JPH08287461A - 磁気ディスク基板の成形金型及びその成形方法 - Google Patents

磁気ディスク基板の成形金型及びその成形方法

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JPH08287461A
JPH08287461A JP9394195A JP9394195A JPH08287461A JP H08287461 A JPH08287461 A JP H08287461A JP 9394195 A JP9394195 A JP 9394195A JP 9394195 A JP9394195 A JP 9394195A JP H08287461 A JPH08287461 A JP H08287461A
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JP
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ring
outer peripheral
stamper
fixed
magnetic disk
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JP9394195A
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Hiroki Kuramoto
浩樹 蔵本
Masaki Yoshii
正樹 吉井
Naotake Ebinuma
尚武 海老沼
Norio Ota
憲雄 太田
Akito Sakamoto
章人 酒本
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Hitachi Ltd
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Maxell Ltd
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
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    • B29C45/263Moulds with mould wall parts provided with fine grooves or impressions, e.g. for record discs
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型の凸部の転写性を高めて、両面に精密な
溝又はピットが形成されている磁気ディスク基板を得
る。 【構成】複数の環状凸部が形成されている2枚のスタン
パ16,26と、各スタンパの裏面を支えるコア12,
22と、各コアにスタンパをそれぞれ取り付けるスタン
パホルダー30,40とを備えている。固定側スタンパ
ホルダー30及び可動側スタンパホルダー40には、基
板の外周面を形成する外周成形面33,43が形成さ
れ、固定側スタンパホルダー30には、可動側スタンパ
ホルダー40の外周成形面43が摺接する摺接面34が
形成されている。キャビティ2内に溶融樹脂を充填する
と、可動側コア22を固定側コア12の方向に移動させ
ることで、可動側コアに取り付けられているスタンパ2
6及びスタンパホルダー40を固定側コアの方向に移動
させて、キャビティ2内の溶融樹脂を圧縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、両面に溝又はピットが
形成された磁気ディスク基板、その成形方法、及びその
成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気ハードディスクにおいては、
クロストークをなくすために、トラック間にガードバン
ドを設けており、このことが高密度化の妨げになってい
る。そこで、トラック間に幅の狭い溝をガードバンドと
して設けるか、または、トラックサーボを行うためのピ
ットを設けることにより、高密度を図る方式が提案され
ている。
【0003】この方式の磁気ディスクにおいて、ガード
バンドとしての溝又はトラックサーボ用のピットを形成
するには、ガラス基板の上にフォトレジストを塗布し、
エッチングする方法と、射出成形により溝やピットを転
写する方法がある。ガラス基板の上にフォトレジストを
塗布し、エッチングする方法は、プロセスも複雑であ
り、時間とコストがかかるという欠点がある。これに比
べ、射出成形により、溝やピットを転写する方法は、光
ディスク基板の成形でも用いられており、時間やコスト
的に有効な方法である。射出成形で溝やピットを転写す
る場合、基板の両面に凹凸の溝やピットを形成したほう
が記憶容量的に有利であるため、一般に基板の両面に転
写する方法が行われている。
【0004】射出成形で溝やピットを転写する方法とし
て、特開平5−28488号公報に、同心円状の溝部を設けた
金型により成形する方法が示されている。また、図12
に示すように、表面に突起が形成されたスタンパ16,
26を金型1dの固定型10dおよび可動型20dの両
方に具備することにより、射出成形により基板の両面に
溝やピットを転写する方法が挙げられる。
【0005】射出成形で磁気ディスク用プラスチック基
板を成形する場合、このプラスチック基板の材質は、従
来、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル
樹脂等が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】磁気ディスク基板上に
形成されるトラックピッチは1.6μm、トラック幅は1.0
μm、溝幅は0.6μm、溝深さは200nmと非常に微小なもの
である。さらに、高密度化を図るにはトラックピッチ、
トラック幅を小さくする必要がある。このため、金型を
用いて、幅及び深さが微小な溝やピットが形成されてい
るディスクを製造する場合、溝やピットの転写性を高め
ることが望まれる。そこで、本発明の目的は、溝やピッ
トが形成される磁気ディスク基板を製造するに当たり、
溝やピットの転写性を高めることができる磁気ディスク
基板の成形金型、及びこれを用いた成形方法を提供する
ことである。
【0007】また、磁気ディスク基板は、磁気ヘッドの
追従性の点から高い平坦性が要求され、面振れ量を10μ
m以下に抑える必要がある。しかし、現在用いられてい
るプラスチック基板の材質では機械的強度が低いため成
