JPH08277504A - 地面の融雪・凍結防止装置 - Google Patents

地面の融雪・凍結防止装置

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JPH08277504A
JPH08277504A JP10778395A JP10778395A JPH08277504A JP H08277504 A JPH08277504 A JP H08277504A JP 10778395 A JP10778395 A JP 10778395A JP 10778395 A JP10778395 A JP 10778395A JP H08277504 A JPH08277504 A JP H08277504A
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JP
Japan
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heating element
pit
protective
heat
high thermal
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JP10778395A
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English (en)
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Toshio Saburi
外志雄 佐分利
Akihiro Mizuno
昭洋 水野
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TOYO FOODS SYST KK
Original Assignee
TOYO FOODS SYST KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱や荷重等から面状発熱体を保護し、面状発
熱体を用いた融雪・凍結防止対策をアスファルトの道路
や車道などにも講じることができるようにする。 【構成】 保護ピット本体11及び保護ピット蓋体15
からなる保護ピット10の発熱体収納空間18内に、断
熱材30で覆われた面状発熱体20を収納するようにし
た。 【効果】 アスファルト等の施工時に、面状発熱体に熱
が直接伝わるのが防止され、面状発熱体が保護される。
また、面状発熱体に重荷重が直接かかるのが防止され
る。従って、特別な施工技術等によらなくてもアスファ
ルト道路や車道、或は駐車場等の広場などにも面状発熱
体による融雪・凍結防止対策を講じることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路や駐車場などの地
面の積雪防止技術(融雪技術)或は凍結防止技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、寒冷地域(零下温度領域)におけ
る地面の融雪・凍結防止技術として、地面の下に面状発
熱体を埋め込み、その面状発熱体に電力を供給して発熱
させ、その熱により地表に積もる雪をとかしたり、凍結
を防止するようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
面状発熱体を用いた融雪・凍結防止技術では、面状発熱
体が高温に弱いため、面状発熱体上に、アスファルト等
の高温で施工するような路面材を敷くことは不可能であ
った。また、面状発熱体を単に埋設しただけでは、重量
車両等の通過などにより路面材に重荷重がかかったとき
に面状発熱体が破損してしまうおそれがあった。従っ
て、面状発熱体を用いて融雪・凍結防止対策を講じるこ
とのできる道路等は、舗石ブロックやタイルなどを敷設
する歩道などに限られるという欠点があった。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、熱や荷重等から面状発熱体
を保護し、それによって面状発熱体を用いた融雪・凍結
防止対策をアスファルトの道路や車道などにも講じるこ
