JP2005290776A - 踏切路構造体 - Google Patents

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JP2005290776A JP2004105822A JP2004105822A JP2005290776A JP 2005290776 A JP2005290776 A JP 2005290776A JP 2004105822 A JP2004105822 A JP 2004105822A JP 2004105822 A JP2004105822 A JP 2004105822A JP 2005290776 A JP2005290776 A JP 2005290776A
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Abstract

【課題】車両走行性がよく、耐摩耗性、耐久性等に優れた弾性踏切路構造体を提供する。
【解決手段】踏切路構造体について、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、カルボキシル化されていてもよいブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムおよびニトリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴム100重量部に対し、モース硬度5以上、平均粒径500μm以下の粒子を1〜70重量部の割合で含有するゴム組成物によって形成されてなる表層と、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、カルボキシル化されていてもよいブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムおよびニトリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴムを用いたゴム組成物によって形成されてなる、内部に金属製の骨組を埋設してなる下層と、の少なくとも2層を備えるものとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、踏切路構造体に関する。
従来、踏切には、木製または鉄筋コンクリート(RC)製の踏切板を枕木にボルトで固定し、軌道方向および軌間方向への移動を規制する敷設方式が多用されている。しかしながら、このような踏切板には、表面に雨水が溜まり易く、特に冬季にはその水が凍結するおそれがあるため、スリップを生じる危険性が高い。また、踏切板を設置する際に位置決めや固定に手間がかかるという問題や、走行時の騒音が大きいといった問題がある。そこで、近年、踏切構造の改良検討がなされてきている。
その一つとして、特許文献1には、ゴムチップを接着剤で固めて、多孔質で透水性を有する板状体を形成し、この板状体にレールの首部に係合する係合凸部を設けた踏切板が提案されている。また、特許文献2には、踏切施工区域のレール間に弾性変形可能な舗板をレールの腹部側面に端縁の抜止め縁部を接触しないよう近接させて嵌め込み、この舗板の縁部にレールに沿わせて設けた貫通孔と、その貫通孔に強靭なパイプを挿入して固定する踏切構造が提案されており、排水性や通気性を確保し舗板を一体化することが図られている。特許文献3では、軟質ゴムからなる下地緩衝層と、この下地緩衝層の上面に順次に積層した鋼板および表面ゴム層とを備え、表面ゴム層に防滑意匠を施すとともに、その表面ゴム層の上面近傍にセラミックを埋込んでなる弾性路面敷板が提案されており、このような弾性路面敷板は、耐寒性、耐候性、耐摩耗性がよいとされている。上述のように、主としてゴム等の弾性部材を踏切板に利用してなる踏切を弾性構造踏切と呼ぶことがある。
また、ゴムを主成分とした部材は、レール下およびタイプレート下において、緩衝作用を発揮させるためのゴム製パッドや、鋼板付ゴム製パッドとしても用いられており、その規格はJIS E 1117-1990により規定されている。
特許第2930586号公報 特公平7−6163号公報 特開平8−81906号公報
上述のように、ゴム部材の踏切構造への利用検討がなされているものの、走行性、耐久性、経済性等の面から、さらに改善すべき問題点が残されている。例えば、ゴム部材で構成した路面には、滑り防止を目的として溝(例えばラダーパターン状に配列された凹部)が形成されており、滑り防止効果をさらに向上させるために、金型をブラスト処理してゴム表面が粗くなるように形成されている。しかしながら、従来のゴム部材は、車両の通行によって表面が摩耗し易く、摩耗が進行することによって、特に雨天時に滑り易くなるといった問題がある。それゆえ、ゴム部材の踏切構造については、走行安全性を長く維持するために、耐久性を向上させることが求められている。また、滑り防止効果を向上させるために、ラダーパターンを複雑にするといったことが考えられるが、この場合、使用金型の耐久性が低下し、コスト高になるといった別の問題が生じる。
