波の位相速度cは、〔数1〕
で表すことが出来る。
【0019】
【数1】c=√(g/κ) ここで、gは重力加速度である。この海面波によって後
方散乱し戻ってくる電波は、±cに応じたドップラシフ
トを受け、その電波を周波数解析すると、図2に示すよ
うにドップラ周波数±fDOに2つのピークとなって現れ
る。ここで、+fDOは近づく海面波で、−fDOは遠ざか
る海面波に対応する。
【0020】海面波は、海流に乗って移動するために、
海面流によるドップラシフトも加わり、ピークの位置は
±fDOからずれる。ドップラピーク周波数fD が観測さ
れるこのずれの量をΔf=fD −fDOとすると、このず
れを生じさせる海流の速度vは、〔数2〕で表すことが
出来る。
【0021】
【数2】v=CΔf/(2f) ここで、Cは電波の速度である。よって、後方散乱し戻
ってきた電波の周波数解析を行い、そのドップラスペク
トラムからΔfを求めることにより、海面流速を求める
ことが出来る。海面での散乱点までの距離は、送信パル
スと受信エコーとの時間差から容易に求めることが出来
る。
【0022】以上のことにより、レーダアンテナの視線
方向の海面流成分の平面分布が極めて短時間で計測出来
ることになる。海面流はベクトル量であるために、1台
のレーダ観測ではベクトル量として計測できない。その
ため、最低2台のレーダが必要で、それぞれのアンテナ
の視線方向は異なる方位を持つように設置する必要があ
る。
【0023】次に、波浪特性の計測原理を説明する。上
記は1次のブラッグ後方共鳴散乱であったが、波浪特性
は2次のブラッグ後方共鳴散乱で計測できるものであ
る。すなわち、電波は次のような2次の波浪成分波と共
鳴し、図2で示すように海面のエコーのドップラスペク
トル分布に2次散乱スペクトルとして計測される、この
2次の波浪成分波は、2つの異なる波浪成分波が干渉し
て、上記で説明したブラッグ条件を満たす波である。こ
の波は、振幅は非常に小さくなるが、照射海域に存在す
るすべての波浪成分波が関与して形成される波である。
このために、測定された2次散乱は、1次散乱に比べる
と非常に小さいが、そのスペクトルから波浪場の方向ス
ペクトルが推定でき、波浪特性が計測できることにな
る。波浪特性の計測においては、海面流計測と異なっ
て、レーダは1台だけでよい。しかし、スペクトルエネ
ルギーが小さいために、データのS/Nを良くする必要
から、観測データを多く必要とし、その結果長い観測時
間を必要とする。
【0024】一方、海面流観測の場合は、既に説明した
ように、1次の散乱のみによって抽出できるために、極
めて少ない観測データでよく、すなわち短い観測時間で
良いことになる。よって、海面流観測のみの場合と海面
流速および波浪特性の両方の観測の場合とでは、観測時
間が異なることになる。本発明では、前者を津波監視用
モードと、後者は海象監視用モードと呼ぶことにする。
以上のことにより、2台のレーダから上記の測定原理を
用いれば、広域的で面的な海面流と波浪特性の平面分布
を計測することが可能となる。
【0025】次に、津波の抽出原理について説明する。
以下の説明では、面的な海面流の平面分布がある時刻毎
に計測されているデータを前提とし、この条件下で、一
般的な海象条件の中で津波を抽出する方法を説明する。
上述したように一般的な海象条件では、海面流場におい
て、卓越する現象は頻度の高い順から潮流、吹走流、沿
岸流、津波である。これらの予測は次のようになる。
【0026】潮流は潮位変化で決まり、潮位変化は既に
述べたように精度良く予測できるので、予測は可能とな
る。また、吹走流は風で起こされるので、風の予測デー
タがあれば、ある程度予測出来ることになる。また、沿
岸流は、外洋の海流の状態によって予測できるものであ
る。これらは外力(吹走流であれば風の変化)と境界条
件(潮流であれば潮位変化を、沿岸流であれば外洋の流
れを境界値に設定)を適切に数値モデルに入れれば発生
時刻、大きさ、範囲等を予測することが可能である。
【0027】一方、津波は、地震の波源モデルがあれ
ば、予測が可能である。波源モデルは現在の研究レベル
では多くの地震計の記録(本震及び余震を含む。)や海
