JPH08283080A - 軽量高強度気泡コンクリ−ト製品の製造方法 - Google Patents

軽量高強度気泡コンクリ−ト製品の製造方法

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JPH08283080A
JPH08283080A JP11112195A JP11112195A JPH08283080A JP H08283080 A JPH08283080 A JP H08283080A JP 11112195 A JP11112195 A JP 11112195A JP 11112195 A JP11112195 A JP 11112195A JP H08283080 A JPH08283080 A JP H08283080A
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lightweight
producing
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JP11112195A
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Inventor
Takeetsu Kamaya
健悦 釜谷
Masakatsu Uchida
昌勝 内田
Masanori Tsutsumi
正範 堤
Fumikazu Masumoto
二巳一 増本
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Nihon Cement Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/10Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by using foaming agents or by using mechanical means, e.g. adding preformed foam

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量かつ高強度で耐透水性に優れた建築用又
は土木用コンクリ−ト製品に好適な、しかも表面気泡を
少なくした美観上好ましい軽量高強度気泡コンクリ−ト
製品の製造方法を提供すること。 【構成】 結合材、水及び減水剤を配合し、混練してペ
−ストを製造する第1工程、該ペ−ストにプレフォ−ム
した気泡を加え、混練して気泡モルタルを製造する第2
工程、該気泡モルタルに軽量骨材を加え、混練して軽量
気泡コンクリ−ト組成物を製造する第3工程、該軽量気
泡コンクリ−ト組成物を型枠に打設し、凝結終了後蒸気
養生をする第4工程を含む軽量高強度気泡コンクリ−ト
製品の製造方法であって、前記第3工程において、軽量
気泡コンクリ−ト組成物をスランプ8〜24cmに調製
し、かつ、前記軽量気泡コンクリ−ト組成物を打設する
型枠として、水溶性の離型剤を塗布した型枠を使用する
こと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量高強度気泡コンク
リ−ト製品の製造方法に関し、特に、軽量かつ高強度で
耐透水性に優れた建築用又は土木用コンクリ−ト製品に
好適な、しかも表面気泡を少なくした美観上好ましい軽
量高強度気泡コンクリ−ト製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリ−ト製品に対する軽量化・高強
度化の要求は、建築及び土木のいずれの分野において
も、強いものがある。このうち、コンクリ−ト製品を軽
量化する技術については、従来から種々提案されてお
り、例えば、汎用の人工軽量骨材やこれより更に軽いパ
−ライトのような超軽量骨材を併用し、かつ気泡を導入
する技術が提案されている。
【0003】しかし、このような軽量骨材や気泡を併用
する軽量化技術では、その開発途上で種々の技術的課題
が生じてきている。例えば、人工軽量骨材やパ−ライト
は、セメントペ−ストやセメントモルタルと比べて比重
が非常に小さいため、混練中や打設成形後のまだ固まら
