JPH11263975A - フェリ誘電性液晶組成物 - Google Patents

フェリ誘電性液晶組成物

Info

Publication number
JPH11263975A
JPH11263975A JP10068358A JP6835898A JPH11263975A JP H11263975 A JPH11263975 A JP H11263975A JP 10068358 A JP10068358 A JP 10068358A JP 6835898 A JP6835898 A JP 6835898A JP H11263975 A JPH11263975 A JP H11263975A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
ferrielectric
crystal composition
general formula
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10068358A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Matsumoto
隆宏 松本
Masahiro Kino
正博 城野
Tomoyuki Yui
知之 油井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP10068358A priority Critical patent/JPH11263975A/ja
Publication of JPH11263975A publication Critical patent/JPH11263975A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 自発分極が小さく応答性に優れた新規なフェ
リ誘電性液晶組成物を得る。 【解決手段】 下記式(1) で示されるフェリ誘電性液晶
化合物から選ばれた2種類以上の混合物からなるフェリ
誘電性液晶に、下記式(2) で示される化合物から選ばれ
た1種類または2種以上を混合してなるフェリ誘電性液
晶組成物。 (式(1) 中、R1は炭素数 6〜12の直鎖アルキル基、X1
X2は共に水素原子又は一方が水素原子で他方がフッ素原
子、m、nは 1〜3 の整数。式(2) 中、R2は直鎖アルキ
ル基もしくはアルコキシアルキレン基、Aは -, -O- ま
たは -COO-、Bは -O-または -COO-、Y1、Y2は共に水素
原子または一方が水素原子で他方がフッ素原子、Z1、Z2
は共に水素原子または一方が水素原子で他方がフッ素原
子、pは0又は1、R3はフッ素置換していてもよいアル
キル基またはアルコキシアルキル基。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフェリ誘電性液
晶組成物に関する。本発明の新規なフェリ誘電性液晶組
成物は、自発分極が小さく応答性に優れている。そのた
め表示品質の高いフェリ誘電性液晶表示素子を実現でき
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子(LCD)は、従来のブラ
ウン管ディスプレイに代わるフラットパネルディスプレ
イとして、既にポータブル機器を中心に普及しつつあ
る。最近のパーソナルコンピュータやワードプロセッサ
の機能拡大、および処理情報の大量化にともない、LC
Dにもより高い機能、すなわち、大表示容量化、フルカ
ラー表示、広視野角、高速応答、高コントラスト化等が
要求されている。
【0003】この様な要求に応える液晶表示方式(液晶
駆動方式)として、画面の各画素毎に薄膜トランジスタ
(TFT)あるいはダイオード(MIM)を形成し、各
画素毎に独立して液晶を駆動する方式であるアクティブ
マトリクス(AM)表示素子が提案実施されている。こ
の表示方式は、製造歩留まりが低いため低コスト化が困
難である、大画面化が困難であるなどの問題はあるが、
表示品質の高さにより従来主流であったSTN表示方式
を凌駕し、CRTに迫る勢いになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなAM表示素子において、液晶材料としてTN(ツイ
ステッドネマチック)液晶を用いているため、次のよう
な問題が生じている。 (1) TN液晶はネマチック液晶であり、応答速度が一般
