JP2015004610A - 海洋レーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2台のレーダや予測パターンを用いることなく、津波の検知精度を高めることができるとともに、広範囲の領域を監視することができるようにする。
【解決手段】波面推定部5により推定された津波の波面が存在しているレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルVDlosを津波の進行方向の流速ベクトルVDadvに変換する流速ベクトル推定部6を設け、津波検出部7が、流速ベクトル推定部6により変換された流速ベクトルVDadvが、実際に津波の流速を表しているベクトルであるか否かを検証し、実際に津波の流速を表しているベクトルであれば、津波の発生を認定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、観測領域の海面に反射されて戻ってきた電波を解析することで、津波を検出する海洋レーダ装置に関するものである。
一般的に、津波は、海域での地震断層運動による海底変動に起因するものであり、広範囲における海底の上下変動によって、海面の変位が生まれることで、海域全体に伝搬する海象現象である。
津波は、社会生活に甚大な被害を及ぼすことから、平常時から監視して、早期に検知することが望まれている。
従来、津波の監視には、海洋レーダ装置、カメラ、波浪計などが用いられている。
これらの中で、海洋レーダ装置は、天候などの環境の影響を受け難く、広範囲の領域を監視することができる利点を有している(例えば、非特許文献1を参照)。
ただし、海洋レーダ装置が1台のレーダを用いる方式では、視線方向の流速を検出することはできるが、津波の進行方向の流速を検出することができないため、津波の速度を正確に検出することが困難であると考えられていた。
そこで、以下の特許文献1には、2台のレーダの覆域を重ね合わせることで、津波の検出精度を高めている海洋レーダ装置が開示されている。
また、以下の特許文献1には、潮流や吹走流などが津波と同時に観測されると、津波を検知する上で障害になるため、潮流や吹走流などを予測したパターンを用いて、津波の成分だけを検知する方式が開示されている。
特開平8−292273号公報(段落番号[0012])
「陸上設置型レーダによる沿岸海洋観測」、平成13年3月10日、土木学会発行
従来の海洋レーダ装置は以上のように構成されているので、2台のレーダの覆域を重ね合わせるには、同時に2方向からの観測値をベクトル合成する必要がある。このため、得られる覆域がレーダ単体の覆域よりも狭くなり、広範囲の領域を監視することができなくなる課題があった。
また、津波を検知する上で障害になる潮流や吹走流などを予測したパターンを用いれば、津波の検知精度を高めることができるが、一般に気象や海象現象の長期予測は困難であるため、常に、パターンの予測値を更新する必要がある。このため、システム構成が複雑になるとともに、面倒なメンテナンス作業が必要になる課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、2台のレーダや予測パターンを用いることなく、津波の検知精度を高めることができるとともに、広範囲の領域を監視することができる海洋レーダ装置を得ることを目的とする。
この発明に係る海洋レーダ装置は、電波を観測領域の海面に向けて放射する電波放射手段と、電波放射手段から放射されたのち、観測領域の海面に反射されて戻ってきた電波を受信する電波受信手段と、電波受信手段により受信された電波から、観測領域がレンジ方向とアジマス方向で区分けされている各レンジセルのドップラを算出するドップラ算出手段と、ドップラ算出手段により算出された各レンジセルのドップラから津波の波面を推定する波面推定手段と、ドップラ算出手段により算出された各レンジセルのドップラのうち、波面推定手段により推定された津波の波面が存在しているレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルを津波の進行方向の流速ベクトルに変換するベクトル変換手段とを設け、津波検出手段が、ベクトル変換手段により変換された流速ベクトルが、実際に津波の流速を表しているベクトルであるか否かを検証し、実際に津波の流速を表しているベクトルであれば、津波の発生を認定するようにしたものである。
この発明によれば、ドップラ算出手段により算出された各レンジセルのドップラから津波の波面を推定する波面推定手段と、ドップラ算出手段により算出された各レンジセルのドップラのうち、波面推定手段により推定された津波の波面が存在しているレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルを津波の進行方向の流速ベクトルに変換するベクトル変換手段とを設け、津波検出手段が、ベクトル変換手段により変換された流速ベクトルが、実際に津波の流速を表しているベクトルであるか否かを検証し、実際に津波の流速を表しているベクトルであれば、津波の発生を認定するように構成したので、2台のレーダや予測パターンを用いることなく、津波の検知精度を高めることができるとともに、広範囲の領域を監視することができる効果がある。
