JPH08281891A - 制電性フイルム - Google Patents

制電性フイルム

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JPH08281891A
JPH08281891A JP8926595A JP8926595A JPH08281891A JP H08281891 A JPH08281891 A JP H08281891A JP 8926595 A JP8926595 A JP 8926595A JP 8926595 A JP8926595 A JP 8926595A JP H08281891 A JPH08281891 A JP H08281891A
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antistatic
mol
coating
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JP8926595A
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Sadami Miura
定美 三浦
Satoshi Kitazawa
諭 北澤
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電防止性、ベースフイルムとの密着性及び
トップコート層との接着性に優れた制電性塗膜を有する
制電性フイルムを提供する。 【構成】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、
アクリル系構成単位30〜98モル%及び側鎖にカチオ
ン性窒素元素を有する構成単位2〜70モル%の共重合
体を主成分とする帯電防止剤(A)を含む水性塗液を塗
布し、乾燥、延伸してつくられた制電性塗膜が設けられ
ている制電性フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制電性フイルムに関し、
更に詳しくは帯電防止性、ベースフイルムとの密着性及
びトップコート層との接着性に優れた制電性塗膜を有す
る、磁気カード(例えばテレホンカード、プリペイドカ
ード)、電子材料、グラフィック材料、製版フイルム、
OHPフイルム、磁気テープ(例えばオーディオテー
プ、ビデオテープ)や磁気ディスク(例えばフロッピー
ディスク)等の磁気記録材料等に有用な制電性フイルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートやポリエチ
レンナフタレート等のポリエステルからなるフイルムは
磁気カード用として、また包装材料、写真材料、グラフ
ィック材料等の一般工業材料用や磁気テープ等の磁気記
録材料用として広く使用されている。しかしながら、か
かるポリエステルフイルムは表面固有抵抗が大きく、摩
擦等で帯電し易いという欠点を有している。フイルムが
帯電すると、フイルム表面にゴミやほこりが付着し、こ
れらによるトラブルが生じる。また、加工工程で放電が
起こると、有機溶剤を用いている場合には引火の危険が
生じる。
【0003】このような帯電によるトラブルを防ぐ方法
として、例えばフイルム表面に水性塗液を用いて制電性
塗膜を形成する方法が種々提案され、かつ実用化されて
いる。この制電性塗膜に含有させる帯電防止剤としては
低分子型のものや高分子型のものが知られているが、そ
れぞれ長短を有する。そこで、帯電防止剤はその特性を
用途に合わせて使い分けられている。
【0004】例えば低分子型の帯電防止剤としては、ス
ルホン酸塩基を有する長鎖アルキル化合物(特開平4―
28728号)等のような界面活性剤型のアニオン系帯
電防止剤が知られており、また高分子型の帯電防止剤と
しては、主鎖にイオン化された窒素元素を有するポリマ
ー(特開平3−255139号、特開平4−28812
7号、特開平6−172562号)やスルホン酸塩変性
ポリスチレン(特開平5−320390号)等が知られ
ている。
【0005】しかし、低分子型の帯電防止剤を用いた制
電性塗膜では、帯電防止剤の一部が塗膜中を移動して界
面に集積しフイルムの反対面等に移行することによる問
題や、オーバーコート層との接着性や帯電防止性(制電
性)が経時的に悪化するという問題がある。一方、高分
子型の帯電防止剤を用いた制電性塗膜では、良好な制電
性を得るために多量の帯電防止剤の配合が必要であった
り、膜厚の厚い制電性塗膜を形成させることが必要であ
るため経済的でない等の問題や、ベースフイルムとの密
着性やトップコート層との接着性が不足する等の問題が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し、帯電防止性、ベースフイ
ルムとの密着性及びトップコート層との接着性に優れた
制電性塗膜を有する制電性フイルムを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するため、次の構成からなる。ポリエステルフイル
ムの少なくとも片面に、下記式(I)で示される構成単
位(i)30〜98モル%及び下記式(II)で示される
構成単位(ii)2〜70モル%の共重合体(A−1)を
主成分とする帯電防止剤(A)を含む水性塗液を塗布
し、乾燥、延伸してつくられた制電性塗膜が設けられて
いる制電性フイルム。
【0008】
【化4】
【0009】[式(I)中、R1 、R2 はHまたはCH
3 ;XはHまたは炭素数が1〜10の飽和炭化水素基]
【0010】
【化5】
【0011】[式(II)中、R1 、R2 はHまたはC
3 ;R3 は炭素数が2〜10アルキレン基;R4 、R
5 、R6 は炭素数が1〜15の飽和炭化水素基;R7
炭素数が1〜15の飽和炭化水素基または水素元素の少
なくとも一つがハロゲン元素で置換された炭素数が1〜
15の飽和炭化水素基]以下、本発明について詳細に説
明する。
【0012】[ベースフイルム]本発明において、ベー
スフイルムはポリエステルフイルムであり、該フイルム
を構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分とグリコ
ール成分からなる線状ポリエステルである。
【0013】このジカルボン酸成分としては、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4´−ジフェ
ニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸等を挙げることができ、特にテレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0014】また、グリコール成分としては、例えばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサ
ンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール等を挙げることができ、特にエチレ
ングリコールが好ましい。
【0015】かかるポリエステルとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート或いはポリエチレン―2,6―ナフタ
レートが高ヤング率である等の機械的特性に優れ、耐熱
寸法安定性がよい等の熱的特性等に優れたフイルムが得
られるため好ましい。
【0016】上記のポリエステルは、上記ジカルボン酸
成分或いはグリコール成分等を共重合したポリエステル
であってもよく、三官能以上の多価化合物をポリエステ
ルが実質的に線状となる範囲(例えば5モル%以下)で
少量共重合したポリエステルであってもよい。
【0017】かかるポリエステルは常法によりつくるこ
とができ、ポリエステルの固有粘度が0.45以上であ
ると剛性が大きい等の機械的特性が優れたフイルムが得
られるため好ましい。
【0018】上記のポリエステルには、フイルムの滑り
性を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.
