JPH1025478A - 反強誘電性液晶組成物 - Google Patents

反強誘電性液晶組成物

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JPH1025478A
JPH1025478A JP8180617A JP18061796A JPH1025478A JP H1025478 A JPH1025478 A JP H1025478A JP 8180617 A JP8180617 A JP 8180617A JP 18061796 A JP18061796 A JP 18061796A JP H1025478 A JPH1025478 A JP H1025478A
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antiferroelectric
antiferroelectric liquid
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JP8180617A
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Masahiro Kino
正博 城野
Takahiro Matsumoto
隆宏 松本
Tomoyuki Yui
知之 油井
Teruyo Tomiyama
照予 冨山
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 配向膜のラビング軸からある傾きをもっ
て配向する反強誘電性液晶(1) に、これとは反対方向に
傾いて配向する光学活性化合物(2) を添加してなる反強
誘電性液晶組成物。 (式中Rは炭素数8〜12の直鎖アルキル基、mは5
〜8の整数、nは2,4の整数、X、Xはフッ素原
子または水素原子、Cは不斉炭素である)。 (式中Rは炭素数5〜12の直鎖アルキル基、Aは−
0−または−COO−結合、pは0または1の整数、Y
、Yは水素原子またはフッ素原子、qは5〜8の整
数、Cは不斉炭素である)。 【効果】広い温度範囲で反強誘電相を示しコントラスト
に優れた反強誘電性液晶素子を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に単純マトリックス
型の液晶表示素子に好適に使用される反強誘電性液晶組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、低電圧作動性、低消費
電力性、薄型表示が可能である事等により、現在までに
各種の小型表示素子に利用されてきた。しかし、昨今の
情報、OA関連機器分野、あるいは、テレビ分野への液
晶表示素子の応用、用途拡大に伴って、これまでのCR
T表示素子を上回る表示容量、表示品質を持つ高性能大
型液晶表示素子の要求が、急速に高まってきた。
【0003】しかしながら、現在のネマチック液晶を使
用する限りにおいては、液晶テレビ用等に採用されてい
るアクテイブマトリックス駆動液晶表示素子でも、製造
プロセスの複雑さと歩留りの低さにより、その大型化、
低コスト化は容易ではない。又、単純マトリックス駆動
のSTN型液晶表示素子にしても、大容量駆動は必ずし
も容易ではなく、応答時間にも限界があり動画表示は困
難である。更にネマチック液晶を用いた表示素子は、視
野角が狭いということが、大きな問題になってきてい
る。
【0004】従って、ネマチック液晶表示素子は、上記
の高性能大型液晶表示素子への要求を、満足するものと
はいい難いのが実状である。このような状況のなかで、
高速液晶表示素子として注目されているのが、強誘電性
液晶を用いた液晶表示素子である。クラ−クとラガバ−
ルにより発表された、表面安定化型強誘電性液晶(SS
FLC)素子は、その従来にない速い応答速度と広い視
野角を有する事が注目され、そのスイッチング特性に関
しては詳細に検討されおり、種々の物性定数を最適化す
るため、多くの強誘電性液晶が合成されている。
【0005】しかしながら、しきい値特性が不十分であ
る、層の構造がシェブロン構造をしているなどからコン
トラストが不良である、高速応答が実現されていない、
配向制御が困難でSSFLCの最大の特徴の1つである
双安定性の実現が容易でない、機械的衝撃に依って配向
が破壊されそれの回復が困難であるなどの問題があり、
実用化にはこれらの問題の克服が不可欠である。また、
近年液晶デイスプレーにもカラー表示が必須となってき
ているが、SSFLCは双安定であるがために階調表示
が困難であるという大きな問題点を持っている。
【0006】これとは別に、SSFLCと異なるスイッ
チング機構の素子の開発も、同時に進められている。反
強誘電相を有する液晶物質(以下、反強誘電性液晶物質
と呼ぶ)の三安定状態間のスイッチングも、これらの新
しいスイッチング機構の1つである(Japanese Journal
of Applied Physics, Vol.27, pp.L729, 1988)。
【0007】反強誘電性液晶素子は、3つの安定な状態
を有する。すなわち、強誘電性液晶素子で見られる、2
つのユニフォ−ム状態(Ur, Ul)と第三状態である。この
第三状態が、反強誘電相であることをChandaniらが報告
している(Japanese Journal of Applied Physics, Vol.
