JPH08287462A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

Info

Publication number
JPH08287462A
JPH08287462A JP8828795A JP8828795A JPH08287462A JP H08287462 A JPH08287462 A JP H08287462A JP 8828795 A JP8828795 A JP 8828795A JP 8828795 A JP8828795 A JP 8828795A JP H08287462 A JPH08287462 A JP H08287462A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
abrasive
magnetic
recording medium
coating
binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8828795A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Kurihara
研一 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP8828795A priority Critical patent/JPH08287462A/ja
Publication of JPH08287462A publication Critical patent/JPH08287462A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 すぐれた電磁変換特性、高い耐久性を得る。 【構成】 非磁性支持体上に、磁性粉末と結合剤とを主
体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体の製造方
法において、磁性粉末と研磨材とを別々に分散させた磁
性粉末分散塗料と研磨材別分散塗料とをそれぞれ調整す
る工程と、磁性粉末分散塗料と研磨材別分散塗料とを混
合分散して上記磁性層の塗料を得る工程と、この塗料を
非磁性支持体上に塗布する工程とをとって磁気記録媒体
を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の製造方
法、特に塗布型の磁気記録媒体の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野においては、高画
質化を図るために、より一層の高密度記録を目指した短
波長記録化の傾向が著しい。それに伴い、磁性層を構成
する磁性粉末はより微細化、かつ高充填度化され、磁性
層表面の鏡面化が進められている。
【0003】一方、磁気記録媒体の走行性、耐摩耗性あ
るいは磁気ヘッドのクリーニング性等の耐久性を改善す
るために、潤滑剤あるいは研磨剤等が磁性塗膜中に添加
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うに、磁気記録媒体の走行性、耐摩耗性あるいは磁気ヘ
ッドのクリーニング性等の耐久性を改善するために、研
磨剤が磁性塗膜中に添加されると、非磁性体の含有率が
増加するため飽和磁化量が減少するのみならず、分散工
程での研磨材による磁性粉末破壊に起因した保磁力の低
下、分散不良による角形比(残留磁束密度/飽和磁束密
度)の低下、更には磁性層の表面性の劣化を来し、電磁
変換特性上好ましくないという問題が生じる。
【0005】このような問題に対し、磁性層の研磨材の
添加量を最小限にすることは言うまでもないが、磁性層
を形成する塗料作製工程での検討も必要である。
【0006】本発明においては、磁性層を形成する塗料
作製において特殊の方法を採ることによって上述した問
題の解決をはかるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明におい
ては、非磁性支持体上に、磁性粉末と結合剤とを主体と
する磁性層が形成されてなる磁気記録媒体の製造方法に
おいて、磁性粉末と研磨材とを別々に分散させた、すな
わち研磨材を含まない磁性粉末分散塗料と、磁性粉末を
含まない研磨材の分散塗料(本明細書では研磨材別分散
塗料と指称する)とをそれぞれ調製する工程と、これら
磁性粉末分散塗料と研磨材別分散塗料とを混合分散して
磁性層の塗料を得る工程と、この塗料を上記非磁性支持
体上に塗布する工程とをとって塗布型の磁気記録媒体を