形時の変形量が大きく、上記条件を満足させることがで
きないという問題点がある。そこで、本発明の他の目的
は、基板の変形量の小さい磁気ディスク基板を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の磁気ディスク基板の成形金型は、円板状を成し、その
表面に磁気ディスク基板の溝又はピットの形状に対応し
た凸部が形成され、該磁気ディスク基板の一方の面を形
成する円板状の固定側スタンパと、円板状を成し、その
表面に前記磁気ディスク基板の前記溝又はピットの形状
に対応した凸部が形成され、該表面が前記固定側スタン
パの前記表面と平行に向い合うよう配され、該磁気ディ
スク基板の他方の面を形成する円板状の可動側スタンパ
と、円板状の前記固定側スタンパの外周部に接する環状
の固定側外周リングと、円板状の前記可動側スタンパの
外周部に接する環状の可動側外周リングと、前記固定側
スタンパと前記可動側スタンパと前記固定側外周リング
と前記可動側外周リングとの間に形成されるキャビティ
に、射出成形機ノズルからの溶融樹脂を導くためのスプ
ルが形成され、前記固定側スタンパをその裏面から支え
る固定側支持部材と、前記固定側支持部材に近づく方向
に移動可能で、前記可動側スタンパをその裏面から支え
る可動側支持部材と、を備え、前記固定側外周リングと
前記可動側外周リングとうち、少なくとも一方のリング
には、前記磁気ディスク基板の外周面を形成する外周成
形面が形成され、前記可動側支持部材の移動に伴う前記
可動側スタンパの移動で、該可動側スタンパに接してい
る前記可動側リングも前記固定側リングに接しつつ移動
可能に、該固定側外周リングと該可動側外周リングとう
ち、他方のリングには、前記一方のリングの前記外周成
形面に摺接する摺接面が形成されていることを特徴とす
るものである。
【0009】また、この成形金型を用いた磁気ディスク
基板の成形方法は、前記固定側支持部材に形成されてい
る前記スプルから前記キャビティ内に溶融樹脂を射出
し、前記溶融樹脂を射出した後、前記可動側支持部材を
前記固定側支持部材側へ移動させ、前記キャビティ内の
前記溶融樹脂を圧縮することを特徴とするものである。
【0010】また、前記他の目的を達成するための磁気
ディスク基板は、円板状を成し、その両面に複数の溝又
はピットが形成されている磁気ディスク基板において、
ポリエーテルイミド樹脂とポリエーテルニトリル樹脂と
ノルボルネン系樹脂と繊維強化型樹脂とのうち、いずれ
かの樹脂で形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0011】また、前記他の目的を達成するための他の
磁気ディスク基板は、円板状を成し、その両面に複数の
溝又はピットが形成されている磁気ディスク基板におい
て、円板状を成す内層と、該内層を覆う外層とを有し、
前記外層に複数の前記溝又はピットが形成され、前記内
層は、ポリエーテルイミド樹脂とポリエーテルニトリル
樹脂とノルボルネン系樹脂と繊維強化型樹脂とのうち、
いずれかの樹脂で形成され、前記外層は、アモルファス
ポリオレフィン樹脂とポリメチルペンテン樹脂とのう
ち、いずれかの樹脂で形成されていることを特徴とする
ものである。
【0012】
【作用】まず、金型を閉じた後、固定側支持部材に形成
されているスプルからキャビティ内に溶融樹脂を射出す
る。その後、可動側支持部材を固定側支持部材側へ移動
させ、可動側スタンパと固定側スタンパとの間隔を狭
め、両者の間に形成されるキャビティ内の溶融樹脂を圧
縮する。このとき、可動側支持部材の移動に伴う可動側
リングの移動では、可動側リングと固定側リングとのう
ち、一方のリングに形成されている外周成形面と他方の
リングに形成されている摺接面とが摺接する。従って、
固定側リングに対して可動側リングが相対移動しても、
リング相互間から溶融樹脂が漏れ出ることはほとんどな
い。
【0013】可動側スタンパ及び固定側スタンパの表面
には、それぞれ、凸部が形成されている。従って、この
凸部に対応した溝又はピットが基板の両面に形成され
る。以上のように、本発明の金型を用いることにより、
両面に溝又はピットが形成されている基板を圧縮射出成
形で形成することができる。
【0014】ところで、スタンパの形状の転写性を高め
る方法としては、金型温度を高める方法とキャビティ内
圧力を高める方法とがある。これらの方法のうち、金型
温度を高める方法では、金型の温度によっては、金型か
ら基板を取り出すときに基板が変形してしまうことがあ
る。一方、キャビティ内圧力を高める方法では、このよ
うな弊害は生じない。従って、本発明の金型を用いて圧
縮射出成形することにより、変形量が小さく且つ精密な
溝又はピットが形成されている磁気ディスク基板を得る
ことができる。
【0015】また、ポリエーテルイミド樹脂とポリエー
テルニトリル樹脂とノルボルネン系樹脂と繊維強化型樹
脂とのうち、いずれかの樹脂で形成されている基板で
は、機械的強度が高まり、基板の回転時における変形量
を小さくすることができる。さらに、基板を内層と外層
とで形成し、内層と外層とを異なる材質で形成したもの
では、機械的強度を高めて、基板の回転時における変形
量を小さくすることができると共に、溝又はピットの転
写性も高めることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る各種実施例について、図
面を用いて説明する。まず、本発明に係る磁気ディスク
基板の成形金型の第1の実施例について、図1〜図5を
用いて説明する。
【0017】本実施例の金型は、図4に示すように、円
板状を成し、その両面に複数の環状溝71,71,…を
有する磁気ディスク基板70を、射出成形により形成す
るものである。
【0018】本実施例の金型1は、図1及び図2に示す
ように、射出成形機のノズル52に固定される固定型1
0と、固定型10に対して相対移動可能に設けられてい
る可動型20とを有している。
【0019】固定型10は、この固定型10の外周を成
す固定側ダイセット11と、この固定側ダイセット11
内に設けられる固定側コア(固定側支持部材)12と、
円板状の磁気ディスク基板70の一方の面を形成する円
板状の固定側スタンパ16と、円板状の固定側スタンパ
16の外周側を固定側コア12に止めておく固定側スタ
ンパ外周ホルダー(固定側外周リング)30と、円板状
の固定側スタンパ16の内周側を固定側コア12に止め
ておく固定側スタンパ内周ホルダー35と、固定型10