28, pp.L1261, 1989、Japanese Journal of Applied Ph
ysics, Vol.28, pp.L1265, 1989)。
【0008】このような三安定状態間のスイッチング
が、反強誘電性液晶素子の第1の特徴である。第2の特
徴は、印加電圧に対して明確なしきい値が存在すること
であり、更に、メモリ−性を有しており、これが反強誘
電性液晶素子の第3の特徴である。これらの優れた特徴
を利用することにより、応答速度が速く、視野角が広く
比較的コントラストが良好な液晶表示素子を単純マトリ
ックス駆動で実現できる。
【0009】又、もう一つの大きな特徴として、層構造
が、電界により容易にスイッチングする事があげられる
(Japanese Journal of Applied Physics, Vol.28, pp.L
119,1989、Japanese Journal of Applied Physics, Vo
l.29, pp.L111, 1990) 。このことにより、欠陥が比較
的少なく、配向の自己修復能力のある液晶表示素子の作
製が可能となる。更に、強誘電性液晶では殆ど不可能で
ある電圧階調が、反強誘電性液晶では可能であることが
実証され、フルカラー化への道が開け、一層反強誘電性
液晶の重要性が増してきている(第4回強誘電性液晶国
際会議予稿集、77頁、1993) 。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】単純マトリックス駆動
においては反強誘電性液晶が、従来使用されているネマ
チック液晶に比べ優れた特性を発揮する。しかしなが
ら、昨今の液晶技術の進展はめざましく、反強誘電性液
晶を実用材料とするためには、より一層のコントラスト
の改善が求められている。
【0011】コントラストを向上するためには、前述し
たように反強誘電状態の光透過率を小さくし、強誘電状
態における光透過率を上げればよい。このうち、強誘電
状態における光透過率は、反強誘電性液晶のチルト角に
依存する。即ち、チルト角が45゜で最大の光透過率が得
られるので、チルト角ができるだけ45゜に近い材料の開
発が必要となる。一方、反強誘電状態の光透過率を小さ
くするためには良好な配向を実現しなければならない。
良好な配向とは、配向欠陥ができるだけ少ないことを意
味し、配向欠陥の少ない液晶素子の実現が不可欠にな
る。
【0012】竹内らは、TFMHPDBC(=C10H20O-Ph-Ph-COO-
Ph-COO-C*H(CF3)C6H13) に、MHPOBC(=C8H17-O-Ph-Ph-CO
O-Ph-COO-C*H(CH3)C6H13)(両式中のPhは1,4-フェニレン
基、C*は不斉炭素を表す) を20〜30重量%混合すること
によって電圧無印加持の光漏れが小さくなることを報告
している(第20回液晶討論会、P272(1994)) 。光漏れが
小さくなる原因として、螺旋の解旋が重要な因子である
とし配向性についての議論はなされていない。
【0013】欠陥のない配向を実現するためには、液晶
材料が等方相−カイラルネマチック(N*)相−スメクチッ
クA(SA)相−反強誘電相の相系列を示すことが必要であ
ると一般的に言われている。しかしながら、現在までこ
の相系列を示す反強誘電性液晶は見いだされていない。
これまでに合成された反強誘電性液晶の多くは、スメク
チック相の層法線方向がラビング軸から傾いて配向す
る。
【0014】以降、ラビング軸からの層法線方向の傾き
角を配向のずれ角(θ)と呼ぶ。液晶セルは通常、ラビ
ング処理したガラス基板をラビング方向が平行あるいは
反平行になるように貼り合わせて作製する。ラビング軸
から傾いて配向する反強誘電性液晶あるいはフェリ誘電
性液晶をこの様なセルに充填した場合、上側のガラス基
板から成長した液晶と下側のガラス基板から成長した液
晶とでは配向方向が2θ異なり、しかもそれぞれの基板
から成長した液晶の領域が結合する際、結合部分に欠陥
が発生する。全体の分子配向方向が一様でないこと、配
向のずれ角に起因する欠陥が存在することから、この様
なセルにおける反強誘電状態の光透過率は非常に大きく
なる。
【0015】この様な問題を解消する方法として、上下
ガラス基板のラビング方向を2θずらす方法と液晶材料
のずれ角を小さくする方法とがある。前者の上下ガラス
基板のラビング方向をずらすことは容易であるが、液晶
単体の種類、液晶組成物の種類によってずれ角は異なる
ので、ずらす角度は用いる液晶ごとに随時変える必要が
ある。後者の配向のずれ角に関する報告はこれまで行な
われていないが、配向のずれ角を容易に小さくすること