岸にある潮位計の津波記録によって決まるので、地震時
の地震計のデータから即座に決められないものである。
津波の波源モデルの決定は非常に時間がかかるが、震源
の位置は容易に地震計のデータから分かるので、津波の
到着時刻は高い精度で予測ができる。
【0028】以上のことから、ある沿岸域を設定すれ
ば、津波以外の潮流と吹走流と沿岸流については予測が
でき、津波の来襲を検知することは可能となる。すなわ
ち、観測沿岸域の海面流の観測分布を、潮流と吹走流と
沿岸流の予測計算値と比較検討することによって、津波
の来襲があれば、その伝搬特性が検知されることにな
る。また来襲時刻があらかじめ分かるので、検知された
波動の確認が可能となる。そこで、具体的にはどのよう
に津波の波動の認識をするかが問題となる。海面流分布
から津波のパターンを認識する方法は空間スケールの相
違を利用することにある。
【0029】潮流(潮位変化)と津波はともに浅海波と
なり、第1次近似では次の運動方程式と連続の式で近似
される。ただし、津波は上述したように、孤立波である
ことに注意をする必要がある。ここでの運動はもっとも
簡単な1次元と仮定した。
【0030】
【数3】∂u/∂t+g∂η/∂x=0
【0031】
【数4】∂η/∂t+∂(hu)/∂x=0 流速と海面水位をそれぞれuとηとした。水深hを一定
にすると、波形も流速も両方とも同じ位相速度をもつ波
動方程式となる。これらの式の解は線形解となり、次式
となる。
【0032】
【数5】η=asin(κx+ωt)
【0033】
【数6】u=a√(g/h)sin(κx+ωt)
【0034】
【数7】C=√(gh) ここで、aとgとhはそれぞれ振幅と重力加速度(9.
8m2 /s)と水深である。また、κとωは浅海波の波
数と角周波数である。上式の解から、津波パターンの検
知は波形ηの平面分布であっても流速uの平面分布であ
っても可能となる。なぜならば、両者のパターンはとも
に同一の位相速度を持つからである。しかし、津波はす
でに述べたように、孤立波であるので、これの海面水位
は〔数5〕では十分でない。しかしながら、津波の位相
速度は〔数7〕で充分であり、浅海波のもので、深海波
のものと異なる。また、〔数6〕から流速の大きさの目
安を得ることができ、〔数8〕となる。
【0035】
【数8】|u|〜a√(g/h) 上式を用いて、具体的に津波と潮汐の相違を深さh=1
000mの海域で評価する。すなわち、本発明ではでき
るだけ津波を沖で検知する必要があるために、目安とし
て、沿岸から50kmの沖合で、海の水深として100
0mをモデル的に想定した。よって、位相速度は〔数
7〕より、約100m/sとなる。
【0036】第1に、波長の大きさを調べる。潮汐の代
表的な周期は半日周期(約12時間)である。よって、
潮汐の波長は位相速度と周期から、海の深さが1000
mと一様と仮定すると、約4320kmとなる。一方、
津波は10分から20分の周期であると言われている。
これらの周期から同様な計算をすると、波長は約60k
mから120kmとなる。よって、津波は潮流に比べる
と、空間スケールが約1/30以下となる。また、吹走
流は上述したように風で起こされる。海上では風は広い
範囲にわたって一様であるので、吹走流の空間スケール
は相当に大きくなる。しかし沿岸域が湾であれば、風の
場は湾のスケールとなり、吹走流のスケールは湾の大き
さのスケールとなるので、津波より大きい場合も小さい
場合もあることとなる。このようなことは沿岸流につい
ても同様である。
【0037】第2に流速を評価する。〔数8〕から分か
るように、振幅の情報が必要である。潮汐について太平
洋側では振幅は約50cmとなる。〔数8〕より、流速
の大きさは約5cm/sとなる。一方津波については沖
の海上で振幅は10cm〜300cm(波高では20c
m〜600cm)程度と仮定すると、流速の大きさは約
1cm/s〜30cm/sである。津波はすでに述べた
ように孤立波であり、その第1波(Leading W
ave)は上述した線形解より一般的に波高に対しての
流速比は非常に高いことが予想される。
【0038】これらの結果から、波高の低い津波の場
