JP2000011357A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2000011357A
JP2000011357A JP17440598A JP17440598A JP2000011357A JP 2000011357 A JP2000011357 A JP 2000011357A JP 17440598 A JP17440598 A JP 17440598A JP 17440598 A JP17440598 A JP 17440598A JP 2000011357 A JP2000011357 A JP 2000011357A
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JP17440598A
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Hiroto Nagamine
弘人 長峯
Kenichi Kikuchi
賢一 菊地
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広帯域にわたり出力及びC/Nを向上させる
と共に、微小ドロップアウトを低減しアナログ/デジタ
ルいずれの方式の記録再生にも対応でき、さらに、ヘッ
ドクリーニング性、走行性の向上により信頼性に優れた
磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】 磁性層に使用する強磁性粉末はFe2+
が13〜20wt%、Co量が2〜4wt%、保持力H
cが70〜80kA/m、かつBETが32〜40m2
/gであるマグネタイト磁性体であり、結合剤はスルホ
ン酸金属塩基及びエポキシ基を有する塩化ビニル系樹脂
と、スルホン酸金属塩基を有するポリウレタン樹脂とを
含有するものである。さらに、磁性層は、モース硬度が
9であり粒子径が0.2〜0.5μmである研磨剤を含
有すると共に、脂肪酸及び脂肪酸エステルを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関
し、特に強磁性粉末としてコバルト含有マグネタイト磁
性体を使用した磁気テープ等の磁気記録媒体に関する。
そして、この発明は、表面性を確保しながらデジタル記
録に対応した微小ドロップアウトを低減させると共に、
高温高湿保存時のビデオヘッドへの焼き付き現象を抑制
して低域から高域にわたる安定した出力を確保すること
ができ、アナログ/デジタルいずれの方式の記録再生に
も対応できる磁気記録媒体を提供することを目的として
いる。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオテープ等の磁気記録媒体
は、高記録密度化及び記録再生時における高信頼性が強
く求められている。特に使用環境が過酷になるにつれ
て、テープの環境依存性が強く求められてきた。例え
ば、S−VHS、D−VHS用テープに使用されるテー
プは、従来のVHSの周波数帯域に対して、8〜10MH
zの高域での出力の向上とC/Nの向上が要求される。
更には、このような短波長記録においては、ヘッドと磁
気テープとのスペーシングロスの影響が非常に大きくな
り、わずかなヘッド汚れ、及び微妙なヘッド当たりの悪
化等がヘッドとのスペーシングを発生させ、これが、高
域周波数帯域での出力の低下につながることがあった。
また、ヘッドとのスペーシングは、微小ドロップアウト
として再生画像に悪影響を与えることがあった。
【0003】一般的に、塗布型記録媒体である磁気テー
プは、強磁性粉末の微粒子化による充填密度の増大を進
めながら、耐久性確保のため各種非磁性粉末を磁性塗膜
中に介在させる手法が行なわれている。主な非磁性粉末
としては、磁気テープとして記録再生デッキ走行中にお
けるガイドポールへの貼り付き等を軽減させるカーボン
ブラック等の帯電防止剤、塗膜の脱落等によるヘッド汚
れから生じる記録再生不良を防ぐために用いられる研磨
剤等が主な非磁性粉末として挙げられる。
【0004】しかし、これら非磁性粉末を磁性塗膜中に
用いることにより強磁性粉末の充填密度の低下を招き、
高出力化への障害となる。研磨剤として一般的に用いら
れるアルミナ粉末等は、硬度及び形状が磁気記録媒体の
研磨性確保のための有効な手段として用いられている
が、強磁性粉末の充填密度の向上のため、強磁性粉末と
