JPH08284084A - 故紙解砕粉の製造方法及び装置、前記故紙解砕粉を用いた故紙合成粉及びその製造方法並びに装置、前記故紙解砕粉を用いた故紙合成成形品及びその製造方法並びに装置、前記故紙合成粉を用いた故紙合成板及びその押出成形方法並びに装置 - Google Patents
故紙解砕粉の製造方法及び装置、前記故紙解砕粉を用いた故紙合成粉及びその製造方法並びに装置、前記故紙解砕粉を用いた故紙合成成形品及びその製造方法並びに装置、前記故紙合成粉を用いた故紙合成板及びその押出成形方法並びに装置Info
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Abstract
製造方法と装置、及びそれと熱可塑性樹脂成形材とから
成る故紙合成粉と、故紙合成粉の製造方法並びに装置、
故紙合成粉を用いて各種成形法で成形した故紙合成成形
品と、故紙合成成形品の製造方法並びに装置の提供。 【構成】 給気管96を介して前記ミキサー80内へ乾
燥空気を供給し、揮散ガスを排気管95を介してミキサ
ー80より外部へ排出し、多量の故紙を短時間で含有水
分量をは0.5wt%以下に乾燥し、低含水率の故紙解砕
粉を製造する。熱可塑性樹脂成形材を混合、ゲル化混
練、冷却、粉砕して、熱可塑性樹脂成形材が前記故紙解
砕粉に固定化された状態の故紙合成粉を得る。故紙解砕
粉と熱可塑性樹脂成形材を加熱、混練して各種成形法で
故紙合成成形品を製造する。
Description
て形成した故紙解砕粉の製造方法及び装置、前記故紙解
砕粉を主たる成形素材とした故紙合成粉及びその製造方
法並びに装置、前記故紙解砕粉又は故紙合成粉を用いた
故紙合成板を含む故紙合成成形品及びその製造方法に関
する。
た新聞紙、雑誌、広告、チラシ、カタログ等の紙であ
る。
ものであり、パルプは一般的に木材を細かく分解して、
繊維状にした木材パルプをいい、他に麻パルプ、リンタ
ーパルプ、わらパルプ、合成パルプなどがある。しか
し、森林資源の利用にも限度があるので省資源、省エネ
ルギーのため、最近では故紙の利用が増大し、日本の故
紙回収率は50%を超えており、積極的な資源の有効活
用が図られている。日本の紙・板紙の原材料は、故紙パ
ルプと木材パルプがほぼ半々である。
0%を上回る回収率となっている。
故紙パルプに製造され、紙・板紙の原材料になってい
る。
り、化学的に変質していたりして、強度、不透明性など
に劣る点がある。しかし、安価であるため故紙パルプか
ら種々の紙、板紙全般に再生され使用されている。つま
り、紙としては、新聞用紙、印刷用紙やグラビア用紙等
の非塗工紙、アート紙やコート紙等の塗工紙、クラフト
紙やロール紙等の包装用紙、グラシンペーパーや複写原
紙等の薄葉紙、ティッシュペーパーやトイレットペーパ
ー等の家庭用薄葉紙、雑種紙に再生され、また、前記板
紙としては、段ボール原紙、紙器用板紙、防水原紙や石
こうボード原紙等の建材原紙、紙管原紙に再生される。
ったDIP(De-Inked Pulp) があり、このDIPは、バ
ージンパルプに比較的近い品質が得られ、新聞用紙や中
下級印刷用紙の主要原料のひとつとなっている。 前記
DIP工程は、故紙の選択と選別が行われ、集められた
故紙は、パルパーで機械力と薬品により、繊維状にほぐ
され、異物を除かれ、さらに完全に離解するための高速
離解機を通り、パルプ化される。次いで、フローテータ
ーで脱インキ処理が行われ、脱インキされたパルプは、
プラスチックシートや毛髪、本の背糊などの細かい異物
を除去された後、脱水され漂白工程へ送られる。
側部のインペラーを回転させ、槽内の原料を攪拌し水中
で故紙を離解分散させ、パルプ化する装置である。
ダやアルカリ薬品や洗剤等の脱インキ薬品を使用して、
繊維を膨潤させ、インキ粒子をパルプから離脱させ浮上
させやすくし、パルプとともに水中に懸濁分散している
インキ粒子を、細かい気泡に吸着させ浮上分離し、除去
する装置である。
方法や装置において、以下の問題点があった。
も繰り返し使用された繊維が劣化するために起こる品質
低下や、異物及び脱インキ不良のカーボンが紙に混入す
ることにより起こる品質低下が増大している。このた
め、故紙パルプから再生紙に再生することが難しいとい
う問題点が生じている。
告、チラシ、カタログ等は、カラーで印刷され、この印
刷表面に樹脂フィルムをラミネートしたものが多くなっ
ている。これらの故紙をパルプ化することはできないた
め、除しなければならないが、樹脂フィルムを自動的に
選別して除去することが困難であるので、あらかじめ樹
脂フィルムをラミネートした故紙を他の故紙から人手に
より選別して取除く作業を行っていたが、この選別作業
には多くの手間がかかるという問題点があった。
をラミネートした故紙は紙として再利用することができ
ないという問題点があった。
故紙から故紙パルプとして再利用するにあたっても、前
述したように生産工程で大量の水を使用するとともに、
薬品、熱、電力を使用するので、水質汚濁、大気汚染、
臭気等の環境保全処理が必要であり、設備費、環境管理
費が高いものである。しかし、故紙を紙・板紙に再生す
るために故紙パルプを造ることは、紙・板紙の需要と供
給の関係、省資源、省エネ等の観点から考慮して積極的
な資源の有効活用となるのである。
再利用することに叙上の問題点があることに鑑み、ま
た、近年の生活の多様化に伴い、熱可塑性樹脂成形材
は、建築材料、自動車、家庭電気製品を始め、種々の日
用品に使用され、多量に廃棄されており、これらの各種
熱可塑性合成樹脂製品の廃材を再利用することが社会的
に要求されていることをも鑑み、本出願人は従来の故紙
の再利用とは全く異なり、故紙を樹脂と混練して樹脂成
形品として再利用することを着想した。
セルロース系破砕物としてチップ化し、このセルロース
系破砕物のチップを樹脂と共に押出機等の成形機で加
熱、練成し、スクリューをもって成形ダイへ押し出して
木質合成板に成形する。
破砕物は、熱可塑性樹脂成形材とともに成形機に充填、
加熱した場合、セルロース系破砕物より多量の水蒸気と
木酸ガス等の揮散ガスが発生し、これによって成形機内
の壁面の酸化腐食、成形ダイの損耗がもたらされ、また
成形品自体の表面の荒れ、気泡、巣の発生等を生じさせ
る原因となる。そこで、できるだけ含有水分量の低いセ
ルロース系破砕物を用いることが望ましいが、実際、押
出成形する前に後述する乾燥設備でセルロース系破砕物
の含有水分量を15wt%以内に乾燥され、よく乾燥され
たもので含有水分量は3〜5%以内である。
により、燻煙式、電気式、燃焼ガス式、煙道式、蒸気式
などがあり、循環方式により自然循環式と強制循環式と
あり、後者はさらに外部送風式と内部送風式とがある。
小片に破砕されたセルロース系破砕物を乾燥する乾燥機
はロータリキルン型のもの、蒸気管自体が回転する形式
のもの、フラッシュドライヤ、ジェットドライヤなど各
種の形式のものがあるが、大規模化するにつれて、送風
タイプのものが多くなり、熱風を円筒形の炉の円周にそ
ってスパイラル状に吹きつけながら小片を移送するジェ
ットドライヤはもっとも多く使われている。小片の乾燥
度は表層が含水率5〜8wt%程度で、内層ほど含水率は
低い方がよく3wt%程度である。なお、上記の乾燥設備
では、セルロース系破砕物の含水率を3wt%以下にでき
ないのが現状である。
を前述した乾燥設備で乾燥して得られたセルロース系破
砕物の含有水分量は、3〜5wt%程度にまで除去される
とはいえ、このセルロース系破砕物を熱可塑性樹脂成形
材と共に押出機等の成形機に充填、加熱した場合、混入
セルロース系破砕物より水蒸気と木酸ガス等の揮散ガス
が発生するので、この水蒸気と木酸ガスは、前述したよ
うに成形機内の壁面の酸化腐食、成形ダイの損耗、成形
品自体の表面の荒れ、気泡、巣の発生等を生じさせる原
因となり、成形前のセルロース系破砕物内の含有水分量
を極力低下させることは重要な問題点である。
ために開発されたもので、故紙を解砕する過程において
故紙内の含有水分量をほとんど除去し且つ解砕して利用
価値の高い故紙解砕粉を製造する故紙解砕粉の製造方法
および装置と、熱可塑性樹脂成形材が前記故紙解砕粉の
粒子に固定化された状態を定常的に維持し得るようにし
て故紙解砕粉の低含水率を維持する故紙合成粉と、当該
故紙合成粉の製造方法並びに装置を提供し、さらに前記
故紙合成粉、もしくは前記故紙解砕粉と熱可塑性樹脂成
形材を用いて押出成形や射出成形、圧縮成形等の各種成
形において加熱、練成して成形した故紙合成成形品と、
当該故紙合成成形品の製造方法並びに装置を提供し、さ
らに前記故紙合成粉、もしくは前記故紙解砕粉と熱可塑
性樹脂成形材を用いた故紙合成板及び故紙合成板の押出
成形方法並びに装置を提供することを目的とする。
に、本発明の故紙解砕粉の製造方法においては、小片に
破砕した故紙小片を攪拌衝撃翼85,86,87により
解砕且つ攪拌して、前記攪拌衝撃翼の剪断力により剪断
発熱を生じさせ、この剪断発熱により前記故紙の含有水
分量を低下せしめて乾燥するものである。
いては、故紙小片を攪拌衝撃翼85,86,87により
攪拌して解砕し、且つ前記攪拌衝撃翼の剪断速度が90
0〜980rpm、好ましくは900〜950rpmの攪拌衝
撃翼の剪断力により剪断発熱を生じさせ、この剪断発熱
により前記故紙の含有水分量を1.0wt%以内、好まし
くは0.5wt%以内に乾燥することを特徴とする。
速度は故紙小片に対する攪拌衝撃翼の剪断力と比例関係
にあり、本発明では、攪拌衝撃翼85,86,87の回
転速度を「剪断速度」と称する。前記攪拌衝撃翼の剪断
速度は、速すぎると攪拌衝撃翼の遠心力で故紙小片が舞
い上がるためミキシング効果が低下し、遅すぎると攪拌
衝撃翼の剪断力による発熱量が少ないため乾燥時間が多
くかかり乾燥効率が低下するというのが上記臨界的いぎ
である。
6,87により攪拌する雰囲気内つまりミキサー80内
へ乾燥空気を供給し、該乾燥空気内に故紙小片から揮散
した水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスを含ませてミキサー
80より外部へ排出することは、水蒸気がミキサー80
の内壁面に結露せずより一層効率よく故紙小片を乾燥す
るという点で、特に望ましい。
酸カルシウム、酸化チタン等の添加剤を添加すること
は、前記添加剤により故紙小片が重くなって攪拌衝撃翼
85,86,87の遠心力による故紙小片の舞い上がり
が少なくなるため乾燥効率を向上できるという点で、好
ましい。
は、長辺もしくは長径が15mm程度の大きさより大きく
なると乾燥効率がやや低下するので、長辺もしくは長径
が10mm以下、好ましくは8mm以下、より好ましくは5
mm以下の故紙小片を攪拌衝撃翼85,86,87により
解砕且つ乾燥する。
いては、密閉容器内すなわちミキサー80内に水平方向
に回転する複数枚の攪拌衝撃翼85,86,87を備
え、前記密閉容器内に乾燥空気を供給する給気管96
と、前記乾燥空気及び故紙小片から揮散した水蒸気等の
揮散ガスを共に排出する排気管95とを連通したことを
特徴とする。
は回転軸を中心に対称の2枚羽根で一対を成し、この攪
拌衝撃翼を複数枚重ね且つ各羽根を回転軸を中心として
等分角を成す対称位置に配置し、最上に位置する2枚羽
根の先端部分を回転軸の先端より高い位置に配置するこ
とが、効率よく解砕且つ乾燥させるという点で、望まし
い。
衝撃翼の剪断力による剪断発熱の発熱量が少なくなり故
紙小片は乾燥しないという理由で、前記攪拌衝撃翼は4
枚羽根以上、好ましくは6枚羽根以上で成る。
るスクレイパー84を前記攪拌衝撃翼85,86,87
の回転軸に設けることが、密閉容器の底面の故紙小片を
上方へ効果的に循環させるので密閉容器内の故紙小片を
効率よく解砕且つ乾燥するという点で、好ましい。
有水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt%以内
に解砕且つ乾燥した故紙解砕粉35〜65wt%、好まし
くは40〜60wt%に対して一種又は数種の熱可塑性樹
脂成形材35〜65wt%、好ましくは40〜60wt%を
混合、ゲル化混練し、冷却、粉砕して粒径10mm以下に
整粒して成ることを特徴とする。
いては、含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.
