JPH08276088A - ミシンの目飛び検出装置 - Google Patents

ミシンの目飛び検出装置

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JPH08276088A
JPH08276088A JP8044495A JP8044495A JPH08276088A JP H08276088 A JPH08276088 A JP H08276088A JP 8044495 A JP8044495 A JP 8044495A JP 8044495 A JP8044495 A JP 8044495A JP H08276088 A JPH08276088 A JP H08276088A
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Abstract

(57)【要約】 誤検出を防止して確実に目飛びを検出できるミシンの目
飛び検出装置を提供する。 【構成】天秤4の近傍の糸案内5´に音検出センサ11
を設けてミシンが1回転動作する毎の摩擦音の発生時間
を測定し、前回の時間測定値と今回の時間測定値とから
求まる糸移動量差に応じて目飛び検出信号を発生させ
る。釜により針糸1が捕捉されたときと捕捉されないと
きとの糸移動量の差が顕著となる天秤4の近傍の糸案内
5´に音検出センサ11を設けることで、さほど高感度
のセンサを使用することなく目飛び発生時に生じる摩擦
音の特徴的な変化を確実に検出でき、正常な縫い目形成
時における摩擦音の発生時間のばらつきが大きい場合で
も目飛びを確実に検知できる。さらに、1針毎の摩擦音
の発生時間の変化に基づく糸移動量差と1針毎のミシン
回転数の変化に基づく糸移動量差とを比較することによ
り、ミシン回転数のばらつきに起因して摩擦音の発生時
間に変動が生じた場合における誤検出を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、1針毎の針糸の移動
量を接触音により測定して目飛びあるいは糸切れを検出
するミシンの目飛び検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11に示すように、ミシンの針糸1は
針糸調子2、3、天秤4、糸案内5、6を経て針7に供
給され、針7の上下と針板の下方に設けられた釜(図示
せず)の回転運動との組み合わせにより布を貫通し、か
つ下糸と絡み合いつつ縫い目を形成する。
【0003】しかしミシンによる縫製中、正常な縫い目
の途中で縫い目が1目あるいは数目にわたって形成され
ていない目飛びと呼ばれる異常な縫い目が発生する場合
がある(図12(a)、(b)参照)。このような目飛
びが生じる原因としては、使用する糸や布の品質上の不
完全、つまり、糸よりや布厚さなどにむらがありミシン
動作に適合しないこと、あるいはミシン自体の機構の不
備、たとえば針と釜のセットゲージの不良、針上下動と
釜回転のタイミング不一致などが考えられる。そしてい
ずれにしても、目飛びが生じた場合は、速やかにミシン
の作動を停止して縫い目が形成されなかった部分の修正
を行う必要がある。
【0004】従来このような目飛びを検出する手段とし
て、圧電素子を用いた音検知センサを針糸に接触させて
針糸走行時の接触音を監視し、接触音の発生時間の変化
により目飛びあるいは糸切れを検出するようにした検出
装置がある(特開平4―102499号公報参照)。
【0005】また、他の目飛び検出装置としては、歪み
ゲージを用いた張力センサで針糸の張力を監視し、針糸
の張力異常を検出することによって目飛びあるいは糸切
れをを検出するようにしたものがある(特開昭50―5
4457号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、針糸走
行時の接触音により目飛びを検出する方式では、正常な
縫い目形成時と目飛び発生時の接触音の極わずかな差を
検知しなければならないため、極めて高感度の音検知セ
ンサが必要となる。また、接触音のわずかな変化によっ
て目飛びを検出するため、正常な縫い目形成時でも音の
発生時間のばらつきが大きい場合には目飛びとして誤検
出される問題がある。
【0007】また、張力センサにより張力変動を検知す
る場合においても正常な縫い目形成時と目飛び発生時の
張力変化は極わずかであるため、極めて高感度の張力セ
ンサが必要である。この場合も1針1針毎の縫いのばら
つきなどによる針糸張力の変動が大きいと誤検出が多く
発生し、極めて信頼性の低い検出装置しか実現できな
い。
【0008】本発明は、以上のような事情の下に創案さ
れたもので、誤検出を防止して確実に目飛びあるいは糸
切れを検出できるミシンの目飛び検出装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る目飛び検出装置は、針と釜との協働によ
り縫い目を形成するミシンの糸供給源と針との間の針糸
経路上に配置され、縫い目形成による上記針糸の移動に
ともなう音の発生を検知して検出信号を発生する音検知
センサを有し、該検出信号の発生時間により糸切れまた
は目飛びの発生を検出する検出装置を前提とし、前記音
検知センサを、前記釜により針糸が捕捉されたときと捕
捉されないときとの糸移動量の差が最大となる位置もし
くはその近傍に配置したことを特徴としている(請求項
1)。
【0010】請求項1に記載された目飛び検出装置はさ
らに、ミシンの天秤の上流側近傍および下流側近傍に設
けられる糸案内と針糸との摩擦音を検出すべく設けられ
た音検知センサと、当該音検知センサの出力に基づいて
