JPH08118920A - 滑り止め具、および滑り止め具付きタイヤ - Google Patents

滑り止め具、および滑り止め具付きタイヤ

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JPH08118920A
JPH08118920A JP6256943A JP25694394A JPH08118920A JP H08118920 A JPH08118920 A JP H08118920A JP 6256943 A JP6256943 A JP 6256943A JP 25694394 A JP25694394 A JP 25694394A JP H08118920 A JPH08118920 A JP H08118920A
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pin
tire
shaped outer
outer cover
temperature region
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JP6256943A
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English (en)
Inventor
Kouichi Yanagikawa
幸一 楊川
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GOICHI GOMME KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/14Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band
    • B60C11/16Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile
    • B60C11/1606Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile retractable plug
    • B60C11/1618Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band of plug form, e.g. made from metal, textile retractable plug actuated by temperature, e.g. by means of temperature sensitive elements

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行時にタイヤ自体の温度が上昇しても、ポ
リマー製のピン状体の根元部分に繰り返し応力および疲
労が発生することを防止し、この種のピン状体の適切な
スパイク効果の確保ならびに耐久性の向上を図る。 【構成】 低温領域から高温領域にわたる広い温度領域
において高硬度特性を示す材料で形成された芯体2の表
面部が、所定温度以下の低温領域において高硬度特性を
示すとともにそれ以上の高温領域において低硬度特性を
示す材料で形成されたピン状外皮体3により覆われた二
重構造を備える。そして、上記ピン状外皮体3は、ポリ
ノルボーネンを芳香族油で可塑化させて得られるポリマ
ーで形成され、上記芯体2は、ニトリル系合成ゴム、樹
脂、または金属で形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、滑り止め具、および
滑り止め具付きタイヤに関し、特に、氷雪路面等に対し
て適切な滑り止め作用を行うピン形状の滑り止め具、お
よびこれを装着したタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年においては、車両走行時における氷
雪路面等に対する滑り止め効果を得るとともに路面の損
傷を防止することを目的として、タイヤに金属製のスパ
イクピンを装着することに代えて、硬質ゴムや樹脂等を
主成分とするピン状体をタイヤに装着することが行われ
ている。
【0003】そして、この硬質ゴム製などのピン状体の
特性としては、通常の路面走行時には路面損傷等を防止
するために上記ピン状体が軟質であり、氷雪路面走行時
には適切なスパイク作用を行うために上記ピン状体が硬