的に遅く(数十ms)、動画表示を行うとき良好な画質
が得られない。 (2) 液晶分子のねじれ状態(ツイスト配向)を利用して
表示するため、視野角が狭い。特に階調表示を行うと、
視野角が急激に狭くなる。すなわち、ディスプレイを見
る角度によって、コントラスト比、色などが変わってし
まう。
【0005】これらの問題を解決するため、TN液晶に
代えて、強誘電性液晶や反強誘電性液晶を採用したAM
パネルの提案も近年行われているが(特開平5-249502、
同5-150257、同6-95080 等)、これらの液晶にも次のよ
うな問題点があり実用化の壁は厚いのが現状である。
【0006】(A) 強誘電性液晶は自発分極を有している
が、自発分極が常に存在するため画面の焼き付きが起こ
りやすく駆動が困難となる。また、強誘電性液晶は表面
安定化型モードで表示する場合、黒、白の2値表示しか
できないため、階調表示は極めて困難である。階調表示
を行うとするときには特別な工夫が必要(例えば、単安
定を使用した強誘電性液晶素子;KeiichiNITO et.al, S
ID'94、Preprint, p48)であり、高度な実用化技術の開
発が必要とされる。
【0007】(B) 反強誘電性液晶は、永久自発分極が存
在しないため上記(A) で述べられている焼き付の問題は
回避されている。AM駆動においては、少なくとも10V
以下で駆動する液晶材料が必要である。しかし、反強誘
電性液晶は一般にしきい値電圧が大きく、低電圧駆動は
困難である。また、光学応答に履歴(ヒステリシス)が
あるため階調表示が困難であるなどの問題を有してい
る。本発明の目的は、以上のような問題点を解決できる
AM駆動に適した新しい材料を提供することにあるが、
この新しい材料としてフェリ誘電相を有する液晶が考え
られる。
【0008】フェリ誘電相 (SCγ* 相)を有する液晶化
合物は、1989年、 4-(1-メチルヘプチロキシカルボニ
ル)フェニル=4-(4'-オクチルオキシビフェニル)カル
ボキシレート (略称 MHPOBC)において初めて発見された
(Japanese Journal of Applied Physics, Vol.29, No.
1, 1990, pp.L131-137)。
【0009】MHPOBCの構造式ならびに相転移温度(℃)
を次に示した。 構造式 : C8H17-O-Ph-Ph-COO-Ph-COO-C*H(CH3)-C6H13 但し、Phは1,4-フェニレン基、C*は不斉炭素を表す。 相系列 : I(147)SA(122)SCα*(121)SC*(119)SCγ*(11
8)SCA*(65)SIA*(30)Cr 但し、I は等方相、SAはスメクチックA相、SCα* はカ
イラルスメクチックCα相、SC* はカイラルスメクチッ
クC相(強誘電相)、SCγ* はカイラルスメクチックC
γ相(フェリ誘電相)、SCA*はカイラルスメクチックC
A相(反強誘電相)、SIA*はカイラルスメクチックIA
相、Crは結晶相を示す。
【0010】フェリ誘電性液晶を説明するために、図1
にフェリ誘電相における分子配列状態を、図2にフェリ
誘電相の三角波に対する光学応答を示した。フェリ誘電
相では図1の FI(+)(印加電圧が正の場合)あるいはFI
(-)(印加電圧が負の場合)の分子配列をしている。電場
のない状態では、 FI(+)とFI(-) とは等価であるので共
存している。従って、平均的な光軸は層法線方向とな
り、図1に示した偏光板の条件下では暗状態となる。こ
の状態は、図2において電圧0で透過光強度が0のとこ
ろに相当する。
【0011】また、 FI(+)およびFI(-) は、分子配列状
態から明らかなようにそれぞれ自発分極を有するが、こ
れらの共存状態では自発分極を打ち消し合うため、平均
的な自発分極は零となる。このことから、フェリ誘電性
液晶は、反強誘電性液晶と同様に強誘電性液晶に見られ
る焼き付き現象から逃れられる。
【0012】フェリ誘電性液晶に電圧を印加していく
と、強誘電状態に達するよりも低い電圧で、消光位を持
つ領域(ドメイン)が現れる。この領域は、強誘電状態
ほどではないが、法線方向より傾いた方向に光軸を有し
ていることを示している。この中間的な状態が FI(+)ま
たはFI(-) と考えられる。なお、この場合、図2におい
て、電圧 0Vと 4Vの間で連続的な透過光強度の変化で
はなく、階段上の透過光強度が観測されるはずである。
