JP3903838B2 - 携帯用小型プリンタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充電式電池を電源の一つとして使用する携帯用小型プリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、モバイル化により、情報機器がノート型コンピュータや携帯情報端末機器のように小型化されたものが普及している。これに伴い、プリンタ装置も携帯に便利な小型化されたものが要請されている。
【0003】
そこで、本出願人は、例えば、特願2001−358175において、プリンタ装置の薄型化・小型化(構造の簡素化)を達成すると共に、用紙ジャム等に際して、その用紙の除去を容易にできるようにしたプリンタ装置を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特願2001−358175においては、プリンタ装置の薄型化・小型化(構造の簡素化)を達成すると共に、用紙ジャム等に際して、その用紙の除去を容易にできるようにしたプリンタ装置については記載されているものの、本体ケースに対して回動自在となる蓋体の材質・構造等については詳しく開示されていない。
【0005】
この点、本体ケースに対して回動自在となる蓋体は、モバイル化にとって重要な構成部品であり、持ち運んだり移動させたりする観点からすれば、ある程度の厚さに構成するとともに表面のキズ防止を達成し且つ軽量化して、装置全体の薄型化・小型化(構造の簡素化)に適合させる必要がある。但し、樹脂で製作すると割れやキズに弱く、鋼で製作すると重く、Mg合金やTi合金で製作するとコスト高となり、Al単板で製作すると変形し易い等の問題があり、既存の技術を単に流用するだけでは対応することができない。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされた携帯用小型プリンタ装置であって、装置全体の薄型化・小型化(構造の簡素化)を確保しつつ、本体ケースに対して回動自在となる蓋体の堅牢化及び軽量化を同時に達成させることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、本体ケース内に積層状態で収納された用紙を印字ヘッドで印刷するとともに、前記本体ケースの両側に設けられた一対の回動穴に対して、蓋体の両側に設けられた一対の回動支持部材の突起部をそれぞれ係入させることにより、前記本体ケースに対して前記蓋体が回動自在となる携帯用小型プリンタ装置であって、前記印字ヘッドで前記用紙を印刷する際に前記印字ヘッドが付勢されるプラテンローラと、前記プラテンローラの外周に前記用紙を案内するペーパガイドと、前記回動穴に内設されるとともに前記回動穴を第1穴と第2穴とに区切るリブと、を備え、前記回動支持部材の突起部が前記第1穴に対して係入されている場合には、前記本体ケースに対して前記蓋体が回動自在となり、前記本体ケースを前記蓋体で閉じている場合に、前記回動支持部材の突起部が前記第1穴から前記リブを越えて前記第2穴に移動すると きは、前記本体ケースに対してスライド移動する前記蓋体を介し、前記プラテンローラに対して前記ペーパガイド及び前記印字ヘッドが付勢し、前記本体ケースを前記蓋体で閉じている場合に、前記回動支持部材の突起部が前記第2穴から前記リブを越えて前記第1穴に移動するときは、前記本体ケースに対してスライド移動する前記蓋体を介し、前記プラテンローラに対して前記ペーパガイド及び前記印字ヘッドが離間すること、を特徴としている。
【0008】
すなわち、本発明の携帯用小型プリンタ装置では、本体ケース内に積層状態で収納された用紙を印字ヘッドで印刷する際は、本体ケースに対してスライド移動する蓋体を介して、プラテンローラに対してペーパガイド及び印字ヘッドが付勢された状態とし、用紙ジャム等が発生した際は、本体ケースに対してスライド移動する蓋体を介して、プラテンローラに対してペーパガイド及び印字ヘッドが離間された状態とするものであるが、このとき、本体ケースの回動穴をリブで区切った第1穴又は第2穴のいずれかに対して蓋体の回動支持部材の突起部が係入されることにより、本体ケースに対してスライド移動した蓋体がロックされるので、プラテンローラに対してペーパガイド及び印字ヘッドが付勢された状態又は、プラテンローラに対してペーパガイド及び印字ヘッドが離間された状態を保持することをサポートできる。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する携帯用小型プリンタ装置であって、前記蓋体は、前記回動支持部材を設けた樹脂製裏面部材と、前記回動支持部材を突出させた状態で前記樹脂製裏面部材を覆う金属製表面部材と、を備えたこと、を特徴としている。
【0010】
すなわち、本発明の携帯用小型プリンタ装置では、本体ケースの両側に設けられた一対の回動穴に対して、蓋体の両側に設けられた一対の回動支持部材の突起部がそれぞれ係入されていることから、本体ケースに対して蓋体が回動自在となるが、この点、蓋体は、樹脂製裏面部材と金属製表面部材からなっているので、全てが金属製のものよりも軽く、さらに、樹脂製裏面部材に設けられた回動支持部材を突出させた状態で、金属製表面部材が樹脂製裏面部材を覆う構造になっており、特に、表面において、変形しにくく、また、全てが樹脂製のものよりも、割れやキズに強いことから、装置全体の薄型化・小型化(構造の簡素化)を確保しつつ、本体ケースに対して回動自在となる蓋体の堅牢化及び軽量化を同時に達成させることができる。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載する携帯用小型プリンタ装置であって、前記回動支持部材と前記金属製表面部材の内面との間に隙間を設けたこと、を特徴としている。
【0012】
すなわち、本発明の携帯用小型プリンタ装置において、蓋体は、樹脂製裏面部材に設けられた回動支持部材を突出させた状態で、金属製表面部材が樹脂製裏面部材を覆う構造になっているが、この点、樹脂製裏面部材に設けられた回動支持部材と金属製表面部材の内面との間に隙間を設ければ、金属製表面部材から突出した状態にある樹脂製の回動支持部材の可撓性(最大たわみ量)を大きくすることができるので、蓋体に対して、本体ケースから離れる回動方向に大きな外力が作用した場合でも、樹脂製の回動支持部材が撓んで、本体ケースから蓋が外れるので、樹脂製の回動支持部材が折れることを防止できる。
【0013】
また、本体ケースに対して蓋体をスライド移動させる際には、本体ケースの回動穴に内設されたリブを蓋体の回動支持部材の突起部が乗り越える必要があるが、この点、蓋体において、樹脂製裏面部材に設けられた回動支持部材と金属製表面部材の内面との間に隙間を設けた場合には、金属製表面部材から突出した状態にある樹脂製の回動支持部材の可撓性(最大たわみ量)が大きいので、本体ケースに対して蓋体をスライド移動させる際においても、蓋体の回動支持部材が折れることを防止できる。
【0014】
また、請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載する携帯用小型プリンタ装置であって、前記金属製表面部材に設けられた開口部と、前記樹脂製裏面部材に設けられた透明凸部と、前記開口部に前記透明凸部が配設されることにより前記蓋体に形成された確認窓と、前記用紙を前記確認窓に向かって前記金属製表面部材に沿って送り出す排紙口と、を備え、前記確認窓は、前記用紙の排紙方向に突き出た円弧の形状であること、を特徴している。
【0015】