と可動型20との間のキャビティ2に射出成形機のノズ
ル52からの溶融樹脂を導くスプル15とを有してい
る。
【0020】また、可動型20は、この可動型20の外
周を成す可動側ダイセット21と、固定側コア12に近
づく方向に移動可能に可動側ダイセット21内に設けら
れる可動側コア(可動側支持部材)22と、円板状の磁
気ディスク基板70の他方の面を形成する円板状の可動
側スタンパ26と、円板状の可動側スタンパ26の外周
側を可動側コア22に止めておく可動側スタンパ外周ホ
ルダー(可動側外周リング)40と、円板状の可動側ス
タンパ26の内周側を可動側コア22に止めておく可動
側スタンパ内周ホルダー45と、成形された磁気ディス
ク基板70を可動側スタンパ26から離型させるエジェ
クタ27と、成形された磁気ディスク基板70の中心孔
を打ち抜くゲートカッター28とを有している。
【0021】固定側スタンパ16と、可動側スタンパ2
6と、固定側スタンパ外周ホルダー30と、可動側スタ
ンパ外周ホルダー40と、固定側スタンパ内周ホルダー
35と、可動側スタンパ内周ホルダー45とに囲まれて
形成される空間は、金型1内において溶融樹脂が充填さ
れるキャビティー2となる。
【0022】円板状の各スタンパ16,26は、互いに
平行に配されており、各スタンパ16,26の向い合っ
ている面(表面)には、磁気ディスク基板70の複数の
環状71,71,…を形成するための複数の環状凸部が
形成されている。本実施例において、円板状の固定側ス
タンパ16は、その外径が可動側スタンパ26の外径よ
りも小さく形成されている。
【0023】各コア12,22は、略円筒状を成してお
り、その一方の端面相互が互いに平行になるよう配され
ている。各コア12,22の互いに向い合っている端部
には、他方のコアの方向に突出した円筒状のスタンパ支
持部13,23が形成されている。このスタンパ支持部
13,23に、各スタンパ16,26の裏面(環状凸部
が形成されていない面)が接することになる。各コア1
2,22の円筒状のスタンパ支持部13,23の外径
は、ここに接触するスタンパ16,26の外径と一致し
ている。各コア12,22内には、冷却媒体流路14,
24が形成されている。
【0024】固定側コア12及び固定側ダイセット11
の中心には、射出成形機ノズル52からの溶融樹脂を前
述したキャビティ2に導くスプル15が設けられてい
る。可動側コア22の中心部は貫通しており、そこに、
エジェクタ27が可動側コア22に対して相対的に固定
側コア12側に移動可能に設けられている。エジェクタ
27は、油圧シリンダとしての機能を有しており、内部
に、円筒状のシリンダ室及び同じく円筒状のカッター室
が形成されている。ゲートカッター28は、エジェクタ
27のシリンダ室内に配されるピストン28bと、エジ
ェクタ27のカッター室に配されピストン28bに接合
されているカッター本体28aとを有している。ゲート
カッター28は、エジェクタ27のシリンダ室内の油圧
に応じて、固定側コア12側へ移動し、その先端部がエ
ジェクタ27から突出する。
【0025】各スタンパ内周ホルダー35,45は、円
筒状を成し、その一方の端部には、円筒の中心軸から遠
ざかる方向に突出したフランジ部36,46が形成され
ている。各スタンパ内周ホルダー35,45は、各コア
12,22のスタンパ支持部13,23にスタンパ1
6,26を取り付けた後、各コア12,22の中心部に
嵌め込まれ、そこにネジ止めされる。各スタンパ内周ホ
ルダー35,45のフランジ部36,46は、スタンパ
16,26の内周側に接触して、これをコア12,22
に密着させることになる。
【0026】各スタンパ外周ホルダー30,40は、対
応するスタンパ16,26の外径と同じ内径の環状のリ
ング部31,41と、リング部31,41からリングの
中心に近づく方向に突出した環状のフランジ部32,4
2とを有している。各スタンパ外周ホルダー30,40
のフランジ部32,42の内周面は、磁気ディスク基板
70の外周面を形成する外周成形面33,43を成して
いる。固定側スタンパ外周ホルダー30のリング部31
の外周は、一部切り欠かれており、そこに、可動側スタ
ンパ外周ホルダー40の外周成形面43と摺接する摺接
面34が形成されている。
【0027】ここで、各スタンパ外周ホルダー30,4
0の各部の径、各スタンパ16,26の径、各スタンパ
内周ホルダー35,45の各部の径の相互関係について
整理すると、以下のようになる。
【0028】可動側スタンパ外周ホルダー40のリング
部41の内径 ≒可動側スタンパ26の外径 >可動側スタンパ外周ホルダー40のフランジ部42の
内径(外周成形面43の径) ≒固定側スタンパ外周ホルダー30の摺接面34の径 >固定側スタンパ外周ホルダー30のリング部31の内
径 ≒固定側スタンパ16の外径 >固定側スタンパ外周ホルダー30のフランジ部32の
内径(外周成形面33の径) >磁気ディスクの記憶領域の外径 >磁気ディスクの記憶領域の内径(=中心部非記憶領域
の外径) >可動側スタンパ内周ホルダー45のフランジ部46の
外径 >固定側スタンパ内周ホルダー35のフランジ部36の
外径 >磁気ディスク基板70の中心孔の径(=ゲートカッタ
ー28の外径) 磁気ディスクは、その中心部と最外周部が非記憶領域
で、これらの間が記憶領域になっている。従って、以上
において、磁気ディスクの記憶領域とは、中心部非記憶
領域と外周部非記憶領域との間の領域のことである。
【0029】各スタンパ外周ホルダー30,40は、各
スタンパ支持部13,23にスタンパ16,26を取り
付けた後、各コア12,22の外周部に嵌め込まれ、そ
こにネジ止めされる。各スタンパ外周ホルダー30,4
0のフランジ部32,42は、スタンパ16,26の外
周に接触して、これをコア12,22に密着させること
になる。
【0030】次に、図2を用いて、本実施例の金型1が
設けられる射出成形機について簡単に説明する。この射
出成形機は、樹脂を溶融してこれを射出する射出装置5
0と、金型1の開閉動作を行う型締装置60とを有して
いる。
【0031】射出装置50は、樹脂ペレットが投入され
るホッパと、ホッパからの樹脂が供給され、これを溶融
するシリンダ51と、シリンダ51内で溶融した樹脂を
射出するノズル52と、シリンダ51内に配されている
スクリューと、このスクリューを駆動するスクリュー駆
動機構とを備えている。なお、射出装置50は、本実施
例の金型1の動作に直接関係ないため、同図において、
