JPH08291853A - デファレンシャル装置 - Google Patents
デファレンシャル装置Info
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- JPH08291853A JPH08291853A JP9655295A JP9655295A JPH08291853A JP H08291853 A JPH08291853 A JP H08291853A JP 9655295 A JP9655295 A JP 9655295A JP 9655295 A JP9655295 A JP 9655295A JP H08291853 A JPH08291853 A JP H08291853A
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Abstract
低コストで防止する。 【構成】 エンジンの駆動力により回転駆動されるデフ
ケース3と、デフケース3の内部に回転自在に支承され
た出力側サイドギヤ17,19と、ギヤ17,19の径
方向外側に周方向配置され、ギヤ17,19と各別に噛
み合う第1ギヤ部43,49及び互いに噛み合う第2ギ
ヤ部45,51を有する少なくとも一対のピニオンギヤ
39,41と、デフケース3に形成されギヤ39,41
を摺動回転自在に収納する収納孔35,37とを備え、
トルク伝達時に第1ギヤ部43と第2ギヤ部45に受け
る噛み合い反力によって生じる傾斜角だけ傾斜と反対方
向にギヤ39の歯すじ角を補正した。
Description
ャル装置に関する。
ようなデファレンシャル装置201が記載されている。
図9,10,11はこのデファレンシャル装置201の
ギヤ組を示している。なお、図11は左右の方向が図
8,10と反対に描かれている。
ケース203と、同軸配置された出力側のヘリカルサイ
ドギヤ205,207と、図9のように、各サイドギヤ
205,207の径方向外側に周方向配置された長短の
ヘリカルピニオンギヤ209,211などを備えてい
る。図10のように、ピニオンギヤ209,211はそ
れぞれデフケース203の収納孔213,215に摺動
回転自在に収納されており、各収納孔213,215と
ピニオンギヤ209,211の外径の間には適度の隙間
が形成されている。図11のように、各ピニオンギヤ2
09,211は、それぞれの第1ギヤ部217,219
がサイドギヤ207,205と各別に噛み合い、第2ギ
ヤ部221,223が互いに噛み合うことによってサイ
ドギヤ207,205を連結している。
転させ、ピニオンギヤ209,211からサイドギヤ2
07,205を介して車輪側に伝達される。トルクを伝
達している間、ピニオンギヤ209,211はサイドギ
ヤ207,205との噛み合い反力により歯先を各収納
孔213,215の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が生
じると共に、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によっ
て、サイドギヤ205,207の間で、あるいはピニオ
ンギヤ209,211やサイドギヤ205,207とデ
フケース203との間で摩擦抵抗が生じ、これらの摩擦
抵抗によりトルク感応型の差動制限機能を得ている。
5は、例えば車両が前進走行するときのデフケース20
3の回転方向である。デフケース203がこの方向に回
転すると、各サイドギヤ207,205にはピニオンギ
ヤ209,211を介して矢印227,229の方向の
トルクが掛かると共に、各ピニオンギヤ209,211
の第1ギヤ部217,219にはそれぞれ反力F4,F
3が掛かる。更に、各ピニオンギヤ209,211は、
これらの反力F4,F3を受けて生じるトルクによって
それぞれの第2ギヤ部221,223で反力F2,F1
を受ける。
矢印が示すように、デフケース203の回転方向225
に対してピニオンギヤ209より後行回転するピニオン
ギヤ211に掛かる反力F1,F3がほぼ同方向である
のに対して、ピニオンギヤ211より先行回転するピニ
オンギヤ209に掛かる反力F2,F4は互いに反対向
きになる。従って、ピニオンギヤ209は収納孔213
との隙間だけ傾斜することになる。そして、ピニオンギ
ヤ209の歯すじ231が図11のように右下がりの方
向の場合は、ピニオンギヤ209は反力F2,F4によ
って歯すじ231の歯すじ角が大きくなる方向に傾斜す
る。
入力し矢印225の方向に回転した場合、ピニオンギヤ
211はデフケースの収納孔より直接駆動トルクを受け
て略同方向の反力が生じるため高反力側のピニオンギヤ
と呼び、ピニオンギヤ209はピニオンギヤ211より
デフケースの回転方向に対して先行して公転する側に配
置されているため、ピニオンギヤ209の第2のギヤ部
221へはピニオンギヤ211の第2ギヤ部223から
駆動トルクを受け、反対方向の反力が生じるため低反力
側のピニオンギヤと呼ぶことにする。
よって、図10のように、ピニオンギヤ209には矢印
233の箇所に、ピニオンギヤ211には矢印235の
箇所に強い当たりが生じ、これらの箇所にピッチング
(荷重を受けて金属の表面から薄片が剥脱する現象)が
発生し、耐久性が低下する。従って、これらを防止する
ためにピニオンギヤ209,211の強度を高める必要
があり、それだけ製作が困難になり、高価になる。
対方向に回転する後進走行時は、ピニオンギヤ209が
第1ギヤ部217および第2ギヤ部221でデフケース
の収納孔より直接駆動トルクを受けるため、ピニオンギ
ヤ209に略同方向の反力が生じて高反力側となる。こ
のため、先行して公転する短いピニオンギヤ211が倒
れ、短いピニオンギヤ211の局部当たりが生じてピッ
チングが発生し耐久性が低下することになる。
で支承されたピニオンギヤを介して出力側のサイドギヤ
を連結するように構成されたデファレンシャル装置にお