ができれば、液晶セル製作上の煩わしさを解消でき、均
一な配向が達成できる。
【0016】本発明はこの様な観点からなされたもので
あり、ラビング軸に対してある傾きをもって配向する反
強誘電性液晶に、これとは反対の傾きを持って配向する
反強誘電性液晶あるいはフェリ誘電性液晶を含む光学活
性化合物から選ばれた少なくとも一種を混合することに
より、配向のずれ角の小さな反強誘電性液晶組成物を得
ることができ、その結果、配向が均一で反強誘電状態の
光透過率が極めて小さな液晶素子が得られることを見い
だし、本発明を完成した。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、配
向膜のラビング軸からある傾きをもって配向する反強誘
電性液晶(1) に、これとは反対方向に傾いて配向する光
学活性化合物(2) を添加してなる反強誘電性液晶組成物
である。本発明のラビング軸からある傾きを持って配向
する反強誘電性液晶(1) としては、下記一般式(1) で表
されるものが好ましい。
【0018】
【化3】 (式中R1は炭素数 8〜12の直鎖アルキル基、mは 5〜8
の整数、nは 2, 4 の整数、X1, X2はフッ素原子または
水素原子、C*は不斉炭素である)。
【0019】また、反強誘電性液晶(1) とはラビング軸
に対して反対方向に配向する光学活性化合物(2) として
は、下記一般式(2) で表され、該反強誘電性液晶(1) と
はラビング軸に対する傾きが反対である反強誘電性液
晶、フェリ誘電性液晶およびこれらの液晶相を持たない
光学活性化合物からなる群から選択された1種または2
種以上である光学活性化合物(2) が挙げられる。
【0020】
【化4】 (式中R2は炭素数 5〜12の直鎖アルキル基、Aは -O-ま
たは -C00-結合、pは0または1の整数、Y1, Y2は水素
原子またはフッ素原子、qは 5〜8 の整数、C*は不斉炭
素である)。
【0021】本発明においては、該光学活性化合物(2)
の添加量が組成物の20〜50モル%、より好ましくは20〜
40モル%の範囲から選択する。得られた反強誘電性液晶
組成物は、反強誘電相よりも高温側にスメクチックA相
を有するものであり、該反強誘電性液晶組成物の反強誘
電相において、その高温側の転移温度が40℃以上、より
好ましくは50℃以上であり、その低温側の転移温度が 0
℃以下であることが望ましい。
【0022】そして、本発明の反強誘電性液晶組成物
を、走査電極と信号電極をマトリックス上に配置した基
板間に狭持することにより単純マトリックス液晶表示素
子が好適に製造され、該単純マトリックス液晶素子は、
電圧による駆動を、1つの反強誘電状態と2つの強誘電
状態の間でスイッチングすることにより行われる。
【0023】本発明で使用する一般式(1) で示される反
強誘電性液晶は本発明者らが既に明らかにした方法(特
開平3-198155号)によって容易に製造できる。その製造
法の概略は次の通りである。 (イ) AcO-Ph(3X)-COOH + SOCl2 → AcO-Ph(3X)-COCl (ロ) (イ) + CF3C*H(OH)(CH2)mOCnH2n+1 → AcO-Ph(3X)-COO-C*H(CF3)(CH2)mOCnH2n+1 (ハ) (ロ) + (Ph-CH2NH2) → HO-Ph(3X)-COO-C*H(CF3)(CH2)mOCnH2n+1 (ニ) R-O-Ph-Ph-COOH + SOCl2 → R-O-Ph-Ph-COCl (ホ) (ハ) + (ニ) → 目的液晶化合物 上記の式の中でPhは1,4-フェニレン基、Ph(3X)はフェニ
ル基の3位置へフッ素置換していてもよい1,4-フェニレ
ン基、Acはアセチル基、C*は不斉炭素を示す。
【0024】上記製造法を簡単に説明すると次の通りで
ある。(イ) はp-アセトキシ安息香酸の塩化チオニルによ
る塩素化反応である。(ロ) は塩化物(イ) と光学活性アル
コールとの反応によるエステルの生成である。(ハ) はエ
ステル(ロ) の脱アセチル化である。(ニ) は 4'-アルキル
オキシビフェニル−4-カルボン酸の塩素化である。(ホ)
は (ハ)と(ニ) の反応による目的液晶化合物の生成反応で
ある。
【0025】また、本発明で使用する一般式(2) で示さ
れる光学活性化合物(2) は、本発明者らが既に明らかに
した方法(特願平6-316810号)によって容易に製造でき
