JPH08281486A - 鋼製柱・梁接合部の溶接方法および裏当金 - Google Patents

鋼製柱・梁接合部の溶接方法および裏当金

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JPH08281486A
JPH08281486A JP12987495A JP12987495A JPH08281486A JP H08281486 A JPH08281486 A JP H08281486A JP 12987495 A JP12987495 A JP 12987495A JP 12987495 A JP12987495 A JP 12987495A JP H08281486 A JPH08281486 A JP H08281486A
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JP
Japan
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tensile strength
yield stress
steel
stress
welding
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JP12987495A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shimanuki
広志 島貫
Junichi Kobayashi
順一 小林
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接接合を行う鉄骨構造物において、裏当金
と鉄骨の未溶着によって発生する構造的応力集中部から
の脆性破壊に対する抵抗力を高めることを目的とする。 【構成】 鋼製柱・梁接合部を溶接する方法において、
溶接する柱および梁の降伏応力および引張強度未満の降
伏応力および引張強度を持つ鋼製裏当金を使用し、また
溶接材料には溶接により生成される溶接金属の降伏応力
および引張強度が鋼製裏当金の降伏応力および引張強度
以上となるものを用いて溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶接接合を行う鉄骨構造
物において、裏当金と鉄骨の未溶着によって発生する構
造的応力集中部からの脆性破壊に対する抵抗力を高める
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄骨構造物は溶接による鋼材の接合によ
って組み立てられる部分が多い。特に鉄骨建築構造物で
は柱と梁の接合に図1に示す形状の溶接が行われること
が多く、図1のAの部分に応力集中が起こる。ここで図
1の(a)図は柱・梁の接合部の斜視図で、(b)図は
X部の拡大図であり、1Aは柱のウェブ、1Bは柱のフ
ランジ、2Aは梁のウェブ、2Bは梁のフランジ、3は
ダイヤフラム、4は裏当金、5は溶接金属であり、6は
地震等による曲げ変位を示している。特に、応力集中部
では歪の拘束を受けやすいため、大地震時には降伏応力
の2倍を越えるような高い応力が発生することもある。
また、鋼材は応力がその鋼材特有の限界劈開破壊応力に
達すると脆性破壊すると言われている。
【0003】上記の2つの理由により鉄骨構造は大きな
応力がかかったとき図1のAで示した様な部位から脆性
破壊することがある。このような破壊を防止するために
は応力集中の起こりにくい形状にする。劈開破壊応
力の高い鋼材を鉄骨に使用することが考えられる。
【0004】しかし、について、従来の方法として
は、裏当金を溶接後に除去する方法(特開平5−803
3号公報「鉄骨構造における溶接接合法」)や図1の
B,C部を隅肉溶接する方法(特開平4−143073
号公報「疲労特性に優れた柱と梁の溶接方法」)でA部
の応力集中を軽減していた。また、裏当金の形状を工夫
することで溶接時の溶け込み量を多くし、溶接部強度を
増す方法(特開平6−226497号公報「溶接裏当金
具」)も発明されている。しかし、これらの方法では加
工工程が増大し、費用や工期の面から不利となる。
【0005】また、については、通常、鉄骨鋼材につ
いて劈開破壊応力を測定することは行われておらず、一
般的試験法としても十分確立されていないため、鋼材の
破壊特性がわかっていないことが多い。このため、劈開
破壊応力の高い鋼材を選択するのは困難である。さら
に、溶接部からの破壊であるため溶接条件、溶接仕上が
りによっても破壊条件が大きく変化するため、鉄骨鋼材