作成する。
【0008】
【作用】本発明は、本発明者が、鋭意研究を重ねた結
果、研磨材と磁性粉末とを別々に分散させることによっ
て両粉末の分散性を向上させることを見出したものであ
り、これによって最終的に形成された磁気記録媒体が優
れた電磁変換特性を得ることができたものである。
【0009】すなわち従来の方法では磁性粉末と研磨材
を同時に添加し、混合、分散させるプロセスをとるもの
であり、この場合は、磁性粉末の分散が不十分であるの
みならず、平均粒径が0.15μm以下の様な超微細研
磨材も十分分散させることは出来ず、結果として、満足
した角形比あるいは表面性を得ることができない。ま
た、混合過程において研磨材が磁性粉にダメージを与え
るということも判っており、保磁力低下の原因となる。
これに対し、本発明方法では磁性粉末と研磨材を別々に
分散させ、塗料化するプロセスをとったことにより、上
述の不都合が回避され優れた電磁変換特性を確保するこ
とができたものである。
【0010】
【実施例】本発明方法は、前述したように、非磁性支持
体上に、磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性層が形成
されてなる磁気記録媒体の製造方法において、磁性粉末
と研磨材とを別々に分散させたすなわち研磨材を含まな
い磁性粉末分散塗料と磁性粉末を含まない研磨材別分散
塗料とをそれぞれ調整する工程と、磁性粉末分散塗料と
研磨材別分散塗料とを混合分散して上記磁性層の塗料を
得る工程と、この塗料を上記非磁性支持体上に塗布する
工程とによって磁気記録媒体、特に塗布型磁気記録媒体
を作製する。
【0011】研磨材別分散塗料中の研磨材は、平均粒径
が0.15μm以下、好ましくは0.1μm以下に選定
された研磨材を用いることが望まれる。研磨材の平均粒
径を0.15μm以下とするときは、磁性粉末の微粒子
化あるいは磁性層の薄膜化に際しての、磁性粉末の配向
性あるいは磁性層の表面性の劣化を回避できるものであ
り、磁性層の表面性をより向上させるためには0.1μ
m以下がより望ましい。因みに、平均粒径が0.15μ
mより大になると磁性塗膜の耐摩耗性は向上するもの
の、上述したように磁性粉末の微粒子、磁性層の薄膜化
において、磁性粉末の配向性劣化あるいは磁性塗膜の表
面性悪化等を引き起こし、高密度記録化の際に不利とな
り、磁気記録媒体の高密度記録化から考えると、平均粒
径は0.15μm以下とする。
【0012】また、研磨材別分散塗料の調整にあたって
は、この研磨材の分散に使用する結合剤の体積分率を2
0%〜25%とする研磨材の分散および混合を行う工程
と、その後更に結合剤を添加して、最終的な結合剤の体
積分率を30%〜40%とする分散および混合工程とを
とることが望まれる。研磨材の分散性、分散速度を上げ
るためには、高いシェアで研磨材を分散させることが必
要で、研磨材の体積分率を増加させる、すなわち結合剤
の体積分率を低下させる必要がある。しかしながら、研
磨材の初期分散を考えた場合、結合剤の量にも自ずと下
限があり20%〜25%程度にすることが望ましい。同
様な考えで、塗料固形分にも範囲があって、塗料粘度お
よび研磨材へのシェアを考慮して研磨材別分散塗料の調
整にあたり、その固形分を42%〜50%とする。
【0013】しかしながら、塗料最終組成が前述した範
囲のままであると、保存安定性に問題が生じ、塗料のゲ
ル化あるいは研磨材の再擬集の原因となり、良好な研磨
材塗料は得られない。逆に塗料の保存安定性を考えた場
合、研磨材の体積分率を増加させる、あるいは塗料の固
形分を下げることなどが望まれるが、前述したように研
磨材の分散を考えた場合不利になる。
【0014】したがって、これらを同時に満たすために
は、塗料初期組成に対し、結合剤および溶剤を分散途中
で添加し、最終的な結合剤の体積分率を30%〜40
%、塗料固形分を32%〜38%とすることが望まし
い。この際、結合剤の体積分率が30%以上になると結
合剤の添加効果が薄れ、塗料の保存安定性が改善されな
い。また40%以上になると添加後の分散速度が低下す
るため、最終的な結合剤の体積分率を30%〜40%に
することが望ましい。また、塗料固形分は38%以上に
なると塗料がゲル化する恐れがあり、逆に32%以下に
なると研磨材が再凝集する可能性がある。したがって、
塗料の保存安定性を考えると、最終塗料固形分を32%
〜38%にすることが望まれる。
【0015】また、研磨材別分散塗料の中の研磨材とし
て、上述したようにその平均粒径が0.15μm以下に