5wt%以内に解砕且つ乾燥した故紙解砕粉35〜65wt
%、好ましくは40〜60wt%に対して一種又は数種の
熱可塑性樹脂成形材35〜65wt%、好ましくは40〜
60wt%をともに攪拌衝撃翼85,86,87により混
合して、剪断発熱によりゲル化混練し、冷却し、粉砕し
て粒径10mm以下に整粒する工程を少なくとも含むこと
を特徴とする。
な故紙解砕粉の配合量の範囲は以下に示す通りである。
砕粉は30〜65wt%、PPの量は70〜35wt%で、
好ましくは、故紙解砕粉は45〜55wt%、PPの量は
55〜45wt%であり、熱可塑性樹脂成形材がABS樹
脂の場合、故紙解砕粉は30〜55wt%、ABS樹脂の
量は70〜45wt%で、好ましくは、故紙解砕粉は45
〜51wt%、ABS樹脂の量は55〜49wt%であり、
熱可塑性樹脂成形材がポリスチレンの場合、故紙解砕粉
は30〜65wt%、ポリスチレンの量は70〜35wt%
で、好ましくは、故紙解砕粉は45〜55wt%、ポリス
チレンの量は55〜45wt%であり、熱可塑性樹脂成形
材がPCの場合、故紙解砕粉は30〜55wt%で、PC
の量は70〜45wt%で、好ましくは、故紙解砕粉は4
5〜51wt%、PCの量は55〜49wt%であり、故紙
解砕粉が47wt%で、PCが53wt%のときが、特に好
ましい。
解砕粉は30〜56wt%で、PVCの量は70〜44wt
%で、好ましくは、故紙解砕粉は40〜55wt%、PV
Cの量は60〜55wt%であり、熱可塑性樹脂成形材が
ナイロンの場合、故紙解砕粉は30〜55wt%、ナイロ
ンの量は70〜45wt%で、好ましくは、故紙解砕粉は
45〜50wt%、ナイロンの量は55〜50wt%であ
る。
解砕粉は50〜40wt%、PETの量は30〜10wt%
で、他に、PPが10〜50wt%、好ましくは、故紙解
砕粉は45〜35wt%、PETの量は25〜15wt%、
PPが30〜50wt%である。
いては、含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.
5wt%以内に解砕且つ乾燥した故紙解砕粉35〜65wt
%、好ましくは40〜60wt%に対して一種又は数種の
熱可塑性樹脂成形材35〜65wt%、好ましくは40〜
60wt%をともに混合して、剪断発熱によりゲル化混練
する攪拌衝撃翼85,86,87を備える流動混合混練
手段と、上記ゲル化した混練材料を冷却造粒する内部に
撹拌衝撃翼104を有し、ジャケット102に冷却水の
入口および出口を備える冷却造粒手段と、上記冷却造粒
した造粒故紙合成粉を粉砕して粒径10mm以下に整粒す
る整粒手段とから成るものである。
は、含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt
%以内に解砕且つ乾燥した故紙解砕粉35〜65wt%、
好ましくは40〜60wt%に対して一種又は数種の熱可
塑性樹脂成形材35〜65wt%、好ましくは40〜60
wt%を混合、ゲル化混練し、冷却して粒径10mm以下に
整粒形成した故紙合成粉を加熱、練成した生地を射出成
形機、押出成形機等の成形手段により成形して成ること
を特徴とする。
においては、含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは
0.5wt%以内に解砕且つ乾燥した故紙解砕粉35〜6
5wt%、好ましくは40〜60wt%に対して一種又は数
種の熱可塑性樹脂成形材35〜65wt%、好ましくは4
0〜60wt%を混合、ゲル化混練し、冷却して粒径10
mm以下に整粒形成した故紙合成粉を加熱、練成した生地
を射出成形、押出成形等の各種成形法により成形したこ
とを特徴とする。
においては、含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは
0.5wt%以内に解砕且つ乾燥した故紙解砕粉35〜6
5wt%、好ましくは40〜60wt%に対して一種又は数
種の熱可塑性樹脂成形材35〜65wt%、好ましくは4
0〜60wt%をともに混合して、剪断発熱によりゲル化
混練する攪拌衝撃翼85,86,87を備える流動混合
混練手段と、上記ゲル化した混練材料を冷却造粒する内
部に撹拌衝撃翼を104有し、ジャケットに冷却水の入
口および出口を備える冷却造粒手段と、上記冷却造粒し
た造粒故紙合成粉を粉砕して粒径10mm以下に整粒し、
故紙合成粉を得る整粒手段と、前記故紙合成粉を加熱、
練成した生地を、金型へ射出して冷却して成形する射出
成形機や押出ダイ19へ押出し冷却して成形する押出成
形機等の成形手段とから成るものである。
有水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt%以内
に解砕且つ乾燥した故紙解砕粉35〜65wt%、好まし
くは40〜60wt%に対して一種又は数種の熱可塑性樹
脂成形材35〜65wt%、好ましくは40〜60wt%を
混合、ゲル化混練し、冷却して粒径10mm以下に整粒形
成した故紙合成粉を加熱、練成し、スクリュー71をも
って成形ダイ10へ押出した押出し生地79を徐冷して
成ることを特徴とする。
方法においては、含有水分量を1.0wt%以内、好まし
くは0.5wt%以内に解砕且つ乾燥した故紙解砕粉35
〜65wt%、好ましくは40〜60wt%に対して一種又
は数種の熱可塑性樹脂成形材35〜65wt%、好ましく
は40〜60wt%をともに攪拌衝撃翼85,86,87
により混合して、剪断発熱によりゲル化混練し、冷却、
粉砕して粒径10mm以下に整粒形成した故紙合成粉を加
熱、練成し、スクリュー71をもって成形ダイ10へ押
出した押出し生地79を徐冷する工程を少なくとも含む
ことを特徴とする。
においては、含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは
0.5wt%以内に解砕且つ乾燥した故紙解砕粉35〜6
5wt%、好ましくは40〜60wt%に対して熱可塑性樹
脂成形材35〜65wt%、好ましくは40〜60wt%を
ともに攪拌衝撃翼85,86,87により混合して、剪
断発熱によりゲル化混練し、冷却、粉砕して粒径10mm
以下に整粒形成した故紙合成粉を加熱、練成し、スクリ
ュー71をもって成形ダイ10へ押出し、この押出し生
地79を、内壁面にフッ素樹脂のシートを貼設又はフッ
素樹脂をコーティングした成形ダイ10の成形部へ押出
して所定の肉厚に成形し且つ前記成形部で徐冷して押出
成形すると共に、この成形板の押出し力に抗する抑制力
を加えて前記成形部内の押出し生地79の密度を高くす
る工程を少なくとも含むことを特徴とする。また、本発
明の故紙合成粉の製造方法又は故紙合成成形品の製造方
法又は故紙合成板の押出成形方法においては、故紙を小
片に破砕し攪拌衝撃翼85,86,87により攪拌して
解砕し、且つ前記攪拌衝撃翼の剪断速度が900〜98
0rpmであるときの攪拌衝撃翼の剪断力により剪断発熱
を生じさせ、この剪断発熱により前記故紙小片の含有水
分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt%以内に乾
燥して故紙解砕粉を形成し、次いでこの故紙解砕粉に、
熱可塑性樹脂成形材を攪拌衝撃翼により混合して、剪断
発熱によりゲル化混練し、次いで冷却し、粉砕して粒径
10mm以下に整粒する工程を含むことができる。
においては、含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは
0.5wt%以内に解砕且つ乾燥した故紙解砕粉35〜6
5wt%、好ましくは40〜60wt%に対して熱可塑性樹
脂成形材35〜65wt%、好ましくは40〜60wt%を
ともに混合して、剪断発熱によりゲル化混練する攪拌衝
撃翼85,86,87を備える流動混合混練手段と、上
記ゲル化した混練材料を冷却造粒する内部に撹拌衝撃翼
を有し、ジャケットに冷却水の入口および出口を備える
冷却造粒手段と、上記冷却造粒した造粒故紙合成粉を粉
砕して粒径10mm以下に整粒し、故紙合成粉を得る整粒
手段と、前記故紙合成粉を加熱、練成し、スクリュー7
1をもって押出す押出機70の押出ダイ19に、前記押
出ダイ19より吐出された押出し生地79を加熱する溶
融部21a及び所定の肉厚に成形して徐冷する徐冷部2
1bを有する成形室22を備えた成形ダイ10を連結し
たことを特徴とする。
にフッ素樹脂のシートを貼設又はフッ素樹脂をコーティ
ングし且つ成形室22を加熱するヒータ14と、成形室
22を冷却する冷却手段25を成形ダイ10に設け、前
記成形ダイより押し出された押出し生地79の押出し力
に抗する抑制力を加えるブレーキ手段30を設けること
が、より一層均一で高密度の故紙合成板を成形できると
いう点で、望ましい。
投入する。このときの故紙小片は含有水分量が大きく、
例えば含水率6.1wt%である。攪拌衝撃翼85,8
6,87およびスクレイパー84が高速回転し、ミキサ
ー80内の故紙小片は剪断速度が900〜980rpmの
高速回転の攪拌衝撃翼85,86,87による剪断力に
より衝撃破断されて解砕され、このとき攪拌衝撃翼衝撃
力に基づく剪断力により攪拌衝撃翼と故紙小片あるいは
故紙小片同士の摩擦による摩擦熱(本発明では、これら
の熱を総称して「剪断発熱」という)の発生量が向上
し、ミキサー80内の温度が上昇し、この温度上昇に伴
って故紙小片から多量の水蒸気や木酸ガス等の揮散ガス
が揮散し、故紙小片の含有水分量が効率よく低下し乾燥
する。さらに、故紙小片は前記剪断発熱により乾燥する
につれてより一層解砕し易くなり、解砕された故紙小片
はより一層乾燥効率が向上するという相乗効果によっ
て、多量の故紙小片が短時間に解砕・乾燥され故紙解砕
粉が形成される。
キサー80内へ供給すると、乾燥空気内に前記揮散ガス
を含んで排気管95を介してミキサー80外へ排出され
る。故紙小片から揮散した水蒸気がミキサー80の内壁
面に結露して水滴がミキサー80の故紙内へ落下すると
いう現象を避けることができ、ミキサー80内の故紙小
片はより一層効率よく解砕・乾燥される。
含有水分量が0.4wt%という低含水率を示すものであ
る。
紙解砕粉と一種又は数種の熱可塑性樹脂成形材を投入す
る。熱可塑性樹脂成形材は攪拌衝撃翼85,86,87
により前記故紙解砕粉と混練され、攪拌衝撃翼の剪断発
熱により加熱され混合分散に際しても凝集したりせずに
混練されゲル化する。このとき、各故紙解砕粉の周囲全
体が熱可塑性樹脂成形材で覆われるために、一旦混練す
ると故紙解砕粉内の水分は熱可塑性樹脂成形材で閉じ込
められる状態になる。つまり各故紙解砕粉は低含水率の
状態で熱可塑性樹脂成形材により保護され低含水率が維
持される。ついで、冷却造粒手段によりジャケット内の
混練材料は、前記原材料中の熱可塑性樹脂成形材の凝固
点すなわち融点近傍(融点+10°C)まで冷却されな
がら乾燥され、撹拌衝撃翼により殆どが粒径30mm以
下、ときに、100〜150mm程度の塊を含むものに造
粒されて固化させた造粒故紙合成粉を得る。
mmのスクリーンを有するカッターミル等の粉砕機から成
る整粒手段により、粒径(短径)10mm以下、好ましく
は、3〜5mmの米粒大のペレット状の故紙合成粉を得
る。以上のようにしていわゆる熱可塑性樹脂成形材が熱
的、化学的に安定した低含水率の故紙解砕粉に固定化さ
れた状態を定常的に維持し得るようにして故紙解砕粉の
低含水率を維持すべく、また故紙解砕粉と一種又は数種
の熱可塑性樹脂成形材との混合、分散状態を定常的に維
持すべく、良好なる流動性を与える故紙合成粉が形成さ
れ、且つ冷却による凝縮、縮小作用とも相まって、化学
的な反応とか接着によらない故紙合成粉が形成される。
合成粉、もしくは前記故紙解砕粉と一種又は数種の熱可
塑性樹脂成形材とを既知の攪拌機例えば低速回転型の攪
拌機を使用して混合し、これを原材料として射出成形や
押出成形等の成形機に投入し、加熱し、各種成形法によ
って故紙合成成形品に成形されるとき、各故紙解砕粉は
低含水率で且つ粉末状であるので熱可塑性樹脂成形材と
良好に分散し、熱可塑性樹脂成形材が各故紙解砕粉の周
囲全体に覆う状態で冷却され硬化する。したがって、故
紙合成成形品内の故紙解砕粉は低含水率の状態を維持さ
れるので、浸水や高湿度等の外的環境に左右されない安
定した低含水率や低吸水率の製品が形成される。
加熱し成形する際、故紙解砕粉は低含水率であるので故
