JPH08276637A - 小型プリンタの筺体構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各カバーの開閉時の操作性を向上させると共
に、各カバーを小スペースで構成し、記録紙の強制排出
に際し、各カバーを筺体の最適位置に配置すること。 【構成】 プリンタ外形を形成する筺体ケースと、該筺
体ケース内に設けられ、記録紙の搬送路を形成するメイ
ンフレーム１０と、該メインフレーム１０に形成された
搬送路の一部に設けられた紙搬送ローラ１９と、紙搬送
ローラ１９と共動して記録紙を搬送するピンチローラ１
７ａを有するピンチフレーム１７と、ピンチフレーム１
７に相対して筺体ケースの上面に設けられたメカカバー
１３と、メカカバーの端部に相対する電池カバー１４と
からなり、電池カバー１４は筺体ケース上をスライド移
動可能に形成され、電池カバー１４をスライドさせてメ
カカバーとの間に記録紙の給紙口を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば電子手帳等の小
型情報機器などのデータ出力機として使用される小型プ
リンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、携帯型情報機器等の小型化が急速
に進んでおり、現市場において鞄に入るサイズのものか
ら上着のポケットに入るサイズのものまで種々の大きさ
の情報機器がラインアップされている。これらは価格的
にも比較的安価であるため、特に若いサラリーマンを中
心に使用者が増大しつつある。一方、これら情報機器に
入力したデータを紙に出力する場合は、通常、プリンタ
が接続されているパソコン等の端末機器に一度データ転
送し、パソコンを介してプリンタに出力させるか、ある
いは携帯情報機を直接卓上プリンタに接続し、紙に出力
すると言った使い方が一般的であった。

【０００３】これに鑑み、使用者からは入力された情報
をその場で出力できるような携帯型のプリンタが強く要
望されている。これに答える為、最近ではいくつかの携
帯型プリンタが商品化されている。しかしながら、これ
らプリンタはその大きさ、重さ、価格、性能等の面にお
いて必ずしも満足できるものではなかった。

【０００４】具体的な例として、図７に示す従来の小型
プリンタについて説明すれば、プリンタの筺体は基本的
に上ケース１と下ケース２とで形作られ、記録紙は前記
下ケース２に一定の回転角で開閉する紙挿入口カバー４
を開状態にすることによって形成される紙挿入口４ａを
介して挿入され、紙搬送ローラ９とピンチローラ７とに
よってプリンタ内に形成された紙ガイド８に沿って搬送
される。図示しない情報機器からのデータはヘッド移動
ユニット５に設けられた印字ヘッド５ａとプラテン６と
の間に前記記録紙の記録面が配置されている時に記録さ
れ、その後、記録紙は上ケース１に回動開閉自在に設け
られたメカカバー３を閉じた状態で前記上カバー１とメ
カカバー３との間に形成されている紙排出口１ａから排
出される。

【０００５】しかしながら、このような構造の従来の小
型プリンタにおいては使い勝手をよくするため、紙の挿
入方向と排出方向を筺体上面方向に形成しており、この
結果、記録紙はカールパスで排出口から排出されること
となる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来例において
は、カールパス等の搬送経路を有するものであるから、
記録紙がまっすぐに搬送されなかったり、あるいは排出
口までの途中経路中にひっかかって上手く排出されず、
紙詰まり等、故障の原因となることがある。このような
時、メカカバーあるいは紙挿入カバーを開放して紙位置
を修復したり、詰まった紙を取り除いたりする作業が必
要であるが、前記メカカバーあるいは紙挿入口カバーは
それぞれ独立して上ケースあるいは下ケース等に形成さ
れており、カバー開閉の操作性が悪く、また、両カバー
は全く独立して筺体に形成されているため、筺体構造を
小さく形成する事が難しい等の課題を有していた。