01〜20μm程度の有機や無機の微粒子を、例えば
0.001〜5重量%の配合割合で含有させることがで
きる。かかる微粒子の具体例として、シリカ、アルミ
ナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化
チタン、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、
炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリス
チレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹
脂粒子等を好ましく挙げることができる。
【0019】前記微粒子以外にも着色剤、公知の帯電防
止剤、酸化防止剤、有機滑剤(滑り剤)、触媒、蛍光増
白剤、可塑剤、架橋剤、紫外線吸収剤、他の樹脂等を必
要に応じて添加することができる。
【0020】本発明におけるベースフイルムには、制電
性フイルムの用途によって透明ポリエステルフイルムや
白色ポリエステルフイルムを用いることができる。この
透明ポリエステルフイルムとは、延伸後の光線透過率が
60%以上のものであり、特に80%以上のものが好ま
しい。また、白色ポリエステルフイルムとは、ポリエス
テルに例えば酸化チタン、硫酸バリウム、酸化珪素等を
5〜30重量%配合したものであり、延伸後の光線透過
率が60%未満のもの、特に30%以下のものが好まし
い。白色ポリエステルフイルムをベースフイルムに用い
た白色の制電性フイルムは特に磁気カード用に好ましく
用いられる。
【0021】本発明におけるポリエステルフイルムは、
従来から知られている方法で製造することができる。例
えば、前記ポリエステルを溶融し冷却ドラム上にキャス
トして未延伸フイルムとし、該未延伸フイルムを縦方
向、次いで横方向に逐次二軸延伸する方法、或いは縦方
向と横方向に同時二軸延伸する方法で製造できる。更に
縦方向及び/又は横方向に再度延伸することもできる。
延伸処理はポリエステルの二次転移点(Tg)−10℃
より高い温度で、夫々の方向に2倍以上、さらには3倍
以上延伸することで行うのが好ましい。その際、面積延
伸倍率は8倍以上、さらには9倍以上とするのが望まし
い。面積延伸倍率の上限は、フイルムの用途にもよる
が、35倍、さらには30倍とするのが好ましい。延伸
後に熱処理して配向結晶化を完結させることが好まし
い。
【0022】[帯電防止剤(A)]本発明において、制
電性塗膜は、ポリエステルフイルムの少なくとも片面
に、共重合体(A−1)を主成分とする帯電防止剤
(A)を含む水性塗液を塗布し、乾燥、延伸してつくら
れる。
【0023】[共重合体(A−1)]本発明に用いる共
重合体(A−1)は、前記式(I)で示される構成単位
(i)30〜98モル%及び式(II)で示される構成単
位(ii)2〜70モル%の共重合体であるが、構成単位
(i)が30〜97モル%、構成単位(ii)が2〜45
モル%及び下記式(III)で示される構成単位(iii)が0
〜68モル%の共重合体であってもよく、特に構成単位
(i)が40〜96モル%、構成単位(ii)が3〜15
モル%及び構成単位(iii)が3〜50モル%の共重合体
であるとベースフイルムとの密着性やトップコート層と
の接着性に優れた制電性塗膜が得られるため好ましい。
【0024】
【化6】
【0025】[式(III)中、R2 はHまたはCH3 であ
り、R8 はシアノ基(−CN)、水酸基(−OH)、ア
ルコキシ基(−OR9 )、オキシラン基(下記式(IV-1)
で示される基)、アミノ基(−NH2 )、フェニル基
(−C6 5 )、ピリジル基(−C5 NH4 )、ハロゲ
ン基(−F、−Cl、−Br等)、カルバモイル基(−
CONH2 )、ブロックドイソシアネート基(−N=C
9 10)、アジリジン基(下記式(IV-2)で示される
基)、カルボン酸塩基(−COOM)、スルホン酸塩基
(−SO3 M)、リン酸塩基(−OP(=O)(OM)
2 )、リン酸エステル塩基(−OP(=O)(OM)
(OR11))、リン酸エステル基(−OP(=O)(O
112 )、アセテート基(−OCOCH3 )、4級窒
素とエステル結合とを有する基(下記式(IV-3)で示され
る基)及びこれらの基を末端に有する基からなる群から
選ばれた少なくとも一つの基である。]
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】上記式(III)で示される構成単位(iii)の
具体例としては、下記を挙げることができる。
【0030】R8 がシアノ基(−CN)の例:下記式
(III-1)
【0031】
【化10】
【0032】R8 が末端に水酸基(−OH)を有する基
の例:下記式(III-2)
【0033】
【化11】
【0034】R8 が末端にアルコキシ基(−OR9 )を
有する基の例:下記式(III-3)