一方、ゴム製パッドおよび鋼板付ゴム製パッド(以下、軌道パッドという)については、JIS E 1117-1990により、絶縁抵抗が3000MΩ(3×109Ω)以上であることが要求されており、他の踏切路構造体においても、この絶縁規格に準じている。それゆえ、踏切路構造体を形成するゴム部材には、耐久性の向上といった品質改善を目的として補強剤等を添加するのにあたって、絶縁抵抗性の面からも、添加する補強剤等の種類と量を考慮しなければならない場合がある。とりわけ、カーボンブラックは、ゴム製品の硬さ、引張強さ、モジュラス、弾性、摩耗抵抗、引裂抵抗等を高めるための一般的な補強剤であるが、その一方で導電性物質でもあることから、絶縁抵抗との兼ね合いから添加量を抑えなければならず、他の補強手段との併用を求められることが多い。
そこで、本発明の目的は、踏切板等への使用に適した踏切路構造体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、踏切路構造体の構造、弾性構造踏切を形成するゴム組成物の配合材料などについて種々検討を重ねた結果、本発明の踏切路構造体を完成したものである。
すなわち、本発明の踏切路構造体は、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、カルボキシル化されていてもよいブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムおよびニトリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴム100重量部に対し、モース硬度5以上、平均粒径500μm以下の粒子を1〜70重量部の割合で含有するゴム組成物によって形成されてなる表層と、
天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、カルボキシル化されていてもよいブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムおよびニトリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴムを用いたゴム組成物によって形成されてなる、内部に金属製の骨組を埋設してなる下層と、
の少なくとも2層を備えることを特徴とする。
本発明の踏切路構造体において、下層形成用のゴム組成物は、ゴム100重量部に対して、カーボンブラックを1〜30重量部(phr)の割合で含有するものであるのが好ましい。
本発明の踏切路構造体において、表層形成用のゴム組成物に添加される前記粒子は、無機材料からなる粒子(無機粒子)または有機材料からなる粒子(有機粒子)のいずれでもよく、これらの混合材料であってもよい。無機粒子としては軽石(シラス等)、金剛砂等が挙げられ、有機粒子としてはプラスチックポリアミドの粒子等が挙げられる。
本発明の踏切路構造体は、踏切板等への適用に有用である。当該踏切路構造体の表層は、表層形成用のゴム組成物に添加されている粒子に起因して、表面がざらざらしており、従来の弾性構造踏切よりも滑り抵抗性が高く、走行安全性に優れている。また、耐摩耗性や耐久性も著しく向上しており、しかも、表面のざらつきに起因して、滑りにくい加工が施されているとの感覚を与え得ることから、滑りに対する安心感(視覚的、心理的効果)を得ることもできる。また、本発明の踏切路構造体は、車両走行時の振動が少なく、低騒音性である。また、
さらに、本発明においては、表層形成用のゴム組成物中でのカーボンブラックの添加量を適宜設定することによって、踏切路に必要な絶縁抵抗を維持しつつ、補強効果を発揮させることができる。