すなわち、本発明の携帯用小型プリンタ装置では、蓋体において、金属製表面部材の開口部に樹脂製裏面部材の透明凸部が配設されることにより、確認窓が形成されており、しかも、排紙口からの用紙が、当該確認窓に向かって金属製表面部材に沿って送り出されるが、この点、当該確認窓は、用紙の排紙方向に突き出た円弧の形状であることから、金属製表面部材に沿って送り出された用紙が当該確認窓の上をスムーズに通過することができる。
【0016】
また、請求項5に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載する携帯用小型プリンタ装置であって、前記金属製表面部材に設けられた開口部と、前記樹脂製裏面部材に設けられた透明凸部と、前記開口部に前記透明凸部が配設されることにより前記蓋体に形成された確認窓と、前記用紙を前記確認窓に向かって前記金属製表面部材に沿って送り出す排紙口と、を備え、前記透明凸部のエッジを、前記排紙口の側では前記開口部のエッジよりも低くするとともに前記排紙口の反対側では前記開口部のエッジよりも高くすることにより、前記用紙の排紙方向に進むにつれて高くなる傾斜を前記透明凸部に設けたこと、を特徴としている。
【0017】
すなわち、本発明の携帯用小型プリンタ装置では、蓋体において、金属製表面部材の開口部に樹脂製裏面部材の透明凸部が配設されることにより、確認窓が形成されており、しかも、排紙口からの用紙が、当該確認窓に向かって金属製表面部材に沿って送り出されるが、この点、透明凸部のエッジを、排紙口の側では開口部のエッジよりも低くするとともに排紙口の反対側では開口部のエッジよりも高くすることにより、用紙の排紙方向に進むにつれて高くなる傾斜を透明凸部に設けたことから、金属製表面部材に沿って送り出された用紙が、透明凸部及び開口部のエッジに引っかかることがなく、当該確認窓の上をスムーズに通過することができる。
【0018】
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載する携帯用小型プリンタ装置であって、前記蓋体を付勢することにより前記本体ケースを開いた状態にする開閉ばねを備え、前記蓋体の中心線を対称軸として前記開閉ばねを対称に配設したこと、を特徴している。
【0019】
すなわち、本発明の携帯用小型プリンタ装置では、本体ケースの両側に設けられた一対の回動穴に対して、蓋体の両側に設けられた一対の回動支持部材の突起部がそれぞれ係入されていることから、本体ケースに対して蓋体が回動自在となるが、この点、蓋体を付勢することにより本体ケースを開いた状態にする開閉ばねを備えており、蓋体の中心線を対称軸として開閉ばねを対称に配設したことから、本体ケースに対する蓋体の回動が安定することになる。
【0020】
また、請求項7に係る発明は、請求項6に記載する携帯用小型プリンタ装置であって、前記本体ケース内に内蔵されるとともに電子部品が搭載された基板を備え、前記開閉ばねが前記基板及び前記金属製表面部材に電気的に接続していること、を特徴としている。
【0021】
すなわち、本発明の携帯用小型プリンタ装置では、本体ケース内に内蔵されるとともに電子部品が搭載された基板を備えており、開閉ばねが基板及び金属製表面部材に電気的に接続していることから、基板に対するアースを確保することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を携帯用小型プリンタ装置に具体化した実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明に係る携帯用小型プリンタ装置1の概略構造について、図1〜図5を参照しながら説明する。携帯用小型プリンタ装置1は平面視A6サイズ又はA7サイズ程度の大きさで厚みが略2cm程度あるいはそれ以下の上面開放箱型の本体ケース2を有し、その上面の片側には固定カバー体3を有する。この固定カバー体3の箇所を除く本体ケース2内には感熱紙からなるカットシート状の被記録媒体としての用紙4を複数枚収納した用紙パッケージ5(図3参照)が収容できる用紙収容部6が形成されている。前記固定カバー体3の下面側の近傍には、後に詳述する印刷機構部7としてのサーマルヘッド8、プラテンローラ9、ペーパーガイド10及び用紙分離部としてのピックアップローラ11及び分離ブロック12等が配置されている。分離ブロック12には、ピックアップローラ11の用紙送り出し方向に対して傾斜した案内係止面121が形成されている。そして、前記用紙収容部6は、本体ケース2の側にて回動及びスライド可能な開閉支持手段14を介して開閉可能な蓋体13にて覆われる。
【0023】
蓋体13の回動支点は、図5(a)のロック位置と、図5(b)のロック解除位置との間で本体ケース2の上面に沿ってスライド可能に設けられている。蓋体13は回動支点がロック解除位置にあるときに上下に回動可能である。
【0024】
前記サーマルヘッド8はラインヘッド型であり、プラテンローラ9との間に挟まれて搬送される感熱型の用紙4の搬送方向に直交する方向に延びるライン毎に文字や画像等を印刷することができる。1ライン印刷する際の印刷幅は用紙4の直交方向の用紙幅に略等しく設定されている。サーマルヘッド8及びプラテンローラ9は、A6サイズ又はA7サイズ程度の用紙4の短辺方向の長さを有している。サーマルヘッド8を印刷ヘッドとして用いるのは、被記録媒体として感熱紙を用いることにより、インクやインクリボンの消耗品が不要であり、且つそのための機構を省略でき、携帯用小型プリンタ装置1をコンパクトにできるからである。
【0025】
感熱紙としては、サーマルヘッド8の加熱により発色する発色層を有する感熱発色タイプのものや、加熱により穿孔される穿孔層を基材層上に積層した感熱穿孔タイプのもの等、種々のものを使用できる。
【0026】
前記用紙収容部6のうち、前記印刷機構部7に近い側には、ピックアップローラ11と分離ブロック12とが配置されている(図5(a)及び図5(b)参照)。前記用紙収容部6内に収容された用紙パッケージ5は、前記閉止した蓋体13の本体内面側に設けた板バネ等の付勢手段15を介して用紙収容部6の底板6aに向けて付勢される。用紙パッケージ5における積層した用紙4のうち、用紙パッケージ5外に露出した用紙4(最下層の用紙)がピックアップローラ11の上面に当接付勢される。このピックアップローラ11の回転駆動と分離ブロック12の案内係止面121との協働により、前記最下層の用紙4のみが分離ブロック12の下端とガイド板17との隙間を通過する。該分離ブロック12に隣接してプラテンローラ9が回転可能に設けられ、その外周面に押圧コイルバネ等の付勢手段16によりペーパーガイド10が付勢されている。ピックアップローラ11と案内係止面121により、用紙パッケージ5から1枚だけ分離搬送された用紙4はプラテンローラ9とペーパーガイド10との間に搬送される。ペーパーガイド10は、その断面がプラテンローラ9の外周面に沿うように断面横向き略U字状等の凹湾曲状の摺接面10aに形成されている。
【0027】
前記ペーパーガイド10と、その上方に配置されて回動枢支部Pを中心にして回動可能に配置され、プラテンローラ9の上面の印字位置に接離可能なサーマルヘッド8の下面とにより、前記用紙収容部6から分離搬送された用紙4は横向きU字状に反転させて搬送され、プラテンローラ9の印字位置まで搬送される。サーマルヘッド8により用紙4の上面に印字され、前記分離ブロック12の上面と前記固定カバー体3の端縁との隙間20から蓋体13の外側に排紙される構成である(図5(a)参照)。前記サーマルヘッド8はその背面(上面側)にコイルスプリング(付勢手段)19のばね掛け部が係止され、プラテンローラ9側に付勢され、サーマルヘッド8の印字部(発熱体部8a(図6参照))がプラテンローラ9の上面に当接する。
