JPH08287927A - 固体電解質型燃料電池用アノード、それを用いた固体電解質型燃料電池及び固体電解質型燃料電池の運転方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池用アノード、それを用いた固体電解質型燃料電池及び固体電解質型燃料電池の運転方法

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JPH08287927A
JPH08287927A JP7092500A JP9250095A JPH08287927A JP H08287927 A JPH08287927 A JP H08287927A JP 7092500 A JP7092500 A JP 7092500A JP 9250095 A JP9250095 A JP 9250095A JP H08287927 A JPH08287927 A JP H08287927A
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fuel cell
gas
fuel gas
solid electrolyte
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Yoshiyuki Someya
喜幸 染谷
Motoaki Andou
基朗 安藤
Hideto Koide
秀人 小出
Isao Mukaisawa
功 向沢
Toshihiko Yoshida
利彦 吉田
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SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Tonen General Sekiyu KK
Japan Petroleum Energy Center JPEC
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SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Petroleum Energy Center PEC
Tonen Corp
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 改質触媒能をもつアノード基体における燃料
ガスと接触する面のうち、燃料ガス出口側を除いて少な
くとも燃料ガス入口側の箇所に、改質反応の触媒作用を
示さないセラミックスから成るガス透過性多孔質層を設
け、かつ該多孔質層を厚さ100〜1000μm、平均
孔径0.05〜2μmに調整して成る固体電解質型燃料
電池用アノードであり、また、該アノードを、固体電解
質の両面にそれぞれカソード及び改質触媒能をもつアノ
ードを設けた単位セルのアノードとして用い、この単位
セルと、両面にそれぞれ各原料ガス通路を互いに交差方
向に設けたセパレータと、片面に各原料ガス通路を所定
方向に設けた外部端子とを集積して成る固体電解質型燃
料電池である。 【効果】 上記アノードを用いた固体電解質型燃料電池
は、セル面内の温度分布のバラツキが改善され、電池寿
命が長期間維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電解質型燃料電池
の面内での温度分布のバラツキを改善し、電池寿命を長
期間維持しうる固体電解質型燃料電池用アノード、それ
を用いた固体電解質型燃料電池及び該電池の運転方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池において、メタンなどの炭化水
素を燃料ガスに用い、水蒸気改質などの改質反応により
燃料ガスを水素等に変換させ、これを実質的な燃料ガス
として利用することが広く行われているが、このような
ものを含め、一般に大型化した燃料電池はセル面内の温
度分布が大きいという問題があった。すなわち、燃料電
池の作動時において、通常燃料ガスはセルの各供給部分
に均等に供給、分配されているが、その場合、セル面内
の温度分布は図1にその等温線で示されるように、各原
料ガスすなわち燃料ガス及び空気などの酸化剤ガスの流
路についてみるといずれも入り口側の方が低温、出口側
の方が高温であり、しかも両原料ガスの流路が最短で交
差する一隅部付近が最低温、該流路が最長で交差する他
の一隅部付近すなわち該流路が最短で交差する一隅部の
対角側付近が最高温となるものであって、その最高温度
と最低温度との温度差は、電池の種類、電池の大きさ、
運転条件などにより様々であるが、通常150℃以上と
大きかった。このような温度分布のバラツキのため、低
温部では電池性能の低下が生じ、また高温部では腐食な
どが進行しやすく電池寿命を長期間維持するのが困難と
なり、特に大型のスタック構造のものでは深刻な問題と
なる。このため、冷却ユニットを数セルごとに挟むなど
の措置がなされているが、部材点数が多くなり、コスト
高となるのを免れなかった。
【0003】このため、溶融炭酸塩型燃料電池、なかん
ずく直接内部改質式のものにおいては、セル面内の温度
分布の制御を改質触媒の充填密度を最適化することなど
で行っている。この直接内部改質式のものは、一般に、
溶融炭酸塩型燃料電池が、それに供給する燃料の改質方