いて、ピニオンギヤの傾斜による各ギヤの片当たりと片
当たりによるピッチングとを低コストで防止したデファ
レンシャル装置の提供を目的とする。
ャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるデ
フケースと、デフケースの内部に回転自在に支承された
一対の出力側サイドギヤと、これらサイドギヤの径方向
外側に周方向配置され、サイドギヤと各別に噛み合う第
1ギヤ部及び互いに噛み合う第2ギヤ部を有する少なく
とも一対のピニオンギヤと、デフケースに形成され各ピ
ニオンギヤを摺動回転自在に収納する収納孔とを備え、
トルク伝達時に第1と第2の各ギヤ部に受ける噛み合い
反力によって生じる傾斜の角度だけこの傾斜と反対方向
にピニオンギヤの歯すじ角が補正されていることを特徴
とする。
のピニオンギヤのうちデフケースの回転方向に先行配置
されたピニオンギヤに歯すじ角補正が施された請求項1
のデファレンシャル装置である。
じの補正角を、収納孔によるピニオンギヤの支持点間隔
とピニオンギヤと収納孔との径方向間隔とから決定した
請求項1又は2のデファレンシャル装置である。
のピニオンギヤが、第2ギヤ部をそれぞれ一個有する請
求項1,2又は3のデファレンシャル装置である。
のピニオンギヤのうち少なくとも一方のピニオンギヤが
第1ギヤ部と第2ギヤ部との間に中間軸部を持ち、この
中間軸部のいずれか一方側のギヤ部に歯すじ角補正が施
された請求項1,2又は3のデファレンシャル装置であ
る。
のピニオンギヤが、第1ギヤ部と第2ギヤ部との間に中
間軸部を持った長いピニオンギヤと、中間軸部を持たな
い短いピニオンギヤとからなり、これらの第2ギヤ部が
サイドギヤの軸方向外側で互いに噛み合った請求項1,
2又は3のデファレンシャル装置である。
ヤがヘリカルギヤで構成されると共に、長いピニオンギ
ヤが短いピニオンギヤに対してデフケースの回転方向に
先行配置され、各サイドギヤが、デフケースの回転時に
それぞれ軸方向外側向きの噛み合いスラスト力を受ける
方向のねじれ角を有すると共に、長いピニオンギヤのね
じれ角を傾斜分だけ小さく補正した請求項6のデファレ
ンシャル装置である。
ヤがヘリカルギヤで構成されると共に、長いピニオンギ
ヤが短いピニオンギヤに対してデフケースの回転方向に
先行配置され、各サイドギヤが、デフケースの回転時に
それぞれ軸方向内側向きの噛み合いスラスト力を受ける
方向のねじれ角を有すると共に、長いピニオンギヤのね
じれ角を傾斜分だけ大きく補正した請求項6のデファレ
ンシャル装置である。
ヤがヘリカルギヤで構成されると共に、短いピニオンギ
ヤが長いピニオンギヤに対してデフケースの回転方向に
先行配置され、各サイドギヤが、デフケースの回転時に
それぞれ軸方向外側向きの噛み合いスラスト力を受ける
方向のねじれ角を有すると共に、短いピニオンギヤのね
じれ角を傾斜分だけ大きく補正した請求項6のデファレ
ンシャル装置である。
ギヤがヘリカルギヤで構成されると共に、短いピニオン
ギヤが長いピニオンギヤに対してデフケースの回転方向
に先行配置され、各サイドギヤが、デフケースの回転時
にそれぞれ軸方向内側向きの噛み合いスラスト力を受け
る方向のねじれ角を有すると共に、短いピニオンギヤの
ねじれ角を傾斜分だけ小さく補正した請求項6のデファ
レンシャル装置である。
の駆動力により回転駆動されるデフケースの収納孔に摺
動回転自在に収納された少なくとも一対のピニオンギヤ
を介して一対の出力側サイドギヤを連結するように構成
されたデファレンシャル装置において、トルク伝達時に
第1と第2の各ギヤ部に受ける噛み合い反力によって生
じる傾斜角だけ、ピニオンギヤの歯すじ角を、この傾斜
と反対方向に補正した。
トルク伝達時の傾斜を相殺する歯すじ角補正が予め施さ
れているから、各ギヤの噛み合いはピニオンギヤが傾斜
した状態で正常になる。こうして、ピニオンギヤの傾斜
による各ギヤの片当たりと片当たりによるピッチングと
を防止し、耐久性を向上することができるから、従来例
と異なって、各ギヤの強度を特に高くする必要がなく、
それだけ低コストに構成できる。
項1のデファレンシャル装置において、一対のピニオン
ギヤのうち低反力側のピニオンギヤすなわちデフケース
の回転方向に先行配置されたピニオンギヤに歯すじ角補
正を施したものである。
向に先行配置されトルク伝達時に噛み合い反力を受けて
傾斜するピニオンギヤにだけ歯すじ角補正を施すことに
より、ピニオンギヤの強度を特に大きくせずに、低コス
トで、各ギヤの片当たりと片当たりによるピッチングと
を効果的に防止することができる。
時の回転方向に先行配置されたピニオンギヤに歯すじ角
補正を施せば、実質的に充分ギヤの片当たりとピッチン
グを防止でき実質的に充分な耐久性の向上効果を得るこ
とができる。
項1又は2のデファレンシャル装置において、歯すじの
補正角を、収納孔によるピニオンギヤの支持点間隔(ピ
ニオンギヤの長さ)とピニオンギヤと収納孔との径方向
間隔(隙間)とから決定したものである。
間隔で決まると共に、ピニオンギヤの支持点間隔が大き
い程傾斜させようとするトルクも大きく、又傾斜した時
にピッチングが発生する箇所はこれらの支持点間隔と径
方向間隔とで変わるから、これらの要因に基づいて歯す
じの補正角を決めることによって、ギヤの片当たりとピ
ッチングとを効果的に防止し、低コストに構成すること
ができる。
項1,2又は3のデファレンシャル装置において、一対
のピニオンギヤが第2ギヤ部をそれぞれ一個有するもの
であり、請求項6のデファレンシャル装置は、請求項
1,2,3,4又は5のデファレンシャル装置におい
て、一対のピニオンギヤが、第1ギヤ部と第2ギヤ部と
の間に中間軸部を持った長いピニオンギヤと、中間軸部
を持たない短いピニオンギヤとからなり、これらの第2
ギヤ部をサイドギヤの軸方向外側で互いに噛み合わせた
ものである。
づつの第1ギヤ部と第2ギヤ部とを有するものであり、