【0028】
前記プラテンローラ9及びピックアップローラ11の駆動機構は、本体ケース2の長辺に沿う一方の内側面(実施形態では図2に示す用紙4の搬送方向の右側)に配置された駆動モータ22と歯車伝動機構(ギヤ列)23とからなる。プラテンローラ9の直径がピックアップローラ11の直径より大きく、プラテンローラ9の箇所の用紙搬送速度をピックアップローラ11箇所での用紙搬送速度より大きく設定してピックアップローラ11と分離ブロック12との箇所での用紙分離をゆっくり行いプラテンローラ9による用紙搬送、ひいては印字速度を高速化している。そのために、プラテンローラ9箇所での高速搬送に対してピックアップローラ11が連れ回り可能とするワンウエイクラッチ(図示せず)をギヤ列のプラテンローラ9より下流側に設けている。
【0029】
次に、リリース連動機構(プラテンローラ9の外周に対するペーパーガイド10及びサーマルヘッド8の同時押圧及び同時押圧解除機構)について説明する。このリリース連動機構は、プラテンローラ9の外周部分で用紙詰まりが発生した場合に、当該用紙4を簡単に除去するためのものである。
【0030】
次に、図5(a)、図7及び図8(a)〜図8(c)を参照しながらリリース連動機構における各部品の詳細について説明する。リリース連動機構の部品は、本体ケース2に往復移動可能に配置され、且つ前記付勢手段16、19の付勢力に抗して前記プラテンローラ9に対して前記ペーパーガイド10及びサーマルヘッド8を離間させる離間位置と、前記付勢手段16、19の付勢力によりプラテンローラ9に対して前記ペーパーガイド10及びサーマルヘッド8を付勢する付勢位置との間を切り換えられる作動手段18であり、この作動手段18は、後述するカム手段としての第1カム36及び第2カム37を備えた連動リンク体133と、そのカム手段を切り換え移動させるための被作用部としての作動部材28とからなる。
【0031】
本体ケース2の一対の長辺に沿う内面には、前記ペーパーガイド10からプラテンローラ9が配置されている方向に長手の案内支持ブロック24、24を固定する。この案内支持ブロック24、24、後述する作動部材28、連動リンク体133は、合成樹脂材にて対称形に形成されており、図7に示すのは右側の案内支持ブロック24等の部品の斜視図である。
【0032】
各案内支持ブロック24の内側面のうち長手方向の中途部には、前記蓋体13の自由端側の左右両側から下向きに突出するロック片25が上下方向に挿通できる内向き開放状の縦案内溝26が形成されている。また、前記各案内支持ブロック24の外側面には、上下方向の中途部に長手方向に沿う横案内溝27が凹み形成されており、この横案内溝27には作動部材28が前後方向(案内支持ブロック24の長手方向)に移動自在に嵌合している。
【0033】
各作動部材28の外側には、その移動方向の一端寄り部位に、前記縦案内溝26の間隔を隔てて前後一対の規制ブロック29、30が横向き突出されており、前記案内支持ブロック24の内面には、前記一対の規制ブロック29、30が横向きに臨み、且つ所定距離だけ前記前後方向に移動可能とする抜き窓31が穿設されている。
【0034】
さらに、上向き先端部32aが前記縦案内溝26に嵌まる樹脂バネ体32の基部32bは、案内支持ブロック24の外面に凹み形成された係合部33に嵌め入れられ、樹脂バネ体32の基部32bと上向き先端部32aとの連設部32cは案内支持ブロック24の下方に位置している。なお、蓋体13が後退位置で上方に回動して案内支持ブロック24の縦案内溝26から抜け出した状態(これを蓋体13の開き位置という)では、前記作動部材28における一対の規制ブロック29、30の間に前記縦案内溝26が位置するので、樹脂バネ体32の上向き先端部32aが前記一対の規制ブロック29、30の間に上向きに突出して、作動部材28の前後方向の移動を規制できる。従って、この樹脂バネ体32の上向き先端部32aが前記一対の規制ブロック29、30の間に嵌合することにより、前記蓋体13の開き位置でリリース連動機構が不用意に前移動しないようにロック状態に保持できるロック手段となる。
【0035】
他方、前記一方(後側)の規制ブロック30の下面側には、後方に行くに従って上位置となる傾斜面30aが形成されている。従って、作動部材28を前方に移動させた状態(前記規制ブロック30が縦案内溝26の箇所まで移動した状態、これを蓋体13の閉止位置という)では、前記傾斜面30aに前記上向き先端部32aが当接して、作動部材28を前方移動方向に保持し、この構成により、リリース連動機構を不用意に後退させないようにロック位置に保持するロック手段となる。
【0036】
前記作動部材28の前端側には、前記プラテンローラ9の回動軸9aに対して回動可能に被嵌する連動リンク体133がピン34及び縦長孔35を介して回動可能に連結されている。連動リンク体133に縦長孔35が形成され、作動部材28にピン34が形成されていても良い。
【0037】
この連動リンク体133にはカム手段としての第1カム体36と第2カム体37とが一体的に形成されている。連動リンク体133の回動に応じて、第1カム体36が前記ペーパーガイド10の適宜前面に接離するとき同時に第2カム体37が前記サーマルヘッド8の適宜下面に接離するように構成されている。
【0038】
この構成により、図5(b)に示すように、蓋体13を開き、本体ケース2の用紙収容部6内に、開封した用紙パッケージ5を用紙4の面を下向きにしてセットした後、蓋体13を下向き回動すると、当該蓋体13の下面の板バネ製の付勢手段15(図5(a)参照)により用紙パッケージ5を下向きに押圧するので、積層した用紙4の最下層面のうち先端側がピックアップローラ11の上に押圧される。
【0039】
そして、蓋体13を不用意に開かないようにするための動作(蓋体13を下向き回動させて本体ケース2の開口面と平行状に図5(a)の状態まで前進移動)に連動して下記のようにプラテンローラ9の外周面にペーパーガイド10を押圧すると共にサーマルヘッド8も押圧状態とするものである。即ち、蓋体13の左右両側には、前記作動部材28を前記離間位置と付勢位置とに切り換えるべく係合可能な作用部としてのロック片25、25が前記案内支持ブロック24、24の縦案内溝26、26の上方から下向きに嵌合するように設けられている。図8(b)に示す位置、即ち、作動部材28の一対の規制ブロック29、30の間にロック片25が侵入するとき、ロック片25にて前記樹脂バネ体32の上向き先端部32aが縦案内溝26の下方退避領域に押され、作動部材28の前方向(図5(b)、図8(a)の方向)への移動を許容する。この状態(蓋体13の開き可能位置)で蓋体13を固定カバー体3方向に接近移動(前進)させると、前記ロック片25が前方の規制ブロック29を介して作動部材28を前方に押す。この動作により、前記ロック片25は縦案内溝26から前方に移動して案内支持ブロック24における抜き窓31の前寄り位置に来るので上向きに移動できず、蓋体13は開き回動不能となる(図8(a)参照)。即ち、蓋体13は閉止位置となるのである。そして、作動部材28の前進位置(蓋体13の閉止位置)では、後側の規制ブロック30における下面の傾斜面30aに前記樹脂バネ体32の上向き先端部32aが当接して、この樹脂バネ体32の付勢力により、作動部材28が不用意に後退移動するのを防止できるのである。
【0040】