この発明の実施の形態1による海洋レーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による海洋レーダ装置の波面推定部5を示す構成図である。 レーダの観測領域と津波の波面を示す説明図である。 この発明の実施の形態3による海洋レーダ装置の波面推定部5を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による海洋レーダ装置の波面推定部5を示す構成図である。 この発明の実施の形態5による海洋レーダ装置を示す構成図である。 レーダの観測領域と津波の波面を示す説明図である。 この発明の実施の形態6による海洋レーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態7による海洋レーダ装置を示す構成図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による海洋レーダ装置を示す構成図である。
図1において、送信機1は電波を観測領域の海面に向けて放射する処理を実施する。なお、送信機1は電波放射手段を構成している。
受信機2は送信機1から放射されたのち、観測領域の海面に反射されて戻ってきた電波を受信し、例えば、その受信信号の増幅処理や周波数変換処理などの信号処理を実施してから、信号処理後の受信信号をA/D変換して、ディジタルデータ(A/D変換後の受信信号)をドップラ算出部3に出力する処理を実施する。なお、受信機2は電波受信手段を構成している。
図1では、送信機1と受信機2が海洋レーダ装置に実装されている例を示しているが、送信機1と受信機2の機能を備えている送受信機が海洋レーダ装置に実装されているものであってもよい。
ドップラ算出部3は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、受信機2より出力されたディジタルデータから、観測領域がレンジ方向とアジマス方向で区分けされているレンジセル毎に、当該レンジセルのドップラ(速度)を算出する処理を実施する。なお、ドップラ算出部3はドップラ算出手段を構成している。
ドップラ格納部4は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、ドップラ算出部3により算出された各レンジセルのドップラを格納する。
波面推定部5は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、ドップラ格納部4により格納されている各レンジセルのドップラから津波の波面を推定する処理を実施する。なお、波面推定部5は波面推定手段を構成している。
流速ベクトル推定部6は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、ドップラ格納部4により格納されている各レンジセルのドップラのうち、波面推定部5により推定された津波の波面が存在しているレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルを津波の進行方向の流速ベクトルに変換する処理を実施する。なお、流速ベクトル推定部6はベクトル変換手段を構成している。
津波検出部7は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、流速ベクトル推定部6により変換された流速ベクトルが、実際に津波の流速を表しているベクトルであるか否かを検証し、実際に津波の流速を表しているベクトルであれば、津波の発生を認定する処理を実施する。
また、津波検出部7は津波の発生を認定すると、流速ベクトル推定部6により変換された流速ベクトルから津波の波面の移動を予測する処理を実施する。なお、津波検出部7は津波検出手段を構成している。
表示装置8は例えばGPU(Graphics Processing Unit)や液晶ディスプレイなどから構成されており、波面推定部5により推定された津波の波面、流速ベクトル推定部6により変換された流速ベクトルの分布、津波検出部7による津波発生の検出情報、津波検出部7により予測された移動後の津波の波面などを表示する。
図1の例では、海洋レーダ装置の構成要素である送信機1、受信機2、ドップラ算出部3、ドップラ格納部4、波面推定部5、流速ベクトル推定部6、津波検出部7及び表示装置8のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、海洋レーダ装置の全部又は一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、海洋レーダ装置の一部(例えば、ドップラ算出部3、ドップラ格納部4、波面推定部5、流速ベクトル推定部6、津波検出部7及び表示装置8)がコンピュータで構成されている場合、ドップラ格納部4をコンピュータの内部メモリ又は外部メモリ上に構成するとともに、ドップラ算出部3、波面推定部5、流速ベクトル推定部6、津波検出部7及び表示装置8の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図2はこの発明の実施の形態1による海洋レーダ装置の波面推定部5を示す構成図である。
図2では、波面推定部5が揺らぎ算出部11から構成されている例を示しており、揺らぎ算出部11はドップラ格納部4により格納されている各レンジセルにおけるドップラの時間的な変化を流速の揺らぎとして特定し、津波の波面として、その流速の揺らぎが基準値より大きいレンジセルを連ねる処理を実施する。
次に動作について説明する。
図3はレーダの観測領域と津波の波面を示す説明図である。
レーダの観測領域は、レンジ方向とアジマス方向で区分けされており、破線で囲まれている各々のブロックがレンジセルである。
