JPH0828365A - 排気ガス再循環制御装置 - Google Patents

排気ガス再循環制御装置

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JPH0828365A
JPH0828365A JP6163856A JP16385694A JPH0828365A JP H0828365 A JPH0828365 A JP H0828365A JP 6163856 A JP6163856 A JP 6163856A JP 16385694 A JP16385694 A JP 16385694A JP H0828365 A JPH0828365 A JP H0828365A
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JP
Japan
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exhaust gas
gas recirculation
engine
misfire
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JP6163856A
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English (en)
Inventor
Tokiji Itou
登喜司 伊藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機関軽負荷運転時の排気ガス再循環により失
火が生じることを防止可能な排気ガス再循環制御装置を
提供する。 【構成】 内燃機関1の吸気通路2と排気通路11とを
接続する排気還流通路30を設け、通路30に配置した
排気還流制御弁31の作動を制御回路10により制御す
る。制御回路は、機関軽負荷時の排気ガス再循環中にお
ける機関失火頻度を検出し、機関失火頻度に応じて軽負
荷時に排気ガス再循環を開始するスロットル開度を変更
して失火頻度を低減するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の排気ガス再
循環制御装置に関し、詳細には機関軽負荷運転時におけ
る排気ガス再循環中の失火を防止して安定した機関の運
転を可能とする排気ガス再循環制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の軽中負荷運転時に排気ガスの
一部を機関吸気系に還流する排気ガス再循環装置が知ら
れている。排気ガス再循環装置を備えた機関では、吸気
系に酸素濃度の低い排気ガスを還流させることにより、
機関燃焼温度が低下して排気中のNOX (窒素酸化物)
の量が低減される。しかし、排気ガス再循環により、機
関には燃焼に寄与しない不活性ガス(排気ガス)が吸入
されるため、機関の燃焼が悪化して機関低温時や低回転
時における機関運転の不安定化及び高負荷運転における
機関出力不足等の問題が生じる。
【0003】上記問題を解決するため、例えば特開昭6
2−93480号公報には、機関高負荷運転時、機関高
回転または低回転時、及び機関温度が所定値以下等の運
転条件では排気ガス再循環を禁止する排気ガス再循環制
御装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開昭
62−93480号公報の制御装置のように機関負荷や
回転数、機関温度などで一律に排気ガス再循環の実施可
否を判定していると、特に機関軽負荷運転時には問題を
生じる場合がある。機関軽負荷運転時は、排気ガス再循
環を実施しない場合でも機関燃焼状態は不安定になる傾
向があり、排気ガス再循環実施時には還流する排気の量
が僅かに増加しただけでも簡単に失火が生じる。すなわ
ち、機関軽負荷運転時には還流する排気の量に対する燃
焼状態変動の感度が大きくなっている。
【0005】また、還流される排気ガスの量は、排気系
と吸気系とを接続する排気還流通路(EGR通路)に設
けた排気還流制御弁(EGR弁)により制御するが、E
GR弁の開度が同一であっても還流される排気ガスの量
(EGR量)は一定ではない。たとえば、大気圧が変化
すると排気系の背圧が変化するため、EGR弁開度が同
一であってもEGR量は上記背圧に応じて変動する。ま
た、EGR弁は、製品毎のばらつきや使用による経年変
化により、開度−流量特性が異なってくる場合がある。
【0006】このため、上記のように機関負荷や回転数
等の条件で一律にEGR弁の作動を制御していると、E
GR量の変動が生じ、特に燃焼状態がEGR量の変動に
敏感になっている軽負荷運転時にはEGR量過大による
機関失火が生じやすくなり、失火による機関出力変動や
排気性状の悪化などが生じる問題がある。本発明は上記
問題に鑑み、機関軽負荷時の排気ガス再循環による機関
失火を防止し、機関出力変動による運転性の悪化や排気
性状の悪化が生じることを効果的に防止できる内燃機関
の排気ガス再循環制御装置を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、機関軽負荷運転時に機関負荷が設定値以上であ
るときに作動して、内燃機関の排気の一部を機関吸気系
に再循環させる排気還流手段と、機関軽負荷運転時の前
記排気還流手段による排気再循環時における機関の失火
