JPH08285484A - ループ式ヒートパイプの作動液の循環制御装置 - Google Patents

ループ式ヒートパイプの作動液の循環制御装置

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JPH08285484A
JPH08285484A JP7117870A JP11787095A JPH08285484A JP H08285484 A JPH08285484 A JP H08285484A JP 7117870 A JP7117870 A JP 7117870A JP 11787095 A JP11787095 A JP 11787095A JP H08285484 A JPH08285484 A JP H08285484A
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耕一 益子
Masao Shiraishi
正夫 白石
Mikiyuki Ono
幹幸 小野
Masataka Mochizuki
正孝 望月
Yuji Saito
祐士 斎藤
Hitoshi Hasegawa
仁 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸発部内の圧力変動にかかわらず、所定量の
作動液を供給することができるループ式ヒートパイプの
作動液の循環制御装置を提供する。 【構成】 ループ式ヒートパイプ11のリザーバ17の
下部に、循環ポンプPを有する配管18と、第1自動弁
19を有する配管20とが、第2自動弁21を有する液
戻り管15に接続され、また蒸発管12内部の圧力を検
出する第1圧力検出器14と、液戻り管15内部の圧力
を検出する第2圧力検出器16と、液戻り管15内部の
流量を検出する流量検出器22と、第1および第2圧力
検出器14,16の検出信号に基づいて、第1自動弁1
9の開度を制御するとともに、流量検出器22の検出信
号に基づいて、第2自動弁21の開度を制御するコント
ローラ23とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、作動液の蒸気流路と
液流路とが分離されたループ型ヒートパイプに関し、特
にヒートパイプの蒸発部に所定量の作動液を還流・循環
させる制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のようにヒートパイプは、真空脱気
したパイプなどの容器の内部に、水やアルコール、フロ
ンなどの凝縮性の流体を作動液として封入したものであ
り、温度差が生じることにより動作し、高温部で蒸発し
た作動液が低温部に流動して放熱・凝縮することによ
り、作動液の潜熱として熱輸送を行う。このようにヒー
トパイプは、僅かな温度差によって動作するうえ、熱伝
導率が銅などの金属の数十倍ないし百数十倍に達するの
で、各種の熱関連機器・設備に採用されている。
【0003】その一例として、高温の地熱をヒートパイ
プによって地上に抽出し、その熱を融雪や発電等に有効
利用することが提案されている。この種のヒートパイプ
式地熱抽出装置は、例えば図4に示すように、地上aか
ら地下bの地熱地帯dに深く穴cが掘られ、地上aから
この穴cに地熱抽出装置1のヒートパイプ2を挿入して
直接埋設されている。
【0004】そして、蒸発管3の他端にはリザーバを備
えた凝縮器5が取付けられ、この凝縮器5が流量調整弁
6を有する液戻り管7に接続されている。この液戻り管
7は、蒸気管3の内部に途中から挿入されるとともに、
蒸気管3の内面に液化した作動液Aを噴出するよう、小
径の噴出孔が複数形成されている。したがって、このヒ
ートパイプ2は全体としてほぼ閉じたループに構成さ
れ、真空脱気した状態でフロン等の凝縮性の作動液Aが
封入され、この作動液Aにより蒸発部4から凝縮器5に
熱輸送するようになっている。
【0005】一方、凝縮器5には作動液Aにより輸送さ
れる熱により、所定の性状の蒸気を得るように管路8が
配管されている。この管路8には、発電装置(タービ
ン)9および冷却装置10が接続されている。
【0006】上記のように構成された従来の地熱抽出装
置1によれば、所定の開度に調整された流量調整弁6を
介して作動液Aが重力により流下して蒸発部4に供給さ
れ、この作動液Aが蒸発し蒸気流となって上昇して凝縮
器5に流れ、スケール等の異物を含むことなく地熱のみ
が効率良く抽出され、この抽出された地熱により、発電