シリンダ51とノズル52以外は描いていない。また、
型締装置60は、固定型10のダイセット11が固定さ
れる固定ダイプレート61と、可動型20のダイセット
21が固定される可動ダイプレート62と、固定ダイプ
レート61に対する可動ダイプレート62の移動方向を
ガイドするタイバー63と、可動ダイプレート62を固
定ダイプレート61側へ移動させるトグル機構64と、
可動側コア22を固定側コア12側へ移動させる圧縮ラ
ム65と、エジェクタ27を固定側コア12側へ移動さ
せるエジェクタロッド66とを有している。固定ダイプ
レート61内には、固定側ダイセット11のスプル15
にノズル52が接触するよう、ノズル52及びシリンダ
51が装着される。圧縮ラム65及びエジェクタロッド
66は、可動ダイプレート62内に移動可能に設けられ
ている。この圧縮ラム65及びエジェクタロッド66
は、油圧により移動する。
【0032】次に、本実施例の金型1の取扱及び動作順
序について説明する。まず、固定側コア12のスタンパ
支持部13上に固定側スタンパ16を置く。そして、固
定側コア12に固定側スタンパ外周ホルダー30及び固
定側スタンパ内周ホルダー35を装着し、これらをネジ
で固定側コア12に固定する。この結果、内周ホルダー
35により、固定側スタンパ16の内周側が固定側コア
12に密着した状態でここに固定され、外周ホルダー3
0により、固定側スタンパ16の外周側が固定側コア1
2に密着した状態でここに固定される。続いて、スタン
パ16が固定された固定側コア12を固定側ダイセット
11内に装着する。
【0033】次に、以上と同様に、可動側コア22のス
タンパ支持部23に、可動側スタンパ26を内周ホルダ
ー45及び外周ホルダー40で固定し、これを可動ダイ
セット21内に装着する。
【0034】次に、固定型10を型締装置60の固定ダ
イプレート61に固定すると共に、可動型20を型締装
置60の可動ダイプレート62に固定する。そして、型
締装置60のトグル機構64を動作させて、可動型20
を固定型10へ移動させて、可動型20と固定型10と
を密着させる、つまり、金型1を閉じる。
【0035】金型1を閉じた後、射出装置50のスクリ
ューを駆動し、シリンダ51内の溶融樹脂をノズル52
からキャビティ2内に射出する。キャビティ2内への溶
融樹脂の充填が終了すると、型締装置60の圧縮ラム6
5を油圧で駆動し、可動側コア22を固定側コア12側
へ僅かに移動させる。この結果、図3に示すように、キ
ャビティ2内の溶融樹脂は、圧縮される。このとき、可
動側コア22に固定されている可動側スタンパ外周ホル
ダー40は、可動側コア22の移動に伴って移動する。
この可動側コア22の移動では、可動側スタンパ外周ホ
ルダー40のフランジ部42の内周面つまり外周成形面
43が固定側スタンパ16の摺接面34に、接触しつつ
移動するので、キャビティ2内の溶融樹脂は、両面間か
らほとんど漏れ出ることはない。
【0036】キャビティ2内の樹脂が固化すると、型締
装置60の圧縮ラム65を前述とは逆方向に駆動し、可
動側コア22を固定側コア12側から後退させる。続い
て、可動側コア22内のゲートカッター28を油圧で駆
動し、成形された基板70の中心に孔を開けると共に、
型締装置60のエジェクタロッド66を油圧で駆動し、
エジェクタ27の先端部を可動側コア22から突出さ
せ、成形された基板70を可動側スタンパ26から離
す。そして、型締装置60のトグル機構64を前述とは
逆方向に駆動し、固定型10に対して可動型20を後退
させ、つまり金型1を開き、固定型10から成形された
基板70を外す。
【0037】本実施例の金型1により成形された磁気デ
ィスク基板70は、図4に示すように、その両面に、各
スタンパ16,26の環状凸部に対応したガードバント
としての環状溝71,71,…が形成される。また、こ
の基板70の外周部の非記憶領域Noには、固定側スタ
ンパ外周ホルダー30のフランジ部32の形状に応じた
段差72が形成され、基板70の内周部の非記憶領域N
iには、固定側スタンパ内周ホルダー35及び可動側ス
タンパ内周ホルダー45のフランジ部36,46の形状
に応じた環状溝73,74が形成される。
【0038】ところで、金型1の凸部をプラスチック基
板70に精密に転写するには、金型温度を高温するか、
又は、金型1のキャビティ内圧力を高圧する方法が考え
られる。しかし、金型温度が高過ぎると金型1から基板
70を取り出すときに基板70が変形して、磁気ディス
ク基板70としての特性を満足しなくなる場合がある。
すなわち、金型温度には上限があり、十分な転写性を得
られない場合がある。従って、転写性を高めるために
は、キャビティ内圧力を高める方が好ましい。
【0039】このキャビティ内圧力Pは、スタンパの溝
への転写量hと以下の関係式により表される。 h=(P・w4)/(32・E・d3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数1) h=3√((3・P・w4)/(64・E・d))・・・・・・・・・・・・・・・・(数2) ここで、wはスタンパの溝幅、Eは基板材料の縦弾性
率、dは固化層厚みである。なお、以上では、スタンパ
にはガードバンドとしての溝を形成するための凸部が形
成されているものとして説明してあるが、ガードバンド
としての溝に対してトラックは凸部として考えられるの
で、ここでは、トラックの凸部を形成するためにスタン
パには溝が形成されているものとして説明する。また、
転写量hとは、スタンパの溝により、基板70に形成さ
れる凸部の高さのことである。
【0040】以上の(数1)は(h/w)<0.1の場合
に、また、(数2)は(h/w)>0.1の場合に適応で
きるものである。図5はこれらの式を用い、スタンパの
溝幅wと転写量hとの関係をキャビティ内圧力Pについ
て示したものである。なお、同図は、基板材料としてポ
リカーボネート樹脂を用いた場合であり、縦弾性率E=
2000MPa、固化層厚みd=100nmとしている。同図に示さ
れるように、転写量hを増加させるには、キャビティ内
圧力Pを大きくする必要があり、また、スタンパの溝幅
wが小さくなるほど、同じ転写量hを確保するにはキャ
ビティ内圧力Pを大きくする必要がある。例えば、スタ
ンパの溝幅w=1.0μmの場合、転写量h=200nmを得る
ためにはキャビティ内圧力P=40MPaが必要である。
【0041】このキャビティ内圧力を高める方法として
は、キャビティ内に目的量の樹脂を充填後にさらに樹脂