選定された研磨材のみによらず、研磨材として、平均粒
径の異なる第1の研磨材と第2の研磨材との2種類の研
磨材の組み合わせによることができる。このように平均
粒径の異なる2種類の研磨材を組み合わせて使用するこ
とにより、磁性粉末の充填あるいは配向性を劣化させる
ことなく、優れた電磁変換特性を維持したまま、より良
好な走行耐久性および磁気ヘッドのクリーニング効果を
確保できた。
【0016】そして、この場合、第1の研磨材が、平均
粒径0.15μm以下の研磨材であり、第2の研磨材の
平均粒径を、第1の研磨材の平均粒径の1.5倍〜5倍
の平均粒径とする。ここで第1の研磨材の平均粒径を、
0.15μm以下とするのは、前述したと同様に、磁性
粉末の微粒子化あるいは磁性層の薄膜化に際しての、磁
性粉末の配向性あるいは磁性層の表面性を劣化させない
ために平均粒径が0.15μm以下が好ましく、表面性
を上げ、より混合効果を発揮するためには0.1μm以
下が望ましい。逆に、平均粒径が0.15μmを超える
と磁性塗膜の耐摩耗性は向上するものの、磁性粉末の配
向性劣化あるいは磁性塗膜の表面性悪化等を引き起こ
し、高密度記録化の際に不利となる。
【0017】また、この第1の研磨材と混合される第2
の研磨材の平均粒径を上記第1の研磨材のそれの1.5
倍以上とするのは、この範囲でなければ上述の混合効果
が発揮しにくくなることが認められたことによる。ま
た、第1の研磨材と同様に高密度記録の点から平均粒径
には自ずと上限があり、第1の研磨材の平均粒径の5倍
以下とされることが望ましい。
【0018】これら第1及び第2の研磨材は、第1の研
磨材に対して第2の研磨材が10〜40重量%、より好
ましくは10〜30重量%の配合比で磁性粉末とは別に
結合剤と混合されることが要求される。第2の研磨材の
配合比が10重量%よりも少ないと、第2の研磨材の混
合効果が低下し、第1の研磨材単独で形成される磁気記
録媒体の特徴のみ現れて、走行耐久性の向上がはかられ
ないことが認められた。また逆に、第2の研磨材の配合
比が40重量%を越えると、この第2の研磨材単独で形
成される磁気記録媒体の特徴が顕著となり、電磁変換特
性が著しく劣化することが認められた。特にこの第2の
研磨材の平均粒径が大きくなるほど、高密度記録化の面
で非常に不利になることを認めた。
【0019】また、使用される磁性粉末としては、この
種の磁気記録媒体において従来より用いられている公知
のものがいずれも使用可能であって、酸化物磁性粉末で
も、金属磁性粉末でもよいが、特に比表面積の大きい強
磁性粉末においてその効果が大きい。なお、これらの磁
性粉末に種々の特性を改善する目的で、他元素を適量置
換或いは添加されても構わない。
【0020】結合剤としては、通常磁気記録媒体の結合
剤として使用されるものであれば良く、例えばポリエス
テルポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル
樹脂、ニトロセルロース、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、アセタール樹脂、ブチラール樹脂等いずれも使用
可能である。また極性基としては、スルホン酸基、硫酸
エステル基、カルボン酸基、及びその塩、3級アミン
基、4級アンモニウム塩基、燐酸基、燐酸エステル基等
が使用可能であるが、特にスルホン酸基あるいは硫酸エ
ステル基のアルカリ金属塩基が効果的である。
【0021】研磨材としては、酸化クロム、αアルミ
ナ、酸化チタンあるいはSiC等いずれも使用可能であ
る。
【0022】潤滑剤としては、通常磁気記録媒体に使用
されるものであれば良く、例えば、シリコーンオイル、
脂肪酸変成シリコーン、弗素含有シリコーン、又はその
他の弗素系潤滑剤、ポリオレフィン、ポリグリコール、
アルキル燐酸エステル及び金属塩、炭素数が12から2
4までの高級脂肪酸及び脂肪酸エステル類、炭素数が1
2から24までのアルコール類及び脂肪酸エステル類等
いずれも使用可能である。
【0023】また、この磁性塗料中には、必要に応じて
分散剤、帯電防止剤、防錆剤等が添加されても良い。こ
れらの添加剤或いは磁性塗料を調製する際に使用される
有機溶剤等としては、通常この種の磁気記録媒体におい
て使用されるものであればいずれも使用可能であり、何
ら限定されない。
【0024】以下、本発明の具体的な実施例について説
明するが、本発明はこの実施例に限定されることは言う
までもない。先ず、1種類の研磨材を分散させる場合の
実施例を説明する。
