JPH08290007A - 溶存酸素の除去方法 - Google Patents

溶存酸素の除去方法

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JPH08290007A
JPH08290007A JP7119366A JP11936695A JPH08290007A JP H08290007 A JPH08290007 A JP H08290007A JP 7119366 A JP7119366 A JP 7119366A JP 11936695 A JP11936695 A JP 11936695A JP H08290007 A JPH08290007 A JP H08290007A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】溶存酸素含有水に窒素ガスを接触させて溶存酸
素を除去し、除去した酸素が混入した使用済みの窒素ガ
スに水素源を供給し、貴金属触媒層を通して酸素と水素
の反応により酸素を水に変換して除去し、窒素ガスを循
環再使用する水中の溶存酸素の除去方法において、水素
の供給量が混入している酸素との反応当量の1〜3倍で
あり、触媒層の温度が60〜100℃であり、窒素ガス
の触媒層空間速度が1,000〜10,000hr-1であ
り、触媒層出口の窒素ガス中の酸素濃度が30ppm(容
量比)以下であり、使用する窒素ガス量の被処理水量に
対する比が1.5〜10倍(Nm3/m3)であることを
特徴とする溶存酸素の除去方法。 【効果】本発明方法によれば、高純度窒素ガスを循環再
使用することにより溶存酸素含有水の窒素脱気を行い、
小型の装置により、従来法では達成することができなか
った溶存酸素濃度5ppb(重量比)以下の処理水を容易
に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶存酸素の除去方法に
関する。さらに詳しくは、本発明は、溶存酸素含有水中
の酸素を窒素ガスと接触することにより除去し、使用済
みの窒素ガス中に混入した酸素を反応により水に変換し
て除去し、窒素ガスを循環再使用することにより窒素ガ
スの消費量を大幅に削減し、しかも小型の装置により、
水中の溶存酸素を効率よく低濃度まで除去することがで
きる水中の溶存酸素の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、大量の水がボイラー用水や冷却水
として、各種化学プラントや、工場、発電所など多くの
産業分野において用いられている。ところが、これらの
水中に酸素が溶存していると、その水が通るボイラー水
系や冷却水系において、溶存酸素を原因とする腐食の問
題が生じる。このため、化学的方法あるいは物理的方法
によって、水中の溶存酸素を除去しなければならない。
また、半導体工業向けの超純水についても、溶存酸素量
を極低濃度にする必要がある。溶存酸素を除去する方法
として、溶存酸素を含む水に窒素ガスを吹き込むことに
より、気液接触面の気体を窒素ガスのみにして、溶存酸
素を水中から気相に拡散させて除去する物理的方法は窒
素脱気と呼ばれ、この方法を利用した装置はすでに実用
化されている。しかし、そのような装置においては、窒
素ガスを使い捨てにするという問題があった。すなわ
ち、使用済みの窒素ガスには酸素が混入するため、循環
再使用することができず、窒素ガスの必要量が大量なも
のとなって、運転コストの上で大きな負担となる。この
ような問題に鑑み、本出願人は、先に特開平5−269
305号公報において、酸素が混入した使用済みの窒素
ガスに水素ガスを供給し、貴金属触媒の存在下で酸素を
水素との気相化学反応により水に変換して使用済みの窒
素ガスから酸素を除去し、窒素ガスを循環再使用する溶
存酸素の除去方法を提案した。この方法により、窒素ガ
スの必要量は大幅に減少し、かつ処理水中の酸素濃度を
10ppb(重量比)まで低下することが可能になった。
しかし、この方法では貴金属触媒層出口の窒素ガス中の
酸素量を1ppm(容量比)とする必要があり、そのため
には、窒素ガスの触媒層空間速度を10hr-1以下とする
必要があった。このため、より小型の装置を用い、より
容易な方法で、さらに水中の溶存酸素濃度を低下し得る
技術が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶存酸素含
有水を処理して処理水中の酸素濃度を容易に5ppb(重
量比)以下とし、かつ、装置の小型化を可能とする溶存
酸素の除去方法を提供することを目的としてなされたも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、混入している酸
素と反応する水素源の供給量、触媒層の温度、窒素ガス
の触媒層空間速度及び処理対象水量に対する窒素ガス量
の比を、それぞれ特定の条件の下に運転することによ
り、容易に処理水中の酸素濃度を5ppb(重量比)以下
となし得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、溶存酸素含
有水に窒素ガスを接触させて溶存酸素を除去し、除去し
た酸素が混入した使用済みの窒素ガスに水素源を供給
し、貴金属触媒層を通して酸素と水素源の反応により酸
素を水に変換して除去し、窒素ガスを循環再使用する水
中の溶存酸素の除去方法において、水素の供給量が混入
している酸素との反応当量の1〜3倍であり、触媒層の
温度が60〜100℃であり、窒素ガスの触媒層空間速
度が1,000〜10,000hr-1であり、触媒層出口の
窒素ガス中の酸素濃度が30ppm(容量比)以下であ
り、使用する窒素ガス量の被処理水量に対する比が1.
