JPH0827256B2 - 水素イオン濃度検出器 - Google Patents

水素イオン濃度検出器

Info

Publication number
JPH0827256B2
JPH0827256B2 JP5278223A JP27822393A JPH0827256B2 JP H0827256 B2 JPH0827256 B2 JP H0827256B2 JP 5278223 A JP5278223 A JP 5278223A JP 27822393 A JP27822393 A JP 27822393A JP H0827256 B2 JPH0827256 B2 JP H0827256B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
hydrogen ion
ion concentration
metal
detector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5278223A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07128282A (ja
Inventor
直一 迫田
孝俊 小役丸
和宏 ▲さこ▼田
茂樹 桑田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rengo Co Ltd
Original Assignee
Rengo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rengo Co Ltd filed Critical Rengo Co Ltd
Priority to JP5278223A priority Critical patent/JPH0827256B2/ja
Publication of JPH07128282A publication Critical patent/JPH07128282A/ja
Publication of JPH0827256B2 publication Critical patent/JPH0827256B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、水溶液中の水素イオ
ン濃度を測定する水素イオン濃度検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】水溶液中の水素イオン濃度を測定する装
置としては古くから種々の形式のものがあるが、代表的
なものの1つにガラス電極を用いたものが知られてい
る。このガラス電極は、一般に容器内部に内部電極と内
部電解質を有し、下端にガラス薄膜を備えている。
【0003】ガラス電極は、ガラス薄膜が水素イオンH
+ に対して選択的な透過性を有するため、ガラス膜の内
外面間に生ずるイオン濃度の差に基づく電位差(膜電
位)を発生し、これを測定することにより水素イオン濃
度を測定してその水溶液のpH値を知ることができる。
【0004】上記原理的、一般的ガラス電極を用いた水
素イオン濃度の測定装置は、種々の問題点を有し、これ
らを解決する様々の提案がなされているが、その1つと
して特公平4−52407号公報に開示されたものがあ
る。
【0005】この公報に記載されている水素イオン濃度
測定装置は、測定装置の一方の電極端子に接続される端
子をもつ水素イオン濃度測定用指示電極と、他方の電極
端子に接続される端子をもった金属電極体とを水溶液中
に直接浸漬して両端子間に発生する電位差を上記測定装
置で測定することにより水溶液中の水素イオン濃度を測
定する装置であり、特に水素イオン濃度測定用指示電極
は一端開放で他端に閉塞端を備えた容器とその内部に内
部電極と内部電解質とを有し、その閉塞端は少なくとも
酸素イオン伝導性固体電解質から形成され、かつ、他方
の金属電極体の上記水溶液に接触する表面は銀、銀合金
又は銀、銀合金の酸化物より選択された何れかが被覆さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したガラス電極を
用いたpH測定装置では、前記特許公報が指摘している
ように、 (1)液絡部を介して内部電解質のイオンが測定液中に
漏出する。このため被測定液が汚染されたり、真のイオ
ン濃度を測定することができない場合が生ずる。 (2)液絡部よりの漏出により内部電解質液が減少した
り濃度の変化が起こったりして、比較電極としての本来
の基準電位が変動してしまうことがある。 (3)又液絡部が閉塞したりすることも発生し、この場
合には前述の電気導通が得られなくなり、測定を困難に
してしまう。 (4)液絡部での円滑な電気伝導を得るには、内部液は
少なくとも被測定液よりも正圧条件であることが必要で
ある。 という種々の問題がある。
【0007】以上のような問題に対して、極力漏出を少
なくするような工夫として液絡部の構造を微細化した
り、電解質をゲル状化したりして内部電解質の変質や減
