JPH08291084A - フッ素系不活性液体の精製方法 - Google Patents
フッ素系不活性液体の精製方法Info
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- JPH08291084A JPH08291084A JP10107895A JP10107895A JPH08291084A JP H08291084 A JPH08291084 A JP H08291084A JP 10107895 A JP10107895 A JP 10107895A JP 10107895 A JP10107895 A JP 10107895A JP H08291084 A JPH08291084 A JP H08291084A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】フッ素系不活性液体の加熱使用時にフッ化水素
の発生の極めて少ないフッ素系不活性液体を得る。 【構成】フッ素系不活性液体に、標準沸点の温度を越え
て420℃までの温度に加熱する精製工程と、活性炭の
存在下に水またはアルカリ水溶液、例えば、水酸化ナト
リウム水溶液、水酸化カリウム水溶液と接触させる精製
工程とを施すことを特徴とするフッ素系不活性液体の精
製方法。
の発生の極めて少ないフッ素系不活性液体を得る。 【構成】フッ素系不活性液体に、標準沸点の温度を越え
て420℃までの温度に加熱する精製工程と、活性炭の
存在下に水またはアルカリ水溶液、例えば、水酸化ナト
リウム水溶液、水酸化カリウム水溶液と接触させる精製
工程とを施すことを特徴とするフッ素系不活性液体の精
製方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素系不活性液体の
加熱使用時にフッ化水素の発生の少ないフッ素系不活性
液体を得る方法に関する。
加熱使用時にフッ化水素の発生の少ないフッ素系不活性
液体を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素系不活性液体は、化学的・熱的に
安定で、良好な電気絶縁性、熱伝導性を有しており、ま
た、無毒であるため、変圧器等の電気絶縁用液体、電子
部品用液体、信頼性試験用液体、蒸気相はんだ付け用液
体等に用いられている。しかしながら、フッ素系不活性
液体を加熱状態で用いると、フッ化水素が発生するとい
う問題があった。フッ化水素は腐食性、毒性が高く、装
置材質の腐食、電気絶縁性の低下や人体への安全性等の
点で問題となる。
安定で、良好な電気絶縁性、熱伝導性を有しており、ま
た、無毒であるため、変圧器等の電気絶縁用液体、電子
部品用液体、信頼性試験用液体、蒸気相はんだ付け用液
体等に用いられている。しかしながら、フッ素系不活性
液体を加熱状態で用いると、フッ化水素が発生するとい
う問題があった。フッ化水素は腐食性、毒性が高く、装
置材質の腐食、電気絶縁性の低下や人体への安全性等の
点で問題となる。
【0003】このため、従来より、フッ素系不活性液体
を精製する方法が提案されてきた。例えば、蒸留または
ガスクロマトグラフィーによって精製する方法、水酸化
ナトリウム水溶液のようなアルカリ金属水酸化物とジイ
ソブチルアミンのような二級アミンの水溶液とフッ素系
不活性液体とを長時間還流させる方法(特開昭58-96061
号公報)、特定のフッ素系不活性液体を特定の温度範囲
内で加熱する方法(特開平2-36155号公報)、特定のフ
ッ素系不活性液体を活性炭と接触させる方法(特開平5-
112496号公報)等の方法が採用されてきた。しかしなが
ら、上記いずれの方法においてもフッ化水素の発生を充
分に低下させることは難しく、さらに安定性の優れたフ
ッ素系不活性液体を得る方法が求められていた。
を精製する方法が提案されてきた。例えば、蒸留または
ガスクロマトグラフィーによって精製する方法、水酸化
ナトリウム水溶液のようなアルカリ金属水酸化物とジイ
ソブチルアミンのような二級アミンの水溶液とフッ素系
不活性液体とを長時間還流させる方法(特開昭58-96061
号公報)、特定のフッ素系不活性液体を特定の温度範囲
内で加熱する方法(特開平2-36155号公報)、特定のフ
ッ素系不活性液体を活性炭と接触させる方法(特開平5-
112496号公報)等の方法が採用されてきた。しかしなが
ら、上記いずれの方法においてもフッ化水素の発生を充
分に低下させることは難しく、さらに安定性の優れたフ
ッ素系不活性液体を得る方法が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
加熱時に発生するフッ化水素の少ないフッ素系不活性液
体を得ることを目的として鋭意研究を続けてきた。
加熱時に発生するフッ化水素の少ないフッ素系不活性液
体を得ることを目的として鋭意研究を続けてきた。
【0005】
【課題を解決するための手段】その結果、フッ素系不活
性液体に、標準沸点の温度を越えて420℃までの温度
に加熱する精製工程と、活性炭の存在下に水またはアル
カリ水溶液と接触させる精製工程とを施すことによっ
て、上記目的を達成し得ることを見いだし、本発明を完
成させるに至った。
性液体に、標準沸点の温度を越えて420℃までの温度
に加熱する精製工程と、活性炭の存在下に水またはアル
カリ水溶液と接触させる精製工程とを施すことによっ
て、上記目的を達成し得ることを見いだし、本発明を完