の頻度を検出する失火頻度検出手段と、前記失火頻度検
出手段により検出された失火頻度に基づいて、該失火頻
度を低減するように、機関軽負荷運転時に前記排気還流
手段の作動を制御する制御手段とを備えた排気ガス再循
環制御装置が提供される。
【0008】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1の排気ガス再循環制御装置において、前記制御手段
は、前記失火頻度検出手段により検出された失火頻度に
基づいて、機関負荷の前記設定値を変更することによ
り、失火頻度を低減するように前記排気還流手段の作動
を制御する。更に、請求項3に記載の発明によれば、請
求項1記載の排気ガス再循環制御装置において、前記制
御手段は、機関軽負荷運転時に前記失火頻度に基づいて
前記排気還流手段の作動を制御し、前記失火頻度を低減
するように前記排気還流手段により再循環される排気の
流量を変更する。
【0009】
【作用】請求項1の発明では、排気還流手段は機関軽負
荷運転時に機関負荷が設定値以上であるときに排気ガス
再循環を実施する。また、失火頻度検出手段は機関軽負
荷運転時の排気ガス再循環中に機関に生じる失火の頻度
を検出する。さらに、制御手段は上記により検出された
失火頻度に基づいて、前記排気還流手段の作動を制御し
て失火頻度を低減する。
【0010】また、請求項2に記載の発明では、上記制
御手段は失火頻度に基づいて前記機関負荷の設定値を変
更することにより、前記排気還流手段の作動を制御す
る。すなわち、制御手段は軽負荷時の排気ガス再循環中
の失火頻度が高い場合には前記設定値を増大させて、軽
負荷側で排気ガス再循環を行わない領域を増大させるこ
とにより失火頻度を低減する。
【0011】また、請求項3に記載の発明では、請求項
1の制御手段は失火頻度に基づいて排気還流手段の作動
を制御することにより排気再循環の量を変更する。すな
わち、軽負荷側における失火頻度が高い場合には、前述
の機関負荷の設定値は変更せずに、排気還流手段により
還流される排気の量を低減することにより失火頻度を低
減する。
【0012】
【実施例】以下、添付図面を用いて本発明の実施例を説
明する。図1は、本発明を適用する車両用内燃機関の全
体概略構成を示す図である。図1において、1は内燃機
関本体、2は吸気通路、11は排気通路を、また、3は
吸気通路に設けられたエアフローメータを示している。
エアフローメータ3は吸入空気量を直接計測するもので
あって、たとえばポテンショメータを内蔵した可動ベー
ン式エアフローメータ等が使用され、吸入空気量に比例
したアナログ電圧の出力信号を発生する。この出力信号
は制御回路10のマルチプレクサ内蔵A/D変換器10
1に入力される。
【0013】ディストリビュータ4には、その軸がたと
えばクランク角に換算して720°毎に基準位置検出用
パルス信号を発生するクランク角センサ5、およびクラ
ンク角に換算して30°毎にクランク角検出用パルス信
号を発生するクランク角センサ6がそれぞれ設けられて
いる。これらクランク角センサ5、6のパルス信号は制
御回路10の入出力インターフェイス102に供給さ
れ、このうちクランク角センサ6の出力はCPU103
の割込み端子に供給される。なお、本実施例ではクラン
ク角センサ5、6はディストリビュータ4に配置してい
るが、クランク軸に直接回転角パルス発生用の歯車を取
付け、マグネティックピックアップ等の近接センサを用
いてクランク回転角パルス信号を発生させて基準位置と
クランク軸回転角とを検出するようにしてもよい。
【0014】さらに、吸気通路2には各気筒毎に燃料供
給系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴
射弁7が設けられている。また、吸気通路2には、運転
者のアクセルペダル21の操作量に応じた開度をとるス
ロットル弁16が設けられており、さらに、スロットル
弁16には、スロットル弁16の開度に応じた電圧信号
を発生するスロットル開度センサ17が設けられてい
る。このスロットル開度センサの出力はA/D変換器1
01に入力される。
【0015】図1において、30で示したのは排気通路
11と吸気通路2とを接続する排気還流通路(EGR通
路)である。EGR通路30には、この通路を通って排
気通路11から吸気通路に還流する排気ガスの量を制御
する排気還流制御弁(EGR制御弁)31が設けられて
いる。また、32で示すのはEGR制御弁31の作動を
制御する、負圧アクチュエータである。アクチュエータ
32は、制御回路10からの制御信号に応じてEGR制
御弁31を開閉し、排気ガス再循環の実施を制御してい
る。
【0016】機関本体1のシリンダブロックのウォータ
ジャケット8には、冷却水の温度を検出するための水温
センサ9が設けられている。水温センサ9は冷却水の温
度に応じたアナログ電圧の電気信号を発生する。この出
力もA/D変換器101に供給されている。制御回路1
0は、たとえばマイクロコンピュータとして構成され、
A/D変換器101、入出力インターフェイス102、
CPU103の他に、ROM104、RAM105、バ
ックアップRAM106、クロック発生回路107等が
設けられている。
【0017】制御回路10は、機関1の燃料噴射制御、
点火時期制御等の基本制御を行う他、本実施例では、機
関回転数の変動を検出して機関の失火の頻度を検出する
失火頻度検出操作や、EGR弁31の作動を制御して機
