JPH0828663A - 自動変速機の筐体構造 - Google Patents

自動変速機の筐体構造

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JPH0828663A
JPH0828663A JP19091594A JP19091594A JPH0828663A JP H0828663 A JPH0828663 A JP H0828663A JP 19091594 A JP19091594 A JP 19091594A JP 19091594 A JP19091594 A JP 19091594A JP H0828663 A JPH0828663 A JP H0828663A
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Masayuki Hashimoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の構造の利点を最大限に確保しつつ、ス
ターターモーター16をトルクコンバーター13の軸心
側に接近させる。 【構成】 連結面11Aとスターターモーター16の隣
接部分では、つば付き六角ボルト18をトランスミッシ
ョンケース12の外側から挿入してコンバーターハウジ
ング11の雌ネジ11Eに締め込む。それ以外の部分で
は、つば付き六角ボルト18をコンバーターハウジング
11の内側空間から挿入してトランスミッションケース
12側の雌ネジに締め込む。隣接部分において、ボルト
の頭や工具の挿入スペースをコンバーターハウジング1
1の内壁側に設ける必要が無くなった分だけ、スタータ
ーモーター16を軸心側に接近できる。同時に、雌ネジ
11Eの内側に、補強リブ11Hを切れ目無く設けるこ
とが可能となった。補強リブ11Hは筐体構造の剛性を
高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランスミッションケ
ースとコンバーターハウジングとを多数のネジ部材で一
体に連結した自動変速機の筐体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバーターに種々の変速切り換
え機構を連結した自動変速機が実用化され、操作者を変
速操作に伴う繁雑なクラッチ操作から解放している。自
動変速機の筐体構造は、変速切り換え機構を格納するト
ランスミッションケースに、トルクコンバーターを格納
するコンバーターハウジングを、多数のネジ部材によっ
て一体に連結して構成される。
【0003】トルクコンバーターの外径に比較して、変
速切り換え機構側のクラッチ板等が小径であるため、ト
ランスミッションケース側から軸方向に見れば、トラン
スミッションケースの外側にコンバーターハウジングが
はみ出している。従って、ネジ部材は、コンバーターハ
ウジングの内側空間から挿入され、トランスミッション
ケースのフランジ面に形成した雌ネジに締め込まれる。
コンバーターハウジングの外壁面には、トランスミッシ
ョンケースと並列にスターターモーターが取り付けられ
る。スターターモーターは、その先端の歯車を通じてト
ルクコンバーターを直接に回転駆動してエンジンを起動
させる。
【0004】図3は従来の自動変速機の筐体構造の説明
図である。ここでは、コンバーターハウジング31とト
ランスミッションケース32を多数の六角ボルト38で
連結して筐体構造が構成される。図3には、自動車用自
動変速機の筐体構造の一部分を断面で示しており、全体
の外観は図2の(a)に示す形態に、スターターモータ
ーの全体の外観は図2の(b)に示す形態にほぼ等し
い。
【0005】図3において、自動変速機の筐体構造は、
右側のトルクコンバーター33の収容空間を構成するコ
ンバーターハウジング31と、変速切り換え機構35を
格納したトランスミッションケース32とを、トランス
ミッションケース32の外縁に沿って配置した多数の六
角ボルト38で連結して構成される。コンバーターハウ
ジング31の右側の破線で示すエンジン連結面は、下方
に矢印で示したエンジンブロック30に対して自動変速
機全体を一体に連結する面である。