5〜10倍(Nm3/m3)であることを特徴とする溶存
酸素の除去方法を提供するものである。
【0005】本発明方法においては、水中の溶存酸素の
除去は、例えば、被処理水を満たしたタンクに、その下
部から窒素ガスを吹き込んだり、ラシヒリングなどの充
填物を充填した窒素脱気塔を使用して行うことができ
る。充填物を充填した窒素脱気塔を使用する場合には、
被処理水を窒素脱気塔の上部からノズルにより供給し、
窒素脱気塔の下部から窒素ガスを供給する。被処理水
は、窒素脱気塔内の充填層を流れ落ちる間に窒素ガスと
接触し、被処理水中の溶存酸素が窒素ガス中へ拡散す
る。被処理水が酸素以外のガスを含む場合には、そのよ
うなガスも同時に除去することができる。その後、溶存
酸素が除去された処理水は、窒素脱気塔の下部からポン
プにより排出することができる。また、窒素脱気塔内を
流れ、被処理水から除去した酸素が混入している使用済
みの窒素ガスは、窒素脱気塔の上部から排出することが
できる。本発明方法においては、溶存酸素含有水に接触
させた後の、除去した酸素が混入している使用済みの窒
素ガスに、水素源、例えば、水素ガス又はヒドラジンを
酸素との反応当量の1〜3倍供給する。水素ガス及びヒ
ドラジンは、下記の式にしたがって酸素と反応し、酸素
を水に変換することによって除去する。 2H2+O2 → 2H2O N24+O2 → 2H2O+N2 水素の供給量が、酸素との反応当量の1倍未満である
と、窒素ガス中に混入した酸素の除去量が低下する。水
素の供給量が、酸素との反応当量の3倍を超えても、酸
素の除去量は水素の供給量の増加に見合っては向上しな
い。本発明方法においては、水素の供給量が、酸素との
反応当量あれば窒素ガス中の酸素濃度を30ppm(容量
比)以下とすることが可能であり、溶存酸素含有水と接
触させる窒素ガス中の酸素濃度が30ppm(容量比)以
下であれば、処理水中の溶存酸素を5ppb(重量比)以
下とすることができるので、水素の供給量は、酸素との
反応当量の3倍以下で十分である。
【0006】本発明方法においては、使用済みの窒素ガ
スに水素源を供給する方法には特に制限はなく、任意の
方法によって供給することができる。水素ガスを供給す
る場合には、例えば、使用済みの窒素ガスの配管に水素
ガス供給管をつなぎ、流量調節計を通じて所望量の水素
ガスを窒素ガスに供給することができる。また、ヒドラ
ジンを供給する場合には、例えば、ヒドラジンを水溶液
とし、使用後の窒素ガスの配管内へ噴霧して供給するこ
とができる。本発明方法においては、酸素を含んだ使用
済みの窒素ガスから酸素を除去するための反応装置とし
ては、貴金属触媒をそのままで、又は担体に担持させて
充填した触媒層を保持しうる塔などを使用することがで
きる。貴金属触媒としては、金属パラジウム、酸化パラ
ジウム、水酸化パラジウムなどのパラジウム化合物又は
白金を、アルミナ、活性炭、ゼオライト、イオン交換樹
脂などの担体に担持させたものを使用することができ
る。この場合、担持量は通常0.1〜10重量%とする
ことが好ましい。担体としては、特に、アルミナを用い
ることにより、少ないパラジウム又は白金の担持量で優
れた効果を発揮させることができるので、極めて好適で
ある。なお、アニオン交換樹脂にパラジウムを担持させ
るには、アニオン交換樹脂をカラムに充填し、次いで塩
化パラジウムの酸性溶液を通水すればよい。もし、金属
パラジウムとして担持させるのであれば、さらにホルマ
リンなどを加えて還元すればよい。本発明方法において
は、貴金属触媒の形状には特に制限はなく、粉末状、粒
状、ペレット状などいずれの形状のものでも使用するこ
とができる。粒状又はペレット状の触媒はカラムなどに
充填し、酸素を含有する使用済みの窒素ガスを連続的に
処理するときに有利である。粉末状の触媒でも、流動床
によって使用することができる。触媒反応装置の下流に
は、必要に応じて窒素ガスタンクを配置し、窒素脱気塔
へ循環する窒素ガスを一時的に保持することができる。
