JPH08285118A - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JPH08285118A
JPH08285118A JP11643995A JP11643995A JPH08285118A JP H08285118 A JPH08285118 A JP H08285118A JP 11643995 A JP11643995 A JP 11643995A JP 11643995 A JP11643995 A JP 11643995A JP H08285118 A JPH08285118 A JP H08285118A
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piston
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Norito Watanabe
憲人 渡辺
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泰久 廣瀬
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気密性の高い電磁弁を安価に提供することを
目的とする。 【構成】 本発明の電磁弁1は、ソレノイド2によって
駆動する両端に弁体10,11を備えた可動鉄心4と、
その可動鉄心4と同軸状に配置され両端に弁体33,3
4を備えたピストン32とを、その間に形成された細孔
23に嵌挿されたロッド27が、お互いの弁体11,3
3に当接するよう構成されているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業機械に用いられる
流体を制御する電磁弁に関し、特に、複数のポート間の
流体の流れを1つのソレノイドで制御する電磁弁に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、主として複動アクチュエータ
の作動に数多く使用されている電磁弁には、例えば次の
ようなものが用いられている。図8は、従来の電磁弁を
示す断面図である。これは、ポペット・スプール複合形
の構造をなす電磁弁である。プランジャ101を取り巻
くようにしてコイル102が配設されたパイロット弁1
03に、連通孔を介して主弁部104が形成されてい
る。この主弁部104には、各ポートへの連通あるいは
遮断を制御する主弁105が嵌挿されている。この主弁
105は、中央にポペット弁106、そして左右にスプ
ール弁107,108を備えるものである。そして、各
ポート間を流れる流体を遮断すると共にスプール弁10
7,108に対する摺動抵抗を下げるためにリップパッ
キン109,109…が使用されている。そして、この
ような構成による電磁弁では、パイロット弁103の操
作によって主弁105が流体圧によって軸芯方向に駆動
するが、主弁105に形成されたポペット弁105及び
スプール弁107,108の開閉の組合せによって各ポ
ートが連通あるいは遮断される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図8に示し
た上記5ポート電磁弁は一例であり、その他異なった構
成の電磁弁が使用されている。しかし、いずれの電磁弁
においても、1つのソレノイドで弁を駆動させるもので
は、ポペット弁にスプール弁を併用した構成のものばか
りである。そのため、スプール弁を使用した場合には、
上記したようにリップパッキン109,109…によっ
てシールし、流体の洩れを防いでいるが、高いレベルで
気密性を要求される場合にはこれで対応することが困難
である。そのため、シール性を高めるためにポペット弁
を使用した3ポート電磁弁を2個用いたような電磁弁を
作成することも考えられる。しかし、これによってポペ
ット弁による高い気密性が達成される反面、ソレノイド
を2個も使用したのでは弁自体が大型化し、また、作成
のためのトータルコストが高くなるという欠点がある。
【0004】そこで、かかる問題点を解決すべく本発明
は、気密性の高い電磁弁を安価に提供することを目的と
する。また、ポート数を問わず1個のソレノイドによっ
