JPH08281019A - 脱水管 - Google Patents

脱水管

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JPH08281019A
JPH08281019A JP7117995A JP11799595A JPH08281019A JP H08281019 A JPH08281019 A JP H08281019A JP 7117995 A JP7117995 A JP 7117995A JP 11799595 A JP11799595 A JP 11799595A JP H08281019 A JPH08281019 A JP H08281019A
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dehydrated
dehydration
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cylinder
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JP7117995A
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Yasuhiro Yugawa
恭啓 湯川
Tetsuo Fujii
哲夫 藤井
Yasuyuki Mino
泰之 三野
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Yamahiro Co Ltd
Original Assignee
Yamahiro Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特別な動力を必要とせずに、被脱水物を圧送
するポンプの圧送力のみで脱水を可能にし、構造が簡単
で、機械的に故障するような構造部分がなく安価で簡便
な脱水管を得ることを目的とする。 【構成】 所定長さでテーパ状外周面を備え芯体2の周
囲に、多数の微小な開口3aを有する円筒形の濾過筒3
を芯体2と同芯状に配設して、両者間に、一端側から他
端側に向かって通路断面積が減少する被脱水物通路5を
形成し、かつ、被脱水物通路5の一端側がポンプ12か
ら圧送される被脱水物の入口5aとし、他端側を脱水さ
れた残滓の出口5bとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脱水管、詳しくは、主と
してダム工事、トンネル工事、現場打ち基礎杭工事、連
続地中壁工事、河川、湖沼等の浚渫工事等の土木工事現
場から排出される懸濁成分を含む泥水及び汚泥、下水処
理場の汚泥及び各種工場から排出される懸濁成分を含む
泥水及び汚泥の処理に用いられる脱水管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばダム工事、トンネル工事、
現場打ち基礎杭工事、連続地中壁工事、河川、湖沼等の
浚渫工事等の土木作業時には、多量の泥水が発生する
が、これらの泥水をそのまま放流したのでは、河川を汚
したり、土壌を汚染したりするため、通常は、泥水中に
高分子凝集剤を添加して、泥水中の懸濁成分としての泥
土等の粒子をフロック化する凝集処理を行い、その処理
物を脱水機で機械的に絞ってケーキ状に脱水し、泥水か
ら懸濁成分を取り除いてできるだけ清水のようにしてか
ら放流するようにしている。
【0003】そして、この種の泥水及び汚泥処理設備に
用いられる脱水機としては、ベルトプレス、フィルター
プレス、スクリュープレス、遠心脱水機等があり、脱水
機の選択は、被脱水物の凝集フロックの大きさ、量、脱
水性及び脱水後の残滓、つまり脱水ケーキの含水率の期
待値の大小等によって行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の上記
脱水機は、いずれも動力を必要とする機械的な絞り機構
を備えた構造であるため、その構造が大型で機構的に複
雑であると共に、機械的な絞り機構部分が故障するとい
った恐れがあり、その上、設置面積が広く必要であるば
かりか、イニシャルコストやランニングコストが高価と
なる問題があった。
【0005】また、泥水及び汚泥処理設備のうち、凝集
処理を行う凝集設備は年々小型化が図られているが、上
記脱水機に関しては、いずれも動力を必要とする機械的
な絞り機構を備えた構造であるため、その小型化や簡素