成させるに至った。
【0006】すなわち、本発明は、フッ素系不活性液体
に、標準沸点の温度を越えて420℃までの温度に加熱
する精製工程と、活性炭の存在下に水またはアルカリ水
溶液と接触させる精製工程とを施すことを特徴とするフ
ッ素系不活性液体の精製方法である。
に、標準沸点の温度を越えて420℃までの温度に加熱
する精製工程と、活性炭の存在下に水またはアルカリ水
溶液と接触させる精製工程とを施すことを特徴とするフ
ッ素系不活性液体の精製方法である。
【0007】本発明で精製の対象となるフッ素系不活性
液体は、公知のものが何ら制限なく使用できる。好適に
は、常温において液体であるものが好ましい。具体的に
は、ペルフルオロアルカン類、ペルフルオロエーテル
類、ペルフルオロ三級アミン類等の化合物である。特に
ペルフルオロ三級アミン類は本発明による効果が大きく
好ましい。上記物質を例示すると、ペルフルオロアルカ
ン類としては、ペルフルオロペンタン、ペルフルオロヘ
キサン、ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロオクタ
ン、ペルフルオロノナン、ペルフルオロメチルシクロヘ
キサンなど、ペルフルオロエーテル類としては、ペルフ
ルオロジブチルエーテル、ペルフルオロ(2−ブチルテ
トラヒドロフラン)、ペルフルオロ(2−プロピルテト
ラヒドロピラン)など、ペルフルオロ三級アミン類とし
ては、ペルフルオロトリヘキシルアミン、ペルフルオロ
トリペンチルアミン、ペルフルオロトリブチルアミン、
ペルフルオロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリエ
チルアミン、ペルフルオロ(N,N−ジメチルヘキシル
アミン)、ペルフルオロ(N,N−ジエチルシクロヘキ
シルアミン)、ペルフルオロN−プロピルモルホリン、
ペルフルオロN−エチルモルホリン、ペルフルオロN−
メチルモルホリンなどが挙げられる。これらは単独では
もちろんのこと、2種以上を混合して用いても良い。ま
た、予め中和、水洗、蒸留あるいは公知の方法により精
製されたフッ素系不活性液体を用いても良い。
液体は、公知のものが何ら制限なく使用できる。好適に
は、常温において液体であるものが好ましい。具体的に
は、ペルフルオロアルカン類、ペルフルオロエーテル
類、ペルフルオロ三級アミン類等の化合物である。特に
ペルフルオロ三級アミン類は本発明による効果が大きく
好ましい。上記物質を例示すると、ペルフルオロアルカ
ン類としては、ペルフルオロペンタン、ペルフルオロヘ
キサン、ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロオクタ
ン、ペルフルオロノナン、ペルフルオロメチルシクロヘ
キサンなど、ペルフルオロエーテル類としては、ペルフ
ルオロジブチルエーテル、ペルフルオロ(2−ブチルテ
トラヒドロフラン)、ペルフルオロ(2−プロピルテト
ラヒドロピラン)など、ペルフルオロ三級アミン類とし
ては、ペルフルオロトリヘキシルアミン、ペルフルオロ
トリペンチルアミン、ペルフルオロトリブチルアミン、
ペルフルオロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリエ
チルアミン、ペルフルオロ(N,N−ジメチルヘキシル
アミン)、ペルフルオロ(N,N−ジエチルシクロヘキ
シルアミン)、ペルフルオロN−プロピルモルホリン、
ペルフルオロN−エチルモルホリン、ペルフルオロN−
メチルモルホリンなどが挙げられる。これらは単独では
もちろんのこと、2種以上を混合して用いても良い。ま
た、予め中和、水洗、蒸留あるいは公知の方法により精
製されたフッ素系不活性液体を用いても良い。
【0008】フッ素系不活性液体の製造方法は、従来公
知の方法が何ら制限なく利用できる。例えば、電解フッ
素化方法、フッ素ガスによる直接フッ素化方法、三フッ
化コバルト等の高原子価金属フッ化物によるフッ素化方
法、水素原子が実質的に全部フッ素原子に置換されたモ
ノマーを重合あるいは共重合させる方法、あるいはこれ
らを適宜組み合わせた方法等が好適に採用される。
知の方法が何ら制限なく利用できる。例えば、電解フッ
素化方法、フッ素ガスによる直接フッ素化方法、三フッ
化コバルト等の高原子価金属フッ化物によるフッ素化方
法、水素原子が実質的に全部フッ素原子に置換されたモ
ノマーを重合あるいは共重合させる方法、あるいはこれ
らを適宜組み合わせた方法等が好適に採用される。
【0009】本発明の特徴は、これらのフッ素系不活性
液体の精製方法として、フッ素系不活性液体を標準沸点
の温度を越えて420℃までの温度に加熱する精製工程
(以下、加熱精製工程と呼ぶ)と、フッ素系不活性液体
を活性炭の存在下に水またはアルカリ水溶液と接触させ
る精製工程(以下、活性炭精製工程と呼ぶ)の両方を施
すことにある。
液体の精製方法として、フッ素系不活性液体を標準沸点
の温度を越えて420℃までの温度に加熱する精製工程
(以下、加熱精製工程と呼ぶ)と、フッ素系不活性液体
を活性炭の存在下に水またはアルカリ水溶液と接触させ
る精製工程(以下、活性炭精製工程と呼ぶ)の両方を施
すことにある。
【0010】以下、まず、加熱精製工程について説明す
る。
る。
【0011】フッ素系不活性液体を加熱する温度は、標
準沸点の温度を越えて420℃までの範囲であれば良
い。ここで、標準沸点とは、使用するフッ素系不活性液