本発明の踏切路構造体は、前述のように、(i)天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、カルボキシル化されていてもよいブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムおよびニトリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴム100重量部に対し、モース硬度5以上、平均粒径500μm以下の粒子を1〜70重量部の割合で含有するゴム組成物によって形成されてなる表層と、(ii)天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、カルボキシル化されていてもよいブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムおよびニトリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴムを用いたゴム組成物によって形成されてなる、内部に金属製の骨組を埋設してなる下層と、の少なくとも2つの層を備える、多層構造のものである。
表層形成用のゴム組成物に、所定の硬度および粒径を有する粒子を添加することによって、前述のように、滑り抵抗性が高くすることができ、耐摩耗性や耐久性を著しく向上させることができる。そればかりか、踏切路構造体の表面がざらざらとしたものとなることにより、踏切路構造体表面の滑りが防止されていると視覚的に感ずることができ、それによる安心感(心理的効果)を得ることができる。
一方、前記粒子を含有するゴム組成物によれば、踏切路構造体の補強を目的としてゴム中に埋設される金属製骨組と、当該ゴムとの接着性を良好な状態とすることが困難になるところ、本発明の踏切路構造体では多層構造を採っており、踏切路構造体の表面に現れることのない下層を、前記粒子を含まないゴム組成物で形成することによって、前記金属製骨組とゴムとの接着性を良好な状態に維持することができる。
本発明の踏切路構造体において、表層形成用のゴム組成物に用いられるゴムと、下層形成用のゴム組成物に用いられるゴムとは、両層の一体性を高めるためにも、例えばジエン系のゴム同士を用いるなど、互いに相溶性や密着性が高く、加硫処理後に一体化させ易いゴムを用いるのが好ましい。ジエン系のゴム同士の例としては、例えばNR同士、SBR同士、NBR同士、NRとSBRとの混合ゴム同士といった、いわゆる同種のゴムで表層と下層を形成することのほか、表層にグリップ性の良好なSBRを使用し、下層に安価なNRを使用するといった組み合わせであってもよい。後者の場合、表層と下層とで使用するゴムの種類が異なっていても、ジエン系のゴムと、ブチルゴム、ニトリルゴム等の非ジエン系ゴムとを組み合わせる場合に比べて、加硫成形処理による表層と下層との一体化の効果を高めることができる。
表層形成用ゴム組成物および下層形成用ゴム組成物に用いられるゴム材料としては、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、カルボキシル化されていてもよいブチルゴム(IIRおよびXIIR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)等が挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を混合して用いることができる。
前記ゴム材料のなかでも特に、NR、SBR、BRまたはIRが、耐久性等の機械特性が良好であり、かつ、コスト面からも有利であることから、好ましく用いられる。とりわけ、NR、SBRまたはこれらの混合ゴムを用いるのがより好ましい。表層形成用のゴム組成物においては、雨天時のグリップ性に優れていることが求められることから、SBRベースの配合を採用するのが好ましい。
表層形成用のゴム組成物には、モース硬度が5以上であり、かつ、平均粒径が500μm以下である粒子を、ゴム材料100重量部に対し1〜70重量部の割合で含有する。モース硬度が5未満である粒子を用いても、滑り抵抗性や耐摩耗性等を向上させることができず、とりわけ滑り抵抗性を改良する目的を十分に達成することができない。モース硬度は、特に6以上であることが好ましい。モース硬度の上限は特に限定されないが、8を超える粒子を用いても、滑り抵抗や耐摩耗性の改良効果にさらなる向上はみられず、むしろ、走行車両のタイヤを傷つけるといった問題を生じるおそれがある。
モース硬度とは、材料の機械的性質の一つで、古くから鉱物関係で広く用いられている測定法である。これは、以下の10種類の鉱物で、測定対象の表面を順次引っ掻いて、その際に測定対象の表面に傷が付けば、その鉱物よりも硬度が低いと判定する方法である。測定に使用する鉱物には、硬度の低い方から、1 タルク(滑石)、2 石膏、3 方解石、4 螢石、5 アパタイト(リン灰石)、6 正長石、7 水晶、8 トパーズ(黄玉)、9 コランダム、10 ダイヤモンドが用いられる。これに準じて他の素材のモース硬度が測定される。
