JPH08283721A - 反強誘電性液晶組成物 - Google Patents
反強誘電性液晶組成物Info
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- JPH08283721A JPH08283721A JP9241295A JP9241295A JPH08283721A JP H08283721 A JPH08283721 A JP H08283721A JP 9241295 A JP9241295 A JP 9241295A JP 9241295 A JP9241295 A JP 9241295A JP H08283721 A JPH08283721 A JP H08283721A
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Abstract
性液晶組成物を提供する。 【構成】 下記一般式(1) で表されるスメクチックA相
を有しない反強誘電性液晶に、下記一般式(2) で表され
るスメクチックA相を有する反強誘電性液晶を混合して
なる反強誘電性液晶組成物。 【化1】 (式(1) 中の Rは炭素数8以上の直鎖アルキル基、mは
5以上の整数、nは1以上の整数であり、式(2) 中のR'
は炭素数7以下の直鎖アルキル基、XはHまたはF原
子、rは5以上の整数、sは1以上の整数である。)
Description
成物、及びそれを用いた液晶表示素子に関する。
電力性、薄型表示が可能である事等により、現在までに
各種の小型表示素子に利用されてきた。しかし、昨今の
情報、OA関連機器分野、あるいは、テレビ分野への液
晶表示素子の応用、用途拡大に伴って、これまでの CRT
表示素子を上回る表示容量、表示品質を持つ高性能大型
液晶表示素子の要求が、急速に高まってきた。
用する限りにおいては、液晶テレビ用に採用されている
アクテイブマトリックス駆動液晶表示素子でも、製造プ
ロセスの複雑さと歩留りの低さにより、その大型化、低
コスト化は容易ではない。又、単純マトリックス駆動の
STN型液晶表示素子にしても、大容量駆動は必ずしも
容易ではなく、応答時間にも限界があり動画表示は困難
である。更にネマチック液晶を用いた表示素子は、視野
角が狭いということが、大きな問題になってきている。
従って、ネマチック液晶表示素子は、上記の高性能大型
液晶表示素子への要求を、満足するものとはいい難いの
が実状である。
子として注目されているのが、強誘電性液晶を用いた液
晶表示素子である。クラ−クとラガバ−ルにより発表さ
れた、表面安定化型強誘電性液晶(SSFLC) 素子は、その
従来にない速い応答速度と広い視野角を有する事が注目
され、そのスイッチング特性に関しては詳細に検討され
おり、種々の物性定数を最適化するため、多くの強誘電
性液晶が合成されている。しかしながら、しきい値特性
が不十分である、層の構造がシェブロン構造をしている
などからコントラストが不良である、高速応答が実現さ
れていない、配向制御が困難で SSFLCの最大の特徴の1
つである双安定性の実現が容易でない、機械的衝撃に依
って配向が破壊されそれの回復が困難であるなどの問題
があり、実用化にはこれらの問題の克服が必要である。
グ機構の素子の開発も、同時に進められている。反強誘
電相を有する液晶物質(以下、反強誘電性液晶物質と呼
ぶ)の三安定状態間のスイッチングも、これらの新しい
スイッチング機構の1つである(Japanese Journal of
Applied Physics, Vol.27, pp.L729,1988)。反強誘電性
液晶素子は、3つの安定な状態を有する。すなわち、強
誘電性液晶素子で見られる、2つのユニフォ−ム状態(U
r, Ul)と第三状態である。この第三状態が、反強誘電相
であることをChandaniらが報告している(JapaneseJour
nal of Applied Physics, Vol.28, pp.L1261, 1989,Jap
anese Journal of Applied Physics, Vol.28, pp.L126
5, 1989)。このような三安定状態間のスイッチングが、
反強誘電性液晶素子の第1の特徴である。
電圧に対して明確なしきい値が存在することである。更
に、メモリー性を有しており、これが反強誘電性液晶素
子の第3の特徴である。これらの優れた特徴を利用する
ことにより、応答速度が速く、コントラストが良好な液
晶表示素子を実現できる。
が、電界により容易にスイッチングする事があげられる
(Japanese Journal of Applied Physics, Vol.28, pp.