体の1気圧における沸点である。加熱温度が標準沸点の
温度以下の場合にはフッ化水素の発生の抑制効果が十分
でなく、一方、加熱温度が420℃よりも高い場合に
は、フッ素系不活性液体の分解が多くなるため好ましく
ない。加熱温度は、上記範囲の内、その化合物の標準沸
点の温度より20℃高い値が好ましい。また、加熱温度
は高いほどフッ化水素発生に対する効果が大きくなるた
め、好ましくは260℃〜420℃の範囲から選択する
のが良い。さらに、フッ素系不活性液体の分解の危険性
を考慮すれば、310℃〜390℃の範囲から選択する
のがより好適である。
準沸点の温度を越えて420℃までの範囲であれば良
い。ここで、標準沸点とは、使用するフッ素系不活性液
体の1気圧における沸点である。加熱温度が標準沸点の
温度以下の場合にはフッ化水素の発生の抑制効果が十分
でなく、一方、加熱温度が420℃よりも高い場合に
は、フッ素系不活性液体の分解が多くなるため好ましく
ない。加熱温度は、上記範囲の内、その化合物の標準沸
点の温度より20℃高い値が好ましい。また、加熱温度
は高いほどフッ化水素発生に対する効果が大きくなるた
め、好ましくは260℃〜420℃の範囲から選択する
のが良い。さらに、フッ素系不活性液体の分解の危険性
を考慮すれば、310℃〜390℃の範囲から選択する
のがより好適である。
【0012】加熱時間は、特に制限されるものではない
が、一般には0.01秒から100時間の範囲から選べ
ば良い。本発明に従えば極く短時間で十分な効果が得ら
れること、及び長時間の加熱により収率が低下する恐れ
があることから、好ましくは0.1〜300秒、さらに
好ましくは1〜100秒、特に好ましくは10〜60秒
である。
が、一般には0.01秒から100時間の範囲から選べ
ば良い。本発明に従えば極く短時間で十分な効果が得ら
れること、及び長時間の加熱により収率が低下する恐れ
があることから、好ましくは0.1〜300秒、さらに
好ましくは1〜100秒、特に好ましくは10〜60秒
である。
【0013】加熱方法としては、従来公知の方法が制限
なく利用でき、電気、燃料、スチーム、熱媒等を熱源と
して加熱器、加熱炉を用いて加熱すれば良い。また、加
圧下、常圧下、あるいはバッチ式、連続式のいずれの方
法で行っても良い。また、液状態、あるいは気体状態で
加熱しても良い。さらに、ポンプ、攪拌機、窒素ガスや
水蒸気等の吹き込み等により攪拌しても良い。また、十
分に加熱するために充填材を利用しても良い。充填材と
しては、ステンレス製やニッケル製等の市販のラッシヒ
リング等を利用すれば良い。本発明に従えば、短時間で
十分な効果が得られるため、常圧下において気体状態で
連続的に接触させる実施形態が、安全性、費用、人手、
生産性の点からも好ましく採用される。
なく利用でき、電気、燃料、スチーム、熱媒等を熱源と
して加熱器、加熱炉を用いて加熱すれば良い。また、加
圧下、常圧下、あるいはバッチ式、連続式のいずれの方
法で行っても良い。また、液状態、あるいは気体状態で
加熱しても良い。さらに、ポンプ、攪拌機、窒素ガスや
水蒸気等の吹き込み等により攪拌しても良い。また、十
分に加熱するために充填材を利用しても良い。充填材と
しては、ステンレス製やニッケル製等の市販のラッシヒ
リング等を利用すれば良い。本発明に従えば、短時間で
十分な効果が得られるため、常圧下において気体状態で
連続的に接触させる実施形態が、安全性、費用、人手、
生産性の点からも好ましく採用される。
【0014】装置材質としては、鉄、ステンレス、ニッ
ケル、モネル、ハステロイ等の金属材料や炭化珪素、カ
ーボン、アルミナ等の非金属材料を用いることができる
が、ニッケル、モネル、カーボンを用いることが好まし
い。加熱したフッ素系不活性液体は、必要に応じてろ過
や水洗等の操作を施しても良い。
ケル、モネル、ハステロイ等の金属材料や炭化珪素、カ
ーボン、アルミナ等の非金属材料を用いることができる
が、ニッケル、モネル、カーボンを用いることが好まし
い。加熱したフッ素系不活性液体は、必要に応じてろ過
や水洗等の操作を施しても良い。
【0015】次に、活性炭精製工程について説明する。
【0016】活性炭は、その種類に特に制限はなく、植
物質系、石炭質系、石油質系活性炭等を使用することが
できる。特に、木材、木炭、椰子殻炭を原料とする植物
質系、瀝青炭、亜炭等を原料とする石炭質系活性炭が好
適に採用される。活性炭の形状としては、粉末炭、破砕
炭、造粒炭等を用いることができる。活性炭の粒径は、
フッ素系不活性液体との接触効率の点から小さいものが
好ましく、平均粒径が9mmより小さいものを選択する
と良い。実用的には0.02〜5mmのものが適当であ
る。
物質系、石炭質系、石油質系活性炭等を使用することが
できる。特に、木材、木炭、椰子殻炭を原料とする植物
質系、瀝青炭、亜炭等を原料とする石炭質系活性炭が好
適に採用される。活性炭の形状としては、粉末炭、破砕
炭、造粒炭等を用いることができる。活性炭の粒径は、
フッ素系不活性液体との接触効率の点から小さいものが
好ましく、平均粒径が9mmより小さいものを選択する
と良い。実用的には0.02〜5mmのものが適当であ
る。
【0017】活性炭の量は、使用量が多いほど好ましい
が、フッ素系不活性液体100重量部に対し、通常0.
05〜20重量部であれば良く、0.3〜10重量部で
あることがより好ましい。
が、フッ素系不活性液体100重量部に対し、通常0.