しかし、図2では連続的な透過光強度が観測された。こ
れは FI(+)→FO(+) 、または FI(-)→FO(-) へのしきい
値電圧が明確でないことによると考えられる。本発明で
は、以上説明した中間状態が必ず観測される液晶相をフ
ェリ誘電相と、該フェリ誘電相がその相系列中で最も広
い液晶化合物をフェリ誘電性液晶と呼ぶ。
【0013】さらに、印加電圧を高くすると、電場の向
きに応じ安定な状態である強誘電相FO(+) またはFO
(-) に相転移する。すなわち、図2において透過光強度
が飽和状態(左右の平坦部)となったものが FO(+)また
はFO(-) である。この強誘電状態 FO(+)またはFO(-) で
は、フェリ誘電状態 FI(+)またはFI(-)より更に大きな
自発分極が発現することが図1より分かる。以上のよう
に、フェリ誘電相では、 FI(+)とFI(-) の共存状態を
暗、強誘電状態FO(+) およびFO(-) を明として使用でき
る。
【0014】従来の強誘電性液晶は、FO(+) 、FO(-) 間
のスイッチングであったのに対し、フェリ誘電性液晶で
は FO(+)、 FI(+)、FI(-) および FO(-)の4状態間でス
イッチングをするという大きな特徴を有している。ま
た、その表示原理はいずれも液晶の複屈折性を利用した
ものであり、視角依存性の小さな表示素子の作製が可能
である。
【0015】フェリ誘電相は図2に示されているよう
に、一般的にフェリ誘電状態から強誘電状態へ変化する
電圧と、強誘電状態からフェリ誘電状態へ変化する電圧
の差が小さい、即ちヒステリシスの幅が非常にせまい傾
向が強く、V字形の光学応答性を示すのが特徴で、AM
駆動及びAM駆動における階調表示に適した性質を持っ
ている。また、フェリ誘電性液晶の電圧による変化に於
て、フェリ誘電状態から強誘電状態へ変化する電圧であ
るしきい値電圧は、反強誘電性液晶に比べてはるかに小
さい傾向を有し、フェリ誘電性液晶はAM駆動に適して
いるといえる。
【0016】しかしながら現在まで合成されたフェリ誘
電性液晶の数はきわめて少ない。更に従来知られていた
フェリ誘電性液晶はAM駆動素子への応用を考えたと
き、ヒステリシス、フェリ状態から強誘電状態へ相転移
するときの電圧の面で満足すべきものは多くない。更
に、アクティブマトリックス駆動素子においては、フェ
リ誘電性液晶が有する自発分極の大小が、実用上の駆動
に当たっては大きな問題となる。J.Funfscillingらはア
クティブマトリックス駆動において、自発分極を持った
液晶の駆動のために必要な電圧の大きさは、自発分極に
比例する事を示している(Jpn.J.Appl.Phy.Vol.33(199
4)pp.4950) 。従って、駆動電圧の面からいえば、でき
るだけ自発分極は小さい事が望ましい。しかし一方、フ
ェリ誘電状態から強誘電状態へ転移するときの速度( 応
答速度) は、大略自発分極の大きさに比例すると考えら
れている。従って、自発分極が小さくてかつ応答速度の
速いフェリ誘電性液晶を見出せれば、実用上極めて有益
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1) で示されるフェリ誘電性液晶化合物から選
ばれた2種類以上の混合物からなるフェリ誘電性液晶
に、下記一般式(2) で示される化合物から選ばれた1種
類または2種以上を混合してなるフェリ誘電性液晶組成
物である。
【0018】
【化2】 (式(1) 中、R1は炭素数 6〜12の直鎖アルキル基、X1
X2は共に水素原子又は一方が水素原子で他方がフッ素原
子であり、m、nは 1〜3 の整数である。式(2) 中、R2
は直鎖アルキル基もしくはアルコキシアルキレン基、A
は -, -O- または -COO-、Bは -O-または -COO-であ
り、Y1、Y2は共に水素原子または一方が水素原子で他方
がフッ素原子、Z1、Z2は共に水素原子または一方が水素
原子で他方がフッ素原子であり、pは0又は1であり、
R3はフッ素置換していてもよいアルキル基またはアルコ
キシアルキル基である。)
【0019】本発明において、該一般式(1) において、
R1は炭素数は、より好ましくは 6〜10であり、特に9で
あるフェリ誘電性液晶化合物が望ましい。また、X1が水
素原子、X2がフッ素原子であること、mが2であるが望
ましい。本発明の一般式(2) の化合物は、上記一般式