合、流速の大きさは潮流と同じ大きさとなる。また、吹
走流について、速度の大きさはほぼ風速の3%と言われ
ている。例えば風速10m/sの風がある程度の時間吹
くと、吹走流の流速の大きさは3cm/s程度となる。
沿岸流については場所によって非常に異なるので、一般
的に設定することはできない。
【0039】上述したことにより、潮流と津波の識別で
は、流速の大きさだけでは不十分となるが、スケールの
相違が非常に存在するので、流速の空間的な勾配または
空間的な流速差(以後流速偏差と呼ぶ)が有効となる。
一方、津波と吹走流又は沿岸流においては、流速の大き
さもパターンのスケールも非常に大きな相違がない場合
があると言える。
【0040】しかしながら、すでに何度も述べたよう
に、本発明は津波をできるだけ沖で検知するために、第
1波であるLeading Waveを観測し、これで
もって津波の予測を行うことにある。このLeadin
g Waveは孤立波であり、水平方向の流速分布は、
とくに伝播方向において、孤立波の前面で、流速が激し
く変化する特徴をもつ。この性質により、流速偏差は非
常に大きくなり、津波と吹走流及び沿岸流の識別は可能
となる。よって、津波は海象現象から識別が可能とな
る。
【0041】次に、面的な観測手段としてレーダ装置の
海面流および波浪特性測定の原理を説明する。図3はレ
ーダ装置の構成例を示すブロック図である。図3におい
て、パルス発生器1はパルス信号を発生し、変調器2に
出力するとともに、演算回路5にパルス発生器のタイミ
ング信号を出力する。高周波発生器4は、送出される電
波のキャリア周波数となる周波数fを有し、かつ所定の
レベルを有する局部発振器信号を発生して変調器2およ
び検波器6に出力する。変調器2は、パルス発生器1か
ら入力されるパルス信号を用いて上記局部発振信号を変
調し、送信アンテナ3に入力する。送信アンテナ3は、
入力された変調信号を電波として海面8に向かって照射
する。照射された電波は、海面8においてのその電波の
周波数fのブラッグ条件に対応して後方共鳴散乱し、受
信アンテナ7に入射する。受信アンテナ7は入射した電
波を電気信号に変換し検波器6に出力する。検波器6
は、入力された入射信号を、高周波発生器4から入力さ
れる局部発振信号を用いて同期検波し、検波出力信号は
演算回路5に出力する。
【0042】演算回路5は、A/D変換回路を備え、入
力された検波出力信号をデジタルデータに変換し、パル
ス発生回路1から入力されたタイミング信号を使って検
波出力信号との時間差を求める。そして、この時間差は
送信アンテナから照射された電波が海面で後方散乱し受
信アンテナに入射されるに要する時間に相当することを
利用し、電波の速度から算出される海面での散乱点まで
の距離に応じたデータについて周波数解析する。さら
に、周波数解析から得られたドップラスペクトルに現れ
る2つのピーク(1次散乱)からΔfを求め、〔数2〕
を用いて海面流速vを算出する。また、ドップラスペク
トルに現れる2つのピーク(1次散乱)以外の、小さな
多くのピークは2次散乱となり、波浪の特性を抽出する
ことができる。
【0043】海面での散乱点までの距離の算出に、パル
ス発生器を用いている場合、例えば6.6μsの時間幅
のパルス信号を用いることにより1kmの距離分解能を
得ることが出来る。
【0044】上記の実施例においては、海面での散乱点
までの距離の算出に、パルス発生器を用いているが、本
発明はこれに限らず、送信周波数を変化させた電波を送
出し、受信信号との周波数差から距離を求めるFMCW
方式を用いても良い。この場合、150kHzの周波数
変化幅を用いることにより、1kmの距離分解能を得る
ことが出来る。また、送信アンテナ3と受信アンテナ7
は別のアンテナを用いているが、本発明は1つのアンテ
ナを送信受信で切り替えて使用するようにしても良い。
また、送信または受信のアンテナに指向性を持たせ、海
面を2次元的に走査し、各方位における海面流速を求め
ても良い。
【0045】さらに実施例においては、測定器を1台の
場合について述べた。波浪特性計測は1台のレーダでよ
いが、海面流速計測は、アンテナの視線方向と同一方向
の成分しか得ることができない。よってレーダ測定器を
