JPH08283306A - 水溶性部分脱アセチル化キチン及びその製造法 - Google Patents

水溶性部分脱アセチル化キチン及びその製造法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キチン本来の生理活性が期待でき、かつ、食
品等に添加しても渋味等を与えることが少なく、水溶性
で食品、医薬品、化粧品等への添加が容易な水溶性部分
脱アセチル化キチン及びその製造法を提供する。 【構成】 キチンを、5℃以下で、アルカリ水溶液に分
散させ、アルカリ均一溶液とした後、5℃以下で、脱ア
セチル化率が20%以上、40%未満となるまで部分脱アセ
チル化して、脱アセチル化率が20%以上、40%未満であ
って、水溶性である部分脱アセチル化キチンを得る。ア
ルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム等のアルカリ剤の5〜50重量%水溶
液を用いるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱アセチル化率が20%
以上、40%未満であって、温水、冷水、氷水等に容易に
溶解し、均一で透明な水溶液となる水溶性部分脱アセチ
ル化キチン及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】キチンは、天然高分子多糖類であって、
通常、カニ、エビ等の甲殻類の外皮から、炭酸カルシウ
ム、蛋白質、その他の夾雑物等を除去して得られる。
【0003】近年、キチンには、ビフィズス菌発育促進
作用、免疫増強活性、傷口治癒促進効果等、種々の生理
活性があることが認められ、種々の食品、化粧品、医薬
材料等に使用され、その効果が期待されるようになって
きた。しかしながら、キチンは、水に不溶で、メタノー
ル、エタノール、ヘキサン等の一般の有機溶剤にも溶解
しないため、取扱いが難しく、キチンの脱アセチル化体
であって、水には不溶であるけれども、酸性水溶液には
溶解するキトサンに比べて、その利用の範囲が限定され
ていた。
【0004】キチンは、N−アセチル−D−グルコサミ
ンが、β−1,4結合でつながった直鎖状の高分子化合
物であり、その構成単位であるピラノース環上C−2位
のアセトアミド基とC−3位の水酸基の間に分子間水素
結合が形成されており、更にこの水素結合とC−6位の
水酸基が水分子を介して分子間水素結合をしている。キ
チンの水不溶性は、これらの水素結合に由来する強固な
結晶構造をもつためであると考えられている。
【0005】従来、キチンを水可溶性にする方法の一つ
として、キチンのC−3位やC−6位の水酸基に親水性
基を導入して、例えばカルボキシメチル化キチンや、ヒ
ドロキシルプロピル化キチン等の誘導体にする方法がと
られていた。これらは高い保湿性を有することから、化
粧品素材等に利用されている。
【0006】また、特公昭59-19122号公報には、キチン
を50℃以下の温度で、脱アセチル化率が40〜60%となる
ように部分脱アセチル化して、水溶性にした水溶性部分
脱アセチル化キチンが開示されている。なお、特許請求
の範囲においては温度条件が50℃以下と記載されている
が、実施例においては、25〜50℃で、部分脱アセチル化
している。また、この方法においては、脱アセチル化率
が40%未満のものは、水に不溶と記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キチン
を、カルボキシメチル化キチンや、ヒドロキシルプロピ
ル化キチン等の誘導体にして水溶性にしたものは、化学
的合成品であることから、現在のところ、食品用途への
利用はできない。
【0008】また、特公昭59-19122号公報に開示された
水溶性部分脱アセチル化キチンは、脱アセチル化率が40
〜60%と高いため、キトサンの性質に類似し、これを食
品や化粧品等に添加しても、N−アセチル基に由来する
キチン本来の生理活性は余り期待できないという問題が
あった。一般的に、脱アセチル化率が高くなるほど、反
応性が増したり、渋味が増す等の性質が顕著となり、化
粧品、食品、飲料等への添加が難しくなるという問題も
あった。
【0009】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、キチン本来の生理活性が期待でき、か
つ、食品等に添加しても味覚への悪影響が少なく、しか
も水溶性で、食品、医薬品、化粧品等への添加が容易な