【0025】(実施例1)研磨材別分散塗料と磁性粉末
分散塗料によって下記の磁性塗料を調整した。 〈研磨材別分散塗料組成〉 研磨材:α−アルミナ(平均粒径0.1μm) 100重量部 結合剤:ポリエステルポリウレタン樹脂 10重量部 (極性基含有量0.07mmol/g) 溶 剤:メチルエチルケトン 40重量部 トルエン 40重量部 シクロヘキサノン 40重量部 上記組成をセラミックコーティングしたサンドミル中で
セラミックビーズを用いて4時間混合分散し、その後、
結合剤の体積分率が30%になるように結合剤のポリエ
ステルポリウレタン樹脂を添加し、また塗料最終固形分
が35%になるように溶剤を添加し、1時間分散して研
磨材別分散塗料とした。 〈磁性粉末塗料組成〉 磁性粉:Feメタル磁性粉(平均長軸長0.12μm)100重量部 結合剤:ポリ塩化ビニル共重合体 10重量部 (極性基含有量0.1mmol/g) ポリエステルポリウレタン樹脂 10重量部 (極性基含有量0.12mmol/g) 帯電防止剤:カーボン(平均粒径0.15μm) 5重量部 潤滑剤:ステアリン酸 1重量部 ステアリン酸ブチル 1重量部 溶 剤:メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 100重量部 上記磁性塗料組成にて、磁性粉、カーボン及びポリ塩化
ビニル共重合体とポリエステルポリウレタン樹脂をエク
ストルーダーにて混練した後、デイスパー付攪拌機でそ
の他の材料を加えて混合分散し、その後上記研磨材別分
散塗料を磁性粉末に対する研磨材量が10重量部となる
様に磁性粉末塗料に添加し、さらにサンドミルを用いて
2時間攪拌混合して最終磁性塗料とした。そして、得ら
れた磁性塗料に硬化剤のポリイソシアネートを4重量部
添加した後、この磁性塗料を厚さ7μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルムに乾燥後の厚さが3
μmになるように塗布し、磁場配向を行って乾燥した
後、巻き取った。次いで、この磁性テープをカレンダー
処理した後、60℃の硬化炉にて24時間硬化させ、そ
の後8mm幅に裁断してサンプルテープを作製した。
【0026】(実施例2)実施例1で用いた研磨材別分
散塗料の初期組成における結合剤の体積分率を20%、
塗料固形分を45%と変化させた以外は、実施例1と同
様にしてサンプルテープを作製した。
【0027】(実施例3)実施例1で用いた研磨材別分
散塗料の最終組成における結合剤の体積分率を40%、
塗料固形分を32%と変化させた以外は、実施例1と同
様にしてサンプルテープを作製した。
【0028】(比較例1)実施例1で用いた研磨材別分
散塗料の初期組成のままで、実施例1と同様にしてサン
プルテープを作製した。
【0029】(比較例2)実施例1で用いた研磨材別分
散塗料の初期組成における結合剤の体積分率を30%、
塗料固形分を45%と変化させた以外は、実施例1と同
様にしてサンプルテープを作製した。
【0030】(比較例3)実施例1で用いた研磨材別分
散塗料の最終組成における結合剤の体積分率を25%、
塗料固形分を35%と変化させた以外は、実施例1と同
様にしてサンプルテープを作製した。
【0031】(比較例4)実施例1で用いた研磨材別分
散塗料の最終組成における結合剤の体積分率を30%、
塗料固形分を45%と変化させた以外は、実施例1と同
様にしてサンプルテープを作製した。
【0032】(比較例5)実施例1で用いた研磨材別分
散塗料の最終組成における結合剤の体積分率を30%、
塗料固形分を27%と変化させた以外は、実施例1と同
様にしてサンプルテープを作製した。
【0033】(比較例6)研磨材を別分散せず、実施例
1の磁性塗料最終組成が同様になるように研磨材を磁性
粉末および結合剤と一緒に混合分散してサンプルテープ
を作製した。
【0034】以上のようにして作製した各研磨材別分散
塗料テープについて、光沢、凝集体粒径、また各サンプ
ルテープ(研磨材添加磁気テープ)について、角形比、
RF出力、C/Nおよび表面性をそれぞれ測定した。測
定の方法は、以下に示す通りである。 〈光沢測定〉研磨材別分散塗料を20μm厚のPETベ
ースに塗布し、研磨材塗膜の60°反射角の反射率を光
沢計を用いて測定した。 〈凝集体粒径測定〉研磨材別分散塗料を50ppm程度
に希釈し、レーザー光動的散乱粒度分布測定装置にて分
布状態における研磨材凝集体の平均粒径を測定した。 〈角形比測定〉磁気テープ(サンプルテープ)の静磁気
特性を振動試料型磁力計(VSM)にて測定し、残留磁