ミシンが1回転動作する毎の前記摩擦音の発生時間を測
定する時間測定手段と、当該時間測定手段による前回の
測定値と今回の測定値とを比較して糸移動量差を求める
糸移動量差検出手段と、当該糸移動量差検出手段の出力
値に応じて目飛び検出信号を発生する目飛び検出信号発
生手段とを備えてなることが望ましい(請求項2)。
【0011】また、請求項1に記載された目飛び検出装
置はさらに、ミシンの回転速度に応じた適正な糸移動量
のデータを予め記憶した記憶手段と、ミシンの回転速度
を検出する回転検出手段と、この回転検出手段による検
出速度に応じて前記記憶手段から糸移動量のデータを読
み出して前記音検知センサの信号と比較する比較手段
と、この比較手段による比較結果に応じて目飛び検出信
号を発生する手段とを備えてなることが望ましい(請求
項3)。
【0012】また、請求項4に記載された目飛び検出装
置は、針と釜との協働により縫い目を形成するミシンの
糸供給源と針との間の針糸経路上に配置され、縫い目形
成による上記針糸の移動にともなう音の発生を検知して
信号を発生する音検知センサを有し、該検出信号の発生
時間により糸切れまたは目飛びの発生を検出する検出装
置を前提とし、ミシンの回転速度に応じた適正な糸移動
量のデータを予め記憶した記憶手段と、ミシンの回転速
度を検出する回転検出手段と、この回転検出手段による
検出速度に応じて前記記憶手段からデータを読み出して
前記音検知センサの信号と比較する比較手段と、この比
較手段による比較結果に応じて目飛び検出信号を発生す
る手段とを備えてなることを特徴とする(請求項4)。
【0013】請求項2に記載された目飛び検出装置はさ
らに、ミシンの回転速度を検出する回転検出手段と、当
該回転検出手段により検出される回転速度の変化が予め
設定された値以上になったとき前記目飛び検出信号の発
生を停止させる信号制御手段を備えてなることが望まし
い(請求項5)。
【0014】請求項3、4に記載された目飛び検出装置
はさらに、前記回転検出手段により検出される回転速度
の変化が予め設定された値以上になったとき前記目飛び
検出信号の発生を停止させる信号制御手段を備えている
ことが望ましい(請求項6)。
【0015】請求項1〜6に記載された目飛び検出装置
は、前記ミシンが複数の針と各針に応じた針糸を有する
場合において、前記音検知センサが各針糸経路上に各別
に配置され、上記複数の音検知センサの各別の検出信号
に基づいて目飛び検出信号を発生することが望ましい
(請求項7)。
【0016】請求項1〜7に記載された目飛び検出装置
はさらに、前記音検知センサの信号を増幅するための増
幅器の増幅率を調節する増幅率調節手段を備えているこ
とが望ましい(請求項8)。
【0017】請求項2に記載された目飛び検出装置はさ
らに、前記時間測定手段による時間測定値を増減させる
時間補正手段を備えていることが望ましい(請求項
9)。
【0018】請求項2〜7に記載された目飛び検出装置
はさらに、前記目飛び検出信号の発生を選択的に停止さ
せるための検出停止手段を備えていることが望ましい。
【0019】
【作用】請求項1に記載された目飛び検出装置によれ
ば、前記釜により針糸が捕捉されたときと捕捉されない
ときとの糸移動量の差が最大となる位置もしくはその近
傍に前記音検知センサを配置したことにより、目飛び発
生時に生じる摩擦音の特徴的な変化を確実に検出でき
る。
【0020】請求項2に記載された目飛び検出装置によ
れば、前記釜により針糸が捕捉されたときと捕捉されな
いときとの糸移動量の差が顕著となる位置である天秤の
上流側近傍および下流側近傍に設けられる一対の糸案内
の少なくとも一方と針糸との摩擦音を前記音検知センサ
で検出することにより、目飛び発生時に生じる摩擦音の
特徴的な変化を確実に検出できる。そして、前記音検知
センサで検出される摩擦音の発生時間を前記時間測定手
段が1針毎に測定し、前記時間測定手段による前回の測
定値と今回の測定値とを前記糸移動量差検出手段が比較
して糸移動量差を求め、その値に応じて目飛び検出信号
発生手段が目飛び検出信号を発生させることにより、正
常な縫い目形成時における摩擦音の発生時間のばらつき
が大きい場合でもこれを誤検出することなく目飛びの発
生を確実に検知できる。
【0021】請求項3及び4に記載された目飛び検出装
置によれば、ミシンの回転速度に応じた適正な糸移動量
データを予め記憶手段に記憶しておき、前記回転検出手
段によってミシンの回転速度が検出される度に前記比較
手段が前記記憶手段から糸移動量のデータを読み出して
前記検出信号と比較し、その値に応じて目飛び検出信号
を発生させることにより、正常な縫い目形成時における
摩擦音の発生時間のばらつきが大きい場合でもこれを誤
検出することなく目飛びの発生を確実に検知できる。
【0022】請求項5及び6に記載された目飛び検出装
置によれば、ミシンの回転速度の変化が予め設定された
値以上になったとき前記目飛び検出信号の発生を停止さ
せるので、例えばミシン起動直後や停止直前など回転速
度の変化が必然的に生じる場合における摩擦音発生時間
の変化を異常として目飛び検出信号が発生されるのを防
止することができる。
【0023】請求項7に記載された目飛び検出装置によ
れば、ミシンが複数の針と各針に応じた針糸を有する場
合においても、各針糸経路上に各別に配置された音検知
センサの各別の検出信号に基づいて糸の異常を判別する
ことができる。
【0024】請求項8に記載された目飛び検出装置によ
れば、摩擦音の大きさに応じて前記増幅器の増幅率を調
節することにより、音検知センサによる検出信号の強度