質であることが好ましい。
【0004】このような要請に応じるものとして、たと
えば特公平6−62836号公報によれば、ポリノルボ
ーネンを芳香族油で可塑化させ、二次転移点を0℃±5
℃の範囲に調整された改良ポリマーを用いて、スパイク
ピン形状のピン状体を成形することが開示されている。
そして、この改良ポリマーには、上記ポリノルボーネン
に対して適当割合で金属酸化物微粒子が配合される。
【0005】上記改良ポリマーは、常温時には通常の軟
質ゴムとしての特性を示すのに対して、上記二次転移点
以下の低温領域では硬化する。具体的には、たとえば常
温ではその硬度が57°であるのに対して、−5℃では
その硬度が87°、−20℃ではその硬度が98°に硬
化するのである。したがって、常温での通常走行時に
は、軟質ゴムとして変形自在であるので路面を傷めるこ
とがなく、また氷点下での走行時にはスパイクとしての
機能を適切に発揮できることになる。
【0006】そして、図12に示すように、上記改良ポ
リマーを用いて成形されるピン状体50は、タイヤ51
に形成した凹状部(ピン穴)52に図示のような状態で
取り付けられる。この場合、上記ピン状体50の裏面5
0aは、上記凹状部52の底面52aに接着剤を用いて
貼着され、あるいは図13に示すように、ピン状体50
の裏面部分50axをタイヤ51の凹状部52の底面部
分52axに嵌め込んで接着することにより取り付けら
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような特性を有する改良ポリマー製のピン状体50を使
用して、氷雪路面に対するスパイク機能を発揮させよう
としても、走行時にタイヤが高温状態となることに起因
して、上記ピン状体50が破損するなどの不具合を招
く。
【0008】詳しくは、路面上が氷雪状態になるような
低温領域下での走行時であっても、タイヤには分子間摩
擦などが原因となって熱が発生し、たとえば40km/
hでの走行時にはタイヤ(表面を除く)の温度が60℃
〜70℃まで上昇する。このため、上記ピン状体50の
先端は氷雪に接触して硬化された状態にあるのに対し、
上記ピン状体50の根元部分50xにはタイヤ51との
接触部を通じて上記熱が伝達されることにより軟化され
た状態になる。
【0009】この結果、上記ピン状体50は、その根元
部分50xが変形し易い状態となり、走行時には衝撃的
振動等に起因してこの部分50xを介して頻繁な折曲変
形が生じるとともに、この部分50xに繰り返し応力が
作用する。そして、これが原因となってその根元部分5
0xに疲労が生じるとともに、この部分50xを境にし
て破損ないし分断が生じることになる。
【0010】本願発明は、上述の事情のもとで考え出さ
れたものであって、走行時にタイヤ自体の温度が上昇し
ても、上記改良ポリマー製のピン状体の根元部分に繰り
返し応力および疲労が発生することを防止し、この種の
ピン状体の適切なスパイク効果の確保ならびに耐久性の
向上を図ることをその課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0012】すなわち、本願の請求項1に記載した発明
は、タイヤなどに取り付けられる滑り止め具に係るもの
であって、低温領域から高温領域にわたる広い温度領域
において高硬度特性を示す材料で形成された芯体の表面
部が、所定温度以下の低温領域において高硬度特性を示
すとともにそれ以上の高温領域において低硬度特性を示
す材料で形成されたピン状外皮体により覆われているこ
とを特徴としている。
【0013】この場合、上記ピン状外皮体は、ポリノル
ボーネンを芳香族油で可塑化させて得られるポリマーで
形成されており、かつ上記芯体は、ニトリル系合成ゴ
ム、樹脂、または金属で形成されていることが好ましい
(請求項2)。
【0014】また、本願の請求項3に記載した発明であ
る滑り止め具は、断熱性を有する材料で形成された芯体
の表面部が、所定温度以下の低温領域において高硬度特
性を示すとともにそれ以上の高温領域において低硬度特
性を示す材料で形成されたピン状外皮体により覆われて
いることを特徴としている。
【0015】この場合、上記ピン状外皮体は、ポリノル
ボーネンを芳香族油で可塑化させて得られるポリマーで
形成されており、かつ上記芯体は、ニトリル系合成ゴム
または樹脂で形成されていることが好ましい(請求項
4)。
【0016】さらに、本願の請求項5に記載した発明で