とが可能な地面の融雪・凍結防止装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した発明は、発熱体と該発熱体を熱
及び外力等から保護する保護ピットとを備え、地中に埋
設されて、或は地表に敷設されて使用される融雪・凍結
防止装置であって、前記保護ピットは、上方に臨んで開
口する凹溝を有する保護ピット本体と、該保護ピット本
体により下方から支持されて前記凹溝を塞ぐとともに同
凹溝との間に発熱体収納空間を画成する保護ピット蓋体
とからなり、該発熱体収納空間内に前記発熱体が収納さ
れているとともに、同発熱体は外部から電力供給を受け
て発熱するようになっていることを特徴とする。
【0006】請求項2に記載した発明は、請求項1記載
の発明において、前記保護ピット本体は、高熱伝導性を
有しかつ遠赤外線を放射可能な微粒状の高熱伝導遠赤外
線放射体を含有していることを特徴とする。
【0007】請求項3に記載した発明は、請求項1記載
の発明において、前記保護ピット蓋体は、高熱伝導性を
有しかつ遠赤外線を放射可能な微粒状の高熱伝導遠赤外
線放射体を含有していることを特徴とする。
【0008】請求項4に記載した発明は、請求項2また
は3記載の発明において、前記高熱伝導遠赤外線放射体
は、高熱伝導性を有する粒状カーボンを焼結・粉砕して
得られた微粉粒と高熱伝導性を有する金属粉とを混合し
た複合材でできていることを特徴とする。また請求項5
に記載した発明は、請求項2または3記載の発明におい
て、前記高熱伝導遠赤外線放射体は、火力発電所で廃棄
物として生じるフライアッシュでできていることを特徴
とする。
【0009】請求項6に記載した発明は、請求項1記載
の発明において、前記発熱体は、断熱材で覆われて前記
発熱体収納空間内に隙間なく収納されていることを特徴
とする。
【0010】請求項7に記載した発明は、請求項1記載
の発明において、前記保護ピットには、前記発熱体に電
力を供給する電源コードを挿通させる保護パイプが連結
されており、該保護パイプは、火力発電所で廃棄物とし
て生じるフライアッシュが混入されてできていることを
特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明によれば、保護ピットは、
凹溝を有する保護ピット本体と、その保護ピット本体に
より下方から支持されて凹溝を塞ぐとともにその凹溝と
の間に発熱体収納空間を画成する保護ピット蓋体とから
なり、その発熱体収納空間内に発熱体が収納されている
ため、高温のアスファルトなどから面状発熱体に熱が直
接伝わるのが防止され、熱により面状発熱体が不良とな
るのを防ぐことができるとともに、面状発熱体に重荷重
がかかるのが防止され、面状発熱体が破損するのを防ぐ
ことができる。
【0012】請求項2記載の発明によれば、保護ピット
本体が、高熱伝導性を有しかつ遠赤外線を放射可能な微
粒状の高熱伝導遠赤外線放射体を含有しているため、面
状発熱体の発する熱により保護ピット本体から遠赤外線
(波長域:3〜25μm)が放射され、面状発熱体の発
した熱を効率良く上方の路面材に伝えることができると
ともに、その放射された遠赤外線に、0℃における波長
が10.6μmである氷の分子が共鳴振動して活性化し
(励起状態)、その励起状態から基底状態に戻る際に雪
や氷の分子から放出される熱エネルギーにより雪や氷が
とける。
【0013】請求項3記載の発明によれば、保護ピット
蓋体が、高熱伝導性を有しかつ遠赤外線を放射可能な微
粒状の高熱伝導遠赤外線放射体を含有しているため、面
状発熱体の発する熱により保護ピット蓋体から遠赤外線
(波長域:3〜25μm)が放射され、面状発熱体の発
した熱を効率良く上方の路面材に伝えることができると
ともに、その放射された遠赤外線に、0℃における波長
が10.6μmである氷の分子が共鳴振動して活性化し
(励起状態)、その励起状態から基底状態に戻る際に雪
や氷の分子から放出される熱エネルギーにより雪や氷が
とける。
【0014】請求項4及び請求項5記載の発明によれ
ば、高熱伝導遠赤外線放射体は、火力発電所で廃棄物と