耗を防止したり、内部液に加圧を行う装置を配置したり
という各種方法が用いられている。しかしながら内部に
比較電極としての電位を安定させるため電解質を有し液
絡部を有するものである限り上記種々の問題点を抜本的
に解決することは不可能である。
【0008】そこで前記特許公報に開示された水素イオ
ン濃度測定装置は、容器閉塞端に酸素イオン伝導性固体
電解質を有する電極を測定用指示電極とし、銀、銀合
金、又はその酸化物のいずれかを被覆した金属電極体を
比較電極(又は基準電極)として組合せたものであり、
所謂液絡構造を無くして液絡構造を持つことによる問
題、あるいは比較電極に内部電解質を有することによる
問題を金属電極体の比較電極とすることによって全て解
決し得るとしている。
【0009】しかしながら、上記測定装置の場合、酸素
イオン伝導性固体電解質は、実際には安定化ジルコニア
を用いることを前提としており、これによって高温度の
測定液、あるいは高圧力の測定液を直接測定できるとし
ている。
【0010】確かに安定化ジルコニアを固体電解質とす
れば、安定化ジルコニアの温度使用範囲が約200℃以
上であるから、目的とする原子力発電所の炉水の一次冷
却水、ボイラー水、化学プラント等での高温高圧条件下
でも使用できる。又、安定化ジルコニアの純度を増す等
の工夫をすれば更に低温化できると説明されている。
【0011】しかし、安定化ジルコニアを使用する限
り、90℃以下で正常な作動をするとは考えられない。
これは、安定化ジルコニアは常温域においては酸素イオ
ン伝導性を示さないためである。従って、この測定装置
は90℃以上の高温高圧を作動領域とするものと思わ
れ、90℃以下、特に一般的な測定条件である常温下で
の水溶液のpH値を測定したい場合には使用できない。
【0012】一方、ガラス電極を用いたpH測定装置
は、常温下の条件で使用できるが、その使用最高温度は
110〜130℃であり、500℃のような高温では使
用できず、かつこの測定装置には前述したような種々の
問題がある。従って、使用する温度条件を考慮するなら
ば、どんな温度条件であってもpH値を正確に測定でき
る信頼性のある測定装置は依然として得られていないの
が現状である。
【0013】この発明は、上述した従来のpH測定装置
に伴う種々の問題点に留意して、電極を全て固体型電極
とすることにより液絡部をなくしかつ常温から高温まで
広い温度条件下でも水素イオン濃度に敏感に反応して水
素イオン濃度を正確に測定し得る水素イオン濃度検出器
を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
としてこの発明は、水素イオン濃度を測定する検知電極
と、この検知電極で測定する起電力の基準となる基準電
極のそれぞれの端子を検知器に接続し、両電極を水溶液
中に直接浸漬して両端子間に発生する電位差を測定する
ことにより水溶液中の水素イオン濃度を検出する水素イ
オン濃度検出器において、上記検知電極はLaF3 単結
晶の固体電解質層に、検出端子を接続した導電性金属を
接合したものとし、基準電極は固体電極から成るものと
したのである。
【0015】この場合、前記基準電極としての固体電極
がアンチモン酸を固体電解質層とし対極として金属層を
接合したものから成るものとするのが好ましい。
【0016】さらに、前記検知電極の導電性金属を金属
と金属フッ化物の混合物、又はこれら混合物と混合物の
組合せ、あるいはフッ化物を構成しない不活性金属とす
るのがよい。
【0017】
【作用】上記の構成としたこの発明の検出器は、固体電
解質のLaF3 を半電池構造として検知電極とし、基準
電極として固体電極を用いることにより水素イオン濃度
を正確に測定できる。このように、検知電極も基準電極
も共に固体電極構造とすることによって、従来の検出器
に用いられている液絡部をなくすことができ、従って液
絡部を介してイオン水溶液がわずかに移動し測定しよう
とする水溶液の水素イオン濃度が変化するという問題が
抜本的に解決されるのである。
【0018】また、前述したように前記特許公報による
水素イオン濃度測定装置が100℃付近から600℃程
度までの高温域で作動するのに対して、この発明による
検出器は常温域から高温域にまで測定可能なものであ
る。これは、検知電極が常温域にあってもイオン伝導性
を有するLaF3 固体電解質を使用しているからであ
る。さらに、基準電極としては、アンチモン酸を固体電
解質層としこれに導電性金属を接合したものとすること
ができ、この場合常温域から300℃程度まで測定可能
である。アンチモン酸の代わりに他の固体電解質を使用
した場合には600℃以上の高温域でも測定可能であ
る。このような水素イオン濃度検出器は、次のような考
察により水素イオン濃度を測定できることが確認されて
いる。
【0019】まず、図5に示すように、検知電極として
用いられているLaF3 の固体電解質層の片側に検知
極、反対側にSnとSnF2 の混合金属の対極を接合し
