JPH082837B2 - エチニルベンゾイツクアシツド誘導体の製造方法 - Google Patents

エチニルベンゾイツクアシツド誘導体の製造方法

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JPH082837B2
JPH082837B2 JP2024913A JP2491390A JPH082837B2 JP H082837 B2 JPH082837 B2 JP H082837B2 JP 2024913 A JP2024913 A JP 2024913A JP 2491390 A JP2491390 A JP 2491390A JP H082837 B2 JPH082837 B2 JP H082837B2
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孟 小川
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエチニルベンゾイツクアシツド誘導体の製造
方法に関する。
(従来の技術) 従来より、エチニルベンゾイツクアシツド誘導体の製
造方法は種々報告されている。
たとえば、J.Org.Chemi.,Vol.46,2280−2286(198
1)、Synthesis,627−630(1980)には、ハロゲン化芳
香族化合物とトリメチルシリルアセチレンをトリエチル
アミン等のアミン系溶媒中でパラジウム錯体触媒の存在
下に反応した後アルカリ処理する方法が記載されてい
る。
上記方法ではかなり収率よくエチニルベンゾイツクア
シツド誘導体が得られるが、トリメチルシリルアセチレ
ンを原料として使用するため高価であるという欠点を有
する。
そのため、最近ハロゲン化芳香族化合物と2−メチル
−3−ブチン−2−オールを原料とし、芳香族化合物を
アルケニル化する方法が提案されている。(たとえば、
Synthesis,571(1984)、J.Org.Chemi.,Vol50,1963(19
85)等) 上記方法では強塩基NaHを用い、トルエン還流下に脱
アセトン反応を行っているが、この反応の際に残存触媒
(〔pd〕,〔Cu〕)によりアセチレン基が反応してしま
い収率が低いという欠点がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、上記欠点に鑑み、エチニルベンゾイ
ツクアシツド誘導体を効率よく安価に製造しうる方法を
提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明で用いられるハロゲン化安息香酸エステルとは
一般式(I)で示される化合物である。
式中Rはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等
のアルキル基を示し、R1はR、ビニル、アリル、スチリ
ル等のアルケニル基、エチニル、1−プロピニル、1−
ブチニル等のアルキニル基又はフエニル、ナフチル等の
アリール基を示す。又、Xはふつ素、塩素、臭素、ヨウ
素等のハロゲンを示し、nは0又は1〜4の整数を示
す。ここで、nが0の場合はR1が存在しないことを意味
し、この部分の化合構造式は一個のハロゲンXで置換さ
れたベンゼン核となる。また、nが1〜4の整数の場合
は、n個(1〜4個)のR1が存在することを意味し、こ
の部分の化学構造式は一個のハロゲンX及びn個(1〜
4個)のR1で置換されたベンゼン核となる。
上記ハロゲン化安息香酸エステルとしては、たとえば
パラブロモメチルベンゾエート、メタブロモメチルベン
ゾエート、オルトブロモメチルベンゾエート等が好適に
用いられる。
2−メチル−3−ブチン−2−オールは式〔II〕で示
され、ハロゲン化安息香酸エステル(I)と2−メチル
−3−ブチン−2−オール(II)との反応生成物は一般
式(III)で示される。
(I)と(II)の反応はクロスカツプリング反応であ
り、パラジウム触媒と銅触媒を用い、有機溶媒中で行な
われるのが好ましい。
上記パラジウム触媒としては、一般式(IV)で示され
る2価のパラジウム−ホスフイン化合物及び一般式
(V)で示されるO価のパラジウム−ホスフイン化合物
が好適に用いられる。
(R2 3P)2PdX2 …(IV) 式中R2はメチル、エチル、ブチル等のアルキル基又は
フエニル、ナフチル等のアリール基を示し、Xはハロゲ