式により、改質装置を燃料電池本体とは別に設ける外部
改質方式と、電池内部で燃料を改質する内部改質方式と
に大別され、特に後者はシステムの小型化、発電効率の
向上などの点で優れているが、この内部改質方式の中で
有望視されている、燃料電池本体の燃料ガス通路内に改
質触媒を配置する方式のものである。
【0004】他方、固体電解質型燃料電池においては、
前記溶融炭酸塩型燃料電池のように改質触媒が電極材料
とは別に配置されるのではなく、アノードがそのまま改
質触媒として作用し、改質反応は速い反応速度で主に燃
料ガスと接するアノード表面上で起こる。このため、改
質反応はガス流路入り口側に偏って起こり、中でも水蒸
気改質反応を利用する場合には、該反応が吸熱反応であ
るため、ガス流路入り口側のセル面において急激な温度
低下を招き、セル面内の温度分布が一層拡大するのを免
れず、さらに、熱応力による歪が不均一に発生するた
め、この温度分布の制御が強く要望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情の下、温度分布のバラツキを改善し、電池寿命を長
期間維持しうる固体電解質型燃料電池用アノードを提供
するとともに、該アノードを有効に利用した、所定固体
電解質型燃料電池及び該電池の運転方法を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
好ましい特性を有する固体電解質型燃料電池用アノード
を開発すべく、鋭意研究を重ねた結果、燃料ガスと接触
するアノードの面のうち少なくとも燃料ガス入り口側の
箇所に改質反応の触媒作用を示さないセラミックスのガ
ス透過性多孔質層を設けることにより、水蒸気改質反応
などの改質反応を前記入り口側に集中して偏ることな
く、それより下流側へも広げて行わせることが可能とな
り、さらに該多孔質層の配設に所定の工夫を施すことに
より、改質反応が主に起こる箇所を下流側へシフトさせ
ることが可能となり、セル面内の温度分布を十分制御し
うることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに
至った。
【0007】すなわち、本発明は、 改質触媒能をもつアノード基体における燃料ガスと
接触する面のうち、少なくとも燃料ガス出口側を除く、
少なくとも燃料ガス入口側の箇所に、改質反応の触媒作
用を示さないセラミックスから成るガス透過性多孔質層
を設け、かつ該多孔質層を厚さ100〜1000μm、
平均孔径0.05〜2μmに調整したことを特徴とする
固体電解質型燃料電池用アノード、 固体電解質の両面にそれぞれカソード及び改質触媒
能をもつアノードを設けた単位セル、両面にそれぞれ各
原料ガス通路を互いに交差方向に設けたセパレータ及び
片面に各原料ガス通路をセパレータの各原料ガス通路と
同方向に設けた外部端子を備え、これらを集積して成る
固体電解質型燃料電池において、アノードとして前記
項記載のアノードを用いたことを特徴とする固体電解質
型燃料電池、及び 燃料ガスとして、炭化水素を用い、これを燃料ガス
通路へほぼ均等に供給することを特徴とする前記項記
載の固体電解質型燃料電池の運転方法を提供するもので
ある。本発明の好ましい態様としては、 ガス透過性多孔質層が1×10-5[cm-4
-1-1]以上の気体透過率及び0.5%以上20%以下
の見かけ気孔率を有する前記項記載のアノード、 セラミックスがアルミナ、ジルコニア、セリア、窒
化ケイ素及びその他酸素分圧1×10-20atmの雰囲
気下1200℃で溶融しないセラミックス材料の中から
選ばれた少なくとも1種である前記項又は項記載の
アノード、 固体電解質の両面にそれぞれカソード及び改質触媒
能をもつアノードを設けた単位セル、両面にそれぞれ各
原料ガス通路を互いに交差方向に設けたセパレータ及び
片面に各原料ガス通路をセパレータの各原料ガス通路と
同様に設けた外部端子を備え、これらを集積して成る固
体電解質型燃料電池において、アノードとして前記項
記載のアノードを用いたことを特徴とする固体電解質型
燃料電池、 固体電解質の両面にそれぞれカソード及び改質触媒
能をもつアノードを設けた単位セル、両面にそれぞれ各
原料ガス通路を互いに交差方向に設けたセパレータ及び
片面に各原料ガス通路をセパレータの各原料ガス通路と
同様に設けた外部端子を備え、これらを集積して成る固
体電解質型燃料電池において、アノードとして、セラミ
ックスがアルミナ、ジルコニア、セリア、窒化ケイ素及
びその他酸素分圧1×10-20atmの雰囲気下120
0℃で溶融しないセラミックス材料の中から選ばれた少
なくとも1種である前記項記載のアノードを用いたこ
とを特徴とする固体電解質型燃料電池、 固体電解質の両面にそれぞれカソード及び改質触媒
能をもつアノードを設けた単位セル、両面にそれぞれ各
原料ガス通路を互いに交差方向に設けたセパレータ及び
片面に各原料ガス通路をセパレータの各原料ガス通路と
同様に設けた外部端子を備え、これらを集積して成る固
体電解質型燃料電池において、アノードとして、セラミ
ックスがアルミナ、ジルコニア、セリア、窒化ケイ素及
びその他酸素分圧1×10-20atmの雰囲気下120
0℃で溶融しないセラミックス材料の中から選ばれた少
なくとも1種であるとともに、ガス透過性多孔質層が1
×10-5[cm-4-1-1]以上の気体透過率及び0.