ともにアルミナ粉末も微粒子化が進められている。しか
し、その微粒子化により塗膜中での均一な分散がさらに
困難となり、磁気特性及び信頼性の低下、更には微小ド
ロップアウトの増加の要因となっていた。また、ヘッド
クリーニング性を高める目的で、粒子径の大きい研磨剤
を多量に使用することもできるが、非磁性粉末を多くす
ると分散性低下により出力低下をまねき、さらには、ヘ
ッド摩耗量が多くなると共に微小ドロップアウトも増加
して好ましくない。
【0005】磁気特性及び信頼性向上を目的として、磁
気記録媒体用の結合剤の検討も従来から行われている。
例えば、塩化ビニル系バインダーについては、特開昭5
7−44227号がある。特開昭58−150130号
では、カルボキシル塩基・スルホン酸金属塩基・リン酸
金属塩基等の親水性基団を有する塩化ビニル系バインダ
ーが提案され、特開昭58−108032号では、不飽
和スルホン酸基を有するビニル重合性のポリマーが提案
されている。特開昭60−121514号では、スルホ
ン酸金属塩基を有する塩化ビニル系バインダーが提案さ
れ、特開昭62−26630号では、エポキシ基/スル
ホン酸基/カルボキシル基を有する塩化ビニル系バイン
ダーが提案されている。
【0006】一方、ポリウレタンバインダーについて
は、特開昭54−157603号では、スルホン酸金属
塩基を有するポリウレタン樹脂が提案され、特開昭57
−92422号、特開昭57−92423号では、スル
ホン酸塩基またはカルボキシル塩基・リン酸塩基を有す
るポリウレタン樹脂が提案されている。特許26155
74号(特開昭63−138523号)では、スルホン
酸塩基とカルボキシル塩基を有するポリウレタン樹脂が
提案され、特開平4−356722号では、スルホン酸
金属塩基を0.01〜0.3mmol/g含有するOH末端を
有するポリウレタン樹脂が提案されている。
【0007】更に、塩化ビニル系バインダーとポリウレ
タンバインダーの組み合わせについては、特公平3−7
9764号では、スルホン酸塩基等の親水性基を有する
塩化ビニル系バインダーとスルホン酸塩基を有するポリ
ウレタン樹脂の組み合わせが提案されている。特開昭6
1−113125号では、マレイン酸含有塩化ビニル系
バインダーとスルホン酸塩基を有するポリウレタン樹脂
の組み合わせが提案されている。特公平7−34254
号(特開昭62−120631号)では、エポキシ基/
スルホン酸塩基を有する塩化ビニル系バインダーと分子
量6万以下のポリウレタン樹脂との組み合わせが提案さ
れている。特公平7−34255号(特開昭62−12
1923号)では、エポキシ基とスルホン酸塩基を有す
る塩化ビニル系バインダーとスルホン酸塩基を有するポ
リウレタン樹脂との組み合わせが提案されている。
【0008】更には、磁性粉との組み合わせにおいて、
特許2657639号(特開平8−235566号)で
は、極性基を含有する塩化ビニル系樹脂とBET30〜
60m2/g、pH8〜10の金属磁性粉との組み合わせが提
案され、特公平7−34253号では、Co-含有γ-酸化
鉄磁性粉と極性基を有するバインダー樹脂を用いた、磁
気記録媒体が提案されている。特公平6−40378号
(特開平1−76527号)では、リン酸エステル系界
面活性剤で処理した強磁性体をスルホン酸金属塩基を有
するバインダーに分散した磁気記録媒体が提案されてい
る。
【0009】また、特開平3−173922号では、電
磁変換特性とヘッドクリーニング効果を狙い、上層にモ
ース硬度6以上の研磨剤を含む磁性層を設け、下層にマ
グネタイト磁性粉を施した磁性層を設けた磁気記録媒体
が提案されている。更には、特開昭60−167115
号では、耐久性、走行性が良好で且つヘッド摩耗が少な
くヘッドクリーニング性やS/N、ドロップアウト効果
を狙い、モース硬度が6以上、平均粒径が0.7μm以
下である研磨剤を含有させた磁性層を設けた磁気記録媒
体が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
組み合わせのバインダーにCo-含有γ-酸化鉄磁性粉を
分散させただけでは、高域での出力が劣り、また分散が
不十分となるためにノイズ成分が多くなりC/Nが悪化
し、微小ドロップアウトが増加する。さらに、ヘッド汚
れによる出力低下が大きい。特に高温高湿に保存後のテ
ープについては、ビデオヘッドへの茶濁(付着物:ブラ
ウンコーティング)等の焼き付き現象によりヘッドとの
スペーシングロスが発生し、高域での出力低下が生じて