05〜20重量部であれば良く、0.3〜10重量部で
あることがより好ましい。
【0018】接触温度は、必要とする活性炭の量を少な
くできるため、できるだけ高い温度を選択することが好
ましい。通常は0〜100℃の範囲から選択すれば良
い。さらに好ましくは40〜100℃、特に好ましくは
70〜100℃の範囲から選択すれば良い。実用性を勘
案すると、接触温度は、フッ素系不活性液体の沸点ある
いは水またはアルカリ水溶液の沸点のいずれか低い温度
までで、できる限り高い温度を選択し、常圧下で実施す
るのが好ましい。もちろん、接触を加圧下で実施しても
良い。
くできるため、できるだけ高い温度を選択することが好
ましい。通常は0〜100℃の範囲から選択すれば良
い。さらに好ましくは40〜100℃、特に好ましくは
70〜100℃の範囲から選択すれば良い。実用性を勘
案すると、接触温度は、フッ素系不活性液体の沸点ある
いは水またはアルカリ水溶液の沸点のいずれか低い温度
までで、できる限り高い温度を選択し、常圧下で実施す
るのが好ましい。もちろん、接触を加圧下で実施しても
良い。
【0019】接触時間は、できるだけ長い時間を採用す
ることが好ましいが、通常は1〜50時間、さらに4〜
25時間の範囲から選ぶことが好ましい。
ることが好ましいが、通常は1〜50時間、さらに4〜
25時間の範囲から選ぶことが好ましい。
【0020】本発明に使用する水は、工業用水、海水な
どを用いることができるが、イオン交換水、蒸留水、ま
たは水道水などの清浄な水を用いるのが好ましい。ま
た、通常のボイラーなどにより発生したスチームを利用
しても良い。
どを用いることができるが、イオン交換水、蒸留水、ま
たは水道水などの清浄な水を用いるのが好ましい。ま
た、通常のボイラーなどにより発生したスチームを利用
しても良い。
【0021】本発明では、活性炭の存在下に水を使用す
ることが肝要であるが、アルカリの添加により本発明の
効果をさらに高めることができる。
ることが肝要であるが、アルカリの添加により本発明の
効果をさらに高めることができる。
【0022】アルカリは、水溶液においてアルカリ性を
示すものであれば特に制限はなく、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カル
シウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等の炭酸塩、アンモニア等が挙げられ
る。実用的には、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが
適当である。
示すものであれば特に制限はなく、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カル
シウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等の炭酸塩、アンモニア等が挙げられ
る。実用的には、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが
適当である。
【0023】アルカリ水溶液のアルカリ濃度は、良好な
精製を行うためには通常0.1〜50重量%であること
が好ましく、さらに5〜20重量%の範囲であることが
好ましい。フッ素系不活性液体とアルカリ水溶液との接
触で容器材質として鉄やSUSを使用するためには、ア
ルカリの濃度として5〜20重量%が好ましい。
精製を行うためには通常0.1〜50重量%であること
が好ましく、さらに5〜20重量%の範囲であることが
好ましい。フッ素系不活性液体とアルカリ水溶液との接
触で容器材質として鉄やSUSを使用するためには、ア
ルカリの濃度として5〜20重量%が好ましい。
【0024】水またはアルカリ水溶液の量は、フッ素系
不活性液体の重量に対し、通常0.1〜20倍重量の範
囲であれば良い。フッ素系不活性液体に対して過剰量の
水またはアルカリ水溶液と接触させるとより良好な精製
を行うことができるため、フッ素系不活性液体の重量に
対し、1〜10倍重量の範囲であることがより好まし
い。また、水またはアルカリ水溶液は繰り返し使用して
も良い。
不活性液体の重量に対し、通常0.1〜20倍重量の範
囲であれば良い。フッ素系不活性液体に対して過剰量の
水またはアルカリ水溶液と接触させるとより良好な精製
を行うことができるため、フッ素系不活性液体の重量に
対し、1〜10倍重量の範囲であることがより好まし
い。また、水またはアルカリ水溶液は繰り返し使用して
も良い。
【0025】フッ素系不活性液体と活性炭、および水ま
たはアルカリ水溶液との接触方法は、三者を効率よく接
触させる公知の方法を何ら制限なく用いることができ
る。例えば、攪拌槽等において攪拌する方法、活性炭を
充填したカラムにフッ素系不活性液体と水またはアルカ
リ水溶液を連続的に通じる方法、活性炭を分散させた水
またはアルカリ水溶液中にフッ素系不活性液体の液滴を
分散させる方法、活性炭を分散させたフッ素系不活性液
体中に水またはアルカリ水溶液の液滴を分散させる方法
等が好適に用いられる。
たはアルカリ水溶液との接触方法は、三者を効率よく接
触させる公知の方法を何ら制限なく用いることができ
る。例えば、攪拌槽等において攪拌する方法、活性炭を
充填したカラムにフッ素系不活性液体と水またはアルカ
リ水溶液を連続的に通じる方法、活性炭を分散させた水
またはアルカリ水溶液中にフッ素系不活性液体の液滴を
分散させる方法、活性炭を分散させたフッ素系不活性液
体中に水またはアルカリ水溶液の液滴を分散させる方法
等が好適に用いられる。
【0026】フッ素系不活性液体に活性炭と水またはア
ルカリ水溶液とを接触させたのち、活性炭は公知のろ過
操作等により分離する。分離した活性炭には、フッ素系
不活性液体が吸着しているため、加熱操作、減圧操作、
窒素ガスなどの吹き込み操作などによりフッ素系不活性
液体の回収操作を実施することが好ましい。
