JPH08276710A - 滑り止め具、および滑り止め具付きタイヤ - Google Patents

滑り止め具、および滑り止め具付きタイヤ

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JPH08276710A
JPH08276710A JP7082791A JP8279195A JPH08276710A JP H08276710 A JPH08276710 A JP H08276710A JP 7082791 A JP7082791 A JP 7082791A JP 8279195 A JP8279195 A JP 8279195A JP H08276710 A JPH08276710 A JP H08276710A
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    • B60C11/1618Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile retractable plug actuated by temperature, e.g. by means of temperature sensitive elements

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Abstract

(57)【要約】 【目的】滑り止め具が取付けられているタイヤの温度が
上昇した場合であっても、上記滑り止め具を容易に損傷
させるようなことなく、所望の路面温度条件下で迅速に
かつ充分に硬化させることができるようにして、適切な
スリップ防止機能が得られるようにする。 【構成】所定温度以下の低温領域において高硬度特性を
示すとともにそれ以上の高温領域において低硬度特性を
示す材料で形成されたピン状本体10の裏面に、断熱性
を有する基部11が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、凍結路面あるいは氷
雪路面などに対する滑り止めを目的として用いられる滑
り止め具、およびこれを装着したタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、凍結路面などにおける自
動車タイヤの滑り止めを図るための手段としては、タイ
ヤに金属製スパイクピンを装着する手段がある。ところ
が、このような手段では、金属製スパイクピンによって
路面を削るため、道路の損傷が激しく、また粉塵が多量
に発生するといった難点がある。そこで、従来では、た
とえば特開平1−249003号公報に所載のように、
金属製スパイクピンに代えて、所定の特性を有するゴム
組成物からなる滑り止め具をタイヤに装着する手段が提
案されている。
【0003】上記公報に所載の手段は、氷点下で硬化
し、常温で軟化する性質を有するゴム配合物に金属粉を
混入したピン状の滑り止め具を、タイヤに装着する手段
である。このような手段によれば、氷点下では滑り止め
具が硬化するために、凍結路面などを走行するときには
この滑り止め具をスパイクとして機能させることができ
る。そして、常温では滑り止め具が軟化するために、路
面がこの滑り止め具によって激しく削られるといったこ
とを少なくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の手段は、単にピン状に形成された所定材質の滑り止
め具をタイヤに装着させる手段に過ぎないために、実際
の使用に際しては、次のような難点を生じていた。
【0005】すなわち、上記従来のものでは、凍結路面
などを走行するときに滑り止め具を硬化させてスパイク
機能を発揮させようとしても、自動車の走行時において
はタイヤの温度が上昇することに原因して、滑り止め具
を充分に硬化させることができなくなったり、あるいは
この滑り止め具が破損し易くなるといった不具合を招い
ていた。
【0006】具体的には、路面上が氷雪状態になるよう
な低温領域下での走行時であっても、タイヤには分子間
摩擦などが原因となって熱が発生し、たとえば40km
/hでの走行時にはタイヤ(表面を除く)の温度が60
℃〜70℃まで上昇する。このため、上記ピン状の滑り