化が困難となっていた。
【0006】一方、脱水機の選択は、被脱水物の凝集フ
ロックの大きさや量に左右されるが、泥水及び汚泥処理
の場合一般的な高分子凝集剤では凝集フロックが小さく
て弱く濾布式の脱水機構が必要とされ、脱水機の選択肢
が狭められていた。ところが、近年、特開平6−182
349号公報に開示されているように汚水にアルギン酸
ナトリウム及び反応遅延剤を溶解した後、マグネシウム
塩および水銀塩を除く2価以上の金属塩を添加して上記
懸濁成分を凝集させるようにしたものが提案されてお
り、この凝集処理方法によれば、凝集フロックが大き
く、強くて壊れにくく絞り易い性質を有するものが得ら
れるようになっている。
【0007】しかし、上記のように被脱水物の凝集フロ
ックが大きくて壊れにくく、さらに脱水性がよくて脱水
ケーキの含水率がそれ程低い値でなくてもよいといった
場合の脱水処理についても、依然として、上記動力を必
要とする機械的な絞り機構を備えた大掛かりな脱水機が
用いられているのが現状である。
【0008】本発明は従来における上記のような実情に
対処するもので、被脱水物から水を分離脱水する設備と
して、特別な動力を必要とせずに、被脱水物を圧送する
ポンプの圧送力のみで脱水を可能にし、構造が簡単で機
械的に故障するような構造部分がなく、その上、安価
で、既存のスラッジポンプにも容易に装着できる簡便な
脱水管を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0010】まず、本願の請求項1に係る発明(以下、
第1発明という)は、所定長さの芯体と、該芯体の周囲
に同芯状に配設された多数の微小な開口を有する濾過筒
とを有し、これら芯体と濾過筒との少なくとも一方を円
錐状として、両者間に、一端側から他端側に向かって通
路断面積が減少する被脱水物通路を形成すると共に、被
脱水物通路の一端側をポンプから圧送される被脱水物の
入口とし、他端側を脱水された残滓の出口としたことを
特徴とする。
【0011】また、請求項2に係る発明(以下、第2発
明という)は、芯体が入口から出口に至る程大径となる
テーパ状外周面を備えており、濾過筒が円筒形を呈して
いることを特徴とする。
【0012】また、請求項3に係る発明(以下、第3発
明という)は、濾過筒の周囲に、該濾過筒の開口を通過
した水を集合させて排水する外管を配設したことを特徴
とする。
【0013】また、請求項4に係る発明(以下、第4発
明という)は、濾過筒を、多数の断面くさび形の棒状ワ
イヤー部材をその底面を内側に向け、かつ隣り合うワイ
ヤー部材間に長手方向に延びる微小な隙間を開けて円筒
状に配置して構成したことを特徴とする。
【0014】また、請求項5に係る発明(以下、第5発
明という)は、芯体のテーパ状外周面に、スパイラル部
を設けたことを特徴とする。
【0015】
【作用】上記の各発明によれば、それぞれ次のような作
用が得られる。
【0016】まず、第1発明によれば、被脱水物の凝集
フロックが大きくて壊れにくく、さらに脱水性がよくて
脱水ケーキの含水率がそれ程低い値でなくてもよいとい
った脱水処理を行う場合、被脱水物をポンプにより被脱
水物通路の入口から圧入して、該ポンプの圧送力で被脱
水物を、通路断面積が一端側から下端側に向かって減少
する被脱水物通路を通過させることにより、被脱水物に
圧縮作用を与えて該被脱水物中の水分を濾過筒の開口か
ら外部に絞り出して脱水し、残った残滓を被脱水物通路
の出口から排出することが可能となる。その結果、特別
な動力を必要とせずに、被脱水物を圧送するポンプの圧
送力のみで脱水を可能にし、構造が簡単で、機械的に故
障するような構造部分がなく、その上、安価で、既存の
スラッジポンプにも容易に装着できて簡便に脱水処理が
行えることになる。
【0017】また、第2発明によれば、第1発明の効果
に加えて、多数の微小な開口を有する濾過筒が円筒形で
あるため、該濾過筒の製造が容易となる。
【0018】また、第3発明によれば、濾過筒の開口か
ら絞り出された水は、濾過筒の周囲に配設された外管に
受けられ、該外管に設けられた排水口から排水管などを
介して排水されることになる。
【0019】また、第4発明によれば、濾過筒を、断面
くさび形の棒状ワイヤー部材により構成し、そのくさび
の底面が内側に位置して開口部分が内側から外側に向か
うに従って次第に広く開口するように形成したので、脱
水時における被脱水物の開口部分への目詰まりが少な