ルカリ水溶液とを接触させたのち、活性炭は公知のろ過
操作等により分離する。分離した活性炭には、フッ素系
不活性液体が吸着しているため、加熱操作、減圧操作、
窒素ガスなどの吹き込み操作などによりフッ素系不活性
液体の回収操作を実施することが好ましい。
【0027】活性炭のろ過分離後、フッ素系不活性液体
と水またはアルカリ水溶液とを分離する必要がある。フ
ッ素系不活性液体は水に不溶であり、また水より比重が
大きいため、静置することにより容易に分離することが
できる。分離したフッ素系不活性液体には、わずかに水
またはアルカリ水溶液が溶解しているため、水洗による
洗浄操作、蒸留操作やシリカゲル、アルミナ、ゼオライ
ト、シリカアルミナゲル等の脱水剤を用いた脱水操作を
行っても良い。
と水またはアルカリ水溶液とを分離する必要がある。フ
ッ素系不活性液体は水に不溶であり、また水より比重が
大きいため、静置することにより容易に分離することが
できる。分離したフッ素系不活性液体には、わずかに水
またはアルカリ水溶液が溶解しているため、水洗による
洗浄操作、蒸留操作やシリカゲル、アルミナ、ゼオライ
ト、シリカアルミナゲル等の脱水剤を用いた脱水操作を
行っても良い。
【0028】フッ素系不活性液体に対して、以上の加熱
精製工程と活性炭精製工程とを施す順序は、加熱精製工
程を先に施し、次いで活性炭精製工程を施しても良い
し、逆に、活性炭精製工程を先に施し、次いで加熱精製
工程を施しても良い。フッ化水素の生成抑制効果の上か
らは、先に加熱精製工程を施した後、活性炭精製工程を
施すのが好適である。
精製工程と活性炭精製工程とを施す順序は、加熱精製工
程を先に施し、次いで活性炭精製工程を施しても良い
し、逆に、活性炭精製工程を先に施し、次いで加熱精製
工程を施しても良い。フッ化水素の生成抑制効果の上か
らは、先に加熱精製工程を施した後、活性炭精製工程を
施すのが好適である。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素系不活性液体
に、標準沸点の温度を越えて420℃までの温度に加熱
する精製工程と、フッ素系不活性液体を活性炭の存在下
に水またはアルカリ水溶液と接触させる精製工程の両方
を施すことによって、フッ素系不活性液体の加熱使用時
におけるフッ化水素の発生量を、上記精製工程の一方の
みを単独で行った場合に比較して大幅に低減させること
ができる。
に、標準沸点の温度を越えて420℃までの温度に加熱
する精製工程と、フッ素系不活性液体を活性炭の存在下
に水またはアルカリ水溶液と接触させる精製工程の両方
を施すことによって、フッ素系不活性液体の加熱使用時
におけるフッ化水素の発生量を、上記精製工程の一方の
みを単独で行った場合に比較して大幅に低減させること
ができる。
【0030】本発明において、フッ化水素の発生を抑制
できる理由は明確ではないが、本発明者等は次のように
推測している。すなわち、フッ素系不活性液体には、た
とえ蒸留や公知の精製方法を実施した後においても、極
めて微量の副生成物などが含まれており、これらの副生
成物が徐々に分解してフッ化水素が発生するが、本発明
による精製を行なうことにより該副生成物のほとんどが
分解し、そのためにフッ素系不活性液体の安定性が増す
ものと思われる。
できる理由は明確ではないが、本発明者等は次のように
推測している。すなわち、フッ素系不活性液体には、た
とえ蒸留や公知の精製方法を実施した後においても、極
めて微量の副生成物などが含まれており、これらの副生
成物が徐々に分解してフッ化水素が発生するが、本発明
による精製を行なうことにより該副生成物のほとんどが
分解し、そのためにフッ素系不活性液体の安定性が増す
ものと思われる。
【0031】本発明によって精製されたフッ素系不活性
液体は、電気絶縁用液体、電子部品用液体、信頼性試験
用液体、蒸気相はんだ付け用液体等として、不活性、安
定性、信頼性が特に要求される用途に好適に使用でき
る。
液体は、電気絶縁用液体、電子部品用液体、信頼性試験
用液体、蒸気相はんだ付け用液体等として、不活性、安
定性、信頼性が特に要求される用途に好適に使用でき
る。
【0032】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために以下
実施例を掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
実施例を掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0033】なお、以下、フッ素系不活性液体をILと
略す。
略す。
【0034】実施例1 無水フッ化水素酸とトリヘキシルアミンを原料とし、後
者の濃度を15重量%として、ニッケル製電解槽(電極
面積15dm2、電流30A、容量6L)を用いて電解フ
ッ素化を行った。無水フッ化水素酸とトリヘキシルアミ
ンを連続的に供給しながら、生成するフッ素化物を電解
槽の下部より間欠的に抜きだした。これを70%のフッ
素ガスと140℃で接触させたのち、室温下で5重量%
の水酸化ナトリウム水溶液と接触させてフッ化水素とフ
ッ素ガスを中和した。さらに減圧蒸留を行い、ILとし
てペルフルオロトリヘキシルアミン(bp.253℃)を得た。
者の濃度を15重量%として、ニッケル製電解槽(電極
面積15dm2、電流30A、容量6L)を用いて電解フ
ッ素化を行った。無水フッ化水素酸とトリヘキシルアミ
ンを連続的に供給しながら、生成するフッ素化物を電解
槽の下部より間欠的に抜きだした。これを70%のフッ
素ガスと140℃で接触させたのち、室温下で5重量%
の水酸化ナトリウム水溶液と接触させてフッ化水素とフ
ッ素ガスを中和した。さらに減圧蒸留を行い、ILとし
てペルフルオロトリヘキシルアミン(bp.253℃)を得た。
【0035】次に第一段階の精製として、Ni製ラッシ
ヒリングを充填した内径15.8mm、長さ400mmのNi製反
応器を電気リボンヒータで表1の温度に加熱し(有効加