(1) で示されるフェリ誘電性液晶化合物の2種以上の組
成物に配合して、その特性を改良する成分である。該一
般式(2) において、該一般式(1) のフェリ誘電性液晶組
成物との相溶性の点から、特にpが0の場合、Aおよび
Bが共に -COO-であることが好ましい。また、R2として
は直鎖アルキル基が好ましく、炭素数 8〜10、特に炭素
数9のものが好適である。また、Y1、Y2およびZ1が水素
原子、Z2がフッ素原子であるものが好ましい。
【0020】また、R3は、フッ素置換していてもよいア
ルキル基またはアルコキシアルキル基であり、具体的に
は、下記式 (w1〜w7) で示される基、すなわち、直鎖ア
ルキル基(w1)、末端に等鎖長の分岐鎖を有する直鎖アル
キル基(w2)、フッ素置換された直鎖アルキル基(w3)、フ
ッ素置換されていてもよいアルコキシアルキル基(w4)、
不斉炭素上にメチル基或いはトリフルオロメチル基を有
する光学活性基(w5)、末端に等鎖長の分岐鎖を有し、不
斉炭素上にメチル基或いはトリフルオロメチル基を有す
る光学活性基(w6)、フッ素置換されていてもよいアルコ
キシを有し、不斉炭素上にメチル基或いはトリフルオロ
メチル基を有する光学活性基(w7)が挙げられ、式w5,w6,
w7の基の場合、ラセミ置換基として用いることができ、
好適である。
【0021】 w1 : -(CH2)qCH3 (q=1-11) w2 : -(CH2)qCH(CrH2r+1)2 (q=1-4, r=1-4) w3 : -(CH2)qCrF2r+1 (q=1-2, r=1-2) w4 : -(CH2)q-O-(CH2)rCH3-sFs (q=1-7, r=1-2, s=0-3) w5 : -C*H(D)-(CH2)qCH3-sFs (D=-CH3 or-CF3, q=1-2, s=0-3) w6 : -C*H(D)-(CH2)qCH(CrH2r+1)2 (D=-CH3 or-CF3, q=1-4, r=1-4) w7 : -C*H(D)-(CH2)q-O-(CH2)rCH3-sFs (D=-CH3 or-CF3, q=1-7, r=1-2, s=0-3)
【0022】本発明のフェリ誘電性液晶組成物における
該一般式(2) で示される化合物の添加量が組成物の 1〜
50モル%が好ましく、より好ましくは1〜30モル%であ
り、該フェリ誘電相の高温側の転移温度が40℃以上で、
低温側の転移温度が 0℃以下であり、該フェリ誘電相よ
りも高温側にスメクチックA相を有することが好まし
い。そして、本発明のフェリ誘電性液晶液晶組成物は、
各画素毎に薄膜トランジスタあるいはダイオード等の非
線形能動素子を設置した基板間に狭持して、アクティブ
マトリクス液晶表示素子とされ、それは非線形能動素子
を用いた液晶の電圧による駆動を2つのフェリ誘電状態
と2つの強誘電状態、及びその中間状態へのスイッチン
グにて行われる。
【0023】本発明におけるフェリ誘電性液晶は、本発
明者らの特願平8-91235 号によって容易に製造できる。
その製造法の概略を一般式( 1) において m=2, n=1
である化合物について示せば、次の通りである。 (1) AcO-Ph(3X)-COOH + SOCl2 → AcO-Ph(3X)-COCl (2) (1) + CF3C*H(CH2)2CH(CH3)2 → AcO-Ph(3X)-COO-C*H(CF3)(CH2)2CH(CH3)2 (3) (2) + (Ph-CH2NH2) → HO-Ph(3X)-COO-C*H(CF3)(CH2)2CH(CH3)2 (4) R-O-Ph-Ph-COOH + SOCl2 → R-O-Ph-Ph-COCl (5) (3) + (4) → 目的フェリ誘電性液晶 式中、AcO はアセチル基、Phは1,4-フェニレン基、Ph(3
X)は、3位置へのF置換していてもよい1,4-フェニレン
基、C*は不斉炭素を示す。
【0024】上記製造法を簡単に説明すると次の通りで
ある。(1) はフッ素置換あるいは無置換のp-アセトキシ
安息香酸の塩化チオニルによる塩素化反応である。(2)
は塩化物(1) と光学活性アルコールとの反応によるエス
テルの生成である。(3) はエステル(2) の脱アセチル化
である。(4) は 4'-アルキルオキシビフェニル−4-カル
ボン酸の塩素化である。(5) はフェノール(3) と塩化物
(4) との反応による液晶の製造である。
【0025】また、一般式(2) 示される化合物は、本発