る。その製造法の概略は次の通りである。 (1) RCOCl + HO-Ph(3Y)-COOH → RCOO-Ph(3Y)-COOH (2) (1) + SOCl2 → RCOO-Ph(3Y)-COCl (3) AcO-Ph-COOH + SOCl2 → AcO-Ph-COCl (4) (3) + R*OH → AcO-Ph-COO-R* (5) (4) + (Ph-CH2NH2) → HO-Ph-COO-R* (6) (2) + (5) → 目的光学活性化合物 上記の式の中でPhは1,4-フェニレン基、Ph(3Y)はフェニ
ル基の3位置へフッ素置換していてもよい1,4-フェニレ
ン基、Acはアセチル基、C*は不斉炭素を示す。
【0026】上記製造法を簡単に説明すると次の通りで
ある。(1) は脂肪族酸塩化物と適宜核をフッ素置換され
ていてもよいp-ヒドロキシ安息香酸との反応によるエス
テル(1) の製造である。(2) は塩化チオニルによるエス
テル(1) の塩素化である。(3) はアセトキシ安息香酸の
塩化チオニルによる塩素化である。(4) は (3)の塩化物
と光学活性アルコールとの反応によるエステル(4) の製
造である。(5) はエステル(4) のベンジルアミンによる
脱アセチルである。(6) は塩化物(3) と脱アセチル化物
(5) との反応である。
【0027】
【発明の効果】本発明は、配向性の改善された反強誘電
性液晶組成物を提供できる。そして、本発明で得られた
反強誘電性液晶組成物は広い温度範囲で反強誘電相を示
しコントラストに優れた反強誘電性液晶素子を実現でき
る。
【0028】
【実施例】以下の実施例において、本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 参考例1 下記の化学式で示される反強誘電性液晶(1A)の配向のず
れ角を測定した。 液晶1A : C9H19-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(C
H2)5OC2H5 式中のPhは1,4-フェニレン基、Ph(3F)はフェニル基の3
位置へフッ素置換した1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素
を示す。また、1Aの相系列は下記であった。 1Aの相系列 : Cr(<-50)SCA*(77)SC*(83)I 上記相系列において、 () 内の数値は転移温度 (℃) 、
Crは結晶相、SCA*は反強誘電相、SC* はカイラルスメク
チックC相(強誘電相)、Iは等方相を示す。
【0029】配向のラビング軸からのずれ角は次のよう
に定義した。図1に示すように配向膜がガラス上面(紙
面手前)になるようにガラス基板を置いたとき、スメク
チック相における層の法線方向とラビング方向とのなす
角を配向のずれ角と定義した。なお、ずれ角の符号は時
計回りのずれを正、反時計回りのずれを負と定義した。
【0030】以下の手順により化合物1Aの配向のずれ
角を測定した。ITO 電極付きの一対のガラス基板をポリ
イミドコーティング後、一対の基板の一方のみをラビン
グ処理した。粒径 1.8μmのスペーサーを介し、一対の
ガラス基板を貼り合わせテストセルとした。セルギャッ
プは 2μmであった。
【0031】液晶1A(R体)が等方相となるまで加熱
し、毛細管現象によりテストセルに液晶を注入した。そ
の後、SCA*を示す温度までテストセルを徐冷したが液晶
は配向しなかった。液晶1Aに、1AのS体をそれぞれ25、
50、75モル%混合し、得られた混合物を上記と同様の手
順で配向させたところ、比較的良好な配向が得られた。
それぞれの混合物を注入したテストセルを直交する偏光
板間に置き、テストセルを回転し消光位(層法線方向)
を求め、ラビング方向と消光位の角度より定義に従うず
れ角を求めた(図2)。1A(R体)のずれ角を外挿法に
より求めた。その結果、 1A(R体)のずれ角は+17゜で
あった。
【0032】実施例1〜3 参考例1で用いた反強誘電性液晶(1A)に、光学活性化合
物(2) として下記の化学式で示される反強誘電性液晶(2
A)をそれぞれ、20、30、40モル%の割合で混合して液晶
組成物を得た。 2A : C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C5H11 式中のPhは1,4-フェニレン基、Ph(3F)はフェニル基の3
位置へフッ素置換した1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素
を示す。得られた組成物および反強誘電性液晶(2A)の相
系列を表1に示した。なお、液晶相の同定は、テクスチ
ャー観察、コノスコープ像の観察、及び DSC(示差走差
熱量計)の測定により行なった。
【0033】