熱部容量72cm3、反応圧力は常圧)、一方からペルフル
オロトリヘキシルアミンを約35℃に加温して流動性を
高めながら定量ポンプで連続供給した。ペルフルオロト
リヘキシルアミンの供給量は、表1に示す所定の温度に
おける所定の滞在時間となるように調節した。表1に示
したそれぞれの条件において、反応器より排出されたガ
ス状ペルフルオロトリヘキシルアミンをSUS製還流器
に通じて液化させ、下部に配したSUS製受器にペルフ
ルオロトリヘキシルアミンを回収した。
ヒリングを充填した内径15.8mm、長さ400mmのNi製反
応器を電気リボンヒータで表1の温度に加熱し(有効加
熱部容量72cm3、反応圧力は常圧)、一方からペルフル
オロトリヘキシルアミンを約35℃に加温して流動性を
高めながら定量ポンプで連続供給した。ペルフルオロト
リヘキシルアミンの供給量は、表1に示す所定の温度に
おける所定の滞在時間となるように調節した。表1に示
したそれぞれの条件において、反応器より排出されたガ
ス状ペルフルオロトリヘキシルアミンをSUS製還流器
に通じて液化させ、下部に配したSUS製受器にペルフ
ルオロトリヘキシルアミンを回収した。
【0036】なお、表1において回収率は、単位時間当
たりに供給したペルフルオロトリヘキシルアミン重量に
対して回収されたペルフルオロトリヘキシルアミン重量
の比の百分率である。
たりに供給したペルフルオロトリヘキシルアミン重量に
対して回収されたペルフルオロトリヘキシルアミン重量
の比の百分率である。
【0037】次いで、第二段階の精製として、回収した
ペルフルオロトリヘキシルアミンを還流冷却器と攪拌機
を有するステンレススチール製反応器に入れ、これに表
1に示す所定量の活性炭(精製白鷺、木質原料粉末炭、
平均粒径30〜40μm、武田薬品製)とペルフルオロ
トリヘキシルアミンの重量の2倍重量の10重量%Na
OH水溶液とを、表1に示す条件下で攪拌速度300r
pmで攪拌しながらペルフルオロトリヘキシルアミンを
活性炭とアルカリ水溶液に接触させた。
ペルフルオロトリヘキシルアミンを還流冷却器と攪拌機
を有するステンレススチール製反応器に入れ、これに表
1に示す所定量の活性炭(精製白鷺、木質原料粉末炭、
平均粒径30〜40μm、武田薬品製)とペルフルオロ
トリヘキシルアミンの重量の2倍重量の10重量%Na
OH水溶液とを、表1に示す条件下で攪拌速度300r
pmで攪拌しながらペルフルオロトリヘキシルアミンを
活性炭とアルカリ水溶液に接触させた。
【0038】ペルフルオロトリヘキシルアミンと活性炭
及びアルカリ水溶液との接触ののち、ろ過操作により活
性炭を分離した。活性炭に付着したILも窒素ガスを導
入しながら加熱することにより回収した。さらに分液ロ
ートを用いて分液することにより精製したペルフルオロ
ヘキシルアミンを得た。
及びアルカリ水溶液との接触ののち、ろ過操作により活
性炭を分離した。活性炭に付着したILも窒素ガスを導
入しながら加熱することにより回収した。さらに分液ロ
ートを用いて分液することにより精製したペルフルオロ
ヘキシルアミンを得た。
【0039】精製したペルフルオロトリヘキシルアミン
を、還流器を上部に配したナス型フラスコにいれて液を
加熱し、4日間大気圧下で沸騰させた。この間、20ml
/min流量の窒素ガスを液に吹き込み、発生するフッ化水
素を0.01mol/l 水酸化カリウム水溶液に吸収させ
た。この水酸化カリウム水溶液に含まれるフッ素イオン
濃度をイオンクロマトアナライザー(横河北辰電機製、
モデルIC100)で測定することによりフッ化水素発
生量を求め、IL単位重量当りのフッ化水素発生量を求
めた。結果を表1に併わせて記した。なお、この4日間
沸騰中に発生するフッ化水素発生量を以下、HF発生量
と呼ぶ。
を、還流器を上部に配したナス型フラスコにいれて液を
加熱し、4日間大気圧下で沸騰させた。この間、20ml
/min流量の窒素ガスを液に吹き込み、発生するフッ化水
素を0.01mol/l 水酸化カリウム水溶液に吸収させ
た。この水酸化カリウム水溶液に含まれるフッ素イオン
濃度をイオンクロマトアナライザー(横河北辰電機製、
モデルIC100)で測定することによりフッ化水素発
生量を求め、IL単位重量当りのフッ化水素発生量を求
めた。結果を表1に併わせて記した。なお、この4日間
沸騰中に発生するフッ化水素発生量を以下、HF発生量
と呼ぶ。
【0040】表1には参考のため、第一段階の精製にお
いて本発明で特定された温度を外れたときのペルフルオ
ロトリヘキシルアミンのHF発生量を求めた結果を比較
例No.1として記した。また、第一段階の精製のみを
実施して第二段階の精製を実施しなかった場合(比較例
No.2)、第二段階の精製のみを実施して第一段階の
精製を実施しなかった場合(比較例No.3)、および
本発明における精製を実施する前のペルフルオロトリヘ
キシルアミン(比較例No.4)のHF発生量の測定結
果もそれぞれ併せて示した。
いて本発明で特定された温度を外れたときのペルフルオ
ロトリヘキシルアミンのHF発生量を求めた結果を比較
例No.1として記した。また、第一段階の精製のみを
実施して第二段階の精製を実施しなかった場合(比較例
No.2)、第二段階の精製のみを実施して第一段階の
精製を実施しなかった場合(比較例No.3)、および
本発明における精製を実施する前のペルフルオロトリヘ
キシルアミン(比較例No.4)のHF発生量の測定結
果もそれぞれ併せて示した。
【0041】
【表1】
【0042】実施例2 実施例1のNo.3において、第一段階の精製と第2段
階の精製を施す順序を逆にし、先に活性炭による精製を
行いその後加熱による精製を行ったこと以外は、実施例
1と同様にして精製を行った。HF発生量は、0.73mgHF
/kgILであった。
階の精製を施す順序を逆にし、先に活性炭による精製を
行いその後加熱による精製を行ったこと以外は、実施例
1と同様にして精製を行った。HF発生量は、0.73mgHF
/kgILであった。