まず、送信機1は、電波を観測領域の海面に向けて放射する。
送信機1から放射される電波の種類は特に問わないが、例えば、3〜30MHz程度の短波帯の電波や、30〜300MHz程度の超短波帯の電波などが考えられる。
例えば、陸上に設置されている送信機1から、観測領域の海面に向けて短波や超短波の電波を照射すると、レーダビームと同方向に伝播する海面波から強い信号(送信電波の波長の半分の長さを有する信号)が返ってくる。
これはブラッグ共鳴散乱により、或る海面波で反射された電波の位相と、その隣の海面波で反射された電波の位相とが一致するためである。海面波で反射されて戻ってきた信号を周波数解析することで、ドップラスペクトルを得ることができる。
受信機2は、送信機1の近傍に設置されており、送信機1から放射されたのち、観測領域の海面に反射されて戻ってきた電波を受信する。
受信機2は、観測領域の海面に反射されて戻ってきた電波を受信すると、例えば、その受信信号の増幅処理や周波数変換処理などの信号処理を実施してから、信号処理後の受信信号をA/D変換して、ディジタルデータ(A/D変換後の受信信号)をドップラ算出部3に出力する。
ドップラ算出部3は、受信機2からディジタルデータを受けると、例えば、そのディジタルデータをフーリエ変換して周波数を解析することで、観測領域がレンジ方向とアジマス方向で区分けされている各レンジセルのドップラ(速度)を算出し、各レンジセルのドップラ(速度)をドップラ格納部4に格納する。
各レンジセルのドップラ(速度)を算出する処理自体は公知の技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
1台のレーダで観測されるドップラ(速度)は、図3に示すように、津波の進行方向の流速ベクトルVDadv(図中、点線で表記されているベクトル)がレーダの視線方向Dlosに射影された成分である。
そのため、津波がレーダの正面から到来する場合には、津波の実際の流速が観測されるが、津波がレーダのクロスレンジ方向に移動している場合には、津波の実際の流速より小さな流速が観測される。
図中、点線で表記されている津波の進行方向の流速ベクトルVDadvより、実線で表記されているレーダの視線方向に射影されたベクトルVDlosは小さくなっている。
波面推定部5は、ドップラ算出部3が各レンジセルのドップラ(速度)をドップラ格納部4に格納すると、津波の流速の物理的な性質を利用して、ドップラ格納部4により格納されている各レンジセルのドップラから津波の波面を推定する。
即ち、波面推定部5の揺らぎ算出部11は、津波の先頭の波面では、流速の変化が激しいことに着目し、ドップラ格納部4により格納されている各レンジセルにおけるドップラの時間的な変化を流速の揺らぎとして特定する。
揺らぎ算出部11は、各レンジセルにおけるドップラの時間的な変化を流速の揺らぎとして特定すると、流速の揺らぎが大きいレンジセルには津波が存在している可能性が高いため、各レンジセルにおける流速の揺らぎと基準値(予め設定されている閾値)を比較して、流速の揺らぎが基準値より大きいレンジセルを特定する。
最後に、揺らぎ算出部11は、津波の波面が存在しているレンジセルとして、流速の揺らぎが基準値より大きいレンジセルを連ねるようにする。
図3の例では、斜線が施されているレンジセルが、津波の波面が存在しているレンジセルである。
流速ベクトル推定部6は、波面推定部5が津波の波面が存在しているレンジセルを推定すると、ドップラ格納部4から津波の波面が存在しているレンジセルのドップラを読み出し、そのレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルVDlos(図3中、実線で表記されているベクトル)を津波の進行方向の流速ベクトルVDadv(図3中、点線で表記されているベクトル)に変換する。
即ち、流速ベクトル推定部6は、例えば、地震の震源地を示す震源地情報や、各レンジセルの水深を示す海底地形情報を参照すれば、津波の進行方向Dadvを特定することができるので、津波の進行方向Dadvとレーダ視線方向Dlosのなす角θを求め、下記の式(1)に示すように、なす角θを用いて、レーダ視線方向の速度ベクトルVDlosを津波の進行方向の流速ベクトルVDadvに変換する。
Figure 2015004610
なお、波面推定部5により推定された津波の波面は、レーダ視線方向の速度ベクトルVDlosを用いているため、津波の波面における流速の値にばらつきがあり、仮に、津波の検出能を高めるために積分処理を実施しても積み上がりが小さい。
一方、流速ベクトル推定部6により変換された津波の進行方向の流速ベクトルVDadvは、流速の値が揃うため、津波の検出能を高めるために積分処理を実施すると、積み上がりが大きくなり、積分効果が向上する。
津波検出部7は、流速ベクトル推定部6がレーダ視線方向の速度ベクトルVDlosを津波の進行方向の流速ベクトルVDadvに変換すると、津波の進行方向の流速ベクトルVDadvが、実際に津波の流速を表しているベクトルであるか否かを検証する。このとき、津波の検出能を高めるために積分処理を実施してから、積分処理後の流速ベクトルVDadvが、実際に津波の流速を表しているベクトルであるか否かを検証するようにしてもよい。
即ち、津波検出部7は、実際に津波の流速を表しているベクトルであれば、流速の値が揃っており、その値も津波検出用閾値(津波の流速(水深と波高により決まる速度)によって設定される閾値であり、例えば、津波の流速の2/3程度の値)より大きくなるので、流速ベクトル推定部6により変換された津波の進行方向の流速ベクトルVDadvと津波検出用閾値を比較する。