各ギヤ部に掛かる反力によって傾斜トルクを受けるが、
請求項1,2,3,4又は5のデファレンシャル装置と
同様に、歯すじ角の補正によって、低コストで、ピニオ
ンギヤの傾斜による片当たりと片当たりによるピッチン
グとを防止できる。
いて、支持点間隔が広い長いピニオンギヤは傾斜トルク
が大きく、短いピニオンギヤは収納孔との径方向間隔に
よる傾斜角が大きく、更にこれらの条件によってピッチ
ングの発生箇所が変化する。しかし、例えば請求項3の
歯すじ角補正によれば、低コストで、ピニオンギヤの傾
斜に伴う片当たりとピッチングとを効果的に防止でき
る。
項1,2又は3のデファレンシャル装置において、一対
のピニオンギヤのうち少なくとも一方のピニオンギヤの
中間軸部のいずれか一方側ギヤ部に歯すじ角補正を施し
たものであり、各ギヤの噛み合い反力による片当たりが
強いギヤ部側の歯すじ角を補正するだけで、効果的にピ
ッチングや片当たりを防止することができる。又、ギヤ
が傾いた場合において、ピニオンギヤと収納孔との摺動
面をより多く確保することができる。
ャル装置は、請求項6のデファレンシャル装置におい
て、各ギヤをヘリカルギヤで構成すると共に、デフケー
スの回転方向に先行配置されたピニオンギヤに歯すじ角
補正を施したものである。
配置された長いピニオンギヤが、ねじれ角が大きくなる
方向に傾斜するから、このねじれ角を予め傾斜分だけ小
さく補正した。
配置された長いピニオンギヤが、ねじれ角が小さくなる
方向に傾斜するから、このねじれ角を予め傾斜分だけ大
きく補正した。
配置された短いピニオンギヤが、ねじれ角が小さくなる
方向に傾斜するから、このねじれ角を予め傾斜分だけ大
きく補正した。
行配置された短いピニオンギヤが、ねじれ角が大きくな
る方向に傾斜するから、このねじれ角を予め傾斜分だけ
小さく補正した。
ファレンシャル装置共に、請求項6のデファレンシャル
装置と同様に、ピニオンギヤの歯すじ角補正によって、
低コストで、ピニオンギヤの傾斜に伴う片当たりとピッ
チングとを防止することができる。
る。この実施例は請求項1,2,3,4,7の特徴を備
えている。図1はこの実施例のデファレンシャル装置1
を示している。なお、左右の方向は図1,2での左右の
方向であり、符号を与えていない部材等は図示されてい
ない。
デフケース3はケーシング本体5にカバー7をボルト9
で固定し、抜け止めプレート11をボルトで固定して構
成されている。デファレンシャル装置1はデフキャリヤ
の内部に配置されており、デフケース3の左右のボス部
13,15はベアリングを介してデフキャリヤに支承さ
れている。デフキャリヤにはオイル溜りが設けられてお
り、デファレンシャル装置1は、静止状態では下部がこ
のオイル溜りに浸されており、回転するとオイル溜りか
らオイルを撥ね上げる。
ルギヤで構成された左右のサイドギヤ17,19(出力
側サイドギヤ)が配置されている。
のボス部21,23を介してデフケース3の軸支部2
5,27に回転自在に支承されている。左右の車輪側出
力軸はそれぞれデフケース3のボス部13,15を貫通
し、サイドギヤ17,19のボス部21,23にスプラ
イン連結されている。サイドギヤ17,19とデフケー
ス3との間にはそれぞれワッシャ29,31が配置さ
れ、サイドギヤ17,19の間にはワッシャ33が配置
されている。
が周方向に複数組形成されている。これらの収納孔3
5,37にはそれぞれヘリカルギヤで構成された長短一
対のピニオンギヤ39,41が摺動回転自在に収納され
ている。
第1と第2のギヤ部43,45とこれらを連結する小径
の中間軸部47とからなり、第1ギヤ部43は左のサイ
ドギヤ17と噛み合っている。又、短いピニオンギヤ4
1は、第1と第2のギヤ部49,51からなり、第1ギ
ヤ部49は右のサイドギヤ19と噛み合い、第2ギヤ部
51はピニオンギヤ39の第2ギヤ部45と噛み合って
いる。このように、各サイドギヤ17,19はピニオン
ギヤ39,41との噛み合いによって径方向外側から支
持されている。
力は、ピニオンギヤ39,41からサイドギヤ17,1
9を介して左右の出力軸側に分配される。又、例えば悪
路走行中に、出力軸間に駆動抵抗差が生じると各ピニオ
ンギヤ39,41の自転によってエンジンの駆動力は左
右各側に差動分配される。
1の歯先はサイドギヤ17,19との噛み合い反力によ
り収納孔35,37の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が
発生する。又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によ
って、ピニオンギヤ39の左端はスラストワッシャ29
を介してカバー7に押し付けられ、右端は抜け止めプレ
ート11に押し付けられる。又、ピニオンギヤ41の左
端はケーシング本体5に押し付けられ、右端は抜け止め
プレート11に押し付けられる。更に、サイドギヤ17
はスラストワッシャ29を介してカバー7に押し付けら
れ、サイドギヤ19はスラストワッシャ31を介してケ
ーシング本体5に押し付けられる。又、各サイドギヤ1
7,19はスラストワッシャ33を介して互いに押圧し
あう。こうして、各摺動部で摩擦抵抗が発生し、これら
の摩擦抵抗によってトルク感応型の差動制限力が得られ
る。
れており、ボス部13,15の内周には螺旋状のオイル
溝57,57が形成されている。デファレンシャル装置
1が回転するとオイル溜りから撥ね上げられたオイル
が、又静止時にはオイル溜りのオイルが、開口53,5
5とオイル溝57,57とからデフケース3に流出入
し、収納孔35,37や各ギヤの噛み合い部などに供給
され、これらを潤滑する。
フケース3の回転方向59と、この回転方向59に対す
るピニオンギヤ39,41の配列と、サイドギヤ17,
19とピニオンギヤ39,41の歯すじ61,63,6
5,67の方向などを示している。