を供給して、保圧力を高める方法と、キャビティ内に目
的量の樹脂を充填後にキャビティ容積を小さくすべく、
金型1の可動型20にかける圧縮力を高める方法とがあ
る。保持力を高める方法は、キャビティ内の樹脂の増加
を伴うものであり、金型1を開いた後に基板70の厚さ
が増大するという弊害が生じる。一方、圧縮力を高める
方法は、このような弊害が生じることはない。
【0042】従って、本実施例のように、キャビティ内
への樹脂充填後に、可動側コア22を移動させて、圧縮
力を高めることにより、基板70を目的の厚さにするこ
とができると共に、スタンパの幅の狭い凸部を精密に基
板70に転写することができる。このように、スタンパ
の幅の狭い凸部を精密に転写できる結果、トラックピッ
チを狭めることができ、磁気ディスクの高密度化を図る
ことができる。
【0043】次に、本発明に係る磁気ディスク基板の成
形金型の第2の実施例について、図6及び図7を用いて
説明する。本実施例の金型1aは、図6に示すように、
固定側スタンパ16の外周部を固定側コア12に止めて
おく固定側スタンパ外周ホルダー30aの形状が第1の
実施例と異なっているもので、その他の構成は第1の実
施例の金型1と同様である。
【0044】本実施例の固定側スタンパ外周ホルダー3
0aは、第1の実施例の固定側スタンパ外周ホルダー3
0と同様に、固定側スタンパ16の外径と同じ内径のリ
ング部31aと、リング部31aからリングの中心に近
づく方向に突出した環状のフランジ部32aとを有して
いる。固定側スタンパ外周ホルダー30aのリング部3
1aの外周は、階段状に2段切り欠かれている。この2
段の切欠きのうち、外周側の切欠きに、可動側スタンパ
外周ホルダー40の外周成形面43が摺接する摺接面3
4aが形成されている。
【0045】この固定側スタンパ外周ホルダー30a
も、第1の実施例と同様に、固定側コア12のスタンパ
支持部13に固定側スタンパ16を取り付けた後、固定
側コア12の外周部に嵌め込まれ、そこにネジ止めされ
る。
【0046】この固定側スタンパ外周ホルダー30aが
組み込まれている金型1aを用いると、図7に示すよう
な基板70aが成形される。すなわち、成形された基板
70aの外周側の非記憶領域Noには、固定側スタンパ
外周ホルダー30aのフランジ部32の形状に応じた環
状凹部72aが形成される。また、第1の実施例では、
固定側スタンパ外周ホルダー30のフランジ部32の内
周面も、可動側スタンパ外周ホルダー40のフランジ部
42の内周面も、基板70の外周面を形成する外周成形
面33,43を成しているが、本実施例では、可動側ス
タンパ外周ホルダー40のフランジ部42の内周面のみ
が外周成形面43を成している。つまり、本実施例で
は、第1の実施例と異なり、基板70の外周面が可動側
スタンパ外周ホルダー40のフランジ部42の内周面の
みで形成されている。
【0047】以上のように、固定側スタンパ外周ホルダ
ーと可動側スタンパ外周ホルダーとのうち、少なくとも
一方に外周成形面を形成し、他方に摺動面を形成して、
固定側スタンパ外周ホルダーに接しつつ可動側スタンパ
外周ホルダーを相対移動できるようにすれば、各外周ホ
ルダーの形状は如何なる形状であってもよい。なお、本
実施例においても、キャビティ2を圧縮することができ
るので、第1の実施例と同様の効果を得ることができ
る。
【0048】次に、本発明に係る磁気ディスク基板の成
形金型の第3の実施例について、図8を用いて説明す
る。以上の実施例の金型1,1aは、固定側スタンパ外
周ホルダー30,30aが固定側コア12に固定され、
可動側スタンパ外周ホルダー40が可動側コア22に固
定されるものであったが、本実施例の金型1bは、可動
側スタンパ外周ホルダー40bが可動側コア22bに固
定されるものの、固定側スタンパ外周ホルダー30に該
当する外周リング30bが可動側コア22bに移動可能
に取り付けられたものである。つまり、本実施例は、可
動側スタンパ外周ホルダー40b、外周リング30b、
可動側コア22b及び固定側コア12bが、第1の実施
例と異なっている以外、その他の構成は第1の実施例と
同様である。
【0049】可動側スタンパ外周ホルダー40bは、可
動側スタンパ26の外径と同じ内径のリング部41b
と、リング部41bからリングの中心に近づく方向に突
出した環状のフランジ部42bとを有している。フラン
ジ部42bの内周面は、磁気ディスク基板70の外周面
を形成する外周成形面43bを成している。リング部4
1bの外周は、一部切りかかれており、そこに、後述す
る外周リング30bの外周成形面33bと摺接する摺接
面44bが形成されている。
【0050】外周リング30bは、可動側スタンパ外周
ホルダー40bの外周側に配される。この外周リング3
0bは、可動側スタンパ外周ホルダー40bのリング部
41bの外径より僅かに大きい内径のリング部31b
と、リング部31bからリングの中心に近づく方向に突
出した環状のフランジ部32bとを有している。フラン
ジ部32bの内周面は、磁気ディスク基板70の外周面
を形成する外周成形面33bを成している。この外周成
形面33bは、前述したように、可動側スタンパ外周ホ
ルダー40bの摺接面44bと摺接する。外周リング3
0bのリング部31bには、可動側コア22bの方向に
伸びるガイドロッド38が設けられている。可動側コア
22b内には、ガイドロッド38を介して外周リング3
0bを固定側コア12の方向に付勢するバネ39が内蔵
されている。
【0051】固定側コア12bには、固定側スタンパ1
6を真空吸着するための真空吸引孔19が複数形成され
ている。
【0052】固定側スタンパ16は、その内側が固定側
スタンパ内周ホルダー35により固定側コア12bに固
定されるものの、第1の実施例のような固定側スタンパ
外周ホルダー30がないために、真空吸引で、その外周
側を固定側コア12bに固定する。外周リング30b
は、可動側コア22bに内蔵されているバネ39によ
り、固定側コア12の方向に付勢されているため、金型
1bが閉じられると、外周リング30bのフランジ部3
2bは、固定側スタンパ16の外周部に接触して、この
固定側スタンパ16の外周部を固定側コア12bに押し
付ける。外周リング30bは、ガイドロッド38を介し
て可動側コア22bに取り付けられているものの、可動
側コア22bに対して移動可能で、且つ常に固定側コア
12b側へ付勢されているため、圧縮過程において、可
動側コア22bが固定側コア12b側へ移動しようとし