表層形成用のゴム組成物に用いられる粒子の平均粒径は、500μm以下である。平均粒径が500μmを超えると、ゴムの補強性が乏しく、耐摩耗性に悪影響を及ぼす。平均粒径の上限は、特に300μmとするのが好ましく、150μmとするのがより好ましい。平均粒径の下限は10μm程度とするのが好ましい。平均粒径が10μm未満であると、滑り抵抗に対する効果が小さくなる傾向がある。平均粒径の下限は、特に20μmとするのが好ましく、30μmとするのがより好ましい。従って、平均粒径の範囲を例示すると、好ましくは10〜500μmであり、さらに好ましくは20〜300μmであり、より一層好ましくは30〜150μmである。
前記粒子は、上述のモース硬度と平均粒径とを有するものであれば、無機粒子、有機粒子あるいはこれらの混合粒子のいずれであってもよい。
前記無機粒子は、さらに、絶縁性の高い素材であるのが好ましい。無機粒子の例としては、例えば、異極鉱、アスベスト、リン灰石、ガラス、角閃石、長石、軽石、正長石、輝石、マグネシア、メノウ、ガーネット、火打ち石、石英、ケイ素、酸化ベリリウム、酸化ジルコニウム、紅柱石、緑柱石、金剛砂、黄玉、ホウ化ジルコニウム、コランダム、チッ化チタン、炭化タングステン、炭化タンタル、炭化ジルコニウム、アルミナ(鋳造)、アルミナ(α)、アルミナ(微細結晶)、シリコンカーバイド(ブラック)、シリコンカーバイド(グリーン)、アルミニウムボライド、ボロンカーバイド、ダイヤモンド等が挙げられる。これらのなかでも、軽石(パーミス)または金剛砂(エメリー)は、本発明において特定する平均粒径のものを入手し易く、コストも比較的安いことから、本発明において好ましく用いられる。軽石は、さらにシラスであるのが好ましい。シラスは、南九州、とくに鹿児島県を中心に広く分布する火山噴出物の1種で、白色または灰白色の堆積物であり、クリストファーダイヤグラムにおいて粒度149〜297μmの層のものが好ましく用いられる。
前記有機粒子としては、例えば各種合成樹脂の粒子が挙げられ、その具体例として、プラスチックであるポリアミドの粒子(モース硬度8)を挙げることができる。
前記粒子の配合割合は、ゴム材料100重量部に対して、1〜70重量部である。粒子の配合量が1重量部未満である場合は、滑り抵抗を向上させる効果が乏しく、逆に、70重量部を超える場合は、圧縮性能(圧縮永久ひずみ等)が低下する。粒子の配合割合は、より好ましくは1〜50重量部であり、さらに好ましくは5〜30重量部である。
踏切路構造体に用いられるゴム製パッドおよび鋼板付ゴム製パッド(以下、軌道パッドという)においては、JIS E 1117-1990により、絶縁抵抗が3000MΩ(3×109Ω)以上であることが規定されているが、踏切路構造体についても、耐久性向上といった品質改善を図るべく補強剤等を添加する場合に、絶縁抵抗性の面からも、使用する補強剤等の種類と量を考慮しなければならない場合がある。とりわけ、カーボンブラックは、ゴム製品の硬さ、引張強さ、モジュラス、弾性、摩耗抵抗、引裂抵抗等を高めるための一般的な補強剤であるものの、同時に導電性物質であることから、絶縁抵抗との兼ね合いから添加量を抑えなければならず、他の補強手段との併用を要することが多い。
本発明の踏切路構造体においては、下層形成用のゴム組成物において、補強剤等の添加に伴う絶縁性の低下が生じないように、その種類と配合量とを決定するのが好ましい。具体的には、下層形成用ゴム組成物におけるカーボンブラックの配合量を、ゴム組成物の絶縁抵抗をあまり低下させない範囲に止めるのが好ましい。下層形成用のゴム組成物におけるカーボンブラックの配合量は、ゴム材料100重量部に対して1〜30重量部であることが好ましく、1〜24重量部であればさらに好ましい。カーボンブラックは、粒子径が20〜60μmであるものが好ましく用いられる。具体的には、ISAF、HAF、XCF、FEF、GPF等(粒子径20〜60μm)を用いるのが好ましく、とりわけ、HAF、XCFまたはFEF(粒子径26〜48μm)を用いるのがより好ましい。
表層形成用および下層形成用のゴム組成物は、前記ゴム材料に、前記粒子、加硫剤等の所定の添加剤を配合した上で、これを1〜5分間程度、混練りすることによって得られる。混練り時間が1分間未満であると、粒子や加硫剤等のゴムへの分散が不充分になる傾向がある。混練り時の組成物(未加硫)は、踏切路構造体を作製するときの加工性の面から、そのムーニー粘度(JIS K 6300、130℃)が80を超えないように調整することが好ましい。