【0006】自動変速機の主軸33Cには、トルクコン
バーター33、オイルポンプ34、および変速切り換え
機構35が連結されてパワートレーンを形成している。
トルクコンバーター33は、図示しない右側のエンジン
の出力トルクを左側の変速切り換え機構35に伝達す
る。オイルポンプ34は、コンバーターハウジング31
の隔壁部31に支持され、トルクコンバーター33およ
び変速切り換え機構35に高圧のオイルを供給する。変
速切り換え機構35は、複数の遊星歯車装置と油圧制御
される複数のクラッチおよびブレーキとを含み、複数の
クラッチおよびブレーキを作動させる組み合わせによっ
て、動力伝達に関与する遊星歯車装置を選択する。変速
切り換え機構35の変速出力軸は、図示していないが、
変速切り換え機構35の軸(主軸33C)と平行に配置
される。この変速出力軸もまた、トランスミッションケ
ース32に支持される。
【0007】コンバーターハウジング31の図中上方に
は、スターターモーター36の取り付け孔31Bが形成
してある。スターターモーター36は、取り付け孔31
Bを囲むフランジ面に図示しないネジを締め付けて固定
される。スターターモーター36は、駆動モーター機構
と軸スライド機構とを内蔵する。スターターモーター3
6の軸の先端に固定された駆動歯車36Gは、軸スライ
ド機構によって矢印方向に移動可能である。エンジンを
起動する際には、スターターモーター36から駆動歯車
36Gを矢印方向に押し出して、トルクコンバーター3
3に固定された大径歯車34Gに噛み合わせる。
【0008】六角ボルト38は、実際には、トランスミ
ッションケース32の輪郭に沿ってほぼ等間隔に20個
以上が配置されるが、図3では、そのうちの1個、トラ
ンスミッションケース接合面31Aと取り付け孔31B
の隣接部分に位置する六角ボルト38のみを図示してい
る。六角ボルト38は、高張力鋼で形成されたつば付き
六角ボルトであって、高いトルクで締め付けてある。こ
れにより、トランスミッションケース32とコンバータ
ーハウジング31は強固に一体化され、トランスミッシ
ョンケース32に収納された変速切り換え機構35や図
示しない変速出力軸を剛性高く支持する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図3に示した従来の筐
体構造では、六角ボルト38の頭の周囲にソケットレン
チの挿入スペースを確保して、その外側にコンバーター
ハウジング31の外壁が位置する構造であるため、この
外壁がスターターモーター36に干渉して、スターター
モーター36とトルクコンバーター33の軸間隔をこれ
以上小さくできない問題がある。
【0010】また、六角ボルト38の内側にトルクコン
バーターに向かって突出させて、保持部31Dと同心円
状にコンバーターハウジング31の補強リブを設けよう
とすると、補強リブの外側にソケットレンチの挿入スペ
ースを確保すべく、スターターモーター36とトルクコ
ンバーター33の軸間隔を拡大する必要がある。あるい
は、同心円状の補強リブに六角ボルトの座面に相当させ
た切り欠きを設ける必要がある。しかし、このような切
り欠きは、補強リブの連続性を失わせて補強リブ11H
による剛性向上の効果を薄め、切り欠き部分に疲労破壊
を発生する可能性もある。
【0011】一方、六角ボルト38を六角穴付きボルト
とすれば、ソケットレンチの挿入スペースに相当するだ
け、スターターモーター36とトルクコンバーター33
の軸間隔を縮小できるが、六角穴付きボルトでは、コン
バーターハウジング31とトランスミッションケース3
2の間の必要な連結力およびシール性能を確保できない
問題がある。従って、六角ボルト38のすべてを六角穴
付きボルトとすればボルト間隔を狭くして本数を増す必
要がある。一方、トランスミッションケース連結面31
Aと取り付け孔31Bの隣接部分の六角ボルト38のみ
六角穴付きボルトにするのは組み立て時の工具交換が繁
雑である。
【0012】本発明は、トルクコンバーター側から挿入
したネジ部材によってトランスミッションケースとコン
バーターハウジングを連結する従来の筐体構造の利点を