ある滑り止め具は、所定温度以下の低温領域において高
硬度特性を示すとともにそれ以上の高温領域において低
硬度特性を示す材料で形成されたピン状本体の裏面部
に、断熱性を有する材料で形成された基体を配設したこ
とを特徴としている。
【0017】この場合、上記ピン状本体は、ポリノルボ
ーネンを芳香族油で可塑化させて得られるポリマーで形
成されており、かつ上記基体は、ニトリル系合成ゴムま
たは樹脂で形成されていることが好ましい(請求項
6)。
【0018】一方、本願の請求項7に記載した発明は、
滑り止め具を備えたタイヤに係るものであって、上記請
求項1ないし4のいずれかに記載した滑り止め具を、上
記ピン状外皮体の先端がタイヤのトレッド表面と略同一
高さ位置または僅かに低い位置となるように、タイヤに
形成した凹状部に取り付けたことを特徴としている。
【0019】この場合、上記芯体の先端は、タイヤのト
レッド溝底面と略同一高さ位置になるように、上記タイ
ヤに形成した凹状部に取り付けられていることが好まし
い(請求項8)。
【0020】また、本願の請求項9に記載した発明であ
る滑り止め具付きタイヤは、上記請求項5または6に記
載した滑り止め具を、上記ピン状本体の先端がタイヤの
トレッド表面と略同一高さ位置または僅かに低い位置と
なるように、上記基体を介在させてタイヤに形成した凹
状部に取り付けたことを特徴としている。
【0021】
【発明の作用および効果】上記の技術的手段によれば、
請求項1ないし4に記載の発明はいずれも、芯体の表面
部をピン状外皮体で覆う少なくとも二重の構造となって
いる。そして、上記いずれの請求項におけるピン状外皮
体も、低温領域でのみ高硬度特性を示す材料で形成され
ている。これに対して、上記請求項1および2における
芯体は、常温、低温、および高温のいかんに拘らず高硬
度特性を示す材料で形成されているので、上記ピン状外
皮体の温度上昇に伴う硬度低下が、この芯体により補強
される。一方、上記請求項3および4における芯体は、
断熱性を有する材料で形成されているので、上記ピン状
外皮体への熱伝達が、この芯体により遮断される。
【0022】したがって、上記請求項1および2に記載
の発明によれば、ピン状外皮体の先端が氷雪等に接触し
て硬化している場合に、その根元部分に熱が伝達されて
変形し易い状態になっても、その内部の芯体は高温領域
におても高硬度特性を示すことにより、上記ピン状外皮
体の変形が阻止される。このため、上記ピン状外皮体に
繰り返し応力が作用したり、あるいは疲労が発生したり
等の不具合が回避され、氷雪等への適切なスパイク作用
ないし食い込み作用を確保した上で、その耐久性の向上
が図られる。
【0023】また、上記請求項3および4に記載の発明
によれば、ピン状外皮体の先端が硬化している時に、そ
の根元部分の周辺で熱が発生しても、この熱のピン状外
皮体への伝達が、断熱性を有する芯体により阻止され
る。このため、上記と同様にして、適切なスパイク作用
を確保しつつ、耐久性の向上を図ることが可能になる。
【0024】さらに、請求項5および6に記載した発明
によれば、低温領域のみで高硬度特性を示すピン状本体
の裏面部に、断熱性を有する基体が配設されているの
で、上記ピン状本体の先端が硬化している場合に、その
裏面側から熱が伝達されようとしても、その熱伝達が上
記基体の断熱作用により阻止される。したがって、この
場合にも、上記と同様にして、適切なスパイク作用を確
保した上で、耐久性の向上を図ることが可能になる。
【0025】一方、請求項7に記載した発明は、上記請
求項1ないし4に記載した滑り止め具をタイヤに取り付
けたものであり、走行時におけるタイヤの分子間摩擦な
どによる熱の発生に適切に対処できるとともに、硬化し
たピン状外皮体の先端が軟質ゴムであるタイヤのトレッ
ド表面から突出して路面上の氷雪に確実に食い込むこと
になる。したがって、適切なスパイク作用が得られるば
かりでなく、上記請求項1ないし4と同様の作用効果も
当然の事ながら得られる。
【0026】この場合、請求項8に記載したようにに、
芯体の先端をタイヤのトレッド溝底面と略同一高さにし
ておけば、タイヤの摩耗とともにピン状外皮体が摩耗し
ていく過程において、トレッド溝が浅くなってタイヤが
使用不能になるまでの間にピン状外皮体が摩耗して芯体
の先端が露出状態になるといった不具合が回避される。
したがって、タイヤが使用可能な間は、ピン状外皮体に
よるスパイク作用が確実に行われる。