して生じるフライアッシュなどでできているため、低コ
ストで、かつ、資源の有効利用に役立つ。
【0015】請求項6記載の発明によれば、発熱体は、
断熱材で覆われて発熱体収納空間内に隙間なく収納され
ているため、その断熱材により外部からの熱や重荷重な
どから面状発熱体が保護されるとともに、面状発熱体の
発する熱が急速に放散してしまうのが防止され、さらに
は面状発熱体の厚さと発熱体収納空間の深さとの違いか
ら生じる隙間が埋まって熱エネルギーの伝達効率が良く
なる。
【0016】請求項7記載の発明によれば、保護ピット
には、発熱体に電力を供給する電源コードを挿通させる
保護パイプが連結されており、その保護パイプは、火力
発電所で廃棄物として生じるフライアッシュが混入され
てできているため、低コストで、かつ、資源の有効利用
に役立つ。
【0017】
【実施例】本発明に係る地面の融雪・凍結防止装置の実
施例を図1乃至図3に基づいて以下に説明する。図1
は、本発明に係る融雪・凍結防止装置の一例の縦断面図
であるが、同図に示すように、この融雪・凍結防止装置
1は、保護ピット10内に面状発熱体20が断熱材30
により覆われて収納されたものである。そして、この融
雪・凍結防止装置1を地中に多数並べて埋設する。
【0018】保護ピット10は、保護ピット本体11と
保護ピット蓋体15とからなる。保護ピット10は、例
えば長尺の板状をしており、特にその寸法等を限定しな
いが、一例として図1に記したように、その短手方向の
長さ寸法(幅寸法)が320mmで、長手方向の長さ寸法
が500mm以上(長手方向は図1に直交する方向である
ため、その寸法は記されていない。)であり、高さ寸法
が80mmである。
【0019】保護ピット本体11には、その長手方向に
沿って凹溝11Aが設けられている。この凹溝11A
は、保護ピット本体11に保護ピット蓋体15が取り付
けられることにより閉塞されてその下半部が発熱体収納
空間18となる。そして、この発熱体収納空間18内に
面状発熱体20が収納される。ここで、特に限定しない
が、例えば発熱体収納空間18の幅寸法(すなわち、凹
溝11Aの下半部の幅寸法)は220mmであり、深さ寸
法は20mmである。なお、凹溝11A全体の深さ寸法
は、例えば50mmである。
【0020】凹溝11Aの上半部は、保護ピット蓋体1
5により占有される。凹溝11Aの長手方向の左右両縁
は、段差状に形成されており、保護ピット蓋体15の長
手方向の左右両縁を載せる支持部11B,11Bとなっ
ている。この左右の支持部11B,11B上に保護ピッ
ト蓋体15の左右両縁が載ることにより、保護ピット1
0に上方から荷重がかかっても発熱体収納空間18がつ
ぶれることはない。
【0021】保護ピット本体11は、例えば高熱伝導性
を有しかつ3〜25μmの波長域の遠赤外線を放射可能
な微粒状の高熱伝導遠赤外線放射体を混入して攪拌して
なる原料を用いて作製されている。従って、保護ピット
本体11は、面状発熱体20からの熱伝導により遠赤外
線を放射する。その放射された遠赤外線の伝播効果によ
り、保護ピット10内の熱がその上に敷設された図示し
ない路面材に効率良く伝達される。
【0022】高熱伝導遠赤外線放射体としては、例え
ば、火力発電所で産業廃棄物として生じるフライアッシ
ュ、又は高熱伝導性を有する粒状カーボンを焼結・粉砕
して得られた微粉粒と高熱伝導性を有する金属粉とを混
合した複合材が挙げられる。或は、高熱伝導遠赤外線放
射体として、フライアッシュと金属酸化物または炭化物
などを混合した粉体を用いて得られるセラミック組成材
や、ウレタンなどの合成樹脂にフライアッシュを混合し
た組成材などを用いることもできる。ここで、金属酸化
物は、2酸化モリブデン、チタン酸アルミニウム、酸化
鉛などである。また、炭化物は、炭化ケイ素、炭化アル
ミニウム、炭化カルシウム、黒色カーボンなどである。
【0023】具体的には、保護ピット本体11は、例え
ば、フライアッシュ65%と長石35%を混練して焼結
成型したり、或はフライアッシュ30%と海砂30%と
セメント30%とを混練して成型型内で常温硬化させる
ことにより得られる。
【0024】保護ピット蓋体15は、保護ピット本体1