て構成されるコンパクトな電磁弁を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁弁は、ソレ
ノイドによって駆動する両端に弁体を備えた可動鉄心
と、前記可動鉄心と同軸状に配置され両端に弁体を備え
たピストンと、前記可動鉄心と前記ピストンとの間に形
成された細孔と、前記細孔を挟む前記可動鉄心下端の弁
体と前記ピストン上端の弁体とに互いに当接する前記細
孔内に嵌挿されたロッドとを有するものである。また、
本発明の電磁弁は、両端に弁体を備えたソレノイドによ
って駆動する可動鉄心と、前記可動鉄心と同軸状に配置
され両端に弁体を備えた複数のピストンと、前記可動鉄
心と前記ピストン及び前記ピストン間に形成された細孔
と、前記細孔を挟む前記可動鉄心の弁体と前記ピストン
の弁体、又は前記ピストンの弁体どうしに互いに当接す
る前記細孔内に嵌挿されたロッドとを有するものであ
る。
【0006】また、本発明の電磁弁は、所定のポートに
連通する前記可動鉄心上部の弁体に対応する弁座が形成
された固定鉄心と、開口部に弁座が形成された前記細孔
と、所定の連通孔に連通する複数のポートとが形成され
た第1ブロックと、前記ピストンが摺動可能な上方が開
放されたシリンダと、前記シリンダ底面に形成された弁
孔に連通するポートが形成された第2ブロックとを有
し、前記可動鉄心、細孔、及びピストンとが同軸状に配
設され、前記ロッドが可動鉄心下部の弁体とピストン上
部の弁体とに互いに当接するよう第1ブロックと第2ブ
ロックとが一体に固設されたものであることが望まし
い。
【0007】また、本発明の電磁弁は、所定のポートに
連通する前記可動鉄心上部の弁体に対応する弁座が形成
された固定鉄心と、開口部に弁座が形成された前記細孔
と、所定の連通孔に連通する複数のポートとが形成され
た第1ブロックと、前記ピストンが摺動可能な上方が開
放されたシリンダと、そのシリンダ底面に形成された弁
孔に連通するポートが形成された第2ブロックとを有
し、前記ピストンが摺動可能な上方が開放されたシリン
ダと、開口部に弁座が形成された前記細孔と、所定の連
通孔に連通する複数のポートとが形成された第3ブロッ
クを有し、前記可動鉄心、各細孔、及び各ピストンとが
同軸状に配設され、前記各ロッドが前記可動鉄心又は前
記ピストンに装着された各弁体の両者に当接するよう、
前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間に1個又は
複数の前記第3ブロックが一体に固設されたものである
ことが望ましい。
【0008】また、本発明の電磁弁は、前記可動鉄心
が、前記固定鉄心に形成された第1のポートの連通を制
御する第1の弁体と、前記第1ブロックの細孔の連通を
上方開口部で制御する第2の弁体とを備え、前記第2ブ
ロックに備えられたピストンが、前記第1ブロックの細
孔の連通を下方開口部で制御する第3の弁体と、当該第
2ブロックのシリンダに連通する第5のポートの連通を
制御する第4の弁体とを備え、前記1ブロックの細孔
が、上方開口から第2のポートに連通し、その細孔経路
途中で第3のポートに連通し、下方開口から第4のポー
トに連通しているものであることが望ましい。
【0009】更に、本発明の電磁弁は、前記可動鉄心
が、前記固定鉄心に形成された第1のポートの連通を制
御する第1の弁体と、前記第1ブロックの細孔の連通を
上方開口部で制御する第2の弁体とを備え、前記第2ブ
ロックに備えられたピストンが、前記第3ブロックの細
孔の連通を下方開口部で制御する第3の弁体と、当該第
2ブロックのシリンダに連通する第7のポートの連通を
制御する第4の弁体とを備え、前記第3ブロックに備え
られたピストンが、前記第1ブロックの細孔又は前記他
の第3ブロックの細孔の連通を下方開口部で制御する第
5の弁体と、第2ブロックの細孔又は前記他の第3ブロ
ックの細孔の連通を上方開口部で制御する第6の弁体と
を備え、前記第1ブロックの細孔が、上方開口から第2
のポートに連通し、その細孔経路途中で第3のポートに
連通し、下方開口から第4のポートに連通し、前記第3
ブロックの細孔が、下方開口から第5のポートに連通