例えば、津波の波面が存在しているレンジセルがN個あり、流速ベクトル推定部6によりN個のレーダ視線方向の速度ベクトルVDlosが津波の進行方向の流速ベクトルVDadvに変換されている場合、N個の流速ベクトルVDadvの全てが津波検出用閾値より大きければ、実際に津波の流速を表しているベクトルであると判定する。
あるいは、N個の流速ベクトルVDadvのうち、N/2個以上の流速ベクトルVDadvが津波検出用閾値より大きければ、実際に津波の流速を表しているベクトルであると認定する。
ここでは、認定基準がN個の流速ベクトルVDadvの全部や、N/2個以上である例を示しているが、これは一例に過ぎず、例えば、2N/3個以上であってもよい。
津波検出部7は、津波の進行方向の流速ベクトルVDadvが、実際に津波の流速を表しているベクトルであると判定すると、津波の発生を認定する。
また、津波検出部7は、津波の発生を認定すると、流速ベクトル推定部6により変換された流速ベクトルVDadvから津波の波面の移動を予測する。
例えば、津波の波面が存在しているレンジセルがN個あり、流速ベクトル推定部6によりN個のレーダ視線方向の速度ベクトルVDlosが津波の進行方向の流速ベクトルVDadvに変換されている場合、N個の流速ベクトルVDadvが示す流速が秒速値であれば、N個の流速ベクトルVDadvから津波の波面が1秒間に移動する距離を算出し、1秒間の移動距離と津波の進行方向から、現在、津波の波面が存在しているN個のレンジセルから、どのレンジセルに津波の波面が移動するかを特定する。
表示装置8は、例えば、ユーザの操作の下、波面推定部5により推定された津波の波面、流速ベクトル推定部6により変換された流速ベクトルの分布、津波検出部7による津波発生の検出情報、津波検出部7により予測された移動後の津波の波面などを表示する。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、ドップラ算出部3により算出された各レンジセルのドップラから津波の波面を推定する波面推定部5と、ドップラ算出部3により算出された各レンジセルのドップラのうち、波面推定部5により推定された津波の波面が存在しているレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルVDlosを津波の進行方向の流速ベクトルVDadvに変換する流速ベクトル推定部6とを設け、津波検出部7が、流速ベクトル推定部6により変換された流速ベクトルVDadvが、実際に津波の流速を表しているベクトルであるか否かを検証し、実際に津波の流速を表しているベクトルであれば、津波の発生を認定するように構成したので、2台のレーダや予測パターンを用いることなく、津波の検知精度を高めることができるとともに、広範囲の領域を監視することができる効果を奏する。
即ち、この実施の形態1では、1台のレーダを用いて、津波の発生を検出するものであり、2台のレーダの覆域を重ね合わせる必要がないため、広範囲の領域を監視することができる。
また、波面推定部5により推定された津波の波面が存在しているレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルVDlosを、流速の値が揃っている津波の進行方向の流速ベクトルVDadvに変換するようにしているので、2台のレーダや予測パターンを用いることなく、津波の検知精度を高めることができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、波面推定部5の揺らぎ算出部11が、各レンジセルにおけるドップラの時間的な変化を流速の揺らぎとして特定して、津波の波面として、流速の揺らぎが基準値より大きいレンジセルを連ねるものを示したが、各レンジセルにおけるドップラの時間的な変化に関する標準偏差や分散などの統計量を求め、津波の波面として、統計量が基準統計量(予め設定されている閾値)より大きいレンジセルを連ねるようにしてもよい。
なお、統計量は、レンジセルにおける所定時間内の流速を用いて算出するものであるが、流速の揺らぎが大きい領域は、上記の統計量も大きくなるので、統計量が基準統計量より大きいレンジセルを連ねれば、上記実施の形態1と同様に、津波の波面を推定することができる。
ここでは、各レンジセルにおける統計量を求めるものを示したが、津波が所定の周期を有する孤立波として分布する性質を利用して、各レンジセルにおける所定時間内の流速の変化から振幅値(最大値)を抽出し、津波の波面として、その振幅値が基準振幅値(予め設定されている閾値)より大きいレンジセルを連ねるようにしてもよい。
この場合も、上記実施の形態1と同様に、津波の波面を推定することができる。
また、津波が所定の周期を有する孤立波として分布する性質を利用して、各レンジセルにおける所定時間内の流速の変化から周期を抽出し、津波の波面として、その周期が津波の性質を満足しているレンジセルを連ねるようにしてもよい。
この場合も、上記実施の形態1と同様に、津波の波面を推定することができる。
また、津波が所定の周期を有する孤立波として分布する性質を利用して、各レンジセルにおける所定時間内の流速の変化から位相を抽出し、津波の波面として、その位相が津波の性質を満足しているレンジセルを連ねるようにしてもよい。
この場合も、上記実施の形態1と同様に、津波の波面を推定することができる。
実施の形態3.