力側のピニオンギヤで長いピニオンギヤ39が低反力側
のピニオンギヤである。長いピニオンギヤ39は短いピ
ニオンギヤ41に対してデフケース3の回転方向59に
先行配置されている。又、サイドギヤ17,19は、各
歯すじ61,63の方向性によって、ピニオンギヤ3
9,41との噛み合いによりそれぞれ軸方向外側向きの
噛み合いスラスト力69,71を受ける。又、サイドギ
ヤ17,19の歯すじ61,63の方向とピニオンギヤ
41の歯すじ67の方向により、長いピニオンギヤ39
の第1、第2ギヤ部43,45の歯すじ65の方向は右
下がりになる。
1と第2のギヤ部43,45に受ける噛み合い反力F
4,F2によって各歯すじ65の歯すじ角が大きくなる
方向に傾斜する。そこで、ピニオンギヤ39の歯すじ6
5は、破線で描いた従来の歯すじ73(ピニオンギヤ4
1の歯すじ63と反対方向で、歯すじ角は同じ)よりこ
の傾斜分だけ歯すじ角が小さくなるように補正して歯切
りが行われている。
角△lを実際の値として示す。ピニオンギヤ39の支持
点間隔Ll−Ll’=39mm、ピニオンギヤ39外径
Dlと収納孔35の内径Dcとの径方向間隔Dc−Dl
=0.1mmとすると△l=sin-1(0.1/38)
=0.15(deg)。よって加工公差を前後0.05
deg見込んで0.10≦△l(deg)≦0.20と
なる。
lは収納孔35との径方向間隔(Dc−Dl)で決まる
と共に、ピニオンギヤ39の支持点間隔(Ll−Ll
´)が大きい程傾斜させようとするトルクが大きい。
又、傾斜した時にピッチングが発生する箇所はこれらの
径方向間隔と支持点間隔とで変化する。従って、歯すじ
65の補正角はこれらの要因に基づいて上記傾斜角△l
の値に加工公差分の範囲を考慮して決定されている。
両が前進走行する時、長いピニオンギヤ39では傾斜分
が相殺され、傾斜した状態でサイドギヤ17及びピニオ
ンギヤ41との正常な噛み合いが行われる。又、後行配
置の短いピニオンギヤ41には傾斜が生じない。
当たりや片当たりによるピッチングが防止され耐久性が
向上する。又、従来例と異なって、ピッチング防止のた
めに各ギヤの強度を高める必要がないから、それだけ低
コストに構成できる。又、大きな傾斜トルクを受ける長
いピニオンギヤ39に歯すじ角補正を行ったことによっ
て、顕著なピッチング防止効果が得られる。
45は同じ歯すじ65を持っているから、これらを同時
に歯切り加工することができると共に、各歯すじ65の
歯すじ角補正はこの歯切り時に行われるものであって、
歯切り加工されたものに対して補正加工を施すものでは
ないから、コストの上昇を伴わない。
されており、デファレンシャル装置1は上記のようなピ
ッチング防止効果によって優れた耐久性を備えており、
デファレンシャル装置1を搭載した車両は、デファレン
シャル装置1のトルク感応型差動制限力によって、発進
時や加速時のように大きなトルクを掛けた時の車体の挙
動が安定すると共に、デファレンシャル装置1の優れた
耐久性によって長期にわたり優れた操縦性と安定性とが
得られる。
明する。この実施例は請求項1,2,3,4,5,6,
7の特徴を備えている。なお、左右の方向は図3での左
右の方向である。又、図3と以下の説明のなかで第1実
施例の部材と同機能の部材は同一の符号を与えて引用
し、これら同機能部材の説明は省いている。又、符号を
与えていない部材等は図示されていない。
に用いられた一対のピニオンギヤ組75を示している。
このギヤ組75は長短のピニオンギヤ77,41とサイ
ドギヤ17,19とから構成されている。前進走行時デ
フケースの回転方向59に対して先行して回転する低反
力側の長いピニオンギヤ77は、第1と第2のギヤ部7
9,81とこれらを連結する小径の中間軸部83とから
なり、第1ギヤ部79は左のサイドギヤ17と噛み合
い、第2ギヤ部81はピニオンギヤ41の第2ギヤ部5
1と噛み合っている。又、このピニオンギヤ77はデフ
ケース3の収納孔35に摺動回転自在に収納されてい
る。
ギヤ部81には、それぞれ右下がりの歯すじ73,85
が形成されている。又、第1実施例と同様に、車両が前
進走行する時デフケース3は回転方向59の方向に回転
する。このように、長いピニオンギヤ77は回転方向5
9に対して短いピニオンギヤ41より先行配置されてい
る。
走行時に、噛み合い反力F4,F2を受けて各歯すじ7
3,85の歯すじ角が大きくなる方向に傾斜する。そこ
で、ピニオンギヤ77の第2ギヤ部(一方側のギヤ部)
81の歯すじ85は、補正しない歯すじ73よりこの傾
斜分だけ歯すじ角が小さくなるように補正して歯切りが
行われている。
ニオンギヤ39と同様に、収納孔35との径方向間隔
(Dc−Dl)及びピニオンギヤ77の支持点間隔(L
l−Ll´)などに基づいて決定されている。
両が前進走行する時、長いピニオンギヤ77では第2ギ
ヤ部81で傾斜分が相殺され、傾斜した状態でピニオン
ギヤ41との正常な噛み合いが行われる。又、後行配置
の短いピニオンギヤ41には傾斜が生じない。
で片当たりが大きいので、このギヤ部81の歯すじ角を
補正するだけで効果的にピッチングや片方当たりを防止
することができる。又、従来例と異なって、ピッチング
防止のために各ギヤの強度を高める必要がないから、そ
れだけ低コストに構成できる。
85は異なった歯すじ角を持っているから別々に歯切り
が行われる。しかし、ギヤ部81については最初から歯
すじ角補正して歯切りされ、歯すじ角補正のために新し
く補正加工するわけではないから、コストの上昇を伴わ
ない。
明する。この実施例は請求項1,2,3,4の特徴を備
えている。なお、左右の方向は図4での左右の方向であ
る。又、図4と以下の説明のなかで第1,2実施例の部
材と同機能の部材は同一の符号を与えて引用し、これら
同機能部材の説明は省いている。又、符号を与えていな
い部材等は図示されていない。
に用いられたギヤ組87を示している。このギヤ組87
は等長のピニオンギヤ89,91とサイドギヤ17,1