紙解砕粉からの水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスの発生が
殆どないので、成形機内の壁面の酸化腐食、成形ダイ1
0の損耗、成形品自体の表面の荒れ、気泡、巣の発生等
の問題を生じないものである。
で故紙合成板を成形する場合、押出機70内に投入され
た故紙合成粉は、押出機70内で加熱、混練されスクリ
ュー71で押出ダイ19から押出し生地79として成形
ダイ10の入口11へ押し出される。故紙合成粉の分散
された生地の押出しは、生地の主原料たる熱可塑性樹脂
成形材を単独で溶融する場合の温度より低い温度で押し
出すことができるので、押出し生地79中に分散されて
いる故紙解砕粉が成形ダイ10のヒータ14の熱で焼け
るという現象を生じにくくし、品質特性の低下を防げ
る。故紙解砕粉は熱可塑性樹脂中に均一に分散された状
態で成形ダイ10に押し出される。
れた押出し生地79はヒータ14により加熱された成形
室22の溶融部21a内に押し出されて加熱され、所定
の肉厚に成形されながら溶融部21aを通過して、成形
室22の徐冷部21bに押し出され、該徐冷部21bに
導入される。成形室22の内壁面には摩擦係数が小さい
フッ素樹脂のシート24を貼設し、又はフッ素樹脂をコ
ーティングすれば、この内壁面を通過する押出し生地7
9内に故紙解砕粉を含む場合であっても大きな抵抗を受
けることなく円滑に流動し、均一で高密度の混練状態を
保ちながら押出される。
ば、冷却管25により冷却されており、この冷却管25
内を循環している常温ないし60℃から90℃の水また
は油などの冷却媒体により、押出し生地79が徐冷部2
1bを通過する過程で徐冷されて硬化する。
4を貼設した場合、又はフッ素樹脂でコーティングした
場合には、フッ素樹脂は金属に比べ熱伝導係数が低いの
で、押出し生地79は徐冷部21bにおいて急速に冷却
されることなく徐冷され、冷却による歪みが少なくな
り、均一で高密度の製品としての合成板29である故紙
合成板が成形される。
板29への押出し力に、ブレーキ手段30により抑制力
を加え、この合成板29を介して成形室22内の押出し
生地79に対して前記押出し力に対する抗力を加える
と、押出し生地79にこの抑制力を加えない場合と比べ
て成形室22内の押出し生地79はより一層密度が均一
で高密度になる。
る。
粉の製造工程の概要 図1(A),(B)に基づいて、本発明の故紙解砕粉の
製造方法による故紙解砕粉の製造、並びに故紙合成粉の
製造ラインを一例として、その概要を説明する。
ー等の切断機で幅5mm程度の帯状に切断し、次いでカッ
タミル等の破砕手段で長辺もしくは長径が5mm程度の大
きさの方形、ないしは不定形の小片に破砕する。
造)〕前工程による故紙の小片を、故紙小片解砕・乾燥
手段であるミキサー80へ投入して攪拌衝撃翼85,8
6,87の剪断力で解砕且つ乾燥を行ない、粉末状の
「故紙解砕粉」を製造する。
可塑性樹脂成形材を投入して、この熱可塑性樹脂成形材
とミキサー80内の「故紙解砕粉」とをゲル化混練し
て、「混練材料」を形成する。
して100〜150mm程度の塊となった造粒故紙合成粉
があるときは、必要に応じて粗砕機51で粒径30mm以
下程度に粗砕する。
吸引してサイクロン54ヘ送給し、このサイクロン54
内で粉塵と混練材料とを分級し、粉塵は集塵機へ送り、
混練材料はサイクロン54の下方に設けたクーリングミ
キサー100へ送る。
内で、十分に冷却造粒されて、「造粒故紙合成粉」が形
成される。
0の整粒手段で、約3〜5mm程度の米粒大に整粒され
「故紙合成粉」が形成される。
ロアー53で吸引してサイクロン54ヘ送給し、このサ
イクロン54内で粉塵と故紙合成粉とを分級し、粉塵は
集塵機へ送り、一方、故紙合成粉はサイクロン54の下
方に設けたホッパドライア55へ送られ、このホッパド
ライア55内のヒータで常時、乾燥状態を維持して保存
される。
乾燥手段および流動混合混練手段であるミキサー80内
での故紙の解砕・乾燥工程と、故紙解砕粉と熱可塑性樹
脂成形材とのゲル化混練工程、さらにカッタミル等の整
粒手段による造粒故紙合成粉の整粒工程であり、他は必
要に応じて追加、省略できる。
粉の製造工程の詳細 以下に、上記の主な製造工程及び各製造工程で使用され
る装置の実施例について図面を参照して説明する。
場に一旦、出荷され回収された新聞紙、ラミネート紙を
含む雑誌、広告、チラシ、カタログ等の紙であり、この
故紙の含水率は6.1wt%以上である。
等の切断機で幅5mm程度に帯状に切断し、次いで、この
帯状の故紙を既知の破砕手段、例えば以下に示す「カッ
タミル」に投入し長辺もしくは長径が5mm程度の大きさ
の長方形あるいは正方形等の方形、ないしは三角形、台
形、菱形等の不定形の小片に破砕する。
20を示す。121はカッタミル本体で、上面開口を有
する円筒形を成すケーシングであり、前記開口を開閉自
在な蓋122で被蓋する。前記蓋122はカッタミル本
体121内に被破砕物を投入する投入口123を備えて
いる。
ッタミル本体121の底面に軸承されて図示せざる回転
駆動手段で水平方向に回転するカッタ支持体124を設
け、このカッタ支持体124の外周に上下方向に長い回
転刃125を3枚設け、これらの3枚の回転刃125は
カッタ支持体124の回転方向で120度の等角度を成
すように配設し、3枚の回転刃125の刃先は同一の回
転軌跡上に位置している。さらに、前記3枚の回転刃1
25の刃先の回転軌跡に対して僅かな隙間を介して二の
固定刃126を回転刃125の刃先の回転軌跡の略対称
位置にカッタミル本体121に固定し、二の固定刃12
6とカッタ支持体124と回転刃125とでカッタミル
本体121内を二分し、投入室127と破砕室128を
形成する。前記蓋122の投入口123は前記投入室1
27に連通する。なお、二の固定刃126と回転刃12
5とのクリアランスは被破砕物を所望の大きさに切断、
もしくは広義には破砕できるよう自在に調整できる。本
実施例のクリアランスは0.2〜0.3mmm である。ま
た、破砕室128は前記二の固定刃126間を回転刃1
25の回転軌跡の周囲を囲むようにメッシュのスクリー
ン129で仕切っている。なお、スクリーン129は、
本実施例では直径8mmの孔を無数に形成したパンチング
メタルで構成している。また、破砕室128のカッタミ
ル本体121の下端には前記被処理小片82を排出する
排出口131を設けている。
2の投入口123から前述した5mm幅の帯状の故紙を投
入し、図示せざる回転駆動手段(動力5.5KW)でカ
ッタ支持体124を800rpmで回転すると、故紙はカ
ッタ支持体124の回転刃125と固定刃126間でス
クリーン129を経て形状、面積は、不定であるが、長
辺もしくは長径が5×5mm程度以下の大きさの長方形あ
るいは正方形等の方形、ないしは三角形、台形、菱形等
の不定形の小片に破砕され前記排出口131から排出さ
れる。ちなみに本実施例のカッタミルでは30kgの故
紙を6分(300kg/時間)で処理した。
えば、(株)ホーライ社製のハードクラッシャのよう
に、回転刃125の回転軸は水平方向に設けられ、二の
固定刃126間のスクリーン129は下方に設けられて
いるカッタミルもある。
定されず、例えば、(株)ホーライ社製のガイナックス
クラッシャ、又は(株)奈良機械製作所製のロールクラ
ッシャ等、種々のモノカッタ、シュレッダー、クラッシ
ャ等の「クラッシャ」を用いることができる。「クラッ
シャ」は、例えば、上部に被破砕物の投入口を有するク
ラッシャ本体内に互いに内向きに回転する2軸を平行に
設け、各軸に複数枚の回転刃を所定間隔に設けると共
に、各軸の各回転刃外周で互いに噛み合って且つ各回転
刃の外周面に等角度を成すよう突設した3個の爪刃で被
破砕物を適宜大の断片からなる破砕片に切断するように
設けられている。上部の投入口から投入された被破砕物
は、互いに内向きに回転する2軸の回転刃の爪刃により
内部に引き込まれ、噛み合った状態で回転する回転刃の
外周エッジ間に、連続的に作用する剪断力でスリットし
ながら引き込みのときに作用する圧縮力によって破砕さ
れ切断され、破砕片が形成される。この破砕片は前記2
軸の回転刃の下方に設けたスクリーンを通過して排出口
から排出される。
の大きさは、長さや幅あるいは直径が15mm程度の大き
さより大きくなると乾燥効率がやや低下するので、長辺
もしくは長径が10mm以下、好ましくは8mm以下、より
好ましくは5mm以下の小片に破砕したものがよい。
小片を投入する前の故紙破砕片の含水率は6.1wt%で
あったが、本発明の故紙解砕粉の製造方法においては故
紙小片の含水率が大きい場合でも特に問題はなく、故紙
破砕片の含水率に応じて比例的に処理時間がかかるだけ
である。
われる。
段および後述する流動混合混練手段で、本実施例におい
て、便宜上「ミキサー」という。
円筒形を成し容量が300リットルのケーシングであ
り、前記開口はミキサー本体81内に原料故紙を投入す
る投入口94で、この投入口94を開閉自在な上蓋82
で被蓋する。上蓋82には、乾燥した空気を供給する給
気管96を連通し、また、ミキサー本体81内で故紙小
片から発生した多量の水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスを
排出する排気管95を連通している。さらに、ミキサー
本体81の底面付近の外周面に1ヶ所の排出口88を設
け、この排出口88を被蓋する蓋89をシリンダ91の
ロッド先端に設け、シリンダ91の作動により前記排出
口88を開閉自在に設けている。93は排出ダクトで、
前記排出口88に連通している。
は37kw(DC)の馬力を有する図示せざるモータの
回転駆動手段により高速回転する軸83をミキサー本体
81内の上方に向けて軸承し、この軸83に下から上方
へ順にスクレイパー84、攪拌衝撃翼85,86,87
を装着し、軸83の先端から締付ナット92で締め付け
ている。なお、前記各攪拌衝撃翼85,86,87の形
状は特に限定されないが、本実施例では軸83を中心に
対称を成す2枚羽根である。図2のように3対の攪拌衝
撃翼を重ねた場合は全部で6枚の羽根で成り、これら6
枚の羽根は平面で360度を6等分した等分角(60
度)を成すように互いに交叉した状態で重ねている。な
お、複数個の攪拌衝撃翼を設けた場合、攪拌衝撃翼の合
計の羽根数で360度を等分した角度で互いに交叉して
重ねることは原材料を効率良く混練する点で好ましい。
形状は2枚羽根の先端部分が軸83に取り付ける部分よ
り高くなるように折り曲げた形状をしており、前記先端
部分は軸83の先端より高い位置に配置している。これ
によりミキサー80内に投入した故紙小片の上層部に攪
拌衝撃翼87による剪断力を加えることができ、故紙小
片を効率よく解砕且つ乾燥するという点で、望ましい形
状である。
体81の底面を僅かに摺接して回転し、ミキサー本体8
1内の原材料を底面に滞留しないように掻き回し且つ上
方へ循環させ、さらに、処理された原材料をミキサー本
体81の底面に残留しないよう掻き出すものである。
小片に破砕した故紙、故紙小片を原料として解砕・乾燥
手段であるミキサー80で解砕且つ乾燥する工程を以下
に詳しく説明する。
攪拌衝撃翼85,86,87およびスクレイパー84を
高速回転し、ミキサー80の上蓋82を開放して投入口
94からミキサー本体81内に、大きさが5×5mm程度
で、含有水分量が6.1wt%の故紙小片を25kg、
およびTY−300(酸化チタン)と顔料(黄色)2k
gを共に投入する。
温度は89℃、モータの負荷電流は155Aであった。
5,86,87およびスクレイパー84を回転速度90
0rpmで26分22秒間、回転して故紙小片とTY−3
00(酸化チタン)とを攪拌した。
のミキサー80内の温度は225℃で、モータの負荷電
流は61Aであった。
00rpmで高速回転するので、攪拌衝撃翼85,86,
87による剪断力は高いため、ミキサー80内の故紙小
片は前記剪断力により衝撃破断されて粉末状に解砕さ
れ、また攪拌衝撃翼と故紙小片あるいは故紙小片同士の
摩擦による摩擦熱つまり剪断発熱の発生量が向上し、ミ
キサー80内の温度が上昇する。このミキサー80内の
温度上昇に伴って故紙小片内の水蒸気や木酸ガス等の揮
散ガスの揮発性は向上し、含水率0.4wt%で粉末状に
乾燥される。つまり、小片に破砕された故紙小片はミキ
サー80内で攪拌衝撃翼の剪断力により解砕されるので
乾燥効率が向上し、且つ故紙小片が乾燥するのでより一