関への排気ガス還流を制御する排気ガス再循環制御を行
っている。また、制御回路10の入出力インターフェイ
ス102は、点火回路112に接続されており、機関1
の点火時期を制御している。すなわち、制御回路10は
入力したクランク角センサ5の基準クランク角パルス信
号とクランク角センサ6のクランク角パルス信号とか
ら、各気筒の基準角度位置(例えば、各気筒の圧縮上死
点よりクランク角で60°前の角度)を検出し、各気筒
がこの基準位置に達してから、別途実行される図示しな
いルーチンにより算出される所定の回転角度だけクラン
ク軸が回転したときに点火回路112に点火信号を出力
し、各気筒の点火プラグ(図示せず)にスパークを発生
させる。
【0018】エアフローメータ3の吸入空気量データ、
およびスロットル開度センサ17からのスロットル開度
データおよび水温センサ9からの冷却水温データは、所
定時間もしくは所定クランク角毎に実行されるA/D変
換ルーチンによって取込まれてRAM105の所定領域
に格納される。つまり、RAM105における吸入空気
量データ、スロットル開度データ、冷却水温データは所
定時間毎に更新されている。また、回転速度データはク
ランク角センサ6のパルス信号とクロック107のクロ
ック信号とに基づいて、クランク角センサ6の30°C
A(クランク角)毎の割込みによって演算され、RAM
105の所定領域に格納される。
【0019】次に、本実施例の排気ガス再循環制御につ
いて説明する。本実施例では制御回路10は、以下の条
件が成立したときにアクチュエータ32によりEGR制
御弁31を開弁駆動して、排気ガス再循環を行う。 機関冷却水温度が所定値(例えば65℃)以上である
こと。 機関負荷が高負荷側の所定値以下であること。
【0020】機関負荷が軽負荷側の所定値以上である
こと。 ここで、上記条件は、機関の暖機が完了する前に排気
ガス再循環を実施すると燃焼状態の悪化により暖機が遅
くなる可能性があるため、排気ガス再循環を機関暖機が
完了したと判断されたときにのみ行うようにしたもので
ある。また、上記条件は、排気ガス再循環を実施する
と機関出力が低下するため、本来出力を必要とする機関
高負荷運転中には排気ガス再循環を禁止して、機関出力
を確保するためである。なお機関負荷を表すパラメータ
としては、例えば機関1回転当たりの吸入空気量(グラ
ム/回転)が用いられ、この吸入空気量の値が高負荷側
の所定値(例えば1.0グラム/回転)より大きい場合
には排気ガス再循環を実施しない。
【0021】また、上記条件は軽負荷時の燃焼状態悪
化による失火発生を防止するためである。ところが、軽
負荷運転時には機関燃焼状態は排気ガス再循環量に対し
て敏感に変化するため、前述のように軽負荷側のEGR
実施判定条件(上記)を一律に固定すると、排気ガス
再循環量の僅かな変動によっても失火が生じてしまう問
題がある。
【0022】そこで、本実施例では軽負荷側での機関負
荷による排気ガス再循環実施可否の判定(上記)に用
いるパラメータとして、上記機関吸入空気量に加えてス
ロットル開度を用い、以下の2つの条件を設定してい
る。 −1:機関1回転当たりの吸入空気量が所定値(例え
ば0.3グラム/回転)以上であること。
【0023】−2:スロットル開度THが判定値TH
A以上であること。 ここで、判定値THAは、後述するように機関失火頻度
に基づいて設定される可変値であり、失火頻度が高い場
合には大きな値に設定される。すなわち、本実施例では
失火頻度が低い場合にはTHAは小さな値となり、排気
ガス再循環は上記−1の機関吸入空気量から定まる負
荷条件のみで判定されるが、失火頻度が高くなるとTH
Aは大きな値に設定され、上記−1の条件が成立した
場合でも、上記−2の条件が成立しない限り排気ガス
再循環は実施されない。すなわち機関軽負荷側での排気
ガス再循環を実施するための負荷条件が高負荷側に設定
されるようになる。
【0024】これにより、軽負荷運転時のあるスロット
ル開度で失火頻度が増大したときには、排気ガス再循環
実施のためのスロットル開度判定条件が増大され、吸入
空気量の判定条件を満たしていてもそのスロットル開度
では排気ガス再循環が禁止されるようになるため、失火
が防止される。従って、排気ガス再循環は失火が生じな
い領域でのみ実施されるようになり、大気圧変化やEG
R制御弁31の流量特性のずれなどによりEGR量が増
加しても、機関軽負荷時に失火が生じることが防止され
る。
【0025】以下、図2から図6のフローチャートを用
いて、本実施例の軽負荷側における排気ガス再循環制御
について詳細に説明する。図2は排気ガス再循環制御の
基本動作を示すフローチャートである。本ルーチンは、
図1の制御回路10により一定時間毎に実行される。図
2においてルーチンがスタートすると、ステップ201
では、機関回転数N、吸入空気量Q、冷却水温度THW
およびスロットル開度THのRAM105に格納された
最新のデータが読み込まれる。
【0026】また、ステップ203から209では、前
述の排気ガス再循環実施条件が判定される。すなわち、
ステップ203では冷却水温度条件(前述の条件)が
成立しているか否か、ステップ205では高負荷側の負
荷条件(同条件)が成立しているか否かがそれぞれ判
定される。次に、上記条件が両方とも成立している場合
(暖機が完了しており、かつ機関が高負荷運転中でない