【表1】 成分 モル比 相 系 列 実施例1 1A/2A=80/20 Cr(<-10)SCA*(73)SCγ*(91)SA(97)I 〃 2 〃 70/30 Cr(<-10)SCA*(58)SCγ*(96)SA(103)I 〃 3 〃 60/40 Cr(<-10)SCA*(58)SCγ*(101)SA(111)I 液晶 2A Cr(15)SX(27)SCA*(125)SA(143)I 上記相系列において、 () 内の数値は転移温度 (℃) 、
Crは結晶相、SXは未同定の相、SCA*は反強誘電相、SCγ
* はフェリ誘電相、SAはスメクチックA相、Iは等方相
を示す。
【0034】反強誘電性液晶(2A)および反強誘電性液晶
組成物の片面ラビングにおけるずれ角を参考例1と同様
にして求めた。次に、反強誘電性液晶(2A)および反強誘
電性液晶組成物の光透過率を次のように両面ラビングセ
ルで求めた。尚、同時に両面ラビングセルにおけるずれ
角も求めた。ITO 電極付きの一対のガラス基板をポリイ
ミドコーティング後、基板の両方をラビング処理した。
粒径 1.5μmのスペーサーを介し、両基板のラビング方
向が平行になるようにガラス基板を貼り合わせ、テスト
セルとした。セルギャップは1.7μmであった。
【0035】液晶が等方相となるまで加熱し、毛細管現
象によりテストセルに液晶を注入した。テストセルを直
交する偏光板間に置き、テストセルを徐冷しながら組織
観察を行ったところ、上側のガラス基板から成長する液
晶領域と下側のガラス基板から成長する液晶領域があ
り、その配向方向が異なっていることが確認された。テ
ストセルをSA相を示す温度とし、テストセルを回転させ
2つの領域の消光位(層法線方向)をそれぞれ求めた
(θ1,θ2)。θ1,θ2 を用い下式よりずれ角を求めた。 液晶組成物のずれ角=|θ1 −θ2 |/2
【0036】テストセルを更に40℃(SCA*相)まで徐冷
後、±25V,30Hzの矩形波電圧を5分間印加しジグザグ
配向欠陥をできるだけ少なくした。また、この時、セル
を透過してくる光量をフォトマルチプライヤーにより検
出し、液晶のスイッチング時に発現する両強誘電状態の
透過光量が等しくなるようにテストセルを回転した。電
圧印加を終えた後、反強誘電状態における透過光量をフ
ォトマルチプライヤーにより求めた。更に、セルに25V
の直流電圧を印加し強誘電状態とし、この時の透過量を
フォトマルチプライヤーにより求めた。次に、空セルを
直交する偏光板間に置き、同様に透過光量を求めこの透
過光量を偏光板による光漏れとした。強誘電状態の透過
光量を 100%、空セルの透過光量を0%とし、反強誘電
状態の光透過率を求めた。
【0037】
【表2】
【0038】実施例4〜7 実施例1で用いた反強誘電性液晶(1A)に、光学活性化合
物(2) として下記の化学式で示される反強誘電性液晶(2
B)をそれぞれ、10、20、30、40モル%の割合で混合して
液晶組成物を得た。 2B : C9H19-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C6H13 式中のPhは1,4-フェニレン基、Ph(3F)はフェニル基の3
位置へフッ素置換した1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素
を示す。得られた組成物および反強誘電性液晶(2B)の相
系列を表3に示した。また、得られた組成物のずれ角、
光透過率を実施例1と同様にして測定した結果を表4に
示した。
【0039】
【表3】実施例 成分 モル比 相 系 列 実施例4 1A/2B=90/10 Cr(<-20)SCA*(76)SCγ*(85)SA(88)I 5 80/20 Cr(<-20)SCA*(73)SCγ*(90)SA(95)I 6 70/30 Cr(<-20)SCA*(70)SCγ*(98)SA(107)I 7 60/40 Cr(<-20)SCA*(72)SCγ*(94)SA(101)I 液晶 2B − Cr(33)SCA*(124)SA(133)I 上記相系列において、 () 内の数値は転移温度 (℃) 、
Crは結晶相、SCA*は反強誘電相、SAはスメクチックA
相、Iは等方相を示す。
【0040】
【表4】 実4 実5 実6 実7 2B ずれ角 片面 7.3 3.6 0.9 -2.4 -9.2 両面 2.7 1.0 1.2 0.8 − 光透過率 (%) 1.2 0.5 0.6 0.5 18.5
【0041】実施例8〜11 実施例1で用いた反強誘電性液晶(1A)に、光学活性化合
物(2) として下記の化学式で示されるフェリ誘電相を有
する液晶化合物(2C)をそれぞれ、10、20、30、40モル%