最大限に確保したまま、スターターモーターとトルクコ
ンバーターの軸間隔を従来よりも短く設定できる自動変
速機の筐体構造を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の自動変速機の
筐体構造は、変速切り換え機構収納空間を形成するトラ
ンスミッションケースと、トルクコンバーター収納空間
の少なくとも外周部分を占めており、トランスミッショ
ンケース連結面とスターターモーター取り付け構造と
を、そのエンジン接合面の反対側に並列に開口させたコ
ンバーターハウジングと、を有し、前記コンバーターハ
ウジングの内側空間から挿入して前記トランスミッショ
ンケース側の雌ネジに締め込まれた多数のネジ部材によ
って、前記トランスミッションケースとコンバーターハ
ウジングが一体に連結される自動変速機の筐体構造にお
いて、前記トランスミッションケース連結面とスタータ
ーモーター取り付け構造の隣接部に位置する前記ネジ部
材については、前記トランスミッションケースの外側空
間から挿入して、前記コンバーターハウジング側に形成
した雌ネジに締め込む構造としたものである。
【0014】請求項2の自動変速機の筐体構造は、請求
項1記載の筐体構造において、前記隣接部に位置する前
記ネジ部材が他の前記ネジ部材よりも前記トルクコンバ
ーターの軸に近く配置され、前記隣接部に位置する前記
ネジ部材よりも前記軸に近く同心円状に、前記コンバー
ターハウジングの内壁面から立ち上げたリブ構造を形成
したものである。
【0015】請求項3の自動変速機の筐体構造は、請求
項1または2記載の筐体構造において、前記隣接部に位
置する前記ネジ部材としてつば付き六角ボルトを採用し
たものである。
【0016】
【作用】請求項1の自動変速機の筐体構造では、トラン
スミッションケース連結面とスターターモーター取り付
け構造の隣接部を除く部分では、コンバーターハウジン
グの内側空間から挿入されたネジ部材がトランスミッシ
ョンケース側の雌ネジに締め込まれる。これにより、従
来の筐体構造の利点が確保される。一方、トランスミッ
ションケース連結面とスターターモーター取り付け構造
の隣接部では、トランスミッションケースの外側空間か
ら挿入されたネジ部材がコンバーターハウジング側に形
成した雌ネジに締め込まれる。これにより、ネジ部材の
頭やネジ締め付け工具の挿入スペースをコンバーターハ
ウジング内壁側に設ける必要がなくなり、その分だけス
ターターモーターとトルクコンバーターの軸間隔を短く
設定できる。また、ネジ部材の頭やネジ締め付け工具挿
入スペースによる設計上の拘束が無くなり、コンバータ
ーハウジング内壁側の設計の自由度が拡大する。
【0017】請求項2の自動変速機の筐体構造では、ト
ルクコンバーターの軸と同心円状のリブ構造をコンバー
ターハウジングの内壁に立ち上げている。リブ構造は、
請求項1の筐体構造によって、ネジ部材の頭やネジ締め
付け工具の挿入スペースに相当する切り欠きや窪みを持
つこと無く連続し、コンバーターハウジングの殻構造を
補強する。これにより、トランスミッションケース連結
面を介してトランスミッションケース側の剛性を増大さ
せるとともに、コンバーターハウジングに支持されるオ
イルポンプや動力軸の支持剛性も増大する。
【0018】請求項3の自動変速機の筐体構造では、請
求項1の筐体構造によって、頭の回りに広いスペースが
必要なつば付き六角ボルトを採用しても、スターターモ
ーターとトルクコンバーターの軸間隔に関する設計上の
拘束が無い。つば付き六角ボルトは、そのつばによっ
て、ネジ中心よりもかなり外側まで有効な締め付け力を
発揮する。従って、フランジ自体の剛性が多少低くても
フランジ面の全体に圧力を分散して、強固な連結性能と
シール性能を確保できる。
【0019】
【実施例】図1、図2を参照して実施例の筐体構造を説
明する。図1は実施例の筐体構造の部分的な拡大図、図
2は筐体の全体構造の説明図である。図2中、(a)は
トランスミッションケース側から見た平面図、(b)は
スターターモーターの外観図である。ここでは、横置き
型エンジンに連結される自動変速機の筐体構造が示さ
れ、トランスミッションケース連結面とスターターモー