1の凹溝11Aの上半部内に丁度嵌めこまれるようにな
っており、特に限定しないが、その厚さ寸法は例えば3
0mmである。この保護ピット蓋体15は、上記保護ピッ
ト本体11と同様に、例えば高熱伝導性を有しかつ3〜
25μmの波長域の遠赤外線を放射可能な微粒状の高熱
伝導遠赤外線放射体を混入して攪拌してなる原料を用い
て作製されている。従って、保護ピット蓋体15は、面
状発熱体20からの熱伝導により遠赤外線を放射する。
その放射された遠赤外線の伝播効果により、保護ピット
10内の熱がその上に敷設された図示しない路面材に効
率良く伝達される。ここで、高熱伝導遠赤外線放射体
は、上述したフライアッシュなどである。具体的には、
保護ピット蓋体15は、例えば、フライアッシュ65%
と長石35%を混練して板状に焼結成型したり、或はフ
ライアッシュ30%と海砂30%とセメント30%とを
混練して板状に常温硬化させることにより得られる。
【0025】なお、保護ピット本体11及び保護ピット
蓋体15は、コンクリートや廃棄物のプラスチックを利
用した耐熱樹脂や金属などでできていてもよい。
【0026】断熱材30は、例えば発砲ウレタン、硬質
ウレタンまたはグラスウールなどでできている。この断
熱材30で面状発熱体20の全面を覆うように面状発熱
体20をくるんでもよいし、保護ピット本体11の底に
断熱材30を敷いてその上に面状発熱体20を置くよう
にしてもよい。断熱材30は、面状発熱体20を保護及
び保温する機能の他に、発熱体収納空間18内に隙間が
生じるのを防ぐ充填材としての機能も有している。従っ
て、発熱体収納空間18内に面状発熱体20及び断熱材
30を入れ、保護ピット蓋体15で閉じた状態で、熱エ
ネルギーの伝達に支障の内程度に押圧がかかる程度であ
るのが好ましい。それによって、面状発熱体20の発す
る熱が効率良く保護ピット1に伝達される。また、断熱
材30は緩衝材としての機能も兼ね備えている。
【0027】面状発熱体20としては、一般に流通して
いる周知のものを用いることができる。好ましくは、自
己の抵抗値増大などによる自己温度調節機能を有する面
状発熱体であるとよい。そのような自己温度調節機能を
有するものの一例として、低電力消費性及び急峻な昇温
特性などの利点を有するマレール面状発熱体(朋の会理
化学研究所製)が挙げられる。このマレール面状発熱体
は、防水処理が施されており、地中に埋設するには好適
である。図1では、発熱体収納空間18内に、幅寸法1
20mmの面状発熱体20が一枚収納されている。前記面
状発熱体20は、上述のように自己の抵抗値が所定温度
以上で増大することによりそれ以上の昇温を防止可能な
自己温度調節機能を有するため、例えば面状発熱体が、
55℃以上の温度で抵抗値が増大するようになっていれ
ば、温度が55℃以上に上がることがないので、過熱に
よる火災の発生が防止される。
【0028】保護ピット10には、面状発熱体20に電
力を供給する電源コードを挿通させる図示しない保護パ
イプが連結される。電源コードは、保護ピット本体11
の側部の立上り部分に設けられた貫通孔(図示せず。)
を介して保護ピット10の外部に引き出され、保護パイ
プ内を通されて、周知の電力供給システムに接続され
る。この保護パイプとして、市販の配線保護パイプ等を
使用することができる。或はフライアッシュをセメント
などに混入させて保護パイプを作製してもよい。
【0029】図2には、保護ピット10の幅が上述した
図1の例よりも広い場合の例が示されている。このよう
に、保護ピット10の幅が広い場合には、発熱体収納空
間18内に面状発熱体20を複数枚並べればよい。図2
では、面状発熱体20を2枚並べている。なお、特に限
定しないが、この例では、保護ピット10の幅寸法は4
90mmであり、発熱体収納空間18の幅寸法は390mm
である。この例において、上記図1の例と同一の構成に
ついては同一の符号を付し、その説明を省略した。
【0030】図3には、保護ピット本体12上に保護ピ
ット蓋体16を被せるようにした例が示されている。こ
の例では、保護ピット蓋体16は、保護ピット本体12
の長手方向に沿う左右両縁の上端12B,12Bにより