し、その細孔経路途中で第6のポートに連通しているも
のであることが望ましい。
【0010】
【作用】本発明の電磁弁は、ソレノイドによって可動鉄
心が駆動するが、その際、同軸状に配設されたピストン
が、その可動鉄心とピストンとの間の細孔内に嵌挿され
たロッドを介して、又はそのロッドの押圧力から解放さ
れることにより連動し、可動鉄心及びピストンの両端に
備えられた弁体によって閉弁又は開弁が行なわれ、電磁
弁本体内を流れる流体の方向が制御される。また、本発
明の電磁弁は、ソレノイドによって可動鉄心が駆動する
が、その際、同軸状に配設された複数のピストンが、そ
の可動鉄心とピストン間又はピストンとピストン間の細
孔内に嵌挿されたロッドを介して、又はそのロッドの押
圧力から解放されることにより連動し、可動鉄心及び前
記複数のピストンの両端に備えられた弁体によって閉弁
又は開弁が行なわれ、電磁弁本体内を流れる流体の方向
が制御される。
【0011】本発明の電磁弁は、ソレノイドによって可
動鉄心が駆動し、そしてロッドを介して、又はそのロッ
ドの押圧力から解放されることによりピストンが連動し
て弁の開閉が行なわれるが、その際、可動鉄心が固定鉄
心から離間している場合には、可動鉄心及びピストン共
に下降しているため、シリンダ底面に形成された弁孔が
閉弁され、第2ブロックに形成されたポートが遮断され
た状態にあり、固定鉄心に形成されたポート及び第1ブ
ロックに形成された複数のポートの所定のポート間で連
通する一方、可動鉄心が固定鉄心に当接している場合に
は、可動鉄心及びピストン共に上昇しているため、固定
鉄心に形成された弁座が閉弁され、その弁座に連通する
ポートが遮断された状態にあり、第1ブロックに形成さ
れた複数のポート及び第2ブロックに形成されたポート
の所定のポート間で連通することにより、各動作毎に電
磁弁本体内を流れる流体の方向が制御される。
【0012】本発明の電磁弁は、ソレノイドによって可
動鉄心が駆動し、そしてロッドを介して、又はそのロッ
ドの押圧力から解放されることによりピストンが連動し
て弁の開閉が行なわれるが、その際、可動鉄心が固定鉄
心から離間している場合には、可動鉄心及び各ピストン
共に下降しているため、シリンダ底面に形成された弁孔
が閉弁され、第2ブロックに形成されたポートが遮断さ
れた状態にあり、固定鉄心に形成されたポート及び第
1、第3ブロックに形成された複数のポートの所定のポ
ート間で連通する一方、可動鉄心が固定鉄心に当接して
いる場合には、可動鉄心及びピストン共に上昇している
ため、固定鉄心に形成された弁座が閉弁され、その弁座
に連通するポートが遮断された状態にあり、第1、第3
ブロックに形成された複数のポート及び第2ブロックに
形成されたポートの所定のポート間で連通することによ
り、各動作毎に電磁弁本体内を流れる流体の方向が制御
される。
【0013】また、本発明の電磁弁は、可動鉄心が下降
している場合には、第2ブロックのピストンも下降して
いるため、固定鉄心の第2の弁体によって第1ブロック
の細孔の上方開口部が遮断されるとともに、そのピスト
ンの第4の弁体によってシリンダに連通する第5のポー
トが遮断されることとなり、第1のポートと第2のポー
ト間、及び第3のポートと第4のポート間で連通する一
方、可動鉄心が上昇して固定鉄心に当接している場合に
は、第2ブロックのピストンも上昇しているため、固定
鉄心の第1の弁体によってその固定鉄心に形成された第
1のポートが遮断されるとともに、そのピストンの第3
の弁体によって第1ブロックの細孔の下方開口部が遮断
されることとなり、第2のポートと第3のポート間、及
び第4のポートと第5のポート間で連通することによ
り、各動作毎に電磁弁本体内を流れる流体の方向が制御
される。
【0014】更に、本発明の電磁弁は、可動鉄心が下降
している場合には、第2、第3ブロックのピストンも下
降しているため、第2の弁体によって第1ブロックの細
孔の上方開口部が遮断され、第6の弁体によって第2ブ
ロックの細孔の上方開口部が遮断され、そして第4の弁
体によってシリンダに連通する第7のポートが遮断され
ることとなり、第1のポートと第2のポート間、第3の
ポートと第4のポート間、及び第5のポートと第6のポ