表層形成用および下層形成用のゴム組成物には、前記の成分に加えてゴム組成物の製造に一般に使用される成分、添加剤を、必要に応じて配合・添加してもよい。前記成分、添加剤の具体例としては、補強剤(カーボンブラック、シリカ等)、プロセスオイル(パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等)、加硫剤(硫黄、塩化イオウ化合物、有機イオウ化合物等)、加硫促進剤(グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンデート系の化合物等)、架橋剤(有機パーオキサイド化合物、アゾ化合物等のラジカル発生剤、オキシム化合物、ニトロソ化合物、ポリアミン化合物等)、酸化防止剤ないし老化防止剤(ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系等のアミン誘導体、キノリン誘導体、ハイドロキノリン誘導体、モノフェノール類、ジフェノール類、チオビスフェノール類、ヒンダードフェノール類、亜リン酸エステル類等)、ワックス、ステアリン酸、酸化亜鉛、軟化剤、充填剤、可塑剤等が挙げられる。
踏切路構造体の具体的態様としては、公知の踏切板等が挙げられる。踏切板の製造においては、前記ゴム組成物を未加硫の段階で押し出し加工して、下層および表層の各成形体(未加硫物)を形成する。この未加硫物を積層して、加硫機中で加熱加圧することによって、両層を接着、一体化させた踏切板を得ることができる。当該踏切板は、踏切路の形成にあたって表面をバフ掛けして表皮ゴムを取り除くことにより、粒子材料の露出量を多くして車両走行時の滑り防止効果を高めることができる。また、踏切路の形成にあたっては、本発明の踏切路構造体と他の材料、例えば金属、木、繊維、セラミックス、セメント等と併用してもよい。
踏切板には、内軌板および外軌板の2種類があり、内軌板は2本の枕木に跨る大きさとされ、外軌板は2本の枕木に跨る大きさとされているが、本発明の踏切路構造体は、いずれの踏切板としても使用することができる。踏切板には、常法により補強材(硬質塩化ビニール、金属プレート、鋼管等)を埋入しておくこともできる。金属プレート等の補強材を埋入する場所としては特に限定されるものではないが、補強剤とゴムとの密着性を良好なものとするためにも、前記粒子を含まないゴム組成物からなる層(下層)に設定するのが好ましい。金属プレート、鋼管等の金属製の補強材とゴムとの接着性を向上させるためには、金属製の補強材の表面にあらかじめゴム−金属接着用の加硫接着剤を塗布しておくのが好ましい。踏切板は、木製枕木またはPC枕木用のいずれにも使用することができ、JIS E 1117-1990に規定する品質を参考にして作製される。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
<表層形成用および下層形成用ゴム組成物の特性評価>
表層形成用および下層形成用ゴム組成物の特性評価に関する実施例および比較例において使用した原材料を、以下にまとめて示す。なお、シラス、金剛砂、軽石および炭酸カルシウムは、それぞれ原石を粉砕した後、ふるいにかけて特定の粒子径のもののみ採取して、使用した。
・NR:RSS#3
・SBR:住友化学製「SBR1500」
・カーボンブラック:昭和キャボット(株)製の「ショウブラックN330」(N2SA:75m2/g,DBP吸油量:102mL/100g)
・シリカ:日本シリカ製「ニップシールVN3」
・ワックス:大内新興化学工業(株)製「サンノックN」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
・アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製の「JOMO プロセスX−140」
・カップリング剤:「デグサSi69」
・シラス:平均粒径100μm、モース硬度5.5
・シラス:平均粒径700μm、モース硬度5.5
・金剛砂:平均粒径100μm、モース硬度7
・軽石:平均粒径100μm、モース硬度6
・炭酸カルシウム:平均粒径30μm、モース硬度3
・硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
・加硫促進剤:大内新興化学興業(株)製「ノクセラーCZ」
次に、実施例および比較例で用いた評価方法を以下にまとめて示す。
・滑り抵抗:台上にゴムシートを固定しその上にタイヤ(商品名「SR13」、住友ゴム工業(株)製、内圧2.2kg/cm2)を100kg荷重で押し当て、その横から荷重をかけたときの滑り出しの値を測定し、測定値を指数化した。
・圧縮永久ひずみ:JIS E 1117に規定する方法により測定し、測定値を指数化した。
・耐摩耗性:JIS K 6264−8 ピコ摩耗試験に規定する方法により測定し、測定値(絶対量)を指数化した。