を適切に調節できるので、摩擦音の検出ミスを防止して
目飛びの発生を確実に検知できる。
【0025】請求項9に記載された目飛び検出装置によ
れば、縫いピッチなどにより摩擦音の発生時間が変化す
る場合でも、前記時間測定手段による時間測定値を増減
させることにより摩擦音の発生時間が一定になるように
補正できるので、摩擦音発生時間の変化を異常として誤
検出することなく、目飛びの発生を確実に検知できる。
【0026】請求項10に記載された目飛び検出装置に
よれば、目飛びを検知する必要がない場合には前記検出
停止手段によって前記目飛び検出信号の発生を停止させ
ることができる。したがって不必要に目飛び検出信号が
発生され、その度にミシンが停止されるなどの不都合を
なくすことができる。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0028】図1は本発明に係る目飛び検出装置を備え
てなる本縫いミシンの針糸経路を示す部分正面図であ
る。同図に示すように針糸1は、針糸調子3、糸取りば
ね24、糸案内5´(図3参照)、補助糸調子8、天秤
4、及び糸案内6を順に経て針7に供給される。
【0029】天秤4は、ミシンの回転に伴って1針毎に
矢印Aで示す方向に上下運動する。そして天秤4の上下
運動により針糸1は、糸案内5´および糸案内6の糸通
過部9、10に案内されつつ1針毎に往復移動を繰り返
す。そして針糸1が移動する間、糸案内5´および糸案
内6の糸通過部9、10に摩擦抵抗が加わり、摩擦音が
発生する。
【0030】ミシンが一回転駆動する間には、糸案内5
´および糸案内6に摩擦抵抗が加わるときと加わらない
ときがあり、その位相および強度は、正常な縫い目形成
時においてミシン回転数が一定であればほぼ一定であ
る。そして、目飛びが発生すると、天秤4の運動により
図2に示すように針糸1が弛むため、その間は糸案内5
´および糸案内6に摩擦抵抗は加わらなくなる。
【0031】目飛び発生時の弛みによる針糸移動量の変
化は、正常な縫い目形成時における移動量のばらつきよ
りも遥かに大きい。例えば最も一般的な本縫い一本針小
釜ミシンにおいて、図1および図2の糸案内5´の位置
で針糸1の移動量を測定した場合、正常な縫い目形成時
と目飛び発生時の針糸移動量の差は、約80mmであ
る。ミシン1針当りの全体の針糸移動量が約110mm
であることを考えるとき、その変化量は約73%にもな
る。このことは天秤4の下流側の糸案内6においてもほ
ぼ同様である。
【0032】したがって天秤4の前後に設けられた糸案
内5´と糸案内6のいずれか一方と針糸1との摩擦音を
監視することにより、目飛び発生時に生じる摩擦音の特
徴的な変化を確実に検出することができる。
【0033】図1および図2は、天秤4の上流側の糸案
内5´と針糸1との摩擦音を検出できるようにした場合
の装置構成を例示したものである。
【0034】糸案内5´は、図3に示すようにその先端
部に糸通過部9を有する筒状の案内部材13と、この案
内部材13をミシンにねじ15(図1参照)で固定する
ための取付部材14とからなる。糸通過部9は、案内部
材13の筒状部の先端に突設された突片37の先端部
に、針糸1が通過する糸孔12を形成してなる。そして
この糸案内5´は、針糸1との摩擦音(振動)を検出す
るための圧電素子からなる音検知センサ11を案内部材
13に内蔵することにより音検知センサユニット17を
構成している。
【0035】この糸案内5´と天秤4との間に設けられ
た補助糸調子8は、目飛びが発生して針糸1が弛んだ場
合に、針糸1の弛み分が糸案内5´の糸通過部9を通過
して逆行するのを防止する働きをもつものである。すな
わち、目飛びが発生した場合には針糸1は釜の周囲を回
る必要がないため消費されず、弛んだ針糸1が糸通過部
9を通過して図2中矢印B方向に移動する可能性がある
が、補助糸調子8を設けることで針糸1のB方向への移
動を防止し、弛みによる針糸1の移動量の変化の正確な
検知を可能にする。
【0036】図4には、本実施例のミシンにおける制御
ブロック図が示されている。本実施例のミシンの制御部
は、中央処理装置(CPU)40と記憶装置(メモリ)
41とで主に構成される。CPU40は、メモリ41内
に予め記憶されたプログラムに従って演算制御動作す
る。CPU40は、速度設定スイッチの速度設定信号及
びスタートストップスイッチのオン信号に応じて、モー
タ駆動回路44に制御信号を出力し、モータMを前記設
定された速度で駆動及び停止制御させるとともに、所定
のタイミングで送り量のデータをメモリ41から読み出
して、制御信号として布送り機構駆動回路45に出力
し、布送り機構46を動作制御して1ステッチ毎に布送
り機構46による送り量を決定する。
【0037】CPU40には、目飛び検出回路47が接
続されている。目飛び検出回路47は、前記音検知セン
サ11からの検出信号と、ミシンの上軸に取り付けられ
たエンコーダ(回転検出センサ)42からの信号とに基
づいて目飛び検出信号をCPU40に出力する。CPU
40は、目飛び検出信号を受けると直ちにモータ駆動回
路44に停止指令信号を出力する。
【0038】また、CPU40には、目飛び検出機能の
オン/オフやセンサ信号の増幅率を設定・変更、あるい
はミシンの駆動条件の設定・変更のための各種データの
入力操作を行うためのキーやスイッチ類を配設してなる
入力装置48、ミシンの異常をブザー音やランプの点灯
によって報知する警報装置49、及びミシンの運転状態
や入力装置48による入力情報を表示するための表示装
置50が接続されている。
【0039】図5には、上記目飛び検出回路47の構成