【０００７】本発明の目的は上記従来のメカカバーや紙
挿入口カバー相当部位の開閉時の操作性を向上させると
共に、両カバーを小スペースで構成する点にある。本発
明の他の目的は記録紙の強制排出に際し、上記各カバー
を筺体の最適位置に配置することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、本発明
においては記録紙の搬送経路をストレートパス経路とし
て記録紙の排出経路を単純化し、記録紙を確実に排出さ
せると共に、この記録紙排出構造に伴って紙の挿入口を
形成するスライド式の電池カバーとメカカバーとをプリ
ンタ筺体の同一平面上に近接して配置して前記各カバー
の操作性を向上させ、また、前記電池カバーのスライド
位置によって、該電池カバーでメカカバーをロックさせ
るような簡単な構成とすることによって筺体構造を単純
化し、プリンタの小型化を容易に実現すると共に、前記
メカカバーの裏面には搬送ローラと共動するピンチロー
ラを有するピンチフレームを弾性的に支持するためのピ
ンチばねを一体的に設け、これによって前記メカカバー
で記録紙搬送経路のほぼ全てを覆うように構成したの
で、メカカバーを開閉させることにより極めて簡単に排
出不良の記録紙を取り除くことができる。

【０００９】

【作用】本願発明によれば、プリンタ筺体上面の同一平
面上にメカカバーと電池カバーを設け、前記メカカバー
を電池カバーの開閉位置によってロックさせるような極
めて簡単な構成となるように両カバーを配置したので筺
体構造が単純化され、その結果、筺体を小さく形成する
ことが出来ると共に、前記メカカバー裏面にピンチばね
を設け、メカカバーを閉じた状態で前記ピンチばねを介
してピンチフレームに設けられたピンチローラを搬送ロ
ーラに弾圧させるようにしたので、前記メカカバーを開
放状態にすれば前記ピンチフレームの弾圧も解除され、
その結果、記録紙の排出不良があった場合、極めて容易
に不良記録紙を取り除くことができる。

【００１０】

【実施例】以下、図面に従って本発明の実施例を詳細に
説明する。図１は本発明によるプリンタの平面図であ
り、プリンタの筺体の一部を形成するアッパーケース１
１には、このアッパーケース１１上をスライド開閉する
よう、前記アッパーケース１１によって両側端をスライ
ド可能に可動支持された電池カバー１４が設けられてお
り、該電池カバー１４の表面適宜箇所にはスライド操作
を容易にするための爪１４ａが形成されている。同時に
前記アッパーケース１１には前記電池カバー１４と相対
して記録紙を排紙する為の排紙口近傍に開閉時の回転中
心を有するメカカバー１３が設けられており、このメカ
カバー１３は前記電池カバー１４が携帯位置、即ち閉じ
た状態に位置している時に電池カバー１４によってロッ
クされ、開閉不能な状態となっている。また、前記アッ
パーケース１１には複数のプリンタ操作スイッチ１８
と、プリンタの動作状況を視覚的に表示する複数の表示
部１８ａが形成されている。

【００１１】図２は、図１のＡ−Ａ’断面図であって、
プリンタ筺体は前記アッパーケース１１とボトムケース
１２とで形作られている。前記アッパーケース１１の電
池カバー１４との対向部の一部には、前記電池カバー１
４のスライド量を規制するスライドロック爪１１ａが形
成されており、このスライドロック爪１１ａに対応する
前記電池カバー１４の裏面側一部には溝１４ｃ、１４ｄ
が形成され、前記スライドロック爪１１ａが前記溝１４
ｃと係合状態にある時、前記電池カバー１４は携帯時の
初期位置に位置決めされている。また、前記電池カバー
１４をスライドさせた時、これと相対して配置されたメ
カカバー１３との間で紙の挿入口を形成する分のスライ
ド量で前記スライドロック爪１１ａと溝１４ｄとが係合
して電池カバー１４を所定のスライド位置でロックさせ
る。