【0043】実施例3 ILとしてペルフルオロトリヘキシルアミン(bp.253℃)
を用い、以下の条件で実施例1と同様にして精製を行っ
た。
を用い、以下の条件で実施例1と同様にして精製を行っ
た。
【0044】第一段階の精製として温度380℃、滞在
時間30秒で加熱した。回収率は99.5%であった。
時間30秒で加熱した。回収率は99.5%であった。
【0045】第二段階の精製として、表2に示す活性炭
と水または各種のアルカリ水溶液とを用いた。温度90
℃、接触時間17時間の条件下で、ペルフルオロトリヘ
キシルアミン100重量部に対して2重量部の活性炭と
200重量部の水またはアルカリ水溶液を、攪拌速度3
00rpmで攪拌しながらペルフルオロトリヘキシルア
ミンに同時に接触させた。接触したのち、ろ過、分離
し、HF発生量を求めた。結果を表2に示した。
と水または各種のアルカリ水溶液とを用いた。温度90
℃、接触時間17時間の条件下で、ペルフルオロトリヘ
キシルアミン100重量部に対して2重量部の活性炭と
200重量部の水またはアルカリ水溶液を、攪拌速度3
00rpmで攪拌しながらペルフルオロトリヘキシルア
ミンに同時に接触させた。接触したのち、ろ過、分離
し、HF発生量を求めた。結果を表2に示した。
【0046】表2には、第二段階の精製における比較例
として、ペルフルオロトリヘキシルアミンに活性炭のみ
を接触させた場合(比較例No.1)、アルカリ水溶液のみ
を接触させた場合(比較例No.2)、および活性炭の存在
下で水を含まないアルカリ固体とを接触させた場合(比
較例No.3)におけるHF発生量の測定結果も併せて示し
た。
として、ペルフルオロトリヘキシルアミンに活性炭のみ
を接触させた場合(比較例No.1)、アルカリ水溶液のみ
を接触させた場合(比較例No.2)、および活性炭の存在
下で水を含まないアルカリ固体とを接触させた場合(比
較例No.3)におけるHF発生量の測定結果も併せて示し
た。
【0047】
【表2】
【0048】実施例4 ILとして、ペルフルオロトリプロピルアミン(bp.130
℃)を用い、以下の条件で実施例1と同様にして精製を
行った。
℃)を用い、以下の条件で実施例1と同様にして精製を
行った。
【0049】第一段階の精製として、滞在時間30秒に
おいて、表3に示した所定の温度で加熱した。
おいて、表3に示した所定の温度で加熱した。
【0050】第二段階の精製として、温度90℃、接触
時間17時間の条件下で、ペルフルオロトリプロピルア
ミン100重量部に対して2重量部の活性炭(精製白
鷺、木質原料粉末炭、平均粒径30〜40μm、武田薬
品製)と200重量部の10重量%NaOH水溶液と
を、攪拌速度300rpmで攪拌しながらペルフルオロ
トリプロピルアミンを活性炭とアルカリ水溶液に接触さ
せた。
時間17時間の条件下で、ペルフルオロトリプロピルア
ミン100重量部に対して2重量部の活性炭(精製白
鷺、木質原料粉末炭、平均粒径30〜40μm、武田薬
品製)と200重量部の10重量%NaOH水溶液と
を、攪拌速度300rpmで攪拌しながらペルフルオロ
トリプロピルアミンを活性炭とアルカリ水溶液に接触さ
せた。
【0051】接触したのち、ろ過、分離し、HF発生量
を求めた。結果を表3に示した。また、表3には精製前
のペルフルオロトリプロピルアミンのHF発生量を求め
た結果も、比較例として併記した。
を求めた。結果を表3に示した。また、表3には精製前
のペルフルオロトリプロピルアミンのHF発生量を求め
た結果も、比較例として併記した。
【0052】
【表3】
【0053】実施例5 ILとして、ペルフルオロトリペンチルアミン(bp.217
℃)、ペルフルオロトリブチルアミン(bp.177℃)、ペル
フルオロヘプタン(bp.81℃)、ペルフルオロデカリン(b
p.142℃)、ペルフルオロジブチルエーテル(bp.102℃)、
ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)(bp.10
1℃)を用い、以下の条件で実施例1と同様にして精製を
行った。
℃)、ペルフルオロトリブチルアミン(bp.177℃)、ペル
フルオロヘプタン(bp.81℃)、ペルフルオロデカリン(b
p.142℃)、ペルフルオロジブチルエーテル(bp.102℃)、
ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)(bp.10
1℃)を用い、以下の条件で実施例1と同様にして精製を
行った。
【0054】第一段階の精製として各々のILを温度3
80℃、滞在時間30秒で加熱した。回収率はいずれの
ILも99.5%以上であった。
80℃、滞在時間30秒で加熱した。回収率はいずれの
ILも99.5%以上であった。
【0055】第二段階の精製として、回収した各々のI
LにIL100重量部に対して2重量部の活性炭(精製
白鷺、木質原料粉末炭、平均粒径30〜40μm、武田
薬品製)と200重量部のNaOH水溶液(濃度10重
量%)とを、攪拌速度300rpmで攪拌しながら17
時間にわたり90℃で接触させた。接触させたのち、ろ
過、分離し、HF発生量を求めた。結果を表4に示し
た。また、表4には本発明による精製を実施する前の各
々のILを用いてHF発生量を求めた結果も、精製前H
F発生量として併記した。
LにIL100重量部に対して2重量部の活性炭(精製
白鷺、木質原料粉末炭、平均粒径30〜40μm、武田
薬品製)と200重量部のNaOH水溶液(濃度10重
量%)とを、攪拌速度300rpmで攪拌しながら17
時間にわたり90℃で接触させた。接触させたのち、ろ
過、分離し、HF発生量を求めた。結果を表4に示し
た。また、表4には本発明による精製を実施する前の各
々のILを用いてHF発生量を求めた結果も、精製前H
F発生量として併記した。
【0056】
【表4】
【0057】実施例6 ILとして、ペルフルオロトリペンチルアミン(bp.217
℃)を用いた。