てプロトタイプ素子を作成した。このプロトタイプ素子
を用いて種々の実験を試みたところ次のようなことが判
明した。
【0020】(1)プロトタイプ素子の応答特性 図6の(a)には、LaF3 単結晶を用いたプロトタイ
プ素子の25℃における起電力のpH依存性を示した。
いずれの素子(検知極:PtあるいはAu)も水中のp
Hの増加に伴ない起電力の直線的な減少が見られる。す
なわち、これらの素子の起電力は、水中のH+ イオンあ
るいはOH- イオンに対してNernst式と一致した
応答をしていることがわかる。また、その直線の傾きは
いずれの素子においても約−30mV/decadeで
あることから、素子の検知極ではH+ イオンあるいはO
- イオンに関して2電子を含む電極反応が起こってい
るものと思われる。
【0021】ところで、水中のpHを変化させた場合
(HCl、NaOH)、中和反応により水中のNaCl
濃度はその都度増加している。にもかかわらず、本素子
の起電力のpH変化に対する再現性は非常に良いことが
わかった。すなわち、本素子の検知極の電位は、Na+
イオンやCl- イオンの濃度変化に対してはほとんど影
響されないものと思われる。ただし、この素子の起電力
は水中溶存酸素の濃度変化に対しては応答する。
【0022】図6の(b)に25℃における起電力の水
中溶存酸素濃度依存性を示した。いずれの素子(検知
極:Pt、Au)も溶存酸素濃度の増加に伴ない起電力
の直線的な増加が見られる。したがって、この素子の起
電力は、水中溶存酸素に対してもNernst式と一致
した応答をしていることがわかる。また、その傾きはい
ずれも約30mV/decadeとなっていることか
ら、本素子の検知極においては溶存酸素に関して2電子
を含む電極反応が起こっているものと思われる。
【0023】このように、本素子の起電力は水中のpH
変化に対して良好に応答することがわかったが、実際の
pHセンサとして適用する場合、起電力が溶存酸素の濃
度変化にも依存することは不都合である。そこで、溶存
酸素の濃度変化に依存しない素子として種々のものを検
討したところ、検知極を持たない半電池構造の素子に到
達したのである。
【0024】以下では上記検討の過程で得られたこの発
明の上記構成の検出器素子について説明する。
【0025】(2)全固体型pH電極の応答特性 図7の(a)は、Ag/AgCl電極を基準電極として
検知極の材質を変化させたときの各検知極の水中pH依
存性に関する特性を示す図である。まず、LaF3 単結
晶を用いた素子(半電池)とAg/AgCl電極とを組
合せた検出器の起電力(図中A)は、水中pHの増加に
伴い直線的な減少(傾き:約−30mV/decad
e)が見られ、この検出器の起電力も検知極を付けた素
子と同様な応答(図6の(a))をしていることがわか
る。これに対して、検知極としてアンチモン酸を用いた
検出器(図中B)及び銀から成る金属電極を検知極とし
て用いた検出器(図中C)では、起電力はpH変化に対
してほとんど依存せずに一定値を示している。
【0026】なお、図中の記号は、例えばBについて説
明すると、金(Au)とアンチモン酸(Sb2 5 ・n
2 O)から成る検知電極を検液中にAg/AgCl電
極から成る基準電極を塩化銀で飽和した3.5MKCl
溶液中に浸漬し、塩橋を用いて両溶液を接続し検液中の
水素イオン濃度による検出器の起電力を測定することを
意味する。
【0027】図7の(b)は、同様にAg/AgCl電
極を基準電極として検知極の材質を変化させたときの各
検知極の水中溶存酸素濃度依存性に関する特性を示す図
である。図示のように、アンチモン酸を用いた素子(半
電池)とAg/AgCl電極とを組合せた検出器(図中
A)、LaF3 単結晶を用いた素子(半電池)とAg/
AgCl電極を組合せた検出器(図中B)、及び銀から
成る金属電極とAg/AgCl電極を組み合せた検出器
(図中C)のいずれの検出器においても起電力は、溶存
酸素濃度の変化に対してほとんど依存せず一定値を示し
ている。これは、検知極を持つ同様な素子の起電力の応
答(図6の(b))とは異なっている。
【0028】図7の(c)は、本発明の検出器の水中p
H依存性に関する特性を示す図である。図に示すよう
に、LaF3 単結晶を検知極として用いた素子とアンチ
モン酸を基準電極として用いた素子を組み合わせた検出
器(図中A)及びLaF3 単結晶を検知極として用いた
素子と銀から成る金属電極を基準電極として組み合わせ
た検出器(図中B)の起電力は水中pHの増加に伴い直
線的な減少(傾き:約30mV/decade)が見ら
れ、これらの検出器の起電力も検知極をつけた素子と同
様の応答(図6の(a))をしていることがわかる。こ
こでこの検出器構造は、全体が固体化された点で注目さ
れる。また、これらの検出器で用いた素子および金属電
極はいずれも図7の(b)で示した通り水中溶存酸素濃
度に依存しないため、これらの検出器は溶存酸素濃度の
変化によって起電力の変化を起こさないことは明らかで
ある。
【0029】これらの3つの結果(図7の(a)と