ート間で連通する一方、可動鉄心が上昇して固定鉄心に
当接している場合には、第2、第3ブロックのピストン
も上昇しているため、第1の弁体によってその固定鉄心
に形成された第1のポートが遮断され、第5の弁体によ
って第1ブロックの細孔の下方開口部が遮断され、第3
の弁体によって第3ブロックの細孔の下方開口部が遮断
されることとなり、第2のポートと第3のポート間、第
4のポートと第6のポート間、及び第5のポートと第7
のポート間で連通することにより、各動作毎に電磁弁本
体内を流れる流体の方向が制御される。
【0015】
【実施例】次に、上記構成を有する本発明の電磁弁の具
体的な実施例について図面を参照して説明する。図1乃
至図4は、本発明にかかる電磁弁の一実施例を示した断
面図であり、図1及び図2はソレノイドへの非通電時を
示し、図3及び図4はソレノイドへの通電時を示してい
る。そして、図2または図4は、図1、図3をそれぞれ
A方向から見た場合の一部断面図である。本実施例の電
磁弁1は、1つのソレノイド2を有して構成されてい
る。このソレノイド2内には、被磁性体からなるパイプ
3が配設され、そのパイプ3内に摺接して可動鉄心4が
嵌挿され、更にその上方には固定鉄心5が固設されてい
る。このとき可動鉄心4及び固定鉄心5は、ソレノイド
2に対しそれぞれ約下半分、上半分に位置するように配
置されている。
【0016】この固定鉄心5には、軸芯部に連通孔6が
形成され、上端部を第1ポート7として構成し、その下
端部には連通孔6の径を小さくした弁孔8aに弁座8が
形成されている。一方、可動鉄心4は、その周側面に縦
に複数の溝12aを有するフランジ12が設けられ、そ
のフランジ12に係設されたバネ13によって下方へ付
勢されている。また、可動鉄心4の中空部にはバネ9が
嵌挿され、その上端部には第1弁体10がバネ9に付勢
されて上下動可能に嵌挿されている。ところで、フラン
ジ12は可動鉄心4より長尺に形成され、延設された内
部には第2弁体11が固設されてバネ9の他端を固定し
ている。
【0017】そして、可動鉄心4の下部には、第1ブロ
ック21Aと第2ブロック21Bとが重ねられた本体が
形成されている。この第1ブロック21Aと第2ブロッ
ク21Bと分離可能であり、後述する第2実施例(図
6)の如く両ブロック間に他のブロックの追加によって
ポート数の増加を図ることが可能である。第1ブロック
21Aは、上端部には、第2弁体11が装着された可動
鉄心4の下端部分を包むようにカバー部材21mとで上
部弁室22が構成される一方、下端部には、第2ブロッ
ク21Bとの間に下部弁室24が構成されている。そし
て、第1ブロック21Aには、その上部弁室22と下部
弁室24とを連通させる細孔23が、軸芯部を貫くよう
に形成され、この細孔23の開口部には、上部弁室22
側に弁座25が形成される一方、下部弁室24側には弁
座26が形成されている。
【0018】ところで、細孔23内にはロッド27が嵌
挿されている。図5は、そのロッド27の斜視図を示し
たものである。ロッド27は、円柱棒27aに細孔23
の内径と同寸法の径のハネ27b,27cが上下に形成
されている。このハネ27b,27cは円板の四方に四
角いスリット27dが切られて形成されている。そし
て、ロッド27は、ハネ27b,27cの外周面が細孔
23内を摺動するように嵌挿されている。一方、この第
1ブロック21Aには、更に第2乃至第4ポートが形成
されており、第2ポート28が上部弁室22に連通し、
第3ポート29が細孔23に連通し、そして第4ポート
30が下部弁室24に連通するよう形成されている。
【0019】また、第2ブロック21Bは、その上端の
下部弁室24内にシリンダ31が形成され、そこにピス
トン32が摺動可能に嵌挿されている。ピストン32
は、周側面に縦に複数の溝32aが形成されている。そ
して、上端部にはフランジが形成され、このピストン3
2が上方に付勢されるようバネ38が係設されている。
このピストン32の中空部には上端に第3弁体33が固
定され、下端には上下動可能に第4弁体34が嵌挿され
ている。そして、ピストン32の中空部には、この第3
弁体33と第4弁体34との間にはバネ35が両者に当