下方から支持される。ここで、保護ピット本体12及び
保護ピット蓋体16の材質等については、上記図1の保
護ピット本体11及び保護ピット蓋体15と同様であ
る。また、上記図1の例と同一の構成については同一の
符号を付し、その説明を省略した。
【0031】以上詳述したように、上記実施例によれ
ば、保護ピット10内に面状発熱体20が収納されてい
ることにより、アスファルト等の路面材の施工時に、面
状発熱体20にアスファルト等から熱が直接伝わるのが
防止され、面状発熱体20が高温で動作不良を起こすの
を防ぐことができる。また、面状発熱体20に重荷重が
直接かかるのが防止され、面状発熱体20が破損するの
を防ぐことができる。従って、特別な施工技術等によら
なくてもアスファルト道路や車道、或は駐車場等の広場
などにも面状発熱体による融雪・凍結防止対策を講じる
ことができる。さらに、保護ピット10や保護パイプ
は、フライアッシュや廃棄物のプラスチックを原料とし
ているため、低コスト化、資源の有効利用などの効果も
得られる。
【0032】なお、上記実施例では、融雪・凍結防止装
置1を地中に埋設し、その上に路面材を敷くとしたが、
これに限らず、融雪・凍結防止対策を講じたい箇所の地
表や建築物の屋上などの表面に本発明に係る融雪・凍結
防止装置1をそのまま敷石のように並べて固定してもよ
い。つまり、地表や屋上面などに敷設される敷石や舗石
ブロックやタイルなどを、本発明に係る融雪・凍結防止
装置1により構成してもよい。
【0033】また、本発明は、面状発熱体に限らず、電
熱線等の他の発熱体を用いた融雪・凍結防止装置におけ
る発熱体の保護にも応用することができる。
【0034】上記実施例に係る融雪・凍結防止装置1
は、直接的には面状発熱体がアスファルトなどの熱や車
両などの荷重に弱いという課題を解決するため構成され
たものであるが、その背景には、次のような、従来例に
よる融雪方法、或は凍結防止方法の問題があった。即
ち、従来は、建築物の屋根の内側や道路の内部やその他
の積雪または凍結の可能性のある屋外施設の内部に電熱
線を埋め込み、その電熱線に電力を供給して発熱させ、
その熱により建築物の屋根上や道路上やその他の屋外施
設上に積もる雪をとかしたり、凍結を防止するようにし
ていた。また、従来の融雪方法として地下水を汲み上
げ、その地下水の散水によって融雪する方法も知られて
いた。
【0035】しかしながら、電熱線を用いた上記従来技
術では、電熱線の発する熱により屋根葺き材や、道路の
アスファルト或はコンクリートなどを直接加熱する方法
であるため、電力消費量が多大であるにもかかわらず融
雪効果或は凍結防止効果が小さいという問題点があっ
た。また、木造家屋などでは、電熱線の過熱による火災
の発生という問題点もあった。一方、地下水を散水する
上記従来方法では、地盤沈下の弊害をもたらし、積雪地
方の重大な社会問題となっていた。
【0036】このような問題点を解決し、かつ、上述の
ように熱や荷重等から面状発熱体を保護するために上記
実施例に係る融雪・凍結防止装置1が発明されたもので
あるが、面状発熱体を熱や車両等の荷重から保護する必
要性が薄い場合には、次のように構成の融雪・凍結防止
装置100が考えられる。該融雪・凍結防止装置100
は、図4に示すように、前記面状発熱体20を遠赤外線
放射シート40で包むことにより構成されている。
【0037】該遠赤外線放射シート40は、面状発熱体
20の発する熱を受けて遠赤外線を放射し、その遠赤外
線放射による電磁波の伝播効果により面状発熱体3の熱
エネルギーである対流エネルギーや放射エネルギーや伝
導エネルギーを放散させることなく外部に放射する機能
を有している。また、遠赤外線放射シート4から放射さ
れる遠赤外線(電磁波)により、氷の分子を励起し、さ
らにその励起状態から基底状態に戻る際に氷の分子から
放出される熱でもって雪や氷を溶かすことができる。よ
り具体的に説明すると、面状発熱体20を、3〜25μ
mを含む波長域の遠赤外線を放射可能な遠赤外線放射シ
ート40により包むことにより、その発せられた遠赤外
線の波長が、0℃における氷の分子の波長である10.