「滑り抵抗」、「圧縮永久ひずみ」および「耐摩耗性」の測定値を指数化する際には、比較例1の測定値を基準値(100)とした。「滑り抵抗」は、指数値が大きいほど好ましく、具体的には、110以上であるのが好ましく、120以上であるのがより好ましい。「圧縮永久ひずみ」は、指数値が小さいほど好ましく、具体的には、130以下であるのが好ましく、110以下であるのがより好ましい。「耐摩耗性」は、指数値が小さいほど好ましく、具体的には、130以下であるのが好ましく、110以下であるのがより好ましい。
・硬度:JIS K 6301に規定する方法により測定した。
・ゴム強度:JIS K 6301に規定する方法により、引張り強さを測定した。
・伸び率:JIS K 6301に規定する方法により、伸び率を測定した。
・ムーニー粘度:未加硫のゴム組成物について、JIS K 6300に規定する方法により測定した。
・絶縁抵抗試験:JIS E 1117-1990で規定する測定法により、浸水前および浸水後の絶縁抵抗(Ω)を測定した。
・接着力:ゴム−金属加硫接着剤(商品名「メタロック」液性タイプ、(株)東洋化学研究所製)を金属プレート(ステンレス板)の表面に刷毛で塗布した後、室温で一晩養生させた。養生後、金属プレートの接着剤が塗布されている側の表面に、後述する下層のテストピース(加硫前のもの)を貼り付けて、160℃で30分間加硫した。次いで、金属プレートと、下層のテストピースとの接着部分の一端をあらかじめ10mm程度剥離させて、金属プレートと下層との当該一端をそれぞれ掴み具に取り付け、JIS K 6854「接着剤のはく離強さ試験方法」に規定する「180度はく離試験」を参考にして、金属製骨組との接着力(はく離接着強さ,N/mm)を測定した。はく離接着強さは、例えば踏切板等として使用する場合の耐久性の観点から、70N/mm以上であるのが好ましく、100N/mm以上であるのがより好ましい。
・金属製骨組との接着性:上記「180度はく離試験」に供したサンプルを目視で確認して、剥離処理によって下層が引き裂かれて、金属プレートの表面を覆うように残存した場合に、接着性が良好(○)であるとし、金属プレートとゴムとが完全に剥離したり、金属プレート中に残存する量が少なかった場合に、接着性が不良(×)であるとした。
(実施例1〜3および比較例1〜5)
表1に示す配合処方に従って、まず、硫黄および加硫促進剤以外の各成分を混練りし、次に、硫黄および加硫促進剤を加えて混練りした。得られた未加硫組成物を、厚み2mmの板状(縦150mm×横150mm)に押し出し、次いで、160℃で30分間加熱して加硫成形することにより、踏切路構造体における表層のテストピースを作製した。
各加硫成形物の滑り抵抗、圧縮永久ひずみ、耐摩耗性、硬度、ゴム強度および伸び率の測定結果を表1に示す。
Figure 2005290776
この結果、実施例1〜3に示すように、平均粒径が500μm以下であるシラス、金剛砂または軽石の各粒子を所定の割合で添加してなるゴム組成物を用いた場合は、比較例1(前記粒子を添加していないゴム組成物を用いた場合)に比べて、滑り抵抗の指数値を大きくする(滑りにくくする)ことができた。また、圧縮永久ひずみおよび摩耗性の指数値の増加を抑制する(永久ひずみや摩耗を抑制する)ことができた。
一方、前記粒子の添加量が1重量部に達しない場合(比較例4)はその改善効果がみられず、添加量が70重量部を超える場合(比較例3)は引張強度と伸び率が低下した。また、平均粒径が500μmを超える粒子を添加した場合(比較例2)は、引張強度と伸び率が著しく低下し、モース硬度が5に達しない粒子(炭酸カルシウム)を添加した場合は(比較例5)、滑り抵抗の改善効果が認められなかった。
なお、JIS E 1117-1990においては、緩衝用軌道パッドについて、引張強さ(ゴム強度)が12N/mm2(=MPa)以上であること、および、伸びが250%以上であることを要求している。
(実施例4〜6および比較例6〜10)
表2に示す配合処方に従って、まず、硫黄および加硫促進剤以外の各成分を混練りし、次に、硫黄および加硫促進剤を加えて混練りした。得られた未加硫組成物を、厚み2mmの板状(縦150mm×横150mm)に押し出し、次いで、160℃で30分間加熱して加硫成形することにより、踏切路構造体における下層のテストピースを作製した。
各未加硫組成物のムーニー粘度、各加硫成形物の絶縁抵抗、滑り抵抗、接着力、金属製骨組との接着性、硬度、ゴム強度および伸び率の測定結果を表2に示す。なお、絶縁抵抗について、“E+14”、“E+6”等の表示は、×1014、×106等の指数を示す。