く、被脱水物の出口側への移動もスムーズに行なうこと
が可能となり、また、脱水処理後、濾過筒の開口部分を
水圧で洗う場合にも、外部から外側が拡開していること
により開口部分の内側まで容易に洗浄することが可能と
なる。その上、隣り合う棒状ワイヤー部材間に開口、つ
まり隙間を設ける際、微小の隙間も容易に形成すること
が可能で、例えば1mm以下の孔の加工が困難な多孔板
に較べて隙間の設定自由度が高く、被脱水物に応じて最
適な濾過筒を選択することが可能となる。
【0020】また、第5発明によれば、被脱水物通路内
に圧入された被脱水物は、被脱水物通路内を流下する際
に、芯体の外周面に設けられたスパイラル部により分断
されながら旋回されて流下することになり、これにより
濾過筒による被脱水物の絞り面が変更されて、被脱水物
の一部分だけを偏って絞るといったことなく全体を均一
状に絞ることが可能となる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0022】図1は、本発明の脱水管を適用した泥水処
理装置の概略図を示し、該処理装置10は、泥水Sを一
旦収容する原水タンク11と、原水タンク11内の泥水
Sを圧送するためのポンプ12と、該ポンプ12で圧送
される泥水Sにアルギン酸ナトリウム及びりん酸塩など
の反応遅延剤を供給する第1供給装置13と、泥水Sと
アルギン酸ナトリウム及び反応遅延剤を混合する第1混
合機14と、これらの混合物にマグネシウム塩および水
銀塩を除く2価以上の金属塩、例えば塩化カルシウムな
どを添加する第2供給装置15と、これら混合物と金属
塩を混合する第2混合機16と、該混合機16で上記金
属塩が混合されて懸濁成分が比較的大きく、脱水し易い
状態に凝集された凝集フロツクを脱水して濾過水とケー
キ状に脱水された残滓(以下脱水ケーキと称す)Cとに
分離する脱水管1とを備えている。
【0023】しかして、上記脱水管1は、図2に示した
ように、所定長さで、一端側から他端側に至る程大径と
したテーパ状外周面2aを有する芯体2と、該芯体2と
同芯状で、該芯体2の周囲に配設された多数の微小な開
口3aを有する円筒形を呈する濾過筒3と、該濾過筒3
の周囲に配設される外管4とを備えている。
【0024】上記芯体2は、両端部が閉鎖断面とされた
テーパ管からなる。なお、芯体2は断面が中実のテーパ
軸であってもよい。
【0025】上記濾過筒3は、図5及び図6に示すよう
に多数の断面くさび形の棒状ワイヤー部材31から構成
されており、各ワイヤー部材31の底面31aを内側に
向け、かつ隣り合うワイヤー部材31,31間に長手方
向に延びる微小な隙間、つまり開口3aを開けて円筒形
状に配置され、かつ、これら各ワイヤー部材31の外周
を多数の環状連結部材32により連結固定されて円筒形
状に形成されている。
【0026】そして、この濾過筒3内に、上記芯体2が
同芯状に挿通されて、これら濾過筒3と芯体2とがスぺ
ーサ33を介して一体的に固定されている。これによ
り、両者間に、一端側から他端側に向かって通路断面積
が減少する被脱水物通路5が形成されていると共に、被
脱水物通路5の一端側がポンプ12から圧送される被脱
水物の入口5aとされ、他端側が脱水された脱水ケーキ
Cの出口5bとされている。
【0027】上記外管4は、円筒管からなり、上記濾過
筒3の周囲全面を覆うようにスペーサ41を介して濾過
筒3に固定されている。この外管4の上記入口5a側に
は、被脱水物の圧送ポンプ12における配送管17の吐
出口17aに着脱可能な接続部42が設けられており、
該接続部42の吐出口17aへの接続により、配送管1
7と濾過筒3とが連通するようになっている。なお、上
記接続部42は、既存のスラッジポンプのなど配送管に
直接或はアダプターを介して接続できる構造とするのが
好ましい。
【0028】また、外管4の上記出口5b側には、図2
に示すように脱水ケーキCの排出口43が形成されてい
ると共に、上記出口5bをスプリング44の押圧力によ
って閉鎖する蓋体45が設けられていて、脱水Cが所定
濃度となり、ポンプ12による押出力がスプリング44
の押圧力に打ち勝つことにより、蓋体45が後退して脱
水ケーキCが排出されるようになっている。加えて、蓋
体45の出口5bへのスプリング44による押圧力を調
整して蓋体45の開放時の圧力を調整するねじ式の圧力
調整機構46が設けられている。この圧力調整機構46