本発明方法においては、貴金属触媒層を通過し、混入し
た酸素の濃度を30ppm(容量比)以下とした窒素ガス
を、窒素脱気塔へ循環させて再使用することにより、窒
素ガスを一度使用しただけで使い捨てにする方法に比べ
て、窒素ガスの消費量を大幅に減少することができる。
【0007】本発明方法においては、酸素が混入した窒
素ガスに水素源を供給し、60〜100℃、好ましくは
70〜90℃に保った貴金属触媒層を通過せしめる。貴
金属触媒層の温度が60℃未満であると、酸素除去量が
低下して、触媒層出口の窒素ガス中の酸素濃度が30pp
m(容量比)を超え、窒素脱気塔における被処理水の酸
素除去が不十分となるおそれがある。貴金属触媒層の温
度が100℃を超えても、酸素除去量は温度の上昇に見
合っては向上せず、いたずらにエネルギーの消費量が大
きくなる。本発明方法においては、窒素ガスの触媒層空
間速度(SV)は、1,000〜10,000hr-1であ
り、好ましくは2,000〜7,000hr-1である。窒素
ガスの触媒層空間速度が小さいほど酸素の除去は確実に
行われるが、使用する触媒量が多くなり、装置が大型化
する。本発明方法においては、窒素ガスの触媒層空間速
度を1,000hr-1未満とする必要はなく、触媒層空間
速度1,000hr-1以上で窒素ガス中の酸素濃度を30p
pm(容量比)以下とすることができ、この濃度の酸素を
含有する窒素ガスを用いて処理水中の酸素濃度を5ppb
(重量比)以下にすることができる。窒素ガスの触媒層
空間速度が10,000hr-1を超えると、窒素ガス中の
酸素の除去が不十分となって30ppm(容量比)を超
え、その結果、処理水中の酸素濃度が上昇するおそれが
ある。本発明方法においては、溶存酸素の除去設備の運
転を、窒素ガスを用いることなく、空気を用いて開始す
ることができる。空気に水素ガス又はヒドラジンを供給
して貴金属触媒層を通過することにより、空気中の酸素
を水に変換して除去する操作を循環して繰り返し、循環
ガス中の酸素濃度が30ppm(容量比)以下となったと
ころで窒素脱気塔へ導き、溶存酸素含有水の窒素脱気を
開始することができる。
【0008】本発明方法においては、酸素が混入した窒
素ガスを、上記の条件で貴金属触媒層に通すことによ
り、触媒層出口の窒素ガス中の酸素濃度を30ppm(容
量比)以下、好ましくは1〜10ppm(容量比)とし、
窒素脱気塔へ循環して再使用する。窒素脱気塔へ導く窒
素ガス中の酸素濃度が30ppm(容量比)以下であれ
ば、本発明方法により、処理水中の酸素濃度を5ppb
(重量比)以下にすることができる。窒素脱気塔へ導く
窒素ガス中の酸素濃度が30ppm(容量比)を超える
と、窒素脱気塔における溶存酸素の除去が不十分とな
り、処理水中の酸素濃度が5ppb(重量比)を超えるお
それがある。また、窒素脱気塔へ導く窒素ガス中の酸素
濃度が5ppm(容量比)以下であれば、本発明方法によ
り、処理水中の酸素濃度を1ppb(重量比)以下にする
ことができる。窒素脱気塔へ導く窒素ガス中の酸素濃度
を1ppm(容量比)未満とするためには装置を大型化す
る必要があるが、窒素ガス中の酸素濃度が1ppm(容量
比)未満になっても、溶存酸素の除去効率は窒素ガス中
の酸素濃度の低下に見合っては向上せず、処理水中の溶
存酸素はほぼ同水準にとどまる。本発明方法において
は、窒素脱気塔において、被処理水1m3当たり窒素ガ
ス1.5〜10Nm3を使用し、好ましくは被処理水1m
3当たり窒素ガス2〜5Nm3を使用して窒素脱気を行
う。窒素ガスの使用量の被処理水量に対する比を1.5
倍(Nm3/m3)以上とすることにより、窒素ガス中の
酸素濃度が30ppm(容量比)であっても、処理水の溶
存酸素濃度を5ppb(重量比)以下とすることができ
る。窒素ガスの使用量の被処理水量に対する比が1.5
倍(Nm3/m3)未満であると、溶存酸素の除去量が急
激に低下し、処理が不安定となるおそれがある。窒素ガ
スの使用量の被処理水量に対する比が10倍(Nm3
3)を超えると、使用する窒素ガスの量が多くなり、