ないコンクリ−ト組成物中で該骨材の浮上による分離が
生じ、強度が均質な軽量コンクリ−ト製品が得られない
という問題があった。
【0004】この問題を解決するため、予め軽量骨材に
起泡剤等を発泡させた泡剤を混合し、該骨材表面に泡剤
を付着させ、その後この軽量骨材とセメントペ−スト又
は気泡セメントペ−ストとを混練することにより、軽量
骨材がコンクリ−ト組成物中に均一に分散されるように
改善した気泡コンクリ−トの製造方法が提案されている
(特開昭60−86083号公報参照)。
【0005】また、プレフォ−ムした気泡を添加して軽
量気泡コンクリ−トを製造する方法において、該コンク
リ−トの強度等を改善するためにセメント用減水剤を用
いると、このコンクリ−ト組成物の粘性が低下し、その
結果、混練中や打設後の未だコンクリ−ト組成物が流動
性を保持している間に導入気泡が粗大化したり、あるい
は消泡したりし、打設後数時間以内にコンクリ−トの打
設の高さが沈下する現象が生じる。特に、プレフォ−ム
した気泡とパ−ライト等の吸水性の高い軽量骨材を併用
する軽量気泡コンクリ−トの製造方法において、セメン
ト用減水剤を用いる場合、この軽量骨材が吸水するた
め、流動性を確保する水量を増す必要がある。このた
め、より一層コンクリ−ト組成物の粘性が低下し、その
結果、導入気泡の粗大化や消泡現象が著しく、コンクリ
−トの沈下現象が顕著であるという問題があった。
【0006】上記問題を解決するため、プレフォ−ムし
た気泡及び軽量骨材をセメントスラリ−に混入する前
に、このセメントスラリ−中に予め界面活性剤系起泡剤
あるいは樹脂石鹸系起泡剤を添加することが効果的であ
るとの提案がなされている(特開平1−290573号公報参
照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、軽量気泡コ
ンクリ−ト製品を製造するに当って、まず、混練、打設
及び成形できることが必要であり、そのためには、この
コンクリ−ト組成物がある一定以上の流動性がなければ
ならない。しかしながら、軽量骨材は吸水性が大きいた
め、該骨材を配合したコンクリ−ト組成物では、その流
動性を確保するのに水/セメント(結合材)比を比較的大
きくしなければならず、その結果、コンクリ−トの軽量
化が達成できても、該コンクリ−トの高強度化が達成で
きないという問題があった。また、軽量骨材とプレフォ
−ムした気泡を併用する軽量気泡コンクリ−トにおいて
は、水/セメント(結合材)比が大きい上に、更に気泡も
併用しているので、コンクリ−トの透水性が高く、この
ため、部材厚の薄いコンクリ−ト製品に適用する場合、
その耐久性に問題があった。
【0008】前記した従来の軽量化技術においても、軽
量骨材の浮上による分離を防止し、該骨材がコンクリ−
ト中に均一に分散されるように改善する技術であり、ま
た、導入気泡の粗大化ないしは消泡化を防止する技術で
あり、いずれも軽量骨材の吸水性に基づく水/セメント
比の増大に伴う強度低下を解消するというものではな
い。また、軽量骨材の吸水性を解消するため、該骨材の
表面を合成樹脂などでコ−ティングすることも提案され
ているが、これでは、軽量骨材の表面に存在する気孔を
消失させることになるので、該骨材の有する軽量化が損
なわれるばかりではなく、煩雑な被覆工程を必要とする
という欠点があった。
【0009】本発明者等は、上記問題点、欠点を解消す
ることを技術的課題として鋭意研究を重ねた結果、本発
明以前に、軽量気泡コンクリ−トの混練順序を特定し、
これにより、従来の軽量気泡コンクリ−トでは困難であ
った高強度で耐久性の良い軽量気泡コンクリ−トを製造
する技術を開発し、特願平6-151648号として出願してい
る(以下、これを“既出願の発明”という)。
【0010】この既出願の発明は、上記したとおり、軽
量気泡コンクリ−トの混練順序を特定したものであっ
て、ペ−ストを製造する第1工程、プレフォ−ムした気
泡を添加して気泡モルタルを製造する第2工程、軽量骨
材を配合して軽量気泡コンクリ−ト組成物を製造する第
3工程を含み、この第1〜第3工程をこの工程順に行う