ンを示すが、R2はアリール基、Xは塩素が好ましく、
(IV)の好ましい例としてはジクロロビス(トリフエニ
ルホスフイン)パラジウムがあげられる。
(R3 3P)4Pd …(V) 式中R3はメチル、エチル、ブチル等のアルキル基又は
フエニル、ナフチル等のアリール基を示すが、アリール
基が好ましく、(V)の好ましい例としてはテトラキス
(トリフエニルホスフイン)パラジウムがあげられる。
上記銅触媒としてはハロゲン化第1銅が好適に使用さ
れ、特にヨウ化第1銅が好適に使用される。
上記パラジウム触媒と銅触媒は併用されるのが好まし
く、その添加量は略同量であつて、〔I〕100重量部に
対し、各々0.05〜10重量部が好ましく、より好ましくは
0.5〜5重量部である。
又、略同量のトリメチルフオスフイン、トリエチルフ
オスフイン等のトリメチルフオスフイン又はトリフエニ
ルフオスフイン、トリナフチルフオスフイン等のトリア
リールフオスフインが併用されるのが好ましい。
上記有機溶媒としては、ジエチルアミン、トリエチル
アミン等のアミン系溶媒及びピリジン、アルキル置換ピ
リジン等のピリジン系溶媒が好適に用いられ、特に両者
の混合溶媒が好適に用いられる。尚、有機溶媒は乾燥さ
れているのが好ましい。
上記クロスカツプリング反応を行うには、たとえば有
機溶媒にハロゲン化安息香酸エステル(I)と2−メチ
ル−3−ブチン−2−オール(II)と触媒を供給し、窒
素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下かくはん還流すれ
ばよく、その反応時間は30分〜30時間が好ましい。
反応生成物(III)を得るには、反応終了後過して
沈澱物を除去した後溶媒を留出すればよい。
本発明においては、上記反応生成物(III)をアルカ
リ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液で
処理した後酸で中和することによつてエチニルベンゾイ
ツクアシツド誘導体が製造される。
(式中Mはアルカリ金属、M′はアルカリ土類金属、
M″はM又は を示す) 上記アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化
物としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等があ
げられ、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好適に
用いられる。
上記反応生成物(III)をアルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属の水酸化物の水溶液で処理する方法は任意
の方法が採用されてよいが、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール等のアルコール50〜500重量
部に反応生成物(III)100重量部を溶解した溶液と、ア
ルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物10〜10
0重量部を溶解した水溶液500〜2000重量部を混合し、窒
素、アルゴン等の不活性雰囲気下に1〜24時間撹拌還流
させる方法が好ましい。
この処理により反応生成物(III)は加水分解すると
共に脱アセトン反応が生じ、化合物(IV)が得られる。
化合物(IV)はエチニルベンゾイツクアシツド誘導体の
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩であり、水溶
性である。
化合物(VI)は処理液を酸性にすると、容易に中和さ
れエチニルベンゾイツクアシツド誘導体(VII)が沈澱
する。処理液を酸性にするには任意の酸を添加すればよ
く、塩酸、硫酸等の無機酸及び酢酸等の有機酸が好適に
用いられる。
沈殿したエチニルベンゾイツクアシツド誘導体(VI
I)は水洗又は再結晶した後乾燥することにより精製す
ることができる。
(作 用) (I)と(II)の反応はパラジウム触媒、銅触媒等の
存在下に行なわれ、反応性生成物(III)中にこの触媒
は残存しており、反応生成物(III)におけるアセチレ
ン基は2−ヒドロキシ−2−プロピル基で保護されてい
るが、2−ヒドロキシ−2−プロピル基がはずれると、
上記触媒によりアセチレン基が反応し、収率が低下する