接して嵌挿されている。更に、この第2ブロック21B
には、シリンダ31の底面に第4弁体34に対応する弁
座36が形成され、第2ブロック21B下面に形成され
た第5ポート37が弁座36の弁孔に連通するよう構成
されている。
【0020】次に、以上のような構成を有する電磁弁1
の作用について説明する。先ず、ソレノイド2への非通
電時には可動鉄心4は、バネ13のみによる下方への付
勢力を受ける。従って、第1弁体10は弁座8から離間
する一方、第2弁体11が弁座25に当接することとな
る。この時、細孔23内に嵌挿されたロッド27は第2
弁体11に押され、そのまま第3弁体33を下方へ押圧
する。これにより、バネ38によって上方へ付勢されて
いるピストン32がシリンダ31内を下方へ摺動するた
め、第3弁体33が弁座26から離間する一方、第4弁
体34が弁座37に当接することとなる。
【0021】即ち、非通電時には、図1及び図2に示す
ように、第5ポート36が遮断され、他の第1ポート7
乃至第4ポート30が連通する。具体的には、第1ポー
ト7から流入した流体が、可動鉄心4の溝12aを通っ
て上部弁室22から第2ポート28へと流れる(または
逆)第1,2ポート7,28間、そして第3ポート29
から流入した流体が、細孔23内をロッド27のスリッ
ト27dを通って下部弁室24から第4ポート30へと
流れる(または逆)第3,4ポート29,30間が連通
する。
【0022】一方、ソレノイド2が通電されると、磁界
が発生し固定鉄心5が励磁され、可動鉄心4がバネ13
の付勢力に反して上方へ駆動して固定鉄心5に当接す
る。そのため、可動鉄心4の上端部に設けられた第1弁
体10が弁座8に当接するとともに、第2弁体11が弁
座25から離間することとなる。このとき、ロッド27
を介して下方へ押圧されていたピストン32は、ロッド
27が第2弁体11からの下方への押圧力から開放され
るため、バネ38の付勢力によりロッド27を押し上げ
るように上昇する。従って、第3弁体33が弁座26に
当接するとともに、第4弁体34が弁座37から離間す
ることとなる。
【0023】即ち、通電時には、図3及び図4に示すよ
うに第1ポート7が遮断され、他の第2ポート28乃至
第5ポート36が連通する。具体的には、第2ポート2
8から流入した流体が、上部弁室22から細孔23内を
ロッド27のスリット27dを通って第3ポート29と
流れる(または逆)第2,3ポート28,29間、そし
て第5ポート36から流入した流体が、ピストン32の
溝32aを通って下部弁室24から第4ポート30へと
流れる(または逆)第4,5ポート30,36間が連通
する。
【0024】以上、本実施例の電磁弁1によれば、ソレ
ノイド2を1つのみ利用する電磁弁でありながら、細孔
23内に嵌挿したロッド27によってソレノイド2から
受ける駆動力を伝達させる構成としたため、5ポート間
の連通を制御する弁を全てポペット弁とすることができ
た。従って、第1弁体10乃至第4弁体34を全てポペ
ット弁としたことにより、閉弁時における弁の高い気密
性を得ることが可能となった。また、1つのソレノイド
2によって5ポートの電磁弁1を構成したため、電磁弁
1自体を小型化することができた。
【0025】次に、第2実施例の電磁弁について図面を
参照して説明する。本実施例の電磁弁は、上記第1実施
例の構成を含むものであるため、共通の部分については
同符号を付してその説明を省略する。ここで、図6は、
本実施例の電磁弁(非通電時)を示す断面図であり、図
7は、図6をB方向から見た一部断面図である。ところ
で、上記第1実施例では5ポートの電磁弁1を説明した
が、本実施例の電磁弁51は7ポートの電磁弁であり、
その特徴は上述したようにポートを増加させた点であ
る。具体的には、本体の第1ブロック21Aと第2ブロ
ック21Bとの間に第3ブロック21Cを設けたことに
ある。
【0026】そこで、本実施例の電磁弁51の構成につ
いては、第3ブロック21Cを中心に説明する。ところ
で、上記電磁弁1では下部弁室24が、第1ブロック2
1Aと第2ブロック21Bとの間に構成されていたが、
本実施例の電磁弁51では、第3ブロック21Cと第2