ことを特徴とし、また、この第3工程に続いて、蒸気養
生する第4工程を含むことを特徴とする。
【0011】しかしながら、本発明者等は、その後さら
に研究を重ねた結果、上記既出願の発明に係る軽量気泡
コンクリ−トの製造方法では、軽量で高強度なコンクリ
−ト製品が得られるけれども、該製品の表面に気泡が残
存し、美観上好ましくない場合が生じるという欠点を見
出した。そこで、本発明者等は、該製品表面の気泡を少
なくするため更に研究を重ねた結果、該製品表面に気泡
の少ない美観上好ましい軽量高強度気泡コンクリ−ト製
品の製造方法を見出し、本発明を完成したものである。
【0012】即ち、本発明の目的とするところは、 ・第1に、軽量骨材に対して被覆処理などの何らの手段
を行うことなく、軽量骨材への混練水の吸収を大幅に減
少させることができる軽量高強度気泡コンクリ−ト製品
の製造方法を提供することにあり、 ・第2に、低い水/結合材比(0.15〜0.30)で流動性を確
保することができる該製造方法を提供することにあり、 ・第3に、気乾比重:1.4前後の軽量気泡コンクリ−ト
を240kgf/cm2以上という高強度で、かつ耐透水性の優
れた軽量高強度気泡コンクリ−ト製品を提供することに
あり、 ・第4に、特に表面気泡を少なくした美観上好ましい軽
量高強度気泡コンクリ−ト製品を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の軽量高強度気泡
コンクリ−ト製品の製造方法は、上記目的を達成する手
段として、 (1) ペ−ストを製造する第1工程、 (2) プレフォ−ムした気泡を添加して気泡モルタルを製
造する第2工程、 (3) 軽量骨材を配合して軽量気泡コンクリ−ト組成物を
製造する第3工程、 (4) 該軽量気泡コンクリ−ト組成物を型枠に打設し、凝
結終了後蒸気養生をする第4工程を含む軽量高強度気泡
コンクリ−ト製品の製造方法であって、(A) 前記軽量気
泡コンクリ−ト組成物を製造する第3工程において、該
軽量気泡コンクリ−ト組成物をスランプ8〜24cmに調製
し、かつ、(B) 前記軽量気泡コンクリ−ト組成物を打設
する型枠として、水溶性の離型剤を塗布した型枠を使用
する、ことを特徴とする軽量高強度気泡コンクリ−ト製
品の製造方法である。
【0014】そして、本発明に係る製造方法は、上記
(1)〜(4)の工程のように軽量気泡コンクリ−トの混練順
序を特定することにより、軽量骨材への混練水の吸収を
抑制することができ、そのため、従来の軽量気泡コンク
リ−ト組成物よりも水/結合材比を大幅に低くすること
ができ、それによっても十分に流動性を確保することが
でき、しかも高強度で耐水性に優れた軽量高強度気泡コ
ンクリ−ト製品を製造することができる。また、本発明
に係る製造方法は、特に、(A)前記第3工程において、
軽量気泡コンクリ−ト組成物のスランプを特定範囲(8〜
24cm)に調製すること及び(B)前記軽量気泡コンクリ−ト
組成物を打設する型枠として、水溶性の離型剤を塗布し
た型枠を使用することにより、製品表面の気泡を少なく
した美観上好ましい軽量高強度気泡コンクリ−ト製品を
製造することができる。
【0015】以下、本発明について詳細に説明すると、
本発明の方法では、軽量骨材への吸水を抑制し、これに
より水/結合材比を小さくするため、前記した(1)の第
1工程、(2)の第2工程、(3)の第3工程の順に混練作業
を進めることが特に重要である。
【0016】即ち、本発明では、まず第1工程で、結合
材、水及び減水剤のみを配合し、軽量骨材を加えないで
混練してペ−ストを製造し、続いて第2工程で、このペ
−ストにプレフォ−ムした気泡を加えて気泡モルタルを
製造し、その後第3工程で、この気泡モルタルに軽量骨
材を加えるため、軽量骨材の配合直後に該骨材の表面が
気泡モルタルでコ−ティングされた状態となり、これに
よって、その後の混練水の軽量骨材への吸収を抑制する
作用が生じる。その結果、本発明では、水/結合材比を
大幅に低減しても流動性の良好な軽量気泡コンクリ−ト
組成物とすることができる。
【0017】前記第1工程における水/結合材の比とし
ては、0.15〜0.30が好ましく、より好ましい範囲は、0.