束密度と飽和磁束密度との比、Br/Bmを角形比とし
た。 〈RF(Radio Frequency)出力の測定〉ソニー社製の8
mmビデオデッキを用い、6MHzでのRF出力を測定
した。比較例5を0dBとし、相対値で示した。この場
合、この数値が大きいほど良い。 〈C/N測定〉上記RF出力に対するノイズの比で、比
較例4を0dBとし、相対値で示した。この場合数値が
大きいほど良い。 〈SRa測定〉磁性層の表面性を表す数値で、非接触に
よる表面粗さ計で測定した。数値が小さいほど平滑な面
である。
【0035】この結果を下記の表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、結合剤の体積分
率が20%〜25%で、かつ塗料固形分が42%〜50
%である研磨材別分散塗料に、結合剤と溶剤を添加し、
最終塗料組成が結合剤体積分率が30%〜40%で、か
つ塗料固形分が32%〜38%である実施例1〜3の研
磨材塗料において、良好な光沢が得られ、かつ凝集体粒
径もほぼ1次粒子(0.1μm)に近い値を示した。ま
た一ヶ月後の凝集体粒径もほとんど増加することなく、
保存安定性も優れていることが判る。これらを添加した
サンプルテープでは、磁性粉と研磨材を同時に混合分散
した比較例6のサンプルテープと比較して、良好な角形
性、表面性が得られ、この結果、優れたRF出力、C/
Nが得られた。
【0038】これに対し、比較例1のように結合剤およ
び溶剤を添加せず、初期組成のまま分散した塗料では、
分散終了後の光沢および凝集体粒径は実施例1と同等近
くの値が得られるものの、一ヶ月後の凝集体粒径は塗料
のゲル化により測定できなかった。また、比較例2のよ
うに初期の結合剤体積分率を30%と高くした場合に
は、研磨材へのシェアが不十分で、光沢および凝集体粒
径共に実施例1と比較して良好な値が得られない。この
結果得られるサンプルテープの電磁変換特性も大きな改
善は見られない。比較例3のように最終塗料の固形分は
下げるものの、結合剤体積分率を25%と変化させない
場合には、塗料の保存安定性が悪く、研磨材の再凝集が
起こってしまう。比較例4のように塗料最終固形分を4
5%と高くしたサンプルにおいても、比較例1と同様
に、分散処理終了後の光沢、凝集体粒径は良好な値では
あるが、放置後はゲル化し、サンプルテープは得られな
かった。また、比較例5のように最終塗料固形分を27
%とかなり低くした場合には、希釈による研磨材粒子の
再凝集が起こり、光沢、凝集体粒径とも良好な値は得ら
れず、その結果、サンプルテープにおける電磁変換特性
も研磨材別分散による大きな改善は見られなかった。ま
た、比較例6のように研磨材を別分散させないサンプル
テープでは、研磨材及び磁性粉の分散が不十分で、良好
な電磁変換特性は得られなかった。このことから、平均
粒径が0.15μm以下の研磨材を、体積分率が20%
〜25%、塗料固形分が42%〜50%となるように結
合剤および溶剤で、混合、分散した塗料を、段階的に結
合剤及び溶剤を添加し、最終的に結合剤の体積分率が3
0%〜35%、塗料固形分が32%〜38%になるよう
調整することで、高分散かつ高保存安定性を有する研磨
材別分散塗料が得られ、かつ該研磨材塗料を磁性塗料に
添加し、テープ化することで、磁性粉および研磨材の分
散が優れた、良好な電磁変換特性を有するテープを得る
ことができることが判った。
【0039】次に、第1の研磨材と第2の研磨材の2種
類の研磨材を組み合わせて本発明方法の実施例を説明す
る。
【0040】(実施例4)先ず、下記の組成にて磁性塗
料を調整した。 〈研磨材別分散塗料組成〉 第1の研磨材:α−アルミナA(平均粒径0.1μm) 90重量部 第2の研磨材:α−アルミナB(平均粒径0.4μm) 10重量部 結合剤:ポリエステルポリウレタン樹脂 10重量部 (極性基含有量0.08mmol/g) 溶 剤:メチルエチルケトン 30重量部 トルエン 30重量部 シクロヘキサノン 30重量部 上記組成をセラミックコーティングしたサンドミル中で
セラミックビーズを用いて4時間混合分散し、研磨材別
分散塗料とした。 〈磁性粉末塗料組成〉 磁性粉:Feメタル磁性粉(平均長軸長150nm) 100重量部 結合剤:ポリ塩化ビニル共重合体 10重量部 (極性基含有量0.1mmol/g) ポリエステルポリウレタン樹脂 10重量部 (極性基含有量0.1mmol/g) 帯電防止剤:カーボン(平均粒径150nm) 5重量部 潤滑剤:ステアリン酸 1重量部 ステアリン酸ブチル 1重量部 溶 剤:メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 100重量部 上記磁性塗料組成にて、磁性粉、カーボン及びポリ塩化