2台用い、異なる方向から電波を照射して同一の海域を
観測することにより、海面流(ベクトル量)を得ること
ができるようにすることが可能となる。
【0046】図4は細長い湾の海面流速観測の例を示す
図である。この例では、2台のレーダA、Bを湾奥の海
岸に約20km離して設置し、図4(a)に示すように
2台のレーダの照射領域が重なった海域が海面流のデー
タの得られるところである。また、図4(b)では、実
線と点線の矢印がそれぞれアンテナAとBの視線方向の
観測される流速成分であり、伝播方向に一様な流れに対
して、海岸線から30km、40km、50kmでの各
々のレーダのアンテナ視線方向の海面流の観測値の例を
示した。これらの流速を空間的に補間し、1kmのメッ
シュデータを作り、各メッシュごとにベクトル合成を行
えば、1kmの分解能を有する海面流ベクトルの平面分
布を得ることが出来る。このような解析を例えば1分間
ごとに行えば、1分間ごとの海面流の平面分布が得ら
れ、津波パターンを明確に検知することが可能となる。
【0047】津波検知のための海面流の測定は、短時間
で面的に、できるだけ遠方までできることが望ましい。
次に、短時間で面的に計測する方法について説明する。
これは、全方位同時計測法が適している。これは、発信
アンテナにおいて、指向性がなく、できるだけ電力の高
い電波を同時に全方位の海面に発射し、受信アンテナに
おいて、できるだけ大きなアンテナを用いて、方位別に
分解できるように同時に受信する方法である。次にでき
るだけ遠方まで計測するためには、レーダの送受信機の
性能向上を図る必要があるが、もっとも効果的な方法
は、レーダの周波数として、できるだけ低い周波数を使
用することである。
【0048】図5は2台の短波海洋レーダを用いて計測
された海面流の観測例を示す図であり、両者のアンテナ
視線方向の流速データをベクトル合成した海面流の平面
分布の例である。この場合用いたレーダ周波数は、短波
帯である約25MHzであった。
【0049】次に、〔津波の抽出原理〕について説明す
る。図6は数値計算モデルと海底面の地盤変化を説明す
るための図であり、(a)と(b)は海底地形を示し、
(c)は地震による断層によって生じた海底面の地盤変
化を示している。津波の観測例がないので、もっとも簡
単なモデルの数値計算を行い、海面流の平面分布を計算
する。簡単のために、津波を1次元運動に近いものにモ
デル化した。運動方程式は非線形で、海岸での津波の遡
上を含む平面2次元のものとした。この数値計算結果の
データを用いて、本発明の抽出法の実施例を示す。使用
した波源モデルの地震断層パラメータは断層の幅30k
m、上縁の深さ1km、傾斜角60度、横ずれ0m、縦
ずれ−8mである。この断層の平面分布は図6(a)の
津波波源域で示す。空間メッシュの大きさは1kmで、
時間ステップ間隔は1秒である。この空間メッシュの大
きさはレーダの空間分解能に対応している。津波のパタ
ーンは今までの経験から引き波と押し波に分けられるた
めに、ここでは両方について検討した。前者の場合はは
じめに海面が引き、その後海面の高まり(津波)が来襲
するタイプである。後者は前者と逆の海面変化となる。
引き波の場合の地震断層パラメータは上記の値となる
が、押し波の場合は引き波の場合と比較して、傾斜角1
20度と縦ずれ+8mの値が異なるのみである。計算結
果は3つの物理量、すなわち津波高、海面流、海面流速
偏差の平面分布を1分間ごとに示し、前者に対して図7
〜図12に、後者に対して図13〜図18に示した。
【0050】図7と図8は引き波の場合の津波波高のパ
ターンを示す図、図9と図10は引き波の場合の津波流
速のパターンを示す図、図11と図12は引き波の場合
の津波流速偏差のパターンを示す図、図13と図14は
押し波の場合の津波波高のパターンを示す図、図15と
図16は押し波の場合の津波流速のパターンを示す図、
図17と図18は押し波の場合の津波流速偏差のパター
ンを示す図、図19は津波パターンの位相速度を示す図
である。図7〜図18において、奇数番号の図は伝播方
向での断面図、偶数番号の図は平面図、図中、数字は波