層細かく解砕し易くなるという相乗効果があり、故紙小
片は時間の経過とともに解砕され多量の故紙小片が短時
間で解砕・乾燥され「故紙解砕粉」が製造される。
介して図示せざる除湿装置を備える圧縮機ないし送風機
から成る乾燥空気供給源から乾燥空気を供給する(圧力
0.5kg/cm2)。故紙小片から発生した多量の水蒸気や
木酸ガス等の揮散ガスは前記乾燥空気内に含まれて排気
管95より排出され、図示せざるブロワーで集塵装置へ
吸引される。このように乾燥空気をミキサー内へ供給し
ない場合、ミキサー本体81内の水蒸気が上蓋82の内
面などのミキサー80の内壁面に結露し水滴となって下
方の故紙小片へ落下し、ミキサー本体81内の故紙小片
を効率よく乾燥できなくなるので、ミキサー本体81へ
乾燥した空気を供給し排出することは重要である。
つれて故紙小片が軽くなるので攪拌衝撃翼にかかる負荷
が低下し、上記のように、運転開始時のモータの負荷電
流は155Aであったが、運転開始から26分22秒後
には61Aに変化したのである。
る場合は、攪拌衝撃翼の遠心力で故紙小片が舞い上がる
ためミキシング効果が低下し、前記剪断速度が遅すぎる
場合は、攪拌衝撃翼の剪断力による剪断発熱の発生量が
少ないため乾燥時間がかかり、乾燥効率が低下するとい
う理由で、前記剪断速度は好ましくは900〜980rp
m、より好ましくは900〜950rpmである。
化チタン等の添加剤を添加すると、故紙小片が重くなっ
て攪拌衝撃翼の遠心力による故紙小片の舞い上がりが少
なくなるため解砕・乾燥効率を向上させるので望ましい
が、炭酸カルシウム、酸化チタン等の添加剤を添加しな
くとも解砕・乾燥でき、限定されるものではない。
たように攪拌衝撃翼85,86,87の3対の合計6枚
で、スクレイパー84を含めると合計7枚であるが、攪
拌衝撃翼の数が少なくなると、例えば一対の攪拌衝撃翼
85とスクレイパー84の合計3枚であると、攪拌衝撃
翼の剪断力による剪断発熱の発生量が少なくなり故紙小
片が効率良く解砕・乾燥しないという理由で、好ましく
はスクレイパー84を含めて5枚以上、より好ましくは
スクレイパー84を含めて7枚以上である。
ンダ91を作動し蓋89を移動して排出口88を開放
し、低速回転のスクレイパー84でミキサー本体81内
の故紙小片を排出口88から排出ダクト93へ掻き出し
て排出する。
のミキサー80内の温度、モータの負荷電流、故紙小片
の含水率はそれぞれ、以下に示すように経時変化を示し
ている。
が0.1mm程度の粉末状に解砕され、僅かながら1〜2
mm程度の大きさの粒状に丸められており、含有水分量が
0.4wt%であり、全体として粒状に近く、丸みを有し
ており表面が比較的平滑で緻密になっている。なお、故
紙解砕粉は、ほとんど相互に凝集を生ずることがなく、
且つ溶液などに対する分散性が良好で、顔料などの担持
母材として適切である。
れた熱可塑性樹脂成形材と既知の攪拌機により混合し攪
拌した後、これを射出成形や押出成形等の成形機内に投
入、加熱し、各種成形法によって故紙合成成形品に成形
することができる。この場合、攪拌機として低速回転型
のものを使用し、各故紙解砕粉が低含水率で且つ粉末状
であるので故紙解砕粉は熱可塑性樹脂成形材材のペレッ
トと満遍なく良好な状態に混合する。
形等の成形機に投入し、加熱し、混練するとき、熱可塑
性樹脂成形材が各故紙解砕粉の周囲全体に覆う状態で混
練され、冷却され硬化する。したがって、故紙合成成形
品内の故紙解砕粉は低含水率の状態を維持されるので、
浸水や高湿度等の外的環境に左右されない安定した低含
水率や低吸水率の製品が形成される。
上記の原材料を各種成形法の成形機で加熱し成形する
際、故紙解砕粉からの水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスの
発生が殆どないため、成形機内の壁面の酸化腐食、成形
ダイの損耗、成形品自体の表面の荒れ、気泡、巣の発生
等の問題が生じない。
ともにミキサー80内でゲル化混練し、冷却して後述す
る故紙合成粉を形成することができる。
紙解砕粉とを押出機やミキサー80内で混練すると、各
故紙解砕粉の周囲全体が熱可塑性樹脂成形材で覆われる
ために、一旦混練すると故紙解砕粉内の水分は熱可塑性
樹脂成形材で閉じ込められる状態になるので、その後は
乾燥したとしても故紙解砕粉の含水率を低下させること
はできなくなる。従って、熱可塑性樹脂成形材と故紙解
砕粉とを押出機やミキサー80内で混練する前に、故紙
解砕粉の含水率を1wt%以内に、好ましくは0.5wt%
以内にすることが望ましく、この故に本発明の故紙解砕
粉の製造方法は、故紙の水分を殆ど除去でき且つ解砕す
るので極めて有用であり、得られた故紙解砕粉は利用範
囲が広範囲に及ぶものである。
砕・乾燥処理した後、故紙解砕粉をミキサー80から排
出したが、この故紙合成粉の製造例では前記故紙解砕粉
を排出せず、その後ミキサー80内に1種または数種の
熱可塑性樹脂成形材を投入し、この熱可塑性樹脂成形材
と前記故紙解砕粉とを流動混合混練手段である同じくミ
キサー80でゲル化混練して「故紙合成粉」を形成す
る。以下に詳しく説明する。
の故紙解砕粉(含水率0.4wt%)25kgが形成され
ている。
成形材として、農業などで使用済みのプラスチックフィ
ルム廃棄物、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポ
リ酢酸ビニル、ポリオレフィンなど所謂施設園芸、農業
におけるビニールハウスやその他の栽培用の農産物の種
子や苗などの被蓋に使用され、また、他の用途に使用さ
れ廃棄された使用済のフィルムあるいはシートを形成す
る熱可塑性樹脂製のフィルムもしくはシート(本明細書
において、「廃農フィルム」という)のうち、軟質PV
Cで成る廃農フィルムから回収した熱可塑性樹脂成形材
の軟質PVC12kgと、バージンの硬質PVC12k
gの粉砕片を投入し、攪拌衝撃翼の剪断速度900rpm
で4分37秒間混練した。したがって、故紙解砕粉は2
5kgで51wt%で、前記熱可塑性樹脂成形材の軟質P
VC12kgとバージンの硬質PVC12kgで合計2
4kgのPVCで49wt%の配合である。なお、バージ
ンの硬質PVCの熱可塑性樹脂成形材の形態は、本実施
例ではペレットを使用している。
サー本体80内の温度は147℃であったが、4分37
秒後の温度は210℃であった。PVCの融点は65〜
80℃であり、この工程で、原材料内の故紙解砕粉によ
りPVCは大きな塊とはならず、混合分散に際しても凝
集したりせずに粘土状にゲル化する。この工程で、上記
の粘土状にゲル化したものは直径約10〜100mmの塊
状の「混練材料」となった。この混練材料は、個々の故
紙解砕粉がその故紙解砕粉単体の表面全体に熱可塑性樹
脂を付着した状態に形成され、故紙解砕粉が熱可塑性樹
脂成形材で閉じ込められた状態になるので、各故紙解砕
粉粒は外的環境に影響されない安定した低含水率を維持
する形態になる。
ン、顔料等の添加剤をミキサー80内に投入することが
できる。
形される故紙合成板に良好な寸法安定性をもたらし、温
度変化に伴う膨張収縮を著しく少なくすることに寄与す
るもので、押出加工における成形品の変形を防止し、且
つそれ自体安価である。
における分散性が良好であり、押出機等で押出成形され
る故紙合成板に対して温度変化に伴う膨張収縮を著しく
少なくすることに寄与するものである。
ル、メラミン等で成り、木酸ガスの中和剤となる。
速にし、シリンダ91を作動して蓋89を後退して排出
口88を開放する。ミキサー本体81内のゲル化した原
材料は排出口88から排出ダクト93を経て、次工程へ
排出される。排出時の温度は215℃、熱可塑性樹脂成
形材を投入してから排出するまでは5分29秒で処理さ
れた。
熱可塑性樹脂成形材の融点より10℃程度高い温度にま
で下げれば、ミキサー80内の混練材料は冷却され、直
径約25mm以下の大きさの塊に造粒され後述の造粒故紙
合成粉と同等のものが形成される。しかし、本実施例で
は後述する冷却造粒工程で一定粒径の粉体に形成され
る。
施例では「クーリングミキサー」という。
ダクト93を経てクーリングミキサー100の投入口1
13から逆円錐形状を成すミキサー本体101内へ投入
される。ミキサー本体101の上壁内の略中心に軸承さ
れたアーム103が減速装置112を介してモータ11
1により3rpm の速度で水平方向に回転している。前記
アーム103の先端にはスクリュー型を成す撹拌衝撃翼
104が軸承され、該撹拌衝撃翼104の回転軸線方向
がミキサー本体101の内周壁面に沿って略平行に下方
へミキサー本体101の下端付近まで延長している。撹
拌衝撃翼104はアーム103内に設けた歯車等による
回転伝達手段を介して前記モータ105の出力軸に連結
する回転軸に連結され90rpm の速度で回転駆動され
る。撹拌衝撃翼104はミキサー本体101の内周壁面
に沿って円錐を描くように回転し、アーム103内の混
練材料を攪拌する。
ジャケット102内に給水管108から排水管109へ
常時、冷却水を供給され、撹拌衝撃翼104で攪拌され
る混練材料は、ジャケット102内の冷却水により冷却
されたミキサー本体101の内周壁面で熱可塑性樹脂成
形材の融点近傍まで冷却され、直径約25mm以下に造粒
された「造粒故紙合成粉」が形成され、この造粒故紙合
成粉はバルブ106を開放して排出口107より排出さ
れる。
造例では前述したミキサー80内で215℃にゲル化し
た混練材料をクーリングミキサー100へ投入してから
10〜15分程度で、55〜65℃まで冷却され、この
クーリングミキサーによって効率よく冷却造粒される。
このときのジャケット102内の冷却水については、給
水管108から供給する冷却水の温度は30℃で、排水
管109より排水される冷却水の温度は41℃。
凝固点すなわち融点以下に冷却されることが望ましい
が、故紙解砕粉を混合しているので熱可塑性樹脂成形材
の融点以下にまで下げる必要はなく、実際には造粒故紙
合成粉が排出口107より排出可能な温度まで冷却され
れば良く、混練材料内の熱可塑性樹脂成形材の融点より
約10℃高い温度まで冷却すれば良い。
キサーのような装置に限定されるものではなく、ミキサ
ー本体内の混練材料を攪拌する攪拌羽根を設け且つミキ
サー本体の外周壁面に前述したようなジャケットを設
け、このジャケット内を流れる冷却水でミキサー本体内
の混練材料を冷却するものであれば良い。
は前記ジャケット102を備えてない一般的なミキサー
を用いて攪拌のみを行なって冷却することも可能である
が、効率よく冷却できるという点で、本実施例のような
クーリングミキサーを使用することが望ましい。
に前述した図4と同様のカッタミルを使用してカッタ支
持体124の回転刃125と固定刃126間で約0.1
〜5mm程度に切断され「故紙合成粉」が形成され、整粒
室128のスクリーン129のメッシュを通過して粒径
(短径)3〜5mmの米粒大の「故紙合成粉」が排出口1
31より排出される。スクリーン129は、直径8mmの
孔を無数に形成したパンチングメタルで成る。
脂成形材としては、PVCを主な例として説明したが、
他の廃棄された各種の樹脂成形品から回収して得られた
熱可塑性樹脂成形材を熱可塑性樹脂成形材として素材化
した、ABS樹脂,ポリスチレン、PET(ポリエステ
ル)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネー
ト)、ナイロン等の樹脂の一種又はこれらの数種の混合
したものを用いることができる。
ィルムを始め熱可塑性合成樹脂製品の廃材から得られた
回収熱可塑性樹脂成形材を再利用したもの、あるいはバ
ージンの熱可塑性樹脂を投入し、あるいはバージンの熱
可塑性樹脂と前記回収熱可塑性樹脂成形材をそれぞれ、
例えば50%ずつ用いることもできる。
との混合比の実施例を以下に示す。
や押出成形、圧縮成形等の各種成形法で使用される成形
機へ直接投入して故紙合成成形品に成形することも、成
形用あるいは顔料等を含む充填材としての樹脂素材の形
態であるペレットに成形することもできる。
性樹脂成形材とを既知の攪拌機により低速回転で攪拌し
て混合した後、これを射出成形や押出成形、圧縮成形等
の各種成形法で使用される成形機内に投入、加熱し、各
種成形法にて故紙合成成形品を成形することができ、あ
るいは前述した故紙合成粉を前記成形機内に投入し、加
熱して各種成形法により成形して故紙合成成形品を製造