蓋体13の閉止状態(閉止位置)(図5(a)及び図8(a)の状態で、蓋体13の回動支点がロック位置にある場合)では、ロック片25を介して前方の規制ブロック29を押すので、作動部材28は前進し、これに連結された連動リンク体133を図8(a)に示すように時計方向に回動させる。そうすると、連動リンク体133に設けられている第1カム体36はペーパーガイド10の前面から離れる方向に回動するので、当該ペーパーガイド10は裏面側の付勢手段16の付勢力にてプラテンローラ9の外周面に当接する方向に付勢移動する。また、これと同時に前記連動リンク体133に設けられた第2カム体37はサーマルヘッド8の下面から離れる方向に回動する。これにより、付勢手段19の付勢力にてサーマルヘッド8の発熱体部8aがプラテンローラ9の上面に押圧されるようになる。この状態を付勢位置とする。このため、第1カム体36、連動リンク体133、作動部材28は図8(a)の状態にロックされることになる。
【0041】
そして、図示しないパソコン等からUSB端子や赤外線端子を介して印字指令及び画像データ(印刷データ)を携帯用小型プリンタ装置1に送ると、駆動モータ22(図6参照)が回転駆動し、ピックアップローラ11とプラテンローラ9は同時に回転し始める。ピックアップローラ11の回転により、前記積層された用紙4のうち最下層の用紙4の先端41が(図3参照)、分離ブロック12に衝突して最下層の用紙4のみが分離されて、分離ブロック12の下面とガイド板17との間に搬送される。次いで、プラテンローラ9とペーパーガイド10との間に挟持された用紙4は、回転するプラテンローラ9とペーパーガイド10にて挟持搬送されてサーマルヘッド8方向に移動し、用紙4の表面に印字された後、固体カバー体3と前記分離ブロック12の背面との隙間20から携帯用小型プリンタ装置1外に排紙できるのである。
【0042】
次に、紙ジャムが発生した場合に、前記サーマルヘッド8とペーパーガイド10とを連動してリリースする動作について、図8(a)〜図8(c)を参照しながら説明する。本実施形態では、蓋体13の開き動作に連動するものである。まず、蓋体13を開くに際して、本体ケース2の上面と平行状の蓋体13を固定カバー体3から離れる方向に水平移動(後退)させ、蓋体13の回動支点をロック解除位置に移動させる。
【0043】
図8(a)から図8(b)に示すように、蓋体13を後退させると、当該蓋体13の左右両側のロック片25、25が各作動部材28の前後一対の規制ブロック29、30の間に嵌まっているので、作動部材28を付勢手段16、19の付勢力に抗して強制的に後退させる。この時、樹脂バネ体32の付勢力にも抗して移動されるが、付勢手段16、19の付勢力の方が大きい。
【0044】
作動部材28の後退位置では、縦案内溝26の下方後退領域に退避した樹脂バネ体32の上向き先端部32aが、弾性力により前記一対の規制ブロック29、30の間に下方から係合し、作動部材28の後退位置を保持することができる(図8(c)参照)。また、蓋体13を上方に回動させて用紙パッケージ5を交換することもできる。
【0045】
この作動部材28の後退移動に伴って、当該作動部材28に対してピン34及び縦長孔35を介して連結された連動リンク体133はプラテンローラ9の軸9a回りにて図8(b)において反時計回り回動する。この連動リンク体133に設けられた第1カム体36は付勢手段16の付勢力に抗してペーパーガイド10の前面を押してプラテンローラ9の外周面から離す。それと同時に第2カム体37が付勢手段19の付勢力に抗してサーマルヘッド8の下面を上向きに押し上げ、サーマルヘッド8の発熱体部8aがプラテンローラ9の外周面から離れるのである(図8(b)参照)。この状態が離間位置である。これにより、プラテンローラ9の外周に巻き付いている用紙4は軽い力で携帯用小型プリンタ装置1の外に引き出すことができるのである。そして、ワンタッチでサーマルヘッド8とペーパーガイド10とをプラテンローラ9に対して接離可能であるので、操作性に優れたものとなる。
【0046】
ここで、作動部材28は後退位置に樹脂バネ体32により移動不能にロックされているが、この樹脂バネ体32は削除可能である。リリース連動機構を蓋体13の開き位置と閉止位置とでロック状態に保持するロック手段としては、樹脂バネ体32、第1、第2カム体36、37、付勢手段16、19が相当するが、ロック手段を、蓋体13が開き位置にあるとき、または閉止位置にあるときのいずれか一方でロック状態に保持するように変更することも可能である。
【0047】
なお、前記ピックアップローラ11の支持軸11aの両端を、前記左右両側の案内支持ブロック24、24の軸孔24a(図7参照)に回転可能に軸支することにより、部品点数の削除を図ることができる。また、前記ペーパーガイド10の長手方向の略中央部(用紙4の搬送方向と直交する幅方向の略中央部に該当)には、図示しないが、搬送されてくる用紙4の先端縁を検知するための光センサを設けることにより、用紙パッケージ5からピックアップローラ11にて分離搬送される用紙4が斜行状態でペーパーガイド10の箇所に送られて来たことを感知して、紙ジャムが発生するのを未然に防止できるようにすることが望ましい。
【0048】
前記において、蓋体13の閉止状態において、作動部材28ひいてはリリース連動機構が不用意に後退しない状態に保持するロック手段の変形例として、前記第1カム体36がペーパーガイド10の当接面から離れるとき、プラテンローラ9とペーパーガイド10の当接位置と前記プラテンローラ9の軸9aの軸線とを結ぶ作用線を越えるように、第1カム体36が回動することにより、いわゆる支点越えとなり、作動部材28が前進した位置を保持できるように構成すればよい。
【0049】
前記蓋体13の開き位置または閉止位置の双方の位置で前記リリース連動機構をロック状態に保持するロック手段として、前述の作動部材28における一対の規制ブロック29、30と、樹脂バネ体32との嵌合及び樹脂バネ体32における上向き先端部32aが後位置の規制ブロック30の傾斜面30aに押圧する手段や前記第1カム体36のペーパーガイド10に対する当接位置と離間位置の範囲の回動動作がある。また、蓋体13の開き位置または閉止位置のいずれか一方のみのロック手段としては、前記の構成のいずれか1つを採用すれば良い。リリース連動機構とロック手段とが前記作動部材28や連動リンク体133に関連させて形成されて、兼用されていることにより、構造が至極コンパクトにできるという効果を奏する。
【0050】
尚、上記リリース機構は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、図9は、前記リリース連動機構のその他の実施形態を示す断面図である。 この点、回動部材の一例としての側面視T型等の操作レバー40は、その下部の水平回動支軸41を中心に回動するように構成されている。操作レバー40の水平アーム40aの一方の下面にはサーマルヘッド8が固定され、操作レバー40を図示しない捩じりバネ等の付勢手段により、サーマルヘッド8の発熱体部8aが常時プラテンローラ9の上面に押圧するように構成されている。また、前記水平回動支軸41の外周には操作レバー40と一体的に回動するカム手段42が本体ケース2の左右両側部位に一対設けられ、用紙4の幅方向に長いペーパーガイド43の背面側に形成された当接部44と対峙するように配置されている。なお、ペーパーガイド43は付勢手段16にて常時プラテンローラ9の外周面に押圧されるように付勢されている。
【0051】
前記操作レバー40の他のアーム部の上面の押しボタン部45は固定カバー体3に穿設した操作孔46から外に突出している。この構成によれば、紙ジャムが発生した時、前記押しボタン部45を押し込むと操作レバー40は図9において時計方向に回動し、サーマルヘッド8の発熱体部8aがプラテンローラ9の上面から離れると同時に、前記カム手段42を介して当接部44を押してペーパーガイド43を付勢手段16の付勢力に抗して後退させ、プラテンローラ9の外周から離すことができるから、プラテンローラ9の外周に巻き付いている用紙4を至極簡単に外せるのである。