大容量のポンプを必要とするばかりでなく、窒素脱気塔
における圧力損失が増大して効率が悪化し、さらに、貴
金属触媒層において必要とする触媒の量も多くなる。本
発明方法による処理の対象となる水には特に制限はな
く、例えば、化学プラントや発電所におけるボイラー用
水や冷却水、半導体工業における超純水などを挙げるこ
とができる。
【0009】以下、図面により本発明方法の実施の一態
様を説明する。図1は、本発明方法の工程図の一例であ
る。被処理水を被処理水ライン1から窒素脱気塔2の上
部に供給する。被処理水は、ノズル3からラシヒリン
グ、ネットリングなどを充填した充填層4の上に噴出さ
せる。被処理水は、充填層の内部を流れながら、窒素脱
気塔の下部のノズル5から供給される窒素ガスと気液接
触する。このとき、被処理水中の溶存酸素は、窒素ガス
中へ拡散する。これにより、酸素が被処理水より除去さ
れる。脱気処理した処理水は、ポンプ6により窒素脱気
塔の下部から排出する。除去した酸素が混入している使
用済みの窒素ガスは、窒素脱気塔の上部にある窒素ガス
出口から窒素循環ライン7にあるブロア8により吸引排
出する。窒素循環ラインには水素ガスライン9が接続さ
れていて、使用済みの窒素ガスに水素ガスを供給する。
その後、窒素ガスは触媒反応装置10へ導く。触媒反応
装置には、パラジウムや白金などの貴金属元素又はそれ
らの化合物を含有する触媒が充填されている。触媒反応
装置内において、使用済みの窒素ガス中の酸素が、加え
られた水素ガスと気相反応して水を生成し、除去され
る。このようにして再生した窒素ガスは、窒素ガスタン
ク11へ導き、一時的に貯蔵する。再生した窒素ガス
は、窒素ガスタンクから窒素ガス循環ライン7を経て、
窒素脱気塔へ供給し、被処理水から酸素を除去するため
に再度使用する。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1(溶存酸素含有水の窒素脱気) 溶存酸素濃度が8ppm(重量比)の被処理水を用いて窒
素脱気を行った。図2は、本実施例に用いた装置の概略
図である。窒素脱気塔2には、直径25mm、長さ25mm
のネットリングを充填した直径400mm、高さ1,40
0mmの充填層4が4個組み込まれている。また、触媒反
応装置10には、触媒層として白金−シリカ担体触媒3
リットルを充填している。被処理水を被処理水ライン1
から窒素脱気塔の上部に3m3/hrの速度で供給し、ノ
ズルからネットリングを充填した充填層の上に噴出させ
た。一方、窒素脱気塔の下部のノズルから、窒素ガスを
6Nm3/hrの速度で供給した。窒素ガス量は被処理水
量の2.0倍(Nm3/m3)である。脱気処理した処理
水は、ポンプにより窒素脱気塔の下部から排出した。除
去した酸素が混入している使用済みの窒素ガスを、窒素
脱気塔の上部にある窒素ガス出口から窒素循環ライン7
にあるブロア8により6Nm3/hrの速度で吸引排出
し、窒素循環ラインに設けた水素ガスライン9より、混
入している酸素の反応当量の1.2倍の水素ガスを供給
した。水素ガスを供給した窒素ガスを70℃に保った触
媒反応装置10へ導いた。触媒反応装置における空間速
度は、2,000hr-1である。運転が定常状態に達した
とき、触媒層出口の窒素ガス中の酸素濃度は1.5ppm
(容量比)であった。また、処理水中の溶存酸素濃度は
1ppb(重量比)以下であった。 実施例2(窒素ガス中の酸素濃度と処理水中の溶存酸素
の関係) 実施例1と同じ装置を用い、実施例1に引き続き、被処
理水の供給速度を1.2m3/hrに減少したこと、及び、
触媒反応装置出口の窒素ガスに酸素を添加し、窒素脱気
塔に供給する窒素ガス中の酸素濃度を変化したこと以外
は、実施例1と同じ操作を繰り返した。窒素ガス量は被
処理水量の5.0倍(Nm3/m3)である。窒素ガス中
の酸素濃度と処理水中の溶存酸素の関係を、第1表及び
図3に示す。この結果から、処理水中の溶存酸素を目標
値の5ppb(重量比)以下とするためには、触媒層出口