9とから構成されている。
は、それぞれ第1と第2のギヤ部93,95,97,9
9から構成されている。車両が前進走行時にデフケース
の回転方向101に対して先行して公転する低反力側の
ピニオンギヤ89の第1ギヤ部93は左のサイドギヤ1
7と噛み合い、ピニオンギヤ91の第1ギヤ部97は右
のサイドギヤ19と噛み合い、各第2ギヤ部95,99
は互いに噛み合っている。
向に複数組形成されたデフケースの収納孔に摺動回転自
在に収納されている。
は、ピニオンギヤ89,91からサイドギヤ17,19
を介して左右の出力軸側に分配され、悪路などで出力軸
間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ89,91の
自転によって左右各側に差動分配される。
ピニオンギヤ89,91と収納孔との間で、又ヘリカル
ギヤの噛み合いスラスト力によって、各ギヤとデフケー
スとの間で摩擦抵抗が発生し、これらの摩擦抵抗によっ
てトルク感応型の差動制限力が得られる。
フケースの回転方向101と、この回転方向101に対
するピニオンギヤ89,91の配列と、サイドギヤ1
7,19とピニオンギヤ89,91の歯すじ61,6
3,103,105の方向などを示している。
スの回転方向101に対してピニオンギヤ91より先行
配置されている。又、ピニオンギヤ89の歯すじ103
の方向は右下がりになる。
して先行配置されたピニオンギヤ89は第1と第2のギ
ヤ部93,95に受ける噛み合い反力F4,F2によっ
て歯すじ103の歯すじ角が大きくなる方向に傾斜する
から、歯すじ103は、破線で描いた従来の歯すじ10
7(ピニオンギヤ91の歯すじ105と反対方向で、歯
すじ角は同じ)よりこの傾斜分だけ歯すじ角が小さくな
るように補正して歯切りが行われている。
sは収納孔との径方向間隔(Dc−Ds)で決まると共
に、ピニオンギヤ89の長さLsが大きい程傾斜させよ
うとするトルクが大きい。又、傾斜した時にピッチング
が発生する箇所はこれらの径方向間隔と長さとで変化す
る。従って、歯すじ103の補正角はこれらに基づいて
決定されている。
両が前進走行する時、ピニオンギヤ89では傾斜分が相
殺され、傾斜した状態でサイドギヤ17及びピニオンギ
ヤ91との正常な噛み合いが行われる。又、後行配置の
ピニオンギヤ91には傾斜が生じない。
当たりや片当たりによるピッチングが防止される。又、
従来例と異なって、ピッチング防止のために各ギヤの強
度を高める必要がないから、それだけ低コストに構成で
きる。更に、ピニオンギヤ89は最初から歯すじ角を補
正して歯切りされており、歯すじ角補正のための加工を
別途行うわけではないから、コストの上昇を伴わない。
明する。この実施例は請求項1,2,3,4,6,8の
特徴を備えている。なお、左右の方向は図5での左右の
方向である。又、図5と以下の説明のなかで第1,2実
施例の部材と同機能の部材は同一の符号を与えて引用
し、これら同機能部材の説明は省いている。又、符号を
与えていない部材等は図示されていない。
に用いられたギヤ組109を示している。このギヤ組1
09は長短のピニオンギヤ111,113とサイドギヤ
115,117とから構成されている。
は、第1と第2のギヤ部119,121とこれらを連結
する小径の中間軸部123とからなり、第1ギヤ部11
9は左のサイドギヤ115と噛み合っている。又、短い
ピニオンギヤ113は、第1と第2のギヤ部125,1
27からなり、第1ギヤ部125は右のサイドギヤ11
7と噛み合い、第2ギヤ部127はピニオンギヤ111
の第2ギヤ部121と噛み合っている。
周方向に複数組形成されたデフケース3の収納孔35,
37に摺動回転自在に収納されている。
力は、ピニオンギヤ111,113からサイドギヤ11
5,117を介して左右の出力軸側に分配され、出力軸
間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ111,11
3の自転によって左右各側に差動分配される。
ピニオンギヤ111,113と収納孔35,37との間
で、又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によって、
各ギヤとデフケース3との間などで摩擦抵抗が発生し、
これらの摩擦抵抗によってトルク感応型の差動制限力が
得られる。
フケース3の回転方向59と、この回転方向59に対す
るピニオンギヤ111,113の配列と、サイドギヤ1
15,117とピニオンギヤ111,113の歯すじ1
29,131,133,135の方向などを示してい
る。このように、長いピニオンギヤ111はデフケース
3の回転方向59に対して短いピニオンギヤ113より
先行配置されている。又、サイドギヤ115,117
は、各歯すじ129,131の方向性によって、ピニオ
ンギヤ111,113との噛み合いによりそれぞれ軸方
向内側方向の噛み合いスラスト力137,139を受け
る。又、長いピニオンギヤ111の歯すじ131の方向
は右上がりになる。
1は第1と第2のギヤ部119,121に受ける噛み合
い反力F4,F2によって歯すじ133の歯すじ角が小
さくなる方向に傾斜するから、歯すじ133は、この傾
斜分だけ歯すじ角が大きくなるように補正して歯切りが
行われている。
径方向間隔(Dc−Dl)及びピニオンギヤ111の支
持点間隔(Ll−Ll´)などに基づいて決定されてい
る。
両が前進走行する時、長いピニオンギヤ111では傾斜
分が相殺され、傾斜した状態でサイドギヤ129及びピ
ニオンギヤ113との正常な噛み合いが行われる。又、
後行配置の短いピニオンギヤ113が受ける噛み合い反
力F3,F1は同じ方向であるから傾斜は生じない。
当たりや片当たりによるピッチングが防止されると共
に、従来例と異なって、ピッチング防止のために各ギヤ
の強度を高める必要がないから、それだけ低コストに構
成できる。又、大きな傾斜トルクを受ける長いピニオン