【００１２】図３は図１のＡ−Ｂ’断面であって、前記
メカカバー１３にはアッパーケース１１の裏面に形成さ
れた溝１１ｂに係合するストッパー爪１３ａが形成され
ており、通常の使用状態では前記溝１１ｂとストッパー
爪１３ａとが噛み合ってメカカバー１３は開閉できない
ロック状態となっている。この係合を解除してメカカバ
ー１３を開閉するためには前記メカカバー１３のストッ
パー爪相対部分を上方から押圧しながら記録紙排紙方向
にスライドさせて一度両者の噛み合いを解除する必要が
ある。一方、メカカバー１３の押圧部は前記電池カバー
１４に形成された給紙ガイド１４ｂの上面に載置される
状態となっており、これによって前記メカカバーは係合
を解除するための撓みを確保することができず、したが
って、メカカバー上面を押圧してもストッパー爪の解除
を行うことができない。すなわち、メカカバー１３はロ
ックされたままの状態となる。

【００１３】さらに、前記メカカバー１３の裏面適宜位
置には補強板１５ａを介してピンチばね１５がねじ１６
によって固定されている。一方、前記筺体内に設けられ
たメインフレーム１０の一部には、紙ガイド部１０ａが
形成されており、この紙ガイド部１０ａの一部には図示
しない駆動源によって回転する紙搬送ローラ１９が設け
られている。

【００１４】また、前記紙搬送ローラ１９に相対して共
動するピンチローラ１７ａは、前記紙ガイド部１０ａと
の間で記録紙の搬送路を形成するピンチフレーム１７に
回転自在に設けられており、前記ピンチローラ１７ａは
前記メカカバー１３が閉じた状態にある時、該メカカバ
ー１３に設けられた前記ピンチばね１５によって紙搬送
ローラ１９に適度な弾性力で押しつけられており、前記
紙搬送ローラ１９と共動して記録紙の搬送を行う。

【００１５】次に、本発明の実施例における動作を説明
すれば、図４は図１のＢ−Ａ’断面図であり、印字を行
わない通常携帯状態のプリンタ断面を示している。この
時、電池カバー１４はアッパーケース１１に形成された
スライドロック爪１１ａと溝１４ｃとの係合によりロッ
ク状態にある。同時に、メカカバー１３はその端部に形
成されたストッパー爪１３ａが図３に示すアッパーケー
ス１１の溝１１ａと噛み合った状態でロックされてい
る。また、図５は図１のＣ−Ｃ’断面であり、記録紙の
搬送路内に設けられた紙搬送ローラ１９に対して、前記
ピンチフレーム１７に設けられたピンチローラ１７ａ
は、前記メカカバー１３に設けられたピンチばね１５の
弾性によって適度な弾性力で紙搬送ローラ１９に押圧さ
れながら紙搬送ローラ１９と共動して記録紙の搬送を行
うよう構成されている。

【００１６】図６は電池カバー１４をスライドさせて、
該電池カバー１４の溝１４ｄとスライドロック爪１１ａ
とを係合させ、メカカバー端部との間で紙給紙口１４ｅ
を形成した状態を示したものである。記録紙は前記紙挿
入口１４ｅから挿入され、紙搬送ローラ１９によって紙
ガイド部１０ａに沿って搬送される。携帯機器等から入
力される印字データは、前記紙搬送ローラ１９から図４
に示す排紙口１２ａに至るまでの間に設けられた図示し
ない印字ヘッドによって印字された後、前記排紙口１２
ａから排紙される。

【００１７】また、前記電池カバー１４を前記紙挿入口
１４ｅの開口位置よりも更にスライドさせると、アッパ
ーケースに形成されたスライドロック爪１１ａと電池カ
バー１４の溝１４ｄとの係合が外れると共に、前記アッ
パーケース１１に形成した図示しない紙挿入口カバー摺
動部と電池カバーとの係合が外れ、この結果、前記アッ
パーケース１１から電池カバーを取り外すことができ
る。また、前記電池カバー１４と相対したアッパーケー
ス上には電池パック収納部が形成されており、前記電池
カバー１４を取り外すことによって電池パック交換が可
能となる。