【0035】
【化12】
【0036】ここで、R9 は炭素数が1〜5のアルキル
基である。
【0037】R8 が末端にオキシラン基を有する基の
例:下記式(III-4)
【0038】
【化13】
【0039】R8 が末端にアミノ基(−NH2 )を有す
る基の例:下記式(III-5)
【0040】
【化14】
【0041】R8 がフェニル基(−C6 5 )の例:下
記式(III-6)
【0042】
【化15】
【0043】R8 がピリジル基(−C5 NH4 )の例:
下記式(III-7)
【0044】
【化16】
【0045】R8 がハロゲン基(−Cl)の例:下記式
(III-8)
【0046】
【化17】
【0047】R8 がカルバモイル基(−CONH2 )基
の例:下記式(III-9)
【0048】
【化18】
【0049】R8 がブロックドイソシアネート基の例:
下記式(III-10)
【0050】
【化19】
【0051】R8 が末端にアジリジン基を有する基の
例:下記式(III-11)
【0052】
【化20】
【0053】R8 がカルボン酸塩基の例:下記式(III-
12)
【0054】
【化21】
【0055】(但し、Mは一価の金属) R8 がスルホン酸塩基の例:下記式(III-13)
【0056】
【化22】
【0057】(但し、Mは一価の金属) R8 が水素元素の少なくとも一つがスルホン酸塩基で置
換されたフェニル基の例:下記式(III-14)
【0058】
【化23】
【0059】(但し、Mは一価の金属) R8 が末端にリン酸エステル塩基を有する基の例:下記
式(III-15)
【0060】
【化24】
【0061】(但し、Mは一価の金属、R10は炭素数が
1〜40のアルキル基、nは2〜6の整数) R8 が末端にリン酸塩基を有する基の例:下記式(III-
16)
【0062】
【化25】
【0063】(但し、Mは一価の金属、nは2〜6の整
数) R8 が末端にリン酸エステル基を有する基の例:下記式
(III-17)
【0064】
【化26】
【0065】(但し、R10は炭素数が1〜40のアルキ
ル基、nは2〜6の整数) 4級窒素とエステル結合とを有する基、 R8 がアセテート基の例:下記式(III-18)
【0066】
【化27】
【0067】R8 が4級窒素とエステル結合とを有する
基の例:下記式(III-19)
【0068】
【化28】
【0069】(但し、R11は炭素数が1〜5のアルキル
基、Y- はハロゲンイオン、モノ又はポリハロゲン化ア
ルキルイオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオ
ン、アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオン
等のアニオン、nは2〜6の整数) 尚、構成単位(i)の割合が30モル%未満では制電性
塗膜の耐熱性が不足し、98モル%を超えると塗膜とベ
ースフイルムとの接着性が低下する。また、構成単位
(ii)が2モル%未満では制電性塗膜の制電性が不足
し、70モル%を超えると制電性塗膜の耐熱性が不足す
る。
【0070】本発明における共重合体(A−1)は、前
記の構成単位(i)及び(ii)からなる共重合体であ
り、下記の方法等により得ることができる。
【0071】例えば、共重合体(A−1)に構成単位
(i)を導入するには単量体としてアクリル酸エチル、
アクリル酸メチル、アクリル酸、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸アンモニウム、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸、メタ
クリル酸ブチル等を用い、これらの単量体を付加重合す
ることにより導入することができる。
【0072】また、共重合体(A−1)に構成単位(ii)
を導入するには、例えば下記の方法を用いることができ
る。即ち、単量体としてアクリル酸またはメタクリル酸
を含む単量体を付加重合することにより遊離のカルボキ
シル基を有する共重合体をつくり、この共重合体と、
N,N−ジアルキルアミノアルキルアミン(例えば、
N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエ
チルアミノプロピルアミン等)とを反応させアミド化し
て側鎖に3級アミノ基を有する共重合体とし、次いで、
この3級アミノ基の4級アルキル化反応をおこなって4
級カチオンイオン対を導入することにより共重合体(A
−1)に構成単位(ii)を導入することができる。
【0073】尚、構成単位(ii)は前記の式(II) で示さ
れる構造であり、式(II) で、R1、R2 はHまたはC
3 ;R3 は炭素数が2〜10アルキレン基;R4 、R
5 、R6 は炭素数が1〜15の飽和炭化水素基;R7
炭素数が1〜15の飽和炭化水素基または水素元素の少
なくとも一つがハロゲン元素で置換された炭素数が1〜