上記実施の形態1では、波面推定部5の揺らぎ算出部11が、各レンジセルにおけるドップラの時間的な変化を流速の揺らぎとして特定して、津波の波面として、流速の揺らぎが基準値より大きいレンジセルを連ねるものを示したが、空間的な変化や分布に基づいて津波の波面を推定するようにしてもよい。
図4はこの発明の実施の形態3による海洋レーダ装置の波面推定部5を示す構成図である。
図4において、領域設定部21は複数のレンジセルを集めて相関演算の処理対象となる小領域をそれぞれ設定する処理を実施する。
領域相関演算部22はドップラ格納部4により格納されている各レンジセルのドップラを用いて、領域設定部21により設定された各小領域の特徴量を算出し、その特徴量を用いて、各小領域の間の相関演算を実施し、津波の波面として、前記相関演算で相関が認められる小領域を連ねる処理を実施する。
次に動作について説明する。
ただし、波面推定部5の処理内容以外は、上記実施の形態1と同様であるため、波面推定部5の処理内容だけを説明する。
この実施の形態3では、津波の波面では流速の空間的な分布がほぼ揃うことを利用して、津波の波面が存在しているレンジセルを特定するものである。
まず、波面推定部5の領域設定部21は、空間的に同じ特徴を有する複数のレンジセルを集めて、複数のレンジセルからなる小領域をそれぞれ設定する。
空間的な特徴として、例えば、空間的な津波の波長(例えば、数kmの波長、数10kmの波長)などが考えられ、空間的な津波の波長分のレンジセルの集合を小領域として設定する。
波面推定部5の領域相関演算部22は、領域設定部21が複数のレンジセルからなる小領域をそれぞれ設定すると、ドップラ格納部4により格納されている各レンジセルのドップラを用いて、領域設定部21により設定された各小領域の特徴量を算出する。
各小領域の特徴量としては、例えば、上記実施の形態1に記述しているドップラの時間的な変化を示す流速の揺らぎ、上記実施の形態2に記述している統計量、振幅値、周期や位相などが考えられる。
領域相関演算部22は、各小領域の特徴量を算出すると、その特徴量を用いて、各小領域の間の相関演算を実施する。
ここでの相関演算は、空間的に同じような性質を有する小領域の間の相関値ほど、値が大きくなる演算であるが、相関演算自体は公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
領域相関演算部22は、各小領域の間の相関演算を実施すると、津波の波面として、相関値が基準相関値(予め設定されている閾値)より大きい小領域(相関演算で相関が認められる小領域)を連ねるようにする。
この場合も、上記実施の形態1と同様に、津波の波面を推定することができる。
実施の形態4.
図5はこの発明の実施の形態4による海洋レーダ装置の波面推定部5を示す構成図であり、図において、図4と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
領域設定部23は図4の領域設定部21と同様に、空間的に同じ特徴を有する複数のレンジセルを集めて、複数のレンジセルからなる小領域をそれぞれ設定するものであるが、各レンジセルの水深を示す海底地形情報を入力し、隣り合っているレンジセルの中で、その海底地形情報が示す水深の差が所定範囲内であるレンジセルを特定し、水深の差が所定範囲内であるレンジセルからなる小領域をそれぞれ設定する。
次に動作について説明する。
ただし、領域設定部23の処理内容以外は、上記実施の形態3と同様であるため、領域設定部23の処理内容だけを説明する。
この実施の形態4では、津波の波面では津波の流速が海底地形(水深)と密接な繋がりがあること(例えば、非特許文献2を参照)を利用して、小領域の大きさを定めるものである。
・非特許文献2
首藤他、「津波の辞典」、朝倉書店、2007発行、p.113〜125
海底地形情報は、観測領域における海底の地形(水深)の情報をレンジセルに対応して保持しているものである。
津波の流速は水深の平方根に比例する性質を持つことに着目し、水深がほぼ等しいレンジセルを一括りとして小領域を構成するために、領域設定部23は、海底地形情報が示す水深を参照して、隣り合っているレンジセルの中で、水深の差が所定範囲(所定範囲は事前に設定される値であり、この値を小さくすれば、津波の波面の推定精度が向上するが、この値を小さくし過ぎると、演算処理の負荷が増えて処理時間が長くなるので、波面の推定精度と処理時間を比較考慮して設定される)内であるレンジセルを特定する。
領域設定部23は、水深の差が所定範囲内であるレンジセルを特定すると、それらのレンジセルからなる小領域をそれぞれ設定する。
これにより、各小領域における特徴量がより明瞭になり、津波の波面の推定精度が向上することが期待される。
実施の形態5.