まいと、外周リング30bは、常に固定側スタンパ16
と接触し、固定側コア12bとの相対位置関係は変わら
ない。すなわち、外周リング30bは、金型1bが閉じ
られると、第1の実施例において、固定側コア12に固
定される固定側スタンパ外周ホルダー30の役目を担う
ことになる。
【0053】キャビティ2の圧縮過程において、可動側
コア22bが固定側コア12b側へ移動すると、この移
動に伴って、可動側コア22bに固定されている可動側
スタンパ外周ホルダー40bも移動する。このとき、可
動側スタンパ外周ホルダー40bは、その摺接面44b
が固定側コア12に対して相対移動しない外周リング3
0bの外周成形面33bに接触した状態で移動する。
【0054】従って、本実施例においても、第1の実施
例と同様の効果を得ることができる。なお、本実施例で
は、可動側コア22bに、スタンパ外周ホルダー及び外
周リングを設けたが、固定側コア12bに、スタンパ外
周ホルダー及び外周リングを設けてもよい。
【0055】また、以上の各実施例のスタンパは、いず
れも、ガードバンドとしての環状溝71,71,…を形
成するためのものであるが、トラックサーボ用のピット
を形成するものであってもよい。また、以上の各実施例
の金型1,1a,1bは、ダイセット内に圧縮コア2
2,22bを内臓した圧縮コア構造のものであるが、圧
縮コア構造を取らずに直接ダイセットに圧縮力を加えて
キャビティ2を圧縮するものであってもよい。
【0056】次に、本発明に係る磁気ディスク基板の第
1の実施例について、図9を用いて説明する。図9は、
φ2.5″磁気ディスク用プラスチック基板の基板材質の
曲げ弾性率と基板中心からの距離30mmにおける面振れ量
との関係を示したものである。磁気ディスク基板の面振
れ量は、一般的に10μm以下に抑えることが要求されて
いる。従って、この要求を満たすためには、図9より、
曲げ弾性率が3000MPa以上のプラスチック材料を用いる
必要があることがわかる。ここで、曲げ弾性率は、ASTM
D790に規定された試験法で23℃の温度において測定され
たものである。
【0057】そこで、本実施例は、曲げ弾性率が3000MP
a以上のプラスチック材料で、磁気ディスク基板を形成
している。これに該当する樹脂として、具体的には、ポ
リエーテルイミド樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ノ
ルボルネン系樹脂が挙げられる。これらの樹脂を用いる
ことにより、変形量が小さく、平坦性の優れた磁気ディ
スク基板を得ることができる。
【0058】次に、本発明に係る磁気ディスク基板の第
2の実施例について、図10及び図11を用いて説明す
る。本実施例の磁気ディスク基板70cは、図10に示
すように、断面中心部の内層75とこれを覆い囲む表面
部の外層76,76との3層構造になっている。これら
内層75と外層76とは、互いに異なったプラスチック
材料により構成されている。外層76の表面部には、複
数の環状溝71c,71c,…又はピットが形成されて
いる。このような構造のプラスチック基板70cを製造
する方法としては、射出成形で一般的に知られている、
サンドイッチ成形法が挙げられる。このサンドイッチ成
形法は、まず、外層(スキン層)76を構成する樹脂を金
型内に射出し、続いて、内層(コア層)75を構成する樹
脂を金型内が充填されるまで射出し続けるというもので
ある。この方法により3層構造の磁気ディスクプラスチ
ック基板70cを得ることができる。
【0059】磁気ディスク用プラスチック基板において
は、高い平坦性が要求されと共に、基板表面の溝又はピ
ットの高い転写性が要求される。従って、基板の変形を
抑え、平坦性を高めるという観点からは、基板材質の機
械的強度が高い樹脂を用いる必要があり、溝又はピット
の転写性を向上させるという観点からは、機械的強度が
低い樹脂を用いる必要があるため、基板材料には相反す
る性質が要求される。
【0060】そこで、本実施例では、2種類の異なった
樹脂を基板材料として用いて、基板70cの内層75を
機械的強度が高い高剛性樹脂で形成し、基板70cの外
層76を機械的強度が低い樹脂で形成して、基板材料に
要求される相反する性質を満足させるようにしている。
【0061】ここで、基板70cの内層75を形成する
樹脂としては、機械的強度が高い、前述したポリエーテ
ルイミド樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ノルボルネ
ン系樹脂などを用いる。また、これらの樹脂の他に、繊
維を充填することにより機械的強度を高くした繊維強化
型樹脂を用いてもよい。
【0062】図11は、基板材質の縦弾性率と表面に形
成する溝又はピットの転写率との関係を示したものであ
る。ここで、転写率とは、スタンパの溝深さをHとし、
基板の凸部の高さをhとしたときのh/Hの値のことで
ある。この転写率を90%以上にするには、同図より、縦
弾性率が2500MPa以下の基板材質の樹脂を用いて成形す
る必要がある。ここで、縦弾性率はASTM D638に規定さ
れた試験法で23℃の温度において測定されたものであ
る。従って、基板70cの外層76を形成する樹脂に
は、縦弾性率が2500MPa以下のものを用いる。これに該
当する樹脂として、ポリカーボネート樹脂、アモルファ
スポリオレフィン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂などが
挙げられる。
【0063】また、基板材質となる樹脂の吸水率が高い
と、経時的に表面から水分を吸収し基板が変形し、平坦
性が劣化するという問題がある。このため、外層76を
形成する樹脂の吸水率は0.01%以下がよい。ここで、吸
水率はASTM D570に規定された試験法で23℃の温度にお
いて測定されたものとする。これに該当する樹脂とし
て、アモルファスポリオレフィン樹脂、ポリメチルペン
テン樹脂などが挙げられる。従って、基板70cの外層
76を形成する樹脂としては、機械的強度が低く、且つ
吸水率が低い、アモルファスポリオレフィン樹脂、ポリ
メチルペンテン樹脂を用いる。
【0064】以上のように、磁気ディスク用プラスチッ
ク基板70cを、断面中心部の内層75と表面部の外層
76,76との3層構造にし、内層75をポリエーテル
イミド樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ノルボルネン