15の飽和炭化水素基である。
【0074】尚、構成単位(ii)は下記の式(II-1) で示
される構造であることが好ましい。
【0075】
【化29】
【0076】上記の(II-1)式示される構成単位として
は例えば、nが2〜4の整数、R6とR7 がメチル基及
び/又はエチル基のものを挙げることができる。具体的
にはnが3でR6 がC2 5 、R7 がC2 5 の構成単
位、或いはnが3、R6 がCH3 、R7 がCH3 の構成
単位を挙げることができ、かかる構成単位として例えば
下記式(II-2)〜式(II-5)で示されるものを挙げるこ
とができる。
【0077】
【化30】
【0078】
【化31】
【0079】
【化32】
【0080】
【化33】
【0081】本発明における共重合体(A−1)には、
前記の構成単位(iii) を構成成分として加えることがで
きるが、構成単位(iii) を共重合成分として導入するに
は例えば、前記のアクリル酸エステル系共重合体を得る
際に単量体としてアクリルアミド、N−メトキシメチル
アクリルアミド、N−メチロールアミド、スチレン、塩
化ビニル、メタリル酸ソーダ、グリシジルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ビニルスルホ
ン酸ソーダ、アクリルニトリル、ビニルピリジン、酢酸
ビニル、3−アジリジニルプロピルアクリレート、アリ
ルアミン、ブロックイソシアネート基置換エチルアクリ
レート、2−トリメチルアンモニウムエチルアクリレー
ト、Na−メチル−2−アクリルエチルホスフェート、
ジNa2−アクリルエチルホスフェート、ジメチル−2
−アクリルエチルホスフェート、或いは下記の式(III-
20) 〜式(III-23) で示される単量体を用いることがで
きる。
【0082】
【化34】
【0083】
【化35】
【0084】
【化36】
【0085】
【化37】
【0086】共重合体(A−1)の平均分子量(数平均
分子量)は任意であるが、1,000〜300,000
であることがが好ましい。この平均分子量が1,000
未満であると制電性塗膜の耐熱性や接着性が不足するこ
とがあるため好ましくない。また、平均分子量が30
0,000を越えると水性塗液の粘度が高くなりすぎフ
イルムに均一に塗布し難くなったり、制電性塗膜の接着
性が不足することがあるため好ましくない。
【0087】[バインダー樹脂]本発明における制電性
塗膜には、塗膜とベースフイルムとの接着をより強固な
ものとするため、帯電防止剤(A)とバインダー樹脂
(B)とが含まれることが好ましい。このバインダー樹
脂としてはポリエステル樹脂(B−1)、アクリル樹脂
(B−2)、アクリル変性ポリエステル樹脂(B−3)
等を例示することができ、これらの樹脂から選ばれる1
種以上の樹脂を用いることが好ましい。特にポリエステ
ル樹脂(B−1)或いはアクリル樹脂(B−2)を用い
ると、制電性塗膜とベースフイルムとの接着性が良好に
なるためが好ましく、ポリエステル樹脂(B−1)とア
クリル樹脂(B−2)とを併用すると接着性が良好で、
かつ制電性フイルムを回収し再使用する際に再生フイル
ムの着色を抑制できるため好ましい。ポリエステル樹脂
(B−1)とアクリル樹脂(B−2)とを併用する場合
は、ポリエステル樹脂(B−1)をアクリル樹脂(B−
2)よりも多い量用いることが好ましい。
【0088】[ポリエステル樹脂(B−1)]ポリエス
テル樹脂(B−1)は、ジカルボン酸成分とグリコール
成分とを構成成分とする線状ポリエステルである。
【0089】このジカルボン酸成分としてはテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4´
−ジフエニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
ドデカンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等を
好ましく例示することができる。
【0090】また、グリコール成分としてはエチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ビスフェノールA−アル
キレンオキシド付加体、水添ビスフェノールA−アルキ
レンオキシド付加体、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール等を好ましく例示することができる。
【0091】このポリエステル樹脂(B−1)には親水
性を付与するためにスルホン酸塩基を有する成分を共重
合することが好ましい。ポリエステル樹脂(B−1)に
親水性を付与すると、水性塗液中での分散性が良好とな
るので好ましい。かかる成分としては、例えば5−Na
スルホイソフタル酸、5−Kスルホイソフタル酸等を挙
げることができる。
【0092】ポリエステル樹脂(B−1)は、三官能以