6μmを含むため、雪や氷の分子が共鳴振動して活性化
し(励起状態)、その励起状態から基底状態に戻る際に
雪や氷の分子から放出される熱エネルギーにより雪や氷
がとけることになる。また、遠赤外線放射シート40
は、保温機能を有していて蓄熱材を兼ねている。従っ
て、面状発熱体20への給電を遮断(オフ)しても、遠
赤外線放射シート40の保温機能により、暫くの間、蓄
熱していた熱が放散されずに保たれるので、面状発熱体
20への給電時間を短縮したり、給電を断続的に行った
りすることができ、ランニングコストが低減し経済的で
ある。例えば、朝方、気温が凍結防止可能な温度(例え
ば0℃程度)まで上がる前に、面状発熱体20への給電
を停止することができる。
【0038】以上のような機能を有する遠赤外線放射シ
ート40として、例えば、ビニールハウス等の廃農業用
のポリ塩化ビニルシートをベースとし、その塩ビを洗浄
してチップ化し、遠赤外線効果の高い前記金属酸化物や
炭化物と混合し、攪拌後、加熱して押出成形によりシー
ト状に形成したものが挙げられる。このように遠赤外線
放射シート40は廃農業用のポリ塩化ビニルシートを利
用しているので、廃棄物の再利用を図ることができ、低
コストでもある。
【0039】前記融雪・凍結防止装置100は、例えば
玄関マットに加工したり、外階段などに取り付けること
ができ、しかも、効率良く、安全に、環境に調和すると
ともに、産業廃棄物等を利用して構成材料を得ることに
よって、生産コストを抑え、かつ、廃棄物の再利用を図
ることもできる。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、保護ピッ
トは、凹溝を有する保護ピット本体と、その保護ピット
本体により下方から支持されて凹溝を塞ぐとともにその
凹溝との間に発熱体収納空間を画成する保護ピット蓋体
とからなり、その発熱体収納空間内に発熱体が収納され
ているため、高温のアスファルトなどから面状発熱体に
熱が直接伝わるのが防止され、熱により面状発熱体が不
良となるのを防ぐことができるとともに、面状発熱体に
重荷重がかかるのが防止され、面状発熱体が破損するの
を防ぐことができる。
【0041】請求項2記載の発明によれば、保護ピット
本体が、高熱伝導性を有しかつ遠赤外線を放射可能な微
粒状の高熱伝導遠赤外線放射体を含有しているため、面
状発熱体の発する熱により保護ピット本体から遠赤外線
(波長域:3〜25μm)が放射され、面状発熱体の発
した熱を効率良く上方の路面材に伝えることができると
ともに、その放射された遠赤外線に、0℃における波長
が10.6μmである氷の分子が共鳴振動して活性化し
(励起状態)、その励起状態から基底状態に戻る際に雪
や氷の分子から放出される熱エネルギーにより雪や氷が
とける。
【0042】請求項3記載の発明によれば、保護ピット
蓋体が、高熱伝導性を有しかつ遠赤外線を放射可能な微
粒状の高熱伝導遠赤外線放射体を含有しているため、面
状発熱体の発する熱により保護ピット蓋体から遠赤外線
(波長域:3〜25μm)が放射され、面状発熱体の発
した熱を効率良く上方の路面材に伝えることができると
ともに、その放射された遠赤外線に、0℃における波長
が10.6μmである氷の分子が共鳴振動して活性化し
(励起状態)、その励起状態から基底状態に戻る際に雪
や氷の分子から放出される熱エネルギーにより雪や氷が
とける。
【0043】請求項4又は請求項5記載の発明によれ
ば、高熱伝導遠赤外線放射体は、火力発電所で廃棄物と
して生じるフライアッシュなどでできているため、低コ
ストで、かつ、資源の有効利用に役立つ。
【0044】請求項6記載の発明によれば、発熱体は、
断熱材で覆われて発熱体収納空間内に隙間なく収納され
ているため、その断熱材により外部からの熱や重荷重な
どから面状発熱体が保護されるとともに、面状発熱体の
発する熱が急速に放散してしまうのが防止され、さらに
は面状発熱体の厚さと発熱体収納空間の深さとの違いか
ら生じる隙間が埋まって熱エネルギーの伝達効率が良く
なる。
【0045】請求項7記載の発明によれば、保護ピット
には、発熱体に電力を供給する電源コードを挿通させる
保護パイプが連結されており、その保護パイプは、火力
発電所で廃棄物として生じるフライアッシュが混入され