の割合で混合して反強誘電性液晶組成物を得た。 2C : C10H21-COO-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C5H11 式中のPhは1,4-フェニレン基、Ph(3F)はフェニル基の3
位置へフッ素置換した1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素
を示す。得られた組成物および液晶化合物(2C)の相系列
を表5に示した。また、得られた組成物のずれ角、光透
過率を実施例1と同様にして測定した結果を表6に示し
た。
【0042】
【表5】 成分 モル比 相 系 列 実施例8 1A/2C=90/10 Cr(<-10)SCA*(68)SCγ*(74)SA(75)I 〃 9 〃 80/20 Cr(<-10)SCA*(56)SCγ*(65)SA(70)I 〃 10 〃 70/30 Cr(<-20)SCA*(45)SCγ*(51)SA(58)I 〃 11 〃 60/40 Cr(<-20)SCA*(43)SCγ*(58)SA(64)I 液晶 2C − Cr(18)SX(22)SCγ*(26)SA(28)I 上記相系列において、 () 内の数値は転移温度 (℃) 、
Crは結晶相、SXは未同定の相、SCγ* はフェリ誘電相、
SAはスメクチックA相、Iは等方相を示す。
【0043】
【表6】 実8 実9 実10 実11 2C ずれ角 片面 11.2 6.9 4.1 0.0 *1 両面 3.6 1.7 0.54 0.6 − 光透過率 (%) 1.9 0.8 0.5 0.4 − 注) *1 :配向せず測定できなかった。しかし、実施例8〜11のずれ角から判断す ると、2Cは1Aとは反対方向に配向する液晶と判断される。
【0044】実施例12、13 実施例1で用いた反強誘電性液晶(1A)に、下記の化学式
で示される光学活性化合物(2D, 2E)をそれぞれ、30モル
%の割合で混合して反強誘電性液晶組成物を得た。得ら
れた組成物の相系列を表7に示した。また、得られた組
成物のずれ角、光透過率を実施例1と同様にして測定し
た結果を表8に示した。
【0045】 2D : C5H11-COO-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C5H11 2E : C7H15-COO-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C5H11 式中のPhは1,4-フェニレン基、Ph(3F)はフェニル基の3
位置へフッ素置換した1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素
を示す。 2Dの相系列 : Cr(31)I(昇温) I(16)SA(1)Cr(降温) 2Eの相系列 : Cr(28)I(昇温) I(12)SA(-1)SCA*(-14)Cr(降温) 上記相系列において、 () 内の数値は転移温度 (℃) 、
Crは結晶相、SCA*は反強誘電相、SAはスメクチックA
相、Iは等方相を示す。
【0046】
【表7】実施例 成分 モル比 相 系 列 12 1A/2D=70/30 Cr(<-20)SCA*(59)SA(68)I 13 1A/2E=70/30 Cr(<-20)SCA*(61)SA(67)I
【0047】
【表8】 2D、2Eのづれ角は配向しないため測定できなかったが、
実施例12、13のずれ角から判断して1Aとは反対方向に配
向する液晶であると判断される。
【0048】実施例14 下記の化学式で表される反強誘電性液晶(1B)に、光学活
性化合物(2) として下記の化学式で示される反強誘電性
液晶(2F)を30モル%の割合で混合して反強誘電性液晶組
成物を得た。得られた組成物および用いた反強誘電性液
晶の相系列を表9に示した。また、得られた組成物のず
れ角、光透過率を実施例1と同様にして測定した結果を
表10に示した。
【0049】1B : C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H
(CF3)(CH2)5OC2H5 2F : C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C8H17 式中のPhは1,4-フェニレン基、Ph(3F)はフェニル基の3
位置へフッ素置換した1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素
を示す。
【0050】