℃)を用いた。
【0058】第一段階の精製として、SUS製オートク
レーブを用いて、温度300℃で7時間加熱した。回収
率は98.8%であった。なお、300℃で加熱した
時、容器内部の圧力は4.5kg/cm2であった。
レーブを用いて、温度300℃で7時間加熱した。回収
率は98.8%であった。なお、300℃で加熱した
時、容器内部の圧力は4.5kg/cm2であった。
【0059】第二段階の精製として、温度90℃、接触
時間17時間の条件下で、ペルフルオロトリペンチルア
ミン100重量部に対して2重量部の活性炭(精製白
鷺、木質原料粉末炭、平均粒径30〜40μm、武田薬
品製)と200重量部の10重量%NaOH水溶液と
を、攪拌速度300rpmで攪拌しながらペルフルオロ
トリペンチルアミンを活性炭とアルカリ水溶液に接触さ
せた。
時間17時間の条件下で、ペルフルオロトリペンチルア
ミン100重量部に対して2重量部の活性炭(精製白
鷺、木質原料粉末炭、平均粒径30〜40μm、武田薬
品製)と200重量部の10重量%NaOH水溶液と
を、攪拌速度300rpmで攪拌しながらペルフルオロ
トリペンチルアミンを活性炭とアルカリ水溶液に接触さ
せた。
【0060】接触したのち、ろ過、分離し、ペルフルオ
ロトリペンチルアミンのHF発生量を求めたところ、0.
10mgHF/kgILであった。
ロトリペンチルアミンのHF発生量を求めたところ、0.
10mgHF/kgILであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 19/08 9546−4H C07C 19/08 41/36 41/36 41/42 41/42 43/12 7419−4H 43/12 209/84 209/84 211/15 8517−4H 211/15 211/17 8517−4H 211/17 C07D 265/30 C07D 265/30 307/18 307/18 309/04 309/04
Claims (1)
- 【請求項1】フッ素系不活性液体に、標準沸点の温度を
越えて420℃までの温度に加熱する精製工程と、活性
炭の存在下に水またはアルカリ水溶液と接触させる精製
工程とを施すことを特徴とするフッ素系不活性液体の精
製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10107895A JPH08291084A (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | フッ素系不活性液体の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10107895A JPH08291084A (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | フッ素系不活性液体の精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08291084A true JPH08291084A (ja) | 1996-11-05 |
Family
ID=14291072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10107895A Pending JPH08291084A (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | フッ素系不活性液体の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08291084A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007139182A1 (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-06 | National University Corporation Hokkaido University | パーフルオロアルキル基を有するフルオロアミン、その製造方法及びそれを用いるフッ素化方法、並びにパーフルオロアルキル基を有するアミドの回収方法 |
-
1995
- 1995-04-25 JP JP10107895A patent/JPH08291084A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007139182A1 (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-06 | National University Corporation Hokkaido University | パーフルオロアルキル基を有するフルオロアミン、その製造方法及びそれを用いるフッ素化方法、並びにパーフルオロアルキル基を有するアミドの回収方法 |
JPWO2007139182A1 (ja) * | 2006-05-31 | 2009-10-15 | 国立大学法人 北海道大学 | パーフルオロアルキル基を有するフルオロアミン、その製造方法及びそれを用いるフッ素化方法、並びにパーフルオロアルキル基を有するアミドの回収方法 |
US8093429B2 (en) | 2006-05-31 | 2012-01-10 | National University Corporation Hokkaido University | Fluoroamine having perfluoroalkyl group, process for producing the same, method of fluorination therewith, and method of recovering amide having perfluoroalkyl group |
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