5%以上20%以下の見かけ気孔率を有する前記項記
載のアノードを用いたことを特徴とする固体電解質型燃
料電池、 セル面内の最高温度と最低温度との温度差を150
℃以内に制御する前記項記載の運転方法、 10 燃料ガスの流速を0.05〜5m/secの範囲に
制御する前記項又は項記載の運転方法、が挙げられ
る。
【0008】本発明に用いるガス透過性多孔質層を構成
するセラミックスは、改質反応、特に炭化水素の改質反
応の触媒作用を示さないものであれば特に制限されない
が、好ましくはアルミナ、ジルコニア、セリア、窒化ケ
イ素、その他酸素分圧1×10-20atmの雰囲気下1
200℃で溶融しないセラミックス材料などが挙げられ
る。このようなセラミックスから成るガス透過性多孔質
層は、燃料ガスのアノードとの接触を適度に制限しうる
程度のガス透過性を有するものであれば特に制限されな
いが、好適には1×10-5[cm-4-1-1]以上の気
体透過率及び0.5%以上20%以下、特に0.5〜5
%の見かけ気孔率を有するものが好ましい。この見かけ
気孔率は次の式で規定される。 〔1−(多孔質膜の密度/多孔質膜形成材料の密度)〕×100 なお、多孔質膜の密度は次の式で規定される。 (多孔質膜の重量)/〔(多孔質膜の厚さ)×(多孔質膜の面積)〕 また、ガス透過性多孔質層の厚さは、その気体透過率、
見かけ気孔率、配設状態、配設箇所等により左右される
が、通常多くとも1000μm、好ましくは多くとも5
00μmであり、また、ガス透過性多孔質層全体の平均
厚さは、その気体透過率や見かけ気孔率等により左右さ
れるが、通常100〜500μm、好ましくは100〜
200μmの範囲である。
【0009】本発明に用いるアノード基体については、
燃料ガスの改質反応の触媒作用を示す、すなわち改質触
媒能をもつものであれば特に制限されないが、好ましく
はメタン、エタン、プロパン、ブタン、LNG等の炭化
水素の改質反応、特に水蒸気改質反応の触媒作用を示す
ものであり、このようなものとしては、Niとジルコニ
アのサーメット、Niとセリアのサーメットなどが挙げ
られる。
【0010】本発明のアノードにおいて、ガス透過性多
孔質層は、燃料ガス流路にさらされ、燃料ガスと接触す
るアノード基体の表面部分であって、そのうち、少なく
とも燃料ガス出口側を除く、少なくとも燃料ガス入口側
の箇所に設けられる。このガス透過性多孔質層の配設の
形態としては、例えば燃料ガス通路入口側から燃料ガス
通路出口側へ向けて、所定長さまで均一厚さに敷設した
もの、所定長さまで段階的に厚みを所定幅で薄くして敷
設したもの、所定長さまで徐々に厚みを傾斜状に薄くし
て敷設したものなどが挙げられる。
【0011】本発明のアノードは、アノード基体の所定
箇所にガス透過性多孔質層を被着することにより製造す
ることができる。この被着方法としては、例えばスクリ
ーン印刷法、はけ塗り法などが挙げられる。この際用い
られる原料としては、通常ペーストが用いられ、これは
所定セラミックスの粉体や粒体をバインダーや分散剤や
増孔剤と、原料セラミックス粒径、各原材料の使用割合
等を適宜調整して、混合することによって調製すること
ができる。
【0012】また、本発明のアノードを有効に利用した
固体電解質型燃料電池としては、固体電解質の両面にそ
れぞれカソード及び改質触媒能をもつアノードを設けた
単位セル、両面にそれぞれ各原料ガス通路を互いに交差
方向に設けたセパレータ及び片面に各原料ガス通路をセ
パレータの各原料ガス通路と同方向に設けた外部端子を
備え、これらを集積して成る固体電解質型燃料電池にお
いて、アノードとして本発明のアノードを用いたものが
挙げられる。このような固体電解質型燃料電池の中でも
特に外部マニホールドを配設したスタック構造のものが
好ましい。図2に、本発明の固体電解質型燃料電池の1
例としての平板状3段直列セルのものについて、その集
積様式の展開説明図を示す。本発明の固体電解質型燃料
電池は、例えば図2の集積様式に従い、固体電解質1の
両面にそれぞれカソード2及び本発明アノード3を設け
た単位セルとセパレータ4とを交互に積層し、その両端
の単位セルにそれぞれ外部端子5を積層配設することに
よって作製することができる。
【0013】このような固体電解質型燃料電池を運転す
るには、燃料ガスとして、炭化水素を用い、これを燃料
ガス通路へほぼ均等に供給するのがよい。炭化水素とし
ては、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、LN
Gなどが挙げられる。燃料ガスは、好ましくは水蒸気改
質のため水蒸気、さらには必要に応じ窒素ガスととも
に、供給するのがよい。この運転時には、セル面内の最
高温度と最低温度との温度差を150℃以内に制御する
のが好ましい。また、運転時のアノードにおける燃料ガ