の窒素ガス中の酸素濃度が30ppm(容量比)以下であ
る必要があることが分かる。
【0011】
【表1】
【0012】実施例3(窒素ガス量と処理水中の溶存酸
素の関係) 実施例1と同じ装置を用い、実施例2に引き続き、窒素
脱気塔へ供給する窒素ガスの量を変化させること以外は
実施例2と同じ操作を繰り返した。この間、窒素ガスの
触媒層空間速度は、500〜8,000hr-1に変化し、
触媒層出口の窒素ガス中の酸素濃度は1〜5ppm(容量
比)であった。窒素ガス量の被処理水量に対する比(G
/L)と処理水中の溶存酸素の関係を、第2表及び図4
に示す。この結果から、窒素ガス量の被処理水量に対す
る比が1.5倍(Nm3/m3)未満になると、処理水中
の溶存酸素が急激に増加するが、窒素ガス量の被処理水
量に対する比が1.5倍(Nm3/m3)以上であれば、
処理水中の溶存酸素の量は安定して低い水準に保たれる
ことが分かる。
【0013】
【表2】
【0014】実施例4(空間速度と触媒層出口酸素濃度
の関係) 実施例1に用いた装置のうち、触媒反応装置のみを切り
離し、窒素ガスの触媒層空間速度と触媒層出口の酸素濃
度の関係を調べた。酸素濃度が3,000ppm(容量比)
である窒素ガスに、水素ガスを濃度が7,200ppm(容
量比)すなわち酸素との反応当量の1.2倍になるよう
に添加し、触媒層の温度を60℃に保持し、触媒層空間
速度を3,000hr-1から15,000hr-1まで変化させ
て、触媒層出口の窒素ガス中の酸素濃度を測定した。触
媒層空間速度と触媒層出口酸素濃度の関係を、第3表及
び図5に示す。この結果から、空間速度が10,000h
r-1以下であれば、触媒層出口の酸素濃度が30ppm(容
量比)以下となることが分かる。
【0015】
【表3】
【0016】
【発明の効果】本発明方法によれば、高純度窒素ガスを
循環再使用することにより廃棄することなく溶存酸素含
有水の窒素脱気を行い、かつ、小型の装置により、従来
法では達成することができなかった溶存酸素濃度5ppb
(重量比)以下の処理水を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法の工程図の一例である。
【図2】図2は、実施例に用いた装置の概略図である。
【図3】図3は、窒素ガス中の酸素濃度と処理水中の溶
存酸素の濃度の関係を示すグラフである。
【図4】図4は、窒素ガス量の被処理水量に対する比と
処理水中の溶存酸素の濃度の関係を示すグラフである。
【図5】図5は、空間速度と触媒層出口酸素濃度の関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 被処理水ライン 2 窒素脱気塔 3 ノズル 4 充填層 5 ノズル 6 ポンプ 7 窒素循環ライン 8 ブロア 9 水素ガスライン 10 触媒反応装置 11 窒素ガスタンク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶存酸素含有水に窒素ガスを接触させて溶
    存酸素を除去し、除去した酸素が混入した使用済みの窒
    素ガスに水素源を供給し、貴金属触媒層を通して酸素と
    水素の反応により酸素を水に変換して除去し、窒素ガス
    を循環再使用する水中の溶存酸素の除去方法において、
    水素の供給量が混入している酸素との反応当量の1〜3
    倍であり、触媒層の温度が60〜100℃であり、窒素
    ガスの触媒層空間速度が1,000〜10,000hr-1
    あり、触媒層出口の窒素ガス中の酸素濃度が30ppm
    (容量比)以下であり、使用する窒素ガス量の被処理水
    量に対する比が1.5〜10倍(Nm3/m3)であるこ
    とを特徴とする溶存酸素の除去方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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