できる。以下、本発明の故紙合成粉を用いて故紙合成成
形品を製造する製造実施例を示す。
の製造例〕 本発明の故紙合成粉を用いて射出成形にて成形したテレ
ビケースの故紙合成成形品の製造例を以下に示す。
%で成る故紙合成粉を成形材料として横形の射出成形機
のホッパへ投入する。故紙合成粉はホッパから射出ラム
の往復運動に関連して加熱シリンダ内に送られ、この加
熱シリンダ内で加熱、練成され、軟化し流動性を帯び
る。この錬成された生地を射出ラムにより金型のキャビ
ティ中にプランジャーで押し出される。すなわち、前記
生地は加熱シリンダの一端のノズルを通り、金型の湯道
(スプルー)を経て金型の湯口(ゲート)から金型のキ
ャビティへ射出され、冷却されてテレビケースの故紙合
成成形品となる。前記射出ラムの往復運動、金型の開閉
等の操作は全自動化されており、射出ラムを自動操作に
より反復操作して上記の射出成形工程の動作を繰り返し
行ない、テレビケースを多量生産する。
の製造例〕 本発明の故紙合成粉を用いて押出成形にて成形した故紙
合成板の故紙合成成形品の製造例を以下に示す。
インを示すもので、61はアジターフィーダで、故紙合
成粉を貯槽するタンクであり、押出機70の上部に設け
られている。このアジターフィーダの下部にはスパイラ
ルのスクリューが設けられ、このスクリューでアジター
フィーダ61内の故紙合成粉を下方の押出機70のホッ
パ73へ搬送する。押出機70及び該押出機70内のス
クリュー71を回転駆動するモータ74は、水平方向へ
回動自在のベースプレート77の上面に設置されている
ので、押出機70を水平方向へ回動して押出機70の先
端の押出ダイ19やスクリーン等の部材を容易に着脱で
き、また押出ダイ19を成形ダイ10に装着できる。故
紙合成粉はアジターフィーダ61から押出機70のホッ
パ73へ投入され、押出機70内で加熱、混練され、押
出ダイ19から成形ダイ10へ吐出され、成形ダイ10
で合成板に成形される。この合成板にはブレーキ手段3
0により合成板の押出方向と反対方向へ作用する抑制力
が加えられて故紙合成板が成形される。なお、前記ブレ
ーキ手段30は必ずしも必要ではなく省略して故紙合成
板を成形できる。
いて図面を参照して詳細を説明する。
は図示のようなスクリュー形であり、単軸押出機と多軸
押出機又はこの変形及びこれらが組み合わさった構造を
持つものがある。本発明の押出機としては、前記いずれ
の構造のものをも使用することができる。 71はスク
リューで、本実施例ではこれを単軸型としている。一般
に押出成形に使用されるスクリューは、基部から先端に
向けてスクリュー溝の絞りの変化を大きくしているが、
本発明のスクリューは、スクリュー溝の絞り変化を小さ
くして故紙解砕粉の混入により流動性の低下した押出し
生地の流動性を向上させている。ちなみに、一般のスク
リュー溝の深さは基部で10mm、先端で1〜2mmに形成
されているが、本発明のスクリュー71はスクリュー溝
の深さを基部で10mm、先端で7〜8mmに形成してい
る。
して図5(A),(B)のモータ42によって駆動さ
れ、バレル74内で回転する。この回転するスクリュー
71でホッパ73から投入された故紙合成粉が混練され
ながらスクリュー71の前方へ押出される。バレル74
の外面にはバンドヒータ75を設けており、このバンド
ヒータ75によりバレル74内の故紙合成粉つまり故紙
解砕粉と樹脂が加熱されスクリュー71の溝に沿って前
方へ移送され、漸次溶融して熱可塑性樹脂成形材が故紙
解砕粉を均一に分散した状態で混練される。そしてスク
リーン76及びアダプタ17を経てアダプタ17の押出
ダイ19から成形ダイ10へ押出し生地79として押出
される。
ゲル化混練した故紙合成粉は、これに押出機70内で強
い押出力を加えると、チクソトロピー(揺変)を呈する
ので、粘度が低下して流動性が向上する。
砕粉を分散した熱可塑性樹脂成形材、すなわち故紙合成
粉は、熱可塑性樹脂成形材を単独で押出成形する場合に
比較して、低温で押出成形を行うことができるので、押
出機70が押出成形の際に熱可塑性樹脂成形材に加えら
れる熱により劣化することを防止でき、かつ、成形され
た故紙合成板自体温度が低いものとなるので、この故紙
合成板の冷却を容易に行うことができる。
粉、つまり故紙解砕粉51wt%と廃農フィルムから回収
した熱可塑性樹脂成形材の軟質PVC24.5wt%とバ
ージンの硬質PVC24.5wt%で成る故紙合成粉を上
記の押出機70のバレル74内に投入し、スクリュー回
転数19.1rpmでゲル化混練したところ、押出成形時
の押出機内の樹脂温度の測定値は、設定温度160〜1
75℃に対し160〜178℃であった。この押出成形
時の押出機内の樹脂温度に比して、ポリ塩化ビニル(P
VC)単独でペレット成形を試みた時の溶融温度は19
0℃で、熱可塑性樹脂成形材に故紙解砕粉を分散させた
故紙合成粉から成るペレットの成形における両者のゲル
化混練温度は195〜225℃であった。
故紙合成粉成形時に顔料を添加し、もしくは原材料とし
て着色した故紙解砕粉を使用することにより、例えば木
質感のある色彩の製品として着色することもできる。
れた押出し生地79を流入する流入口18と押出し生地
79を後述する成形ダイ10へ吐出する押出ダイ19と
を備えている。さらに、アダプタ17の先端に断面矩形
状を成す突部を設けている。前記押出ダイ19は前記突
部の先端に約8mmの肉厚を形成するように幅50mm、高
さ12mmの細長の矩形状を成し、前記流入口18はアダ
プタ17の後端面に直径50mmの円形を成し、この流入
口18から前記押出ダイ19に向けて徐々に断面変形す
る流路を形成している。なお、流入口18は押出機70
の断面円形の吐出口と同じ大きさに形成し、一方、押出
ダイ19の吐出口の矩形の幅は流入口18の直径と同じ
寸法に形成し、高さは後述する成形ダイ10の入口11
の高さと同じ寸法に形成することが好ましい。
7の外周に嵌着した取付具を介して押出機70のスクリ
ーン76を備えたスクリーン部16の先端面にボルトな
どの取付具で連結してアダプタ17の流入口18と押出
機70のスクリーン部16の出口とを連通し、一方、成
形ダイ10の後端面の略中央位置に断面矩形状の凹部を
形成し、この凹部にアダプタ17の先端の断面矩形状の
突部を装着して押出ダイ19と成形ダイ10の入口11
を連通する。
には加熱手段たるヒータを埋設することもできる。
押し出された押出し生地79は、アダプタ17の流入口
18から流入し、ヒータで加熱保温されながら押出し生
地79の流路を経て押出ダイ19から成形ダイ10の入
口11から成形ダイ10内へ流動する。流入口18から
押出ダイ19への連通孔の断面変化は比較的急激に狭く
なつているが、この断面変化は高さ方向の変化のみであ
るので、押出し生地79の流動状態は複雑ではなく良好
である。しかも、前記押出ダイ19は通常の一般的なダ
イとは異なり、射出口が大きいため多量の押出し生地7
9を吐出し、且つ密度を促進可能な形状に形成されてい
るので、故紙解砕粉を混入したために流動性の低下した
押出し生地79を吐出した場合であっても通常のダイで
生じていたような目詰まりが生じることはない。
で、いわゆるTダイ式の成形ダイに類似の形状を成して
おり、押出機70と前記アダプタ17を介して接続さ
れ、押出機70の押出ダイ19に連結された入口11
と、この入口11から導入された押出し生地79を幅広
で所定の肉厚の板状に成形する成形室22を有する。こ
の成形室22内は、成形室22の入口付近から押出し生
地79の押出方向に向かって、成形室22の長さの約5
分の1まで、その外周にヒータ14が配設された溶融部
21aを形成しており、また、他の部分は、前記溶融部
21aの境界から押出し生地79の押出方向に向かって
ダイ出口23まで、その外周に冷却管25が配設された
徐冷部21bが形成されている。
押出し生地温度の測定値は、前記上下2本の各ヒータ1
4の設定温度175℃に対し172.8〜175℃であ
った。
熱及び冷却手段をそれぞれ備える上下2枚の金属板2
6,27を両側縁に配置した金属製のスペーサを介して
断面方形に形成したもので、上下2枚の金属板26,2
7のいずれか一方若しくは双方を交換することにより、
成形室22の高さを変更可能に構成されている。
り、成形ダイ10の成形室22の高さを成形ダイ10の
入口11の高さと同一の状態〔図8(A)〕から、成形
ダイ10の入口11より低い状態とした場合の例を図8
(B)に示す。このように、上側金属板26の交換によ
り、成形ダイ10の成形室12を成形ダイ10の徐冷部
21bに向かって徐々に狭く断面変化する形状にするこ
とで、成形ダイ10の入口11の高さを変更することな
く成形室22の高さ、従って、製品の厚みを変更するこ
とができるので、押出ダイ19の吐出口の高さと成形ダ
イの入口11の高さが常に略同一高さとなるように構成
することができる。
を成形ダイ10の入口11の高さと常に同一にすること
で、成形される合成板の交換毎に押出ダイ19を交換す
ることなく、故紙解砕粉が分散されて押出し生地79を
容易に成形室22内に吐出することができ、押出ダイ1
9の吐出口や成形ダイ10の入口11付近がこの押出し
生地によって目詰まりを起こすことを防止することがで
きる。さらには、成形ダイ10の溶融部21aが成形ダ
イ10の徐冷部21bに向かって、押出し生地79を徐
々に圧縮するような形状となるので、押出し生地79の
流動性が向上すると共に、均一、高密度の故紙合成板が
成形され、かつ故紙解砕粉と熱可塑性樹脂成形材との圧
密、密着性が向上し、強度の高い合成板を得ることがで
きる。
は、幅640mm、高さ12mmの細長の矩形状の断面を成
す〔図8(A)〕。
の形状を成形ダイ10の幅方向に湾曲して延長する両端
が成形室22の長手方向の両端に及んで、いわゆるコー
ト・ハンガー型に形成されている(図7)。
ー型の他、ストレイト・マニホールド型に形成してもよ
いが、溶融部21a内を流動する押出し生地79の流動
性が優れているという点で、前述した湾曲形状のコート
・ハンガー型が好ましい。成形ダイ10は、一例とし
て、幅640mm、高さ12mmの細長の矩形状の断面を成
し、成形室22の入口からダイ出口23までの距離(押
出し方向の距離)は600mmである。
前記成形室22の上下左右の四方の内壁面は厚さ0.2
5mmのフッ素樹脂でなるシート24を貼設している。こ
の他に、成形室22の上下左右の四方の内壁面にフッ素
樹脂を直接表面コーティングすることもできるが、交換
が容易でありフッ素樹脂のコーティング加工が容易で耐
久性に富むという点で、フッ素樹脂のシート24を貼設
することが特に好ましい。
織布の表面にフッ素樹脂をコーティングしたものであ
り、フッ素樹脂には上述のように、テフロンTFE、テ
フロンFEP、テフロンCTFE、テフロンVdF等が
ある。なお、前記ガラス織布はガラス繊維の不織布でも
よい。
工は、成形室22の上下の内壁面、すなわち故紙合成板
の表裏面を形成する面に相当する内壁面に施すこともで
きるが、前述したように成形室22の上下左右の内壁面
全体に施すことが望ましい。
電熱ヒータ等の加熱手段から成り、押出し生地79を加
熱保温し、押出し生地79の流動性を維持するため、成
形ダイ10を形成する上下2枚の金属板26,27に、
溶融部21aを成している。なお、前記ヒータ14は前
記上下2枚の金属板26,27のいずれか一方にのみ配
設することもでき、また、成形ダイ10の外壁に配設す
ることもできる。
形ダイ10の成形室22を冷却する冷却手段の一例を示
すもので、成形室22の押出し方向に適当な間隔毎に、
この冷却管25に常温の水又は70〜80℃程度までの
水あるいは油等の冷却媒体たる冷却液を供給して成形室
22内の押出し生地79を冷却する。この冷却管の配管
は成形室22内の押出し生地79の徐冷効果を向上する
ために前記溶融部21aの境界から押出し生地79の押
出方向に向かって成形ダイ10のダイ出口23の方向に
向けて成形室22の上下2枚の金属板26,27の各々
に4本等間隔で挿通して配管設置されている。なお、冷
却管25は、上下2枚の金属板26,27のいずれか一
方にのみ配置することもでき、またその設置間隔を次第
に狭くするように設けることもでき、あるいは冷却管2
5を成形ダイ10の外壁に配設することもできるが、成
形室22内の押出し生地79を冷却できればよいので、
この実施例の構造に限定されない。
り押出された押出し生地79は、成形ダイ10の入口1