Figure 2005290776
この結果、実施例4〜6に示すように、補強剤としてのカーボンブラックの添加量が抑制されたゴム組成物を用いた場合は、比較例6〜10(カーボンブラックの添加量が多いゴム組成物を用いた場合)に比べて、絶縁抵抗を大きく設定することができ、踏切路構造体の形成材料としての品質が著しく改善されていた。
なお、JIS E 1117-1990においては、緩衝用軌道パッドについて、絶縁抵抗が3.0×103MΩ(=3.0×109Ω)以上であることを要求している。緩衝用軌道パッドに求められる引張強さ(ゴム強度)と、伸びについては、前述のとおりである。
<踏切路構造体の製造>
(製造例)
鋼管の表面全面に、ゴム−金属加硫接着剤(商品名「メタロック」液性タイプ、(株)東洋化学研究所製)を刷毛で塗布した後、室温で一晩養生させた。養生後、鋼管を金型内に設置し、当該鋼管を覆うようにして、実施例5で得られた下層用のゴム組成物を金型内に充填した。次に、金型内における下層用ゴム組成物の表面側に、実施例1で得られた表層用のゴム組成物を充填した。
下層用および表層用のゴム組成物を金型に充填した後、加硫処理を施して、脱型することによって、図1および図2に示す踏切路構造体10を得た。この踏切路構造体10は、2本のレール20間に配置される内軌板10aと、レール20の外側に配置される外軌板10bとを備えるものであって、内軌板10aにおける表層12は、レール20と接触しないような形状となっている。なお、符号22は、走行車両の車輪を示す。
図1および図2に示す踏切路構造体10において、表層12には所定の粒子が充填されていることから、表面がざらざらしており、表面の滑り抵抗が高く、走行安全性に優れていた。表層12の耐摩耗性や耐久性についても、著しく向上しており、しかも、表面のざらつきに起因して、滑りにくい加工が施されているとの視覚的、心理的効果を得ることができた。
また、踏切路構造体10の下層14の内部には、鋼管16が埋設されて補強が施されており、当該鋼管16とゴムとが、前述の加硫接着剤によって接着されていることも相俟って、実際にレール20上を車両が繰り返し通行した場合であっても、下層14のヘタリ、鋼管16との層剥離等の問題が生じにくく、耐久性を優れたものとすることができた。
本発明に係る踏切路構造体の断面構造は、図1に示す構造に限定されるものではなく、種々の設計変更を加えることができる。例えば、表層12の表面には、ストライプパターン、ドットパターン等の、パターン状の凹凸を設けてもよい。この場合、表層の滑り抵抗をより一層向上させることができる。表層と下層との間には、弾性層等の他の層を介在させてもよい。
踏切路構造体の一実施形態を示す断面図である。 図1に示す実施形態の平面図である。
符号の説明
10 踏切路構造体
12 表層
14 下層
16 鋼管(金属製骨組み)

Claims (5)

  1. 天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、カルボキシル化されていてもよいブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムおよびニトリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴム100重量部に対し、モース硬度5以上、平均粒径500μm以下の粒子を1〜70重量部の割合で含有するゴム組成物によって形成されてなる表層と、
    天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、カルボキシル化されていてもよいブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムおよびニトリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴムを用いたゴム組成物によって形成されてなる、内部に金属製の骨組を埋設してなる下層と、
    の少なくとも2層を備えることを特徴とする踏切路構造体。
  2. 前記下層形成用のゴム組成物が、ゴム100重量部に対して、カーボンブラックを1〜30重量部の割合で含有するものである請求項1記載の踏切路構造体。
  3. 前記粒子が無機粒子である請求項1または2記載の踏切路構造体。
  4. 前記無機粒子が軽石または金剛砂である請求項3記載の踏切路構造体。
  5. 前記軽石がシラスである請求項4記載の踏切路構造体。
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