L119,1989 、Japanese Journal of Applied Physics, V
ol.29, pp.L111, 1990) 。このことにより、欠陥が極め
て少なく、配向の自己修復能力のある液晶表示素子の作
製が可能となり、コントラストに優れた液晶素子を実現
できる。更に、強誘電性液晶では殆ど不可能である電圧
階調が、反強誘電性液晶では可能であることが実証さ
れ、フルカラー化への道が開け、一層反強誘電性液晶の
重要性が増してきている(第4回強誘電性液晶国際会議
予稿集、77頁,1993)。
は、確かなものになりつつあるが、応答速度のより一層
の向上が望まれている。従来提案されてきた反強誘電性
液晶は、あるレベルの表示素子の実現に十分な応答速度
を有しているが、走査線 1000本以上の高精細表示素子
を実現しようとした場合、応答速度はまだ不十分であ
り、より一層の高速化が必要である。更に実用上反強誘
電性液晶における、反強誘電相の温度範囲は室温付近を
中心にしてできるだけ広いことが望ましい。従来、応答
速度が速くかつ実用可能な温度範囲を有するという両方
の性質を兼ね備えた材料は非常に少なく、また応答速
度、温度範囲両方の面でまだ不十分なものであった。更
に、液晶の配向性を考慮すると、液晶はスメクチックA
相を持っていることが望ましい。しかるに、電気光学的
特性は比較的優れているにもかかわらず、スメクチック
A相を有しない反強誘電性液晶が多く実用上問題であっ
た。
誘電性液晶は、実用上スメクチックA相を有し広い温度
範囲で反強誘電相が存在しかつ高速応答であることが必
要である。高精細ディスプレーを実現するために、より
一層の応答速度の改善が必要であるが、反強誘電性液晶
は、液晶相がスメクチック相であるが故に粘性が高く、
そのためにより高速な応答速度について問題が生じて来
る。
って解決できるものと考えられる。具体策の一つとして
は、比較的低粘性の化合物を添加し、組成物全体の粘性
を低下させ、もって応答速度の改善を計ろうとする試み
が考えられる。この方法が、現在のところ最も現実的な
解決策になり得ると考えらるが、この方法は反強誘電相
の上限温度を著しく低下させる傾向があり、応答速度は
改善されても反強誘電相の温度範囲の面で問題が生じて
来る。
晶素子を考えたとき、バックライトにより素子の温度は
少なくとも40℃ぐらいになると考えられる。従って、
正常な素子の駆動のためには反強誘電相の上限温度は少
なくとも40℃以上必要であり、望ましくは50℃以上
必要である。また、低温側では少なくとも10℃で素子
は駆動できることが必要である。従って、反強誘電相の
下限温度は少なくとも0℃であることが必要である。こ
こで、反強誘電性液晶の場合、反強誘電状態から強誘電
状態へ、強誘電状態から反強誘電状態への二つのスイッ
チングが存在する。この電圧による二つのスイッチング
速度、即ち、応答速度が表示素子の表示品質を決める重
要な因子となる。
(応答速度I とする)は、例えば線順次走査する単純マ
トリックス駆動に於て、走査線一ライン当りの書き込み
速度となるので一画面を構成する走査線数を決定するこ
とになり重要である。応答速度Iが速ければ速いほど走
査線数を増やすことができ、高精細素子の実現が可能と
なる。また、強誘電状態から反強誘電状態への応答速度
(応答速度IIとする)は、素子の駆動方法の設計により
必要とされる速度は変わる。例えば、オフセット電圧の
設定電圧によって変わるものである。しかし、余りにも
応答速度IIが速い場合は強誘電状態を維持(明或は暗状
態の維持)できず、逆に余りにも遅い場合には強誘電状
態から反強誘電状態への変化(明或は暗状態から暗或は
明状態への書換え)が起こらず、不都合となる。応答速
度IIは、駆動方法を決定した後に最適な値を設定するこ
とになる。以上、高精細素子の実現のためには、応答速
度Iが速いことが重要である。
性液晶組成物はスメクチックA相を持つことが必要であ
る。もしスメクチックA相が存在しない場合は、配向性
が著しく損なわれ暗状態での光漏れが大きくコントラス
トが低くなる。本発明はこの様なことからなされたもの
であり、必ずしも電気光学的特性に優れてはいないがス
メクチックA相を有する請求項1の一般式(2)で示さ
れる反強誘電性液晶を、スメクチックA相を有しない反
強誘電性液晶に混合したとき、スメクチックA相を有
し、広い温度範囲で反強誘電相を示し、かつ非常に高速
な反強誘電性液晶組成物を得ることができることを見い
だし、本発明を完成したものである。
記一般式(1) で表される反強誘電性液晶に下記一般式
(2) で表される反強誘電性液晶を混合してなる反強誘電
性液晶組成物である。
5以上の整数、nは1以上の整数であり、式(2) 中のR'
は炭素数 6〜8 の直鎖アルキル基、X はHまたはF原
子、rは5以上の整数、sは1以上の整数である。)
〜10であること、mが 5〜8 であることがより好ましい