ブロック21Bとの間に構成されている。一方、第3ブ
ロック21Cと第1ブロック21Aとの間には、中弁室
52が構成されている。そして、第3ブロック21C上
端部には、その中弁室52内にシリンダ53が形成され
ている。そのシリンダ53内には、上記ピストン32と
同型のピストン54が摺動可能に嵌挿されている。具体
的には、中空部の上端に第5弁体55が固定され、下端
には上下動可能に第6弁体56が嵌挿されている。そし
て、ピストン54の中空部には、この第5弁体55と第
6弁体56との間にはバネ57が両者に当接して嵌挿さ
れている。更に、ピストン54の周側面に縦に複数の溝
54aが形成されている。
【0027】そして、第3ブロック21Cには、そのシ
リンダ53と下部弁室24とを連通させる細孔58が、
軸芯部を貫くように形成され、この細孔58の開口部に
は、シリンダ53に弁座59が形成される一方、下部弁
室24側には弁座60が形成されている。ところで、こ
の細孔58内にも細孔23と同様ロッド27が嵌挿され
ている。一方、この第3ブロック21Cには、更に第6
及び第7ポートが形成されており、第6ポート61が下
部弁室24に連通し、第7ポート62が細孔58に連通
するよう形成されている。
【0028】次に、このような構成による第2実施例の
7ポートを有する電磁弁51の作用について説明する。
先ず、ソレノイド2への非通電時には、可動鉄心4が下
方へ付勢力され、第1弁体10は弁座8から離間し、第
2弁体11が弁座25に当接することとなる。そして、
細孔23内のロッド27が第2弁体11に押され、その
まま第5弁体55を下方へ押圧するため、ピストン54
がシリンダ53内を下方へ摺動し、第5弁体55が弁座
26から離間する一方、第6弁体56が弁座59に当接
することとなる。更に、細孔58内に嵌挿されたロッド
27が第6弁体56に押され、そのまま第3弁体33を
下方へ押圧するため、ピストン32がシリンダ31内を
下方へ摺動し、第3弁体33が弁座60から離間する一
方、第4弁体34が弁座37に当接することとなる。
【0029】即ち、非通電時には、第5ポート36が遮
断され、他の第1ポート7,第2ポート28,第3ポー
ト29,第4ポート30,及び第6,第7ポート61,
62が連通する。具体的には、第1ポート7から流入し
た流体が、可動鉄心4の溝12aを通って上部弁室22
から第2ポート28へと流れる(または逆)第1,2ポ
ート7,28間、第3ポート29から流入した流体が、
細孔23内をロッド27のスリット27dを通って下部
弁室24から第4ポート30へと流れる(または逆)第
3,4ポート29,30間、そして第6ポート61から
流入した流体が下部弁室24を通って細孔58から第7
ポート62へと流れる(または逆)第6,7ポート6
1,62間が連通する。
【0030】一方、ソレノイド2が通電されると、可動
鉄心4が上方へ駆動して固定鉄心5に当接し、第1弁体
10が弁座8に当接するとともに、第2弁体11が弁座
25から離間することとなる。このとき、ピストン54
がロッド27の押圧力から開放されるため、バネ63の
付勢力によってそのロッド27を押し上げるように上昇
するため、第5弁体55が弁座26に当接するととも
に、第6弁体56が弁座59から離間することとなる。
更に、細孔58内に嵌挿されたロッド27が第6弁体5
6からの押圧力から開放されるため、ピストン32がバ
ネ38の付勢力によりロッド27を押し上げるように上
昇する。従って、第3弁体33が弁座60に当接すると
ともに、第4弁体34が弁座37から離間することとな
る。
【0031】即ち、通電時には、第1ポート7が遮断さ
れ、他の第2ポート28乃至第第7ポート62が連通す
る。具体的には、第2ポート28から流入した流体が、
上部弁室22から細孔23内をロッド27のスリット2
7dを通って第3ポート29と流れる(または逆)第
2,3ポート28,29間、第4ポート30から流入し
た流体が、中弁室52、ピストン54の溝54aを通っ
て細孔58から第7ポート62へと流れる(または逆)
第4,7ポート30,62間、そして第5ポート36か
ら流入した流体が、ピストン32の溝32aを通って下
部弁室24から第6ポート61へと流れる(または逆)