(b)と(c))から、本発明の検出器をpH電極とし
て適用する場合、pHに対する選択性(溶存酸素に依存
しない)に優れていることがわかる。
【0030】なお、いずれのグラフにも表示しているよ
うに上記試験は全て25℃の常温下で行われており、測
定温度領域が常温を含むことがわかる。又、固体電解質
の電極を固定材でケースに接合固定する場合は固定材の
耐熱温度で前述した使用限界温度が決まることとなる。
【0031】第二の発明では、アンチモン酸に金属層を
接合した固体電極を基準電極としている。この場合金属
層は導電性があればどんなものでもよい。その特性につ
いては前述した通りである。
【0032】第三の発明では検知電極の導電性金属とし
て、金属と金属フッ化物の混合物又はこれら混合物と混
合物の組合せとしている。この場合の金属としては金属
フッ化物を構成し得るものであればどんな金属であって
もよい。
【0033】反対に、フッ化物を構成しない不活性金属
のみから成るものとしてもよい。この不活性金属とは、
フッ化物イオンに反応しない金属であり、例えばPt、
Au、Pdが知られている。これは、検知電極の電解質
であるフッ化ランタンがフッ化物イオン伝導体であるた
め、上記の導電性金属以外では安定な電位を得られない
ためである。
【0034】上記から分るように、上記いずれの発明に
よる検出器も、電極としては固体形のものを用いてお
り、従来のガラス電極のように液絡部は設けられていな
いから、操作する際に、例えば必ず下向けにしなければ
ならないというような方向性の制限は受けず、又ガラス
電極のような特定の形状ではなく、例えば回路基板のよ
うな形状や注射針のようなものなど種々の形状とするこ
とができ形状の自由度が極めて大きい。
【0035】
【実施例】以下この発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1に実施例の水素イオンの濃度検出器の
概略構成図を示す。図示のように、この濃度検出器は水
素イオン濃度を測定する検知電極10と、基準となる起
電力を生じる基準電極20からなる。
【0036】検知電極10は、パイレックスガラス管の
容器11の端にLaF3 単結晶体の固体電解質層12
に、SnとSnF2 の金属混合物から成る対極層13を
接合したものを設け、これをエポキシ樹脂の固定部14
で固定したものから成る。対極層13にはリード線15
が接続され、その先端は検知器30へ導かれている。1
6は絶縁被覆である。
【0037】一方、基準電極20も同様な構成である
が、固体電解質層22としてアンチモン酸(Sb2 5
・4H2 O)を用い、対極層23はAu又はPtを用い
た固体電極であり、エポキシ樹脂の固定部24で固定さ
れている。なお、検知電極10、基準電極20のいずれ
も、固体電解質層12、22は対極層13、23に対し
てスパッタリング等により密着固定されている。又、固
体電解質層12、22とガラス容器11、21をエポキ
シ樹脂の固定部14で固定しているが、これは対極層1
3、23が被検査液に直接接触しないようにするためで
ある。
【0038】リード線25は同じく対極層23に接続さ
れ、絶縁被覆26されたリード線先端は検知器30へ接
続されている。なお、容器11の上端は閉じた状態のも
のを示しているが、必ずしも上端を閉じる必要はなく大
気開放としてもよい。但し、その場合はリード線15を
全て絶縁被覆する。
【0039】図2は、第二実施例の濃度検出器の概略構
成を示している。この実施例も機能的には第一実施例の
ものと同じであるが、検知電極10と基準電極20を一
体形に形成した点のみが異なる。両電極は仕切壁121
で接合され、エポキシ樹脂の固定部124で固体電解質
層12、22を絶縁固定している。
【0040】図3は第三実施例の濃度検出器の概略構成
を示す。この実施例の濃度検出器も、基本的な構成は第
一実施例と同じであるが、検知電極10、基準電極20
の形状が若干異なっている。
【0041】この実施例の濃度検出器は、例えば人の血
液中の水素イオン濃度を測定することができるようにす
るため容器11の直径をmm単位のものとし、固体電解質
側の先端は注射器のように鋭利に切断され、全体が極め
て小形にマイクロ化されている。
【0042】なお、図示省略しているが、固体電解質層
12、22が血液に直接接触する際の極く微量の反応を
防止し安全性を図るためその表面にガラス薄膜を設ける
ようにしてもよい。
【0043】上記の構成とした3つの実施例のいずれも
機能としては全く同じである。図1に示すように、容器
A内の水溶液Bに検知電極10と基準電極20を浸漬す
ると、前述したようにアンチモン酸の基準電極20は溶
存酸素濃度の変化に対して全く反応せず、かつ水溶液B
の水素イオン濃度によっても変化しない一定の基準電圧
を示す。
【0044】一方、検知電極10も溶存酸素濃度の変化
に対して変化しないことは勿論であるが、水素イオン濃
度の変化に対しては敏感に反応する。従って、基準電極