例がブロック図で示されている。同図に示す目飛び検出
回路47は、前記音検知センサ11からの信号に基づい
て前記摩擦音の発生時間を1針毎に検出するための時間
測定手段51と、前記回転検出センサ42から信号(図
7(a)参照)が発せられる度に、ミシンの回転速度を
検出するためのタイミング信号(図7(b)参照)を発
生するタイミング発生回路52と、時間測定手段51か
らの信号(図7(d)参照)に基づいて前回の測定値と
今回との糸移動量差を求める糸移動量差検出手段53
と、前記タイミング発生回路52からのタイミング信号
に基づいて前回の回転数測定値と今回の回転数測定値か
ら糸移動量差を求める糸移動量差検出手段54と、前記
糸量差検出手段53の出力値と糸移動量差検出手段54
の出力値とを比較してその差が予め設定された値よりも
大きいときに目飛び検出信号を発生する目飛び検出信号
発生手段55とからなる。
【0040】時間測定手段51は、音検知センサ11か
らの摩擦音検出信号を増幅する増幅器56と、増幅され
た摩擦音検出信号のうちの必要な周波数の信号のみを通
過させるバンドパスフィルタ57と、これを通過した信
号の波形を時間測定が可能な波形(図7(c)参照)に
整形する波形整形回路58と、前記タイミング発生回路
52と、このタイミング発生回路52からのクロック信
号を前記波形整形回路58から信号が送出されている間
のみ通過させる時間測定回路59とからなる。前記増幅
器56の増幅率は、前記入力装置48からのキー入力に
よりCPU40を介して設定・変更できるようになって
いる。
【0041】糸移動量差検出手段53は、時間測定回路
59を通過してくるクロック信号の数を1針毎に記憶す
る時間データ一時記憶装置60と、この時間データ一時
記憶装置60に記憶された前回の時間データ(クロック
信号数)と時間測定回路59から送られてくる今回の時
間データ(クロック信号数)とを比較して前回と今回と
の時間差を求める比較回路61と、この比較回路61か
らの出力値に基づいて前回と今回との糸移動量差を演算
して順次出力する演算回路62とからなる。
【0042】糸移動量差検出手段54は、前記タイミン
グ発生回路52から送られてくるクロック信号を回転数
検出器43で変換し回転数データとして1針毎に記憶す
る回転数データ一時記憶装置63と、この回転数データ
一時記憶装置63に記憶された前回の回転数データと前
記回転数検出器43から送られてくる今回の回転数デー
タとを比較して前回と今回との回転数差を求める比較回
路64と、回転数差に対応させて回転数のばらつきによ
る幅を持たせた糸移動量差データを予め記憶し、比較回
路64の出力値に対応する糸移動量差データを出力する
糸移動量差データ発生回路(ROM)65とからなる。
比較回路64の出力値は検出ON/OFF信号として直
接CPU40にも入力され、その値が予め設定された設
定値以上の場合CPU40によって前記警報装置50の
警報機能が停止されるようになっている。この設定値は
ミシンの起動直後や停止寸前など回転数の変化が急激で
あるときの回転数差に基づき設定される。
【0043】目飛び検出信号発生手段55は、前記演算
回路62からの糸移動量差データと前記糸移動量差デー
タ発生回路65からの糸移動量差データとを比較してそ
の差を出力する比較回路66と、この比較回路66から
の出力値が予め回転数のばらつきを考慮して設定された
値よりも大きいときに検出信号を出力する検出信号発生
回路67とからなる。ここでの設定値は、ミシン回転数
のばらつきに起因して変動する糸移動量差程度に設定さ
れる。
【0044】以上の構成によれば、針糸供給時、天秤4
の上下運動により針糸1が引っ張られると、針糸1と糸
案内5´の孔部9とが擦れて摩擦音が発生し、この摩擦
音が音検知センサ11によって検出される。音検知セン
サ11で検出された摩擦音信号は、増幅器56で増幅さ
れ、増幅された摩擦音検出信号のうちの必要な周波数帯
域の信号のみがバンドパスフィルタ57を通過し、波形
整形回路58で時間測定が可能な波形の信号(図7
(c)参照)に整形される。また、回転検出センサ42
からのタイミングによってタイミング発生回路52から
クロック信号(図7(b)参照)が発生し、これが時間
測定手段51の時間測定回路59と糸移動量差検出手段
54の回転数データ一時記憶装置63および比較回路6
4とに入力される。時間測定回路59に入力されたクロ
ック信号は波形整形回路58から信号が送られてくる間
のみ通過され、糸移動量差検出手段53に入力される。
【0045】糸移動量差検出手段53においては、時間
測定回路59を通過してきたクロック信号(図7(d)
参照)が時間データとして時間データ一時記憶装置60
に記憶される。時間データ一時記憶装置60は、時間測
定回路59から1針分の時間データが到来する度にそれ
まで記憶していた前回の時間データを出力する。そし
て、この時間データ一時記憶装置60からの前回の時間
データと時間測定回路59からの今回の時間データとが
比較回路61に入力される。そして比較回路61で求め
られた前回と今回との時間差データが演算回路62に入
力されることにより、演算回路62によって前回と今回
との糸移動量差が演算され、その糸移動量差データが目
飛び検出信号発生手段55の比較回路66に入力され
る。
【0046】一方、糸移動量差検出手段54において
は、回転数検出器43から1針分の回転数データが到来
する度に回転数データ一時記憶装置63がそれまで記憶
していた前回の回転数データを出力する。そして、この
前回の回転数データとタイミング発生回路52からの信