第5,6ポート36,61間が連通する。
【0032】以上、本実施例の電磁弁1によれば、第3
ブロック21Cの追加により、上記第1実施例のものと
同様ソレノイド2を1つのみ利用する電磁弁でありなが
ら、ロッド27によってソレノイド2から受ける駆動力
を伝達させる構成としたため、7ポート間の連通を制御
する弁を全てポペット弁とすることができた。従って、
第1弁体10乃至第6弁体56を全てポペット弁とした
ことにより、閉弁時における弁の高い気密性を得ること
が可能となった。また、1つのソレノイド2によって7
ポートの電磁弁1を構成したため、電磁弁1自体を小型
化することができた。更に、第3ブロック21Cを追加
することによって7ポートの電磁弁を簡易に構成するこ
とができ、その取扱いが容易となった。
【0033】尚、本発明の電磁弁は、上記実施例に限定
されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々
な変更が可能である。例えば、上記実施例では、5ポー
ト及び7ポートの電磁弁について説明したが、更に別の
ブロックを追加することによりポート数を増加させても
よい。
【0034】
【発明の効果】本発明の電磁弁は、両端に弁体を備えた
可動鉄心と、同軸状に同じく両端に弁体を備えたピスト
ンとを、その間に形成された細孔内に嵌挿されたロッド
に互いの弁体を当接するよう構成したので、可動鉄心及
びピストンの弁体をポペット弁とすることができ、気密
性の高い電磁弁を安価に提供することが可能となった、
若しくは、1個のソレノイドによって構成されるコンパ
クトな電磁弁を提供することが可能となった。また、本
発明の電磁弁は、両端に弁体を備えた可動鉄心と、同軸
状に同じく両端に弁体を備えた複数のピストンとを、各
間に形成された細孔内に嵌挿されたロッドに互いの弁体
を当接するよう構成したので、可動鉄心及びピストンの
弁体をポペット弁とすることができ、気密性の高い電磁
弁を安価に提供することが可能となった、若しくは、ポ
ート数を問わず1個のソレノイドによって構成されるコ
ンパクトな電磁弁を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電磁弁の第1実施例を示した非
通電時の断面図である。
【図2】本発明にかかる電磁弁の第1実施例を示した非
通電時の一部断面図である。
【図3】本発明にかかる電磁弁の第1実施例を示した通
電時の断面図である。
【図4】本発明にかかる電磁弁の第1実施例を示した通
電時の一部断面図である。
【図5】ロッドを示した外観斜視図である。
【図6】本発明にかかる電磁弁の第2実施例を示した断
面図である。
【図7】本発明にかかる電磁弁の第2実施例を示した一
部断面図である。
【図8】従来の電磁弁を示した断面図である。
【符号の説明】
1 電磁弁 2 ソレノイド 4 可動鉄心 5 固定鉄心 7 第1ポート 10 第1弁体 11 第2弁体 21A 第1ブロック 21B 第2ブロック 23 細孔 27 ロッド 28 第2ポート 29 第3ポート 30 第4ポート 32 ピストン 33 第3弁体 34 第4弁体 36 第5ポート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソレノイドによって駆動する両端に弁体
    を備えた可動鉄心と、 前記可動鉄心と同軸状に配置され両端に弁体を備えたピ
    ストンと、 前記可動鉄心と前記ピストンとの間に形成された細孔
    と、 前記細孔を挟む前記可動鉄心下端の弁体と前記ピストン
    上端の弁体とに互いに当接する前記細孔内に嵌挿された
    ロッドとを有することを特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】 両端に弁体を備えたソレノイドによって
    駆動する可動鉄心と、 前記可動鉄心と同軸状に配置され両端に弁体を備えた複
    数のピストンと、 前記可動鉄心と前記ピストン及び前記ピストン間に形成
    された細孔と、 前記細孔を挟む前記可動鉄心の弁体と前記ピストンの弁
    体、又は前記ピストンの弁体どうしに互いに当接する前