場合)には、ステップ207とステップ209で低負荷
側の条件が成立しているか否かが判定される。ここで、
ステップ207は上記条件−1に、ステップ209は
上記条件−2に相当する。
【0027】上記ステップ201から209の条件のい
ずれかが不成立である場合には、ステップ211に進み
EGR制御弁31のアクチュエータ32にEGRオフ信
号が出力される。これにより、アクチュエータ32はE
GR制御弁31を全閉位置に駆動する。また、ステップ
201から209の全部が成立した場合には、ステップ
213でEGR制御弁31のアクチュエータ32にEG
Rオン信号が出力され、EGR制御弁31は開弁され
る。なお、本実施例ではアクチュエータ32として負圧
アクチュエータが用いられており、アクチュエータの駆
動負圧としてスロットル弁16下流側の吸気通路負圧が
用いられる。従ってEGRオン時、アクチュエータ32
は吸気負圧に応じた量だけ作動し、EGR制御弁31開
度は吸気負圧に応じた量に設定される。
【0028】前述のように、ステップ209におけるス
ロットル開度の判定値THAは、機関軽負荷運転時にお
ける排気ガス再循環中の機関の失火頻度に基づいて決定
され、失火頻度が高ければTHAは大きな値に設定さ
れ、排気ガス再循環が実施される機関負荷(スロットル
開度)の下限値は高負荷側に移行する。また、失火頻度
が低ければ、THAは小さな値に設定され、排気ガス再
循環が実施される機関負荷の下限値は軽負荷側に移行す
る。
【0029】次に、上記失火頻度に基づくスロットル開
度判定値THAの設定について説明する。本実施例で
は、制御回路10は機関の失火頻度を検出し、失火頻度
が高い場合には、現状のスロットル開度判定値THAを
検出された失火頻度に応じた量だけ増大し、逆に失火頻
度が低い場合にはスロットル開度判定値THAを一定量
だけ低減する。これにより、スロットル開度判定値TH
Aは、常に失火頻度が生じない範囲で最も小さい値に設
定されることになり、軽負荷運転時の失火を防止しなが
ら排気ガス再循環実施領域の減少を最小限に抑制するこ
とができる。なお、ここでいう失火頻度とは、機関の一
定点火回数当たり(例えば点火回数200回当たり)に
生じた失火の回数を言う。
【0030】また、本実施例では、機関失火の有無は機
関回転速度の変動に基づいて検出する。すなわち、制御
回路10は別途実行される図示しない失火判定ルーチン
により、クランク角センサ6からクランク回転角30°
毎に入力するパルス信号の時間間隔を求め、あるパルス
信号の時間間隔が他のパルス信号の時間間隔に較べて一
定の比率以上大きい値になったときに失火が生じたと判
定する。気筒で失火が生じると、その気筒では爆発行程
時にトルクが発生しなくなるため失火気筒の爆発行程に
相当するクランク回転角の範囲では、他の気筒に較べて
クランク軸回転速度が低下する。本実施例では、制御回
路10は、上記により各気筒の爆発行程におけるクラン
ク軸回転速度の低下を検出することにより、失火が発生
したと判定している。
【0031】なお、本発明に使用可能な失火検出方法は
上記の回転数変動によるものに限定されるわけではな
く、他の方法も使用することができる。例えば、燃焼室
内の燃焼圧力を検出する燃焼圧センサを備えた機関で
は、各気筒の爆発行程時の燃焼圧を監視し、この燃焼圧
が所定値以下であるときに失火が生じたと判定するよう
にしてもよい。
【0032】図3、図4は、スロットル開度判定値TH
Aの設定動作を示すフローチャートである。本ルーチン
は制御回路10により、一定時間毎(例えば65ms
毎)に実行される。図3においてルーチンがスタートす
ると、ステップ301では別途図示しないルーチンによ
り実行される失火検出動作において、排気ガス再循環に
起因する失火が正確に検出されているか否かが判定され
る。例えば、検出した失火回数が異常に多い場合には、
失火が点火系統の異常等排気ガス再循環以外の原因で生
じていると考えられるため、検出した失火頻度に基づく
スロットル開度判定値THAの変更制御をおこなわない
こととし、ステップ313に進み、判定値THAを初期
値(本実施例では3°)に設定して直接図4ステップ3
39に進む。
【0033】また、ステップ301で失火検出動作が正
常に実行されていると判定された場合にはステップ30
3に進み、機関冷却水温度THWが所定値(本実施例で
は35℃)より低いか否かが判定される。THWが上記
所定値以下の場合には、機関温度が低く排気ガス再循環
にかかわりなく失火頻度が増大する場合があるため、同
様に失火頻度によるスロットル開度判定値THAの変更
制御を行わないこととして、ステップ313でTHAを
初期値に設定して直接図4ステップ339に進む。
【0034】冷却水温度THWが上記所定値以上である
場合には、ルーチンはステップ305に進み、カウンタ
CIGの値が所定値(本実施例では200)に到達した
か否かが判定され、CIG<200の場合にはそのまま
図4ステップ343で本ルーチンを終了する。ここで、
カウンタCIGは後述するように軽負荷運転時(本実施
例ではスロットル開度THが、6°≦TH<9°の範囲
にある時)の機関点火回数を表すカウンタである。カウ
ンタCIGは、後述の図5、図6のルーチンで各気筒の
上死点時にスロットル開度THが、6°≦TH<9°の
範囲にあればカウントアップされ、本ルーチンのステッ
プ339でクリアされる。
【0035】ステップ305で、CIGの値が200に