号を回転数検出器43により変換された今回の回転数デ
ータとが比較回路64に入力される。そして比較回路6
4で求められた回転数差データが糸移動量差データ発生
装置65に入力されることにより、当該回転数差データ
に対応する糸移動量差データが糸移動量差データ発生装
置(ROM)65より出力され、目飛び検出信号発生手
段55の比較回路66に入力される。またこの糸移動量
差検出手段54の比較回路64の回転数差データはCP
U40にも入力される。この回転数差データが予め設定
された設定値以上の場合CPU40は前記警報装置49
の警報機能を停止させる。
【0047】そして目飛び検出信号発生手段55におい
ては、前記演算回路62からの糸移動量差データと前記
糸移動量差データ発生回路65からの糸移動量差データ
とが比較回路66によって比較され、その差が検出信号
発生回路67に与えられる。そして比較回路66からの
出力値が予め設定された値よりも大きいときには検出信
号発生回路67よりCPU40に目飛び検出信号が出力
される。CPU40は目飛び検出信号を受けると直ちに
警報装置49のブザーを鳴らし、ランプを点灯させて作
業者に異常の発生を知らせるとともに、モータ駆動回路
44に停止指令信号を出力してモータMの駆動を停止さ
せる。
【0048】上記のように、音検知センサ11によって
針糸1の摩擦音を検出し、次々に送られてくる1針毎の
摩擦音の発生時間を比較して、前回と今回との摩擦音の
発生時間差に基づく糸移動量差を求めるとともに、回転
検出センサ42によってミシンの回転数を検出し、次々
に送られてくる1針毎の回転数(回転速度)を比較し
て、前回と今回との回転数差に基づく糸移動量差を求
め、前記摩擦音の発生時間差に基づく糸移動量差と前記
回転数差に基づく糸移動量差との比較結果に基づいて目
飛びを判別することにより、ミシン回転数の変化に起因
して摩擦音の発生時間のばらつきが大きい場合でもこれ
を誤検出することなく目飛びの発生を確実に検知でき
る。
【0049】図6には、他の実施例の目飛び検出装置に
おける目飛び検出回路のブロック図が示されている。同
図に示す目飛び検出回路47´は、前記音検知センサ1
1からの信号に基づいて前記摩擦音の発生時間を1針毎
に検出するための時間測定手段51と、前記回転検出セ
ンサ42から信号(図7(a)参照)が発せられる度
に、ミシンの回転速度を検出するためのタイミング信号
(図7(b)参照)を発生するタイミング発生回路52
と、時間測定手段51からの信号(図7(d)参照)に
基づいて糸移動量を求める第1の糸移動量検出手段68
と、前記タイミング発生回路52からの信号を回転数検
出器43により変換しその回転数データに基づいて推定
糸移動量を求める第2の糸移動量検出手段69と、前記
第1の糸移動量検出手段68の出力値と第2の糸移動量
検出手段69の出力値とを比較してその差が予め設定さ
れた値よりも大きいときに検出信号を発生する目飛び検
出信号発生手段70とからなる。
【0050】時間測定手段51は、音検知センサ11か
らの摩擦音検出信号を増幅する増幅器56と、増幅され
た摩擦音検出信号のうちの必要な周波数の信号のみを通
過させるバンドパスフィルタ57と、これを通過した信
号の波形を時間測定が可能な波形(図5(c)参照)に
整形する波形整形回路58と、タイミング発生回路52
からのクロック信号を前記波形整形回路58から信号が
送出されている間のみ通過させる時間測定回路59とか
らなる。前記増幅器56の増幅率は、前記入力装置48
からのキー入力によりCPU40を介して設定・変更で
きるようになっている。
【0051】第1の糸移動量検出手段68は、時間測定
回路59を通過してくるクロック信号を1針毎の時間デ
ータとして順次出力する一時記憶バッファ75と、一時
記憶バッファ75からの時間データに基づいて1針毎の
糸移動量を演算して順次出力する演算回路71とからな
る。
【0052】第2の糸移動量検出手段69は、前記タイ
ミング発生回路52から送られてくるクロック信号を回
転数検出器43により回転数データに変換さし1針毎に
記憶し順次出力する回転数データ一時記憶装置72と、
この回転数データ一時記憶装置72に記憶された前回の
回転数データと前記タイミング発生回路52からの信号
を回転数検知器43にて変換して得られた回転数データ
とを比較して前回と今回との回転数差を求める比較回路
73と、回転数データに対応し回転数のばらつきによる
幅を持たせた適正な糸移動量データを予め記憶し、回転
数データ一時記憶装置72から回転数データが出力され
るとその回転数データに対応する糸移動量データを出力
する糸移動量データ発生回路(ROM)74とからな
る。比較回路73の出力データは、検出ON/OFF信
号としてCPU40に入力され、その値が予め設定され
た設定値以上の場合CPU40によって前記警報装置4
9の警報機能が停止されるようになっている。この設定
値はミシンの起動時や停止寸前など回転数の変化が急激
であるときの回転数差に基づき設定される。
【0053】目飛び検出信号発生手段70は、前記演算
回路71からの糸移動量データと前記糸移動量データ発
生回路74からの糸移動量データとを比較してその差を
出力する比較回路76と、この比較回路76からの出力
値が予め回転数のばらつきを考慮し設定された値よりも
大きいときに目飛び検出信号を出力する検出信号発生回
路77とからなる。ここでの設定値は、ミシン回転数の
ばらつきに起因して変動する糸移動量程度に設定され
る。
【0054】図6の構成によれば、針糸供給時、天秤4
の上下運動により針糸1が引っ張られると、針糸1と糸