系樹脂のいずれかで形成し、外層76をアモルファスポ
リオレフィン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂のいずれか
で形成することにより、変形量が小さくて、平坦性に優
れ、且つ溝又はピットの転写性が良好な磁気ディスク基
板70cを得ることができる。
【0065】なお、第1の実施例及び第2の実施例の磁
気ディスク基板も、先に述べた実施例の金型のうち、い
ずれかで成形することが好ましい。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、圧縮射出成形により基
板を成形できるので、変形量が小さく且つその両面に溝
又はピットが精密に転写された基板を得ることができ
る。従って、S/N比が高く且つ高密度な磁気ディスク
を得ることができる。
【0067】また、他の発明によれば、基板の機械的強
度が高まるので、基板の回転時における変形量を小さく
することができ、磁気ヘッドの追従性を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例の成形金型の断面図
である。
【図2】本発明に係る第1の実施例の成形金型及び型締
装置の断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施例の成形金型の動作説
明図である。
【図4】本発明に係る第1の実施例の成形金型により成
形された磁気ディスク基板の断面図である。
【図5】スタンパの溝幅と転写量とキャビティ内圧力と
の関係を示すグラフである。
【図6】本発明に係る第2の実施例の成形金型の断面図
である。
【図7】本発明に係る第2の実施例の成形金型により成
形された磁気ディスク基板の断面図である。
【図8】本発明に係る第3の実施例の成形金型の断面図
である。
【図9】基板材料の曲げ弾性率と面振れ量との関係を示
すグラフである。
【図10】本発明に係る第2の実施例の磁気ディスク基
板の断面図である。
【図11】基板材料の縦弾性率と転写率との関係を示す
グラフである。
【図12】従来の磁気ディスク基板の成形金型の断面図
である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1d…成形金型、2…キャビティ、1
0,10a,10b,10d…固定型、11…ダイセッ
ト、12,12b…固定側コア、13…(固定側コア
の)スタンパ支持部、15…スプル、16…固定側スタ
ンパ、20,20b,20d…可動型、21…可動側ダ
イセット、22,22b…可動側コア、23…(可動側
コアの)スタンパ支持部、26…可動側スタンパ、27
…エジェクタ、28…ゲートカッタ、30,30a,3
0b…固定側外周スタンパホルダー、31,31a,3
1b…(固定側外周スタンパホルダーの)リング部、3
2,32a,32b…(固定側外周スタンパホルダー
の)…フランジ部、33,33b…(固定側外周スタン
パホルダーの)外周成形面、34,34a,44b…摺
接面、35…固定側スタンパ内周ホルダー、36…(固
定側スタンパ内周ホルダーの)フランジ部、40,40
b…可動側スタンパ外周ホルダー、41,41b…(可
動側スタンパ外周ホルダー)のリング部、42,42b
…(可動側スタンパ外周ホルダーの)フランジ部、4
3,43b…(可動側スタンパ外周ホルダーの)外周成
形面、45…可動側スタンパ内周ホルダー、46…(可
動側スタンパ内周ホルダーの)フランジ部、50…射出
装置、51…シリンダ、52…ノズル、60…型締装
置、61…固定ダイプレート、62…可動ダイプレー
ト、63…タイバー、64…トグル機構、65…圧縮ラ
ム、66…エジェクタロッド、70,70a,70c…
磁気ディスク基板、71,71c…環状溝、72…段
差、72a…環状凹部、75…内層、76…外層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海老沼 尚武 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 太田 憲雄 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 酒本 章人 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円板状を成し、その両面に複数の溝又はピ
    ットが形成されている磁気ディスク基板を射出成形で成
    形するための磁気ディスク基板の成形金型において、 円板状を成し、その表面に前記磁気ディスク基板の前記
    溝又はピットの形状に対応した凸部が形成され、該磁気
    ディスク基板の一方の面を形成する円板状の固定側スタ
    ンパと、 円板状を成し、その表面に前記磁気ディスク基板の前記
    溝又はピットの形状に対応した凸部が形成され、該表面
    が前記固定側スタンパの前記表面と平行に向い合うよう
    配され、該磁気ディスク基板の他方の面を形成する円板
    状の可動側スタンパと、 円板状の前記固定側スタンパの外周部に接する環状の固
    定側外周リングと、 円板状の前記可動側スタンパの外周部に接する環状の可
    動側外周リングと、 前記固定側スタンパと前記可動側スタンパと前記固定側
    外周リングと前記可動側外周リングとの間に形成される
    キャビティに、射出成形機ノズルからの溶融樹脂を導く
    ためのスプルが形成され、前記固定側スタンパをその裏
    面から支える固定側支持部材と、 前記固定側支持部材に近づく方向に移動可能で、前記可
    動側スタンパをその裏面から支える可動側支持部材と、 を備え、 前記固定側外周リングと前記可動側外周リングとうち、
    少なくとも一方のリングには、前記磁気ディスク基板の
    外周面を形成する外周成形面が形成され、 前記可動側支持部材の移動に伴う前記可動側スタンパの
    移動で、該可動側スタンパに接している前記可動側リン
    グも前記固定側リングに接しつつ移動可能に、該固定側
    外周リングと該可動側外周リングとうち、他方のリング
    には、前記一方のリングの前記外周成形面に摺接する摺
    接面が形成されていることを特徴とする磁気ディスク基
    板の成形金型。
  2. 【請求項2】請求項1記載の磁気ディスク基板の成形金
    型において、 環状の前記固定側外周リングは、円板状の前記固定側ス
    タンパに外嵌可能に、該固定側スタンパの外径とほぼ同