(実施例1, 2) 。また、mは 5〜8 であることがより好
ましい (実施例1, 6) 。本発明は、一般式(2) のR'の炭
素数が6又は7、rが5〜8であることがより好ましい
(実施例1〜6)。本発明は、一般式(2) で示される反
強誘電性液晶の少なくとも1種を、一般式(1) で示され
る反強誘電性液晶に混合して実施される。反強誘電性液
晶の種類等によって一義的に混合割合を決めることは困
難であるが、一般式(2) の表される反強誘電性液晶の混
合量が反強誘電性液晶の 1〜60モル%が好ましく、特に
10〜50モル%であるが好ましい。
は、反強誘電相の高温側に少なくともスメクチックA相
を有し、高温側の反強誘電相への転移温度が40℃以上で
あること、反強誘電相の低温側の他のより高次の相ある
いは結晶相への転移温度が0℃以下であることがより好
ましい。スメクチックA相を有している場合には、配向
性が良好となり、実用的な素子の製造が容易となる。そ
して、本発明の反強誘電性液晶組成物を、1対の電極基
板間に配置し、広い温度範囲で好適に駆動できる反強誘
電性液晶表示素子とすることができる。
される反強誘電性液晶は、本発明者らが示した方法によ
って簡便に製造することができる(特開平4-108764号、
同4-198155号)。例えば、一般式(1) に示される反強誘
電性液晶の製造法を略記すると下記である。
ン基、Ph(3F)は 3位がF置換された1,4-フェニレン基、
C*は不斉炭素をそれぞれ示す。
る。(1) はフッ素置換あるいは無置換のp-アセトキシ安
息香酸の塩化チオニルによる塩素化反応である。(2) は
塩素化物(1) と光学活性アルコールとの反応によるエス
テル化である。(3) は (2)のエステルの脱アセチル化で
ある。(4) はアルキルオキシビフェニルカルボン酸の塩
素化反応である。(5) はフェノール(3) と塩素化物(4)
との反応による液晶の生成である。
する事ができるものである。そして、本発明により提供
された新規な反強誘電性液晶組成物は、広い温度範囲で
反強誘電相を有しかつ高速応答を示し、そのため表示品
質の高い反強誘電性液晶表示素子を実現できる。
晶1A,1Bと記す) に18モル%一般式(2) に相当する下記
の反強誘電性液晶 (以下、液晶2Aと記す) を混合して、
反強誘電性液晶組成物を得、物性測定した。 液晶1A :C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH
2)5OC2H5 液晶1B :C9H19-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH
2)5OC2H5 液晶2A :C6H13-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH
2)5OC2H5 式中、Phは1,4-フェニレン基、Ph(3F)は、3-位(X) がF
置換された1,4-フェニレン基を示す。
C(示差走差熱量計)により行った。組成物の応答時間を
次のようにして測定した。ラビング処理したポリイミド
薄膜を有する ITO電極付の液晶セル(セル厚 1.8μm)
に、等方相の状態で充填した。このセルを、毎分1℃で
徐冷してSA相で液晶を配向させた。セルを直交する偏光
板間に液晶の層方向がアナライザーまたはポーラライザ
ーと平行になるように設置した。液晶セルに、周波数10
Hz、35Vのステップ電圧を印加して、透過光変化が10%
から90%変化するに要する時間を応答時間と定義して、
応答時間を測定した。結果を表1、2に示した。 実施例3 実施例1において液晶2Aの液晶1Aに対する添加量を40モ
ル%として反強誘電性液晶組成物を得、物性測定した。
液晶2AはスメクチックA相は有するが、反強誘電相の下
限温度が8℃と高く各々の液晶は実用上問題のある相転
移温度であった。しかし、この2つの液晶の組成物であ
る実施例ではスメクチックA相を有しかつ反強誘電相の
温度範囲の広い組成物が得られた。
ル%の場合(実施例1,2)、応答速度Iは、各単独液晶の
応答速度Iよりも遅くなったがなお十分な高速性を示し
た。また、40モル%の場合(実施例3)では、各単独液晶
の応答速度Iと殆ど同じであり十分な高速性を示した。
得られた反強誘電性液晶組成物の相系列、相転移温度も
考慮すると実用的な液晶材料を得ることができたといえ
る。
下記の反強誘電性液晶(以下、液晶2B、液晶2Cと記す)
をそれぞれ20モル%混合して、反強誘電性液晶組成物を
得、物性測定した。結果を表3、4に示した。 液晶2B :C6H13-O-Ph-Ph-COO-Ph-COO-C*H(CF3)(CH2)5O
C2H5 液晶2C :C6H13-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH
2)7OC2H5 式中、Phは1,4-フェニレン基、Ph(3F)は、3-位(X) がF
置換された1,4-フェニレン基を示す。
2B、液晶2CはスメクチックA相は有するもの反強誘電相
の下限温度はそれぞれ79℃、30℃と高く、実用上問題が
あった。しかし、この2つの液晶を混合した組成物は、
スメクチックA相を有しかつ反強誘電相の温度範囲の広
く、また、その応答速度I は、十分な高速性を示し実用
的な液晶材料を得ることができたといえる。
おいてF原子の置換位置が2-位ではなく3-位である下記
の反強誘電性液晶 (以下、液晶C と記す) を20モル%混
合して、反強誘電性液晶組成物を得、物性測定した。結
果を表5、6に示した。 液晶C :C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(2F)-COO-C*H(CF3)(CH
2)5OC2H5 式中、Phは1,4-フェニレン基、Ph(2F)は、2-位がF置換
された1,4-フェニレン基を示す。
チックA相を有し、十分な高速性を示したが、反強誘電
相の下限温度が高く実用材料としては不十分であった。
Claims (10)
- 【請求項1】 下記一般式(1) で表されるスメクチック
A相を有しない反強誘電性液晶に、下記一般式(2) で表
されるスメクチックA相を有する反強誘電性液晶を混合
してなる反強誘電性液晶組成物。 【化1】 (式(1) 中の Rは炭素数 8以上の直鎖アルキル基、mは
5以上の整数、nは1以上の整数であり、式(2) 中のR'
は炭素数 7以下の直鎖アルキル基、X はHまたはF原
子、rは5以上の整数、sは1以上の整数である。) - 【請求項2】 該一般式(1) のRの炭素数が 8〜10であ
る請求項1記載の反強誘電性液晶組成物。 - 【請求項3】 該一般式(1) のmが 5〜8 である請求項
1記載の反強誘電性液晶組成物。 - 【請求項4】 該一般式(2) のR'の炭素数が 6又は 7で
ある請求項1記載の反強誘電性液晶組成物。 - 【請求項5】 該一般式(1) のrが 5〜8 である請求項
1記載の反強誘電性液晶組成物。 - 【請求項6】 該一般式(2) の表される反強誘電性液晶
の混合量が反強誘電性液晶の 1〜60モル%である請求項
1記載の反強誘電性液晶組成物。 - 【請求項7】 該一般式(2) の表される反強誘電性液晶
の混合量が反強誘電性液晶の10〜50モル%である請求項
1記載の反強誘電性液晶組成物。 - 【請求項8】 該反強誘電性液晶組成物が、反強誘電相
の高温側に少なくともスメクチックA相を有し、高温側
の反強誘電相への転移温度が40℃以上である請求項1記
載の反強誘電性液晶組成物。 - 【請求項9】 該反強誘電性液晶組成物が、反強誘電相
の低温側の他のより高次の相あるいは結晶相への転移温
度が0℃以下である請求項1記載の反強誘電性液晶組成
物。 - 【請求項10】 請求項1に記載の反強誘電性液晶組成
物を、1対の電極基板間に配置してなることを特徴とす
る反強誘電性液晶表示素子。
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---|---|---|---|
JP09241295A JP3591042B2 (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | 反強誘電性液晶組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09241295A JP3591042B2 (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | 反強誘電性液晶組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08283721A true JPH08283721A (ja) | 1996-10-29 |
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Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP09241295A Expired - Fee Related JP3591042B2 (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | 反強誘電性液晶組成物 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3591042B2 (ja) |
-
1995
- 1995-04-18 JP JP09241295A patent/JP3591042B2/ja not_active Expired - Fee Related
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