くる。また、メタル磁性粉等の金属磁性粉を用いた磁気
記録媒体においては、高域特性を向上しようとすると
0.5μm以下の薄膜塗布が必要であり、この場合に
は、低域の特性が劣るためにアナログでの特性が劣り、
従来のVHSデッキに用いられるヘッドでは十分な記録
再生ができないという問題点があった。さらに、Co-含
有マグネタイト磁性粉を用いた場合でも、ただ単に保磁
力Hcを上げただけでは、磁気記録媒体の経日変化が大
きくなったり、低域特性が劣ってしまい未だ充分とは言
えず、更に改善が必要であった。
【0011】また、従来の組み合わせのバインダ−と従
来の研磨剤粒径および添加量では、デジタル記録に対す
る表面性と研磨性とを両立することが難しかった。従来
のVHSレベルの-16dB15μsのドロップアウトでは問
題がなっかったが、デジタル記録に対応した-6dB0.5μ
sの微小領域でのドロップアウトにおいては低減効果が
充分とは言えなかった。更に、高温高湿保存後のテープ
についての信頼性評価において、ビデオヘッドの茶濁に
よる焼き付き現象が発生することで、RF出力には影響
が少ないものの高域での再生出力において、ヘッドとの
スペーシングロスの影響から出力低下をおこし、更に改
善が必要であった。
【0012】本発明の目的は、高域の出力及びC/Nを
向上させ、研磨剤と潤滑剤の制御により表面性を確保し
ながらデジタル記録に対応できるように微小ドロップア
ウトを低減させると共に、高温高湿保存時のビデオヘッ
ドへの焼き付き現象を抑制して低域から高域にわたる安
定した出力を確保することができ、アナログ/デジタル
いずれの方式の記録再生にも対応できる磁気記録媒体を
提供することにある。さらには、ヘッドクリーニング性
の向上や走行耐久性等の信頼性及び高温高湿保存時の信
頼性に優れた磁気記録媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで上記課題を解決す
るために本発明は、基体上に強磁性粉末と結合剤とを主
体とする磁性層を形成した磁気記録媒体において、前記
強磁性粉末はFe2+量が13〜20wt%、Co量が2〜
4wt%、保持力Hcが70〜80kA/m、かつBETが3
2〜40m2/gであるマグネタイト磁性体であり、前記
結合剤はスルホン酸金属塩基及びエポキシ基を有する塩
化ビニル系樹脂と、スルホン酸金属塩基を有するポリウ
レタン樹脂とを含有するものであり、前記磁性層は、モ
ース硬度が9であり粒子径が0.2〜0.5μmである
研磨剤を含有すると共に、脂肪酸及び脂肪酸エステルを
含有し、さらには、膜厚が2μm以上であり、かつ、自
乗平均平方根粗さ(Rrms)が3.0≦Rrms≦5.5で
あることを特徴とする磁気記録媒体、を提供するもので
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、基体上に強磁性粉末と
結合剤とを主体とする磁性層を形成した磁気記録媒体に
おいて、前記強磁性粉末として、Fe2+量が13〜20
wt%、Co量が2〜4wt%、保持力Hcが70〜80kA
/m、かつBETが32〜40m2/gであるマグネタイト
磁性体を使用し、前記結合剤として、スルホン酸金属塩
基及びエポキシ基を有する塩化ビニル系樹脂と、スルホ
ン酸金属塩基を有するポリウレタン樹脂とを含有するも
のを用い、前記磁性層は、モース硬度が9であり粒子径
が0.2〜0.5μmである研磨剤を含有すると共に、
脂肪酸及び脂肪酸エステルを含有し、さらには、膜厚が
2μm以上であり、かつ、自乗平均平方根粗さ(Rrm
s)が3.0≦Rrms≦5.5であることを特徴としてい
る。
【0015】前記マグネタイト磁性体において、Fe2+
量が13wt%以下であれば、磁化量が弱く所期の出力が
得られず、また、20wt%以上であれば磁化量の経日変
化が大きく特性の低下を招く。またCo量については、
保持力Hcを70〜80kA/mになるように、2〜4wt%
の範囲から選択できる。Co量が2wt%以下であれば、
十分な保持力が得られず出力が劣る。またCo量が4wt
%以上であっても出力の向上が見られない。また、本発
明に使用される強磁性粉末の粒子サイズは0.1〜0.3
μmで比表面積BETが32〜40m2/gであることが
望ましい。粒子サイズが0.3μmより大きいか或いは
BETが32m2/gより小さい場合には、ノイズが大き
くなりC/Nの向上が難しい。また、粒子サイズが0.