てできているため、低コストで、かつ、資源の有効利用
に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地面の融雪・凍結防止装置の一例
の縦断面図である。
【図2】本発明に係る地面の融雪・凍結防止装置の他の
例の縦断面図である。
【図3】本発明に係る地面の融雪・凍結防止装置のさら
に他の例の縦断面図である。
【図4】面状発熱体と遠赤外線放射シートとを組合わせ
た地面の融雪・凍結防止装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 融雪・凍結防止装置 10 保護ピット 11,12 保護ピット本体 11A 凹溝 11B 支持部 12B 上端 15,16 保護ピット蓋体 18 発熱体収納空間 20 面状発熱体 30 断熱材 40 遠赤外線放射シート 100 融雪・凍結防止装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱体と該発熱体を熱及び外力等から保
    護する保護ピットとを備え、地中に埋設されて、或は地
    表に敷設されて使用される融雪・凍結防止装置であっ
    て、前記保護ピットは上方に臨んで開口する凹溝を有す
    る保護ピット本体と、該保護ピット本体により下方から
    支持されて前記凹溝を塞ぐとともに同凹溝との間に発熱
    体収納空間を画成する保護ピット蓋体とからなり、該発
    熱体収納空間内に前記発熱体が収納されているととも
    に、同発熱体は外部から電力供給を受けて発熱するよう
    になっていることを特徴とする地面の融雪・凍結防止装
    置。
  2. 【請求項2】 前記保護ピット本体は、高熱伝導性を有
    しかつ遠赤外線を放射可能な微粒状の高熱伝導遠赤外線
    放射体を含有していることを特徴とする請求項1記載の
    地面の融雪・凍結防止装置。
  3. 【請求項3】 前記保護ピット蓋体は、高熱伝導性を有
    しかつ遠赤外線を放射可能な微粒状の高熱伝導遠赤外線
    放射体を含有していることを特徴とする請求項1記載の
    地面の融雪・凍結防止装置。
  4. 【請求項4】 前記高熱伝導遠赤外線放射体は、高熱伝
    導性を有する粒状カーボンを焼結・粉砕して得られた微
    粉粒と高熱伝導性を有する金属粉とを混合した複合材で
    できていることを特徴とする請求項2または3記載の地
    面の融雪・凍結防止構造。
  5. 【請求項5】 前記高熱伝導遠赤外線放射体は、火力発
    電所で廃棄物として生じるフライアッシュでできている
    ことを特徴とする請求項2または3記載の地面の融雪・
    凍結防止構造。
  6. 【請求項6】 前記発熱体は、断熱材で覆われて前記発
    熱体収納空間内に隙間なく収納されていることを特徴と
    する請求項1記載の地面の融雪・凍結防止装置。
  7. 【請求項7】 前記保護ピットには、前記発熱体に電力
    を供給する電源コードを挿通させる保護パイプが連結さ
    れており、該保護パイプは、火力発電所で廃棄物として
    生じるフライアッシュが混入されてできていることを特
    徴とする請求項1記載の地面の融雪・凍結防止装置。
JP10778395A 1995-04-10 1995-04-10 地面の融雪・凍結防止装置 Pending JPH08277504A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336388A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Taisei Laminator Co Ltd セラミックタイル
JP2010281052A (ja) * 2009-06-02 2010-12-16 Nakanihon Highway Engineering Nagoya Kk 赤外線発生材を混入した網状体
KR102276812B1 (ko) * 2020-12-02 2021-07-14 넥스트원 주식회사 도로용 면상 발열체

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