1より導入され、成形ダイ10の成形室22の幅方向へ
流動する。なお、成形ダイ10内が空の状態時には成形
室22の溶融部21aと徐冷部21bの境界付近を後述
するブレーキ手段30に迄達する後述の故紙合成板等で
閉塞しておくことにより、流入した押出し生地79が溶
融部21a内で成形室22の高さ方向に早期に積層さ
れ、ブレーキ手段30により押出し生地79に押出し力
に抗する抑制力が加わって、押出し生地79の密度を高
めることができる。
aに押し出される際、成形室22の溶融部21aはその
幅が急に拡がっているので、溶融部21a内を流れる押
出し生地79は良好な混練状態を保ち、故紙解砕粉を均
一に分散した状態で押出される。
徐冷部21b内に導入されて徐冷され、次いで徐冷部2
1b内の冷却管25内を流れる冷却水により冷却されて
硬化して12mmの肉厚を有する故紙合成板となり、押出
し生地79によって押し出される。
する過程において、成形室22の上下左右の四方の内壁
面には、フッ素樹脂で成るシート24を貼設しているの
で、押出し生地79は徐冷されながら円滑に押出され
る。
し、表面が平滑であり摩擦係数が小さく、金属に比べて
熱伝導係数が低いという性質を有しているので、押出し
生地79に対して以下に示すような作用をする。
小さいので、成形室22内を通過する押出し生地79内
の故紙解砕粉は大きな抵抗を受けずに流動する。そのた
め押出し生地79の混練状態は良好な状態を維持して、
故紙解砕粉が分散した状態となり、結果として密度が均
一で巣ができずしかも表面が平滑な高品質の故紙合成板
が生成される。
地79が冷却されるので押出し生地79の流動性が悪く
なる上、押出し生地79内の故紙解砕粉は樹脂に比べて
摩擦抵抗が大きく、従来のTダイ式の成形ダイ10にお
いては、成形ダイ10の内壁面も摩擦抵抗が大きいの
で、故紙合成板の場合、成形ダイ10の内壁面を接触し
て流動する故紙解砕粉は大きな抵抗を受けることになり
円滑に流動しないため押出し生地79の混練状態を粗密
にし巣を形成するなどの悪影響を及ぼすものであった
が、本実施例の成形ダイ10においては成形室22の内
壁面に表面が平滑で摩擦係数の小さいフッ素樹脂のシー
ト24を貼設したことにより、押出し生地79の故紙解
砕粉は成形室22の内壁面との接触によっても大きな抵
抗を受けることなく円滑に流動し、押出し生地79に前
述したような悪影響を及ぼすことなく押出し生地79は
均一・高密度の良好な混練状態で成形室22内から押出
される。
に際しては、押出し生地79内の故紙解砕粉に対する抵
抗力が小さくなり押出し生地79は均一な密度で成形さ
れるので、製品としての合成板29である故紙合成板の
表面にはいわゆる肌荒れが生じることなく平滑な面に仕
上がる。本発明は上述したように押出し生地79の故紙
解砕粉が円滑に流動するので、故紙解砕粉が焼けること
なく耐衝撃性など品質特性の低下が生じない。
係数が低いので、押出し生地79を急速に冷却すること
なく徐冷する効果があり、押出し生地79の急速な冷却
による歪みを抑える作用を有する。
に冷却管25などの冷却手段を設けたので、従来の押出
成形法やカレンダー成形法のように成形後、合成板を冷
却ロール等で冷却したり補正ロール等で歪みを取る必要
がなく、押出し生地79が成形ダイ10のダイ出口23
から押出されたときに内部残留応力の少ない故紙合成板
の完成品が成形される。
押出成形法においては、押出機70で混練された押出し
生地79が比較的小径の押出ダイ19から幅狭で細長な
矩形状を成す成形部へと急激な断面変化をする導入室1
2内を流動し次いで幅狭な成形室22内を比較的長い距
離を流動するので、従来のいわゆるTダイ式の成形ダイ
による押出成形法では、故紙解砕粉を多量に混入した樹
脂の成形は不可能であったが、本発明は、上述したよう
にフッ素樹脂の優れた性質を充分に活かしていわゆるT
ダイ式の成形ダイによる多量の故紙解砕粉を含有した故
紙合成板の押出成形を行うことができる。
成板29に対してブレーキ手段30により押出し方向と
反対方向へ抵抗力を加えて、合成板29の押出し力を抑
制する。以下に、ブレーキ手段30の実施例を図を参照
して説明する。
チローラ31bの軸の両端を軸承する軸受34aをそれ
ぞれ、軸受固定フレーム36に固定し、固定ピンチロー
ラ31aを各軸に設けた歯車116と、この歯車116
に噛合する歯車117で連動し、3本の固定ピンチロー
ラ31aのうち1本の固定ピンチローラ31aの軸にパ
ウダブレーキ115の入力軸を連結する。パウダブレー
キ115は、いわゆる電磁ブレーキであり、摩擦トルク
を電気的に微妙に調整できるものである。
114を立設し、このフレーム114の壁面にガイド溝
を備えたブロック状のガイド体119を2本をそれぞ
れ、該ガイド体119の軸線方向を上下方向に向けて略
平行に設け、各3本の自在ピンチローラ31bの軸の両
端を軸承する軸受34bを前記ガイド体119のガイド
溝に沿って上下動自在に設け、前記軸受34bをそれぞ
れ、フレーム114の上面に設けた3本のエアシリンダ
118のロッドの先端に連結する。
り、3本の自在ピンチローラ31bでそれぞれ故紙合成
板29を介して固定ピンチローラ31aを加圧し、3本
の固定ピンチローラ31aの内1本の固定ピンチローラ
31aの軸をパウダブレーキ115により回転を抑制
し、この固定ピンチローラ31aの軸に設けた歯車11
6が他の2本の固定ピンチローラ31a,31aの軸に
設けた歯車116,116に歯車117,117を介し
て噛合しているので、3本の固定ピンチローラ31aに
はパウダブレーキ115の摩擦トルクによる同一の回転
抑制力が作用する。
定ピンチローラ31aの回転を抑制する摩擦トルクは、
成形する故紙合成板29の板厚により調整する。
トルクは故紙合成板29の押出し力に対する抑制力とな
り、成形ダイ10の導入室12内の押出し生地79をよ
り一層高密度で均一な状態にし、この均一で高密度の押
出し生地79は押出機70による押出し生地79の押出
し力により前記ブレーキ手段30の抑制力に抗して前進
し、成形室22内で冷却され故紙合成板29が成形され
る。この故紙合成板29はパウダブレーキ115の抑制
力に抗して前記固定ピンチローラ31a及び自在ピンチ
ローラ31bを回転させながら前進する。
室22及び導入室12内の押出し生地79に、押出機に
より加えられる成形室22内の押出し生地79の押出し
力に対して抗力を与えることにより、成形室22内の押
出し生地79の全体がより一層密度が均一で高密度にな
る。故紙合成板29に抑制力を加えていることにより押
出し生地79の密度が高くなるので、故紙解砕粉同士の
密着性を高めると共に、合成板中に気泡、巣等を生じる
ことを防止する。したがって、一層均一高密度な故紙合
成板が成形される。
る故紙合成板をカッター、シャーリング、鋸盤等の切断
機で所望の長さに切断する。薄肉の合成板29であれば
カッターなどの切断機を使用し、12mmなどの厚肉の合
成板29であればシャーリング、鋸盤等の切断機で切断
する。
合成板 W:640mm、H:12mmを鋸盤により182
0mm毎に切断し、重量19.6kgの故紙合成板を得
た。なお、肉厚10〜12mm程度の故紙合成板は、コク
リートパネル、車両用内外装の板、机やテーブル、住宅
の内外装用建築ないし建具部材、食器棚等の家具材料な
ど他の用途にも使用される。
とすることによって、肉厚20〜30mmの故紙合成板が
成形され、この故紙合成板は床板や他の用途の板材とし
て使用される。
合成板 W:640mm、H:3mmをシャーリングにより
1820mm毎に切断し、重量3.5kgの故紙合成板を
得る。
料、機器パーツ等として広範囲な使用目的に向けた素材
となる。例えば、上記の薄板の故紙合成板は、家屋の室
内装飾用の化粧板などの建築材として使用され、あるい
は約300mm四方の大きさに加工してフロアリングブロ
ックなどの床材として使用される。さらに、他の用途と
して、自動車の車内の内装材として、例えば、運転席の
メータパネル周りの化粧板、トランスミッション周囲の
化粧板、その他の車内の壁面の化粧板として使用され、
高級感を得ることができる。機器パーツとしては電気機
器等のボックスパネルや他の機器の化粧板として使用さ
れる。したがって、成形される故紙合成板の肉厚は上記
の実施例に限定されない。
故紙合成板(以下、「本願例」という)と、 他の板
材、すなわちラワン合板と、MDFと、パーティクルボ
ードと、ラワン天然合板と、本発明故紙合成粉と同様に
して製造した本出願人の発明による木粉とPVCの樹脂
(木粉51wt%,PVC49wt%)で成る木質合成粉を
用いた木質合成板(以下、「木質合成板PVC〕とい
う)と、木粉とPPの樹脂(木粉53wt%,PP47wt
%)で成る木質合成粉を用いた木質合成板(以下、「木
質合成板PP〕という)の各比較例の物性特性を表5に
示す(各板厚は12mm)。
ても、比較例のMDFやパーティクルボード、木質合成
板PVC、木質合成板PPより高い値を示している。例
えばパーティクルボードの縦方向の曲げ強さに対して
2.6倍、パーティクルボードの横方向の曲げ強さに対
して3.9倍の数値を示している。しかも、主成分の熱
可塑性樹脂成形材が同材質のPVCで、他の主成分が木
粉である木質合成板PVCと比較すると、縦方向の曲げ
強さでは木質合成板PVCより20%ほど高い値を示
し、横方向の曲げ強さでは木質合成板PVCより30%
ほど高い値を示している。さらに、ラワン合板と比較す
ると、縦方向の曲げ強さではラワン合板より低いが、横
方向の曲げ強さではラワン合板より高い値を示してい
る。
近づいた曲げ強さを示し、他の比較例より高い曲げ強さ
を示すという、良好な結果を得た。
同様、曲げ弾性率においても良好な結果を示している。
ラワン天然木材の含水率に対して10〜26分の1とい
う、極めて低い含水率を示しており、本発明の特徴を明
確に示すものである。なお、木質合成板PVC及び木質
合成板PPの含水率とはほぼ同じ程度の値を示してい
る。含水率が低いことは、板の膨張、収縮の変化率が小
さいことを意味しており、浸水や湿度などの環境変化に
よる板の寸法変化が小さいので、板の割れや寸法の狂い
が生じにくいことを意味している。
ラワン天然木材の吸水率に対して6〜18分の1とい
う、極めて低い吸水率を示しており、上記の含水率と同
様に、本発明の特徴を明確に示すものである。なお、木
質合成板PVC及び木質合成板PPの吸水率とは同じ程
度の値を示している。
て述べたように、浸水や湿度などの環境変化による板の
膨張、収縮の変化率が小さいので、板の割れや寸法の狂
いが生じにくいことを意味している。つまり、本発明の
故紙合成粉は各故紙解砕粉の周囲全体が熱可塑性樹脂成
形材で覆われるために、一旦、低含水率の故紙解砕粉と
熱可塑性樹脂成形材とを混練すると、各故紙解砕粉内の
水分は熱可塑性樹脂成形材で閉じ込められる状態にな
る。このため、各故紙解砕粉はいわば熱可塑性樹脂成形
材により保護されるので、浸水あるいは高湿度などの外
的環境変化に左右されにくくなり安定した低含水率を維
持する。したがって、本願例の含水率及び吸水率がいず
れも低い数値であることは、本発明の故紙合成成形品が
外的環境変化に左右されず安定した寸法を維持するとい
う特徴を示している。
のいずれにおいても、ラワン合板、MDF、パーティク
ルボード、木質合成板PVC、木質合成板PPより高い
値を示している。表面方向の木ねじ引抜き保持力では
1.95〜3.05倍、木口方向の木ねじ引抜き保持力
では4.09〜4.62倍の数値を示している。しか
も、主成分の熱可塑性樹脂成形材が同材質のPVCで、
他の主成分が木粉である木質合成板PVCと比較する
と、表面方向及び木口方向の木ねじ引抜き保持力のいず
れにおいても、木質合成板PVCより18%ほど高い値
を示している。
引抜き抵抗の場合のように釘の周囲への板の組織の摩擦
力と異なり、板の組織の剪断力と関係があると考えられ
る。つまり、故紙合成板の場合は、ねじ内に食い込んだ
部分の組織と他の組織との密着性が木ねじ引抜き保持力
の強さに反映すると考えられる。本発明の故紙合成板は
故紙解砕粉が均一で高密度であるため個々の故紙解砕粉
間の密着性が強く、本願例が示すように木ねじ引抜き保
持力が各比較例より高いという優れた結果を得た。
木質合成板PVCの釘引抜き抵抗より低い値を示してい
る。釘引抜き抵抗は釘の周囲への板の組織の摩擦力が釘
を引き抜くときの引抜き抵抗となって表れると考えら