上の多価化合物を実質的に線状のポリマーとなる範囲で
少量(例えば5モル%以下)共重合したものであっても
よい。かかる三官能以上の多価化合物としては、トリメ
リット酸、ピロメリット酸、ジメチロールプロピオン
酸、グリセリン、トリメチロールプロパン等を例示する
ことができる。
【0093】[アクリル樹脂(B−2)]アクリル樹脂
(B−2)は、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、
アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸ソーダ、ア
クリル酸アンモニウム、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸グリシジル、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メトキシ
メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド
等で例示されるアクリル系単量体を主成分とする重合体
或いは共重合体であり、例えばスチレン、α−メチルス
チレン、スチレンスルホン酸ソーダ、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルスル
ホン酸ソーダ、メタリル酸ソーダ等の共重合成分を共重
合したものであってもよい。
【0094】[アクリル変性ポリエステル樹脂(B−
3)]アクリル変性ポリエステル樹脂(B−3)は、前
記ポリエステル樹脂の存在下でアクリル系単量体を共重
合割合が50モル%以上となるようグラフト重合させて
得られる共重合体である。この共重合体を得るために用
いるアクリル系単量体としては、例えばアクリル酸エチ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ソーダ、アクリル酸アンモニウム、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、メタク
リルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド等を挙げることができる。
尚、スチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン
酸ソーダ、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、
ビニルエーテル、ビニルスルホン酸ソーダ、メタリル酸
ソーダ等の単量体を共重合成分として少量用いることも
できる。
【0095】[その他のバインダー樹脂]制電性塗膜に
は塗膜とベースフイルムとの接着性を調節するため上記
以外のバインダー樹脂を配合することができ、かかる樹
脂としては、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル
樹脂、ポリエーテル樹脂、水溶性樹脂等を挙げることが
できる。
【0096】[制電性塗膜]本発明における制電性塗膜
は、前記の帯電防止剤(A)を含む塗膜であるが、更に
バインダー樹脂(B)を含むことが好ましい。この場合
に制電性塗膜に含まれる帯電防止剤(A)とバインダー
樹脂(B)との割合は、下記式で示される範囲であるこ
とが塗膜のベースフイルムとの密着性と、塗膜の制電性
が優れたものになるため好ましい。
【0097】
【数1】10/90≦A/B≦90/10 上記の式中で、Aは制電性塗膜中の帯電防止剤(A)の
重量%、Bは制電性塗膜中のバインダー樹脂(B)の重
量%を示す。
【0098】[水性塗液]本発明においては、前記帯電
防止剤(A)を含む水性塗液を用いて制電性塗膜を塗設
するが、この水性塗液には制電性塗膜表面の滑り性を良
好なものとし、フイルムの耐ブロッキング性を良好なも
のとするため滑剤を添加することができる。かかる滑剤
としては、例えばポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メ
ラミン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、尿素樹脂、
ベンゾグアナミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂等の微粒子を挙げることができる。これらの樹脂の
微粒子は、制電性塗膜に微粒子状で含まれるものであれ
ば熱可塑性であっても熱硬化性のものであってもよい。
【0099】水性塗液には、更にその他の成分として界
面活性剤、酸化防止剤、帯電防止剤(A)以外の帯電防
止剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤、可塑剤、架橋剤、滑
り剤(ワックス等の滑り性付与剤)、紫外線吸収剤等を
配合することができる。
【0100】水性塗液の固形分濃度は、1〜30重量%