【0027】また、請求項9に記載した発明は、上記請
求項5および6に記載した滑り止め具をタイヤに取り付
けたものであり、走行時におけるタイヤの発熱に適切に
対処できるとともに、硬化したピン状体の先端がタイヤ
のトレッド表面から突出して路面上の氷雪に確実に食い
込むことになる。そして、この場合にも、上記請求項5
および6と同様の作用効果が得られる。
【0028】
【実施例の説明】以下、本願発明の好ましい実施例を、
図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0029】図1は本願発明に係る滑り止め具の第1実
施例を示す部品分解配列斜視図、図2はその取り付け状
態を示す要部拡大縦断正面図、図3はタイヤに複数の滑
り止め具が取り付けられた状態を示す要部縦断正面図で
ある。
【0030】図1に示すように、この第1実施例に係る
滑り止め具1は、先端が球面2aとされた円錐形状の芯
体2と、この芯体2が嵌合される嵌合穴3xを有すると
ともに先端が平面3aとされた中空円錐形状のピン状外
皮体3とから構成される。
【0031】上記芯体2は、低温領域から高温領域にわ
たる広い温度領域で高硬度特性(硬質)を示す材料で形
成さる。一方、上記ピン状外皮体3は、所定温度以下の
低温領域で高硬度特性を示すとともに所定温度以上の高
温領域で低硬度特性(軟質)を示す材料で形成される。
【0032】上記ピン状外皮体3の材料は、具体的に
は、ポリノルボーネンを芳香族油で可塑化させ、二次転
移点がたとえば0℃±5℃の範囲に調整されたポリマー
が使用される。そして、このポリマーには、熱伝達率を
高めるために金属酸化物微粒子を、適当割合配合させる
ことが好ましい。さらに好ましくは、氷雪路面などのよ
うにこのピン状外皮体3が接触する接触物の温度、ひい
ては上記ポリマーでなるピン状外皮体3自体の温度が−
0℃〜−10℃まで低下した場合にはその硬度が約85
°〜99°まで高められる一方、このピン状外皮体3の
温度が+5℃〜+10℃である場合にはその硬度が50
°〜60°程度になるように材料配合する。なお、タイ
ヤのトレッドのゴム硬度は、たとえば常温で50°〜6
0°程度である。
【0033】また、上記芯体2の材料は、具体的には、
ニトリル系合成ゴムを使用することが好ましいが、これ
以外に、上記の特性を備えた樹脂や金属などであっても
差し支えない。上記ニトリル系合成ゴムは一般に、高硬
度特性を備えているばかりでなく、耐寒性、耐熱性、お
よび耐油性に優れている。加えて、優れた断熱性をも有
している。そして、その硬度は温度に応じて変化するこ
とはなく、本願発明の芯体2を形成するには、約90°
〜99°程度の硬度を有するように材料配合される。
【0034】そして、図2に示すように、上記芯体2が
上記ピン状外皮体3の嵌合穴3xに嵌合されて両者の接
合面が接着剤により接着されることにより滑り止め具1
が構成される。この場合、必要ならば、上記接着剤を使
用せずにピン状外皮体3に芯体2を嵌合させることのみ
によって、滑り止め具1を構成してもよい。この滑り止
め具1は、タイヤ4に形成された凹状部5に取り付けら
れる。この凹状部5は、その底面5aが円形を呈するピ
ン穴である。なお、上記ピン状外皮体3の先端部には、
冷却効果を高めるとともに低硬度時の変形性を高めるた
めに小径凹部3yが形成されている。
【0035】上記滑り止め具1の取り付け構造を詳述す
ると、図2に示すように、上記芯体2の底面2bとピン
状外皮体3の底面3bとが、接着剤を用いて上記凹状部
5の底面5aに接着されている。加えて、上記ピン状外
皮体3の外周下端における非テーパ部3cが、接着剤を
用いて上記凹状部5の内周下端部5bに接着されてい
る。上記各部の接着に際しては、ネオプレン系ないしク
ロロプレン系の合成接着剤を使用することが好適であ
る。なお、上記凹状部5の形成面は、平滑化および接着
強度の向上を図ることなどを目的として、溶剤を使用し
てプライマー処理を施しておくことが好ましい。
【0036】そして、図3に示すように、タイヤ4の外
周部には、上記凹状部5が複数箇所に形成されており、
これらの各凹状部5にそれぞれ上記滑り止め具1が取り
付けられている。この場合、上記タイヤ4の外周部に
は、トレッド溝が形成されているが、このトレッド溝と
上記滑り止め具1との関係は、以下に示す通りである。
【0037】すなわち、図2を参照して、通常のタイヤ
4のトレッド溝の底面は、トレッド表面4aからタイヤ