や溶接材料の選択だけでは破壊を防止するのは難しかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の鉄骨建築構造物
の溶接接合部からの破壊を防止する方法は加工工程が増
大し、費用や工期の問題があった。また、劈開破壊応力
の高い鋼材の選択も劈開破壊応力を求める方法が十分確
立されていないため困難であった。本発明は鉄骨建築構
造物に大地震等において大きな荷重がかかった場合の溶
接接合部からの脆性破壊事故を減少させることを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、鋼製柱・梁接合部を溶接する方法に
おいて、溶接する柱および梁の降伏応力および引張強度
未満の降伏応力および引張強度を持つ鋼製裏当金を使用
し、また溶接材料には溶接により生成される溶接金属の
降伏応力および引張強度が鋼製裏当金の降伏応力および
引張強度以上となるものを用いて溶接することを特徴と
する鋼製柱・梁接合部の溶接方法である。また、ここに
おいて柱、梁および溶接金属の降伏応力が325N/m
2以上の場合には、柱、梁および溶接金属の降伏応力
および規格引張強度に対し、裏当金の降伏応力および引
張強度が30%以上低いことも特徴とする。
【0008】また、鋼製柱・梁接合部の溶接継手に使用
する鋼製裏当金において、当該裏当金の降伏応力および
引張強度が、溶接する柱、梁および当該溶接継手の溶接
金属それぞれの降伏応力および引張強度未満であること
を特徴とする鋼製柱・梁接合部用裏当金である。ここに
おいて裏当金の降伏応力および引張強度はそれぞれ21
5N/mm2 以下および400N/mm2 以下であるこ
とも特徴とする。ここで、降伏応力とは引張試験におい
て降伏点が生じる時は下降伏点の応力を、降伏点が生じ
ない時には0.2%伸びのときの応力を指すものとす
る。
【0009】
【作用】本発明者らは裏当金と鉄骨の未溶着によって生
じる構造的応力集中部から発生する脆性破壊に対する抵
抗力を高めるため、裏当金と鉄骨に作用する応力を低下
させる方法について研究し、裏当金の強度を変化させる
ことにより応力集中部の応力を制御できることを発見し
た。
【0010】例えば、梁に図1に示す様な引張、曲げの
変位が付与されると、柱、梁、溶接金属に対して裏当金
の降伏応力と引張強度が低い場合には、降伏応力の低い
裏当金が初めに塑性変形するため、応力の集中する図1
のA部の応力の上昇は小さくなる。このため、図1のA
部からの脆性破壊の発生が起こりにくくなる。そして、
図1のA部の応力は裏当金の降伏応力と引張強度とが、
柱、梁および溶接金属のそれぞれ降伏応力および引張強
度より低いほど低下する。
【0011】また、鋼材は同一鋼種であってもばらつき
があることや、構造物の設計上、強度の異なる鉄骨を組
み合わせて溶接すること、また、溶接金属強度も柱や梁
と異なることがあることを考慮し、本発明の効果が発揮
できるよう、本発明の裏当金の降伏応力と引張強度を以
下のように限定する。
【0012】(1)裏当金として、柱、梁および溶接金
属の規格最低降伏応力ならびに規格引張強度より低い降
伏応力および引張強度を持つ鋼材を使用する。さらに、
以下の条件を満足することが好ましい。 (2)使用する柱、梁および溶接金属の降伏応力が32
5N/mm2 以上の場合には使用する柱、梁および溶接
金属の降伏応力および規格引張強度に対し、裏当金の降
伏応力および引張強度が30%以上低いものを使用す
る。 (3)より望むらくは、裏当金に降伏応力および引張強
度がそれぞれ215N/mm2 以下および400N/m
2 以下である鋼材を使用する。
【0013】溶接接合部の強度が過度に低いと変形時に
溶接金属に歪集中が起こるため、溶接材料としては、溶
接により生成される溶接金属の降伏応力が柱および梁の
降伏応力の90%以上となるものを用いることが好まし
い。
【0014】溶接方法は図2の溶接部の図に示すよう
に、溶接部の梁フランジ2B側開先をレ型とし、図2の
寸法Dで示した開先角度は10〜45度、寸法Gで示し
たルートギャップは5〜10mmをとり、寸法Cが梁フ
ランジ2B板厚寸法Tの1/20〜1/2厚の裏当金4
を使用して溶接することが好ましい。また、本発明の方
法は溶接方法の種類に関係なく用いることができ、溶接
条件もそれぞれの溶接法に適した条件で行うことができ
る。
【0015】
【実施例】本発明の実施例として以下の方法で溶接組立
したH形鋼の柱梁接合部の曲げ試験結果の一例を取り上
げ説明する。
【0016】柱および梁には溶接構造用鋼のSM490
Aを用いて溶接により柱は図3、梁は図4に示す断面形
状のH形鋼を製作して用いた。用いたSM490Aの降
伏応力は350N/mm2 、引張強度は550N/mm
2 である。なお、比較例として裏当金に柱と梁と同様の
SM490Aを用い、本発明例の裏当金には降伏応力が
210N/mm2 、引張強度365N/mm2 の極軟鋼
を用いた。
【0017】上記のように製作したH形鋼を用いて図5
に示すディテールを持つ柱梁接合部を製作した。試験片
全体の形状を図6に示すが、1が柱、2が梁である。柱
フランジと梁フランジの接合はCO2 ガスシールド半自
動溶接で行った。なお、溶接ワイヤは1.4mm径のJ
IS Z3312 YGW11相当を使用し、入熱条件
は23kJ/cmで溶接を行った。
【0018】以上の方法で製作した柱・梁接合部の曲げ
試験を行った。載荷方向は図6において7の矢印で示し
た。試験の結果、比較例は最大荷重が560kN、曲げ
変位23cmで脆性破壊が発生し、破断した。これに対
し本発明では荷重580kN、曲げ変位40cmでも破
壊は発生しなかった。以上の結果から本発明の有効性が
確認された。
【0019】
【発明の効果】接合部に地震時想定する大きな荷重がか
かったさい、図1のA部は応力集中により降伏応力の2
倍を越えるような高応力状態となるが、本発明を用いた
溶接部では裏当金が変形しやすいため、A部の変形に伴
う応力の上昇が緩和される。この結果として、従来の施
工法による鉄骨構造溶接接合部よりも本発明の施工を行
った鉄骨構造溶接接合部の破壊強度が上昇する。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉄骨構造の溶接接合部の例を示す(a)斜視図
と、破壊発生危険部位を示す(b)拡大図
【図2】溶接接合部開先形状を示す図
【図3】実施例の試験体用の柱の断面図
【図4】実施例の試験体用の梁の断面図
【図5】実施例の試験体溶接接合部開先形状を示す図
【図6】実施例の試験体の全体図
【符号の説明】
1 柱 1A 柱のウェブ 1B 柱のフランジ 2 梁 2A 梁のウェブ 2B 梁のフランジ 3 ダイヤフラム 4 裏当金 5 溶接金属 A 応力集中部位

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製柱・梁接合部を溶接する方法におい
    て、溶接する柱および梁の降伏応力および引張強度未満
    の降伏応力および引張強度を持つ鋼製裏当金を使用し、
    また溶接材料には溶接により生成される溶接金属の降伏
    応力および引張強度が鋼製裏当金の降伏応力および引張
    強度以上となるものを用いて溶接することを特徴とする
    鋼製柱・梁接合部の溶接方法。
  2. 【請求項2】 柱、梁および溶接金属の降伏応力が32
    5N/mm2 以上の場合には、柱、梁および溶接金属の
    降伏応力および規格引張強度に対し、裏当金の降伏応力
    および引張強度が30%以上低いことを特徴とする請求
    項1記載の鋼製柱・梁接合部の溶接方法。
  3. 【請求項3】 鋼製柱・梁接合部の溶接継手に使用する
    鋼製裏当金において、当該裏当金の降伏応力および引張
    強度が、溶接する柱、梁および当該溶接継手の溶接金属
    それぞれの降伏応力および引張強度未満であることを特
    徴とする鋼製柱・梁接合部用裏当金。
  4. 【請求項4】 裏当金の降伏応力および引張強度はそれ
    ぞれ215N/mm2 以下および400N/mm2 以下
    であることを特徴とする請求項3記載の鋼製柱・梁接合
    部用裏当金。
JP12987495A 1995-04-07 1995-04-07 鋼製柱・梁接合部の溶接方法および裏当金 Withdrawn JPH08281486A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011245522A (ja) * 2010-05-27 2011-12-08 Sumitomo Metal Ind Ltd 鋼材の溶接継手構造
JP2013230479A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 鋼材の溶接継手構造
CN104588928A (zh) * 2014-11-28 2015-05-06 柳州振业焊接机电设备制造有限公司 一种全自动输送焊接装置的垫铜板

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Effective date: 20020702