スの流速は、好ましくは0.05〜5m/sec、より
好ましくは0.05〜2m/sec、中でも特に0.0
5〜1m/secの範囲に制御するのがよい。
【0014】
【発明の効果】本発明のアノードは、固体電解質型燃料
電池用として好適であり、これを用いた本発明の固体電
解質型燃料電池は、セル面内の温度分布のバラツキが改
善され、電池寿命が長期間維持されるという顕著な効果
を奏する。また、本発明の運転方法によれば、セル面内
での温度分布のバラツキを改善し、電池寿命を長期間維
持しうる。
【0015】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。
【0016】実施例1 図3に示すように、イットリアを8モル%ドープしたジ
ルコニア(以下8YSZという)からなる5cm角の固
体電解質1の両面に、Niとジルコニアの重量比3:1
のサーメットからなるアノード基体3′をスクリーン印
刷法により被着したのち、その上にガス透過性多孔質層
6を、平均孔径を1μmとするとともに見かけ気孔率を
1%とし、厚さを表1に示すように種々変えて、また厚
さを100μmとするとともに見かけ気孔率を1%と
し、平均孔径を表2に示すように種々変えて、また平均
孔径及び厚さをそれぞれ1μm及び200μmとし、見
かけ気孔率を表3に示すように種々変えて、それぞれス
クリーン印刷法により被着してアノード3を形成し、こ
れをセパレータ4で挟んで、固体電解質型燃料電池の燃
料側構造の模擬構造をもつ各種装置を作製した。これ
に、1000℃で燃料ガスとしてメタンと水蒸気の流量
比3:1の混合ガスを流速0.4m/secになるよう
に窒素ガスとともに供給し、出口側のガス組成をガスク
ロマトグラフィにより測定しメタン転化率を求めた。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】実施例2 実施例1と同様にして平均孔径1μm、厚さ100μm
及び見かけ気孔率1%のガス透過性多孔質層をアノード
基体上に被着した固体電解質をセパレータで挟んで、固
体電解質型燃料電池の燃料側構造の模擬構造をもつ各種
装置を作製した。これに、実施例1と同じ混合ガスを表
4に示す種々の流速で供給し、出口側のガス組成をガス
クロマトグラフィにより測定しメタン転化率を求めた。
その結果を表4に示す。
【0021】
【表4】
【0022】以上のように、ガス透過性多孔質層の形成
によって水蒸気改質反応を抑制することができ、その効
果は、ガス透過性多孔質層の厚さ、平均孔径、見かけ気
孔率等を変えることにより、また燃料ガス流速を変える
ことにより、変動することが分る。各種条件の組み合わ
せによっても変わるが、特に厚さは100μm以上にな
るとその効果が顕著になり、平均孔径は小さい方がよ
く、好ましくは2μm以下であり、見かけ気孔率も小さ
い方がよく、好ましくは10%以下である。流速は大き
い方が改質率が低下するので、セパレータの溝形状を浅
くしたり、細くするか、あるいは不活性ガスを導入する
ことで流速を増大させて改質率を低下させることができ
る。
【0023】実施例3 図4に示すように、8YSZからなる20cm角の固体
電解質1の一方の面に、Niとジルコニアの重量比3:
1のサーメットからなるアノード基体3′をスクリーン
印刷法により被着したのち、セパレータ4と接触しな
い、アノード基体のセパレータの溝との対応部のうちの
燃料ガス供給側部の上にガス透過性多孔質層6を厚さ2
00μm、平均孔径1μmとなるように被着し、上記固
体電解質の他方の面に常法によりLa0.8Sr0.2MnO
3からなるカソード2を被着した。これをセパレータと
図4に示すように、該セパレータの溝にガス透過性多孔
質層を嵌合させ、これを図2に準じて3段に集積してス
タックセルを作製し、このセル本体にマニホールドを付
設して発電装置を作製した。電極面積は324cm2
した。このスタックセルに、燃料ガスとしてのメタンと
水蒸気をそれぞれ1l/min及び3l/min、同時
に窒素を5l/min、また酸化剤ガスとして空気を1
5l/minで供給した。発電試験は、セルを収めた電
気炉温度を1000℃とし、燃料及び空気は予熱器で予
熱したのち、マニホールド内に供給した。燃料予熱器温
度は、上記燃料ガス中メタンの代わりに窒素を同量供給
した場合に、マニホールド内のガス温度が950℃とな
るように調整し、空気予熱器温度も同様にマニホールド
内のガス温度が950℃になるように調整した。燃料ガ
スのセル内での改質反応による吸熱の影響を確認するた
め燃料ガス供給側の入り口のセパレータ温度を熱電対で
測定した。110A通電時のこのセパレータ温度とその
ときの出力密度を表5に示す。
【0024】比較例1 ガス透過性多孔質層の厚さを50μmに変えた以外は実