が好ましく、特に2〜20重量%が好ましい。固形分濃
度がこの範囲にあると水性塗液の粘度が塗布に適したも
のになる。本発明に用いる水性塗液は、水溶液、水分散
液、乳化液等任意の形態で用いることができる。また、
水性塗液には少量の溶剤が含まれていてもよい。
【0101】[制電性塗膜の塗設]本発明においては、
ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、前記水性塗
液を塗布し、加熱乾燥、延伸することにより制電性塗膜
を塗設するが、水性塗液の塗布方法としては、公知の任
意の塗工法が適用でき、例えばグラビアコート法、リバ
ースロールコート法、ダイコート法、キスコート法、リ
バースキスコート法、オフセットグラビアコート法、マ
イヤーバーコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコ
ート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコー
ト法等を単独または組み合わせて適用することができ
る。水性塗液のWET塗布量は走行しているフイルム1
2 当り1〜20g、特に2〜12gが好ましい。塗布
量がこの範囲であると乾燥が容易になり、かつ塗布斑が
生じ難いので好ましい。
【0102】本発明で水性塗液を塗布するポリエステル
フイルムとは、延伸可能なポリエステルフイルムであ
り、例えばポリエステルを熱溶融せしめ、そのままフイ
ルム状とした未延伸フイルム;未延伸フイルムを縦方向
(長手方向)または横方向(幅方向)の何れか一方に延
伸せしめた一軸延伸フイルム;縦方向或いは横方向の一
軸延伸フイルムを横方向或いは縦方向に逐次延伸せしめ
た(更に延伸可能な)二軸延伸フイルム、または未延伸
フイルムを縦方向および横方向の二方向に同時延伸せし
めた(更に延伸可能な)二軸延伸フイルムを挙げること
ができる。かかる延伸後のポリエステルフイルムの厚さ
は、2〜300μmが好ましい。
【0103】水性塗液は前記延伸可能なポリエステルフ
イルムのうち一軸延伸フイルム、特に縦方向の一軸延伸
フイルムに塗布することが、制電性塗膜の接着性が強固
なものになり、かつ効率良く制電性フイルムを製造でき
るため好ましい。例えば、ポリエステルを熱溶融し、シ
ート状に押出し冷却して未延伸フイルムとし、この未延
伸フイルムを縦方向に延伸して一軸延伸フイルムとした
後、水性塗液を塗布し、乾燥しつつ横方向に延伸し、必
要なら更に縦や横に再延伸した後熱処理して制電性塗膜
を塗設した制電性フイルムがつくられる。
【0104】水性塗液を塗布した後、乾燥させる温度は
80〜160℃とすることが塗液を迅速に乾燥させるこ
とができるため好ましい。この乾燥のための加熱はポリ
エステルフイルムを延伸する過程の加熱を兼ねことがで
きる。また、ポリエステルフイルムを熱処理する温度は
180〜250℃とすることができる。
【0105】塗設した制電性塗膜の厚さは0.005〜
3μm、特に0.015〜1μmが好ましい。塗膜の厚
さが0.005μmよりも薄いと制電性が不足すること
があり、1μmを超えると塗膜が削れ易くなることがあ
るため好ましくない。
【0106】[制電性フイルム]本発明の制電性フイル
ムの表面固有抵抗は、1×108 〜1×1013Ωである
ことが好ましく、特に1×109 〜1×1012Ωである
ことが好ましい。
【0107】白色ポリエステルフイルムをベースフイル
ムに用いた白色の制電性フイルムは特に磁気カード用に
好ましく用いられる。尚、ここでいう磁気カードとは、
例えば制電性フイルムの片面に磁気記録層を設け、もう
一方の面にUVインキ等による印刷層を設けたカードの
ことであり、フイルムの厚みは例えば100〜300μ
m、特に150〜250μmのものが好ましく用いられ
る。
【0108】また、透明ポリエステルフイルムをベース
フイルムに用いた透明制電性フイルムは磁気テープ、磁
気ディスク等の磁気記録材料や電子材料、グラフィック
フイルム、製版フイルム、OHPフイルム用に好ましく
用いられ、フイルムの厚みは用途により変わるが、例え
ば15〜160μm、特に25〜100μmのものが好
ましく用いられる。
【0109】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明する。各特性値は下記の方法で測定した。尚、例中の
平均分子量は数平均分子量を意味する。
【0110】1.表面固有抵抗 サンプルフイルムを19℃×32%RHで10時間放置
した後、フイルム塗布面の表面固有抵抗を振動容量型電
位差測定器TR―84M型(タケダ理研社製)を用いて
測定した。尚、印加電圧は100Voltとした。
【0111】2.磁気塗料接着力 サンプルフイルムの制電性塗膜塗設面(制電性塗膜を塗
設していないフイルムはフイルムの片面)に下記の評価
用塗料を塗布し乾燥後、34℃で24時間エージングす
ることにより厚さ5μmの磁性塗膜を塗設した。この磁