中心側に向かって所定寸法a(約4mm)を隔てた位置
に存在している。そして、上記芯体2の先端は、上記ト
レッド溝の底面と略同一高さ位置に存在している。した
がって、タイヤ4のトレッド表面が摩耗してトレッド溝
が浅くなっても、トレッド溝が消失するまでの間に上記
芯体2が露出状態になることはない。
【0038】また、上記ピン状外皮体3の先端面3a
は、この実施例では、上記タイヤ4のトレッド表面4a
より僅かに低い位置に存在しているが、その先端面3a
は上記トレッド表面4aと同一高さ位置であっても差し
支えない。また、この実施例では、上記ピン状外皮体3
の外周下端における非テーパ部3cの高さ寸法bが、約
3mmに設定されているとともに、上記ピン状外皮体3
の先端面3aの径寸法cは約4.5mmに、上記凹状部
5の底面5aおよびピン状外皮体3の下端外径の寸法d
は約8mmに、上記芯体2の裏面2bの径寸法eは約7
mmに設定されている。
【0039】加えて、上記芯体2の先端は球面2aとさ
れているので、走行時に上記ピン状外皮体3の先端3a
に図2における左右方向の応力が作用しても、この両者
の先端部は上記球面2aを介して接合されていることか
ら、局部的な応力集中が緩和されて両者間の剥離が効果
的に防止される。
【0040】次に、上記第1実施例の作用を説明する。
【0041】まず、通常の走行時、すなわち常温の下で
の走行時には、上記滑り止め具1の芯体2は高硬度特性
を示しているが、路面に接触するピン状外皮体3は低硬
度特性(たとえば50°〜60°程度の硬度)を示して
軟質化されている。したがって、上記ピン状外皮体3の
先端が路面に接触しても、タイヤ4のトレッドとともに
容易に変形し、路面を傷めることはない。とりわけ、ピ
ン状外皮体3の先端部分には小径凹部3yが形成されて
おり、これがピン状外皮体3の先端部分の圧縮変形性を
高めているので、特に適正な路面保護効果が得られる。
【0042】一方、氷雪路面の走行時には、上記ピン状
外皮体3の先端面3aが氷雪に接触してその温度が0℃
以下になった場合には、ピン状外皮体3の少なくとも先
端部分は、高硬度特性(たとえば90°〜99°の硬
度)を示して硬化された状態にある。そして、この場合
には滑り止め具1の全長がほとんど変化しないのに対し
て、タイヤ4のトレッドは路面からの圧迫力を受けて圧
縮変形するので、滑り止め具1の硬化した先端部がタイ
ヤ4のトレッドから突出し、これによりスパイク性能が
得られることになる。なお、このピン状外皮体3の先端
部分には小径凹部3yが形成されているので、この小径
凹部3yに氷雪や冷却風などが侵入することになり、そ
の先端部分の温度低下ならびに硬化度合いが助長され
る。
【0043】この場合、上記タイヤ4には、その走行に
伴う分子間摩擦などの影響を受けて熱が発生し、タイヤ
4自体(トレッド表面を除く)の温度は、時速40km
/hでの走行時に約60℃〜70℃まで上昇する。この
ようにタイヤ4の温度が上昇しても、上記芯体2は高温
領域においても高硬度特性を示すことから、ピン状外皮
体3の根元部分は、この芯体2の存在により変形するこ
とはなく、滑り止め具1の全体形状は当初の状態に維持
される。したがって、ピン状外皮体3の根元部分への繰
り返し応力の作用およびこれに起因する疲労が都合よく
回避され、滑り止め具1の折れや破損等が生じなくな
る。
【0044】この結果、上記ピン状外皮体3は高温領域
においては軟質化されるにもかかわらず、これが芯体2
の特性により補強ないし保護され、適切なスパイク作用
が行われることになる。
【0045】以下、図4ないし図9に基づいて、本願発
明に係る滑り止め具1およびこれを装着したタイヤ4の
第2ないし第7実施例を説明する。なお、以下の説明に
際して、上記第1実施例と共通の構成要件については同
一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0046】図4は、本願発明の第2実施例を示し、こ
の第2実施例に係る滑り止め具1が上記第1実施例と相
違するところは、ピン状外皮体3の先端部の小径凹部を
廃止した点である。
【0047】図5は、本願発明の第3実施例を示し、こ
の第3実施例に係る滑り止め具1が上記第1実施例と相
違するところは、ピン状外皮体3の底面部に鍔部31を
形成するとともに、芯体2の底面部にも鍔部21を形成
し、かつ芯体2の先端を平面とした点である。そして、