案内5´の孔部9とが擦れて摩擦音が発生し、この摩擦
音が音検知センサ11によって検出される。音検知セン
サ11で検出された摩擦音信号は、図5の場合と同様時
間測定手段51の増幅器56、バンドパスフィルタ5
7、波形整形回路58及び時間測定回路59で順次処理
され、時間測定回路59を通過したクロック信号が第1
の糸移動量検出手段68に入力される。
【0055】第1の糸移動量検出手段68においては、
時間測定回路59を通過してきたクロック信号が一時記
憶バッファ75に入力される。そして演算回路71は、
一時記憶バッファ75を介して送られてくる時間データ
に基づいて糸移動量を演算し、得られた糸移動量データ
を目飛び検出信号発生手段70の比較回路76に出力す
る。
【0056】一方、第2の糸移動量検出手段69におい
ては、回転数検出器43から出力された回転数データが
回転数データ一時記憶装置72と比較回路73とに入力
される。回転数データ一時記憶装置72は、1針分の回
転数データが到来する度に前回の1針分の回転数データ
を比較回路73と糸移動量データ発生回路74とに出力
する。糸移動量データ発生回路74は回転数データが入
力される度に当該回転数データに対応する適正な糸移動
量データを目飛び検出信号発生手段70の比較回路76
に出力する。また、第2の糸移動量検出手段69の比較
回路73は、回転数データ一時記憶装置72からの前回
の1針分の回転数データと回転数検出器43からの今回
の1針分の回転数データとを比較し、その差を検出ON
/OFF信号としてCPU40に出力する。そして検出
ON/OFF信号が設定値以上の場合、CPU40は前
記警報装置50の警報機能を停止させる。
【0057】目飛び検出信号発生手段70においては、
前記演算回路71からの糸移動量データと前記糸移動量
データ発生回路74からの糸移動量データとが比較回路
76によって比較され、その差が検出信号発生回路77
に出力される。そして比較回路76からの出力値が予め
設定された値よりも大きいときには検出信号発生回路7
7が目飛び検出信号をCPU40に出力する。CPU4
0は目飛び検出信号を受けると直ちに警報装置49のブ
ザーを鳴らし、ランプを点灯させて作業者に異常の発生
を知らせるとともに、モータ駆動回路44に停止指令信
号を出力してモータMの駆動を停止させる。
【0058】上記のように、音検知センサ11によって
針糸1の摩擦音を検出し、次々に送られてくる1針毎の
摩擦音の発生時間から糸移動量を算出するとともに、回
転検出センサ42によってミシンの回転数を検出し、糸
移動量データ発生回路74に予め記憶させたデータから
当該回転数に対応する適正な糸移動量を求め、前記摩擦
音の発生時間に基づく糸移動量と予め記憶しておいた適
正な糸移動量との比較結果に基づいて目飛びを判別する
ことにより、ミシン回転数の変化に起因して摩擦音の発
生時間のばらつきが大きい場合でもこれを誤検出するこ
となく目飛びの発生を確実に検知できる。
【0059】以上、本実施例の目飛び検出装置によれ
ば、天秤4の上流側の糸案内5´に音検知センサ11を
設けて、目飛び発生時に生じる摩擦音の顕著な変化を検
出するようにしたので、さほど高感度の音検知センサ1
1を使用することなく、目飛び発生時における摩擦音の
変化を確実に検出することができる。
【0060】また本実施例では、比較器64、73によ
って検出されるミシンの回転数の変化がが予め設定され
た設定値以上になったときCPU40によって目飛び検
出信号の発生が停止されるので、例えばミシン起動直後
や停止直前など回転速度の変化が必然的に生じる場合に
おける摩擦音発生時間の変化を異常と判断し目飛び検出
信号が発生されるのを防止することができる。
【0061】また、摩擦音の大きさに応じて増幅器56
の増幅率を調節することにより、音検知セン11サによ
る検出信号の強度を適切に調節できるので、摩擦音の検
出ミスを防止して目飛びの発生を確実に検知できる。
【0062】また、時間測定手段51による時間測定値
を入力装置48からのキー入力操作などにより増減でき
るようにしておけば、縫いピッチなどにより摩擦音の発
生時間が変化する場合でも摩擦音の検出時間が一定にな
るように補正できるので、縫いピッチの違いによる誤検
出を防止できる。
【0063】なお、上記実施例では天秤4の上流側の糸
案内5´と針糸1との摩擦音を検出できるようにした場
合の装置構成について説明したが、図8に示すように天
秤4の下流側に補助糸調子8´および音検知センサユニ
ット17´を設けても上記実施例と同様の効果が得られ
る。
【0064】また、音検知センサ11の設置場所は、糸
案内5´、6´に限定されず、例えば天秤4の糸孔と針
糸1との摩擦音を検出できるように天秤4に音検知セン
サ11を取り付けてもよい。また、糸取りばね24と針
糸1との摩擦音を検出するようにしてもよい。要する
に、音検知センサ11の設置場所は、釜により針糸が捕
捉されたときと捕捉されないときとの糸移動量の差が顕
著となる針糸経路位置であればどこでもよい。
【0065】また、上記実施例では糸案内5´と天秤4
との間に補助糸調子8を設けることにより、針糸1の弛
み分が糸案内5´の糸通過部9を通過して逆行するのを
防止するようになしたが、仮にこの補助調子8が設けら
れておらず、目飛び発生時に針糸1が逆行したとして
も、そのときの針糸1の張力は正常な縫い目形成時より
も著しく低下するため、これに伴う摩擦音の特徴的な変
化を検出することにより目飛びを検知することができ
る。ただし、正常な縫い目形成時における針糸移動量と
目飛び発生時における針糸移動量との差によって目飛び