ギヤ111で歯すじ角補正を行ったことによって、顕著
なピッチング防止効果が得られる。
ヤ111の各ギヤ部119,121は同時に歯切り加工
をすることができると共に、各ギヤ部119,121は
最初から歯すじ角補正して歯切りされ、歯すじ角補正の
ために別途補正加工するわけではないから、コストの上
昇を伴わない。
明する。この実施例は請求項1,2,3,4,6,9の
特徴を備えている。なお、左右の方向は図6での左右の
方向である。又、図6と以下の説明のなかで第1,2実
施例の部材と同機能の部材は同一の符号を与えて引用
し、これら同機能部材の説明は省いている。又、符号を
与えていない部材等は図示されていない。
に用いられたギヤ組141を示している。このギヤ組1
41は長短のピニオンギヤ143,145とサイドギヤ
17,19とから構成されており、各ピニオンギヤ14
3,145はデフケース3の収納孔35,37に摺動回
転自在に収納されている。
ギヤ部147,149とこれらを連結する小径の中間軸
部151とからなり、第1ギヤ部147は左のサイドギ
ヤ17と噛み合っている。又、短いピニオンギヤ145
は、第1と第2のギヤ部153,155からなり、第1
ギヤ部153は右のサイドギヤ19と噛み合い、第2ギ
ヤ部155はピニオンギヤ143の第2ギヤ部149と
噛み合っている。
ース3の回転方向59と、この回転方向59に対するピ
ニオンギヤ143,145の配列と、サイドギヤ17,
19とピニオンギヤ143,145の歯すじ61,6
3,157,159の方向などを示しており、このよう
に、ピニオンギヤ145はピニオンギヤ143に対して
回転方向59に先行配置されている。
145は第1と第2のギヤ部153,155に受ける噛
み合い反力F3,F2によって歯すじ159の歯すじ角
が小さくなる方向に傾斜するから、歯すじ159はこの
傾斜分だけ歯すじ角が大きくなるように補正して歯切り
が行われている。この補正角は収納孔37との径方向間
隔(Dc−Ds)及びピニオンギヤ145の長さLsな
どに基づいて決定されている。
両が前進走行する時、短いピニオンギヤ145では傾斜
分が相殺され、傾斜した状態でサイドギヤ19及びピニ
オンギヤ143との正常な噛み合いが行われる。又、後
行配置の長いピニオンギヤ143が受ける噛み合い反力
F4,F1は同じ方向であるから傾斜は生じない。
当たりや片当たりによるピッチングが防止されると共
に、従来例と異なって、ピッチング防止のために各ギヤ
の強度を高める必要がないから、それだけ低コストに構
成できる。又、ピニオンギヤ145は最初から歯すじ角
を補正して歯切りされており、歯すじ角補正のための加
工を別途行うわけではないから、コストの上昇を伴わな
い。
明する。この実施例は請求項1,2,3,4,6,10
の特徴を備えている。なお、左右の方向は図7での左右
の方向である。又、図7と以下の説明のなかで図5の第
4実施例の部材と同機能の部材は同一の符号を与えて引
用し、これら同機能部材の説明は省いている。又、符号
を与えていない部材等は図示されていない。
に用いられたギヤ組161を示している。このギヤ組1
61は長短のピニオンギヤ163,165とサイドギヤ
115,117とから構成されており、各ピニオンギヤ
163,165はデフケース3の収納孔35,37に摺
動回転自在に収納されている。
ギヤ部167,169とこれらを連結する小径の中間軸
部171とからなり、第1ギヤ部167は左のサイドギ
ヤ115と噛み合っている。又、短いピニオンギヤ16
5は、第1と第2のギヤ部173,175からなり、第
1ギヤ部173は右のサイドギヤ117と噛み合い、第
2ギヤ部175はピニオンギヤ163の第2ギヤ部16
9と噛み合っている。
フケース3の回転方向59と、この回転方向59に対す
るピニオンギヤ163,165の配列と、サイドギヤ1
15,117とピニオンギヤ163,165の歯すじ1
29,131,177,179の方向などを示してお
り、このように、ピニオンギヤ165はピニオンギヤ1
63に対して回転方向59に先行配置されている。
165は第1と第2のギヤ部173,175に受ける噛
み合い反力F3,F2によって歯すじ179の歯すじ角
が大きくなる方向に傾斜するから、歯すじ179はこの
傾斜分だけ歯すじ角が小さくなるように補正して歯切り
が行われている。この補正角は収納孔37との径方向間
隔(Dc−Ds)及びピニオンギヤ165の長さLsな
どに基づいて決定されている。
両が前進走行する時、短いピニオンギヤ165では傾斜
分が相殺され、傾斜した状態でサイドギヤ117及びピ
ニオンギヤ163との正常な噛み合いが行われる。又、
後行配置の長いピニオンギヤ163が受ける噛み合い反
力F4,F1は同じ方向であるから傾斜は生じない。
当たりや片当たりによるピッチングが防止され耐久性が
向上すると共に、従来例と異なって、ピッチング防止の
ために各ギヤの強度を高める必要がないから、それだけ
低コストに構成できる。又、ピニオンギヤ165は最初
から歯すじ角を補正して歯切りされており、歯すじ角補
正のための加工を別途行うわけではないから、コストの
上昇を伴わない。
本発明の歯すじ角補正は上述した第1ないし第4実施例
の歯すじ補正角がデフケースに設けた収納孔の内径Dc
とピニオンギヤの外径Dsとの径方向間隔(Dc−D
s)及びピニオンギヤの長さLsに基づいて決定される
場合、これらの値に基づいて得られた補正角の値を基準
とし、又は含めてピッチング防止効果が得られる角度分
だけ補正角に幅をもたせて設定しても良い。
すじ角補正の補正角は、歯当たりの改善が目的の微小な
ものであり、ヘリカルギヤ構成の場合は噛み合いスラス
ト力に影響を与えるものではなく、スパーギヤ構成の場
合は噛み合いスラスト力を発生させるものではない。
ドギヤはヘリカルギヤでなくスパーギヤで構成してもよ
い。この場合、歯すじ角補正はピニオンギヤが傾斜した
ときに歯すじが軸方向になるように行えばよい。