明者らの特願平9-217317によって容易に製造できる。そ
の製造法の概略を一般式(2) において R2=C9H19,
A,B=-COO-, p=1, Y1,Y2,Z1=H, Z2=F, R3=CH
2CF3である化合物について示せば次の通りである。 (1) AcO-Ph(3F)-COOH + SOCl2 → AcO-Ph(3X)-COCl (2) (1) + CF3CH2OH → AcO-Ph(3F)-COO-CH2CF3 (3) (2) + (Ph-CH2NH2) → HO-Ph(3F)-COO-CH2CF3 (4) C9H19COCl + HO-Ph-COOH → C9H19COOPhCOOH (5) C9H19COOPhCOOH + SOCl2 → C9H19COOPhCOCl (6) (3) + (5) → 目的化合物 式中、AcO はアセチル基、Phは1,4-フェニレン基、Ph(3
F)は、3位置へのF置換した1,4-フェニレン基、C*は不
斉炭素を示す。
【0026】上記製造法を簡単に説明すると次の通りで
ある。(1) はフッ素置換あるいは無置換のp-アセトキシ
安息香酸の塩化チオニルによる塩素化反応である。(2)
は塩化物(1) とアルコールとの反応によるエステルの生
成である。(3) はエステル(2) の脱アセチル化である。
(4) はデカノイルクロライドとp-ヒドロキシ安息香酸と
の反応である。(5) は(4) で得られた安息香酸の塩素化
である。(6) はフェノール(3) と塩化物(5) との反応に
よる液晶の製造である。
【0027】
【発明の効果】本発明は、新規なフェリ誘電性液晶組成
物を提供する。そして、本発明により提供された新規な
フェリ誘電性液晶組成物は、自発分極が小さく応答性に
優れている。そのため表示品質の高いフェリ誘電性液晶
表示素子を実現できる。
【0028】
【実施例】次に、実施例及び比較例を掲げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれに限定さ
れるものではない。 実施例1 一般式(1) に相当する下記フェリ誘電性液晶(1A,1B) の
混合物と一般式(2) に相当する下記化合物(2A)とを下記
したモル比で混合してフェリ誘電性液晶組成物を調製し
た。 1A :C9H19 O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH2)2CH(CH3)2 42モル% 1B :C9H19 O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH2)2CH(C2H5)2 28 〃 2A :C9H19-COO-Ph-COO-CH2CF3 30 〃
【0029】フェリ誘電性液晶(1A,1B) 、得られたフェ
リ誘電性液晶組成物の液晶相の相系列、相転移電圧、応
答速度および自発分極を測定した結果を表1に示した。
液晶相の同定は、テクスチャー観察、コノスコープ像の
観察及びDSC(示差走差熱量計)の測定により行なった。
コノスコープ像の観察はフェリ誘電相の同定に有力な手
段である。コノスコープ像の観察は文献(J. Appl. Phy
s. 31, 793, (1992))に従って行った。
【0030】光学応答を調べた。セルは以下の手順で作
製した。絶縁膜(SiO2,膜厚 50nm)、ITO 電極付きのガラ
ス基板をポリイミドコーティング(膜厚約80nm)後、一
対のガラス基板の片方のみをラビング処理した。粒径
1.6μmのスペーサを介し、一対のガラス基板を貼り合
わせテストセルとした。セル厚は2μmであった。液晶
が等方相となる温度まで加熱し、毛細管現象によりテス
トセル中に液晶を注入した。その後、1℃/分の速度で
徐冷し液晶を平行配向させた。
【0031】光透過率は、透過光強度が最低を光透過率
0%、最高を光透過率 100%と定義した。相転移電圧
は、光透過率が90%における電圧とした。℃において、
テストセルに± V, Hzの三角波電圧を印加し、フェリ
誘電相から強誘電相へ転移するときの電圧(相転移電圧
I ) および強誘電相からフェリ誘電相へ転移するときの
電圧(相転移電圧II) を求めた。30℃において、テスト
セルに±5V、10 Hz のステップ電圧を印加して透過光強
度が90%変化するに要する時間を応答時間と定義して応
答時間を測定した。また、自発分極は、50℃において、
テストセルに10Vの三角波電圧を印加して分極反転電流