止め具の先端は氷雪に接触しているのに対し、この滑り
止め具の根元部分にはタイヤからの熱が伝達される。し
たがって、路面温度がかなり低下(たとえば−10°C
程度まで低下)した場合には、滑り止め具の略全体を硬
化させることは可能であるものの、路面が凍結を開始す
る程度の温度条件下(たとえば0°Cから−2°C程
度)の場合には、上記滑り止め具を充分に硬化させるこ
とが難しくなり、スリップ防止機能が劣るという難点が
あった。
【0007】なお、上記難点を解消する手段としては、
たとえばゴム配合物に配合される金属粉を多量に混入す
ることによって、滑り止め具が硬化する温度を高くする
ことも考えられる。ところが、このような配合にしたの
では、滑り止め具の強度が低下してしまい、滑り止め具
が硬化したときに容易に損傷し、破壊してしまうという
事態が発生する。したがって、このような手段では、上
記難点を適切に解消することができない。
【0008】また、従来では、氷雪路面に接触するピン
状の滑り止め具の先端部分とタイヤに接触している根元
部分とでは、その温度差に原因して、その硬度も相違す
ることとなり、先端部分よりも根元部分の方が変形がし
易い軟質となる。したがって、自動車の走行時には、衝
撃的振動などに起因してこの根元部分に頻繁な折れ曲が
り変形が生じるとともに、この部分に繰り返し応力が作
用する。そして、これが原因となってその部分に疲労が
生じ、破損が生じ易くなるという難点も生じていた。
【0009】本願発明は、上述の事情のもとで考え出さ
れたものであって、滑り止め具が取付けられているタイ
ヤの温度が上昇した場合であっても、上記滑り止め具を
容易に損傷させるようなことなく、所望の路面温度条件
下で迅速にかつ充分に硬化させることができるようにし
て、適切なスリップ防止機能が得られるようにすること
をその課題としている。
【0010】
【発明の開示】すなわち、本願発明の第1の側面によれ
ば、所定温度以下の低温領域において高硬度特性を示す
とともにそれ以上の高温領域において低硬度特性を示す
材料で形成されたピン状本体の裏面に、断熱性を有する
基部が設けられていることを特徴としている。
【0011】本願発明の第2の側面によれば、上記滑り
止め具を、上記ピン状本体の先端がタイヤのトレッド表
面と略同一高さ位置または僅かに低い位置となるよう
に、タイヤに形成された凹状部内において上記基部をタ
イヤに当接または埋設させることにより取付けているこ
とを特徴としている。
【0012】本願発明においては、滑り止め具のピン状
本体の裏面に断熱性を有する基部が設けられているため
に、この基部をタイヤに当接または埋設させることによ
り、この滑り止め具をタイヤの凹状部へ取付ければ、上
記タイヤの温度が自動車走行時に上昇した場合であって
も、このタイヤの熱がピン状本体へ直接伝導することが
抑制されることとなる。したがって、タイヤのトレッド
表面側に位置し、温度変化に対する所定の硬度特性を示
すピン状本体の略全体を、路面温度に近い温度へ迅速に
変化させることができる。その結果、路面温度がかなり
低温である場合は勿論のこと、路面温度がさほど低温で
はなく、たとえば路面が凍結を開始する程度の温度であ
っても、滑り止め具のピン状本体を充分に硬化させるこ
とができて、適切なスパイク機能を発揮させることがで
き、タイヤのスリップ防止が図れるという格別な効果が
得られる。
【0013】また、本願発明では、ピン状本体を製造す
る場合において、このピン状本体をたとえば0°Cで硬
化させたい場合には、その温度で硬化する特性を示すよ
うにピン状本体を製造すればよい。すなわち、タイヤか
らの熱伝導による大幅な温度上昇を考慮した上で、ピン
状本体を上記所望温度よりも高温で硬化させるように製
造する必要はない。このため、ピン状本体が硬化する温
度を高めに設定することを目的として、金属粉などの添
加材を多量に混入させる必要がなくなる結果、金属粉が
多量に混入されることによって、ピン状本体の強度が不
足気味になるといった不具合を適切に解消できるという
効果も得られる。
【0014】さらに、本願発明では、上記したように、
タイヤからピン状本体への熱伝導が抑制されることによ
って、ピン状本体全体の温度の均一化が図られる。した
がって、ピン状本体の先端部分よりも根元部分がかなり