装置9において発電が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の地熱抽出装
置1による発電が、地熱抽出開始直後から良好に行われ
るよう、特開平2−282653号公報に記載の発明の
ように、流量調整弁6の開度を一時的に大きくすると、
地熱地帯dの温度、すなわち蒸発部4の温度が極めて高
いため、蒸発した作動液Aの圧力、すなわち液戻り管7
の外部の圧力が急激に上昇してしまい、液戻り管7の内
部の圧力では前記噴出孔から作動液Aが噴出されないと
いう問題があった。
【0008】またさらに、地熱地帯dの温度は変動する
ものであるから、蒸発部4の内部における蒸発した作動
液Aの圧力、すなわち液戻り管7の外部の圧力が変動す
る。すなわち、液戻り管7の内部の圧力と外部の圧力と
の圧力差が変動する。そのため、所定量の作動液Aを常
時蒸発部4に還流するように、流量調整弁6を調節する
ことが困難であった。
【0009】この発明は、上記の事情を背景になされた
もので、蒸発部の温度の変動による蒸発部内の圧力変動
にかかわらず、所定量の作動液を供給することができる
ループ式ヒートパイプの作動液の循環制御装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、ヒートパイプの蒸発管の内側に、こ
の蒸発管の内面に凝縮部から還流する作動液を噴出する
よう、複数の噴出孔が形成されている液戻り管が配設さ
れているループ式ヒートパイプの作動液の循環制御装置
において、前記凝縮部側に設けられた作動液を貯溜する
リザーバから、循環ポンプが配設された作動液流路と、
第1の自動弁が配設された作動液流路とが、第2の自動
弁が配設された前記液戻り管に接続され、また前記蒸発
管に、この蒸発管内部の圧力を検出する第1の圧力検出
手段が設けられるとともに、前記液戻り管に、この液戻
り管内部の圧力を検出する第2の圧力検出手段と、この
液戻り管を流通する作動液の流量を検出する流量検出手
段とが設けられ、前記第1および第2の圧力検出手段の
検出信号に基づいて、前記第1の自動弁の開度を制御す
る第1の制御手段と、前記流量検出手段の検出信号に基
づいて、前記第2の自動弁の開度を制御する第2の制御
手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】上記構成によるこの発明によれば、蒸発管内部
の圧力と液戻り管内部の圧力とに基づく第1の制御手段
による第1の自動弁の制御が行われるとともに、液戻り
管内部を流通する作動液の流量に基づく第2の制御手段
による第2の自動弁の制御が行われるため、液戻り管の
噴出孔から常に所定量の作動液が噴出される。
【0012】具体的に説明すると、第1の圧力検出手段
と第2の圧力検出手段とにより、蒸発管内部の圧力と液
戻り管内部の圧力とが検出される。そして、この検出信
号により、リザーバと液戻り管との間に配設され、循環
ポンプを有する作動液流路のバイパス流路に設けられた
第1の自動弁が制御され、液戻り管内部の圧力の調節が
行われる。そのため、液戻り管内部の圧力が、蒸発管内
部の圧力に対してほぼ一定の圧力差を有するよう調節す
ることができる。したがって、液戻り管の噴出孔から常
に作動液が噴出される。
【0013】そして、この状態で、第2の制御手段によ
り制御される第2の自動弁により、液戻り管を流通する
作動液の量が正確に調整される。そのため、蒸発管内に
おいて、その温度や圧力が変動しても、噴出孔を介して
蒸発管の内面に所定量の作動液が供給される。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1において、この実施例のループ式ヒートパ
イプ11は、図4で説明した従来のループ式ヒートパイ
プと同様に、真空脱気した密閉管の内部に作動液Aが封
入され、この作動液Aにより熱源に配設された蒸発管1
2から凝縮器13に熱輸送が行われるようになってい
る。
【0015】この実施例のループ式ヒートパイプ11に
は、蒸発管12の内部の圧力P1 を検出する第1圧力検
出器14と、液戻り管15の内部の圧力P2 を検出する
第2圧力検出器16が設けられている。
【0016】そして、蒸発管12の他端に配設された凝
縮器13の下側に、液化した作動液Aを貯溜するリザー
バ17が接続され、このリザーバ17の下側には、循環
ポンプPが配設されている配管18と第1自動弁19が
配設される配管20とが並列に接続されている。
【0017】これら配管18,20は、蒸発管12の内
側に配設される液戻り管15に連通するよう構成されて