を測定する事によって求めた。
【0032】
【表1】 相転移電圧 応答時間 自発分極 相 系 列 (V) (μ秒) (nC/cm2) 実施例1 Cr(<-20)SCγ*(75)I 2.5 240 134 液晶1A Cr(57)SCγ*(114)I 2.8 313 249液晶1B Cr(26)SCγ*(95)I 2.4 257 209 表において、相系列中の () 内の数値は転移温度 (℃)
、Crは結晶相、SCγ*はカイラルスメクチックCγ相
(フェリ誘電相)、Iは等方相をそれぞれ示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェリ誘電相における分子配列状態を示す。FI
(+), FI(-)はフェリ誘電状態、FO(+), FO(-)は強誘電状
態を表す。
【図2】フェリ誘電相における三角波電圧に対する光学
応答を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/137 G02F 1/137

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) で示されるフェリ誘電性
    液晶化合物から選ばれた2種類以上の混合物からなるフ
    ェリ誘電性液晶に、下記一般式(2) で示される化合物か
    ら選ばれた1種類または2種以上を混合してなるフェリ
    誘電性液晶組成物。 【化1】 (式(1) 中、R1は炭素数 6〜12の直鎖アルキル基、X1
    X2は共に水素原子又は一方が水素原子で他方がフッ素原
    子であり、m、nは 1〜3 の整数である。式(2) 中、R2
    は直鎖アルキル基もしくはアルコキシアルキレン基、A
    は -, -O- または -COO-、Bは -O-または -COO-であ
    り、Y1、Y2は共に水素原子または一方が水素原子で他方
    がフッ素原子、Z1、Z2は共に水素原子または一方が水素
    原子で他方がフッ素原子であり、pは0又は1であり、
    R3はフッ素置換していてもよいアルキル基またはアルコ
    キシアルキル基である。)
  2. 【請求項2】 該一般式(1) において、R1の炭素数が 6
    〜10である請求項1記載のフェリ誘電性液晶組成物。
  3. 【請求項3】 該一般式(1) において、R1の炭素数が9
    である請求項1記載のフェリ誘電性液晶組成物。
  4. 【請求項4】 該一般式(1) において、X1が水素原子、
    X2がフッ素原子である請求項1記載のフェリ誘電性液晶
    組成物。
  5. 【請求項5】 該一般式(1) において、mが2である請
    求項1記載のフェリ誘電性液晶組成物。
  6. 【請求項6】 該一般式(2) において、R2の炭素数が 8
    〜10である請求項1記載のフェリ誘電性液晶組成物。
  7. 【請求項7】 該一般式(2) において、R2の炭素数が9
    である請求項1記載のフェリ誘電性液晶組成物。
  8. 【請求項8】 該一般式(2) において、pが0である請
    求項1記載のフェリ誘電性液晶組成物。
  9. 【請求項9】 該一般式(2) において、AおよびBが共
    に -COO-である請求項1記載のフェリ誘電性液晶組成
    物。
  10. 【請求項10】 該一般式(2) において、Y1、Y2および
    Z1が水素原子、Z2がフッ素原子である請求項1記載のフ
    ェリ誘電性液晶組成物。
  11. 【請求項11】 該一般式(2) で示される化合物の添加
    量が組成物の 1〜50モル%である請求項1記載のフェリ
    誘電性液晶組成物。
  12. 【請求項12】 該フェリ誘電相の高温側の転移温度が
    40℃以上で、低温側の転移温度が 0℃以下であり、該フ
    ェリ誘電相よりも高温側にスメクチックA相を有する請
    求項1記載のフェリ誘電性液晶組成物。
  13. 【請求項13】 各画素ごとに薄膜トランジスタ或いは
    ダイオードなどの非線型能動素子を設置した基板間に請
    求項1記載のフェリ誘電性液晶組成物を挟持することを
    特徴とするアクテイブマトリクス液晶表示素子。
  14. 【請求項14】 電圧によって、2つのフェリ誘電状
    態、2 つの強誘電状態およびそれらの中間状態の間でス