図6はこの発明の実施の形態5による海洋レーダ装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
波面設定部31は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、地震の震源地を示す震源地情報を取得して、その震源地情報が示す震源地を中心とする同心円を算出し、観測領域内に存在している同心円の円弧を津波の波面として設定する処理を実施する。なお、波面設定部31は波面設定手段を構成している。
流速ベクトル推定部32は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、ドップラ格納部4により格納されている各レンジセルのドップラのうち、波面設定部31により設定された津波の波面が存在しているレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルを津波の進行方向の流速ベクトルに変換する処理を実施する。なお、流速ベクトル推定部32はベクトル変換手段を構成している。
図6の例では、海洋レーダ装置の構成要素である送信機1、受信機2、ドップラ算出部3、ドップラ格納部4、波面設定部31、流速ベクトル推定部32、津波検出部7及び表示装置8のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、海洋レーダ装置の全部又は一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、海洋レーダ装置の一部(例えば、ドップラ算出部3、ドップラ格納部4、波面設定部31、流速ベクトル推定部32、津波検出部7及び表示装置8)がコンピュータで構成されている場合、ドップラ格納部4をコンピュータの内部メモリ又は外部メモリ上に構成するとともに、ドップラ算出部3、波面設定部31、流速ベクトル推定部32、津波検出部7及び表示装置8の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
波面設定部31及び流速ベクトル推定部32以外は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは、波面設定部31及び流速ベクトル推定部32の処理内容だけを説明する。
地震は震源地付近の地殻変動に伴って発生するものであることから、海底地形の影響を除くと、震源地を中心として、ほぼ同心円状に波及するものと考えられる。
したがって、震源地が分かれば、大まかな津波の到来方向が分かり、津波の波面を推定することが可能になる。
なお、現在では、震源地情報は、地震発生後速やかに配信されることから、ほぼタイムラグなく取得することができる。
波面設定部31は、地震の発生直後に震源地情報を取得すると、その震源地情報が示す震源地を中心とする同心円を算出する。
波面設定部31は、震源地を中心とする同心円を算出すると、その同心円の中で、レーダの観測領域内に存在している円を特定し、その円の一部(観測領域内に存在している部分の円弧)を津波の波面として設定する。
即ち、波面設定部31は、観測領域内に存在している同心円の円弧があるレンジセルを特定し、それらのレンジセルを津波の波面として設定する。
ここで、図7はレーダの観測領域と津波の波面を示す説明図である。
図7の例では、説明の簡単化のため、2つの同心円が記述されており、震源地から遠い方の同心円の一部が観測領域内に存在しており、観測領域内に存在している部分の円弧を津波の波面として設定している。
図7の例では、斜線が施されているレンジセルが、津波の波面が存在しているレンジセルである。
流速ベクトル推定部32は、波面設定部31が津波の波面が存在しているレンジセルを設定すると、図1の流速ベクトル推定部6と同様に、ドップラ格納部4から津波の波面が存在しているレンジセルのドップラを読み出し、そのレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルVDlos(図7中、実線で表記されているベクトル)を津波の進行方向の流速ベクトルVDadv(図7中、点線で表記されているベクトル)に変換する。
ただし、震源地がレーダの設置位置から十分遠方である場合には、観測領域内に存在している部分の円弧は、ほぼ直線とみなすことができる。直線とみなすことで、レーダ視線との交点の算出が簡素化され、演算負荷の低減を図ることができる。
この実施の形態5によれば、上記実施の形態1と同様に、2台のレーダや予測パターンを用いることなく、津波の検知精度を高めることができるとともに、広範囲の領域を監視することができる効果を奏する。
また、この実施の形態5によれば、波面設定部31が、震源地情報が示す震源地を中心とする同心円を算出し、観測領域内に存在している同心円の円弧があるレンジセルを津波の波面として設定するように構成したので、上記実施の形態1のように、津波の波面を推定するよりも、津波の波面を簡単に設定することができるようになり、津波の発生を検出するまでの時間を短縮することができる。
実施の形態6.