タイヤ4の凹状部5に対しては、上記芯体2の裏面およ
び鍔部21外周面と、ピン状外皮体3の鍔部31外周面
とが、接着剤(上記第1実施例で使用したものと同一。
以下、同様)を用いて貼着されている。また、芯体2と
ピン状外皮体3との接合部も接着剤により貼着されてい
る。
【0048】図6は、本願発明の第4実施例を示し、こ
の第4実施例に係る滑り止め具1が上記第3実施例と相
違するところは、芯体2の底面部に鍔部を形成せずにピ
ン状外皮体3の底面部にのみ鍔部31を形成した点であ
る。そして、タイヤ4の凹状部5に対しては、上記ピン
状外皮体3の鍔部31の裏面および外周面と上記芯体2
の裏面とが接着剤を用いて貼着されている。
【0049】図7は、本願発明の第5実施例を示し、こ
の第5実施例に係る滑り止め具1が上記第3実施例と相
違するところは、ピン状外皮体3の底面部に鍔部を形成
せずに芯体2の底面部にのみ鍔部21を形成した点であ
る。
【0050】以上の第2ないし第5実施例に係る滑り止
め具1は、上記ピン状外皮体3および芯体2の材料が、
上記第1実施例の場合と同様であり、これらの各実施例
によれば、芯体2が常時備えている高硬度特性によりピ
ン状外皮体3の部分的軟質化が補強される。したがっ
て、この第2ないし第5実施例によるにしても、上記第
1実施例と同様の作用効果が得られることになる。
【0051】一方、図8は、本願発明の第6実施例を示
している。そして、この第6実施例に係る滑り止め具1
が上記各実施例と大きく相違しているところは、嵌合穴
を有していないピン状本体32の底面部(裏面部)に、
断熱性を有する基体22を配設した点である。そして、
上記ピン状本体32の底面部には鍔部34が形成されて
おり、この鍔部34の底面および外周を上記基体22が
覆っている。
【0052】この場合、ピン状本体32は、上述の各実
施例におけるピン状外皮体3と同一の材料で形成されて
いる。一方、上記基体22の材料は、ニトリル系合成ゴ
ムが好適であるが、これ以外に、断熱性を有する樹脂な
どを使用しても差し支えない。したがって、このニトリ
ル系合成ゴムは、この基体22と上記芯体2との双方に
使用可能であり、その特性は、高硬度特性のみならず高
断熱性をも備えていることになり、上述の第1ないし第
5実施例に係る滑り止め具1は、この双方の特性による
相乗効果をも得ることが可能である。なお、上記ピン状
本体32と基体22との間、およびタイヤ4の凹状部5
と基体22との間は、接着剤により貼着されている。
【0053】この第6実施例によれば、ピン状本体32
先端の硬化時にタイヤ4が高温状態になっても、このタ
イヤ4からの熱が上記ピン状本体32に伝達されること
が上記基体22の断熱作用により阻止される。したがっ
て、上記ピン状本体32は、タイヤ4の温度のいかんに
拘らず、高硬度特性を維持できることになり、このピン
状本体32の根元部分の軟質化およびこれに起因する疲
労ならびに破損などが効果的に防止される。
【0054】図9は、本願発明の第7実施例を示し、こ
の第7実施例に係る滑り止め具1が上記第6実施例と相
違するところは、ピン状本体32の鍔部34の底面にの
み基体22を貼着した点である。そして、この第7実施
例においても、上記第6実施例と同様の作用効果を得る
ことが期待できる。
【0055】なお、以上の実施例は、滑り止め具1をタ
イヤ4に装着した場合を例示したものであるが、これ以
外に、たとえば以下に示すような使用も可能である。
【0056】すなわち、図10は、本願発明の第8実施
例を示し、この第8実施例は、靴底40に複数の凹状部
41を形成し、これらの各凹状部41に、上記第1ない
し第7実施例のいずれかと同様にして滑り止め具1を取
り付けたものである。この第8実施例においても、靴底
40の上方からの熱によるの悪影響を回避して、適切な
氷雪路面に対する食い込み作用を行うことが可能であ
る。
【0057】また、図11は、本願発明の第9実施例を
示し、この第9実施例は、松葉杖などの杖43の石突き
部44に凹状部45を形成し、この凹状部45に、上記
第1ないし第7実施例のいずれかと同様にして滑り止め
具1を取り付けたものである。この第9実施例において
も、石突き部44の上方からの熱による悪影響を回避し
て、適切な食い込み作用を行い得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施例に係る滑り止め具を示す
部品分解配列斜視図である。