1μmより小さいか或いはBETが40m2/gより大き
い場合には、ノイズが低下するものの分散が不十分にな
り出力が劣る。
【0016】結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂やこれらの変性物にスルホン酸金属塩
基を導入した結合剤を使用することができる。好ましく
は、スルホン酸金属塩基とエポキシ基を有する塩化ビニ
ル系樹脂と、スルホン酸金属塩基を有するポリウレタン
樹脂とを含有するバインダーを使用する。より好ましく
は、前記塩化ビニル系樹脂とポリウレタン樹脂を30/
70〜70/30の比率で均一に分散することが望まし
い。上記、スルホン酸金属塩基を有するバインダーとし
ては、スルホン酸金属塩基の含有量が、0.002〜
0.5mmol/gである塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、ニトロセルローズ等があげられ
る。
【0017】上記スルホン酸金属塩基を有する塩化ビニ
ル系樹脂は塩化ビニルと酢酸ビニル等とスルホン酸金属
塩基を含む単量体、例えば、ビニルスルホン酸金属塩、
スチレンスルホン酸金属塩等の共重合により得られる重
合度200〜500のものである。ここにおいて、上記
酢酸ビニル等とは酢酸ビニル、ビニルアルコール、エポ
キシ化合物をさす。また、上記スルホン酸金属塩基を有
する塩化ビニル系樹脂中にて、スルホン酸金属塩基を除
いた総量において、塩化ビニルが96重量%以下で、エ
ポキシ基が1〜5重量%であればより好ましい。
【0018】上記スルホン酸金属塩基を有するポリウレ
タン樹脂はポリエステルポリオール、ポリエーテルポリ
オール、グリコール等のヒドロキシ化合物とポリイソシ
アネートとの反応により得られるものであり、スルホン
酸金属塩基を有するヒドロキシ化合物を反応の際に一部
使用することにより得られる。尚、本発明にスルホン酸
金属塩基濃度は、0.005〜0.3mmol/g、好ましく
は0.005〜0.2mmol/gのものである。0.005
mmol/g以下であると強磁性体の分散性に充分な効果が認
められず、0.3mmol/gを越えて更に増加すると他のバ
インダーとの相溶性が悪くなり好ましくない。尚、上記
スルホン酸金属塩基として使用される金属は、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、水素原子である。
【0019】前記脂肪酸の磁性層への添加量は、前記強
磁性粉末100重量部に対して通常1.0〜2.5重量
部であり、好ましくは1.5〜2.0重量部である。前
記脂肪酸の量が1.0重量部未満であると、磁性層表面
の活性効果が弱くなり摩擦係数が上昇し、一方2.5重
量部を越えると脂肪酸がにじみ出しやすくなり、高域周
波数帯域でのヘッドとのスペーシングロス等による出力
低下が生じやすくなる。前記脂肪酸エステルの磁性層へ
の添加量は、強磁性粉末100重量部に対して通常0.
3〜1.3重量部であり、好ましくは、0.5〜1.0
重量部である。前記脂肪酸エステルの添加量が0.3重
量部未満であるとスチル耐久性が低下する。一方、1.