ヤデフ(後輪側の車軸デフ)や、フロントデフ(前輪側
の車軸デフ)や、センターデフ(前輪と後輪とにエンジ
ンの駆動力を分配するデファレンシャル装置)のいずれ
にも用いられる。
ンジンの駆動力により回転駆動されるデフケースの収納
孔に摺動回転自在に収納された少なくとも一対のピニオ
ンギヤで一対の出力側サイドギヤを連結するように構成
されたデファレンシャル装置において、トルク伝達時に
第1と第2の各ギヤ部に受ける噛み合い反力によって生
じる傾斜角を相殺するために、ピニオンギヤの歯すじ角
をこの傾斜と反対方向に補正しながら歯切りした。
の噛み合いはピニオンギヤが傾斜した状態で正常にな
り、各ギヤの片当たりと片当たりによるピッチングとが
防止され、各構成部材の形状を大型化することなく耐久
性が向上できるから、従来例と異なって、各ギヤの強度
を特に高くする必要がなく、それだけ低コストに構成で
きる。
項1のデファレンシャル装置において、一対のピニオン
ギヤのうち低反力側のピニオンギヤすなわちデフケース
の回転方向に先行配置され傾斜トルクを受けるピニオン
ギヤにだけ歯すじ角補正を施すことにより、低コスト
で、効果的に各ギヤの片当たりと片当たりによるピッチ
ングとを防止した。
の回転方向に先行配置されたピニオンギヤに歯すじ角補
正を施せば、ギヤの片当たりとピッチング防止効果がそ
れだけ顕著に得られる。
項1又は2のデファレンシャル装置において、ピニオン
ギヤの傾斜角と傾斜トルクあるいはピッチングの発生箇
所などに大きく影響するピニオンギヤの支持点間隔(ピ
ニオンギヤの長さ)やピニオンギヤと収納孔との径方向
間隔などに基づいて歯すじの補正角を決定することによ
り、低コストで、ギヤの片当たりとピッチングとを効果
的に防止している。
それぞれ請求項1,2又は3のデファレンシャル装置に
おいて、一対のピニオンギヤが第2ギヤ部をそれぞれ一
個有するものであり(請求項4)、一対のピニオンギヤ
が、第1ギヤ部と第2ギヤ部との間に中間軸部を持った
長いピニオンギヤと、中間軸部を持たない短いピニオン
ギヤとからなり、これらの第2ギヤ部がサイドギヤの軸
方向の外側で互いに噛み合ったものであり(請求項
6)、請求項1,2又は3のデファレンシャル装置と同
様に、歯すじ角の補正によって、低コストで、ピニオン
ギヤの傾斜による片当たりと片当たりによるピッチング
とを防止している。
いて、支持点間隔が広い長いピニオンギヤは傾斜トルク
が大きく、短いピニオンギヤは収納孔との径方向間隔に
よる傾斜角が大きく、更にこれらの条件によってピッチ
ングの発生箇所が変化するが、例えば請求項3の歯すじ
角補正によれば、低コストで、ピニオンギヤの傾斜に伴
う片当たりとピッチングとが効果的に防止される。
軸部を持つピニオンギヤの一方側に歯すじ角補正を施し
ているので、一方側のギヤ部に歯すじ角補正を施すだけ
で効果的にピッチングや片当たりを防止することができ
る。
ャル装置は、請求項6のデファレンシャル装置におい
て、各ギヤをヘリカルギヤで構成すると共に、デフケー
スの回転方向に先行配置されたピニオンギヤに歯すじ角
補正を施したものであり、請求項7では、先行配置され
た長いピニオンギヤがねじれ角が大きくなる方向に傾斜
するからこのねじれ角を予め傾斜分だけ小さく補正し、
請求項8では、先行配置された長いピニオンギヤがねじ
れ角が小さくなる方向に傾斜するからこのねじれ角を予
め傾斜分だけ大きく補正し、請求項9では、先行配置さ
れた短いピニオンギヤがねじれ角が小さくなる方向に傾
斜するからこのねじれ角を予め傾斜分だけ大きく補正
し、請求項10では、先行配置された短いピニオンギヤ
がねじれ角が大きくなる方向に傾斜するからこのねじれ
角を予め傾斜分だけ小さく補正した。
ファレンシャル装置は、請求項6のデファレンシャル装
置と同様に、長短のピニオンギヤ共に歯すじ角補正によ
り、低コストで、ピニオンギヤの傾斜に伴う片当たりと
ピッチングとを防止している。
る。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
す断面図である。
面図である。
生じる傾斜方向と歯すじ角の変化とを示す斜視図であ
る。
たピニオンギヤ) 41,91,113 短いピニオンギヤ(後行配置され
たピニオンギヤ) 43,49,79,93,97,119,125,14
7,153,167,173 第1ギヤ部 45,51,81,95,99,121,127,14
9,155,169,175 第2ギヤ部 47,83,123,151,171 中間軸部 59,101 デフケースの回転方向 61,63,129,131 サイドギヤの歯すじ 65,85,103,133,159,179 歯すじ
角を補正したピニオンギヤの歯すじ 75,87,109,141,161 ギヤ組(デファ
レンシャル装置) 89,145,165 短いピニオンギヤ(先行配置さ
れたピニオンギヤ) 143,163 長いピニオンギヤ(後行配置されたピ
ニオンギヤ) F1,F2,F3,F4 噛み合い反力
Claims (10)
- 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
デフケースと、デフケースの内部に回転自在に支承され
た一対の出力側サイドギヤと、これらサイドギヤの径方
向外側に周方向配置され、サイドギヤと各別に噛み合う
第1ギヤ部及び互いに噛み合う第2ギヤ部を有する少な
くとも一対のピニオンギヤと、デフケースに形成され各
ピニオンギヤを摺動回転自在に収納する収納孔とを備
え、トルク伝達時に第1と第2の各ギヤ部に受ける噛み
合い反力によって生じる傾斜の角度だけこの傾斜と反対
方向にピニオンギヤの歯すじ角が補正されていることを
特徴とするデファレンシャル装置。 - 【請求項2】 一対のピニオンギヤのうちデフケースの
回転方向に先行配置されたピニオンギヤに歯すじ角補正
が施された請求項1のデファレンシャル装置。 - 【請求項3】 歯すじの補正角を、収納孔によるピニオ