の発生を検知するようになした本発明の目飛び検出装置
にあっては、上記の如く補助糸調子8を設けるなどして
針糸1の逆行を防止し、目飛び発生時に糸移動量の急激
な変化が確実に創出されるようにしておくことが望まし
い。
【0066】上記針糸1の逆行は、針糸1に僅かな摩擦
抵抗を付加するだけで防ぐことができる。したがって例
えば図9、図10に示すように、案内部材13の突片3
7を上方に屈曲させ、かつ突片37の糸孔12の数を増
やすなどして、針糸1に摩擦抵抗を付加する機能を糸案
内5´自体に持たせておけば、上記補助糸調子8は必要
なくなる。
【0067】また一般的には1本の針糸に対し1つの音
検知センサを使用するため多本針ミシンの場合には複数
の音検知センサを必要とする。
【0068】また、本発明の目飛び検出装置は、環縫い
ミシン用の目飛び検出装置としても適用可能である。そ
の場合、本縫いミシンの糸案内(図12中、符号5、
6)に相当する部品に音検知センサ11を装着あるいは
内蔵させることにより、本縫いの場合と同様目飛びを検
知することができる。ただし、環縫いミシンは本縫いミ
シンよりも針糸1の消費量が多く、目飛びが発生した際
の糸移動量の変化も大きいため、天秤(針棒25と兼
用)の動きと直接関係のない位置、例えば針糸ボビン近
傍の糸案内に音検知センサ11を設けても目飛びの検知
が可能である。
【0069】さらに、本発明の目飛び検出装置は、目飛
び検出の場合と同様の原理で糸切れを検知することもで
きる。
【0070】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、以下のよ
うな優れた効果を発揮できる。
【0071】請求項1に記載された目飛び検出装置によ
れば、前記釜により針糸が捕捉されたときと捕捉されな
いときとの糸移動量の差が最大となる位置もしくはその
近傍に前記音検知センサを配置したことにより、目飛び
発生時に生じる摩擦音の特徴的な変化を確実に検出でき
るので、正常な縫い目形成時における摩擦音の発生時間
のばらつきが大きい場合でもこれを誤検出することなく
目飛びの発生を確実に検知できる。
【0072】請求項2に記載された目飛び検出装置によ
れば、ミシンの天秤の上流側近傍および下流側近傍に設
けられる一対の糸案内の少なくとも一方と針糸との摩擦
音を前記音検知センサで検出することにより、高感度の
センサを使用することなく目飛び発生時に生じる摩擦音
の特徴的な変化を確実に検出でき、正常な縫い目形成時
における摩擦音の発生時間のばらつきが大きい場合でも
これを誤検出することなく目飛びの発生を確実に検知で
きる。
【0073】請求項3及び4に記載された目飛び検出装
置によれば、ミシンの回転速度に応じた適正な糸移動量
をデータを予め記憶手段に記憶しておき、前記回転検出
手段によってミシンの回転速度が検出される度に前記比
較手段が前記記憶手段から糸移動量のデータを読み出し
て音検知センサによる検出信号と比較し、その比較結果
に応じて目飛び検出信号を発生させることにより、ミシ
ン回転数のばらつきに起因して摩擦音の発生時間に変動
が生じた場合でもこれを目飛びの発生として誤検出する
のを防止して目飛びの発生をより確実に検知できる。
【0074】請求項5及び6に記載された目飛び検出装
置によれば、ミシンの回転速度の変化が予め設定された
値以上になったとき目飛び検出信号の発生を停止させる
ので、ミシンの回転速度の変化が急な場合における摩擦
音発生時間の変化を異常とは判断して目飛び検出信号が
発生されるのを防止することができる。
【0075】請求項7に記載された目飛び検出装置によ
れば、ミシンが複数の針と各針に応じた針糸を有する場
合においても、各針糸経路上に各別に配置された音検知
センサの各別の検出信号に基づいて糸の異常を判別する
ことができる。
【0076】請求項8に記載された目飛び検出装置によ
れば、摩擦音の大きさに応じて音検知センサの増幅器の
増幅率を調節することにより音検知センサの検出信号強
度を適切に調節できるので、摩擦音の検出ミスを防止し
て目飛びの発生を確実に検知できる。
【0077】請求項9に記載された目飛び検出装置によ
れば、縫いピッチなどにより摩擦音の発生時間が変化す
る場合でも、前記時間測定手段による時間測定値を増減
させることにより摩擦音の発生時間が一定になるように
補正できるので、摩擦音発生時間の変化を異常として誤
検出することなく、目飛びの発生を確実に検知できる。
【0078】請求項10に記載された目飛び検出装置に
よれば、目飛び検出信号の発生を必要に応じて停止させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の目飛び検出装置を本縫いミシンに適用
した場合の針糸の状態を示す部分正面図である。
【図2】同じく針糸の状態を示す部分正面図である。
【図3】音検知センサを内蔵してなる糸案内の一実施例
を示す斜視図である。
【図4】本発明の目飛び検出装置を備えた一実施例のミ
シンにおける制御ブロック図である。
【図5】図4のミシンの目飛び検出回路の一構成例を示
すブロック図である。
【図6】図4のミシンの目飛び検出回路の別の構成例を
示すブロック図である。
【図7】図5および図6の各部の信号波形図である。
【図8】本発明の目飛び検出装置を本縫いミシンに適用
した場合の他の実施例を示す部分正面図である。
【図9】糸案内の他の実施例を示す斜視図である。
【図10】糸案内の他の実施例を示す斜視図である。
【図11】一般的な本縫いミシンにおける針糸の供給経
路を示す部分斜視図である。
【図12】(a)正常な縫い目を示す側断面図、(b)