ター取り付け構造の隣接部では、トランスミッションケ
ースの外壁側から挿入したつば付き六角ボルトをコンバ
ーターハウジング側の雌ネジに締め込んでいる。
【0020】図1において、実施例の筐体構造は、図3
の従来例と同様に、トルクコンバーター13の収容空間
を構成するコンバーターハウジング11と、左側の図示
しない変速切り換え機構を格納したトランスミッション
ケース12とを、トランスミッションケース12の外縁
に沿って配置した多数のつば付き六角ボルト18で連結
して構成される。
【0021】図示されたつば付き六角ボルト18は、ト
ランスミッションケース12の連結面11Aとスタータ
ーモーター(16)の取り付け孔11Bの隣接部分に位
置しており、トランスミッションケース12の貫通孔1
2Cに挿入されてコンバーターハウジング11側の雌ネ
ジ11Eに締め込まれている。しかし、コンバーターハ
ウジング11とトランスミッションケース12を連結す
る他の図示しないつば付き六角ボルト18は、図3の従
来例と同様に、コンバーターハウジング11の内壁側か
ら連結面11Aのフランジに形成した貫通孔に挿入し
て、トランスミッションケース12側のフランジに形成
した雌ネジに締め込まれている。
【0022】つば付き六角ボルト18は、高張力鋼から
形成されて一般的な場合よりも高い締め付けトルクを付
与してあるから、トランスミッションケース12とコン
バーターハウジング11が強固に連結される。トランス
ミッションケース12およびコンバーターハウジング1
1は、アルミニウム合金の鋳物で形成され、連結面11
Aのフランジも鋼材の場合に比較すれば剛性が多少劣る
が、つば付き六角ボルト18のつばによって、ネジ中心
よりもかなり外側まで有効な締め付け圧力を及ぼして、
連結面11Aに重ねた図示しないシール材を完全に押圧
し、紙面方向に続く突き合わせ面に十分なシール性能を
確保している。スターターモーター16は、コンバータ
ーハウジング11の取り付け孔11Bに先端部分を挿入
し、取り付け孔11Bの外側に形成された楕円型のフラ
ンジにネジ固定して組み立てられる。
【0023】図2の(a)において、実施例の筐体構造
は、横置き型エンジンに連結される自動変速機10に使
用される。自動変速機10は、変速出力を出力する出力
軸10Dを主軸13Cと並列に分離して配置している。
自動変速機10は、コンバーターハウジング11の後方
に連結された図示しないエンジンブロックから、主軸1
3C上の入力軸を通じてエンジン出力を入力させる。そ
して、トランスミッションケース12の変速機構収納部
12Bに格納された変速切り換え機構で変速比を調整し
た回転出力が、出力軸10Dを通じて出力される。トラ
ンスミッションケース12の出力軸10Bの周囲の部分
12Dには、ディファレンシャル機構が内蔵される。
【0024】コンバーターハウジング11の内壁面に
は、紙面の裏側方向に向かって補強リブ11H(破線)
が立ち上がる。図中の記号+は、コンバーターハウジン
グ11の内壁側から挿入されてトランスミッションケー
ス側の雌ネジに締め込まれたつば付き六角ボルト18の
位置を示す。記号+の外側位置では、コンバーターハウ
ジング11とトランスミッションケース12の接続フラ
ンジが共に円筒状に外側に向かってふくらんでいる。こ
のふくらみは、雌ネジの周囲に十分な肉厚を付与して雌
ネジの強度と周囲のシール性能を確保させる。コンバー
ターハウジング11とトランスミッションケース12の
連結に関与する多数のつば付き六角ボルト18のうち、
スターターモーター16との隣接部分に位置する1本だ
けが、トランスミッションケース12の外側空間から挿
入されてコンバーターハウジング11側の雌ネジに締め
込まれる。
【0025】トランスミッションケース12の取り付け
フランジとスターターモーター16の隣接部分に位置す
るつば付き六角ボルト18は、トランスミッションケー
ス12のフランジのふくらみ12Eの上に座り、トラン
スミッションケース12側からソケットレンチをアクセ
スして締め付けられる。これに対応して、トランスミッ
ションケース12の外壁には凹所12Fが設けてある。
コンバーターハウジング11の雌ネジ11Eに隣接して