【0052】
なお、蓋体13の自由端縁に用紙4の搬送方向と直交する幅方向の略中央部等に1乃至複数の係合爪38を前記搬送方向に延びるように設ける一方、前記分離ブロック12には、蓋体13が本体ケース2の上面と平行状にして分離ブロック12方向に前進させたとき係止する係止溝39を設けておけば(図5(b)及び図6(a)参照)、蓋体13が薄肉で撓み易いものであっても、当該蓋体13の自由端をしっかりと本体ケース2に閉止固定できる。
【0053】
次に、本体ケース2の側にて回動及びスライド可能な開閉支持手段14を介して開閉可能な蓋体13について、図面を用いて詳細に説明する。図10は、携帯用小型プリンタ装置1を示す平面図であって、図1の斜視図より詳細に記載したものである。また、図11は、携帯用小型プリンタ装置1を示す側面図であって、図1の斜視図より詳細に記載したものである。また、図12は、携帯用小型プリンタ装置1を示す背面図である。また、図13は、携帯用小型プリンタ装置1を示す正面図である。また、図14は、携帯用小型プリンタ装置1を示す側面図であって、図11の側面図とは反対側を示したものである。また、図15は、携帯用小型プリンタ装置1を示す裏面図である。また、図16は、携帯用小型プリンタ装置1における蓋体13の分解組立・組付図である。
【0054】
そして、携帯用小型プリンタ装置1では、図16の(a),(b),(c)に示すように、金属で製作された金属製表面部材201に対して、透明な樹脂で作製された樹脂製裏面部材202が貼着されることにより、蓋体13が組み立てられる。さらに、図10及び、図11、図14に示すように、携帯用小型プリンタ装置1では、一対の回動支持部材207及び一対の回動穴208からなる開閉支持手段14を備えている。この点、一対の回動支持部材207は、蓋体13の両側に設けられてたものであるが、図16(b)に示すように、蓋体13を構成する樹脂製裏面部材202に設けられるとともに、板部205及び突起部206からなる。一方、一対の回動穴208は、図16(d)に示すように、本体ケース2の両側に設けられたものであり、リブ209を中央内部に設けることにより、第1穴210Aと第2穴210Bに区分けされている。
【0055】
そして、図16(e)に示すように、本体ケース2の両側に設けられた一対の回動穴208の第1穴210Aに対して、蓋体13の両側に設けられた一対の回動支持部材207の突起部206をそれぞれ係入させ、本体ケース2に蓋体13を取り付けることにより、本体ケース2に対して蓋体13を回動自在にさせることができる。この点、蓋体13が組み立てられた際には、図17に示すように、樹脂製裏面部材202の回動支持部材207の板部205と金属製表面部材201の内面211との間において、例えば、0.5mm程の隙間212を確保しているので、本体ケース2の回動穴208に対して、蓋体13の回動支持部材207の突起部206をそれぞれ係入させる際に、樹脂製裏面部材202の回動支持部材207の板部205を折ることなく撓ますことができる。
【0056】
尚、本体ケース2の内部には、後述する図21にも示すように、蓋体13を付勢する開閉ばね301が設けられていることから(図10参照)、図16(e)及び図18(b)に示すように、本体ケース2の両側に設けられた一対の回動穴208の第1穴210Aに対して、蓋体13の両側に設けられた一対の回動支持部材207の突起部206をそれぞれ係入させた場合には、蓋体13から手を離せば、当該開閉ばね301の付勢力により、図18(c)に示すようにして、本体ケース2から蓋体13が自動的に離れることになる。
【0057】
一方、図18(c)から図18(b)に示すようにして、蓋体13を回動させて本体ケース2を閉じ、図18(b)から図18(a)に示すようにして、本体ケース2に対して蓋体13を固定カバー3の方向にスライド移動させれば、上述した図8(a)に示すように、ロック片25は縦案内溝26から前方に移動して案内支持ブロック24における抜き窓31の前寄り位置に来るので上向きに移動できず、蓋体13は開き回動不能となる。また、このとき、上述した図8(a)に示すように、連動リンク体133に設けられている第1カム体36はペーパーガイド10の前面から離れる方向に回動するので、当該ペーパーガイド10は裏面側の付勢手段16の付勢力にてプラテンローラ9の外周面に当接する方向に付勢移動する。また、これと同時に前記連動リンク体133に設けられた第2カム体37はサーマルヘッド8の下面から離れる方向に回動する。これにより、付勢手段19の付勢力にてサーマルヘッド8の発熱体部8aがプラテンローラ9の上面に押圧されるようになる。
【0058】
このため、第1カム体36、連動リンク体133、作動部材28は図8(a)の状態にロックされることになるが、さらに、このとき、蓋体13の両側に設けられた一対の回動支持部材207の突起部206は、本体ケース2の両側に設けられた一対の回動穴208の第2穴210Bに係入されていることから(図16(d),図18(a)参照)、かかるロック状態や蓋体13のスライド状態が保持される。
【0059】
他方、図18(a)から図18(b)に示すようにして、本体ケース2に対して蓋体13を固定カバー3の反対方向にスライド移動させれば、上述した図8(b)に示すように、作動部材28が後退移動し、これに伴い、当該作動部材28に対してピン34及び縦長孔35を介して連結された連動リンク体133はプラテンローラ9の軸9a回りにて反時計回り回動する。この連動リンク体133に設けられた第1カム体36は付勢手段16の付勢力に抗してペーパーガイド10の前面を押してプラテンローラ9の外周面から離す。それと同時に第2カム体37が付勢手段19の付勢力に抗してサーマルヘッド8の下面を上向きに押し上げ、サーマルヘッド8の発熱体部8aがプラテンローラ9の外周面から離れるようになる。
【0060】
そして、上述した図8(c)に示すように、作動部材28の後退位置では、縦案内溝26の下方後退領域に退避した樹脂バネ体32の上向き先端部32aが、弾性力により前記一対の規制ブロック29、30の間に下方から係合し、作動部材28の後退位置を保持することができる。さらに、このとき、蓋体13の両側に設けられた一対の回動支持部材207の突起部206は、本体ケース2の両側に設けられた一対の回動穴208の第1穴210Aに係入されていることから(図16(d),図18(b)参照)、作動部材28の後退位置や蓋体13のスライド状態が保持される。
【0061】
尚、図18(b)から図18(a)に示すようにして、本体ケース2に対して蓋体13を固定カバー3の方向にスライド移動させたり、図18(a)から図18(b)に示すようにして、本体ケース2に対して蓋体13を固定カバー3の反対方向にスライド移動させたりする際は、付勢手段16,19や樹脂バネ体32の付勢力に抗したり(図8参照)、蓋体13の両側に設けられた一対の回動支持部材207の突起部206が、本体ケース2の両側に設けられた一対の回動穴208のリブ209を乗り越えなければならいことから(図16(d)参照)、本体ケース2に対して蓋体13をスライド移動させるには、スライド方向に或る程度の力を蓋体13に作用させる必要がある。
【0062】