れ、故紙合成板の場合は釘引抜き抵抗を弱める作用をす
る摩擦抵抗の小さい樹脂が含まれているので、摩擦抵抗
の大きい木材板でなるラワン合板やMDFの釘引抜き抵
抗より低い値を示すことは当然考えられることである。
さらに、主成分の熱可塑性樹脂成形材が同材質のPVC
で、他の主成分が木粉である木質合成板PVCと比較す
ると、木質合成板PVCの釘引抜き抵抗より低い。これ
は、本願例の他の主成分である故紙の摩擦抵抗と、木質
合成板PVCの他の主成分である木粉の摩擦抵抗との違
いが、表5の数値となって表れたものと考えられる。し
かし、本願例は木質合成板PVCの釘引抜き抵抗の約8
0%を示すもので大幅に低い値ではなく、しかもラワン
天然木材の釘引抜き抵抗に対しては1.22倍ほど高い
値を示している。
強さ、曲げ弾性率、釘引抜き抵抗において、幾種類かの
比較例の板のうちの一部の種類の板に近いかあるいはよ
り高い特性を有するという優れた特性を示し、且つ含水
率、吸水率、木ねじ引抜き保持力においては比較例の板
より優れた特性を示すという良好なものである。
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
剪断力により解砕し、且つ攪拌衝撃翼の剪断力で発生す
る剪断発熱により故紙小片から水蒸気や木酸ガス等の揮
散ガスを発生せしめて故紙小片の含有水分量を低下して
乾燥し、故紙小片が乾燥するのでより一層細かく粉砕さ
れるという相乗効果によって、多量の故紙小片を短時間
でしかも故紙小片の含有水分量を殆ど除去して解砕・乾
燥することができた。ちなみに、従来の乾燥設備では一
般的にセルロース系破砕物の含有水分量を3〜5wt%程
度までしか除去できなかった。しかし、本発明の実施例
では故紙小片の含有水分量を0.4wt%まで除去でき
た。したがって、極めて低含水率で且つ粉末状の故紙解
砕粉は利用価値が高いものである。
囲気内つまりミキサー内に、乾燥空気を供給する給気管
と、前記乾燥空気及び揮散ガスを共に排出する排気管と
を連通したので、前記ミキサー内に乾燥空気を供給し、
該乾燥空気内に故紙小片から揮散した水蒸気や木酸ガス
等の揮散ガスを含ませて外部へ排出することにより、水
蒸気が前記ミキサー内の内壁面に結露しないので、故紙
小片を効率よく乾燥することができた。
と攪拌衝撃翼の遠心力で故紙小片が舞い上がるためミキ
シング効果が低下し、遅すぎると攪拌衝撃翼の剪断力に
よる発熱量が少ないため乾燥時間が多くかかり乾燥効率
が低下するのであるが、攪拌衝撃翼の剪断速度を900
〜980rpm、より好ましくは900〜950rpmとした
ので、解砕・乾燥効率の向上を図ることができた。
化チタン等の添加剤を添加したので、前記添加剤により
前記故紙小片が重くなって攪拌衝撃翼の遠心力による故
紙小片の舞い上がりが少なくなるため解砕・乾燥効率の
向上を図ることができた。
長径が15mm程度の大きさより大きくなると解砕・乾燥
効率がやや低下するので、好ましくは8mm以下にするこ
とにより、解砕・乾燥効率の向上を図ることができた。
を中心として等分角を成す対称位置に配置したので、故
紙小片を効率よく解砕・乾燥できた。前記攪拌衝撃翼は
回転軸を中心に対称の2枚羽根で一対を成し、この攪拌
衝撃翼を複数枚重ね且つ各羽根を回転軸を中心として等
分角を成す対称位置に配置し、最上に位置する2枚羽根
の先端部分を回転軸の先端より高い位置に配置したの
で、故紙小片を効率よく解砕・乾燥できた。
するスクレイパーを前記攪拌衝撃翼の回転軸に設けたの
で、ミキサーの底面の故紙小片を上方へ効果的に循環さ
せるのでミキサー内の故紙小片を効率よく解砕・乾燥で
きた。
翼の剪断力による剪断発熱の発熱量が少なくなり故紙小
片は解砕・乾燥しないので、攪拌衝撃翼の数を4枚羽根
以上、より好ましくは6枚羽根以上設けたことにより、
故紙小片を効率よく解砕且つ乾燥することができた。
に、低含水率で且つ粉末状の故紙解砕粉を製造できたの
で、含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt
%以内に解砕且つ乾燥した低含水率で細かい粉末状の故
紙解砕粉と、熱可塑性樹脂成形材とを混合、ゲル化混練
し、冷却、粉砕して粒径10mm以下に整粒して製造した
故紙合成粉は、各故紙解砕粉の周囲全体が熱可塑性樹脂
成形材で覆われるために、各故紙解砕粉内の水分は熱可
塑性樹脂成形材で閉じ込められる状態になる。このた
め、各故紙解砕粉はいわば熱可塑性樹脂成形材により保
護されるので、浸水したり高湿度などの外的環境変化に
左右されにくくなり安定した低含水率を維持するとい
う、極めて利用価値の高い優れた特性を有するものであ
った。
形、あるいは故紙解砕粉と熱可塑性樹脂成形材を混合
し、射出成形や押出成形等の各種成形法で成形した故紙
合成成形品は、上記(9)項の理由から、含水率及び吸
水率がいずれも低い数値を示しており、浸水したり高湿
度などの外的環境変化に左右されず安定した寸法を維持
するものであった。
形、あるいは故紙解砕粉と熱可塑性樹脂成形材を混合
し、射出成形や押出成形等の各種成形法で成形して故紙
合成成形品を製造するという、従来の故紙の再利用とは
全く異なる再利用の方法並びに装置を提供できたので、
故紙パルプから再生紙に再生することができない故紙、
例えば何回も繰り返し使用されたために品質低下を来し
た故紙や樹脂フィルムをラミネートした故紙を再利用す
ることが可能になった。
低下を来した故紙や樹脂フィルムをラミネートした故紙
を人手により他の故紙から選別する必要のない故紙の再
利用を図ることが出来た。
一旦故紙パルプ化する必要がないので、故紙パルプ化に
伴う汚染防止のための環境保全処理が不要であり、低コ
ストで且つ効率よく故紙の再利用を図ることができた。
紙解砕粉と熱可塑性樹脂成形材を押出機に充填、加熱、
混練し成形ダイから押出成形した場合、故紙解砕粉が低
含水率であるので故紙解砕粉から水蒸気や木酸ガス等の
揮散ガスの発生がほとんどない。したがって、揮散ガス
による成形機内の壁面の酸化腐食、成形ダイの損耗をな
くすことができ、さらに成形品自体の表面の荒れ、気
泡、巣の発生等をなくすことができ、又、前記故紙解砕
粉と熱可塑性樹脂成形材との混練材料若しくは故紙合成
粉に「チクソトロピー」の性質が生じ、この「チクソト
ロピー」の性質により押出機内での前記混練材料の流動
性が向上し、成形品の密度及び強度特性を向上すること
ができた。
気内つまりミキサー内で熱可塑性樹脂成形材と前記故紙
解砕粉とを混練した場合、混練材料は良く攪拌され且つ
故紙解砕粉から水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスが効率よ
く揮散する。従って、ミキサー内で熱可塑性樹脂成形材
と前記故紙解砕粉とを混練することにより、上記(1
4)項と同様の理由で、押出機内の壁面の酸化腐食、成
形ダイの損耗をなくすことができ、さらに成形品自体の
表面の荒れ、気泡、巣の発生等をなくすことができ、成
形品の密度及び強度特性を向上することができた。
とを押出機やミキサー80内で一旦混練すると、各故紙
解砕粉の周囲全体が熱可塑性樹脂成形材で覆われるため
に、故紙解砕粉内の水分は熱可塑性樹脂成形材で閉じ込
められる状態になるので、その後は乾燥しても故紙解砕
粉の含水率を低下させることはできなくなるが、本発明
の故紙解砕粉の製造方法及び装置では故紙解砕粉内の水
分を殆ど除去できるので、極めて効果的である。
は、含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt
%以内に解砕且つ乾燥した故紙解砕粉35〜65wt%、
好ましくは40〜60wt%に対して熱可塑性樹脂成形材
35〜65wt%、好ましくは40〜60wt%をともに攪
拌衝撃翼により混合して、剪断発熱によりゲル化混練
し、このゲル化混練のとき故紙解砕粉が35〜65wt%
であるので、被混練材料たる上記混合物が大きな塊とな
ることなく熱可塑性樹脂成形材が個々の故紙解砕粉の表
面全体に付着して比較的小さな状態でゲル化し、冷却
し、粉砕して粒径10mm以下に整粒する工程を少なくと
も含むことを特徴とするので、上記(9)項に示すよう
な良好な故紙合成粉を形成できた。
は、含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt
%以内に解砕且つ乾燥した故紙解砕粉35〜65wt%、
好ましくは40〜60wt%に対して熱可塑性樹脂成形材
35〜65wt%、好ましくは40〜60wt%をともに攪
拌衝撃翼により混合して、攪拌衝撃翼を備える流動混合
混練手段において攪拌衝撃翼による剪断発熱により熱可
塑性樹脂成形材が個々の故紙解砕粉の表面全体に付着し
て比較的小さな状態でゲル化混練でき、内部に撹拌衝撃
翼を有し、ジャケットに冷却水の入口および出口を備え
る冷却造粒手段において前記ゲル化した混練材料を効率
良く冷却し造粒し、整粒手段において前記冷却造粒した
造粒木粉を粒径10mm以下に整粒して上記(9)項に示
すような良好な故紙合成粉を製造できた。
故紙合成粉を加熱、練成し、スクリューをもって成形ダ
イへ押出した押出し生地を徐冷し、且つ、この押出し生
地に押出し力に抗する抑制力を加えて押出し生地の密度
を高くして成る押出成形方法で成形された故紙合成板
は、加熱、練成された押出し生地が個々の故紙解砕粉間
に熱可塑性樹脂成形材を満遍なく浸透している良好な混
練状態で、しかも故紙解砕粉の摩擦抵抗を減じた状態で
成形ダイへ押し出され且つこの押出し生地に押出し力に
抗する抑制力を加えたので、均一で高密度の故紙合成板
である。
に35〜65wt%相当混入し、加熱、練成し、スクリュ
ーをもって成形ダイへ押出し、この押出し生地を、内壁
面にフッ素樹脂のシートを貼設又はフッ素樹脂をコーテ
ィングした成形ダイの成形部へ押出して所定の肉厚に成
形し且つ前記成形部で徐冷したので、フッ素樹脂は熱伝
導係数が低いため徐冷効果があり、その結果、押出し生
地が冷却するときに生じる歪みを少なくすることができ
た。したがって、内部残留応力が少ない高品質の故紙合
成板を成形することができた。
で、押出し生地の故紙解砕粉に対する抵抗力を小さくで
き、故紙解砕粉と熱可塑性樹脂成形材との混練状態が良
好な状態で流れる。したがって良好な混練状態で成形ダ
イより押出して直接、幅広で均一な高密度の品質の良い
故紙合成板を成形することができた。この理由から、厚
肉の故紙合成板を成形ダイより直接、押出し成形するこ
とができた。
め、故紙解砕粉と熱可塑性樹脂成形材との混練状態が良
好な状態で流動するので、製品としての故紙合成板の表
面に肌荒れが生ずることなく、平滑な表面を有する故紙
合成板を成形できた。
の製造ラインを示すもので、(A)は平面図、(B)は
正面図である。
燥手段および流動混合混練手段)の要部断面を示す全体
正面図である。
(冷却造粒手段)の要部断面を示す全体正面図である。
段)の要部断面を示す全体正面図である。
で、(A)は平面図、(B)は正面図である。
面図である。
り、(A)は厚板成形用、(B)は薄板成形用に金属板
(26)を交換した状態を示すものである。
す平面図である。
段) 81 ミキサー本体 82 上蓋 83 軸 84 スクレイパー 85,86,87 攪拌衝撃翼 88 排出口 89 蓋 91 シリンダ 92 締付ナット 93 排出ダクト 94 投入口 95 排気管 96 給気管 100 クーリングミキサー(冷却造粒手段) 101 ミキサー本体 102 ジャケット 103 アーム 104 撹拌衝撃翼 105 モータ 106 バルブ 107 排出口 108 給水管 109 排水管 111 モータ 112 減速装置 113 投入口 114 フレーム 115 パウダブレーキ 116 歯車 117 歯車 118 シリンダ 119 ガイド体 120 カッタミル(整粒手段) 121 カッタミル本体 122 蓋 123 投入口 124 カッタ支持体 125 回転刃 126 固定刃 127 投入室 128 整粒室 129 スクリーン 131 排出口
Claims (22)
- 【請求項1】 故紙を複数の小片に破砕して故紙小片を
形成する破砕工程と、 前記故紙小片に対して撹拌衝撃力を付加して解砕すると
共に、前記撹拌衝撃力に基づく剪断発熱を生じさせて、
この剪断発熱により前記故紙小片を乾燥する解砕・乾燥
工程を含むことを特徴とする故紙解砕粉の製造方法。 - 【請求項2】 前記故紙小片の含有水分量を1.0wt%