施例3と同様にして発電装置を作製し、発電試験を行
い、セパレータ温度と出力密度を求めた。その結果を表
5に示す。
【0025】比較例2 ガス透過性多孔質層を設けない以外は実施例3と同様の
電解質を用い、実施例3と同様にして発電装置を作製
し、発電試験を行い、セパレータ温度と出力密度を求め
た。その結果を表5に示す。
【0026】参考例 比較例2と同様の発電装置を用い、燃料ガスを水素と水
蒸気に代え、各供給量を4l/min及び2l/min
とした以外は実施例3と同様の発電試験を行い、セパレ
ータ温度と出力密度を求めた。その結果を表5に示す。
【0027】
【表5】
【0028】これより、適切なガス透過性多孔質層の形
成によって、燃料ガス供給側の入り口付近の温度低下を
抑制し、発電時のセル性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 燃料電池の従来の作動時のセル面内の温度分
布を示す等温図。
【図2】 本発明の固体電解質型燃料電池の1例の集積
様式の展開説明図。
【図3】 固体電解質型燃料電池の燃料側構造の模擬構
造をもつ装置の断面展開図。
【図4】 本発明のアノードの1例の説明図。
【符号の説明】
1 固体電解質 2 カソード 3 アノード 3′ アノード基体 4 セパレータ 5 外部端子 6 ガス透過性多孔質層 7 封止材
フロントページの続き (72)発明者 小出 秀人 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 向沢 功 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 吉田 利彦 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改質触媒能をもつアノード基体における
    燃料ガスと接触する面のうち、少なくとも燃料ガス出口
    側を除く、少なくとも燃料ガス入口側の箇所に、改質反
    応の触媒作用を示さないセラミックスから成るガス透過
    性多孔質層を設け、かつ該多孔質層を厚さ100〜10
    00μm、平均孔径0.05〜2μmに調整したことを
    特徴とする固体電解質型燃料電池用アノード。
  2. 【請求項2】 固体電解質の両面にそれぞれカソード及
    び改質触媒能をもつアノードを設けた単位セル、両面に
    それぞれ各原料ガス通路を互いに交差方向に設けたセパ
    レータ及び片面に各原料ガス通路をセパレータの各原料
    ガス通路と同方向に設けた外部端子を備え、これらを集
    積して成る固体電解質型燃料電池において、アノードと
    して請求項1記載のアノードを用いたことを特徴とする
    固体電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】 燃料ガスとして、炭化水素を用い、これ
    を燃料ガス通路へほぼ均等に供給することを特徴とする
    請求項2記載の固体電解質型燃料電池の運転方法。
  4. 【請求項4】 セル面内の最高温度と最低温度との温度
    差を150℃以内に制御することを特徴とする請求項3
    記載の運転方法。
JP7092500A 1995-04-18 1995-04-18 固体電解質型燃料電池用アノード、それを用いた固体電解質型燃料電池及び固体電解質型燃料電池の運転方法 Pending JPH08287927A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006059614A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Hitachi Ltd 燃料電池
JP2010159458A (ja) * 2009-01-08 2010-07-22 Toshiba Corp 電気化学セル及び電気化学セルの運転方法
JP2016058362A (ja) * 2014-09-12 2016-04-21 日産自動車株式会社 固体酸化物型燃料電池
JP2018504744A (ja) * 2014-12-19 2018-02-15 フュエルセル エナジー, インコーポレイテッドFuelcell Energy, Inc. 高効率溶融炭酸塩形燃料電池システム及び方法
JP2018098081A (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 Toto株式会社 固体酸化物形燃料電池スタック

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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