水溶性部分脱アセチル化キチン及びその製造法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の水溶性部分脱アセチル化キチンは、脱アセ
チル化率が20%以上、40%未満であって、水溶性である
ことを特徴とする。
【0011】また、本発明の水溶性部分脱アセチル化キ
チンの製造法は、キチンを、5℃以下で、アルカリ水溶
液に分散させ、アルカリ均一溶液とした後、5℃以下
で、脱アセチル化率が20%以上、40%未満となるまで部
分脱アセチル化することを特徴とする。
【0012】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て詳細に説明する。本発明においてキチンは、カニ、エ
ビ等の甲殻類の外皮から、炭酸カルシウム、蛋白質、そ
の他の夾雑物等を除去して得られるものを用いることが
でき、甲殻類の外皮から常法によって調製してもよく、
通常市販されているフレーク状又は粉末状のものを用い
てもよい。
【0013】本発明においてアルカリ水溶液としては、
アルカリ剤の5〜50重量%水溶液を用いるのが好まし
い。アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等が好ましく、水酸化ナトリウム
がより好ましい。
【0014】本発明の水溶性部分脱アセチル化キチンの
製造法について説明すると、まず、キチンを、5℃以
下、好ましくは−5〜5℃、より好ましくは0〜5℃の
条件下に、アルカリ水溶液に分散させ、アルカリ均一溶
液とする。
【0015】ここで、アルカリ均一溶液とは、均一な水
飴状のアルカリキチン水溶液を意味し、例えばキチンを
アルカリ水溶液に分散させた後、撹拌しながら、減圧し
て、脱気し、次いで、氷を加えて撹拌するか、又は、凍
結させた後、解凍することにより調製することができ
る。
【0016】次に、このアルカリ均一溶液を、5℃以下
の条件下に、所定時間熟成させて、脱アセチル化率が20
%以上、40%未満となるまで、部分脱アセチル化させ
る。
【0017】なお、熟成とは、アルカリ均一溶液を5℃
以下に保ちながら放置し、脱アセチル化を徐々に進行さ
せることをいう。また、アルカリ均一溶液にした段階
で、すでに、10%程度は脱アセチル化されているが、こ
の状態のものは水に不溶性であり、熟成させることによ
り、部分脱アセチル化を進行させ、脱アセチル化率が20
%以上、40%未満となるようにする。
【0018】脱アセチル化の進行度合いは、キチン濃
度、アルカリ濃度、熟成期間、熟成温度などの要因によ
り異なる。キチン濃度は、溶解度の関係から、1〜10重
量%程度が好ましい。
【0019】また、熟成温度は5℃以下であればよい
が、温度が低いほど、脱アセチル化の進行が遅くなり、
熟成に長時間を要することになるので、−5〜5℃が好
ましく、0〜5℃がより好ましい。5℃を超える温度で
熟成させた場合、脱アセチル化率が20%以上、40%未満
となるようにしても、水溶性のものは得られない。
【0020】更に、熟成期間は、例えば、キチン濃度1.
5 重量%、アルカリ濃度15重量%とした場合、脱アセチ
ル化率を25〜35%とするには、3℃で、8〜10日間、0
℃で、10〜12日間必要である。
【0021】脱アセチル化率が20%以上、40%未満とな
るように部分脱アセチル化させた後、塩酸、酢酸等の酸
を加えて、pH8〜9に調整する。pH8〜9にする
と、白色ゲル状の沈殿物が生じるので、この沈殿物を、
遠心分離、フィルター濾過等の固液分離操作によって回
収し、水とエタノールとの混合液で洗浄して塩分を除去
する。次いで、沈殿物を水に分散させ、塩酸、酢酸等の
酸を微量添加して、pH5.5 〜6.5 に調整すると、均一
な水溶液となる。この水溶液を、噴霧乾燥、凍結乾燥等
により乾燥すると、粉末が得られる。こうして、脱アセ
チル化率が20%以上、40%未満の水溶性部分脱アセチル
化キチンを得ることができる。
【0022】この水溶性部分脱アセチル化キチンは、脱
アセチル化率が20%以上、40%未満であって、かつ、水
溶性であることが特徴である。なお、脱アセチル化率
は、25〜35%であることがより好ましい。脱アセチル化
率が20%未満の場合、水に溶解せず、40%以上の場合、
脱アセチル化に長時間を要し、経済的に不利であると共
に、食品等に添加したとき渋味が生じて味覚に悪影響が
でる。
【0023】なお、本発明において、脱アセチル化率
は、コロイド滴定法によって測定した値であって、具体
的には次の方法によって測定した値を意味する。
【0024】すなわち、110 ℃で1時間乾燥した試料0.