軟質となるようなことも緩和される。このため、本願発
明では、従来とは異なり、軟質なピン状本体の根元部分
に頻繁な折れ曲がりを生じて、この部分が疲労するよう
なことも回避でき、ピン状本体が容易に損傷し、破壊さ
れることも防止できる。その結果、ピン状本体の強度を
一層高めることができ、その使用寿命を長くできるとい
う効果も得られる。
【0015】本願発明の好ましい実施例では、上記ピン
状本体と上記基部とは、同時成形により一体的に形成さ
れている構成とすることができる。このような構成によ
れば、ピン状本体と基部とを同時成形できることによ
り、その成形作業が容易となるばかりか、これらピン状
本体と基部とは一体化されることによって、その結合強
度は非常に強くなる。すなわち、これら両者を別々に成
形してから相互に接着させる場合よりも、これら全体の
機械的強度をかなり強くできるという利点が得られる。
【0016】本願発明の他の好ましい実施例では、上記
ピン状本体は、ポリノルボーネンを芳香族油で可塑化さ
せて得られるポリマーで形成されており、かつ、上記基
部は、ポリノルボーネンを芳香族油で可塑化させて得ら
れるポリマーに断熱材を混入して形成されている構成と
することができる。このような構成によれば、ピン状本
体に所望の硬度特性を具備させ得ることは勿論のこと、
ピン状本体と基部とは共通したポリマーをその主成分と
しているために、これらピン状本体と基部との同時成形
による一体化をより適切に行うことができる。また、ピ
ン状本体が硬化するときには、基部も同様に硬化するこ
ととなって、各所の硬度が均一化し、これら全体の強度
をより高めることが可能となる。
【0017】本願発明の第3の側面によれば、第1の滑
り止め具と第2の滑り止め具とがトレッド部に取付けら
れている滑り止め具付きタイヤであって、上記第1の滑
り止め具は、上記本願発明に係る滑り止め具であり、か
つ、上記第2の滑り止め具は、低温領域から高温領域に
わたる広い温度領域においてタイヤのトレッド部よりも
高い硬度特性を示すゴム製のピン状本体を有する滑り止
め具であることを特徴としている。
【0018】本願発明においては、路面温度が所望の温
度に低下したときには、第1の滑り止め具のピン状本体
を硬化させ、これをスパイクとして機能させることがで
きるが、この第1の滑り止め具がスパイクとして機能し
ない温度条件下であっても、他方の第2の滑り止め具に
ついては、そのピン状本体をスパイクとして機能させる
ことができる。したがって、たとえば路面の温度分布が
均一ではなく、凍結路面と非凍結路面とが混在している
ような場合において、第1の滑り止め具をスパイクとし
て充分に機能させることができない条件下であっても、
第2の滑り止め具をスパイクとして機能させることによ
って、タイヤのスリップ防止効果が得られ、安全性を高
めることができるという利点が得られる。
【0019】なお、第2の滑り止め具は、常時、スパイ
クとして機能するものの、そのピン状本体はゴム製であ
るから、金属製スパイクピンとは異なり、路面を深く削
るような不具合はない。また、第2の滑り止め具の取付
個数も、1種類のみの滑り止め具を備えたタイヤに比較
すると、その半分程度の少ない個数でよいから、この点
からも路面が削られる事態を抑制することが可能とな
る。
【0020】本願発明の好ましい実施例では、上記第2
の滑り止め具は、そのピン状本体の裏面に、上記タイヤ
からこのピン状本体への熱伝導を抑制するための断熱性
を有する基部が設けられたものとすることができる。こ
のような構成によれば、タイヤから第2の滑り止め具の
ピン状本体への熱伝導が抑制される。一方、この第2の
滑り止め具のピン状本体はゴム製であるから、その温度
が上昇すると、その硬度が低下する特性が見られる。し
たがって、このピン状本体への熱伝導の抑制により、こ
のピン状本体の硬度が低下することを防止でき、この第
2の滑り止め具に一層優れたスリップ防止機能を発揮さ
せることができる。
【0021】
【実施例の説明】以下、本願発明の好ましい実施例を、
図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0022】図1は、本願発明に係る滑り止め具の一例
を示す斜視図である。図2は、そのX1−X1線断面図