立ち上がる補強リブ11Hは、後述するようにトルクコ
ンバーター13の軸回りに同心円状に連続している。補
強リブ11Hは、連結面11Aのフランジを裏打ちし
て、トランスミッションケース12の支持剛性を高め
る。同時に、中心に向かう隔壁部分11Dを介して、隔
壁部分11Dに支持される図示しないオイルポンプの支
持剛性も高める。スターターモーター16は取り付けフ
ランジ16Fをトルクコンバーターハウジング11側の
図示しない雌ネジにネジ止めして自動変速機10に固定
される。
【0026】図2の(b)において、スターターモータ
ー16は、モーター機構16Aとシリンダー機構16B
を含む。シリンダー機構16Bの軸に設けた駆動歯車1
6Gは、モーター機構16Aによって回転駆動される。
シリンダー機構16Bは、駆動歯車16Gを軸方向に出
し入れして、トルクコンバーターを回転駆動してエンジ
ンを起動させる起動位置と、トルクコンバーターと分離
された通常位置の2つを取らせる。
【0027】以上説明した本実施例の筐体構造によれ
ば、トランスミッションケース12の連結部分とスター
ターモーター16の隣接部分を除いて、従来どおり、コ
ンバーターハウジング11の内壁側からつば付き六角ボ
ルト18を挿入してトランスミッションケース12をコ
ンバーターハウジング12に固定するから、従来の筐体
構造の利点がそのまま維持される。すなわち、トランス
ミッションケース側の外観が単純化され、つば付き六角
ボルトが外気に晒されて腐食したり、つば付き六角ボル
トの頭に汚れが蓄積したり、清掃の容易さや効果を損ね
たり、錆を噛み込んで雌ネジを破損したり、工具による
締め付け傷が外観を損ねることもない。そして、従来の
筐体構造からの設計変更を最小限に留めたから、信頼性
の高い自動変速機を安価に提供できる。
【0028】そして、トランスミッションケース12の
連結部分とスターターモーター16の隣接部分の1本の
つば付き六角ボルト18について、トランスミッション
ケース12の外側空間から挿入してコンバーターハウジ
ング側の雌ネジに締め込む構造を採用したため、つば付
き六角ボルト18の頭やソケットレンチの挿入スペース
に起因するこの部分の設計上の拘束が無くなり、スター
ターモーター16を主軸13Cに従来よりも近く配置で
きた。従って、スターターモーター16が自動変速機1
0の外側に従来ほど大きく突出しなくなり、車体内のエ
ンジンブロック取り付けスペースが節約された。車体内
での保守、清掃のスペース確保も容易となった。また、
切り欠きの無い連続した補強リブ11Hを設けたから、
筐体構造自体の剛性はもちろん、内部に保持される変速
切り換え機構等の支持剛性も高まった。さらに、つば付
き六角ボルトを採用したため、最小限の本数で必要な連
結強度、剛性、シール性能を確保できた。
【0029】具体的には、図3の従来例と比較して、本
実施例では、つば付き六角ボルト18の頭やソケットレ
ンチの挿入スペースをコンバーターハウジング11の内
壁側に確保しない分、コンバーターハウジング11の壁
面の立上がり(図中水平方向)をトルクコンバーター1
3の軸に近く配置できた。これにより、スターターモー
ター16の取り付け孔11Bをトルクコンバーター13
の軸に近く配置して、スターターモーター16の干渉線
をトランスミッションケース12の外壁に大きく近付け
ることができた。また、つば付き六角ボルト18よりも
外側(図1における上方)に位置するコンバーターハウ
ジング11の内壁面に余裕が発生したと同時に、つば付
き六角ボルト18よりも内側(図中下方)に位置する内
壁面でも設計の自由度が増している。この自由度によっ
て始めて切り欠きの無い連続した補強リブ11Hが可能
となった。
【0030】
【発明の効果】本発明の自動変速機の筐体構造によれ
ば、従来の筐体構造の利点を損なうことなく、スタータ
ーモーターの隣接部分におけるコンバーターハウジング
内壁面の設計の自由度を高め得る。すなわち、スタータ
ーモーターを従来よりも内側に配置して自動変速機の外
観をコンパクトにまとめることが可能となり、内側に同
心円状の補強リブを設けることも可能になる。六角穴付