図8はこの発明の実施の形態6による海洋レーダ装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
波面設定部41は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、各レンジセルの水深を示す海底地形情報を参照して等深度方向を特定し、その等深度方向を津波の波面として設定する処理を実施する。なお、波面設定部41は波面設定手段を構成している。
流速ベクトル推定部42は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、ドップラ格納部4により格納されている各レンジセルのドップラのうち、波面設定部41により設定された津波の波面が存在しているレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルを津波の進行方向の流速ベクトルに変換する処理を実施する。なお、流速ベクトル推定部42はベクトル変換手段を構成している。
図8の例では、海洋レーダ装置の構成要素である送信機1、受信機2、ドップラ算出部3、ドップラ格納部4、波面設定部41、流速ベクトル推定部42、津波検出部7及び表示装置8のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、海洋レーダ装置の全部又は一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、海洋レーダ装置の一部(例えば、ドップラ算出部3、ドップラ格納部4、波面設定部41、流速ベクトル推定部42、津波検出部7及び表示装置8)がコンピュータで構成されている場合、ドップラ格納部4をコンピュータの内部メモリ又は外部メモリ上に構成するとともに、ドップラ算出部3、波面設定部41、流速ベクトル推定部42、津波検出部7及び表示装置8の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
波面設定部41及び流速ベクトル推定部42以外は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは、波面設定部41及び流速ベクトル推定部42の処理内容だけを説明する。
津波による流速は、海底地形(水深)と関係が深く、おおよそ水深の平方根に比例することが知られている。また、水深の勾配に対して、垂直に進む性質があることも知られている。
即ち、津波は、水深の勾配方向(等深度線に対して、垂直な方向)に進むことが知られている。
ただし、実際には、それまでの進行方向があるため、厳密に水深の勾配方向とはならないが、勾配方向へ曲がる性質は持つと考えられる。
そのため、各レンジセルの水深を示す海底地形情報が得られれば、大まかな津波の進行方向を推定することができる。
そこで、波面設定部41は、各レンジセルの水深を示す海底地形情報を入力すると、その海底地形情報を参照して、等深度方向を特定し、その等深度方向の各レンジセルを特定し、それらのレンジセルを津波の波面として設定する。
流速ベクトル推定部42は、波面設定部41が津波の波面が存在しているレンジセルを設定すると、図1の流速ベクトル推定部6と同様に、ドップラ格納部4から津波の波面が存在しているレンジセルのドップラを読み出し、そのレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルVDlosを津波の進行方向の流速ベクトルVDadvに変換する。
この実施の形態6によれば、上記実施の形態1と同様に、2台のレーダや予測パターンを用いることなく、津波の検知精度を高めることができるとともに、広範囲の領域を監視することができる効果を奏する。
また、この実施の形態6によれば、波面設定部41が、各レンジセルの水深を示す海底地形情報を参照して等深度方向を特定し、その等深度方向の各レンジセルを津波の波面として設定するように構成したので、上記実施の形態1のように、津波の波面を推定するよりも、津波の波面を簡単に設定することができるようになり、津波の発生を検出するまでの時間を短縮することができる。
この実施の形態6では、各レンジセルの水深を示す海底地形情報を参照して等深度方向を特定し、その等深度方向の各レンジセルを津波の波面として設定するものを示したが、上記実施の形態5で記述している観測領域内に存在している同心円を用いて、等深度方向の各レンジセルを補正することで、津波の波面が存在しているレンジセルの精度を高めるようにしてもよい。
実施の形態7.