19〜0.27である。この比が0.15未満では、水量が少ない
ため、ペ−ストの流動性を確保する場合、多量の減水剤
を必要とし、このためコスト高となるばかりでなく、混
練時間も長く必要とし、また、練り上がったコンクリ−
トの粘性が大きくなり過ぎることから、前記従来技術で
説明したように導入気泡の粗大化や消泡現象が生じ、し
かも型枠に詰めた際にべたついて表面の仕上げが難しい
等の欠点が現われるので好ましくない。一方、水/結合
材比が0.30を越えると、水が多過ぎて製品の強度を低下
させるので好ましくない。
【0018】前記第1工程で添加する減水剤としては、
セメント用として一般に使用されている減水剤のいずれ
をも使用することができる。これを例示すれば、リグニ
ン系、オキシカルボン酸塩系、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエ−テル系、アルキルアリルスルホン酸塩
系、メラミンスルホン酸塩系、ナフタリンスルホン酸塩
系、ポリカルボン酸塩系、アミノスルホン酸系等であ
る。本発明において、減水剤の添加量としては、一般の
コンクリ−トに使用される量でよく、結合材に対して0.
5〜5.0重量%程度である。
【0019】前記第1工程における結合材としては、セ
メント及び無機微粉末からなるセメント組成物の使用が
好ましい。また、この混合比は“セメント/無機微粉末
=9〜1.5”が好適であるが、要求される製品の所望強度
によって任意に選択することができ、本発明において特
に限定されるものではない。
【0020】セメントとしては、通常のポルトランドセ
メントの他に、シリカセメント、フライアッシュセメン
ト、高炉セメント等の混合セメントも使用することがで
きる。また、無機微粉末としては、例えば高炉スラグ微
粉末、珪石微粉末、珪藻土微粉末、石灰石微粉末、フラ
イアッシュ、シリカフュ−ム等を挙げることができ、こ
れら無機微粉末を併用することもできる。
【0021】本発明において、上記無機微粉末は、その
比表面積がブレ−ン値で7,500cm2/g以上が好ましい。
比表面積が7,500cm2/g未満であると、製品の強度が低
くなるので好ましくない。
【0022】次に、前記第2工程について説明すると、
これは、第1工程で製造したペ−ストにプレフォ−ムし
た気泡を加え、混練して気泡モルタルを製造する工程で
ある。気泡の添加量は、コンクリ−ト1m3当たり約20〜5
0kgが適当である。この第2工程で実施するペ−ストと
気泡との混練は、第1工程で製造したペ−ストが適度の
流動性を有しているので、容易であり、しかも均一な気
泡モルタルが製造できる。
【0023】第2工程で添加する気泡は、予め十分に起
泡した気泡(プレフォ−ムした気泡)であって、起泡剤を
3〜10%になるように水で希釈し、汎用の起泡発生装置
を使用し、この起泡剤希釈液に空気を混合して製造する
ことができる。上記起泡剤としては、気泡を生成するも
のであれば任意の周知の起泡剤を使用することができる
が、特に動物蛋白質系の起泡剤は、セメント組成物に添
加し、コンクリ−ト製品の強度を高めるので好ましく、
例えばプロフォ−ム(西田商会社製)などが好適である。
【0024】上記第2工程に引続き実施する第3工程で
は、第2工程で製造した気泡モルタルに軽量骨材を加
え、混練して軽量気泡コンクリ−ト組成物を製造する工
程である。この軽量骨材としては、絶乾比重が0.7〜1.8
の人工軽量骨材が好ましく、これを例示すれば、頁岩を
加熱発泡させた絶乾比重約1.3程度の汎用の人工軽量骨
材(例えばアサノライト:日本セメント社製)、坑火石を
焼成し発泡させた絶乾比重約0.8の人工軽量骨材を挙げ
ることができる。
【0025】また、本発明では、黒曜石を加熱発泡させ
た嵩比重約0.15の粒状パ−ライト、例えばアサノパ−ラ
イト(アサノパ−ライト社製)等を併用できるが、軽量骨
材の種類及びその配合割合は、要求される軽量高強度気
泡コンクリ−ト製品の気乾比重、強度によって適宜選択
することができる。例えば“人工軽量骨材/パ−ライト
の容量比=1/2〜3/1 m3”が適当である。
【0026】ところで、軽量気泡コンクリ−ト製品をで
きるだけ軽量化するためには、軽量骨材中の水分ができ
るだけ少ない方がよいが、一般には水分を含ませた表乾