いて、この液戻り管15には、第2自動弁21と流量検
出器22とが配設されている。そして、この液戻り管1
5は、蒸気管12の内部に途中から挿入されるととも
に、蒸気管12の内面に液化した作動液Aを噴出するよ
う、小径の噴出孔15aが複数形成されている。
【0018】一方、参照符号23は、第1圧力検出器1
4および第2圧力検出器16の検出信号に基づいて、第
1自動弁19の開度X1 の調節を行うとともに、流量検
出器22によって検出される作動液Aの流量に応じて、
第2自動弁21の開度X2 の調節を行うコントローラ
(制御手段)であり、図2に示したフローチャートに基
づいて、第1自動弁19と第2自動弁21とを制御する
よう構成されている。
【0019】これを簡単に説明すると、第1圧力検出器
14によって検出された蒸発管12の内部の圧力P1
が、第2圧力検出器16によって検出された液戻り管1
5の内部の圧力P2 より低いか否かが判断される(ステ
ップ1)。この判断結果が“ノー”の場合、すなわち液
戻り管15の外部の圧力P1 がその内部の圧力P2 より
高い場合、第1自動弁19の開度X1 を例えば5%減少
させ(ステップ2)、ステップ1に戻る。反対に、ステ
ップ1の判断結果が“イエス”の場合、すなわち液戻り
管21の内部の圧力P2 がその外部の圧力P1 より高い
場合、ステップ3に進む。
【0020】このステップ3では、流量検出器22によ
って検出された作動液Aの流量Fmが、所定の熱輸送量
を確保することができる作動液Aの必要流量Fs と許容
流量F0 の和より大きいか否かが判断される。この判断
結果が“イエス”の場合、すなわち、液戻り管15の噴
射口15aから噴出される作動液Aの量が必要以上に大
きい場合、第2自動弁21の開度X2 を例えば5%減少
させ(ステップ4)、ステップ3に戻る。反対に、この
ステップ3の判断結果が“ノー”の場合、ステップ5に
進む。
【0021】このステップ5では、流量検出器22によ
って検出された作動液Aの流量Fmが、作動液Aの必要
流量Fs より小さいか否かが判断される。この判断結果
が“イエス”の場合、すなわち蒸発管12に還流する作
動液Aの流量Fm が不十分な場合は、第2自動弁21の
開度X2 を例えば5%増大させ(ステップ6)、ステッ
プ3に戻る。反対に、このステップ5の判断結果が“ノ
ー”の場合、第1および第2自動弁19,21の開度X
1 ,X2 を変更せずに、ステップ1に戻る。
【0022】つぎに、上記説明したこのループ式ヒート
パイプ11の動作につき説明する。このループ式ヒート
パイプ11が定常状態で熱輸送を行っている場合、すな
わち熱源の温度が一定の場合、蒸発管12内に所定量の
作動液Aが供給され続けて、蒸発管12から凝縮器13
に所定の熱輸送が行われる。
【0023】ここで、ループ式ヒートパイプ11の起動
初期や熱源の温度が急激に上昇した場合、蒸発管12内
の圧力P1 が、急激に上昇して、液戻り管15の内部の
圧力P2 より高くなろうとするが、第1自動弁19の開
度X1 が減少されて、液戻り管15内における作動液A
の圧力P2 が上昇し、この作動液Aの圧力P2 が蒸発管
12の圧力P1 より高くなるため、噴出孔15aから作
動液Aが噴出する。ここで、第1自動弁19の開度X1
と液戻り管15内の液化作動液Aの圧力P1 との関係を
図3に示す。
【0024】このようにして、液戻り管15内部の圧力
P2 が、液戻り管15外部の圧力P1 より高くされて、
蒸発管12の内面への作動液Aの還流が確保された場
合、その還流量を設定範囲に収めるべく(Fs <Fm <
Fs +F0 )、第2自動弁21の開度X2 の制御が、流
量検出器22の検出信号に基づいて、コントローラ23
により行われる。
【0025】すなわち、第1自動弁19は液戻り管15
内の液化作動液Aの圧力を所定の圧力まで高めるための
圧力調整弁として機能し、第2自動弁21は圧力が高め
られた液化作動液Aの流量を調整する流量調整弁として
機能する。そのため、蒸発管12内における気化作動液
Aの蒸気圧力P1 の変動に対し、ほぼ一定の圧力差を有
するよう、液戻り管15内の液化作動液Aの圧力P2 が
調整されるとともに、液戻り管15を流通する液化作動
液Aの流量Fm が所定の範囲内に調整される。したがっ
て、このループ式ヒートパイプ11は常に所定の熱輸送
量を行うよう制御されている。
【0026】上記説明したループ式ヒートパイプ11で
は、蒸発管12内の圧力上昇のみに対応して作動液Aの
循環流量Fm を調整するように構成したが、当然、蒸発