形の高さその他分布の値(単位m)、L0、U0、G0
が津波発生時の状態、L1〜L10、U1〜U10、G
1〜G10が津波発生から1分間毎の津波の伝播状態の
結果である。これらの速度偏差は次の解析で行った。
【0051】
【数9】メッシュ(i、j)の速度偏差=√{(ui+ij
−uij2 +(uij+1−uij2 } ここでuijは空間メッシュ(i、j)でのx軸方向の流
速成分である。上述したように、数値計算される津波は
1次元運動に近似されるので、伝播方向の速度成分uが
非常に大きくなり、それと直角な方向の成分vは非常に
小さくなり省略される。よって、速度偏差は〔数9〕で
示したように、uのみとなる。実際には流速成分vは無
視できない場合があるので、uと同様にvについても速
度偏差を求める必要がある。uとvの両方を考慮する時
は、ベクトル量としてパターン表示を行えばよい。
【0052】図7〜図18から3つの物理量のパターン
は孤立波と分布のピークパターンがよく一致し、それら
はいずれも津波の伝搬状況を明確に示し、それらの位相
速度は図19の津波パターンの位相速度に示したように
理論式〔数7〕と非常によく一致した。なお、図19に
おいて、各パターンの位相速度は1分間に各パターンの
第1ピークが動いた距離から求め、その間の中央の点で
の値とし、理論曲線は、図6で示した海底の水深値を
〔数7〕に代入して計算したものである。これらの結果
から、津波のパターンの検知においては、3つの物理量
の中ではほとんど本質的な差がないと言える。
【0053】先に〔問題点を解決するための手段〕で述
べたように、いろいろな海象現象から津波を抽出する有
効な方法は流速偏差法であった。また、ここで津波の検
知として、津波の第1波の孤立波であるLeading
Waveについて、数値計算の結果から調べて見る
と、線形の解に比べて波高に対する流速の値に関してよ
り大きな値が得られた。例えば、波高を津波波形の山と
谷の長さとすると、波高(振幅は波高の半分)40cm
前後となり、これに対しての流速は、線形の解の式〔数
8〕では約20cm/sとなるが、数値計算では沖の2
0kmから50kmの範囲において約35cm/sから
40cm/sとなっていることである。
【0054】よって、この流速偏差法を用いることによ
って、津波を検知し、津波の伝搬位相速度と方位、流速
値から、近くの海岸に来襲する津波の到着時刻、波高の
予測が可能となる。流速値から波高値を求める具体的な
方法は、孤立波運動が一般に理論的に解くことが困難で
あるので、次のように行うのが合理的である。すなわ
ち、予測したい沿岸海域を設定し、この海域で発生する
と予想される、多くの地震津波の数値計算を多く行い、
得られた結果から経験的に求める方法である。
【0055】次に、〔海象異常の抽出法〕について説明
する。図20は海象現象と数値モデルの出力分布を示す
図である。津波の検知をできるだけ沖で百パーセント確
実にするためには、上述した流速偏差法だけでは充分と
は言い切れない。観測する沿岸域が固定されれば、そこ
での海象特性が調べられ、どのような時に海象異常が発
生するかある程度予測ができることになる。沿岸域での
海象特性と海象異常を把握しておくことは、津波の検知
の信頼性を向上させるのに役立つことである。本発明に
おいて、波浪特性について積極的な活用を考えない理由
は、海面流の場に重点をおく津波監視システムであるか
らである。しかしながら、沿岸域の海象異常の把握にお
いては、波浪の異常情報は重要となる。よって、本シス
テムにおいて、波浪計測は不可欠となる。
【0056】本システムの海象異常の抽出法を具体的に
示す。沿岸の海象現象はすでに述べたように海面流の場
から吹走流、潮流、沿岸流、津波となる。津波を除け
ば、気象庁・海上保安庁等からのデータを用いることに
よって、これらの現象の再現計算が図20に示したよう
に可能となる。このことは、津波を除く海象現象の予測
が可能となり、津波を除く海象現象の予測パターンが得
られることになる。よって、レーダから観測された海面
流の平面データとの差異の分布を解析することによっ
て、海象異常が面的に抽出できることになる。これが本
発明の海象異常の抽出法である。