である。
【0023】この滑り止め具Aは、ピン状本体10の裏
面(下面)に、基部11を一体的に設けたものである。
上記ピン状本体10は、先端側ほど小径となるピン部1
0aと、このピン部10aの下端に形成された鍔部10
bとを備えている。このピン状本体10は、所定温度以
下の低温領域で高硬度特性を示すとともに所定温度以上
の高温領域で低硬度特性(軟質)を示す材料で形成され
る。
【0024】上記ピン状本体10の具体的な材料として
は、ポリノルボーネンを芳香族油で可塑化させ、二次転
移点がたとえば0℃±5℃の範囲に調整されたポリマー
を使用することができる。このポリマーには、ピン状本
体10が所定温度に冷却されるときにこのピン状本体1
0が迅速に硬化するように、このピン状本体10自体の
熱伝導率を高めるための添加材が種々混入されている。
この添加材としては、たとえば金属酸化物微粒子、樹脂
系ポリマー、およびガラス微粒子を適用することができ
る。また、強度補強用のカーボン粒子なども適量混入さ
れる。
【0025】上記ピン状本体10は、このピン状本体1
0の温度がたとえば+5℃〜+10℃などの常温の場合
には、その硬度が65°前後であって、一般的なタイヤ
のトレッドゴムの硬度(たとえば常温で70°前後)よ
りも軟質である。しかし、温度が0℃よりも低下した場
合には、その硬度が約95°前後まで急激に高められ
て、タイヤのトレッドゴムよりも硬くなる。このような
ピン状本体10の特性は、上記ポリノルボーネンを可塑
化させたポリマーに対する各種の添加物の配合比率を所
定の比率に設定することにより得ることができる。具体
的には、上記ポリノルボーネンを可塑化させたポリマー
の100部に対して、たとえば金属酸化物微粒子が30
部、樹脂系ポリマーが20部、およびガラス微粒子が2
0部の体積比率にすればよい。
【0026】上記基部11は、上記ピン状本体10と同
様に、ポリノルボーネンを芳香族油で可塑化させたポリ
マーを主成分とするものであるが、このポリマーには断
熱材が混入されている点で、上記ピン状本体10とは相
違している。この断熱材としては、粉粒状または微粒子
状のコルクや石綿などを適用することができる。これら
の配合比率の一例としては、たとえば上記ポリマーの1
00部に対して、コルクが40部、石綿が100部の体
積比率とすることができる。コルクや石綿は断熱性に優
れるため、この基部11は、上記ピン状本体10よりも
熱伝導率が低く、断熱材としての役割りを果たす。な
お、コルクのみを上記ポリマーに混入させた場合には、
上記基部11の機械的強度が小さくなるが、これに石綿
を追加混入すれば、断熱性を損なうことなくその機械的
強度を大きくすることができる。
【0027】上記基部11は、上記ピン状本体10と同
時成形されることによりこのピン状本体10の鍔部10
bの裏面側へ一体的に形成されている。したがって、こ
の基部11とピン状本体10とを別体で形成してからこ
れら両者を相互に接着させる場合に比較すると、滑り止
め具Aの全体の強度を高めることができる。とくに、こ
の基部11は、ポリノルボーネンを可塑化させたポリマ
ーを主原料として形成されており、上記ピン状本体10
とその材質が共通しているために、その一体成形が適切
に行え、滑り止め具Aの強度を一層高めることが可能で
ある。ただし、本願発明は必ずしもこれに限定されず、
基部11とピン状本体10との主成分が相違していても
かまわない他、これら両者を別体に形成してからこれら
両者を相互に接着させてもかまわない。
【0028】図3(a)は、上記構成の滑り止め具Aが
装着されたタイヤ2の一例を示す要部断面図であり、図
3(b)は、その要部正面図である。
【0029】上記タイヤ2には、第1の滑り止め具Aと
しての上記滑り止め具Aが装着されている他、この第1
の滑り止め具Aとは異なる構成の第2の滑り止め具Bも
装着されている。
【0030】図4は、上記第2の滑り止め具Bを示す斜
視図、図5はそのX2−X2線断面図である。この第2
の滑り止め具Bは、ピン状本体30の裏面に基部31を
一体的に設けたものであり、その全体の形状やサイズに
ついては、上記第1の滑り止め具Aと略同様である。
【0031】ただし、この第2の滑り止め具Bのピン状
本体30は、低温領域から高温領域にわたる広い温度領