性塗膜の表面に粘着テープを貼り、幅1/2インチにス
リットした後、磁性塗膜面と制電性塗膜面(制電性塗膜
を塗設していないフイルムはフイルム表面)との剥離強
度(g)を180度剥離試験により測定し、得られて値
を磁気塗料接着力とした。
【0112】[評価用塗料] ウレタン樹脂 ニッポラン2304(日本ポリウレタ
ン(株)製):固形分として25重量部、塩化ビニル
・酢酸ビニル共重合樹脂 エスレックA(積水化学
(株)製):固形分として50重量部、分散剤 レシ
オンP(理研ビタミン(株)製):固形分として1重量
部、磁性剤 CXT−860(戸田化学(株)製):
固形分として500重量部を40%溶液として分散させ
た後、架橋剤 コロネートL::固形分として25重
量部を加え撹拌して調整した。
【0113】[実施例1]固有粘度0.63のポリエチ
レンテレフタレートを溶融して冷却ドラム上にキャスト
し、次いで92℃にて縦方向に3.4倍延伸して一軸延
伸フイルムとした。この一軸延伸フイルムの片面に、ア
クリル酸エチル成分15モル%、メタクリル酸エチル成
分61モル%、アクリロニトリル成分5モル%、スチレ
ン成分14モル%及び前記(II-4)式([−CH2 CH
−(CONH)(CH2 4 + (CH3 3 ][CH
3 SO3 - ])の成分5モル%の共重合体(a−1:平
均分子量6,870)53重量%、ジカルボン酸成分が
テレフタル酸(46モル%)及びイソフタル酸(54モ
ル%)、グリコール成分がエチレングリコ−ル(77モ
ル%)、ジエチレングリコ−ル(11モル%)、ヘキサ
ングリコ−ル(7モル%)及びポリエチレングリコ−ル
(5モル%)の共重合体であるポリエステル樹脂(b−
1:平均分子量17,500)35重量%並びにポリオ
キシエチレンノニルフェニルエ−テル(c−1:ポリオ
キシエチレンの繰り返し単位数=9)12重量%からな
る組成物の5重量%水性液をグラビアコーターで塗布し
た。次いで塗布フイルムを102℃で乾燥後、104℃
で横方向に3.9倍延伸し、217℃で熱処理して制電
性塗膜を塗設した厚さ195μmのフイルムをつくっ
た。フイルムの制電性塗膜の厚さは0.17μm、光透
過率は82%であった。このフイルムの特性を表1に示
す。
【0114】[比較例1]水性液を塗布しない以外は実
施例1と同様にして得たフイルムの特性を表1に示す。
【0115】[実施例2〜8および比較例2]塗液の組
成、塗布厚さを表1に記載のように変更した以外は実施
例1と同様にして得たフイルムの特性を表1に示す。
【0116】[実施例9]酸化チタン11重量%含む固
有粘度0.63のポリエチレンテレフタレートをベース
フイルムに使用し、フイルム厚みを180μmとし、塗
液の組成、塗布厚さを表1に記載のように変更した以外
は実施例1と同様にして光線透過率が1%のフイルムを
得た。このフイルムの特性を表1に示す。
【0117】
【表1】
【0118】表1の制電性塗膜組成において帯電防止剤
[a−1]、[a−2]、[a−3]、[a−4]、
[a−5]、[a−6]、バインダー樹脂[b−1]、
[b−2]、[b−3]およびその他の成分[c−1]
はそれぞれ下記の共重合体、化合物あるいは混合物であ
る。
【0119】[a−1]:アクリル酸エチル成分15モ
ル%、メタクリル酸エチル成分61モル%、アクリロニ
トリル成分5モル%、スチレン成分14モル%及び前記
(II-4)式([−CH2 CH−(CONH)(CH2
4 + (CH3 3 ][CH 3 SO3 - ])の成分5モ
ル%の共重合体(平均分子量6,870) [a−2]:アクリル酸エチル成分33モル%、メタク
リル酸エチル成分45モル%、アクリルアミド成分8モ
ル%、N−メトキシメチルアクリルアミド成分7モル%
及び前記(II-2)式([−CH2 CH−(CONH)
(CH2 3 +(CH3 3 ][CH3 SO3 - ])
の成分7モル%の共重合体(平均分子量5,670) [a−3]:アクリル酸エチル成分21モル%、メタク
リル酸エチル成分61モル%、前記(III-23)式(−C
2 CH−(COO)(CH2 3 OP(=O)(ON
a)2 )の成分10モル%、前記(II-2)式([−CH
2 CH−(CONH)(CH2 3 + (CH3 3
[CH3 SO3 - ])の成分5モル%及び前記(III-2
0)式([−CH2 CH−(COO)(CH2 5 +
(CH3 3 ][CH3 SO3 - ])の成分3モル%の
共重合体(平均分子量7,220) [a−4]:アクリル酸エチル成分16モル%、メタク
リル酸エチル成分63モル%、グリシジルメタクリレー
ト成分11モル%、N−メチロールアクリルアミド成分
3モル%及び前記(II-2)式([−CH2 CH−(CO
NH)(CH23 + (CH3 3 ][CH3 SO3
- ])の成分7モル%の共重合体(平均分子量9,80
0) [a−5]:アクリル酸エチル成分94モル%及び前記