到達していた場合には、ステップ307で、カウンタC
DRの値が所定値(本実施例ではCDR=20)より小
さいか否かが判定される。ここで、CDRは排気ガス再
循環を実施していない時の失火回数を表すカウンタであ
り、図5、図6のルーチンでカウントアップされる。C
DRの値が大きいことは、すなわち排気ガス再循環以外
の原因で失火が生じていることを意味する。例えば、本
実施例では機関回転数の変動に基づいて失火を検出して
いるが、悪路走行中などのように路面の凹凸に応じて走
行抵抗が大きく変動する場合には、実際には失火が生じ
ていなくても路面状況に応じた機関回転数変動が生じる
ため失火が生じたと誤判定される場合がある。
【0036】ステップ307でCDR≧20の場合には
ステップ309に進み、更にCDRがステップ307の
所定値より大きい別の所定値(本実施例ではCDR=2
4)以上か否かが判定され、CDR≧24の場合には排
気ガス再循環を実施していないにもかかわらず失火回数
が極めて多いことから、現在悪路を走行中であるため実
際には失火が生じていないにもかかわらずCDRがカウ
ントアップされていると判断して、ステップ311でカ
ウンタCTAの値を20にセットしてからステップ31
3に進み、スロットル開度判定値THAを初期値に初期
値に設定する。
【0037】ここで、カウンタCTAは後述のTHA変
更操作の禁止カウンタであり、ステップ341でデクリ
メントされる。カウンタCTAが CTA>0の値をと
っている場合にはステップ325から329のTHA変
更操作は禁止される。すなわち、悪路走行中には失火検
出の信頼性が低下しているためスロットル開度判定値T
HAを初期値にセットするとともに、悪路走行の影響が
続くと考えられる期間(すなわち、禁止カウンタCTA
が20から0までデクリメントされる期間)は判定値T
HAの変更操作を禁止する。
【0038】また、ステップ309で、20≦CDR<
24であった場合には、上記程ではないが失火回数が多
く現在悪路走行中である可能性が極めて高いので、CT
Aの値は変更しないままステップ313でTHAを初期
値にセットする。一方、ステップ307でCDR<20
であった場合には、ステップ315に進み、更にCDR
がステップ307の所定値より小さい別の所定値(本実
施例ではCDR=14)以上か否かを判定し、CDR≧
14の場合には図4ステップ323に進み現在のスロッ
トル開度判定値を一定値(本実施例では3°)だけ減少
させてステップ339以下を実行する。これは、CDR
が20以上の場合程ではないが、失火回数が多くなって
おり現在悪路走行中である可能性が無視できないため、
一挙に判定値THAを初期値に戻す代わりに、3°だけ
減少させるようにしたものである。
【0039】次に、ステップ315でCDR<14であ
れば、現在悪路走行中ではないと考えられるため、ステ
ップ317以下で禁止カウンタCTAがゼロ以下の値に
なっている場合(すなわち、悪路走行中のTHA変更禁
止期間が終了している場合)には、ステップ321以下
の排気ガス再循環中の失火頻度に基づくTHAの設定変
更操作を行う。
【0040】すなわち、ステップ317でCTA>0の
場合(禁止期間中)には直接図4ステップ339に進み
THAの変更操作は行わず、CTA≦0の場合にのみ図
4ステップ319に進む。ステップ319では、カウン
タCDEの値が所定値(本実施例ではCDE=6)以上
か否かが判定される。カウンタCDEは失火頻度を表す
カウンタであり、後述の図5、図6のルーチンで、軽負
荷運転中(6°≦TH<9°)の累積点火回数が200
回に到達する間に生じる排気ガス再循環実施中の失火回
数をカウントした値である。
【0041】ステップ319でCDE≧6(点火回数2
00回当たりの失火回数が6回以上)の場合には、悪路
走行中ではなく、しかも排気ガス再循環中にかなりの頻
度で失火が生じており、排気ガス再循環量が比較的大幅
に増大しているために失火頻度がかなり大きくなってい
ると考えられることから、ステップ329に進みスロッ
トル開度判定値THAを比較的大きな一定量(本実施例
では3°)だけ増大させて軽負荷側での排気ガス再循環
実行領域を比較的大幅に減少させる。これにより、軽負
荷時にはスロットル開度が大きくなるまで排気ガス再循
環が実施されないようになり、排気ガス再循環量の過多
による失火が防止される。
【0042】また、ステップ319でCDE<6の場合
には、次にステップ321で失火頻度カウンタCDEの
値が3以上か否かが判定される。ステップ321でCD
E≧3の場合には、上記程ではないが排気ガス再循環量
が増大していると考えられるため、ステップ327で判
定値THAをステップ329より小さい一定量(本実施
例では2°)だけ増大する。また、ステップ321で失
火頻度カウンタCDEが3より小さい場合には失火頻度
は十分に小さく、もっと排気ガス再循環実施領域を軽負
荷側に拡大しても失火頻度増大が生じないと考えられる
ので、ステップ325に進みスロットル開度判定値TH
Aを比較的小さな一定値(本実施例では0.25°程
度)減少させる。これにより、失火頻度が増大しない範
囲で排気ガス再循環実施領域が拡大され、排気ガス再循
環実施領域が必要異常に狭くなることが防止される。
【0043】また、ステップ323から329のいずれ
かを実行した後は、ステップ331から337で、スロ