きボルトを採用した場合のように作業中の工具の交換や
作業の不自由、自動化の困難等は起きない。従来の筐体
構造の設計、金型、付属部品、組み立て設備等で最大限
の共有を確保できるから、小型で高性能の自動変速機を
安価かつ高信頼性に提供できる。
【0031】コンバーターハウジングの内壁面に補強リ
ブ構造を設けた場合、外観のコンパクト化に加えて、筐
体構造自身および内部に保持された変速切り換え機構、
オイルポンプ、トルクコンバーター等の支持剛性が総合
的に高まる。これにより、従来どおりの肉厚でも騒音や
振動を低減し、振動に起因するネジの緩みや故障を排除
して自動変速機の寿命と信頼性を向上できる。換言すれ
ば、自動変速機の寿命と信頼性を落とすこと、薄肉軽量
化を実現できる。
【0032】つば付き六角ボルトを採用した場合、1本
のボルト当たりの締め付け効果が高まるため、最小限の
本数でコンバーターハウジングとトランスミッションケ
ースの連結強度を確保できる。少ないボルト本数は、加
工、組み立ての工数を減らして低コストの製造を可能に
する。また、ロボットを用いた自動組み立ても容易に実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の筐体構造の部分的な断面図である。
【図2】筐体の全体構造の説明図である。
【図3】従来の筐体構造の説明図である。
【符号の説明】
10 自動変速機 11、31 コンバーターハウジング 12、32 トランスミッションケース 13、33 トルクコンバーター 16、36 スターターモーター 18、38 つば付き六角ボルト 10B 出力軸 11A、31A 連結面 11B、31B 取り付け孔 11D、31D 隔壁構造 11E 雌ネジ 11H 補強リブ 12B 機構格納部 12C 貫通孔 12E ふくらみ 12F 凹所 13C 主軸 16A モーター機構 16B シリンダー機構 16F フランジ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速切り換え機構収納空間を形成するト
    ランスミッションケースと、 トルクコンバーター収納空間の少なくとも外周部分を占
    めており、トランスミッションケース連結面とスタータ
    ーモーター取り付け構造とを、そのエンジン接合面の反
    対側に並列に開口させたコンバーターハウジングと、を
    有し、 前記コンバーターハウジングの内側空間から挿入して前
    記トランスミッションケース側の雌ネジに締め込まれた
    多数のネジ部材によって、前記トランスミッションケー
    スとコンバーターハウジングが一体に連結される自動変
    速機の筐体構造において、 前記トランスミッションケース連結面とスターターモー
    ター取り付け構造の隣接部に位置する前記ネジ部材につ
    いては、前記トランスミッションケースの外側空間から
    挿入して、前記コンバーターハウジング側に形成した雌
    ネジに締め込む構造としたことを特徴とする自動変速機
    の筐体構造。
  2. 【請求項2】 前記隣接部に位置する前記ネジ部材が他
    の前記ネジ部材よりも前記トルクコンバーターの軸に近
    く配置され、 前記隣接部に位置する前記ネジ部材よりも前記軸に近く
    同心円状に、前記コンバーターハウジングの内壁面から
    立ち上げたリブ構造を形成したことを特徴とする請求項
    1記載の自動変速機の筐体構造。
  3. 【請求項3】 前記隣接部に位置する前記ネジ部材がつ
    ば付き六角ボルトであることを特徴とする請求項1また
    は2記載の変速機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010014239A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Nabtesco Corp 偏心型減速機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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