は、蓋体45から後方に向かって突出し、外管4の後壁
40を貫通するねじ体46aと、該ねじ体46aの先端
ねじ部46bに螺合する調整ナット46cとからなり、
該ナット46cの先端ねじ部46bに対する螺合位置を
変更して、ロックねじ46dによりナット46cをその
変更位置で固定することにより、脱水後の脱水ケーキC
の含水率を任意に調整することが可能となっている。
【0029】なお、脱水後の脱水ケーキCの含水率を調
整する手段としては、上記したように蓋体45の出口5
bに対する押圧力を調整する圧力調整機構46を用いる
他、たとえば図7に示したように濾過筒3の出口5b側
における濾過筒3と芯体2との間における開口幅a、つ
まり通路断面積を調整する開口幅調整機構52などを用
いてもよい。
【0030】その場合、開口幅調整機構52は、図7に
示したように、濾過筒3内に、外周にスペ−サ33を固
定した中実のテーパ軸からなる芯体2を軸方向に摺動自
在に支持する一方、外管4の後壁40に、先端が上記芯
体2の後端部に相対回転可能に当接保持されるねじ体5
3を進退自在に設けた構成としている。そして、上記ね
じ体53をたとえばクランク状のハンドル(図示せず)
などの適宜回転手段により濾過筒3の出口5b側に向か
って前進させて、上記芯体2を濾過筒3の入口5a側に
摺動させることにより、該芯体2の後端を濾過筒3内に
入り込ませて出口5bの開口幅aを狭ばめることがで
き、また、該ねじ体53を後退させて上記芯体2を外管
4の後壁40側に摺動させることにより、該芯体2の後
端を濾過筒3の後端よりも後退させて出口5bの開口幅
aを広げることができ、かかる開口幅aの調整により、
脱水後の脱水ケーキCの含水率を任意に調整することが
できる。また、このねじ式の開口幅調整機構52に代え
て、シリンダ式の開口幅調整機構を用いてもよい。
【0031】また、上記外管4の底部には、絞り出され
た処理水を排水する排水口47が複数設けられていると
共に、これら排水口47には、排水管48が接続されて
いる。さらに、外管4の上部には、図3に示すように脱
水管1を持ち運びするための提手50が設けられてお
り、また、外管4の両側面には濾過筒3の目詰まり等を
点検したり、清掃を行うための把手51a付き点検蓋5
1が取外し可能に複数個設けられている。
【0032】次に、以上のように構成する本発明の脱水
管を備えた泥水処理装置を用いて、泥水Sを凝集フロッ
クが大きくて壊れにくく、さらに脱水性のよい被脱水物
に凝集処理し、その上で脱水処理を行う場合について説
明する。
【0033】先ず、泥水Sは、一旦原水タンク11に収
容された後、ポンプ12により第1混合機14に送られ
る。このとき、泥水Sが第1混合機14に至る途中で第
1供給装置13によりアルギン酸ナトリウム及び反応遅
延剤が配送管17内に供給され、その上で第1混合機1
4内において泥水Sとアルギン酸ナトリウム及び反応遅
延剤とが混合され、泥水Sにアルギン酸ナトリウム及び
反応遅延剤が溶解される。次に、この混合物が第2混合
機に送られる。このとき、混合物が第2混合機16に至
る途中で第2供給装置13によりが配送管17内にマグ
ネシウム塩および水銀塩を除く2価以上の金属塩が添加
され、その上で第2混合機16において上記混合物とマ
グネシウム塩および水銀塩を除く2価以上の金属塩とが
混合され、上記泥水Sの懸濁成分が比較的大きくて壊れ
にくく、脱水し易い凝集フロックとして凝集されること
になる。これにより、懸濁成分が比較的大きくて壊れに
くく、脱水し易い凝集フロックとなった状態の被脱水物
が脱水管1へと圧送されることになる。
【0034】そして脱水管1では、入口5aからポンプ
12を介して圧入された被脱水物は、入口5a側から出
口5b側に至る程大径となるテーパ外周面2aにより濾
過筒3側への押圧作用を受けながら通路断面積が入口5
a側から出口5b側に向かって減少する被脱水物通路5
を通過することになる。これにより、被脱水物中の水分
が濾過筒3の隙間3a部分から外部に絞り出されて、残
った脱水ケーキCが所定濃度となり、ポンプ12による
押出力がスプリング44の力に打ち勝つことにより、蓋
体45が後退して脱水ケーキCが出口5bから押出さ
れ、外管4の排出口43を介して外部に排出されること
になる。
【0035】また、濾過筒3から絞り出された処理水
は、濾過筒3の周囲に配設された外管4に受けられ、該
外管4の底部に設けられた排水口47から排水管48を
介して外部に排水されることになる。