3重量部を越えると平滑な表面層より脂肪酸エステルが
しみ出しやすくなったり、走行性が低下する傾向があ
る。
【0020】本発明の効果をより良好にするために、前
記脂肪酸と脂肪酸エステルとの混合重量比は、20/8
0〜80/20の範囲内であることが好ましい。前記脂
肪酸としては、炭素原子数6〜30の範囲のもの、特に
12〜22の範囲のものが好ましい。具体的には、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
ベヘン酸、マレイン酸、アジピン酸などが上げられる。
前記脂肪酸エステルとしては、例えばブチルステアレー
ト、ブチルパルミテート、ブチルミリステート、イソブ
チルオレエートなどが上げられる。
【0021】磁性層に添加する研磨剤としては、モース
硬度9である例えば酸化アルミニウムを使用する。研磨
剤の粒子径を0.2〜0.5μmの範囲に約70%が存
在するように分粒する。より好ましくは、0.2〜0.
3μmの範囲で使用することがよい。粒径が0.5μm
を越えると走行性は良好になるが分散性が低下すること
により磁性層表面が粗くなり、特に−6dBクラスの微
小ドロップアウトが極端に悪化してしまう。一方0.2
μm以下になると走行性と共に研磨性が劣ってしまう。
研磨剤の添加量としては、磁性粉末100重量部に対し
て10〜15重量部が望ましい。より好ましくは10〜
13重量部の範囲で使用するのが良い。特に今回はより
微粒子な研磨剤を分粒することで多量に使用している
が、前述のバインダーにより分散性が大幅に向上したこ
とにより、磁性層の自乗平均平方根粗さRrmsが3.0
〜5.5を確保することができ微小ドロップアウトの改
善につながった。
【0022】磁性層の塗膜厚については、2μm以上と
する。2μm未満の場合特に1μm以下の薄膜塗布の場
合、ベースフィルムからの表面への転写が大きく磁性層
表面が粗くなり、高域でのC/Nと微小ドロップアウト
が悪化してしまう。その他、本発明においては必要に応
じて磁性塗料中に各種分散剤、帯電防止剤、防錆剤等の
添加剤を配合して使用することもできる。
【0023】本発明における磁気記録媒体の製造方法
は、強磁性粉末、結合剤成分を有機溶剤と共に従来公知
の分散機にて分散、濾過を経てこの塗料を支持体上に塗
布、乾燥、表面処理を行った後、所定の形状に裁断すれ
ばよい。
【0024】次に発明の具体的な実施例及びその比較例
を示す。ここでは、強磁性粉末として表1に示す磁性
粉、結合剤として表2及び表3に示すバインダーを用い
た。また、脂肪酸及び脂肪酸エステルとして表4に示す
もの、研磨剤として表5に示すものを用い、下記に示す
処方にて磁性塗料を作成した。数字は「重量部」を示
す。
【0025】<磁性塗料> 強磁性粉末 100部 塩化ビニル系樹脂(表2参照) 10部 ポリウレタン樹脂(表3参照) 10部 パルミチン酸 2部 燐酸エステル 1部 脂肪酸 (表4参照) 脂肪酸エステル (表4参照) アルミナ研磨剤 (表5参照) メチルエチルケトン 120部 トルエン 120部
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】上記組成物をサンドミルで5時間分散し、
三官イソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネー
トL)を10部とイソアミルステアレートを1部を加え
て、ディスパー攪拌で混合、その後メチルエチルケト
ン、トルエンの混合有機溶剤により所定の塗料化調整を
行った。この磁性塗料を14μm厚みのポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に塗布、乾燥、表面処理を施し
た後、ポリウレタン樹脂にカーボンブラックを主成分と
するバックコートを塗布し、70℃で30時間保持し、
その後、1/2インチのテープ状に裁断し、VHS規格
のビデオテープを作製した。
【0032】ここでは、試料テープとして、実施例1〜
16、比較例1〜24を作成した。実施例1〜16は、
請求項1の要件を全て満足する組み合わせで作製された
試料テープであるり、磁性粉として表1の試料C,D,
E,F,G,I,Jのいずれかを使用し、バインダーと
して表2のX−1〜X−5と表3のY−2からY−4、
Y−6を使用し、潤滑剤として表4の試料Z−1、Z−