20の測定電位を基準として、その電位差を検知器30
により測定することにより水素イオン濃度が測定できる
のである。
【0045】この場合、基準電圧は、基準電極を構成す
る特定の材料に対して所定の値となるためこれを予め測
定しておき、この測定基準に対して得られる電位差の起
電力から水素イオン濃度が測定されるのである。
【0046】図4は第四の実施例の概略構成を示す。こ
の実施例では検知電極10は第一実施例と全く同じであ
るが、基準電極20’は図示のように構成が異なってい
る。この基準電極20’は金属電極体22’とその基部
を被覆した絶縁被覆部23’から成り、シールド部2
4’を介してリード線25’に接続されている。26’
は絶縁被覆部である。
【0047】金属電極としては銀、銀合金あるいは銀、
銀合金にその酸化物を被覆したもの、又はアルミ、ニッ
ケル、銅、鉄等の金属地層の上に銀、銀合金を鍍金ある
いは積層して被覆したもの、さらにその外側に銀、銀合
金の酸化物を被着したものでもよい。
【0048】この実施例の場合も基本的な作用は前の実
施例と同様であり、金属電極体20’が基準電極として
作用し、検知電極10により検知される水素イオン濃度
による電位の差を検知器30により検出する。金属電極
体の金属種類によって決まる電位レベルを前の実施例と
同様に予め測定しておき、その基準電位に基づいて水素
イオン濃度を検知する。
【0049】
【効果】以上詳細に説明したように、検知電極としてL
aF3 の単結晶固体電解質層に導電性金属を接合したも
のと、基準電極としての固体電極とを組合せ、両方の電
極を全て固体型として液絡部を不要とし、かつ常温域で
の作動を可能としたから、従来のガラス電極における種
々の問題点を一挙に解決し常温から高温までの広い温度
範囲で水溶液中の水素イオン濃度を正確に測定できると
共に、検出器の超小型化にも対応でき、電極が固体形
で、液絡部がないため操作する際に特定方向に向けなけ
ればならないというような方向性の制限を受けず、従来
のガラス電極のような特定の形状でなく種々の形状とし
て構成できるという点で形状の自由度が大きく、しかも
使用後のメンテナンスが不要になるなどの種々の利点が
得られ、水素イオン濃度の測定を必要とする各種分野に
広く応用できるという画期的なメリットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の水素イオン濃度検出器の全体概略
【図2】第二実施例の水素イオン濃度検出器の全体概略
【図3】第三実施例の水素イオン濃度検出器の全体概略
【図4】第四実施例の水素イオン濃度検出器の全体概略
【図5】プロトタイプ検出器の全体概略図
【図6】プロトタイプ素子のpH値測定結果及び溶存酸
素濃度の測定結果の図
【図7】各種電極のpH値測定結果及び溶存酸素濃度の
測定結果の図
【符号の説明】
10 検知電極 11、21 ガラス容器 12、22 固体電解質層 13、23 対極層 14、24 固定部 15、25 リード線 16、26 絶縁被覆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−81257(JP,A) 特開 昭59−154351(JP,A) 特開 平4−115154(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素イオン濃度を測定する検知電極と、
    この検知電極で測定する起電力の基準となる基準電極の
    それぞれの端子を検知器に接続し、両電極を水溶液中に
    直接浸漬して両端子間に発生する電位差を測定すること
    により水溶液中の水素イオン濃度を検出する水素イオン
    濃度検出器において、上記検知電極はLaF3 単結晶の
    固体電解質層に、検出端子を接続した導電性金属を接合
    したものとし、基準電極は固体電極から成るものとした
    ことを特徴とする水素イオン濃度検出器。
  2. 【請求項2】 前記基準電極としての固体電極がアンチ
    モン酸を固体電解質層とし、対極として金属層を接合し
    たものから成ることを特徴とする水素イオン濃度検出
    器。
  3. 【請求項3】 前記検知電極の導電性金属を、金属と金
    属フッ化物の混合物、又はこれら混合物と混合物の組合
    せ、あるいはフッ化物を構成しない不活性金属としたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の水素イオン濃度検出
    器。
JP5278223A 1993-11-08 1993-11-08 水素イオン濃度検出器 Expired - Fee Related JPH0827256B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5278223A JPH0827256B2 (ja) 1993-11-08 1993-11-08 水素イオン濃度検出器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5278223A JPH0827256B2 (ja) 1993-11-08 1993-11-08 水素イオン濃度検出器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07128282A JPH07128282A (ja) 1995-05-19