【0036】その結果、特別な動力を必要とせずに、被
脱水物を圧送するポンプの圧送力のみで脱水を行うこと
ができる。
【0037】また、上記濾過筒3の入口5a側に、被脱
水物を圧送するポンプ12の配送管17における吐出口
17aに接続する接続部42が着脱可能に設けられお
り、かつ、外管4の上部には、脱水管1を持ち運びする
ための提手50が設けられているから、該脱水管1を持
ち運びすることが可能で、該脱水管1の上記接続部42
を既存のスラッジポンプの配送管の吐出口にも容易に接
続することができて、簡易脱水設備を直ちに設置するこ
とが可能となる。
【0038】また、濾過筒3が、断面くさび形の棒状ワ
イヤー部材31により構成され、そのくさびの底面31
aが内側に位置して開口3a部分が内側から外側に向か
うに従って次第に広く開口するように形成されているの
で、脱水時における被脱水物の開口a部分への目詰まり
が少なく、被脱水物の出口5b側への移動がスムーズ行
われ、また、脱水処理後、外管4の把手付き点検蓋51
を開いて濾過筒3の隙間3a部分を水圧で洗浄する場合
にも、上記隙間3a部分が内側よりも外側が広く開口し
ているので隙間3a部分の内側まで容易に洗浄すること
ができる。その上、隣り合う棒状ワイヤー部材31の隙
間3aを調整することにより1mm以下の隙間3aも容
易に形成することが可能で、例えば1mm以下の孔の加
工が困難な多孔板による濾過筒に較べて隙間の設定自由
度が高く、被脱水物に応じて最適な隙間3aをもった濾
過筒3を選択することが可能となる。
【0039】また、被脱水物が、ポンプ12による脱水
管1への圧入時に、比較的流動性が良いといった性状を
有する場合には、図8に示すように芯体2のテーパ状外
周面に、スパイラル形のフィン又は溝からなるスパイラ
ル部21を部分的或は全長に亙って設けてもよい。この
場合、濾過筒3の入口2aから圧入された被脱水物は、
通路断面積が入口5a側から出口5b側に向かって減少
する被脱水物通路5を通過する際に、スパイラル部21
により被脱水物が切断されながら旋回されて絞り面が順
次変更されることになり、これにより、被脱水物の一部
分だけを偏って絞るといったことなく全体を均一状に絞
ることが可能となり、脱水効果を高めることが可能とな
る。
【0040】以上の実施例では、テーパ管からなる芯体
2と、円筒形を呈する濾過筒3とを用いたものについて
説明したけれども、この他、例えば芯体2を円柱状と
し、濾過筒3を円錐状としたものであってもよいし、ま
た、両方とも円錐状として、両者間に一端側から下端側
に向かって通路断面積が減少する被脱水物通路5を形成
するようにしてもよい。さらに、濾過筒3としては、上
記したように断面くさび形の棒状ワイヤー部材31によ
り構成する他、多孔板を筒状に形成したものを用いても
よい。また、被脱水物としては、上述した泥水や汚泥を
凝集処理したものに何ら限定されるものではなく、例え
ば工場排水や食品排水等にも広く適用できることは勿論
である。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、それぞ
れ次のような効果が得られる。
【0042】まず、第1発明によれば、被脱水物の凝集
フロックが大きくて壊れにくく、さらに脱水性がよくて
脱水ケーキの含水率がそれ程低い値でなくてもよいとい
った脱水処理を行う場合に、被脱水物をポンプにより被
脱水物通路の入口から圧入して、該ポンプの圧送力で被
脱水物を、通路断面積が一端側から下端側に向かって減
少する被脱水物通路を通過させることにより、被脱水物
に圧縮作用を与えて該被脱水物中の水分を濾過筒の開口
から外部に絞り出して脱水し、残った残滓を被脱水物通
路の出口から排出することができる。その結果、特別な
動力を必要とせずに、被脱水物を圧送するポンプの圧送
力のみで脱水を可能にし、構造が簡単で、機械的に故障
するような構造部分がなく、その上、安価で、既存のス
ラッジポンプにも容易に装着できて簡便に脱水処理が行
えることになる。
【0043】また、第2発明によれば、被脱水物通路の
入口から圧送ポンプを介して圧入された被脱水物は、入
口側から出口側に至る程大径となる芯体のテーパ状外周
面により円筒形の濾過筒側に押圧されながら被脱水物通
路を通過することなり、被脱水物中の水分が濾過筒の開
口から外部に絞り出されて脱水され、残滓は出口から排
出されることになる。この場合、多数の微小な開口を有