状態で使用されている。この理由は、水分を含んでいな
い状態の軽量骨材に水及びセメントを混練すると(同時
混練すると)、混練中に配合した水分が軽量骨材に吸収
され、コンクリ−トの流動性を悪くするという問題が生
じるからである。
【0027】しかし、本発明では、水、結合材及び軽量
骨材を同時に混練することを避け、第2工程で気泡モル
タルを別途製造しておき、その後、第3工程で軽量骨材
を加えて混練するものであり、これによって、軽量骨材
の表面に単に気泡モルタルがコ−ティングされるだけと
なり、該骨材が例え絶乾状態であっても、気泡モルタル
の水分が該骨材に吸収されることは殆どない。従って、
本発明では、絶乾状態の軽量骨材を混合した後でも、軽
量気泡コンクリ−ト組成物の流動性を悪くすることはな
い。
【0028】そのため、本発明では、少なくとも軽量骨
材の1種以上を絶乾状態とすることが可能となり、より
一層軽量化が図れるという顕著な作用効果が生じる。従
って、本発明における好ましい実施態様としては、従来
使用されていた水分を含ませた表乾状態の軽量骨材に代
えて絶乾状態の軽量骨材を使用する点にあり、この絶乾
状態の軽量骨材を使用しても、水/結合材比を大幅に低
減することができ、より軽量で強度の高い軽量高強度気
泡コンクリ−ト製品が得られる。
【0029】上記した軽量気泡コンクリ−ト組成物を製
造する第3工程において、特に本発明では、該軽量気泡
コンクリ−トをスランプ8〜24cmの範囲に調製すること
が重要である。スランプが8cm未満では、作業性(コンク
リ−トの打込み易さ、コテ仕上性)が悪いばかりでな
く、得られた製品の表面に気泡が残り、美観上好ましく
なく(後記比較例2参照)、また、ジャンカ等欠陥部分が
発生するため好ましくない。一方、スランプが24cmを超
えると、作業性は良好であるけれども、製品表面に残る
気泡が著しく多く、極端に美観を損ねるので好ましくな
い(後記比較例1,3参照)。
【0030】このように本発明では、特にスランプを8
〜24cmの範囲内のコンクリ−ト組成物とすることで、次
工程(第4工程)における型枠への打設時にコンクリ−ト
組成物中に振動が充分伝わり、比較的大きな“巻き込み
気泡”も除去できると共に、微細な気泡についても“コ
ンクリ−ト組成物と型枠との濡れ”が改善されることに
より、表面気泡の低減が可能となる作用効果が生じる。
【0031】次に、本発明における第4工程について説
明すると、この第4工程は、第3工程で得られた軽量気
泡コンクリ−ト組成物を型枠に打設し、凝結終了後蒸気
養生をする工程であるが、特にこの型枠として、水溶性
の離型剤を塗布した型枠を使用するのが好ましい。型枠
の離型剤として、油性の離型剤が知れているが、この油
性離型剤を塗布した型枠を使用すると、製品表面に気泡
が多く残り、美観を損ねるので好ましくない(後記比較
例4,5参照)。
【0032】このように本発明では、第3工程において
軽量気泡コンクリ−ト組成物を、スランプ8〜24cmの範
囲に調製することに加えて、さらに水溶性の離型剤を塗
布した型枠を使用することで、製品表面に残る気泡がさ
らに低減でき、美観上極めて好ましい軽量高強度気泡コ
ンクリ−ト製品が得られる作用効果が生じる。なお、本
発明で使用可能な水溶性の離型剤を例示すると、特に限
定するものではないが、マイティワックス(寿化学工業
社製),ノックス−M(ノックス社製),パラット木型用
(山宗化学社製),ライナ−セブン50(花王社製)などを挙
げることができる。
【0033】本発明における第4工程において、型枠に
打設した後振動を付与することができる。ここで用いる
振動機としては、通常の棒型バイブレ−タ等を使用する
ことができる。なお、本発明では、ぺ−ストが適度な流
動性と粘りを有しているため、比較的軟練りのスランプ
15〜24cmのコンクリ−ト組成物でも、バイブレ−タの振
動により、使用した軽量骨材が分離するという現象はみ
られない。また、第4工程における養生条件としては、
一般のコンクリ−ト二次製品とほぼ同様の条件を採用す
ることができ、例えば最高温度が50〜70℃の蒸気養生槽
に約3時間保持し、その後室温まで徐冷して軽量高強度
気泡コンクリ−ト製品を製造することができる。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明をより詳細に説明する。
【0035】ここで、以下の実施例1〜4(比較例1〜5も
同じ)で使用する結合材、無機微粉末、減水剤、気泡、
軽量骨材及び型枠離型剤について、まとめて説明する。 ・結合材:早強ポルトランドセメント(日本セメント社
製) ・無機微粉末:珪石微粉末(秩父鉱業社製) ・減水剤:マイティ150(花王社製) ・気泡:動物蛋白質系起泡剤プロフォ−ム(西田商会社
製)を5重量%になるように水で希釈し、起泡装置とし
て西田商会社製の起泡発生装置を使用して十分に起泡さ
せたもの ・軽量骨材:アサノライト粗骨材(表乾比重:1.65)、ア
サノライト細骨材(絶乾比重:1.70)(いずれも日本セメン
ト社製)、アサノパ−ライト4号(かさ比重:0.15、アサ
ノパ−ライト社製)。なお、上記軽量骨材中、アサノラ
イト細骨材及びアサノパ−ライトは絶乾品を使用した。 ・型枠離型剤:一般的な油性離型剤(→比較例3〜5)及び
水溶性離型剤であるライナ−セブン50(花王社製)→実
施例1〜4,比較例1,2
【0036】下記表2に示す製造条件で、軽量気泡コン
クリ−トパネルを製造した。得られたパネルに対し、次
の表1に示す評価基準で“作業性”及び“表面気泡量”
を測定した。その結果を表2に示す。なお、“作業性”
は、軽量気泡コンクリ−ト組成物を型枠に詰め、これに
バイブレ−タをかけた時の拡り易さを目視で測定したも
のであって、作業性(コンクリ−トの打込み易さ、コテ
仕上性)の良否を示す指標である。また、“表面気泡
量”は、脱型後のパネル表面の「気泡の多少」を同じく
目視で測定したものであって、美観上の良否を示す指標
である。
【0037】
【表1】
【0038】(比較例1〜5)下記表2に示す製造条件
で、軽量気泡コンクリ−トパネルを製造した。得られた
パネルに対して、前記実施例と同様、“作業性”及び
“表面気泡量”を測定した。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2の実施例1〜4に示すように、本発明で
特定するスランプ範囲(8〜24cm)内で、しかも型枠離型
剤として水溶性のものを使用した場合は、パネル表面の
気泡が少なく、作業性が良好であることが認められた。
これに対して、表2の比較例1,同3に示すように、スラ
ンプが24cmを超えるコンクリ−トでは、作業性(コンク
リ−トの打込み易さ)は良好であるが、水溶性の離型剤
を使用しても(比較例1参照)、油性の離型剤の使用の場
合(比較例3参照)と同様、パネル表面に残る気泡が著し
く多かった。
【0041】また、表2の比較例4,同5に示すように、
本発明で特定するスランプ範囲(8〜24cm)内の19.0cm,1
0.6cmに調製しても、油性の離型剤を使用の場合は表面
気泡が多いことが認められた。更に、表2の比較例2に
示すように、スランプを8cm未満のコンクリ−トでは、
水溶性の離型剤を使用しても表面気泡は多く、作業性も
悪かった。
【0042】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、軽量気
泡コンクリ−トの混練順序を特定したことにより、即
ち、ペ−ストを製造する第1工程、プレフォ−ムした気
泡を添加して気泡モルタルを製造する第2工程、軽量骨
材を配合して軽量気泡コンクリ−トを製造する第3工程
よりなり、この第1〜第3工程をこの工程順に行うこと
により、軽量骨材に対して被覆処理などの何らの手段を
行うことなく、軽量骨材への混練水の吸収を大幅に減少
することができるという顕著な効果が生じる。
【0043】その結果、本発明では、低い水/結合材比
で流動性を確保することができ、成形も良好にでき、し
かも従来の気乾比重:1.4前後の軽量気泡コンクリ−ト
では困難であった「高強度で、かつ耐透水性の優れた軽
量高強度気泡コンクリ−ト製品」を、新たな材料や装置
を用いることなく容易に製造できる。
【0044】さらに、本発明では、特に軽量気泡コンク
リ−ト組成物を製造する第3工程において、この軽量気
泡コンクリ−トをスランプ8〜24cmの範囲に調製する
こと及びこのように調製した軽量気泡コンクリ−トを、
水溶性離型剤を予め塗布した型枠に打設することによ
り、打設時の作業性(コンクリ−トの打込み易さ、コテ
仕上性)が良好で、しかも表面気泡が少なく、美観上好
ましい軽量高強度気泡コンクリ−ト製品が得られるとい
う顕著な効果が生じる。そして、本発明の方法によって
得られた「軽量高強度気泡コンクリ−ト製品」は、建築
あるいは土木分野の製品としてその実用性は高く、応用
範囲も広いものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 14:04 24:18 24:12 14:02) 103:42 111:40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合材、水及び減水剤を配合し、混練し
    てペ−ストを製造する第1工程、該ペ−ストにプレフォ
    −ムした気泡を加え、混練して気泡モルタルを製造する
    第2工程、該気泡モルタルに軽量骨材を加え、混練して
    軽量気泡コンクリ−ト組成物を製造する第3工程、該軽
    量気泡コンクリ−ト組成物を型枠に打設し、凝結終了後
    蒸気養生をする第4工程を含む軽量高強度気泡コンクリ
    −ト製品の製造方法であって、前記軽量気泡コンクリ−
    ト組成物を製造する第3工程において、該軽量気泡コン
    クリ−ト組成物をスランプ8〜24cmに調製し、かつ、
    前記軽量気泡コンクリ−ト組成物を打設する型枠とし
    て、水溶性の離型剤を塗布した型枠を使用することを特
    徴とする軽量高強度気泡コンクリ−ト製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ペ−ストを製造する第1工程におけ
    る水/結合材の比が、0.15〜0.30であることを特徴とす
    る請求項1記載の軽量高強度気泡コンクリ−ト製品の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記結合材が、セメント及び無機微粉末
    からなるセメント組成物であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の軽量高強度気泡コンクリ−ト製品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記セメント組成物中のセメント/無機
    微粉末の重量比が、9〜1.5であることを特徴とする請求
    項3記載の軽量高強度気泡コンクリ−ト製品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記無機微粉末の比表面積が、ブレ−ン
    値で7,500cm2/g以上であることを特徴とする請求項
    3又は4記載の軽量高強度気泡コンクリ−ト製品の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記第2工程におけるプレフォ−ムした
    気泡が、動物蛋白質系の起泡剤により調製されたもので
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載
    の軽量高強度気泡コンクリ−ト製品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記軽量骨材が、一種以上の軽量骨材の
    組合せからなり、そのうち少なくとも一種の軽量骨材が
    絶乾状態のものであることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5又は6記載の軽量高強度気泡コンクリ−ト製
    品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記軽量骨材が、絶乾比重0.7〜1.8の人
    工軽量骨材及び/又はパ−ライトであることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の軽量高強
    度気泡コンクリ−ト製品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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