ビニル共重合体とポリエステルポリウレタン樹脂をエク
ストルーダーにて混練した後、デイスパー付攪拌機でそ
の他の材料を加えて混合分散し、その後上記研磨材別分
散塗料を磁性粉末に対する研磨材量が10重量部となる
ように磁性塗料に添加し、さらにサンドミルを用いて2
時間攪拌混合して最終磁性塗料とした。そして、得られ
た磁性塗料にポリイソシアネートを4重量部添加した
後、この磁性塗料を厚さ7μmのPETフィルムに乾燥
後の厚さが3μmになるように塗布し、磁場配向を行っ
て乾燥した後、巻き取った。次いで、この磁性テープを
カレンダー処理した後、60℃の硬化炉にて24時間硬
化させ、その後8mm幅に裁断してサンプルテープを作
製した。
【0041】(実施例5〜7)実施例1で用いた研磨材
別分散塗料の組成における第1および第2の各研磨材
A,Bの配合比を下記の表2に示す様に変化させ、その
他は実施例4と同様にしてサンプルテープを作製した。
【0042】(比較例7〜9)実施例4で用いた研磨材
別分散塗料の組成における第1および第2の各研磨材
A,Bの配合比を下記の表2に示す様に変化させ、その
他は実施例1と同様にしてサンプルテープを作製した。
【0043】(比較例10)研磨材を別分散せず、実施
例4の磁性塗料最終組成が同様になるように研磨材を磁
性粉末及び結合剤等と一緒に混合分散してサンプルテー
プを得た。
【0044】
【表2】
【0045】以上のようにして作製した各サンプルテー
プについて、角形比、RF出力、C/N、表面性(SR
a)を前述したと同様の方法で測定し、摩擦係数、スチ
ル特性および粉落ちを次に示す方法で測定した。 〈摩擦係数〉磁気テープ(サンプルテープ)のステンレ
スガイドピンに対する摩擦係数で、シャトル回数が20
0回目の値を摩擦係数としている。数値が小さい方が摩
擦が低いことになる。 〈スチル特性〉8mmビデオデッキを耐久性試験用に改
造したもので、回転ドラムと記録再生機能を持ち、テー
プの同一部分のみの出力変化を追うことが出来る装置
で、出力が再生1回目の半分になるまでの時間(分)を
測定した。数値が大きいほど耐久性の良いことを示す
が、測定は最長120分とした。 〈粉落ち〉8mmビデオデッキを用い、100パス走行
後のガイドピンへの粉落ち量を、目視で少ない順に◎,
○,△,×の4段階で評価した。
【0046】この結果を下記の表3に示す。
【0047】
【表3】 表2から明らかなように、研磨材として平均粒径が0.
1μmである第1の研磨材Aに、この研磨材Aの4倍の
平均粒径を有する第2の研磨材Bを5〜50重量%の配
合比となるように組み合わせて使用した場合において、
上記研磨材の配合比が10〜40重量%である実施例4
〜7、特に10〜30重量%である1〜3においては、
電磁変換特性が大きく低下することなく、磁性層表面に
微細な突起を形成することができる。この結果、摩擦係
数および粉落ちが低減し、かつスチルも120分以上持
ち、良好な走行耐久性が得られた。
【0048】これに対して、比較例7のように平均粒径
の異なる研磨材を組み合わせて使用することなく、研磨
材Aのみを単独で使用した場合、あるいは比較例8の様
に組み合わせて使用しても、その配合比率が低い場合に
は、第1の研磨材Aのサイズ効果および別分散効果によ
り良好な電磁変換特性が得られる。しかしながら、表面
性の向上により摩擦係数が高く、且つ粉落ち、スチル特
性が劣化し、満足な走行耐久性を得ることが出来なかっ
た。
【0049】また、比較例9のように第1の研磨材Aに
対し、第2の研磨材Bを50重量%の割合で配合したテ
ープサンプルにおいては、走行耐久性は改善されたもの
の、逆に磁性層の表面性が悪化し、その結果良好な電磁
変換特性は得られなかった。
【0050】また、研磨材の配合比率が実施例4と同様
であるが、研磨材を磁性粉とともに粉体で混合、分散し
た比較例10では、研磨材および磁性粉末の分散が不十
分で、表面性あるいは配向性が悪く、十分な電磁変換特
性は得られなかった。このことから、平均粒径が0.1
μmの第1の研磨材Aに、その平均粒径が4倍である第
2の研磨材Bを10〜40重量%の割合で配合し、磁性
粉とは別に結合剤と混合して磁性塗料に添加することに
より得られる磁気記録媒体において、電磁変換特性と走
行耐久性の両面から優れた結果が得られることが判っ
た。
【0051】
