JPH08281278A - シアン含有廃水の処理方法 - Google Patents

シアン含有廃水の処理方法

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JPH08281278A
JPH08281278A JP9243295A JP9243295A JPH08281278A JP H08281278 A JPH08281278 A JP H08281278A JP 9243295 A JP9243295 A JP 9243295A JP 9243295 A JP9243295 A JP 9243295A JP H08281278 A JPH08281278 A JP H08281278A
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JP
Japan
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reaction tower
temperature
waste water
sludge
cyanide
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JP9243295A
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English (en)
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Michio Futagawa
道夫 二川
Yoshiaki Harada
吉明 原田
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】付加的な処理を必要とすることなく、シアン含
有廃水中のシアンを実質的に完全に且つ安価に分解し得
る新たな技術を提供することを主な目的とする。 【構成】I.(1)反応塔内において、シアン含有廃水
を150℃以上の温度且つ廃水が液相を維持する圧力に
保ちつつ、廃水中のシアン化合物、窒素化合物、有機性
物質および無機性物質を分解するに必要な理論酸素量未
満の酸素の存在下に湿式酸化処理する工程、(2)上記
(1)の工程で生成したスラッジおよび/または金属成
分を反応塔から除去する工程、および(3)上記(1)
の工程で得られた高温高圧の処理液を常温常圧に戻した
後、スラッジおよび/または金属成分を分離除去するこ
とにより、最終処理液を得る工程を備えたことを特徴と
するシアン含有廃水の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遊離シアン、シアン錯
塩、シアン錯イオン、金属シアンなどを含むシアン含有
廃水(以下においては、これらの廃水を単にシアン含有
廃水ということがある)の処理方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】シアン含有廃水中のシアン分
解方法としては、塩素系薬品、オゾン、鉄塩などの薬剤
による処理法のほかに、熱分解乃至熱加水法などの種々
の方法が提案されている。
【0003】例えば、特公昭52−45679号は、
「150℃以上の温度において加熱処理することを特徴
とするテトラシアノニッケル酸塩・シアン廃液の処理方
法」を開示している。
【0004】特公昭55−50718号は、「鉄シアン
錯イオンを含むシアン廃液を、該廃液中の鉄シアン錯イ
オン/モルあたり2モル以上のアルカリ金属水酸化物の
共存下において140℃以上の温度で加熱処理すること
を特徴とする鉄シアン錯イオンを含むシアン廃液の処理
方法」を開示している。
【0005】特開平1−115490号は、基本的に
は、シアン廃液を予熱後、加熱用蒸気により高温高圧下
で熱加水分解する方法を開示している。
【0006】特開平1−194997号は、「シアン含
有液中のシアンを熱分解した熱分解液を、通性嫌気性菌
を馴養変性させた好気性菌にて処理することを特徴とす
るシアン含有液の処理方法」を開示している。
【0007】しかしながら、薬剤による処理は、経済性
の面からも適用できる廃水中のシアン濃度に限界があ
り、また鉄塩を加えて難溶性錯塩とする方法は、シアン
を含むスラッジの処理を必要とする。
【0008】さらに、熱分解法には、(イ)シアン錯イ
オンの種類によっては、シアン化合物を完全に分解する
ために長時間を必要とするので、通常の処理方法では、
処理後のスラッジ中にシアンの一部が残留する、(ロ)
このため、処理水をさらに生物処理する方法が提案され
ているが(特開平1−194997号参照)、この方法
では、特定の菌体による処理が必要である、(ハ)処理
方法が回分式である場合には、大量の廃水処理には適さ
ない、などの問題点がある。
【0009】一般的には、シアンを含むスラッジは、有
害廃棄物として処理する必要がある。また、従来の処理
方法によれば、高濃度シアン含有廃液の処理は、工程が
複雑となり、処理コストが高くなる、などの問題点があ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、付
加的な処理を必要とすることなく、シアン含有廃水中の
シアンを実質的に完全に且つ安価に分解し得る新たな技
術を提供することを主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
技術の現状に鑑みて種々研究を重ねた結果、特定の条件
下にシアン含有廃水を湿式酸化処理する場合には、上記
の課題をほぼ達成し得ることを見出した。
【0012】即ち、本発明は、下記の方法を提供するも
のである; I.(1)反応塔内において、シアン含有廃水を150
℃以上の温度且つ廃水が液相を維持する圧力に保ちつ
つ、廃水中のシアン化合物、窒素化合物、有機性物質お
よび無機性物質を分解するに必要な理論酸素量未満の酸
素の存在下に湿式酸化処理する工程、(2)上記(1)
の工程で生成したスラッジおよび/または金属成分を反
応塔から除去する工程、および(3)上記(1)の工程
で得られた高温高圧の処理液を常温常圧に戻した後、ス
ラッジおよび/または金属成分を分離除去することによ
り、最終処理液を得る工程を備えたことを特徴とするシ
アン含有廃水の処理方法。
【0013】II.(1)反応塔内において、シアン含
有廃水を150℃以上の温度且つ廃水が液相を維持する
圧力に保ちつつ、廃水中のシアン化合物、窒素化合物、
有機性物質および無機性物質を分解するに必要な理論酸
素量未満の酸素の存在下且つ無機充填体の少なくとも1
種の存在下に湿式酸化処理する工程、(2)上記(1)
の工程で生成したスラッジおよび/または金属成分を反
応塔から除去する工程、および(3)上記(1)の工程
で得られた高温高圧の処理液を常温常圧に戻した後、ス
ラッジおよび/または金属成分を分離除去することによ
り、最終処理液を得る工程を備えたことを特徴とするシ
アン含有廃水の処理方法。
【0014】なお、以下においては、上記IおよびII
の発明をそれぞれ本願第1発明および本願第2発明とい
い、両発明を総括する場合には、単に本発明という。
【0015】本発明が対象とするシアン含有廃水は、特
に限定されず、メッキ産業から排出される各種のシアン
含有廃液、鉄鋼類の軟窒化処理、液体浸炭処理、化成処
理などの表面処理に使用されるシアン液、これらの表面
処理過程から排出されるシアン廃液などが例示される。
これらのシアン含有廃水は、さらに各種の有機性および
無機性の物質(ギ酸、酢酸などの有機酸など)、アンモ
ニアなどの各種の窒素化合物(本明細書においては、シ
アン化合物以外のアンモニアなどの窒素化合物を単に窒
素化合物という)、トリクロロエチレンなどの有機塩素
化合物などを併せて含有している場合もある。
【0016】本発明は、さらに、Mg、Al、Si、
P、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Cdなどの金属成分の1種または2種以上を
含む廃水または汚泥類の処理にも、有用である。この様
な金属成分を含む廃水或いは汚泥類としては、厨芥、
紙、プラスチック類などを含む生活廃水、し尿、製紙工
場廃水、製薬工場廃水、石炭の液化或いはガス化に伴い
発生する廃水、都市ゴミの熱分解に伴い発生する廃水、
産業廃水の生物処理(嫌気性処理、好気性処理)に伴い
発生する汚泥、下水汚泥、下水汚泥の油化に伴い発生す
る廃水、写真廃水、印刷廃水、農薬関連廃水、染色廃
水、半導体製造工場廃水などの各種の廃水或いは汚泥類
が例示される。
【0017】以下図面を参照しつつ、本願第1発明およ
び本願第2発明について詳細に説明する。以下において
は、説明を簡略とするために、シアン含有廃水を対象と
する場合について説明する。
【0018】I.本願第1発明 図1は、本願第1発明の概要を示すフローシートであ
る。
【0019】シアン含有廃液は、廃水貯槽1からポンプ
2により所定の圧力まで昇圧され、さらに圧縮機7によ
り予め昇圧された酸素含有ガスを混合された後、熱交換
器3を経て反応塔4に供給される。熱交換器3の熱源と
しては、反応塔4からの高温の処理済液を循環させて使
用する。冬季などにおいて反応時に所定の反応温度を維
持できない場合或いは所定の温度までの昇温を必要とす
る場合などには、蒸気発生器8から反応塔4に蒸気を供
給することもできる。また、図示はしないが、スタート
アップに際して反応塔内温度を所定温度とするために、
熱交換器3と反応塔4との間に加熱装置を設けることも
できる。
【0020】反応時の温度は、通常150℃程度以上、
より好ましくは150〜300℃程度である。反応時の
温度が高い程、シアン化合物分解除去率が高まり、また
反応塔内での廃水滞留時間も短縮されるが、反面におい
て設備費が増大するので、反応温度は、廃水中のシアン
化合物濃度、要求される処理の程度、運転費、建設費な
どを総合的に考慮して、定めれば良い。反応時の圧力
は、所定温度において廃水が液相を保持し得る圧力以上
であれば良い。
【0021】シアン含有廃水に添加される酸素量は、シ
アン化合物、窒素化合物、有機性および無機性の物質を
無害の生成物にまで分解するに必要な理論酸素量未満、
より好ましくは理論酸素量の0.001〜0.5倍量程
度とする。酸素量が理論酸素量の0.001倍を下回る
場合には、シアン化合物などの分解が不十分となるのに
対し、0.5倍量を上回っても、分解効率のそれ以上の
改善は認められない。酸素源としては、空気、酸素富化
空気、酸素、不純物としてシアン化水素、硫化水素、ア
ンモニア、硫黄酸化物、有機硫黄化合物、窒素酸化物、
炭化水素などの1種または2種以上を含有する酸素含有
廃ガスなどが例示される。
【0022】反応塔4の内部には、複数の棚段(トレ
イ)を設けることにより、反応を促進することができ
る。
【0023】反応塔4には、時間の経過とともに、スラ
ッジ(例えば、廃水が鉄シアン錯イオン含有廃水である
場合には、黒色のFe34を主成分とする)が堆積す
る。堆積したスラッジは、反応塔4下方のバルブaを開
けて、反応塔5内のスラッジ液をタンク20に移送した
後、バルブaを閉じることにより、除去することが出来
る。タンク20には、必要に応じて蒸気発生器8から蒸
気を供給し、スラッジ中のシアンを完全に分解すること
が出来る。タンク20には、スラッジおよび/または金
属成分が次第に堆積してくるので、バルブbを開けて、
スラッジ液を排出する。反応塔4内で生成したスラッジ
は、例えば、上記の様なロックホッパ方式により、プラ
ントの操業を停止することなく、スラッジを定期的に抜
き出すことが出来る。
【0024】さらに、上記のようなスラッジ抜き出し操
作を行っても、反応塔4の内部にスラッジが残存する場
合には、反応塔4内に適宜空気、水、蒸気、薬剤溶液な
どにより清浄処理乃至洗浄し、スラッジを除去すること
が好ましい。薬剤洗浄を行う場合の一例として、20〜
90℃程度、好ましくは80℃程度の5%HNO3水溶
液による洗浄と5%NaOH水溶液による洗浄を挙げる
ことができる。熱交換器3などの他の機器についても、
必要に応じ同様の清浄処理乃至洗浄を行うことができ
る。
【0025】また、シアン含有廃水は、150℃程度以
上で特にシアンの分解反応が促進され、スラッジが形成
される傾向にある。従って、熱交換器3におけるスラッ
ジの堆積を抑制するために、熱交換に使用される反応塔
4からの第一次処理液に対し、後述の最終処理済液12
の一部を循環混合して、熱交換器3におけるシアン含有
廃水の温度を150℃程度に抑制することが好ましい。
【0026】反応塔4を出た第一次処理液は、前述の様
に熱交換器3においてシアン含有廃水を予熱した後、冷
却塔5に送られて冷却され、次いで気液分離器6に入
り、気相成分9と液相成分10とに分離される。液相成
分10は、固液分離器11に送られ、最終処理済液12
と固形分(スラッジ)13とに分離される。固液分離
は、重力沈降による分離、磁石による分離、フィルター
プレスによる分離、凝集沈殿分離などの方法で行うこと
ができる。
【0027】固液分離器11からの最終処理済液12中
には、分解生成物としてアンモニア、ギ酸などが含まれ
るので、これを常法に従って、アンモニアの除去および
活性汚泥処理などの生物学的処理に供しても良い。ま
た、熱交換器3で熱交換を終えた最終処理済液12をフ
ラッシュさせることにより、処理済液中に含まれるアン
モニアを硫酸含有水、水などにより吸収除去したり、或
いは公知の触媒を用いて気相下で分解させ、液相を生物
学的に処理することができる。
【0028】II.本願第2発明 図2は、本願第2発明の概要を示すフローシートであ
る。
【0029】本願第2発明は、反応塔4内に金属酸化物
および金属の少なくとも1種からなる充填体が充填され
ている以外の点では、実質的に本願第1発明と異なると
ころはない。
【0030】この様な金属酸化物充填体および/または
金属充填体を充填しておくことにより、反応塔4内での
ピストンフローによる反応促進効果が達成される。従っ
て、充填体を使用しない場合に比して、反応条件を緩和
することが可能となり、また同一の反応条件下では、シ
アン含有廃水の処理効率が向上し、処理時間が短縮され
る。
【0031】金属酸化物充填体および金属充填体として
は、特に限定されず、公知の触媒の担体として使用され
ているものを使用することができる。金属酸化物充填体
としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、
これら金属酸化物を含む複合金属酸化物(アルミナ−シ
リカ、アルミナ−シリカ−ジルコニア、チタニア−ジル
コニアなど)、これら金属酸化物または複合金属酸化物
を主成分とする金属酸化物系充填体などが挙げられ、金
属充填体としては、鉄、アルミニウムなどが挙げれる。
これらの充填体中では、耐久性に優れたジルコニア、チ
タニアおよびチタニア−ジルコニアがより好ましい。
【0032】充填体の形状も、特に限定されず、球状、
ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状、ハニカム状な
どが挙げられる。この様な充填を使用する場合の反応塔
容積は、固定床の場合には、液の空間速度が0.5〜1
0Hr-1程度、より好ましくは1〜5Hr-1程度となる
様にするのが良い。固定床で使用する充填体の大きさ
は、球状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状など
の場合には、通常3〜50mm程度、より好ましくは5
〜25mm程度である。また、充填体をハニカム状で使
用する場合のハニカム構造体としては、開口部が四角
形、六角形、円形などの任意の形状のものが使用され
る。単位容積当たりの面積、開口率なども特に限定され
るものではないが、通常単位容積当りの面積として20
0〜800m2/m3 、開口率40〜80%程度のものを
使用する。ハニカム構造体の材質としても、上記と同様
の金属酸化物および金属が例示され、耐久性に優れたジ
ルコニア、チタニアおよびチタニア−ジルコニアがより
好ましい。
【0033】反応塔4内で流動床を形成させる場合に
は、反応塔内で充填体が流動床を形成し得る量、即ち通
常シアン含有廃水の重量を基準として、0.01〜20
%程度、より好ましくは0.05〜10%程度を廃水に
スラリー状に懸濁させ、使用する。流動床を採用する場
合には、充填体をシアン含有廃水中にスラリー状に懸濁
させた状態で反応塔14に供給し、反応終了後に塔外に
排出された第一次次処理液から充填体を沈降、遠心分離
などの適当な方法により分離回収し、再使用する。従っ
て、第一次処理液からの触媒の分離回収の容易さを考慮
すれば、流動床において使用する充填体の粒径は、0.
15〜0.5mm程度とすることがより好ましい。
【0034】
【発明の効果】本発明方法によれば、廃水中のシアン錯
イオンおよびシアンが実質的に完全に分解され、最終処
理済液および生成されるスラッジ中に殆ど含まれなくな
る。
【0035】また、形成されるスラッジは、沈降性に優
れており、取扱が容易である。
【0036】さらに、本発明方法によれば、各工程が連
続的に実施され、処理フローが極めて簡単なので、処理
コスト(設備費、運転費など)が著しく低下するととも
に、工程管理が容易となる。
【0037】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
【0038】実施例1 図1に示すフローに従って、本願第1発明により、表1
に組成を示すシアン錯イオン含有廃液を処理した。
【0039】
【表1】
【0040】pH10.6のシアン含有廃水を空間速度
1.0Hr-1(空塔基準)および質量速度14.15m
3・m-2・Hr-1で反応塔4に供給しつつ、空気を空間
速度3.2Hr-1(空塔基準、標準状態換算)で供給し
た。空気供給量は、理論酸素量(82.5Nm3/k
l)の0.023倍量に相当する量であった。
【0041】反応に際しては、廃水および空気を熱交換
器3の入口側に導入するとともに、熱交換器3の出口側
(反応塔4の入口側)での気液混合物の温度が150℃
となる様に、最終処理済液12の一部を反応塔4からの
第一次処理液に循環混合して、温度調節を行なった。ま
た、反応塔4には、蒸気発生器8から蒸気を送給するこ
とにより、反応塔4内を温度220℃、圧力30kg・
cm-2に保持した。なお、反応塔4には、70cmおき
に棚段を取り付けた。
【0042】反応塔4内で形成されるスラッジ乃至金属
成分は、反応塔4の下部に設けたバルブaを開き、反応
塔4内のスラッジ液をタンク20に移送した後、バルブ
aを閉じることにより、除去した。タンク20内に堆積
するスラッジの除去は、蒸気発生器8からタンク20に
蒸気を導入して約220℃に30分間保持した後、冷却
し、次いでバルブbを開いてスラッジ液を排出すること
により、行った。
【0043】次いで、得られた第一次処理液を冷却し、
気液分離し、固液分離器11で固液分離することにより
得られた液相の組成を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表1と表2との対比から明らかな様に、廃
水中のシアン成分は、実質的に分解されて、アンモニア
とギ酸とに転換された。
【0046】また、気液分離器6で得られた気相9は、
実質的にO2、N2およびCO2からなっていた。
【0047】反応塔4からタンク20に送られた後、蒸
気処理されて分離されたスラッジは、黒色を呈してお
り、Fe23およびFe34を主成分とし、その他の成
分として、P25、Na2O、ZnO、SiO2などを含
み、CN含有量は1mg・kg-1未満で、沈降性の良好
な沈殿物であった。
【0048】比較例1 反応塔4に供給されるシアン含有廃水に空気を供給しな
い以外は実施例1と同様にして前記表1に示す組成のシ
アン含有廃水の処理を行なった。
【0049】最終処理済液中のT−CNは、0.8mg
・l-1であり、シアンは完全には処理されていない。ま
た、処理済液中のNH3−Nは、9100mg・l-1
あり、TOCは、6950mg・l-1であった。
【0050】反応塔4下部からタンク20を経て直接抜
出されたスラッジは、黒色を呈しており、Fe34を主
成分とし、その他の成分として、P25、Na2O、Z
nO、SiO2などを含み、CN含有量は195mg・
kg-1で、沈降性の低い沈殿物であった。
【0051】これに対し、実施例1と同様にしてタンク
20に堆積させたスラッジに蒸気を導入して処理するこ
とにより得られたスラッジ液では、シアン含有量は、1
mg・kg-1未満であった。
【0052】実施例2および比較例2〜7 最終処理済液の循環量を制御することにより、表3に示
すように、熱交換器3の出口側(反応器4の入り口側)
における気液混合物の温度を種々調整する以外は実施例
1と同様にしてシアン含有廃水の湿式酸化処理を行っ
た。
【0053】
【表3】
【0054】シアン錯体成分などの分解による熱交換
器、加熱器およびこれらの配管内でのスラッジ生成量を
実施例1(熱交換器3の出口側温度150℃)における
生成量を基準(100)として表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】表4に示す結果から明らかな様に、熱交換
器出口温度が150℃を上回る様にシアン含有廃水の加
熱を行う場合には、熱交換器、加熱器およびこれらの配
管内でのスラッジ生成量が増大するので、圧力損失が大
きくなる。従って、ジェット水流洗浄、薬剤洗浄などに
より、これらの機器類から定期的に生成スラッジを除去
する必要がある。
【0057】すなわち、安定した運転を継続的に行いう
る時間は、実施例1に比して、比較例7では、約1/2
00に過ぎない。換言すれば、熱交換器3の出口側温度
を150℃以下に調整することにより、スラッジの形成
を抑制しつつ、装置全体の運転を長期にわたり安定して
行うことができる。
【0058】比較例8および実施例3〜6 表5に示す様に、反応塔4に供給する空気量(理論酸素
量を1とする場合の相対的酸素量に相当する空気の量)
を種々変える以外は、実施例1と同様にしてシアン含有
廃水の湿式酸化処理を行った。
【0059】
【表5】
【0060】空気供給量が理論酸素量の0.001倍に
相当する量に満たない比較例8の場合には、処理済液中
にT−CNが0.35mg・l-1検出された。これに対
し、実施例3〜6では、処理済液中のT−CNは0.1
mg・l-1未満であった。
【0061】なお、理論酸素量の0.5倍に相当する量
以上の空気を供給する場合にも、処理済液中のT−CN
は、0.1mg・l-1未満であったが、圧縮動力費の増
大、系内の液蒸発量の増加による加熱燃料(或いは蒸気
量)の増加などの不利益を伴うので、好ましくない。
【0062】実施例7 図2に示すフローに従って、表1に組成を示すシアン錯
イオン含有廃液を本願第2発明により処理した。
【0063】即ち、反応塔4に径5mmのチタニア球体
を充填する以外は実施例1と同様にして反応を行った。
【0064】反応塔4からの第一次処理液の水質および
気液分離後のスラッジを実施例1のそれらと同様(処理
済液のT−CN=0.1mg・l-1以下、スラッジ中の
CN含有量=1mg・kg-1以下)とするために必要な
反応塔4における滞留時間は、実施例1に比して、約1
5%短縮された。また、反応塔4の下部および固液分離
器11から得られた黒色のスラッジは、沈降性の良好な
沈殿物であった。
【0065】なお、充填体として、上記のチタニア球体
に代えてジルコニア球体或いはチタニア−ジルコニア球
体を使用する場合にも、同様な効果が達成された。
【0066】実施例8〜11 反応塔4における処理温度を種々変える以外は実施例7
と同様にして前記表1に組成を示すシアン錯イオン含有
廃液を処理し、実施例7とほぼ同様の水質を有する最終
処理済液を得た。実施例7における反応塔4の滞留時間
を100とした場合の結果を表6に示す。
【0067】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1発明の概要を示すフローシートであ
る。
【図2】本願第2発明の概要を示すフローシートであ
る。
【符号の説明】
1…廃水貯槽 2…ポンプ 3…熱交換器 4…反応塔 5…冷却器 6…気液分離器 7…圧縮機 8…蒸気発生器 9…気相 10…液相 11…固液分離器 12…最終処理液 13…固形分 20…タンク

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)反応塔内において、シアン含有廃水
    を150℃以上の温度且つ廃水が液相を維持する圧力に
    保ちつつ、廃水中のシアン化合物、窒素化合物、有機性
    物質および無機性物質を分解するに必要な理論酸素量未
    満の酸素の存在下に湿式酸化処理する工程、(2)上記
    (1)の工程で生成したスラッジおよび/または金属成
    分を反応塔から除去する工程、および(3)上記(1)
    の工程で得られた高温高圧の処理液を常温常圧に戻した
    後、スラッジおよび/または金属成分を分離除去するこ
    とにより、最終処理液を得る工程を備えたことを特徴と
    するシアン含有廃水の処理方法。
  2. 【請求項2】酸素量が、理論酸素量の0.001〜0.
    5倍量である請求項1に記載の廃水の処理方法。
  3. 【請求項3】処理温度が、150〜300℃である請求
    項1に記載の廃水の処理方法。
  4. 【請求項4】シアン含有廃水を最終処理液との熱交換に
    より予め150℃までの温度に加熱した後、湿式酸化処
    理に供する請求項1〜3のいずれかに記載の廃水の処理
    方法。
  5. 【請求項5】反応塔内に蒸気を送入して昇温する請求項
    1〜4のいずれかに記載の廃水の方法。
  6. 【請求項6】複数の棚段を設けた反応塔内で反応を行う
    請求項1〜5のいずれかに記載の廃水の処理方法。
  7. 【請求項7】(1)反応塔内において、シアン含有廃水
    を150℃以上の温度且つ廃水が液相を維持する圧力に
    保ちつつ、廃水中のシアン化合物、窒素化合物、有機性
    物質および無機性物質を分解するに必要な理論酸素量未
    満の酸素の存在下且つ無機充填体の少なくとも1種の存
    在下に湿式酸化処理する工程、(2)上記(1)の工程
    で生成したスラッジおよび/または金属成分を反応塔か
    ら除去する工程、および(3)上記(1)の工程で得ら
    れた高温高圧の処理液を常温常圧に戻した後、スラッジ
    および/または金属成分を分離除去することにより、最
    終処理液を得る工程を備えたことを特徴とするシアン含
    有廃水の処理方法。
  8. 【請求項8】酸素量が、理論酸素量の0.001〜0.
    5倍量である請求項7に記載の廃水の処理方法。
  9. 【請求項9】処理温度が、150〜300℃である請求
    項7に記載の廃水の処理方法。
  10. 【請求項10】シアン含有廃水を最終処理液との熱交換
    により予め150℃までの温度に加熱した後、湿式酸化
    処理に供する請求項7〜9のいずれかに記載の廃水の処
    理方法。
  11. 【請求項11】反応塔内に蒸気を送入して昇温する請求
    項7〜10のいずれかに記載の廃水の方法。
  12. 【請求項12】無機充填体が、チタニアおよびジルコニ
    アの少なくとも1種である請求項7〜11のいずれかに
    記載の廃水の処理方法。
  13. 【請求項13】複数の棚段を設けた反応塔内で反応を行
    う請求項7〜12のいずれかに記載の廃水の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107814461A (zh) * 2017-11-10 2018-03-20 苏州苏沃特环境科技有限公司 一种含氰化物废水的处理装置及方法

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