2を使用し、さらに研磨剤として表5の試料W−1、W
−2を使用したものである。また、比較例1〜24は、
磁性粉、バインダー、更に潤滑剤、研磨剤のすべてある
いは、ひとつが請求項1の要件を満足しない組み合わせ
で作製された試料テープである。
【0033】このようにして得られた試作テープについ
て、VHSデッキにおけるカラーS/NおよびRF出
力、更に9.6MHzの再生出力とC/Nを測定した。また
当該テープを60℃90%に100時間保存した後、同
デッキにて120分ランニング走行させたあと、上述と
同様にRF出力と9.6MHzの再生出力の変化の具合を
測定し出力低下として評価した。 ○:出力低下0〜1dB △:出力低下1〜4dB ×:出力低下4dB以上
【0034】ドロップアウトについては、グレースケー
ル信号を記録再生してその出力をシバソク社製ドロップ
アウトカウンタVH01CZにて測定した。測定レベル
については、VHSレベルの-16dB/15μs及び微小ド
ロップアウトレベルである-6dB/0.5μsの1分間の個
数とした。ジッターは、ビデオ信号の再生信号の水平同
期ずれの最大値をジッタメータで測定した。
【0035】表面性については、ZYGO製の非接触式
三次元表面粗さ計を用いて測定し、データより自乗平均
平方根粗さ(Rrms)を抽出した。ヘッドクリーニング
性として、ヘッドクロッグ回復性を評価した。ヘッドク
ロッグ回復性については、磁気ヘッドをヘッドクロッグ
し易いテープを用いてヘッドクロッグさせておいて、予
め他のVHSデッキで記録しておいた試作テープを再生
し出力が回復する時間を測定した。尚、これらの試作サ
ンプルのヘッド摩耗量は、100時間で2μm以下であ
った。測定結果を表6に示す。
【0036】
【表6】
【0037】上記の表6から明らかなように、実施例1
〜16の試料テープは、いずれも低域の出力(RF出
力)を維持しつつ、高域の出力、C/N、保存後の出力
低下、走行ジッター、磁性層の表面性と−6dBの微小
ドロップアウト、及びヘッドのクリーニング性を改善し
ている点において、比較例1〜24試料テープよりも優
れていることが確認された。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体によれば、低域の優れた出力とC/Nを維持しつつ
(アナログデータ記録再生に有利)、高域の出力とC/
Nを向上させることができる(デジタルデータ記録再生
に有利)。よって、アナログデータ記録再生及びデジタ
ルデータ記録再生の両者に対応することができる。さら
に、この磁気記録媒体によれば、研磨剤と潤滑剤の制御
により、磁性層の表面性を向上させることが可能にな
り、−6dBクラスの微小ドロップアウトを低減させる
と共に高温高湿保存後のランニング走行におけるヘッド
の焼き付き現象を抑えることができ、高域での出力低下
を抑え安定した出力を確保することが可能となった。こ
のことは、デジタルデータ記録再生に好都合である。ま
た、この磁気記録媒体は、ヘッドクリーニング性に優れ
ているため、長時間の使用においても出力低下がなく走
行耐久性等の信頼性にも優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に強磁性粉末と結合剤とを主体とす
    る磁性層を形成した磁気記録媒体において、 前記強磁性粉末はFe2+量が13〜20wt%、Co量が
    2〜4wt%、保持力Hcが70〜80kA/m、かつBET
    が32〜40m2/gであるマグネタイト磁性体であり、 前記結合剤はスルホン酸金属塩基及びエポキシ基を有す
    る塩化ビニル系樹脂と、スルホン酸金属塩基を有するポ
    リウレタン樹脂とを含有するものであり、 前記磁性層は、モース硬度が9であり粒子径が0.2〜
    0.5μmである研磨剤を含有すると共に、脂肪酸及び
    脂肪酸エステルを含有し、さらには、膜厚が2μm以上
    であり、かつ、自乗平均平方根粗さ(Rrms)が3.0≦
    Rrms≦5.5であることを特徴とする磁気記録媒体。
JP17440598A 1998-06-22 1998-06-22 磁気記録媒体 Pending JP2000011357A (ja)

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