そこで、携帯用小型プリンタ装置1では、図10に示すように、蓋体13を構成する金属製表面部材201に一対の突起群401を設けるとともに、図15に示すように、本体ケース2の底面に一対の突起群402を設けている。これにより、蓋体13及び本体ケース2を滑ることなく把持することができるので、本体ケース2に対して蓋体13をスライド移動させる際に、スライド方向に或る程度の力を蓋体13に作用させることができる。尚、図22は、図10の線B−Bで切断した突起群401の断面図であり、図23は、図15の線C−Cで切断した突起群402の断面図である。
【0063】
次に、蓋体13に設けられた確認窓251について、図面を用いて詳細に説明する。ここで、図19は、図10の線A−Aで蓋体13を切断した部分断面図である。この点、図10及び図19に示すように、蓋体13を構成する金属製表面部材201には円弧状の開口部203が設けられるとともに、蓋体13を構成する樹脂製裏面部材202には円弧状の透明凸部204が設けられており、金属製表面部材201に対して樹脂製裏面部材202が貼着されることにより、蓋体13が組み立てられると、金属製表面部材201の開口部203に樹脂製裏面部材202の透明凸部204が配置されることにより、蓋体13に確認窓251が設けられる。従って、本体ケース2が蓋体13で閉じられていても、透明凸部204が介在する確認窓251をもって、本体ケース2の用紙収容部6内に収容された用紙パッケージ5及び、用紙パッケージ5における積層した用紙4の有無を確認することができる(図2,図3参照)。
【0064】
また、図10及び図19に示された矢印Dは、隙間20から蓋体13の外側に排紙される用紙4の排紙方向を示しているが、この点、隙間20から排紙された用紙4は、蓋体13を構成する金属製表面部材201の表面に沿って滑動することになる。そこで、携帯用小型プリンタ装置1では、図19に示すように、金属製表面部材201の開口部203のエッジ203A,203Bや、樹脂製裏面部材202の透明凸部204のエッジ204A,204Bのかどを削り落としており、金属製表面部材201の表面に沿って滑動する用紙4が引っかからないようにしている。
【0065】
これに対しては、図20に示すようにして、金属製表面部材201の表面に沿って滑動する用紙4が引っかからないようにしてもよい。すなわち、樹脂製裏面部材202の透明凸部204に対して、排紙口である隙間20の側のエッジ204Aについては、金属製表面部材201の開口部203のエッジ203Aよりも低くし、排紙口である隙間20の反対側のエッジ204Bについては、金属製表面部材201の開口部203のエッジ203Bよりも高くし、用紙4の排紙方向Dに進むにつれて高くなる傾斜を設ける。このようにすれば、金属製表面部材201の表面に沿って滑動する用紙4の先端は、樹脂製裏面部材202の透明凸部204の傾斜面を滑動しながら上昇し、金属製表面部材201の開口部203のエッジ203Bを飛び越えていくので、金属製表面部材201の表面に沿って滑動する用紙4が引っかかることはない。
【0066】
また、図10に示すように、蓋体13に設けられた円弧状の確認窓251は、用紙4の排紙方向Dに向かって湾曲しているので、確認窓251の形状からしても、金属製表面部材201の表面に沿って滑動する用紙4が引っかかることはない。
【0067】
次に、本体ケース2の内部に設けられるとともに、蓋体13を付勢する開閉ばね301について説明する。ここで、図21は、図10の線A−Aで蓋体13及び本体ケース2を切断した部分断面図である。この点、図10の線A−Aは蓋体13の中心線をも示すものであるが、開閉ばね301は、蓋体13の中心線を対称軸として対称に配置されている。さらに、図21に示すように、開閉ばね301は、蓋体13に設けられた金属板302に接続されるとともに、本体ケース2に設けられた金属板303に接続される。このとき、蓋体13に設けられた金属板302は、樹脂製裏面部材202に固定されているが、接点Qによって、金属製表面部材201に接続されるので、金属製の本体ケース2内に内蔵された電子基板252(図5(a)参照)をアースさせることが可能となる。
【0068】
以上詳細に説明したように、本実施の形態の携帯用小型プリンタ装置1では、図16に示すように、本体ケース2の両側に設けられた一対の回動穴208に対して、蓋体13の両側に設けられた一対の回動支持部材207の突起部206がそれぞれ係入されていることから、本体ケース2に対して蓋体13が回動自在となるが、この点、蓋体13は、樹脂製裏面部材202と金属製表面部材201からなっているので、全てが金属製のものよりも軽く、さらに、樹脂製裏面部材202に設けられた回動支持部材207の板部205を突出させた状態で、金属製表面部材201が樹脂製裏面部材202を覆う構造になっており、特に、蓋体13の表面において、変形しにくく、また、全てが樹脂製のものよりも、割れやキズに強いことから、装置全体の薄型化・小型化(構造の簡素化)を確保しつつ、本体ケース2に対して回動自在となる蓋体13の堅牢化及び軽量化を同時に達成させることができる。
【0069】
特に、本発明の携帯用小型プリンタ装置においては、排紙口である隙間20から排紙された用紙4は、蓋体13を構成する金属製表面部材201の表面に沿って滑動することから、蓋体13の表面が割れやキズに強いことは、金属製表面部材201に沿って送り出された用紙4をスムーズに滑動させることができる。
すなわち、
「本体ケース内に積層状態で収納された用紙を印字ヘッドで印刷するとともに、前記本体ケースの両側に設けられた一対の回動穴に対して、蓋体の両側に設けられた一対の回動支持部材の突起部をそれぞれ係入させることにより、前記本体ケースに対して前記蓋体が回動自在となる携帯用小型プリンタ装置であって、
前記蓋体は、
前記回動支持部材を設けた樹脂製裏面部材と、
前記回動支持部材を突出させた状態で前記樹脂製裏面部材を覆う金属製表面
部材と、を備える一方、
前記用紙を前記金属製表面部材に沿って送り出す排紙口を備えたこと、を特徴とする携帯用小型プリンタ装置。」
である。
【0070】
また、本実施の形態の携帯用小型プリンタ装置1において、蓋体13は、樹脂製裏面部材202に設けられた回動支持部材207の板部205を突出させた状態で、金属製表面部材201が樹脂製裏面部材202を覆う構造になっているが、この点、樹脂製裏面部材202に設けられた回動支持部材207の板部205と金属製表面部材201の内面211との間に、約0.5mm程度の隙間212を設けており(図17参照)、金属製表面部材201から突出した状態にある樹脂製の回動支持部材207の板部205の可撓性(最大たわみ量)を大きくすることができるので、蓋体13に対して、本体ケース2から離れる回動方向に大きな外力が作用した場合でも、樹脂製の回動支持部材207の板部205が撓んで、本体ケース2から蓋13が外れるので、樹脂製の回動支持部材207の板部205が折れることを防止できる。
【0071】
また、本実施の形態の携帯用小型プリンタ装置1では、本体ケース2の用紙収容部6の用紙パッケージ5内に積層状態で収納された用紙4をサーマルヘッド8で印刷する際は、本体ケース2に対してスライド移動する蓋体13を介して、プラテンローラ9に対してペーパガイド10及びサーマルヘッド8が付勢された状態とし、用紙ジャム等が発生した際は、本体ケース2に対してスライド移動する蓋体13を介して、プラテンローラ9に対してペーパガイド10及びサーマルヘッドが離間された状態とするものであるが(図8参照)、このとき、本体ケース2の回動穴208をリブ209で区切った第1穴210A又は第2穴210Bのいずれかに対して蓋体13の回動支持部材207の突起部206が係入されることにより、本体ケース2に対してスライド移動した蓋体13がロックされるので(図8,図18参照)、プラテンローラ9に対してペーパガイド10及びサーマルヘッド8が付勢された状態又は、プラテンローラ9に対してペーパガイド10及びサーマルヘッド8が離間された状態を保持することをサポートできる。