域で高硬度特性(硬質)を示す材料で形成されたもので
ある。具体的には、このピン状本体30の材質は、たと
えば常温での硬度が95°程度のニトリル系の合成ゴム
である。したがって、このピン状本体30は、常温にお
いても一般的なタイヤのトレッドゴムよりも硬質であ
る。
【0032】上記基部31は、ニトリル系の合成ゴムに
コルクや石綿などの断熱材を適量混入させたものであ
り、断熱性を備えたものである。この基部31は、上記
ピン状本体30との同時成形によってこのピン状本体3
0と一体的に形成されているが、本実施例では、上記基
部31とピン状本体30との主成分(ニトリル系の合成
ゴム)が共通しているために、これらの一体化を適切に
行うことが可能である。ただし、本願発明はこの第2の
滑り止め具Bの具体的な形成手段についても、上記第1
の滑り止め具Aの場合と同様に、限定されない。上記基
部31とピン状本体30とを別体に形成してから、これ
ら両者を相互に接着させてもよい。
【0033】図3において、上記タイヤ2のトレッド部
20には、所定の深さを有する凹状部21が、タイヤ2
の周方向に沿った一定ピッチ間隔毎に、たとえば2列配
置状態で多数形成されている。上記第1および第2の滑
り止め具A,Bは、これら第1の滑り止め具Aと第2の
滑り止め具Bとが交互に配置されるように、上記複数の
凹状部21へ嵌入して取付けられている。第1の滑り止
め具Aの取付けは、その基部11を上記凹状部21内の
底面部に当接させ、この底面部に接着剤を介して接着さ
せることによって行うことが可能である。また、この場
合、ピン状本体10の先端は、タイヤ2のトレッド表面
と略同一高さまたはそれよりも僅かに低い位置へ配置さ
れるように設定されている。したがって、自動車の車体
重量がタイヤ2に作用し、そのトレッド部20が圧縮変
形したかたちで路面に接地しているときに、第1の滑り
止め具Aのピン状本体10が硬化すると、その先端が、
タイヤ2のトレッド表面よりも若干量だけ突出して路面
へ適度にくい込むこととなる。なお、第2の滑り止め具
Bについても、上記第1の滑り止め具Aと同様な取付構
造となっており、その詳細は省略する。
【0034】上記構成の第1の滑り止め具Aおよび第2
の滑り止め具Bを備えたタイヤ2においては、まず常温
の下での自動車走行時には、第1の滑り止め具Aのピン
状本体10は低硬度特性を示し、タイヤ2のトレッドゴ
ムよりもその硬度が低くなっている。したがって、自動
車の一般的な走行中に、上記第1の滑り止め具Aによっ
て路面が不当に削られることはない。
【0035】一方、第2の滑り止め具Bは、常温の下で
あっても、高硬度特性を示しているが、この第2の滑り
止め具Bのピン状本体30はゴム製であるために、金属
製スパイクピンのように路面を激しく削るようなことは
回避される。また、一般的には、1個のタイヤ2には、
たとえば合計150個程度の滑り止め具を取付けること
が好ましいが、上記タイヤ2には、第1の滑り止め具A
と第2の滑り止め具Bとがたとえば1:1の個数割合で
設けられているために、第2の滑り止め具Bの合計個数
は、たとえば70〜80個程度でよい。したがって、こ
のように第2の滑り止め具Bの個数を少なくできれば、
この第2の滑り止め具Bによって路面が不当に削られる
ことを一層少なくすることができる。
【0036】次いで、凍結路面の走行時には、上記第1
の滑り止め具Aのピン状本体10の先端が凍結路面と接
触するために、このピン状本体10が冷却される。一
方、凍結路面の走行時においても、タイヤ2には分子間
摩擦などが原因となって熱が発生している。しかし、上
記ピン状本体10はタイヤ2に直接取付けられておら
ず、これらの相互間には、断熱性を有する基部11が介
在しているために、上記タイヤ2の熱がそのままピン状
本体10に伝わることが防止される。
【0037】したがって、凍結路面の走行時には、ピン
状本体10の温度を迅速に路面温度と略同一温度に冷却
させることが可能となる。その結果、路面の温度が、た
とえば−10°C程度まで低下せず、それよりも高温の
たとえば0°C〜−2°Cの凍結開始温度の範囲であっ
ても、上記第1の滑り止め具Aのピン状本体10をタイ
ヤ2よりも硬く硬化させることが可能となり、このピン