5 gを正確に秤量し、これを0.5 %(v/v) 酢酸溶液に溶
かして正確に100gとする。この試料を溶解した酢酸溶液
1.0gを200ml の三角フラスコに正確にはかりとり、脱
イオン水50mlを加え、十分攪拌混合する。指示薬として
0.1 %トルイジンブルー溶液0.2ml を加え、N/400 ポリ
ビニル硫酸カリウム溶液(PVSK)で滴定する。そし
て、下記数1により脱アセチル化率を算出する。
【0025】
【数1】
【0026】
【作用】本発明の水溶性部分脱アセチル化キチンは、脱
アセチル化率が20%以上、40%未満であって、かつ、水
溶性である。
【0027】このように、水溶性であって、温水、冷
水、氷水等に容易に溶解するので、食品、医薬品、化粧
品等への添加が容易になり、広い分野での利用が期待さ
れる。なお、天然のキチンを部分脱アセチル化したもの
であって、化学的合成品ではないので、食品への添加が
可能である。
【0028】また、脱アセチル化率が低いので、キチン
の有する、ビフィズス菌発育促進作用、免疫増強活性、
傷口治癒促進効果等の種々の生理活性が十分期待できる
と共に、キトサンに特有の渋味が少なくなり、例えば飲
料等の食品に添加しても味覚に悪影響を与えることが少
ない。
【0029】更に、本発明の水溶性部分脱アセチル化キ
チンは、保湿性に優れ、また、水に溶解させた場合に増
粘作用を有するので、食品、医薬品、化粧品等に保湿
剤、増粘剤として添加することもでき、例えばパンに添
加して保湿性を向上させる効果が期待できる。
【0030】なお、例えば特公昭59-19122号公報に開示
された方法により、脱アセチル化率が20%以上、40%未
満の部分脱アセチル化キチンを調製することはできる
が、上記従来の方法では5℃以上で熟成を行うため、同
公報に記載されているように、本願発明で規定するよう
な脱アセチル化率では、その理由は明らかではないが、
水溶性のものが得られなかったのである。
【0031】
【実施例】 実施例1 カニ由来のキチン粉末50gを、5℃に冷却した48重量%
水酸化ナトリウム水溶液1000g中に分散させ、5℃を保
ちながら、2時間減圧し、脱気してキチン分散液を得
た。次いで、砕氷2150gを加え、撹拌して、キチン濃度
1.5 重量%、水酸化ナトリウム濃度15重量%の、均一な
水飴状のアルカリキチン水溶液を得た。
【0032】その後、このアルカリキチン水溶液を、5
℃下に、8日間熟成した。
【0033】熟成終了後、撹拌しながら、6N塩酸約20
00mlを数回に分けて加えて、pH8.5 に調製したとこ
ろ、白色ゲル状の沈殿物が析出した。
【0034】次に、析出した沈殿物を、遠心分離により
回収し、水とエチルアルコールとの1:1混合液で洗浄
して塩分を除去した。次いで、この沈殿物を、水5000ml
に分散させ、2N塩酸を微量添加してpH5.5 〜6.5 に
調整して、透明で粘稠な水溶性部分脱アセチル化キチン
水溶液を得た。
【0035】得られた水溶液を、噴霧乾燥して、白色粉
末42gを得た。
【0036】この白色粉末の脱アセチル化率を、コロイ
ド滴定法により測定したところ、33%であった。
【0037】また、この白色粉末を、蒸留水に0.5 重量
%濃度で溶解したところ、無色透明で粘稠な水溶液とな
った。この水溶液のpHは5.8 であった。また、この白
色粉末は、温水、冷水、氷水のいずれにも容易に溶解し
た。
【0038】実施例2 実施例1において、キチン分散液に、砕氷を加えて均一
な水飴状のアルカリキチン水溶液とする操作を、キチン
分散液に、5℃に冷却した水2150mlを添加し、−18℃で
凍結させて18時間保持した後、室温で解凍して均一な水
飴状のアルカリキチン水溶液とする操作に代え、あとは
実施例1と同様にして白色粉末状の水溶性部分脱アセチ
ル化キチン40gを得た。
【0039】この白色粉末の脱アセチル化率を、コロイ
ド滴定法により測定したところ、30%であった。
【0040】また、この白色粉末を、蒸留水に1重量%
濃度で溶解したところ、無色透明で粘稠な水溶液となっ
た。この水溶液のpHは6.0 であった。また、この白色
粉末は、温水、冷水、氷水のいずれにも容易に溶解し
た。
【0041】実施例3 実施例1と同様な方法で均一な水飴状のアルカリキチン
水溶液を調製した後、このアルカリキチン水溶液を0℃
下で、10日間熟成し、あとは実施例1と同様にして、白
色粉末状の水溶性部分脱アセチル化キチン43gを得た。
【0042】この白色粉末の脱アセチル化率を、コロイ
ド滴定法により測定したところ、27%であった。
【0043】また、この白色粉末を、蒸留水に0.5 重量