(II-3)式([−CH 2 CH−(CONH)(CH2
3 + (CH3 3 ][C2 5 SO3 - ])の成分6
モル%の共重合体(平均分子量8,700) [a−6]:スチレン43モル%、スチレンスルホン酸
ソーダ36モル%、アクリル酸メチル11モル%及び2
−ヒドロキシエチルアクリレート10モル%を重合して
得られた共重合体(平均分子量24,500) [b−1]:ジカルボン酸成分がテレフタル酸(46モ
ル%)及びイソフタル酸(54モル%)、グリコール成
分がエチレングリコール(77モル%)、ジエチレング
リコール(11モル%)、ヘキサングリコール(7モル
%)及びポリエチレングリコール(5モル%)の共重合
体であるポリエステル樹脂(b−1:平均分子量24,
500) [b−2]:ポリエステル樹脂b−1(平均分子量2
4,500)61重量%と、アクリル酸エチル成分24
モル%、アクリル酸カリ成分3モル%、メタクリル酸メ
チル成分56モル%、メタクリル酸グリシジル成分8モ
ル%、2−ヒドロキシエチルアクリレート成分5モル%
及びN−メトキシメチルアクリルアミド成分4モル%の
共重合体(平均分子量39,700)39重量%との混
合物 [b−3]:ポリエステル樹脂b−1(平均分子量2
4,500)58重量部に対し、アクリル酸メチル25
モル%、アクリル酸アンモニウム5モル%、メタクリル
酸エチル61モル%及びメタクリル酸グリシジル9モル
%からなる単量体42重量部をグラフト重合して得られ
た共重合体(平均分子量28,600) [c−1]:ポリオキシエチレンノニルフェニルエ−テ
ル(ポリオキシエチレンの繰り返し単位数=9)
【0120】
【発明の効果】本発明の制電性フイルムは、特定構造の
帯電防止剤を用いるので帯電防止剤の背面転写性に優
れ、かつ比較的薄い制電性塗膜でも高い制電性が得られ
るため磁気カードや包装材料、写真材料、グラフィック
材料、製版フイルム、OHPフイルム、磁気記録媒体等
に有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、下記式(I)で示される構成単位(i)30〜98
    モル%及び下記式(II)で示される構成単位(ii)2〜
    70モル%の共重合体(A−1)を主成分とする帯電防
    止剤(A)を含む水性塗液を塗布し、乾燥、延伸してつ
    くられた制電性塗膜が設けられている制電性フイルム。 【化1】 [式(I)中、R1 、R2 はHまたはCH3 ;XはHま
    たは炭素数が1〜10の飽和炭化水素基] 【化2】 [式(II)中、R1 、R2 はHまたはCH3 ;R3 は炭素
    数が2〜10アルキレン基;R4 、R5 、R6 は炭素数
    が1〜15の飽和炭化水素基;R7 は炭素数が1〜15
    の飽和炭化水素基または水素元素の少なくとも一つがハ
    ロゲン元素で置換された炭素数が1〜15の飽和炭化水
    素基]
  2. 【請求項2】 共重合体(A−1)が、上記式(I)で
    示される構成単位(i)30〜97モル%、上記式(I
    I)で示される構成単位(ii)2〜45モル%及び下記
    式(III)で示される構成単位(iii)0〜68モル%の共
    重合体である請求項1記載の制電性フイルム。 【化3】 [式(III)中、R2 はHまたはCH3 であり、R8 はシ
    アノ基、水酸基、アルコキシ基、オキシラン基、アミノ
    基、フェニル基、ピリジル基、ハロゲン基、カルバモイ
    ル基、ブロックドイソシアネート基、アジリジン基、カ
    ルボン酸塩基、スルホン酸塩基、リン酸塩基、リン酸エ
    ステル塩基、リン酸エステル基、アセテート基、4級窒
    素とエステル結合とを有する基及びこれらの基を末端に
    有する基からなる群から選ばれた少なくとも一つの基で
    ある。]
  3. 【請求項3】 水性塗液が、帯電防止剤(A)10〜9
    0重量%と、ポリエステル樹脂(B−1)、アクリル樹
    脂(B−2)およびアクリル変性ポリエステル樹脂(B
    −3)からなる群から選ばれた少なくとも1種のバイン
    ダー樹脂(B)10〜90重量%からなる組成物を含む
    水性塗液である請求項1記載の制電性フイルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004043790A (ja) * 2002-05-22 2004-02-12 Kyoeisha Chem Co Ltd 帯電防止コーティング剤組成物
JP2006002074A (ja) * 2004-06-18 2006-01-05 Takemoto Oil & Fat Co Ltd 熱可塑性高分子用帯電防止剤及び熱可塑性高分子成形体の帯電防止方法並びに帯電防止性熱可塑性高分子成形体
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