ットル開度判定値THAの値を上限値(本実施例では9
°)と下限値(本実施例では3°)によりガードする。
これにより、判定値THAは常に所定の範囲内に保持さ
れステップ323から329の操作により判定値が過大
または過小になることが防止される。
【0044】さらに、ステップ339では、上記したカ
ウンタCIG、CDE及びCDRがクリアされるととも
に、ステップ341では判定値THAの変更操作禁止カ
ウンタCTAが1だけデクリメントされ、ステップ34
3で本ルーチンは終了する。上記ルーチンの実行によ
り、軽負荷運転時(6°≦TH<9°)で排気ガス再循
環実施中に失火頻度が高い場合には、スロットル開度判
定値THAが一定量づつ増大され続けるため、軽負荷運
転時に失火頻度の高いスロットル開度領域では排気ガス
再循環が禁止されるようになり、失火が生じることが防
止される。また、失火頻度が少ない場合には、スロット
ル開度判定値THAは一定量づつ減少されるため、排気
ガス再循環を実施する領域は失火が生じない範囲で最大
限に広く維持される。
【0045】次に、図3、図4のルーチンで使用するカ
ウンタCIG、CDE及びCDRのインクリメントにつ
いて説明する。図5、図6は、上記カウンタのインクリ
メント動作を示すフローチャートである。本ルーチンは
制御回路10により、一定クランク回転角毎(例えば、
各気筒が上死点に到達する毎)に実行される。図5にお
いてルーチンがスタートすると、ステップ501では、
失火判定のための条件が成立しているか否かが判定され
る。ここで失火判定条件は、例えば機関冷却水温度が一
定値(例えば−10℃)以上であること、機関の始動が
完了していること、フュエルカット終了後所定時間が経
過していること等であり、これらの条件のいずれかが不
成立であった場合には、失火判定の信頼度が極めて低く
なるため失火判定ルーチンは実行されないので、図6ス
テップ529に進み、そのままルーチンを終了する。
【0046】ステップ501で失火判定実行条件が成立
していた場合には、ステップ503で排気ガス再循環の
切換後、すなわち排気ガス再循環の実施開始後または、
排気ガス再循環停止後所定時間(本実施例では600m
s)以上が経過しているか否かが判定され、上記所定時
間が経過していない場合には、ステップ529に進み、
本ルーチンは終了する。排気ガス再循環の切換後所定時
間以内はカウンタのインクリメントを禁止するのは、切
換後も上記所定時間内は切換前の状態の影響が残ってい
ると考えられるため、この時間内にカウンタのインクリ
メント操作を行うとカウンタの値の信頼度が低下するた
めである。
【0047】次に、ステップ505では、機関1回転当
たりの吸入空気量Q/Nが中負荷に相当する所定値(本
実施例では0.8グラム/回転)より小さいか否かが判
定され、Q/N≧0.8の場合には図6ステップ509
に進み、別途実行される失火判定ルーチンで失火が検出
されているか否かを判定し、失火が検出されている場合
にはステップ511で悪路走行判定用の失火カウンタC
DRを1だけインクリメントさせステップ529でルー
チンを終了する。また、失火が検出されていない場合に
は、直接ステップ529に進みルーチンを終了する。
【0048】また、ステップ503でQ/N<0.8の
場合には、ステップ507で図2の排気ガス再循環実施
条件のうち、スロットル開度条件(TH≧THA)以外
の条件(ステップ203、205)が成立しているか否
かを判定し、これらの条件のいずれかが成立していない
場合には、図6ステップ509以下を実行する。更に、
ステップ507で条件が成立していた場合には、ステッ
プ508でスロットル開度THが中負荷に相当する開度
(本実施例では14°)より小さいか否かが判定され、
TH≧14の場合には同様に、図6ステップ509以下
を実行する。すなわち、本実施例では、中負荷運転時以
上(ステップ507、508)またはステップ203、
205の排気ガス再循環実施条件が成立していない場合
の失火回数データは悪路走行判定用のみに使用される。
【0049】一方、上記ステップ501から508の条
件が全て成立していた場合には、ステップ513に進
み、スロットル開度THが軽負荷に相当する開度領域
(本実施例では、6°≦TH<9°)にあるか否かを判
定する。スロットル開度THがこの領域外の場合には、
図6ステップ515で現在排気ガス再循環が実施されて
いるか否かを判定し、実施中であればステップ509以
下を実行し、場合に応じてカウンタCDRをインクリメ
ントする。すなわち、スロットル開度THがステップ5
13の範囲外であり、かつ14°より小さい場合(ステ
ップ508)の失火回数データは、排気ガス再循環実施
中のみ悪路走行判定用として使用する。
【0050】また、ステップ513でスロットル開度T
Hが軽負荷に相当する領域にある場合には、ステップ5
17で現在排気ガス再循環を実施中か否かを判定し、実
施中でない場合にはステップ519、521で現在失火
が検出されている場合のみカウンタCDRをインクリメ
ントする。すなわち、軽負荷運転領域であっても、排気
ガス再循環が実施されていない場合の失火回数データも
悪路走行判定用のみに使用される。
【0051】上記をまとめると、悪路走行判定用失火カ
ウンタCDRは、排気ガス再循環が実施されていない場
合には、機関負荷条件にかかわらず失火が生じるとイン
クリメントされ、排気ガス再循環実施中はQ/N≧0.