    じ内径の環状のリング部と、該リング部の中心側へ突出
    し、前記固定側スタンパの外周側の前記表面に接する環
    状のフランジ部とを有し、 環状の前記可動側外周リングは、円板状の前記可動側ス
    タンパに外嵌可能に、該可動側スタンパの外径とほぼ同
    じ内径の環状のリング部と、該リング部の中心側へ突出
    し、前記可動側スタンパの外周側の前記表面に接する環
    状のフランジ部とを有し、 前記固定側外周リングと前記可動側リングとのうち、一
    方のリングの環状の前記フランジ部の内周面が前記磁気
    ディスク基板の外周面の一部を形成する第1外周成形面
    を成し、他方のリングの環状の前記リング部の外周面が
    該第1外周成形面に摺接する前記摺接面を成し、該他方
    のリングの環状の該フランジ部の内周面が該磁気ディス
    ク基板の外周面の残りを形成する第2外周成形面を成す
    ことを特徴とする磁気ディスク基板の成形金型。
  3. 【請求項3】請求項1記載の磁気ディスク基板の成形金
    型において、 環状の前記固定側外周リングは、円板状の前記固定側ス
    タンパに外嵌可能に、該固定側スタンパの外径とほぼ同
    じ内径の環状のリング部と、該リング部の中心側へ突出
    し、前記固定側スタンパの外周側の前記表面に接する環
    状のフランジ部とを有し、 環状の前記可動側外周リングは、円板状の前記可動側ス
    タンパに外嵌可能に、該可動側スタンパの外径とほぼ同
    じ内径の環状のリング部と、該リング部の中心側へ突出
    し、前記可動側スタンパの外周側の前記表面に接する環
    状のフランジ部とを有し、 前記固定側外周リングと前記可動側リングとのうち、一
    方のリングは、その環状の前記フランジ部の内周面の径
    が他方のリングの環状の前記フランジ部の外径よりも大
    きくなるよう形成され、該内周面が前記外周成形面を成
    し、該他方のリングは、その環状の前記フランジ部の外
    径よりも大きく且つ該一方のリングの該外周成形面に摺
    接する摺接面が形成されていることを特徴とする磁気デ
    ィスク基板の成形金型。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載の磁気ディスク基
    板の成形金型において、 前記固定側外周リングは、前記固定側支持部材に固定さ
    れ、 前記可動側外周リングは、前記可動側支持部材に固定さ
    れていることを特徴とする磁気ディスク基板の成形金
    型。
  5. 【請求項5】請求項1、2又は3記載の磁気ディスク基
    板の成形金型において、 前記可動側外周リングと前記固定側リングとのうち一方
    のリングは、前記固定側支持部材と前記可動側支持部材
    とのうち対応する一方の支持部材に固定され、 前記可動側外周リングと前記固定側リングとのうち他方
    のリングは、前記固定側支持部材と前記可動側支持部材
    とのうち他方の支持部材側へ移動可能に前記一方の支持
    部材に設けられ、 前記一方の支持部材には、前記他方のリングを前記他方
    の支持部材側へ付勢する付勢部材が設けられていること
    を特徴とする磁気ディスク基板の成形金型。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4又は5記載の磁気デ
    ィスク基板の成形金型を用いて、該磁気ディスク基板を
    成形する磁気ディスク基板の成形方法において、 前記固定側支持部材に形成されている前記スプルから前
    記キャビティ内に溶融樹脂を射出し、 前記溶融樹脂を射出した後、前記可動側支持部材を前記
    固定側支持部材側へ移動させ、前記キャビティ内の前記
    溶融樹脂を圧縮することを特徴とする磁気ディスク基板
    の成形方法。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4又は5記載の磁気デ
    ィスク基板の成形金型を用いて、該磁気ディスク基板を
    成形する磁気ディスク基板の成形方法において、 アモルファスポリオレフィン樹脂とポリメチルペンテン
    樹脂とのうち、いずれかの樹脂(以下、外層形成樹脂と
    する。)を溶融し、前記キャビティの容積よりも少ない
    量の該外層形成樹脂を前記固定側支持部材に形成されて
    いる前記スプルから該キャビティ内に射出し、 ポリエーテルイミド樹脂とポリエーテルニトリル樹脂と
    ノルボルネン系樹脂と繊維強化型樹脂とのうち、いずれ
    かの樹脂(以下、内層形成樹脂とする。)を溶融し、前
    記外層形成樹脂が前記キャビティ内に射出された後、該
    キャビティ内に該内層形成樹脂を射出し、 前記内層形成樹脂を射出した後、前記可動側支持部材を
    前記固定側支持部材側へ移動させ、前記キャビティ内の
    樹脂を圧縮することを特徴とする磁気ディスク基板の成
    形方法。
  8. 【請求項8】円板状を成し、その両面に複数の溝又はピ
    ットが形成されている磁気ディスク基板において、 ポリエーテルイミド樹脂とポリエーテルニトリル樹脂と
    ノルボルネン系樹脂と繊維強化型樹脂とのうち、いずれ
    かの樹脂で形成されていることを特徴とする磁気ディス
    ク基板。
  9. 【請求項9】円板状を成し、その両面に複数の溝又はピ
    ットが形成されている磁気ディスク基板において、 円板状を成す内層と、該内層を覆う外層とを有し、 前記外層に複数の前記溝又はピットが形成され、 前記内層は、ポリエーテルイミド樹脂とポリエーテルニ
    トリル樹脂とノルボルネン系樹脂と繊維強化型樹脂との
    うち、いずれかの樹脂で形成され、 前記外層は、アモルファスポリオレフィン樹脂とポリメ
    チルペンテン樹脂とのうち、いずれかの樹脂で形成され
    ていることを特徴とする磁気ディスク基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005015549A1 (ja) * 2003-08-07 2005-02-17 Tdk Corporation 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置

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