%濃度で溶解したところ、無色透明で粘稠な水溶液とな
った。この水溶液のpHは6.1 であった。また、この白
色粉末は、温水、冷水、氷水のいずれにも容易に溶解し
た。
【0044】比較例 特公昭59-19122号公報に開示された方法にしたがって、
脱アセチル化率52%の水溶性部分脱アセチル化キチンを
調製した。
【0045】すなわち、天然キチン粉末30gを、40重量
%水酸化ナトリウム水溶液750 g中に分散させた後、25
℃で、3時間放置した。次いで、この分散液を0℃に冷
却し、2,250 gの氷を加えて撹拌して、キチン濃度1重
量%、水酸化ナトリウム濃度10重量%の、粘稠なアルカ
リキチン水溶液を得た。
【0046】次いで、この水溶液をグラスフィルターで
濾過し、25℃で、72時間熟成させた後、冷却した。
【0047】次に、この溶液に、濃塩酸を加えてpHを
約9にし、希塩酸を加えて、pH8.7 にした後、4℃の
アセトン中に滴下して沈殿を析出させ、濾別、単離し、
水とエタノールとの混合液で洗浄して、部分脱アセチル
化キチンを得た。
【0048】この部分脱アセチル化キチンの脱アセチル
化率を、コロイド滴定法により測定したところ、52%で
あった。
【0049】実験例 実施例3で得られた脱アセチル化率27%の部分脱アセチ
ル化キチンと、比較例で得られた脱アセチル化率52%の
部分脱アセチル化キチンと、市販のキトサンである、脱
アセチル化率83%の「キトサンLL」(商品名、焼津水
産化学工業化学株式会社製)とを、それぞれ0.5 重量%
添加して、表1の配合によりドリンク剤を調製した。な
お、キトサンは5重量%乳酸溶液として添加した。
【0050】
【表1】
【0051】得られた3種類のドリンク剤について、5
人のパネラーによる官能検査、外観の経時変化の観察を
行った。これらの結果を表2に示す。なお、実施例3の
部分脱アセチル化キチンを配合したドリンク剤を実施例
品、比較例の部分脱アセチル化キチンを配合したドリン
ク剤を比較例品1、キトサンを配合したドリンク剤を比
較例品2とする。
【0052】
【表2】
【0053】脱アセチル化率が低い部分脱アセチル化キ
チンを配合した実施例品は、風味が良好で、ドリンク剤
との相溶性がよく、1か月経過後も、白濁、沈殿等の外
観上の変化は認められなかった。これに対して、脱アセ
チル化率が高い部分脱アセチル化キチンを配合した比較
例品1、2は、渋味があり、時間の経過に伴って、白
濁、沈殿等を生じ、その傾向は、脱アセチル化率が高く
なるほど強くなることがわかる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水溶性部
分脱アセチル化キチンによれば、水溶性なので、食品、
医薬品、化粧品等への添加が容易であり、しかも、脱ア
セチル化率が20%以上、40%未満と低いので、キチン本
来の生理活性が期待できると共に、キトサン特有の渋味
が少ないことから、食品、医薬品、化粧品等に添加して
も風味を損なうことがない。また、本発明の水溶性部分
脱アセチル化キチンは、食品、医薬品、化粧品等に添加
した際に、安全性の高い保湿剤、増粘剤としての効果も
期待することができる。更に、本発明の水溶性部分脱ア
セチル化キチンの製造法によれば、脱アセチル化率が低
く、しかも水溶性の部分脱アセチル化キチンを製造する
ことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱アセチル化率が20%以上、40%未満で
    あって、水溶性であることを特徴とする水溶性部分脱ア
    セチル化キチン。
  2. 【請求項2】 キチンを、5℃以下で、アルカリ水溶液
    に分散させ、アルカリ均一溶液とした後、5℃以下で、
    脱アセチル化率が20%以上、40%未満となるまで部分脱
    アセチル化することを特徴とする水溶性部分脱アセチル
    化キチンの製造法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウ
    ム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウ
    ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムから選ばれた少なく
    とも一種からなるアルカリ剤の5〜50重量%水溶液であ
    る請求項2記載の水溶性部分脱アセチル化キチンの製造
    法。
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