【発明の効果】上述したところから明らかなように、本
発明においては研磨材と磁性粉末とを別々に分散させ、
且つ別分散時に使用する結合剤量を減らし、塗料固形分
を高くしているので、高いシェアで研磨材を分散するこ
とができる。また、段階的に結合剤および溶剤を添加し
ているので保存安定性に優れた研磨材別分散塗料を作製
することができる。その結果、この研磨材別分散塗料を
添加し、作製した磁気記録媒体において優れた電磁変換
特性を得ることができる。
【0052】また、本発明方法においては研磨材と磁性
粉末とを別々に分散させ、且つ平均粒径の異なる2種類
の研磨材を組み合わせて使用しているので、平滑な磁性
層表面に微小な突起を形成することが出来る。その結
果、優れた電磁変換特性を確保しつつ、走行耐久性の改
善を図ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、磁性粉末と結合剤と
    を主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体の製
    造方法において、 上記磁性粉末と研磨材とを別々に分散させた磁性粉末分
    散塗料と研磨材別分散塗料とをそれぞれ調製する工程
    と、 上記磁性粉末分散塗料と研磨材別分散塗料とを混合分散
    して上記磁性層の塗料を得る工程と、 該塗料を上記非磁性支持体上に塗布する工程とをとるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記研磨材別分散塗料の上記研磨材が、
    平均粒径0.15μm以下に選定されたことを特徴とす
    る請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記研磨材別分散塗料の調製にあたり、
    該研磨材の分散に使用する結合剤の体積分率を20%〜
    25%とする研磨材の分散および混合を行う工程と、そ
    の後更に結合剤を添加して、最終的な結合剤の体積分率
    を30%〜40%とする分散および混合工程とをとるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記研磨材別分散塗料の調製にあたり、
    その固形分を42%〜50%とする溶剤の添加と、その
    後、段階的に溶剤を添加し、最終的な塗料固形部を20
    %〜38%としたことを特徴とする請求項1に記載の磁
    気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記研磨材別分散塗料の中の上記研磨材
    が、平均粒径の異なる第1の研磨材と第2の研磨材との
    2種類の研磨材との組み合わせによることを特徴とする
    請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記第1研磨材が、平均粒径0.15μ
    m以下の研磨材であり、上記第2の研磨材が、上記第1
    の研磨材の平均粒径の1.5倍〜5倍の平均粒径の研磨
    材であることを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記第1の研磨材に対して上記第2の研
    磨材を、10重量%〜40重量%の配合比で混合するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
JP8828795A 1995-04-13 1995-04-13 磁気記録媒体の製造方法 Pending JPH08287462A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8828795A JPH08287462A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 磁気記録媒体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8828795A JPH08287462A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 磁気記録媒体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08287462A true JPH08287462A (ja) 1996-11-01

Family