    記細孔内に嵌挿されたロッドとを有することを特徴とす
    る電磁弁。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電磁弁において、 所定のポートに連通する前記可動鉄心上部の弁体に対応
    する弁座が形成された固定鉄心と、 開口部に弁座が形成された前記細孔と、所定の連通孔に
    連通する複数のポートとが形成された第1ブロックと、 前記ピストンが摺動可能な上方が開放されたシリンダ
    と、前記シリンダ底面に形成された弁孔に連通するポー
    トが形成された第2ブロックとを有し、 前記可動鉄心、細孔、及びピストンとが同軸状に配設さ
    れ、前記ロッドが可動鉄心下部の弁体とピストン上部の
    弁体とに互いに当接するよう第1ブロックと第2ブロッ
    クとが一体に固設されたことを特徴とする電磁弁。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の電磁弁において、 所定のポートに連通する前記可動鉄心上部の弁体に対応
    する弁座が形成された固定鉄心と、 開口部に弁座が形成された前記細孔と、所定の連通孔に
    連通する複数のポートとが形成された第1ブロックと、 前記ピストンが摺動可能な上方が開放されたシリンダ
    と、そのシリンダ底面に形成された弁孔に連通するポー
    トが形成された第2ブロックとを有し、 前記ピストンが摺動可能な上方が開放されたシリンダ
    と、開口部に弁座が形成された前記細孔と、所定の連通
    孔に連通する複数のポートとが形成された第3ブロック
    を有し、 前記可動鉄心、各細孔、及び各ピストンとが同軸状に配
    設され、前記各ロッドが前記可動鉄心又は前記ピストン
    に装着された各弁体の両者に当接するよう、前記第1ブ
    ロックと前記第2ブロックとの間に1個又は複数の前記
    第3ブロックが一体に固設されたことを特徴とする電磁
    弁。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の電磁弁において、 前記可動鉄心が、前記固定鉄心に形成された第1のポー
    トの連通を制御する第1の弁体と、前記第1ブロックの
    細孔の連通を上方開口部で制御する第2の弁体とを備
    え、 前記第2ブロックに備えられたピストンが、前記第1ブ
    ロックの細孔の連通を下方開口部で制御する第3の弁体
    と、当該第2ブロックのシリンダに連通する第5のポー
    トの連通を制御する第4の弁体とを備え、 前記1ブロックの細孔が、上方開口から第2のポートに
    連通し、その細孔経路途中で第3のポートに連通し、下
    方開口から第4のポートに連通していることを特徴とす
    る電磁弁。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の電磁弁において、 前記可動鉄心が、前記固定鉄心に形成された第1のポー
    トの連通を制御する第1の弁体と、前記第1ブロックの
    細孔の連通を上方開口部で制御する第2の弁体とを備
    え、 前記第2ブロックに備えられたピストンが、前記第3ブ
    ロックの細孔の連通を下方開口部で制御する第3の弁体
    と、当該第2ブロックのシリンダに連通する第7のポー
    トの連通を制御する第4の弁体とを備え、 前記第3ブロックに備えられたピストンが、第1ブロッ
    クの細孔又は前記他の第3ブロックの細孔の連通を下方
    開口部で制御する第5の弁体と、第2ブロックの細孔又
    は前記他の第3ブロックの細孔の連通を上方開口部で制
    御する第6の弁体とを備え、 前記第1ブロックの細孔が、上方開口から第2のポート
    に連通し、その細孔経路途中で第3のポートに連通し、
    下方開口から第4のポートに連通し、 前記第3ブロックの細孔が、下方開口から第5のポート
    に連通し、その細孔経路途中で第6のポートに連通して
    いることを特徴とする電磁弁。
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