【0072】
また、本体ケース2に対して蓋体13をスライド移動させる際には、本体ケース2の回動穴208に内設されたリブ209を蓋体の回動支持部材207の突起部205が乗り越える必要があるが(図16,図18参照)、この点、蓋体13において、樹脂製裏面部材202に設けられた回動支持部材207の板部205と金属製表面部材201の内面211との間に隙間212を設けており(図17参照)、金属製表面部材201から突出した状態にある樹脂製の回動支持部材207の板部205の可撓性(最大たわみ量)が大きいので、本体ケース2に対して蓋体13をスライド移動させる際においても、蓋体13の回動支持部材207の板部205が折れることを防止できる。
【0073】
また、本実施の形態の携帯用小型プリンタ装置1では、蓋体13において、金属製表面部材201の開口部203に樹脂製裏面部材202の透明凸部204が配設されることにより、確認窓251が形成されており、しかも、排紙口である隙間20からの用紙4が、当該確認窓251に向かって金属製表面部材202に沿って送り出されるが(図10,図19,図20参照)、この点、当該確認窓251は、用紙4の排紙方向Dに突き出た円弧の形状であることから(図10参照)、金属製表面部材201に沿って送り出された用紙4が当該確認窓251の上をスムーズに通過することができる。
【0074】
さらに、本実施の形態の携帯用小型プリンタ装置1において、図20に示すように、樹脂製裏面部材202の透明凸部204のエッジ204A,204Bを、排紙口である隙間20の側では、金属製表面部材202の開口部203のエッジ203Aよりも低くするとともに、排紙口である隙間20の反対側では、金属製表面部材202の開口部203のエッジ203Bよりも高くすれば、用紙4の排紙方向Dに進むにつれて高くなる傾斜を、樹脂製裏面部材202の透明凸部204に設けることができるので、金属製表面部材201に沿って送り出された用紙4が、樹脂製裏面部材202の透明凸部204のエッジ204A,204B及び金属製表面部材202の開口部203のエッジ203A,203Bに引っかかることがなく、当該確認窓251の上をスムーズに通過することができる。
【0075】
また、本実施の形態の携帯用小型プリンタ装置1では、図16に示すように、本体ケース2の両側に設けられた一対の回動穴208に対して、蓋体13の両側に設けられた一対の回動支持部材207の突起部206がそれぞれ係入されていることから、本体ケース2に対して蓋体13が回動自在となるが、この点、この点、図10に示すように、蓋体13を付勢することにより本体ケース2を開いた状態にする開閉ばね301を備えており、蓋体13の中心線(図10の線A−A)を対称軸として開閉ばね301を対称に配設したことから、本体ケース2に対する蓋体13の回動が傾くことなく安定することになる。
【0076】
また、本実施の形態の携帯用小型プリンタ装置1では、本体ケース2内に内蔵されるとともに電子部品が搭載された電子基板252を備えており(図5(a)参照)、金属板302,303を介して(図21参照)、開閉ばね301が電子基板252及び金属製表面部材201に電気的に接続していることから、電子基板252に対するアースを確保することができる。
【0077】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態の携帯用小型プリンタ装置1は、サーマルヘッド8で印刷するものであったが、これに限定するものではなく、例えば、小型のインクジェットヘッドで印刷するものであってもよい。
【0078】
【発明の効果】
本発明の携帯用小型プリンタ装置では、本体ケース内に積層状態で収納された用紙を印字ヘッドで印刷する際は、本体ケースに対してスライド移動する蓋体を介して、プラテンローラに対してペーパガイド及び印字ヘッドが付勢された状態とし、用紙ジャム等が発生した際は、本体ケースに対してスライド移動する蓋体を介して、プラテンローラに対してペーパガイド及び印字ヘッドが離間された状態とするものであるが、このとき、本体ケースの回動穴をリブで区切った第1穴又は第2穴のいずれかに対して蓋体の回動支持部材の突起部が係入されることにより、本体ケースに対してスライド移動した蓋体がロックされるので、プラテンローラに対してペーパガイド及び印字ヘッドが付勢された状態又は、プラテンローラに対してペーパガイド及び印字ヘッドが離間された状態を保持することをサポートできる。
【0079】
また、本発明の携帯用小型プリンタ装置では、本体ケースの両側に設けられた一対の回動穴に対して、蓋体の両側に設けられた一対の回動支持部材の突起部がそれぞれ係入されていることから、本体ケースに対して蓋体が回動自在となるが、この点、蓋体は、樹脂製裏面部材と金属製表面部材からなっているので、全てが金属製のものよりも軽く、さらに、樹脂製裏面部材に設けられた回動支持部材を突出させた状態で、金属製表面部材が樹脂製裏面部材を覆う構造になっており、特に、表面において、変形しにくく、また、全てが樹脂製のものよりも、割れやキズに強いことから、装置全体の薄型化・小型化(構造の簡素化)を確保しつつ、本体ケースに対して回動自在となる蓋体の堅牢化及び軽量化を同時に達成させることができる。
【0080】
また、本発明の携帯用小型プリンタ装置において、蓋体は、樹脂製裏面部材に設けられた回動支持部材を突出させた状態で、金属製表面部材が樹脂製裏面部材を覆う構造になっているが、この点、樹脂製裏面部材に設けられた回動支持部材と金属製表面部材の内面との間に隙間を設ければ、金属製表面部材から突出した状態にある樹脂製の回動支持部材の可撓性(最大たわみ量)を大きくすることができるので、蓋体に対して、本体ケースから離れる回動方向に大きな外力が作用した場合でも、樹脂製の回動支持部材が撓んで、本体ケースから蓋が外れるので、樹脂製の回動支持部材が折れることを防止できる。
【0081】
また、本体ケースに対して蓋体をスライド移動させる際には、本体ケースの回動穴に内設されたリブを蓋体の回動支持部材の突起部が乗り越える必要があるが、この点、蓋体において、樹脂製裏面部材に設けられた回動支持部材と金属製表面部材の内面との間に隙間を設けた場合には、金属製表面部材から突出した状態にある樹脂製の回動支持部材の可撓性(最大たわみ量)が大きいので、本体ケースに対して蓋体をスライド移動させる際においても、蓋体の回動支持部材が折れることを防止できる。
【0082】
また、本発明の携帯用小型プリンタ装置では、蓋体において、金属製表面部材の開口部に樹脂製裏面部材の透明凸部が配設されることにより、確認窓が形成されており、しかも、排紙口からの用紙が、当該確認窓に向かって金属製表面部材に沿って送り出されるが、この点、当該確認窓は、用紙の排紙方向に突き出た円弧の形状であることから、金属製表面部材に沿って送り出された用紙が当該確認窓の上をスムーズに通過することができる。
【0083】
また、本発明の携帯用小型プリンタ装置では、蓋体において、金属製表面部材の開口部に樹脂製裏面部材の透明凸部が配設されることにより、確認窓が形成されており、しかも、排紙口からの用紙が、当該確認窓に向かって金属製表面部材に沿って送り出されるが、この点、透明凸部のエッジを、排紙口の側では開口部のエッジよりも低くするとともに排紙口の反対側では開口部のエッジよりも高くすることにより、用紙の排紙方向に進むにつれて高くなる傾斜を透明凸部に設けたことから、金属製表面部材に沿って送り出された用紙が、透明凸部及び開口部のエッジに引っかかることがなく、当該確認窓の上をスムーズに通過することができる。
【0084】