【0057】図21は本発明に係る津波・海象監視予測
装置における全体の処理の流れを説明するための図であ
る。以上に説明した計測法と処理法を採用したシステム
全体の処理の流れを説明する。
【0058】2台のレーダから各々の照射方向の海面流
の平面分布と波浪特性の平面分布が得られる。はじめに
海面流について説明する。2つの照射方向の海面流分布
をベクトル合成して、海面流のベクトル平面分布Eを得
る(ステップS1)。この海面流のベクトル平面分布E
をもとに、第1に流速偏差解析を行い、偏差平面分布G
Eを得る(ステップS3)。第2に、図20であらかじ
め用意した吹走流A、潮流B、そして沿岸流Cの予測パ
ターンを用いて、観測パターンとの差{E−(A+B+
C)}を求めて、海面流の異常平面分布(E−A−B−
C)を得る(ステップS2)。さらに、これについて流
速偏差解析を行い、海面流の異常偏差分布G(E−A−
B−C)を得る(ステップS4)。一方、波浪特性につ
いては適当な統計処理(もっとも簡単な方法は2つの平
均をとることである)を行い、信頼度の高い波浪特性平
面分布Fを得る(ステップS5)。次に図20で用意し
た波浪特性の予測パターンを用いて、波浪特性の異常平
面分布(F−W)を得る(ステップS6)。
【0059】ここで、津波来襲の可能性があるかどうか
によって、津波予測用モードにするか海象監視用モード
にするか選択される(ステップS7)。津波来襲の可能
性があれば(気象庁から津波予報が発表されれば)、津
波監視用モードが選択される。このモードであれば、観
測時間が最小の時間Δtになるように設定される(ステ
ップS8)。このモードになると、すでに説明したよう
に、観測は海面流の観測のみ、すなわち1次海面散乱に
ついて海面流解析のみを行い、短い観測時間となる。こ
のように短い時間間隔でパターンGEとG(E−A−B
−C)が得られ(ステップS9)、これに基づいて沖で
の津波の伝播と津波特性が調べられ、流速や地形モデル
等の条件に基づきあらかじめ用意された津波の経験則
(例えば波高=流速v×ある関数F、到達時間T=距離
/位相速度)から、近傍の海岸の津波到達時刻と波高の
予測値が得られる(ステップS10)。これらの情報
は、直ちに防災関係機関に伝達されることになる。
【0060】一方、海象監視用モードが選択されると、
観測時間は短時間でなく、例えば2時間程度となる(ス
テップS11)。この場合、波浪特性も得られるよう
に、充分な観測時間が取られることになる。データは海
面流と波浪特性のデータとなり、データの蓄積が行われ
る(ステップS12)。ある程度データが蓄積された
時、沿岸海域特性の調査を行い(ステップS13)、沿
岸の海象特性の把握・理解の学習ができることになり、
予測計算精度の向上を図ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、津波の
予測において、もっとも重要なことは本当に津波がくる
のか、来るとしたら津波波高はどれくらいになるかであ
る。現在の技術レベルでは、震源の深さと地震の規模か
らある程度経験的に津波の発生と規模が予測されるが、
信頼度は高いとは言えない。気象庁の津波警報が出て
も、津波の波高が非常に小さく、ほとんど来襲がないと
見做される場合があり、また、その規模、すなわち津波
の波高がどのくらいになるか明確に定量的に知らされて
いない場合が多い。
【0062】その点、本発明によれば、出来るだけ沖
で、面的な海面流速ベクトルを観測し、津波を検知し、
特性を調べ、近くの海岸に来襲する津波の到着時刻、波
高を予測することができる。例えば、海岸から50km
沖で津波を検知すれば、海岸に到着するまでの時間は約
10分間となり、津波防災に非常に有用な情報を提供す
ることは可能となる。すなわち、本発明を用いれば、津
波に対して「狼少年」がいなくなることである。
【0063】また、津波の予測を確実にするためには、
沿岸の海象特性を津波来襲時ばかりでなく、常に観測・
監視をする必要がある。本発明は、これを面的に行い、
津波以外の海象現象を予測し、海象予測パターンを用い
て、定量的に海象異常の抽出を行うものである。津波は
頻繁に来襲しないので、本発明は、日頃はむしろ海象監