状本体10をスパイクとして適切に機能させることがで
きる。
【0038】また、タイヤ2からピン状本体10への熱
の伝導が抑制されれば、このピン状本体10の全体の温
度分布が均一となって各所の硬度も均等化される。した
がって、ピン状本体10の先端部が硬化しているにもか
からず、その根元部分が軟質のまま維持されるといった
ことも回避できる。このため、ピン状本体10の根元部
分への集中した繰り返し応力の作用およびこれに起因す
る疲労が都合よく回避され、ピン状本体10の折れや破
損等が生じ難くなる。また、このピン状本体10に連設
されている基部11は、ピン状本体10と共通した硬度
特性のポリマーを主成分としているために、この基部1
1もピン状本体10と同様な条件で硬化する。したがっ
て、ピン状本体10の硬度の均一化が図られるだけでは
なく、ピン状本体10と基部11との硬度も均一化され
ることとなって、これら全体の強度が高まり、各部の損
傷が一層生じ難くなる。
【0039】一方、第2の滑り止め具Bのピン状本体3
0の硬度は、路面温度には殆ど影響を受けることなく、
常時、タイヤ2のトレッドゴムよりも高硬度である。し
たがって、凍結路面を走行する場合において、この第2
の滑り止め具Bによってもむろんタイヤ2のスリップ防
止効果が得られる。
【0040】この第2の滑り止め具Bは、第1の滑り止
め具Aとの関係において、単に滑り止め具の総数が増大
することによってスリップ防止効果を高める機能を発揮
するに止どまらない。すなわち、第1の滑り止め具Aの
ピン状本体10が、仮に0°Cに冷却されたときに確実
に硬化するものとして形成されていたとしても、実際に
は、このピン状本体10の温度変化には路面の温度変化
に対してタイムラグが生じる。しかも、走行道路の状況
は刻々と変化しており、その路面温度の分布も均一では
ない。したがって、路面に凍結箇所が存在している場合
であっても、上記第1の滑り止め具Aのピン状本体10
が確実に硬化するとは限らない。ところが、このような
場合においても、上記第2の滑り止め具Bはタイヤ2の
スリップ防止機能を発揮するために、この第2の滑り止
め具Bと上記第1の滑り止め具Aとの相乗効果によっ
て、自動車走行の安全性が一層高められることとなる。
【0041】また、上記第2の滑り止め具Bのゴム製の
ピン状本体30は、その温度が上昇すると、若干軟化す
る特性があるが、タイヤ2で発生した熱は断熱性を有す
る基部30の存在によってピン状本体30に伝わり難く
なっている。このため、自動車走行時において上記ピン
状本体30の温度が不当に上昇して軟化するようなこと
も解消することができ、この第2の滑り止め具Bのスパ
イク機能が損なわれることも防止される。
【0042】なお、上記実施例では、第1の滑り止め具
Aと第2の滑り止め具Bとの相乗効果によって優れたス
リップ防止機能が得られるようにしたが、本願発明はこ
れに限定されない。本願発明では、たとえばタイヤに上
記第1の滑り止め具Aのみを取付けた構成にしても無論
かまわない。
【0043】図6ないし図8は、本願発明に係る滑り止
め具の他の実施例を示す断面図である。図6に示す滑り
止め具Aaは、鍔部を有しないピン状本体10の裏面
に、このピン状本体10よりも大径の円板状または鍔状
の断熱性の基部11を設けたものである。このような滑
り止め具Aaの構成によれば、ピン状本体10とタイヤ
2との接触を回避することができ、タイヤ2の熱がピン
状本体10に伝わることを一層効率よく防止することが
可能となる。
【0044】図7に示す滑り止め具Abは、断熱性を有
する基部11を、ピン状本体10の鍔部10bの裏面の
みならず、この鍔部10bの外周側面をも覆うように設
けたものである。また、図8に示す滑り止め具Acは、
ピン状本体10の裏面に、このピン状本体10の鍔部1
0bよりも大径の基部11を設けたものである。これら
滑り止め具Ab,Acのいずれの場合においても、上記
滑り止め具Aaと同様に、ピン状本体10がタイヤ2と
直接接触することを避けて、タイヤ2の熱がピン状本体
10に伝わることを効率よく防止することが可能であ
る。
【0045】上述した滑り止め具A,Aa〜Acは、い
ずれもタイヤ2の凹状部21の底面部にその基部11を
当接させて接着させることによってタイヤ2に取付けて