管12内の圧力が低下した場合、第1自動弁19もしく
は第2自動弁21の開度X1,X2 を調節して、液戻り
管15の噴出孔15aを介して噴出される作動液Aの量
を所定の範囲内にするよう構成することもできる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、第1の自動弁により、蒸発管内部の蒸発した作動液
の圧力に対して、常にほぼ一定の圧力差を維持するよ
う、液戻り管内部の作動液の圧力を調整することができ
るので、液戻り管の噴出孔から常に作動液を蒸発管内面
に噴出することができ、必要とする熱輸送量を確保する
ことができる。さらに、第2の自動弁により、噴出する
作動液の流量を設定範囲内に調整することができるの
で、常時、所定の熱輸送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す概略図である。
【図2】図1に示した実施例の制御ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図3】図1に示したループ式ヒートパイプにおける第
1自動弁の開度と液戻り管内の作動液の圧力との関係を
概略的に示す図である。
【図4】従来のループ式ヒートパイプの一例を示す概略
図である。
【符号の説明】
11…ループ式ヒートパイプ、 12…蒸発管、 13
…凝縮器、 14…第1圧力検出器、 15…液戻り
管、 16…第2圧力検出器、 17…リザーバ、 1
9…第1自動弁、 21…第2自動弁、 22…流量検
出器、 23…コントローラ、 A…作動液、 P…循
環ポンプ、 P1 …蒸発管内の圧力、 P2 …液戻り管
内の圧力、 X1 …第1自動弁の開度、 X2 …第2自
動弁の開度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 正夫 茨城県つくば市並木一丁目2番地 工業技 術院機械技術研究所内 (72)発明者 小野 幹幸 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 望月 正孝 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 斎藤 祐士 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 長谷川 仁 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒートパイプの蒸発管の内側に、この蒸
    発管の内面に凝縮部から還流する作動液を噴出するよ
    う、複数の噴出孔が形成されている液戻り管が配設され
    ているループ式ヒートパイプの作動液の循環制御装置に
    おいて、 前記凝縮部側に設けられた作動液を貯溜するリザーバか
    ら、循環ポンプが配設された作動液流路と、第1の自動
    弁が配設された作動液流路とが、第2の自動弁が配設さ
    れた前記液戻り管に接続され、また前記蒸発管に、この
    蒸発管内部の圧力を検出する第1の圧力検出手段が設け
    られるとともに、前記液戻り管に、この液戻り管内部の
    圧力を検出する第2の圧力検出手段と、この液戻り管を
    流通する作動液の流量を検出する流量検出手段とが設け
    られ、前記第1および第2の圧力検出手段の検出信号に
    基づいて、前記第1の自動弁の開度を制御する第1の制
    御手段と、前記流量検出手段の検出信号に基づいて、前
    記第2の自動弁の開度を制御する第2の制御手段とを備
    えていることを特徴とするループ式ヒートパイプの作動
    液の循環制御装置。
JP7117870A 1995-04-19 1995-04-19 ループ式ヒートパイプの作動液の循環制御装置 Expired - Lifetime JP2609217B2 (ja)

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Cited By (6)

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US9455212B2 (en) 2009-11-19 2016-09-27 Fujitsu Limited Loop heat pipe system and information processing apparatus

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