は目飛び発生時の縫い目を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 針糸 4 天秤 5´ 糸案内 6 糸案内 8 補助糸調子 8´ 補助糸調子 9 糸通過部 11 音検知センサ 12 糸孔 13 案内部材 40 CPU(信号制御手段) 42 エンコーダ(回転検出センサ、回転検出手段、時
間補正手段) 43 回転数検出器 47 目飛び検出回路 51 時間測定手段 53 糸移動量差検出手段 54 糸移動量差検出手段 55 目飛び検出信号発生手段 56 増幅器 66 比較回路(比較手段) 67 検出信号発生回路 68 糸移動量検出手段 69 糸移動量検出手段 70 目飛び検出信号発生手段 74 糸移動量差データ発生回路(記憶手段) 76 比較回路(比較手段) 77 検出信号発生回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】針と釜との協働により縫い目を形成するミ
    シンの糸供給源と針との間の針糸経路上に配置され、縫
    い目形成による上記針糸の移動にともなう音の発生を検
    知して検出信号を発生する音検知センサを有し、該検出
    信号の発生時間により糸切れまたは目飛びの発生を検出
    する検出装置をして、 前記音検知センサを、前記釜により針糸が捕捉されたと
    きと捕捉されないときとの糸移動量の差が最大となる位
    置もしくはその近傍に配置したことを特徴とするミシン
    の目飛び検出装置。
  2. 【請求項2】ミシンの天秤の上流側近傍および下流側近
    傍に設けられる糸案内と針糸との摩擦音を検出すべく設
    けられた音検知センサと、 当該音検知センサの出力に基づいてミシンが1回転動作
    する毎の前記摩擦音の発生時間を測定する時間測定手段
    と、 当該時間測定手段による前回の測定値と今回の測定値と
    を比較して糸移動量差を求める糸移動量差検出手段と、 当該糸移動量差検出手段の出力値に応じて目飛び検出信
    号を発生する目飛び検出信号発生手段とを備えてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のミシンの目飛び検出装
    置。
  3. 【請求項3】ミシンの回転速度に応じた適正な糸移動量
    のデータを予め記憶した記憶手段と、 ミシンの回転速度を検出する回転検出手段と、 この回転検出手段による検出速度に応じて前記記憶手段
    からデータを読み出して前記音検知センサの信号と比較
    する比較手段と、 この比較手段による比較結果に応じて目飛び検出信号を
    発生する手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載
    のミシンの目飛び検出装置。
  4. 【請求項4】針と釜との協働により縫い目を形成するミ
    シンの糸供給源と針との間の針糸経路上に配置され、縫
    い目形成による上記針糸の移動にともなう音の発生を検
    知して信号を発生する音検知センサを有し、該検出信号
    の発生時間により糸切れまたは目飛びの発生を検出する
    検出装置をして、 ミシンの回転速度に応じた適正な糸移動量のデータを予
    め記憶した記憶手段と、 ミシンの回転速度を検出する回転検出手段と、 この回転検出手段による検出速度に応じて前記記憶手段
    からデータを読み出して前記音検知センサの信号と比較
    する比較手段と、 この比較手段による比較結果に応じて目飛び検出信号を
    発生する手段とを備えたことを特徴とするミシンの目飛
    び検出装置。
  5. 【請求項5】ミシンの回転速度を検出する回転検出手段
    と、 当該回転検出手段により検出される回転速度の変化が予
    め設定された値以上になったとき前記目飛び検出信号の
    発生を停止させる信号制御手段を備えたことを特徴とす
    る請求項2記載のミシンの目飛び検出装置。
  6. 【請求項6】前記回転検出手段により検出される回転速
    度の変化が予め設定された値以上になったとき前記目飛
    び検出信号の発生を停止させる信号制御手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項3又は4記載のミシンの目飛び検
    出装置。
  7. 【請求項7】上記ミシンが複数の針と、各針に応じた針
    糸を有し、 上記音検知センサが各針糸経路上に各別に配置され、 上記複数の音検知センサの各別の検出信号に基づいて目
    飛び検出信号を発生することを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載のミシンの目飛び検出装置。
  8. 【請求項8】前記音検知センサの信号を増幅するための
    増幅器の増幅率を調節可能としたことを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載のミシンの目飛び検出装置。
  9. 【請求項9】前記時間測定手段による時間測定値を増減
    させる時間補正手段を備えたことを特徴とする請求項2
    又は3記載のミシンの目飛び検出装置。
  10. 【請求項10】前記目飛び検出信号の発生を選択的に停
    止させるための検出停止手段を備えたことを特徴とする
    請求項2〜5のいずれかに記載のミシンの目飛び検出装
    置。
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