8またはTH≧14°の負荷条件のいずれかが成立した
ときにインクリメントされる。また、ステップ517で
排気ガス再循環が実施中の場合には、ステップ523で
現在失火が検出されているか否かが判定され、失火が検
出されている場合にはステップ525でカウンタCDE
がインクリメントされる。すなわち、カウンタCDE
は、スロットル開度THが軽負荷に相当する領域(本実
施例では、6°≦TH<9°)にあり、その領域で排気
ガス再循環が実施されている状態で失火が生じた場合に
のみインクリメントされる。
【0052】また、上記ステップ終了後ステップ527
では点火回数カウンタCIGがインクリメントされる。
すなわち、CIGはスロットル開度が軽負荷に相当する
領域にある場合のみの点火回数を表すことになる。な
お、図4ステップ339で説明したように、上記カウン
タCIG、CDE及びCDRは、点火回数カウンタCI
Gの値が200に到達する毎にクリアされ、再度ゼロか
らカウントアップされる。
【0053】なお、本実施例のように失火頻度に応じて
排気ガス再循環実施領域のスロットル開度判定値を変更
するようにすると、判定値が大きく設定されたような場
合には、例えば軽負荷運転からの緩加速時等のように徐
々にアクセルペダルを踏み込んだ場合にはスロットル開
度が判定値に到達するまでは排気ガス再循環が開始され
ず、スロットル開度が比較的大きくなったときに急に排
気ガス再循環が開始されることになる。このような場合
には、機関出力トルクがある程度大きくなった状態で排
気ガス再循環が実行されて機関出力トルクが急に低下す
るため運転者に与える不快感が大きくなる恐れがある。
そこで、本実施例では、図2ステップ209でスロット
ル開度条件により排気ガス再循環が禁止されている場
合、すなわちスロットル開度THが判定値THAより小
さい場合(TH<THA)には、点火時期をスロットル
開度が増大するほど遅角させ、スロットル開度THが判
定値に到達して排気ガス再循環が開始されると同時に点
火時期を通常値まで進角させることにより上記問題を解
決している。
【0054】図7、図8は点火時期の遅角操作を説明す
る図であり、図7は上記遅角操作を行わない場合、図8
は上記遅角操作を行った場合をそれぞれ示している。図
7、図8の横軸はスロットル開度、縦軸は機関出力トル
ク(図7、図8のカーブ(A) )、排気ガス再循環量(同
(B) )、点火時期遅角量(同(C) )をそれぞれ示してい
る。
【0055】先ず、図7を参照すると、スロットル開度
判定条件が比較的大きく設定されると、スロットル開度
が判定値THAに到達する時点では、機関出力トルク
(図7(A) )は比較的大きくなっているため点火時期の
遅角を行わない状態(図7(C))では、排気ガス再循環
開始(図7(B) )とともに機関出力トルクが大きく低下
してトルク変動が大きくなる。
【0056】これに対して図8では、スロットル開度T
Hが判定値THAより小さい領域ではスロットル開度の
増大に比例した量だけ点火時期が遅角される(図8(C)
)。このため、排気ガス再循環が開始される前の領域
(図8(A) 区間A)では、点火時期遅角を行わない場合
(図8(A) 点線)に較べて機関出力トルクの増大が少な
くなる。この状態でスロットル開度THが判定値THA
に到達すると、排気ガス再循環の開始(図8(B) )とと
もに点火時期が通常の値まで進角されるため(図8(C)
)、排気ガス再循環による機関出力低下と点火時期進
角による出力増大とが相殺され機関出力トルクに大きな
変動が生じることが防止される。
【0057】このため、判定値TAの増大により比較的
大きなスロットル開度で排気ガス再循環が開始された場
合でも運転者に大きな不快感を与えることが防止され、
車両の運転性の悪化が生じない。なお、上記実施例では
機関負荷を表すパラメータとして機関1回転当たりの吸
入空気量Q/Nとスロットル開度THの2つを用いて、
スロットル開度の判定値THAを失火頻度に応じて変更
するようにしているが、機関負荷を表すパラメータとし
てQ/NとTHとのいずれか一方のみを用いるようにし
てもよい。この場合、失火頻度に応じてQ/NまたはT
Hのうち使用するパラメータの軽負荷側の判定値を変更
し、軽負荷運転時における排気ガス再循環の実施領域を
変更するようにすればよい。
【0058】次に、本発明の上記とは別の実施例につい
て説明する。上記実施例は排気ガス再循環実施のスロッ
トル開度判定値を失火頻度に応じて変更することによ
り、軽負荷側で排気ガス再循環実施を禁止する領域の設
定を変えるようにしたものである。このため、上記実施
例では失火頻度が高い負荷領域では排気ガス再循環は全
く実施されないことになる。
【0059】しかし、実際には失火頻度が高い領域でも
排気ガス再循環量を低減することにより失火頻度を低下
させることができる。そこで、本実施例では機関失火頻
度に応じてEGR制御弁31の開度を制御して排気ガス
再循環量を変更することにより軽負荷運転時における失
火を防止している。なお、本実施例においては、図2の
EGR制御弁31のアクチュエータ32は駆動パルス電
圧のデューティ比を変えることによりEGR制御弁31
の開度を連続的に制御可能なデューティソレノイド、ま
たは、ステップモータなどが使用され、制御回路10の
制御信号に応じた開度にEGR制御弁31の開度を設定
可能となっている。
【0060】図9は、本実施例の排気ガス再循環制御の
基本動作を示すフローチャートであり、前述の実施例の
図2のフローチャートに対応するものである。なお、本
実施例においても、図3から図6のルーチンが別途実行
され、判定値THA(本実施例では後述するように補正
係数K算出用のパラメータとして使用する)が設定され
る。
【0061】図9においてルーチンがスタートすると、
ステップ901から907ではデータの読み込みと排気
ガス再循環領域の判定が行われる。ステップ901から
907は、図2ステップ201から207と同一であ
る。本実施例では、排気ガス再循環を実施する負荷条件
の判定は機関1回転当たりの吸入空気量Q/Nのみによ
って行われる。
【0062】ステップ903から907のいずれかの条
件が成立しない場合には、ステップ909で、EGR制
御弁31の設定開度θSET はゼロに設定され、本ルーチ
ンは終了する。なお、本ルーチンにおいてθSET がゼロ
に設定されると、別途制御回路10により実行される図
示しないルーチンにより、アクチュエータ32に制御信
号か出力され、EGR制御弁31は全閉される。