ンギヤの支持点間隔とピニオンギヤと収納孔との径方向
間隔とから決定した請求項1又は2のデファレンシャル
装置。 - 【請求項4】 一対のピニオンギヤが、第2ギヤ部をそ
れぞれ一個有する請求項1,2又は3のデファレンシャ
ル装置。 - 【請求項5】 一対のピニオンギヤのうち少なくとも一
方のピニオンギヤが第1ギヤ部と第2ギヤ部との間に中
間軸部を持ち、この中間軸部のいずれか一方側のギヤ部
に歯すじ角補正が施されていることを特徴とする請求項
1,2又は3のデファレンシャル装置。 - 【請求項6】 一対のピニオンギヤが、第1ギヤ部と第
2ギヤ部との間に中間軸部を持った長いピニオンギヤ
と、中間軸部を持たない短いピニオンギヤとからなり、
これらの第2ギヤ部がサイドギヤの軸方向外側で互いに
噛み合った請求項1,2,3,4又は5のデファレンシ
ャル装置。 - 【請求項7】 各ギヤがヘリカルギヤで構成されると共
に、長いピニオンギヤが短いピニオンギヤに対してデフ
ケースの回転方向に先行配置され、各サイドギヤが、デ
フケースの回転時にそれぞれ軸方向外側向きの噛み合い
スラスト力を受ける方向のねじれ角を有すると共に、長
いピニオンギヤのねじれ角を傾斜分だけ小さく補正した
請求項6のデファレンシャル装置。 - 【請求項8】 各ギヤがヘリカルギヤで構成されると共
に、長いピニオンギヤが短いピニオンギヤに対してデフ
ケースの回転方向に先行配置され、各サイドギヤが、デ
フケースの回転時にそれぞれ軸方向内側向きの噛み合い
スラスト力を受ける方向のねじれ角を有すると共に、長
いピニオンギヤのねじれ角を傾斜分だけ大きく補正した
請求項6のデファレンシャル装置。 - 【請求項9】 各ギヤがヘリカルギヤで構成されると共
に、短いピニオンギヤが長いピニオンギヤに対してデフ
ケースの回転方向に先行配置され、各サイドギヤが、デ
フケースの回転時にそれぞれ軸方向外側向きの噛み合い
スラスト力を受ける方向のねじれ角を有すると共に、短
いピニオンギヤのねじれ角を傾斜分だけ大きく補正した
請求項6のデファレンシャル装置。 - 【請求項10】 各ギヤがヘリカルギヤで構成されると
共に、短いピニオンギヤが長いピニオンギヤに対してデ
フケースの回転方向に先行配置され、各サイドギヤが、
デフケースの回転時にそれぞれ軸方向内側向きの噛み合
いスラスト力を受ける方向のねじれ角を有すると共に、
短いピニオンギヤのねじれ角を傾斜分だけ小さく補正し
た請求項6のデファレンシャル装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9655295A JP3611897B2 (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | デファレンシャル装置 |
US08/627,351 US5728025A (en) | 1995-04-18 | 1996-04-05 | Differential apparatus |
GB9607278A GB2300234B (en) | 1995-04-18 | 1996-04-09 | Differential apparatus |
DE19615406A DE19615406C2 (de) | 1995-04-18 | 1996-04-18 | Differential |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9655295A JP3611897B2 (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | デファレンシャル装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08291853A true JPH08291853A (ja) | 1996-11-05 |
JP3611897B2 JP3611897B2 (ja) | 2005-01-19 |
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ID=14168245
Family Applications (1)
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JP9655295A Expired - Fee Related JP3611897B2 (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-21 | デファレンシャル装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3611897B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2944081A1 (fr) * | 2009-04-03 | 2010-10-08 | Roger Laumain | Differentiel a engrenage cylindrique auto freine |
-
1995
- 1995-04-21 JP JP9655295A patent/JP3611897B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2944081A1 (fr) * | 2009-04-03 | 2010-10-08 | Roger Laumain | Differentiel a engrenage cylindrique auto freine |
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JP3611897B2 (ja) | 2005-01-19 |
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