    イッチングすることを特徴とする請求項13記載のアク
    テイブマトリクス液晶表示素子。
JP10068358A 1998-03-18 1998-03-18 フェリ誘電性液晶組成物 Pending JPH11263975A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10068358A JPH11263975A (ja) 1998-03-18 1998-03-18 フェリ誘電性液晶組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10068358A JPH11263975A (ja) 1998-03-18 1998-03-18 フェリ誘電性液晶組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11263975A true JPH11263975A (ja) 1999-09-28

Family

ID=13371512

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10068358A Pending JPH11263975A (ja) 1998-03-18 1998-03-18 フェリ誘電性液晶組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11263975A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0737733B1 (en) Liquid crystal compound having ferrielectric phase and liquid crystal composition
EP0829468B1 (en) Swallow-tailed compound and ferrielectric liquid crystal composition containing the same
EP0893429B1 (en) Ferrielectric liquid crystal compound
EP0853076A1 (en) Liquid crystal compound
EP0807675B1 (en) Optically active compound, liquid crystal compositions containing the optically active compound, and liquid crystal display device
JPH08337555A (ja) フェリ誘電相を有する液晶化合物
JPH11263975A (ja) フェリ誘電性液晶組成物
EP0937765B1 (en) Ferrielectric liquid crystal compound
JPH1150054A (ja) フェリ誘電性液晶組成物
JPH1025477A (ja) フェリ誘電性液晶組成物
US6258296B1 (en) Fluorine-substituted compounds and ferrielectric liquid-crystal composition containing the same
JPH10120629A (ja) フェニルエステル化合物及びそれを含むフェリ誘電性液晶組成物
KR20000062844A (ko) 액정 조성물
JPH0959640A (ja) フェリ誘電性液晶組成物及び液晶表示素子
EP0994098B1 (en) Ferrielectric liquid crystal compound
JPH09208956A (ja) フェリ誘電性液晶
JPH0959636A (ja) 液晶組成物
JPH10330321A (ja) ラセミ化合物及びそれを含むフェリ誘電性液晶組成物
JP2000034484A (ja) フェリ誘電性液晶組成物
JPH0940960A (ja) フェリ誘電性液晶組成物
JP2726111B2 (ja) 強誘電性液晶素子
JPH10245364A (ja) フェニルエステル化合物及びそれを含むフェリ誘電性液晶組成物
JP2000264862A (ja) フェニルエステル化合物およびそれを含むフェリ誘電性液晶組成物
JP2000016970A (ja) スワローテイル型化合物及びそれを含むフェリ誘電性液晶組成物
JPH11310551A (ja) フェリ誘電性液晶化合物