上記実施の形態1〜6では、津波検出部7が、流速ベクトル推定部6により変換された流速ベクトルVDadvが、実際に津波の流速を表しているベクトルであるか否かを検証し、実際に津波の流速を表しているベクトルであれば、津波の発生を認定するものを示したが、図9に示すように、津波検出部7aが、津波検出部7と同様に、流速ベクトル推定部6により変換された流速ベクトルVDadvが、実際に津波の流速を表しているベクトルであるか否かを検証して、実際に津波の流速を表しているベクトルであると認められても、更に、波面推定部5により推定されたレンジセル毎のドップラの時間的な変化を示す流速の揺らぎ(上記実施の形態2に記述している統計量、振幅値、周期や位相などを含む)が津波の性質を満足している場合に限り、津波の発生を認定するようにしてもよい。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 送信機(電波放射手段)、2 受信機(電波受信手段)、3 ドップラ算出部(ドップラ算出手段)、4 ドップラ格納部、5 波面推定部(波面推定手段)、6 流速ベクトル推定部(ベクトル変換手段)、7,7a 津波検出部(津波検出手段)、8 表示装置、11 揺らぎ算出部、21,23 領域設定部、22 領域相関演算部、31 波面設定部(波面設定手段)、32 流速ベクトル推定部(ベクトル変換手段)、41 波面設定部(波面設定手段)、42 流速ベクトル推定部(ベクトル変換手段)。

Claims (7)

  1. 電波を観測領域の海面に向けて放射する電波放射手段と、
    前記電波放射手段から放射されたのち、前記観測領域の海面に反射されて戻ってきた電波を受信する電波受信手段と、
    前記電波受信手段により受信された電波から、前記観測領域がレンジ方向とアジマス方向で区分けされている各レンジセルのドップラを算出するドップラ算出手段と、
    前記ドップラ算出手段により算出された各レンジセルのドップラから津波の波面を推定する波面推定手段と、
    前記ドップラ算出手段により算出された各レンジセルのドップラのうち、前記波面推定手段により推定された津波の波面が存在しているレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルを津波の進行方向の流速ベクトルに変換するベクトル変換手段と、
    前記ベクトル変換手段により変換された流速ベクトルが、実際に津波の流速を表しているベクトルであるか否かを検証し、実際に津波の流速を表しているベクトルであれば、津波の発生を認定する津波検出手段と
    を備えた海洋レーダ装置。
  2. 前記津波検出手段は、津波の発生を認定すると、前記ベクトル変換手段により変換された流速ベクトルから津波の波面の移動を予測することを特徴とする請求項1記載の海洋レーダ装置。
  3. 前記波面推定手段は、前記ドップラ算出手段により算出された各レンジセルにおけるドップラの時間的な変化を流速の揺らぎとして特定し、津波の波面として、前記流速の揺らぎが基準値より大きいレンジセルを連ねることを特徴とする請求項1または請求項2記載の海洋レーダ装置。
  4. 前記波面推定手段は、
    複数のレンジセルからなる小領域をそれぞれ設定する領域設定部と、
    前記ドップラ算出手段により算出された各レンジセルのドップラを用いて、前記領域設定部により設定された各小領域の特徴量を算出し、前記特徴量を用いて、各小領域の間の相関演算を実施し、津波の波面として、前記相関演算で相関が認められる小領域を連ねる領域相関演算部とから構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の海洋レーダ装置。
  5. 前記領域設定部は、各レンジセルの水深を示す海底地形情報を入力し、隣り合っているレンジセルの中で、前記海底地形情報が示す水深の差が所定範囲内であるレンジセルを特定し、前記レンジセルからなる小領域を設定することを特徴とする請求項4記載の海洋レーダ装置。
  6. 電波を観測領域の海面に向けて放射する電波放射手段と、
    前記電波放射手段から放射されたのち、前記観測領域の海面に反射されて戻ってきた電波を受信する電波受信手段と、
    前記電波受信手段により受信された電波から、前記観測領域がレンジ方向とアジマス方向で区分けされている各レンジセルのドップラを算出するドップラ算出手段と、
    地震の震源地を示す震源地情報を取得して、前記震源地情報が示す震源地を中心とする同心円を算出し、前記観測領域内に存在している同心円の円弧を津波の波面として設定する波面設定手段と、
    前記ドップラ算出手段により算出された各レンジセルのドップラのうち、前記波面設定手段により設定された津波の波面が存在しているレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルを津波の進行方向の流速ベクトルに変換するベクトル変換手段と、
    前記ベクトル変換手段により変換された流速ベクトルが、実際に津波の流速を表しているベクトルであるか否かを検証し、実際に津波の流速を表しているベクトルであれば、津波の発生を認定する津波検出手段と
    を備えた海洋レーダ装置。
  7. 電波を観測領域の海面に向けて放射する電波放射手段と、
    前記電波放射手段から放射されたのち、前記観測領域の海面に反射されて戻ってきた電波を受信する電波受信手段と、
    前記電波受信手段により受信された電波から、前記観測領域がレンジ方向とアジマス方向で区分けされている各レンジセルのドップラを算出するドップラ算出手段と、
    各レンジセルの水深を示す海底地形情報を参照して等深度方向を特定し、前記等深度方向を津波の波面として設定する波面設定手段と、
    前記ドップラ算出手段により算出された各レンジセルのドップラのうち、前記波面設定手段により設定された津波の波面が存在しているレンジセルのドップラが示すレーダ視線方向の速度ベクトルを津波の進行方向の流速ベクトルに変換するベクトル変換手段と、
    前記ベクトル変換手段により変換された流速ベクトルが、実際に津波の流速を表しているベクトルであるか否かを検証し、実際に津波の流速を表しているベクトルであれば、津波の発生を認定する津波検出手段と
    を備えた海洋レーダ装置。
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