いるが、本願発明はタイヤ2への具体的な取付手段はこ
れに限定されない。たとえば、滑り止め具の基部または
基部の一部をタイヤ2の凹状部21の底面部へ打ち込ん
で埋設することにより、その取付けを図ってもよい。
【0046】その他、本願発明に係る滑り止め具や、滑
り止め具付きタイヤの各部の具体的な形状や材質などの
構成は、種々に設計変更自在である。なお、本願発明に
係る滑り止め具の具体的な使用用途は、必ずしもタイヤ
の滑り止め用途に限定されない。本願発明に係る滑り止
め具は、たとえば靴底に取付けて、凍結路または氷雪路
を歩くときの滑り止め用途に用いてもよい。さらには、
たとえば松葉杖の下端部(石突き部分)に取付けて、こ
の松葉杖の滑り止め用途に用いてもよい。本願発明で
は、靴底の上部または松葉杖の上部から滑り止め具のピ
ン状本体への熱伝導を抑制することによって、ピン状本
体を所望の温度条件下で硬化させることができ、滑り止
め用のスパイクとして適切に機能させることが可能であ
る。このように、本願発明に係る滑り止め具は様々な滑
り止め用途に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る滑り止め具の一例を示す斜視
図。
【図2】図1のX1−X1線断面図。
【図3】(a)は本願発明に係る滑り止め具付きタイヤ
の一例を示す要部断面図、(b)はその要部正面図。
【図4】図3に示す滑り止め具付きタイヤに用いられて
いる第2の滑り止め具の一例を示す斜視図。
【図5】図4のX2−X2線断面図。
【図6】本願発明に係る滑り止め具の他の例を示す断面
図。
【図7】本願発明に係る滑り止め具の他の例を示す断面
図。
【図8】本願発明に係る滑り止め具の他の例を示す断面
図。
【符号の説明】
A,Aa〜Ac 第1の滑り止め具 B 第2の滑り止め具 2 タイヤ 10 ピン状本体(第1の滑り止め具の) 11 基部(第1の滑り止め具の) 20 トレッド部 21 凹状部 30 ピン状本体(第2の滑り止め具の) 31 基部(第2の滑り止め具の)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定温度以下の低温領域において高硬度
    特性を示すとともにそれ以上の高温領域において低硬度
    特性を示す材料で形成されたピン状本体の裏面に、断熱
    性を有する基部が設けられていることを特徴とする、滑
    り止め具。
  2. 【請求項2】 上記ピン状本体と上記基部とは、同時成
    形により一体的に形成されている、請求項1に記載の滑
    り止め具。
  3. 【請求項3】 上記ピン状本体は、ポリノルボーネンを
    芳香族油で可塑化させて得られるポリマーで形成されて
    おり、かつ、 上記基部は、ポリノルボーネンを芳香族油で可塑化させ
    て得られるポリマーに断熱材を混入して形成されてい
    る、請求項1または2に記載の滑り止め具。
  4. 【請求項4】 上記請求項1ないし3のいずれかに記載
    の滑り止め具を、上記ピン状本体の先端がタイヤのトレ
    ッド表面と略同一高さ位置または僅かに低い位置となる
    ように、タイヤに形成された凹状部内において上記基部
    をタイヤに当接または埋設させることにより取付けてい
    ることを特徴とする、滑り止め具付きタイヤ。
  5. 【請求項5】 第1の滑り止め具と第2の滑り止め具と
    がトレッド部に取付けられている滑り止め具付きタイヤ
    であって、 上記第1の滑り止め具は、上記請求項1ないし3のいず
    れかに記載の滑り止め具であり、かつ、 上記第2の滑り止め具は、低温領域から高温領域にわた
    る広い温度領域においてタイヤのトレッド部よりも高い
    硬度特性を示すゴム製のピン状本体を有する滑り止め具
    であることを特徴とする、滑り止め具付きタイヤ。
  6. 【請求項6】 上記第2の滑り止め具は、そのピン状本
    体の裏面に、上記タイヤからこのピン状本体への熱伝導
    を抑制するための断熱性を有する基部が設けられたもの
    である、請求項5に記載の滑り止め具付きタイヤ。
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