【００１８】一方、前記搬送路中で記録紙が詰まってし
まう等の搬送不良が生じた場合、前記電池カバー１４を
少なくとも紙挿入口１４ｅの形成位置までスライドさせ
た状態、すなわち、電池カバーによるメカカバーのロッ
クが解除されている状態で、メカカバー端部１３ａを上
方から押圧しながら排紙口１２ａ方向にスライドさせて
アッパーケースの溝１１ｂとストッパー爪１３ａとの係
合を解除し、解除後メカカバー１３を上方に引き上げる
ことによって排紙口１２ａ方向に形成された軸を中心に
回動してメカカバーは開閉し、詰まった記録紙を取り除
き、搬送不良を解除することができる。

【００１９】

【効果】本願発明によれば、プリンタの筺体上面に相対
して形成されるメカカバーと電池カバーとは共動して開
閉ロックさせるようにしたので、コンパクトで操作性の
良いカバー開閉構造を実現できると共に、これによって
プリンタ筺体をより小さく構成できる。また、筺体のほ
ぼ全面を２つのカバーで形成して、これら両カバーを同
時に開放できる構成としたので、記録紙の排出不良等の
不具合を簡単に解除することが出来る等、極めて有効な
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明小型プリンタの平面図である。

【図２】本発明小型プリンタの図１によるＡ−Ａ’断面
図である。

【図３】本発明小型プリンタの図１によるＡ−Ｂ’断面
図である。

【図４】本発明小型プリンタの図１によるＢ−Ａ’断面
図である。

【図５】本発明小型プリンタの図１によるＣ−Ｃ’断面
図である。

【図６】本発明小型プリンタの電池カバーをスライドさ
せ、紙挿入口を形成した状態を示す図１によるＡ−Ａ’
断面図である。

【図７】従来の小型プリンタの断面図である。

【符号の説明】

１０ メインフレーム １０ａ 紙ガイド部 １１ アッパーケース １１ａ スライドロック爪 １２ ボトムケース １３ メカカバー １４ 電池カバー １４ｂ 給紙ガイド １４ｃ，１４ｄ 溝 １５ ピンチばね １７ ピンチフレーム １７ａ ピンチローラ １９ 紙搬送ローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０６Ｆ 3/02 ３１０ Ｂ４１Ｊ 29/12 Ａ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筺体ケースと、該筺体ケース内で記録紙
   の搬送路を形成するメインフレームと、前記搬送路の一
   部に回転駆動可能に設けられた紙搬送ローラと、該紙搬
   送ローラと共動して記録紙を搬送するピンチローラを有
   するピンチフレームと、ピンチフレームに相対して前記
   筺体ケースの上面に設けられたメカカバーと、メカカバ
   ーの端部に相対して設けられた電池カバーとからなり、
   前記電池カバーは前記筺体ケース上をスライド移動可能
   に形成されると共に、前記電池カバーをスライドさせて
   前記メカカバーとの間に記録紙の給紙口を形成すること
   を特徴とする小型プリンタの筺体構造。
2. 【請求項２】 メカカバー裏面のピンチフレームとの相
   対位置に弾性部材を設け、該弾性部材でピンチフレーム
   を弾性的に押圧し、ピンチフレームに設けられたピンチ
   ローラを前記紙搬送ローラに弾圧させることを特徴とす
   る請求項１記載の小型プリンタの筺体構造。
3. 【請求項３】 メカカバーは電池カバーが閉じた状態に
   ある時、電池カバーによって開閉をロックされることを
   特徴とする請求項１記載の小型プリンタの筺体構造。
4. 【請求項４】 メカカバーの一部に筺体ケースと係合す
   る爪を設け、電池カバーをスライドさせた状態で前記筺
   体ケースと爪の係合を解除することによって、筺体ケー
   スあるいはメインフレームの一部を回転中心としてメカ
   カバーの開閉を行うようにしたことを特徴とする請求項
   １記載の小型プリンタの筺体構造。
5. 【請求項５】 電池カバーの一部には筺体ケースに形成
   された弾性爪と係合する溝を少なくとも１つ以上形成
   し、該溝と弾性爪との係合により電池カバーのスライド
   位置を規制することを特徴とする請求項１記載の小型プ
   リンタの筺体構造。