と共に、エチニルベンゾイツクアシツド誘導体の精製が
困難になる。
本発明においては、反応生成物(III)はアルカリ金
属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液で処理
され、2−ヒドロキシ−2−プロピル基はアセトンとし
て除去され、生成された化合物(VI)はエチニルベンゾ
イツクアシツド誘導体のアルカリ金属もしくはアルカリ
土類金属塩であり、水溶性であるのに対し、パラジウム
触媒、銅触媒等が加水分解され水酸化物もしくは酸化物
として沈殿するので、残存触媒は過により容易に除去
され、化合物(VI)のアセチレン基が反応することがな
く、エチニルベンゾイツクアシツド誘導体を効率よく得
ることができる。
(実施例) 次に本発明の実施例を説明する。
実施例1 撹拌機及び窒素導入管の設置された2三ツ口フラス
コに無水トリエチルアミン200ml、無水ピリジン400ml、
パラブロモメチルベンゾエート200g、2−メチル−3−
ブチン−2−オール50g、ヨウ化第1銅1g及びトリフエ
ニルホスフイン1gを供給し、溶解した後窒素ガスで置換
すると共に撹拌しながら昇温し、50℃になつた時にジク
ロロビス(トリフエニルホスフイン)パラジウム1gを添
加した。ジクロロビス(トリフエニルホスフイン)パラ
ジウムを添加すると発熱しながら反応したので70〜80℃
に保つて5時間反応した。反応終了後冷却し、過し、
過物をトリエチルアミン100mlで洗浄し、得られた
液を真空乾燥機で乾燥して反応生成物を得た。
得られた反応生成物を1規定の希塩酸及び水で順次洗
浄し、乾燥した後、メタノール100mlに溶解した。次に
水酸化カリウム40gを溶解した水溶液1.5を加へ、撹拌
しながら加熱して、溶液を還流させた。還流を5時間行
つた後冷却し、過した後液に1規定の希塩酸を添加
してpHを3にすると沈澱が発生した。この沈殿物を別
し、乾燥して淡黄色のパラエチニルベンゾイツクアシド
粉末を得た。収率は約95%(対パラブロモメチルベンゾ
エート)であつた。
実施例2 撹拌機及び窒素導入管の設置された1の三ツ口フラ
スコに、無水トリエチルアミン300ml、無水ピリジン400
ml、メタブロモメチルベンゾエート100g、2−メチル−
3−ブチン−2−オール60gを供給し、溶解した後、窒
素置換すると共に撹拌しながらジクロロビス(トリフエ
ニルホスフイン)パラジウム1.2g、ヨウ化第1銅1g及び
トリフエニルフオスフイン1gを添加し、15時間還流して
反応させた。反応終了後、冷却し、過し、過物をト
リエチルアミン100mlで洗浄し、得られた液を真空乾
燥機で乾燥して残査を得た。得られた残差を希塩酸2
に溶解した後ジクロロメタン150mlで抽出し、次にジク
ロロメタンを揮散して反応生成物を得た。得られた反応
生成物をメタノール100mlに溶解し、次に水酸化ナトリ
ウム30gを溶解した水溶液1を加え、3時間加熱沸と
うさせた後冷却し、過した。得られた液に1規定の
希塩酸を添加してpHを3にすると沈殿が発生した。この
沈殿物を別し、水洗、乾燥して淡黄色のメタ−エチニ
ルベンゾイツクアシツド粉末を得た。収率は約85%(対
メタブロモメチルベンゾエート)であつた。
実施例3 パラブロモメチルベンゾエートに代えてオルトブロモ
メチルベンゾエートを使用する以外は実施例1で行つた
と同様にして、オルト−エチニルベンゾイツクアシツド
粉末を得た。収率は約100%(対オルトブロモメチルベ
ンゾエート)であつた。
(発明の効果) 本発明のエチニルベンゾイツクアシツド誘導体の製造
方法は上述の通りであり、効率よく、かつ安価に製造す
ることができ、得られたエチニルベンゾイツクアシツド
誘導体は、液晶性化合物、非線型光学材料、機能性高分
子等の原料や医薬品等として好適に使用される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化安息香酸エステルと2−メチル
    −3−ブチン−2−オールとの反応生成物をアルカリ金
    属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液で処理
    した後酸で中和することを特徴とするエチニルベンゾイ
    ツクアシツド誘導体の製造方法。
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