ID=13938703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8828795A Pending JPH08287462A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 磁気記録媒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08287462A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017068887A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 富士フイルム株式会社 塗布型磁気記録媒体製造用金属酸化物粒子分散物、塗布型磁気記録媒体の磁性層形成用組成物の製造方法、および塗布型磁気記録媒体の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017068887A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 富士フイルム株式会社 塗布型磁気記録媒体製造用金属酸化物粒子分散物、塗布型磁気記録媒体の磁性層形成用組成物の製造方法、および塗布型磁気記録媒体の製造方法
US10535367B2 (en) 2015-09-30 2020-01-14 Fujifilm Corporation Metal oxide particle dispersion for manufacturing particulate magnetic recording medium, method of manufacturing magnetic layer-forming composition of particulate magnetic recording medium and method of manufacturing particulate magnetic recording medium

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6237452B2 (ja)
EP0107984B1 (en) Magnetic recording medium
JPH08287462A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP3014009B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3024908B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0997429A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH0845056A (ja) 磁気記録媒体
JPH11126325A (ja) 磁気記録媒体
JP2825263B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0610855B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH03278313A (ja) 磁気記録媒体とその製造方法
JPS61180927A (ja) 磁気記録媒体
JPH0668451A (ja) 磁気記録媒体
JPS6126934A (ja) 磁気記録媒体
JPH07141653A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPS6168728A (ja) 磁気記録媒体
JPH01211239A (ja) 磁気記録媒体の製造法
JPS6093631A (ja) 磁気記録媒体
JPH0363926A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH07102194A (ja) 磁性塗料及び磁気記録媒体の製造方法
JPH08279142A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPS60131633A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH11288514A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH03250422A (ja) 磁気記録媒体
JP2000011357A (ja) 磁気記録媒体