する濾過筒が円筒形であるため、該濾過筒の製造が容易
となる。
【0044】また、第3発明によれば、濾過筒の開口か
ら絞り出された水は、濾過筒の周囲に配設された外管に
受けられ、該外管に設けられた排水口から排水管などを
介して排水されることになる。
【0045】また、第4発明によれば、濾過筒が、断面
くさび形の棒状ワイヤー部材により構成され、そのくさ
びの底面が内側に位置して開口部分が内側から外側に向
かうに従って次第に広く開口するように形成されている
ので、脱水時における被脱水物の開口部分への目詰まり
が少なく、被脱水物の出口側への移動もスムーズ行わ
れ、また、脱水処理後、濾過筒の開口部分を水圧で洗う
場合にも、外部から外側が拡開していることにより開口
部分の内側まで容易に洗浄することができる。その上、
隣り合う棒状ワイヤー部材間に開口、つまり隙間を設け
る際、微小の隙間も容易に形成することが可能で、例え
ば1mm以下の孔の加工が困難な多孔板に較べて隙間の
設定自由度が高く、被脱水物に応じて最適な濾過筒を選
択することが可能となる。
【0046】また、第5発明によれば、被脱水物通路内
に圧入された被脱水物は、被脱水物通路内を流下する際
に、芯体の外周面に設けられたスパイラル部により分断
されながら旋回されて流下することになり、これにより
濾過筒による被脱水物の絞り面が変更されて、被脱水物
の一部分だけを偏って絞るといったことなく全体を均一
状に絞ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る脱水管を適用した汚水
処設備の概略説明図である。
【図2】 脱水管の縦断正面図である。
【図3】 脱水管の正面図図である。
【図4】 図2のA−A線断面図である。
【図5】 濾過筒の一部拡大正面図である。
【図6】 図5のB−B線断面図である。
【図7】 脱水ケーキの含水率調整手段の別の実施例を
示す縦断正面図である。
【図8】 芯体の別の実施例を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 脱水管 2 芯体 2a テーパ状外周面 3 濾過筒 3a 開口(隙間) 4 外管 5 被脱水物通路 31 ワイヤー部材 31a 底面 12 ポンプ 5a 入口 5b 出口 21 スパイラル部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定長さの芯体と、該芯体の周囲に同芯
    状に配設された多数の微小な開口を有する濾過筒とを有
    し、これら芯体と濾過筒との少なくとも一方が円錐状と
    されていることにより、両者間に、一端側から他端側に
    向かって通路断面積が減少する被脱水物通路が形成され
    ていると共に、被脱水物通路の一端側がポンプから圧送
    される被脱水物の入口とされ、他端側が脱水された残滓
    の出口とされていることを特徴とする脱水管。
  2. 【請求項2】 芯体が入口から出口に至る程大径となる
    テーパ状外周面を備えており、濾過筒が円筒形を呈して
    いることを特徴とする請求項1記載の脱水管。
  3. 【請求項3】 濾過筒の周囲に、該濾過筒の開口を通過
    した水を集合させて排水する外管が配設されていること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の脱水管。
  4. 【請求項4】 濾過筒が、多数の断面くさび形の棒状ワ
    イヤー部材をその底面を内側に向け、かつ隣り合うワイ
    ヤー部材間に長手方向に延びる微小な隙間を開けて円筒
    状に配置して構成されていることを特徴とする請求項2
    記載の脱水管。
  5. 【請求項5】 芯体のテーパ状外周面に、スパイラル部
    が設けられていることを特徴とする請求項2記載の脱水
    管。
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JP2007229731A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 J Craft:Kk 揚げカス処理装置
JP4531707B2 (ja) * 2006-02-28 2010-08-25 株式会社 ダーウィン 揚げカス処理装置

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