【表9】 成分 モル比 相 系 列 実施例14 1B/2F=70/30 Cr(<-10)SCA*(96)SA(104)I 液晶 1B − Cr(36)SCA*(90)I 液晶 2F − Cr(29)SCA*(113)SC*(114)SA(131)I 上記相系列において、 () 内の数値は転移温度 (℃) 、
Crは結晶相、SCA*は反強誘電相、SC* は強誘電相、SAは
スメクチックA相、Iは等方相を示す。
【0051】
【表10】 注) *2 :配向せず測定できず。しかし、2F及び実施例14
のずれ角から判断して2Fとは反対方向に配向する液晶で
あると判断される。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1において、配向のずれ角の測定のため
の説明図である。
【図2】参考例1の1A(R体)のずれ角を外挿法により求
める説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨山 照予 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向膜のラビング軸からある傾きをもっ
    て配向する反強誘電性液晶(1) に、これとは反対方向に
    傾いて配向する光学活性化合物(2) を添加してなる反強
    誘電性液晶組成物。
  2. 【請求項2】 該反強誘電性液晶(1) が、下記一般式
    (1) で表されるものである請求項1記載の反強誘電性液
    晶組成物。 【化1】 (式中R1は炭素数 8〜12の直鎖アルキル基、mは 5〜8
    の整数、nは 2, 4 の整数、X1, X2はフッ素原子または
    水素原子、C*は不斉炭素である)。
  3. 【請求項3】 該光学活性化合物(2) が、下記一般式
    (2) で表され、該反強誘電性液晶(1) とはラビング軸に
    対する傾きが反対である反強誘電性液晶、フェリ誘電性
    液晶およびこれらの液晶相を持たない光学活性化合物か
    らなる群から選択された1種または2種以上である請求
    項1記載の反強誘電性液晶組成物。 【化2】 (式中R2は炭素数 5〜12の直鎖アルキル基、Aは -O-ま
    たは -C00-結合、pは0または1の整数、Y1, Y2は水素
    原子またはフッ素原子、qは 5〜8 の整数、C*は不斉炭
    素である)。
  4. 【請求項4】 該光学活性化合物(2) の添加量が組成物
    の20〜50モル%の範囲から選択されたものである請求項
    1記載の反強誘電性液晶組成物。
  5. 【請求項5】 該光学活性化合物(2) の添加量が組成物
    の20〜40モル%の範囲から選択されたものである請求項
    1記載の反強誘電性液晶組成物。
  6. 【請求項6】 該反強誘電性液晶組成物が、反強誘電相
    よりも高温側にスメクチックA相を有するものである請
    求項1記載の反強誘電性液晶組成物。
  7. 【請求項7】 該反強誘電性液晶組成物の反強誘電相に
    おいて、その高温側の転移温度が40℃以上であり、その
    低温側の転移温度が 0℃以下である請求項1記載の反強
    誘電性液晶組成物。
  8. 【請求項8】 該反強誘電性液晶組成物の反強誘電相に
    おいて、その高温側の転移温度が50℃以上である請求項
    7記載の反強誘電性液晶組成物。
  9. 【請求項9】 走査電極と信号電極をマトリックス上に
    配置した基板間に請求項1記載の反強誘電性液晶組成物
    を狭持することを特徴とする単純マトリックス液晶表示
    素子。
  10. 【請求項10】 単純マトリックス液晶素子による電圧
    による駆動を、1つの反強誘電状態と2つの強誘電状態
    の間でスイッチングすることを特徴とする請求項9記載
    の単純マトリックス液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1008585A1 (en) * 1998-05-29 2000-06-14 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Fluorine-substituted compounds and ferrielectric liquid-crystal composition containing the same
CN100335981C (zh) * 2002-11-08 2007-09-05 佳能株式会社 用于显影辊的组装方法

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