【図2】上記第1実施例に係る滑り止め具のタイヤへの
取り付け状態を示す要部拡大縦断正面図である。
【図3】上記第1実施例に係る滑り止め具のタイヤへの
取り付け状態を示す概略縦断正面図である。
【図4】本願発明の第2実施例に係る滑り止め具のタイ
ヤへの取り付け状態を示す要部縦断正面図である。
【図5】本願発明の第3実施例に係る滑り止め具のタイ
ヤへの取り付け状態を示す要部縦断正面図である。
【図6】本願発明の第4実施例に係る滑り止め具のタイ
ヤへの取り付け状態を示す要部縦断正面図である。
【図7】本願発明の第5実施例に係る滑り止め具のタイ
ヤへの取り付け状態を示す要部縦断正面図である。
【図8】本願発明の第6実施例に係る滑り止め具のタイ
ヤへの取り付け状態を示す要部縦断正面図である。
【図9】本願発明の第7実施例に係る滑り止め具のタイ
ヤへの取り付け状態を示す要部縦断正面図である。
【図10】本願発明の第8実施例を示し、滑り止め具の
靴底への取り付け状態を示す要部縦断側面図である。
【図11】本願発明の第9実施例を示し、滑り止め具の
杖への取り付け状態を示す要部縦断正面図である。
【図12】従来の滑り止め具のタイヤへの取り付け状態
を示す要部縦断正面図である。
【図13】従来の滑り止め具のタイヤへの取り付け状態
を示す要部縦断正面図である。
【符号の説明】
1 滑り止め具 2 芯体 3 ピン状外皮体 4 タイヤ 4a トレッド表面 5 凹状部 22 基体 32 ピン状本体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低温領域から高温領域にわたる広い温度
    領域において高硬度特性を示す材料で形成された芯体の
    表面部が、所定温度以下の低温領域において高硬度特性
    を示すとともにそれ以上の高温領域において低硬度特性
    を示す材料で形成されたピン状外皮体により覆われてい
    ることを特徴とする、滑り止め具。
  2. 【請求項2】 上記ピン状外皮体は、ポリノルボーネン
    を芳香族油で可塑化させて得られるポリマーで形成され
    ており、かつ上記芯体は、ニトリル系合成ゴム、樹脂、
    または金属で形成されている、請求項1に記載の滑り止
    め具。
  3. 【請求項3】 断熱性を有する材料で形成された芯体の
    表面部が、所定温度以下の低温領域において高硬度特性
    を示すとともにそれ以上の高温領域において低硬度特性
    を示す材料で形成されたピン状外皮体により覆われてい
    ることを特徴とする、滑り止め具。
  4. 【請求項4】 上記ピン状外皮体は、ポリノルボーネン
    を芳香族油で可塑化させて得られるポリマーで形成され
    ており、かつ上記芯体は、ニトリル系合成ゴムまたは樹
    脂で形成されている、請求項3に記載の滑り止め具。
  5. 【請求項5】 所定温度以下の低温領域において高硬度
    特性を示すとともにそれ以上の高温領域において低硬度
    特性を示す材料で形成されたピン状本体の裏面部に、断
    熱性を有する材料で形成された基体を配設したことを特
    徴とする、滑り止め具。
  6. 【請求項6】 上記ピン状本体は、ポリノルボーネンを
    芳香族油で可塑化させて得られるポリマーで形成されて
    おり、かつ上記基体は、ニトリル系合成ゴムまたは樹脂
    で形成されている、請求項5に記載の滑り止め具。
  7. 【請求項7】 上記請求項1ないし4のいずれかに記載
    した滑り止め具を、上記ピン状外皮体の先端がタイヤの
    トレッド表面と略同一高さ位置または僅かに低い位置と
    なるように、タイヤに形成した凹状部に取り付けたこと
    を特徴とする、滑り止め具付きタイヤ。
  8. 【請求項8】 上記芯体の先端は、タイヤのトレッド溝
    底面と略同一高さ位置になるように、上記タイヤに形成
    した凹状部に取り付けられている、請求項7に記載の滑
    り止め具付きタイヤ。
  9. 【請求項9】 上記請求項5または6に記載した滑り止
    め具を、上記ピン状本体の先端がタイヤのトレッド表面
    と略同一高さ位置または僅かに低い位置となるように、
    上記基体を介在させてタイヤに形成した凹状部に取り付
    けたことを特徴とする、滑り止め具付きタイヤ。
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