また、本発明の携帯用小型プリンタ装置では、本体ケースの両側に設けられた一対の回動穴に対して、蓋体の両側に設けられた一対の回動支持部材の突起部がそれぞれ係入されていることから、本体ケースに対して蓋体が回動自在となるが、この点、蓋体を付勢することにより本体ケースを開いた状態にする開閉ばねを備えており、蓋体の中心線を対称軸として開閉ばねを対称に配設したことから、本体ケースに対する蓋体の回動が安定することになる。
【0085】
また、本発明の携帯用小型プリンタ装置では、本体ケース内に内蔵されるとともに電子部品が搭載された基板を備えており、開閉ばねが基板及び金属製表面部材に電気的に接続していることから、基板に対するアースを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願の携帯用小型プリンタ装置の外観を示す斜視図である。
【図2】 本体ケースの概略平面図である。
【図3】 用紙パッケージの斜視図である。
【図4】 本体ケースにおけるピックアップローラ部の斜視図である。
【図5】 (a)は携帯用小型プリンタ装置の側断面図、(b)は蓋体を開いた状態の本体ケースの左側部位の断面図である。
【図6】 (a)は印刷機構部の拡大側面図、(b)は歯車伝動機構の側面図である。
【図7】 リリース連動機構の部品の展開斜視図である。
【図8】 (a)は蓋体の閉止状態でプラテンローラにペーパーガイド及びサーマルヘッドが押圧している状態の断面図、(b)は蓋体の後退位置でペーパーガイド及びサーマルヘッドのリリース状態を示す断面図、(c)は蓋体の回動可能状態を示す断面図である。
【図9】 リリース連動機構のその他の実施形態を示す断面図である。
【図10】 本願の携帯用小型プリンタ装置の外観を示す平面図である。
【図11】 本願の携帯用小型プリンタ装置の外観を示す側面図である。
【図12】 本願の携帯用小型プリンタ装置の外観を示す背面図である。
【図13】 本願の携帯用小型プリンタ装置の外観を示す正面図である。
【図14】 本願の携帯用小型プリンタ装置の外観を示す側面図である。
【図15】 本願の携帯用小型プリンタ装置の外観を示す裏面図である。
【図16】 本願の携帯用小型プリンタ装置における蓋体の分解組立・組付図である。
【図17】 本願の携帯用小型プリンタ装置における開閉支持手段の部分断面図である。
【図18】 本願の携帯用小型プリンタ装置における蓋体の開閉動作を示した図である。
【図19】 本願の携帯用小型プリンタ装置における確認窓の部分断面図である。
【図20】 本願の携帯用小型プリンタ装置における確認窓の部分断面図である。
【図21】 図10の線A−Aで切断した部分断面図である。
【図22】 図10の線B−Bで切断した部分断面図である。
【図23】 図15の線C−Cで切断した部分断面図である。
【符号の説明】
1 携帯用小型プリンタ装置
2 本体ケース
4 用紙
8 サーマルヘッド
9 プラテンローラ
10 ペーパーガイド
20 隙間(排紙口)
13 蓋体
14 開閉支持手段
201 金属製表面部材
202 樹脂製表面部材
203 金属製表面部材の開口部
203A,203B 金属製表面部材の開口部のエッジ
204 樹脂製表面部材の透明凸部
204A,204B 樹脂製表面部材の透明凸部のエッジ
206 回動支持部材の突起部
207 回動支持部材
208 回動穴
209 回動穴のリブ
210A 回動穴の第1穴
210B 回動穴の第2穴
211 金属製表面部材の内面
212 隙間
251 確認窓
252 電子基板
301 開閉ばね
D 用紙の排紙方向

Claims (7)

  1. 本体ケース内に積層状態で収納された用紙を印字ヘッドで印刷するとともに、前記本体ケースの両側に設けられた一対の回動穴に対して、蓋体の両側に設けられた一対の回動支持部材の突起部をそれぞれ係入させることにより、前記本体ケースに対して前記蓋体が回動自在となる携帯用小型プリンタ装置であって、
    前記印字ヘッドで前記用紙を印刷する際に前記印字ヘッドが付勢されるプラテンローラと、
    前記プラテンローラの外周に前記用紙を案内するペーパガイドと、
    前記回動穴に内設されるとともに前記回動穴を第1穴と第2穴とに区切るリブと、を備え、
    前記回動支持部材の突起部が前記第1穴に対して係入されている場合には、前記本体ケースに対して前記蓋体が回動自在となり、
    前記本体ケースを前記蓋体で閉じている場合に、前記回動支持部材の突起部が前記第1穴から前記リブを越えて前記第2穴に移動するときは、前記本体ケースに対してスライド移動する前記蓋体を介し、前記プラテンローラに対して前記ペーパガイド及び前記印字ヘッドが付勢し、
    前記本体ケースを前記蓋体で閉じている場合に、前記回動支持部材の突起部が前記第2穴から前記リブを越えて前記第1穴に移動するときは、前記本体ケースに対してスライド移動する前記蓋体を介し、前記プラテンローラに対して前記ペーパガイド及び前記印字ヘッドが離間すること、を特徴とする携帯用小型プリンタ装置。
  2. 請求項1に記載する携帯用小型プリンタ装置であって、
    前記蓋体は、
    前記回動支持部材を設けた樹脂製裏面部材と、
    前記回動支持部材を突出させた状態で前記樹脂製裏面部材を覆う金属製表面部材と、を備えたこと、
    を特徴とする携帯用小型プリンタ装置。
  3. 求項2に記載する携帯用小型プリンタ装置であって、
    前記回動支持部材と前記金属製表面部材の内面との間に隙間を設けたこと、を特徴とする携帯用小型プリンタ装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載する携帯用小型プリンタ装置であって、
    前記金属製表面部材に設けられた開口部と、
    前記樹脂製裏面部材に設けられた透明凸部と、
    前記開口部に前記透明凸部が配設されることにより前記蓋体に形成された確認窓と、
    前記用紙を前記確認窓に向かって前記金属製表面部材に沿って送り出す排紙口と、を備え、
    前記確認窓は、前記用紙の排紙方向に突き出た円弧の形状であること、を特徴する携帯用小型プリンタ装置。
  5. 請求項2又は請求項3に記載する携帯用小型プリンタ装置であって、
    前記金属製表面部材に設けられた開口部と、
    前記樹脂製裏面部材に設けられた透明凸部と、
    前記開口部に前記透明凸部が配設されることにより前記蓋体に形成された確認窓と、
    前記用紙を前記確認窓に向かって前記金属製表面部材に沿って送り出す排紙口と、を備え、
    前記透明凸部のエッジを、前記排紙口の側では前記開口部のエッジよりも低くするとともに前記排紙口の反対側では前記開口部のエッジよりも高くすることにより、前記用紙の排紙方向に進むにつれて高くなる傾斜を前記透明凸部に設けたこと、を特徴する携帯用小型プリンタ装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載する携帯用小型プリンタ装置であって、
    前記蓋体を付勢することにより前記本体ケースを開いた状態にする開閉ばねを備え、
    前記蓋体の中心線を対称軸として前記開閉ばねを対称に配設したこと、を特徴する携帯用小型プリンタ装置。
  7. 請求項6に記載する携帯用小型プリンタ装置であって、
    前記本体ケース内に内蔵されるとともに電子部品が搭載された基板を備え、
    前記開閉ばねが前記基板及び前記金属製表面部材に電気的に接続していること、を特徴する携帯用小型プリンタ装置。
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