以内、好ましくは0.5wt%以内に乾燥する請求項1記
載の故紙解砕粉の製造方法。 - 【請求項3】 前記故紙小片に対して攪拌衝撃翼の回転
による前記撹拌衝撃力を付加して故紙小片を解砕・乾燥
するに際し、前記攪拌衝撃翼の剪断速度が900〜98
0rpm、好ましくは900〜950rpmである請求項1又
は2記載の故紙解砕粉の製造方法。 - 【請求項4】 前記故紙小片を形成する破砕工程は、故
紙を長辺もしくは長径が15mm以下、好ましくは8mm以
下、より好ましくは5mm以下の小片に形成する請求項
1,2又は3記載の故紙解砕粉の製造方法。 - 【請求項5】 前記故紙を攪拌衝撃翼により攪拌する雰
囲気内に乾燥空気を供給し、該乾燥空気内に故紙から揮
散した水蒸気等の揮散ガスを含ませて外部へ排出する請
求項3記載の故紙解砕粉の製造方法。 - 【請求項6】 故紙に炭酸カルシウム,酸化チタン等の
添加剤を添加する請求項1〜5いずれか一つに記載の故
紙解砕粉の製造方法。 - 【請求項7】 故紙を複数の小片に破砕して故紙小片を
形成する破砕手段と、密閉容器内に水平方向に回転する
複数枚の攪拌衝撃翼を備え、前記密閉容器内に乾燥空気
を供給する給気管と、前記乾燥空気及び故紙から揮散し
た水蒸気等の揮散ガスを共に排出する排気管とを連通し
た解砕・乾燥手段とから成ることを特徴とする故紙解砕
粉の製造装置。 - 【請求項8】 前記攪拌衝撃翼は回転軸を中心に対称の
2枚羽根で一対を成し、この攪拌衝撃翼を4枚羽根以
上、好ましくは6枚羽根以上で成る複数枚重ね且つ各羽
根を回転軸を中心として等分角を成す対称位置に配置
し、最上に位置する2枚羽根の先端部分を回転軸の先端
より高い位置に配置した請求項7又は8記載の故紙解砕
粉の製造装置。 - 【請求項9】 前記密閉容器の底辺に沿って回転するス
クレイパーを前記攪拌衝撃翼の回転軸に設けた請求項7
又は8いずれか一つに記載の故紙解砕粉の製造装置。 - 【請求項10】 前記攪拌衝撃翼の剪断速度が900〜
980rpm、より好ましくは900〜950rpmである請
求項7〜9いずれか一つに記載の故紙解砕粉の製造装
置。 - 【請求項11】 故紙を複数の小片に破砕して得た故紙
小片に対して撹拌衝撃力を付加して解砕すると共に、前
記撹拌衝撃力に基づく剪断発熱を生じさせて、この剪断
発熱により前記故紙小片の含有水分量を1.0wt%以
内、好ましくは0.5wt%以内に乾燥した故紙解砕粉3
5〜65wt%、好ましくは40〜60wt%に対して熱可
塑性樹脂成形材35〜65wt%、好ましくは40〜60
wt%を混合、ゲル化混練し、冷却、粉砕して粒径10mm
以下に整粒して成ることを特徴とする故紙合成粉。 - 【請求項12】 故紙を複数の小片に破砕して故紙小片
を形成する破砕工程と、前記故紙小片に対して撹拌衝撃
力を付加して解砕すると共に、前記撹拌衝撃力に基づく
剪断発熱を生じさせて、この剪断発熱により前記故紙小
片の含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt
%以内に乾燥する解砕・乾燥工程により得た故紙解砕粉
35〜65wt%、好ましくは40〜60wt%に対して熱
可塑性樹脂成形材35〜65wt%、好ましくは40〜6
0wt%をともに前記撹拌衝撃力を付加してこの撹拌衝撃
力に基づく剪断発熱を生じさせて、前記剪断発熱により
ゲル化混練し、ついで、冷却造粒して、造粒故紙合成粉
を形成する冷却・造粒工程と、この造粒故紙合成粉を粉
砕して粒径10mm以下に整粒した故紙合成粉を形成する
工程を少なくとも含むことを特徴とする故紙合成粉の製
造方法。 - 【請求項13】 故紙を複数の小片に破砕して故紙小片
を形成する破砕手段と、密閉容器内に水平方向に回転す
る複数枚の攪拌衝撃翼を備え、前記密閉容器内に乾燥空
気を供給する給気管と、前記乾燥空気及び故紙から揮散
した水蒸気等の揮散ガスを共に排出する排気管とを連通
した解砕・乾燥手段と、この解砕・乾燥手段により含有
水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt%以内に
乾燥した故紙解砕粉35〜65wt%、好ましくは40〜
60wt%に対して熱可塑性樹脂成形材35〜65wt%、
好ましくは40〜60wt%をともに混合して、前記撹拌
衝撃翼の回転によりゲル化混練する流動混合混練手段
と、 ジャケットに冷却水の入口および出口を備え、上記ゲル
化した混練材料を冷却造粒し、造粒故紙合成粉を形成す
る冷却造粒手段と、 上記造粒故紙合成粉を粉砕して粒径10mm以下に整粒す
る整粒手段とから成ることを特徴とする故紙合成粉の製
造装置。 - 【請求項14】 故紙を複数の小片に破砕して得た故紙
小片に対して撹拌衝撃力を付加して解砕すると共に、前
記撹拌衝撃力に基づく剪断発熱を生じさせて、この剪断
発熱により前記故紙小片の含有水分量を1.0wt%以
内、好ましくは0.5wt%以内に低下せしめた故紙解砕
粉35〜65wt%、好ましくは40〜60wt%に対して
熱可塑性樹脂成形材35〜65wt%、好ましくは40〜
60wt%を混合、ゲル化混練し、冷却、粉砕して粒径1
0mm以下に整粒して成る故紙合成粉を加熱、練成した生
地を射出成形、押出成形等の成形手段により成形して成
ることを特徴とする故紙合成成形品。 - 【請求項15】 故紙を複数の小片に破砕して故紙小片
を形成する工程と、 前記故紙小片に対して撹拌衝撃力を付加して解砕すると
共に、前記撹拌衝撃力に基づく剪断発熱を生じさせて、
この剪断発熱により前記故紙小片の含有水分量を1.0
wt%以内、好ましくは0.5wt%以内に乾燥する解砕・
乾燥工程により得た故紙解砕粉35〜65wt%、好まし
くは40〜60wt%に対して熱可塑性樹脂成形材35〜
65wt%、好ましくは40〜60wt%を混合、ゲル化混
練し、冷却、粉砕して粒径10mm以下に整粒して成る故
紙合成粉を加熱、練成した生地を射出成形、押出成形等
の成形方法により成形したことを特徴とする故紙合成成
形品の製造方法。 - 【請求項16】 故紙を複数の小片に破砕して故紙小片
を形成する破砕手段と、密閉容器内に水平方向に回転す
る複数枚の攪拌衝撃翼を備え、前記密閉容器内に乾燥空
気を供給する給気管と、前記乾燥空気及び故紙から揮散
した水蒸気等の揮散ガスを共に排出する排気管とを連通
した解砕・乾燥手段と、この解砕・乾燥手段により含有
水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt%以内に
乾燥した故紙解砕粉35〜65wt%、好ましくは40〜
60wt%に対して熱可塑性樹脂成形材35〜65wt%、
好ましくは40〜60wt%をともに混合して、前記撹拌
衝撃翼の回転によりゲル化混練する流動混合混練手段
と、 ジャケットに冷却水の入口および出口を備え上記ゲル化
した混練材料を冷却造粒し、造粒故紙合成粉を形成する
冷却造粒手段と、 上記造粒故紙合成粉を粉砕して粒径10mm以下に整粒
し、故紙合成粉を得る整粒手段と、 前記故紙合成粉を加熱、練成した生地を成形する押出成
形等の成形手段とから成る故紙合成成形品の製造装置。 - 【請求項17】 故紙を複数の小片に破砕して得た故紙
小片に対して撹拌衝撃力を付加して解砕すると共に、前
記撹拌衝撃力に基づく剪断発熱を生じさせて、この剪断
発熱により前記故紙小片の含有水分量を1.0wt%以
内、好ましくは0.5wt%以内に低下せしめた故紙解砕
粉35〜65wt%、好ましくは40〜60wt%に対して
熱可塑性樹脂成形材35〜65wt%、好ましくは40〜
60wt%を混合、ゲル化混練し、冷却、粉砕して粒径1
0mm以下に整粒して成る故紙合成粉を加熱、練成し、ス
クリューをもって成形ダイへ押出した押出し生地を徐冷
して成ることを特徴とする故紙合成板。 - 【請求項18】 故紙を複数の小片に破砕して故紙小片
を形成する破砕工程と、 前記故紙小片に対して撹拌衝撃力を付加して解砕すると
共に、前記撹拌衝撃力に基づく剪断発熱を生じさせて、
この剪断発熱により前記故紙小片の含有水分量を1.0
wt%以内、好ましくは0.5wt%以内に乾燥する解砕・
乾燥工程により得た故紙解砕粉35〜65wt%、好まし
くは40〜60wt%に対して熱可塑性樹脂成形材35〜
65wt%、好ましくは40〜60wt%をともに前記撹拌
衝撃力を付加してこの撹拌衝撃力に基づく剪断発熱を生
じさせて、前記剪断発熱によりゲル化混練し、ついで、
冷却造粒して、造粒故紙合成粉を形成する冷却・造粒工
程と、この造粒故紙合成粉を粉砕して粒径10mm以下に
整粒した故紙合成粉を加熱、練成し、スクリューをもっ
て成形ダイへ押出した押出し生地を徐冷する工程を少な
くとも含むことを特徴とする故紙合成板の押出成形方
法。 - 【請求項19】 故紙を複数の小片に破砕して故紙小片
を形成する破砕工程と、 前記故紙小片に対して撹拌衝撃力を付加して解砕すると
共に、前記撹拌衝撃力に基づく剪断発熱を生じさせて、
この剪断発熱により前記故紙小片の含有水分量を1.0
wt%以内、好ましくは0.5wt%以内に乾燥する解砕・
乾燥工程により得た故紙解砕粉35〜65wt%、好まし
くは40〜60wt%に対して熱可塑性樹脂成形材35〜
65wt%、好ましくは40〜60wt%をともに前記撹拌
衝撃力を付加してこの撹拌衝撃力に基づく剪断発熱を生
じさせて、前記剪断発熱によりゲル化混練し、ついで、
冷却造粒して、造粒故紙合成粉を形成する冷却・造粒工
程と、この造粒故紙合成粉を粉砕して粒径10mm以下に
整粒した故紙合成粉を加熱、練成し、スクリューをもっ
て成形ダイへ押出し、この押出し生地を、内壁面にフッ
素樹脂のシートを貼設又はフッ素樹脂をコーティングし
た成形ダイの成形部へ押出して所定の肉厚に成形し且つ
前記成形部で徐冷して押出成形すると共に、この成形板
の押出し力に抗する抑制力を加えて前記成形部内の押出
し生地の密度を高くする工程を少なくとも含むことを特
徴とする故紙合成板の押出成形方法。 - 【請求項20】 故紙小片を攪拌衝撃翼により攪拌して
解砕し、且つ前記攪拌衝撃翼の剪断速度が900〜98
0rpmであるときの攪拌衝撃翼の剪断力により剪断発熱
を生じさせ、この剪断発熱により前記故紙の含有水分量
を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt%以内に乾燥し
て故紙解砕粉を形成し、次いでこの故紙解砕粉に、熱可
塑性樹脂成形材を攪拌衝撃翼により混合して、剪断発熱
によりゲル化混練し、次いで冷却し、粉砕して粒径10
mm以下に整粒する工程を含む請求項12,15,18又
は19記載の故紙合成粉の製造方法又は故紙合成成形品
の製造方法又は故紙合成板の押出成形方法。 - 【請求項21】 故紙を複数の小片に破砕して故紙小片
を形成する破砕手段と、密閉容器内に水平方向に回転す
る複数枚の攪拌衝撃翼を備え、前記密閉容器内に乾燥空
気を供給する給気管と、前記乾燥空気及び故紙から揮散
した水蒸気等の揮散ガスを共に排出する排気管とを連通
した解砕・乾燥手段と、この解砕・乾燥手段により含有
水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt%以内に
乾燥した故紙解砕粉35〜65wt%、好ましくは40〜
60wt%に対して熱可塑性樹脂成形材35〜65wt%、
好ましくは40〜60wt%をともに混合して、前記撹拌
衝撃翼の回転によりゲル化混練する流動混合混練手段
と、 ジャケットに冷却水の入口および出口を備え上記ゲル化
した混練材料を冷却造粒し、造粒故紙合成粉を形成する
冷却造粒手段と、 上記冷却造粒した造粒故紙合成粉を粉砕して粒径10mm
以下に整粒し、故紙合成粉を形成する整粒手段と、 前記故紙合成粉を加熱、練成し、スクリューをもって押
出す押出機の押出ダイに、前記押出ダイより吐出された
押出し生地を加熱する溶融部及び所定の肉厚に成形して
徐冷する徐冷部を有する成形室を備えた成形ダイを連結
したことを特徴とする故紙合成板の押出成形装置。 - 【請求項22】 前記成形ダイの成形部の内壁面にフッ
素樹脂のシートを貼設又はフッ素樹脂をコーティングし
且つ成形室を加熱するヒータと、成形室を冷却する冷却
手段を成形ダイに設け、前記成形ダイより押し出された
押出し生地の押出し力に抗する抑制力を加えるブレーキ
手段を設けたことを特徴とする請求項21記載の故紙合
成板の押出成形装置。
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