視が重要な役割を果たすことができる。このような日頃
の海象観測・監視の作業が、海象予測の精度の向上をも
たらし、それらの成果は、津波の検知・予測の信頼度の
向上に寄与することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る津波・海象監視予測装置の1実
施例を示す図である。
【図2】 ドップラスペクトラム分布とドップラ周波数
シフトfD を説明するための図である。
【図3】 レーダ装置の構成例を示すブロック図であ
る。
【図4】 細長い湾の海面流速観測の例を示す図であ
る。
【図5】 2台の短波海洋レーダを用いて計測された海
面流の観測例を示す図である。
【図6】 数値計算モデルと海底面の地盤変化を説明す
るための図である。
【図7】 引き波の場合の津波波高のパターンの伝播方
向での断面図である。
【図8】 引き波の場合の津波波高のパターンの平面図
である。
【図9】 引き波の場合の津波流速のパターンの伝播方
向での断面図である。
【図10】 引き波の場合の津波流速のパターンの平面
図である。
【図11】 引き波の場合の津波流速偏差のパターンの
伝播方向での断面図である。
【図12】 引き波の場合の津波流速偏差のパターンの
平面図である。
【図13】 押し波の場合の津波波高のパターンの伝播
方向での断面図である。
【図14】 押し波の場合の津波波高のパターンの平面
図である。
【図15】 押し波の場合の津波流速のパターンの伝播
方向での断面図である。
【図16】 押し波の場合の津波流速のパターンの平面
図である。
【図17】 押し波の場合の津波流速偏差のパターンの
伝播方向での断面図である。
【図18】 押し波の場合の津波流速偏差のパターンの
平面図である。
【図19】 津波パターンの位相速度を示す図である。
【図20】 海象現象と数値モデルの出力分布を示す図
である。
【図21】 本発明に係る津波・海象監視予測装置にお
ける全体の処理の流れを説明するための図である。
【符号の説明】
1A、1B…レーダ装置、2…合成処理部、3…解析処
理部、4…予測パターンデータファイル、5…監視処理
部、6…データ蓄積出力部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 津波や潮流、吹走流、沿岸流による異常
    を監視予測する津波・海象監視予測装置であって、 監視海域における海面流照射方向の平面分布および波浪
    特性の平面分布を観測する2台のレーダ装置と、 該2台のレーダ装置で観測される各平面分布データを合
    成して、潮流、吹走流、沿岸流の予測パターンと津波来
    襲情報を用いて津波の存在の有無、津波の特性、津波の
    到着時刻を監視予測し、波浪特性を含む海象の予測パタ
    ーンを用いて異常海象を監視する監視予測装置とを備え
    たことを特徴とする津波・海象監視予測装置。
  2. 【請求項2】 監視予測装置は、2台のレーダ装置で観
    測される海面流照射方向の平面分布をベクトル合成して
    海面流ベクトルの平面分布を求めてから、潮流、吹走
    流、沿岸流の予測パターンとの差により海面流の異常平
    面分布を求め、流速偏差解析を行って海面流の異常偏差
    分布を求めることを特徴とする請求項1記載の津波・海
    象監視予測装置。
  3. 【請求項3】 レーダ装置および監視予測装置は、動作
    モードとして海象監視用モードと津波監視予測用モード
    を有し、海象監視用モードでは、数時間の観測時間で異
    常海象を監視し、津波監視予測用モードでは、短時間の
    観測で津波の存在の有無、津波の特性、津波の到着時刻
    を監視予測することを特徴とする請求項1記載の津波・
    海象監視予測装置。
  4. 【請求項4】 動作モードは、津波来襲情報に基づいて
    海象監視用モードから津波監視予測用モードに切り換え
    られることを特徴とする請求項3記載の津波・海象監視
    予測装置。
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