【0063】また、上記ステップ903から907の条
件が全部成立した場合には、ステップ911に進み、機
関1回転あたりの吸入空気量Q/Nと回転数NとからE
GR制御弁31の基本設定開度θE が決定される。本実
施例では、θE の値は各Q/NとNとの値について予め
設定されており、Q/NとNとを用いた2次元マップの
形で制御回路10のROM104に格納されている。ス
テップ911では、この2次元マップを用いてQ/Nと
Nとの値からθE が設定される。
【0064】次いで、ステップ913では、スロットル
開度THが図4、図5のルーチンで設定された判定値T
HA以下か否かが判定され、TH>THAの場合にはス
テップ915に進みステップ911で求めた基本設定開
度θE をそのままEGR制御弁31の設定開度θSET
して採用し、ルーチンを終了する。また、ステップ91
3でTH≦THAの場合には、ステップ917に進み、
上記THAの値に基づいて開度補正係数Kを、 K=(13.0−THA)/10.0 により算出し、ステップ919でEGR制御弁31の設
定開度をθSET を、 θSET =θE ・K により設定する。上式から判るように、ステップ917
で設定される設定開度θSET は、図4、図5で設定され
るTHAが下限値3°をとるときθE に等しくなり、上
限値9°をとるときθE の0.4倍になる。また、上限
値と下限値との間では、失火頻度が高くTHAが大きく
なるほどθSET は小さく設定されるため、排気ガス再循
環量は低減され、機関の失火が防止されることになる。
【0065】ステップ915または919実行により設
定開度θSET が決定されると、別途制御回路10により
実行される図示しないルーチンにより、アクチュエータ
32に制御信号が出力され、EGR制御弁31は設定さ
れたθSET の開度をとるように駆動される。上述の実施
例によれば、軽負荷運転時の排気ガス再循環実施中の失
火頻度に応じて軽負荷運転時の排気ガス再循環量を変更
することにより、EGR制御弁31の特性のずれ等によ
り軽負荷運転時の失火が生じることを有効に防止するこ
とができる。
【0066】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、軽負荷
運転時の排気ガス再循環実施中に生じた失火の頻度に応
じて失火頻度を低減するように排気還流手段の作動を制
御することにより、機関軽負荷運転時の排気ガス再循環
による失火を確実に防止することができ、機関出力変動
による運転性の悪化や排気性状の悪化を有効に防止可能
となる共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する車両用内燃機関の全体概略構
成を示す図である。
【図2】本発明の排気ガス再循環制御装置の一実施例の
基本動作を示すフローチャートである。
【図3】図2の実施例のスロットル開度判定値THAの
変更動作を示すフローチャートの一部である。
【図4】図2の実施例のスロットル開度判定値THAの
変更動作を示すフローチャートの一部である。
【図5】図4のフローチャートの各カウンタのインクリ
メント動作を示すフローチャートの一部である。
【図6】図4のフローチャートの各カウンタのインクリ
メント動作を示すフローチャートの一部である。
【図7】本実施例の点火時期の遅角操作を説明する図で
ある。
【図8】本実施例の点火時期の遅角操作を説明する図で
ある。
【図9】本発明の図2とは別の実施例の排気ガス再循環
制御装置の基本動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関本体 2…吸気通路 3…エアフローメータ 10…制御回路 11…排気通路 16…スロットル弁 17…スロットル開度センサ 30…排気還流通路(EGR通路) 31…排気還流制御弁(EGR制御弁) 32…アクチュエータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関軽負荷運転時に機関負荷が設定値以
    上であるときに作動して、内燃機関の排気の一部を機関
    吸気系に再循環させる排気還流手段と、 機関軽負荷運転時の前記排気還流手段による排気再循環
    時における機関の失火の頻度を検出する失火頻度検出手
    段と、 前記失火頻度検出手段により検出された失火頻度に基づ
    いて、該失火頻度を低減するように、機関軽負荷運転時
    に前記排気還流手段の作動を制御する制御手段とを備え
    た排気ガス再循環制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記失火頻度検出手段
    により検出された失火頻度に基づいて、機関負荷の前記
    設定値を変更することにより、失火頻度を低減するよう
    に前記排気還流手段の作動を制御する請求項1に記載の
    排気再循環制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、機関軽負荷運転時に前
    記失火頻度に基づいて前記排気還流手段の作動を制御
    し、前記失火頻度を低減するように前記排気還流手段に
    より再循環される排気の流量を変更する請求項1に記載
    の排気再循環制御装置。
JP6163856A 1994-07-15 1994-07-15 排気ガス再循環制御装置 Pending JPH0828365A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006299925A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Honda Motor Co Ltd ディーゼルエンジンの制御装置
JP2014139411A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Aisan Ind Co Ltd 過給機付きエンジンの制御装置

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JP2006299925A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Honda Motor Co Ltd ディーゼルエンジンの制御装置
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