JPH0827256B2 true JPH0827256B2 (ja) 1996-03-21

Family

ID=17594335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5278223A Expired - Fee Related JPH0827256B2 (ja) 1993-11-08 1993-11-08 水素イオン濃度検出器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0827256B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004045373A (ja) * 2002-05-21 2004-02-12 Tanita Corp 電気化学式センサ
CN100422727C (zh) * 2002-05-21 2008-10-01 株式会社百利达 电化学传感器
KR100752416B1 (ko) * 2006-03-30 2007-08-28 대윤계기산업 주식회사 실시간 pH 연속 측정 시스템 및 그 방법
CN103299180B (zh) * 2011-01-07 2015-09-23 国立大学法人三重大学 参比电极
US10161897B2 (en) * 2015-01-09 2018-12-25 Xerox Corporation Sensors incorporating palladium electrodes
KR101832385B1 (ko) * 2016-09-28 2018-02-26 한국전력공사 용수 pH 측정 장치 및 이를 이용한 용수 pH 측정 방법
WO2019049945A1 (ja) * 2017-09-08 2019-03-14 国立大学法人三重大学 比較電極

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07128282A (ja) 1995-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2726755B2 (ja) 分析質・▲pH▼測定用センサー組立体装置
JP3871497B2 (ja) ガスセンサ
US4077861A (en) Polarographic sensor
EP0064337B1 (en) Carbon dioxide measurement
US3518179A (en) Temperature compensated electrochemical cell
JPS61122846A (ja) Po↓2,pco↓2電気化学的検出器
JPH01112149A (ja) 電気化学的電極構造
JPH0781984B2 (ja) センサー構造
US6080294A (en) Gas sensor with dual electrolytes
US3915828A (en) Solid electrolyte cell assembly
US5352352A (en) Carbonic acid gas sensor
JPS6122260B2 (ja)
JPH0827256B2 (ja) 水素イオン濃度検出器
US4414093A (en) Multifunctional reference electrode
US4622105A (en) Method for measuring gaseous sulfur dioxide
US5417836A (en) Ion-selective electrode
JPS6133132B2 (ja)
KR100631276B1 (ko) 고체 전해질 층을 갖는 수소이온 센서 전극 및 이를이용한 pH 측정시스템
JPH0731153B2 (ja) 可燃性ガスセンサ
JPH0797095B2 (ja) 一酸化炭素ガスセンサ
JPS6326569A (ja) イオン選択性電極装置
JPS5944649A (ja) 気体又は液体雰囲気内の酸素分圧測定用電気化学装置
JPH0566215A (ja) ガスセンサ
Opekar Measurement of electrode potentials in electrochemical systems with solid polymer electrolytes against common reference electrodes
JP2761086B2 (ja) 電気化学式ガスセンサ装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees