JPH08270728A - 金具付防振ゴム - Google Patents

金具付防振ゴム

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JPH08270728A
JPH08270728A JP7378895A JP7378895A JPH08270728A JP H08270728 A JPH08270728 A JP H08270728A JP 7378895 A JP7378895 A JP 7378895A JP 7378895 A JP7378895 A JP 7378895A JP H08270728 A JPH08270728 A JP H08270728A
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JP
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rubber
adhesive layer
self
metal fitting
acid amide
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JP7378895A
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Inventor
Hajime Kato
元 加藤
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】摩擦係数の低減作用を有する物質を含有するゴ
ム製品を所定の金具に取り付けられた金具付防振ゴムを
提供する。 【構成】一方の面の4箇所にそれぞれネジ1が取付けら
れた金具2の他面に、略半円柱状の自己潤滑ゴム3が接
着層を介して加硫接着された金具付防振ゴムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、所定の箇所に取り付
けて異音の発生を防止することのできる金具付防振ゴム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ゴムの摩擦係数が高いことか
ら、振動等の発生する部分に使用されているゴム製品で
は、スティックスリップ現象に起因して異音が発生する
という問題があった。例えば、このようなゴム製品とし
て、スタビライザーブッシュ等の嵌め込み式ブッシュが
あげられる。すなわち、図7に示すように、スタビライ
ザーブッシュ10は、それ自身に穿設された貫通孔12
にスタビライザーバー14を挿通し、取付金具16,ボ
ルト20,ナット22により車体18の一部分に取付け
られている。このように、上記スタビライザーブッシュ
10は、車体18の一部分に対しては非接着であり、取
付金具16によって取付けられ固定されている。
【0003】上記のようなスタビライザーブッシュ10
は、スタビライザーバー14との接触摩擦によって異音
が発生するために、その異音発生の防止が要望されその
対策が様々な形で試みられている。この対策の一手段と
して、例えば、スタビライザーブッシュ10の形成材料
であるゴム母材中に、不飽和脂肪酸アミドを添加して、
スタビライザーブッシュ10表面に不飽和脂肪酸アミド
を滲出させることにより、摩擦係数を低減させることが
行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、異音発
生防止対策の手段として用いられているゴム製品は、ゴ
ム母材中に不飽和脂肪酸アミドを添加して形成されたス
タビライザーブッシュのように、取付金具等によって固
定し使用されているものが主流である。このように、従
来の、不飽和脂肪酸アミドを含有するゴム製品は、取付
箇所に対して非接着であるという制約を有するため、上
記ゴム製品自身の優れた防振特性を広範囲の分野に使用
することが困難であり、その特性を様々な箇所の異音発
生防止用途として充分に生かされていないのが現状であ
る。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、摩擦係数の低減作用を有する物質を含有する
ゴム製品を所定の金具に取り付けられた金具付防振ゴム
の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の金具付防振ゴムは、不飽和脂肪酸アミド
を含有する自己潤滑ゴムを、接着層を介して所定の金具
に加硫接着するという構成をとる。
【0007】
【作用】すなわち、この発明者は、従来では、スタビラ
イザーブッシュのように、金具との非接着タイプに限定
されていた防振ゴムの用途を広範囲の用途に使用可能と
なるようその応用範囲を中心に研究を重ねた。そして、
従来、金具に防振ゴムを接着したもので、異音発生防止
作用を有するものがないことから、所定の金具に接着層
を介して、防振ゴムとなる不飽和脂肪酸アミドを含有す
る自己潤滑ゴムを加硫接着した金具付防振ゴムを提案・
試作し、この発明に到達した。そして、この発明におい
て、金具と自己潤滑ゴムとを接着層を介して加硫接着し
た金具付防振ゴムの接着性に劣り、金具と接着剤との界
面破壊が生起することから、金具と自己潤滑ゴムとの剥
離原因についてさらに研究を重ねた。その結果、不飽和
脂肪酸アミドの滲出が原因であることを突き止め、この
知見に基づき、この金具付防振ゴムにおける自己潤滑ゴ
ム中の不飽和脂肪酸アミドの含有量について好ましい範
囲を見出すべく研究を重ねた。そして、不飽和脂肪酸ア
ミドの含有量を1〜7重量%(以下「%」と略す)に設
定することにより、金具と自己潤滑ゴムとの接着力の低
下を抑制し、長期間に渡り両者の剥離を防止することが
できることを突き止めた。さらに、金具と自己潤滑ゴム
間の接着層として、クロロスルホン化ポリエチレン系接
着剤からなる上塗り接着層を自己潤滑ゴム側に、下塗り
接着層を金具側に位置決めした2層構造からなる接着層
を積層形成すると、自己潤滑ゴムから滲出する不飽和脂
肪酸アミドの上塗り接着層への浸入および透過が防止さ
れることから接着性が向上し、かつ不飽和脂肪酸アミド
の含有量を多く設定でき(1〜10%)、一層優れた異
音発生防止効果が得られることを見出した。
【0008】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0009】この発明の金具付防振ゴムは、所定の金具
の表面に、接着層を介して不飽和脂肪酸アミドを含有す
る自己潤滑ゴムを加硫接着することにより得られる。な
お、上記自己潤滑ゴムとは、ゴム母材中に不飽和脂肪酸
アミドを含有することにより、この不飽和脂肪酸アミド
がゴム表面に経時的に滲出して、それ自身の表面に潤滑
性が付与されたゴムをいう。
【0010】上記所定の金具としては、特にその形状お
よび金属材料を特定のものに限定するものではなく、異
音発生を防止するために取付ける所望の使用箇所によっ
て種々の形状および材料によるものがあげられる。一例
として、平板状、棒状等の形状を有するものがあげら
れ、要するに、その金具の所定部分に、自己潤滑ゴムが
接着可能なものであればよい。
【0011】上記接着層は、所定の金具と、自己潤滑ゴ
ムの両者を接着させることが可能なものであれば特に限
定するものではない。そして、その接着層としては、自
己潤滑ゴムと金具との強固な接着性という観点から、一
層構造の接着層よりも、2層構造の接着層が好ましい。
この2層構造の接着層は、金具面側から、順に、下塗り
接着層、上塗り接着層が積層形成されたものである。
【0012】上記下塗り接着層形成材料としては、特に
限定するものではないが、金具との接着性に優れたもの
を用いることが好ましい。例えば、ロード社製の、ケム
ロック205、ケムロック810があげられる。また、
東洋化学社製の、メタロックPA、メタロックA、メタ
ロックAS、メタロックCD、メタロックP、メタロッ
クPA−3375があげられる。そして、モートン社製
の、シクソンP−6−1、シクソンP−15−S、シク
ソンD−21657、シクソンP−10、シクソン50
0、シクソン509、シクソン708、シクソン71
0、シクソンD−20820、シクソン800、シクソ
ン806、シクソン807、シクソン304があげられ
る。さらに、坂井化学社製の、エスロック900P、S
L950、SL935P、MC−1020、エスロック
921Pがあげられる。
【0013】また、上記上塗り接着層形成材料として
は、例えば、その上塗り接着層の積層位置を考慮して自
己潤滑ゴムおよび上記下塗り接着層の両者に対して接着
性に優れたものを用いることが好ましい。例えば、ロー
ド社製の、ケムロック220、ケムロック234B、ケ
ムロック236、ケムロック250、タイプライBN、
ケムロック233、ケムロック217、ケムロック22
2、ケムロック232、ケムロック238、ケムロック
253、ケムロック820、タイプライQ、タイプライ
S、タイプライRCがあげられる。また、東洋化学社製
の、メタロックG、メタロックFB、メタロックFC−
1700、メタロックR−15、メタロックR−26
B、メタロックN−20、メタロックNA、メタロック
B、メタロックNC、メタロックNT、メタロック82
8があげられる。また、モートン社製の、シクソン81
4−1、シクソンOSN−2、シクソン715、シクソ
ン508−T、シクソン511−T、シクソン520、
シクソン100、シクソンGPO、シクソンAN−18
7、シクソン300、シクソン301、シクソン711
−1、シクソンOSN−3があげられる。
【0014】さらに、上記上塗り接着層形成材料とし
て、上記以外の接着剤として、特に、クロロスルホン化
ポリエチレン系接着剤を用いることが好ましい。このク
ロロスルホン化ポリエチレン系接着剤としては、ケムロ
ック252(ロード社製)等があげられる。このクロロ
スルホン化ポリエチレン系接着剤を用いて上塗り接着層
を形成すると、接着接触する自己潤滑ゴムから滲出する
不飽和脂肪酸アミドの上塗り接着層中への浸入および透
過を防止することが可能となる。このため、不飽和脂肪
酸アミドの下塗り接着層中、また下塗り接着層と金具と
の界面への移行が阻止され、金具と自己潤滑ゴムとの接
着性の阻害が防止される。したがって、金具と自己潤滑
ゴムとの一層強固な接着が可能となり、他の上塗り接着
層形成材料を用いた場合に比べて自己潤滑ゴム中の不飽
和脂肪酸アミドの添加量を増加することもできる。その
結果、自己潤滑ゴムの摺動寿命(不飽和脂肪酸アミドが
滲出して異音防止可能である期間)の大幅な延長が可能
となる。
【0015】上記不飽和脂肪酸アミドを含有する自己潤
滑ゴムは、ゴム母材と、不飽和脂肪酸アミドを用いて得
られる。
【0016】上記ゴム母材としては、特に限定するもの
ではなく従来公知の天然ゴムおよび各種合成ゴム等があ
げられる。例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NB
R)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレ
ン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、
塩素化IIR(Cl−IIR)、イソプレンゴム(I
R)等があげられる。なかでも、防振ゴムという観点か
ら、強度的に優れる天然ゴム(NR)、あるいはSB
R、BRが好適に用いられる。
【0017】上記ゴム母材中に含有させる不飽和脂肪酸
アミドは、一般式:RCONH2 、または、RCONH
R′NHCOR″(R、R″は不飽和脂肪酸アルキル
基、R′はアルキレン基)で表されるものである。具体
的には、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、N−オレ
イルステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミ
ド、ジオレイルアジピン酸アミド等があげられる。これ
らは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0018】上記不飽和脂肪酸アミドの含有量は、通
常、前述のように、金具と自己潤滑ゴムとの間に形成さ
れる接着層が、例えば、フェノール樹脂系接着剤からな
る下塗り接着層と、塩化ゴム系接着剤からなる上塗り接
着層の2層構造からなる場合、上記ゴム母材を含む自己
潤滑ゴム全体中の1〜7%の範囲に設定することが好ま
しい。特に好ましくは2〜4%である。すなわち、不飽
和脂肪酸アミドの含有量が1%未満では、含有量が少な
過ぎて摩擦係数低減による異音発生防止効果が得られ難
く、逆に、7%を超えると、ゴム加硫時に、不飽和脂肪
酸アミドがゴム母材中に完全に溶け込みきれずに接着対
象となる金具との接着界面に過剰に滲出して自己潤滑ゴ
ムと金具との接着を阻害する傾向がみられるからであ
る。
【0019】そして、上記金具と自己潤滑ゴムとの間に
形成される接着層が、例えば、フェノール樹脂系接着剤
からなる下塗り接着層と、クロロスルホン化ポリエチレ
ン系接着剤からなる特定の上塗り接着層の2層構造から
なる場合、不飽和脂肪酸アミドの含有量を、前述の含有
量(1〜7%)より多く設定することが可能となり、上
記ゴム母材を含む自己潤滑ゴム全体中の1〜10%の範
囲に設定することが可能となる。これは、先に述べたよ
うに、上記クロロスルホン化ポリエチレン系接着剤から
なる特定の上塗り接着層が、自己潤滑ゴム表面に滲出す
る不飽和脂肪酸アミドの浸入および透過を防止すること
ができるため、滲出する不飽和脂肪酸アミドの、下塗り
接着層中、また下塗り接着層と金具との界面への移行が
阻止されて、金具と自己潤滑ゴムとの強化な接着性が阻
害されずに維持されるからである。
【0020】上記自己潤滑ゴムの形成材料としては、上
記ゴム母材および不飽和脂肪酸アミド以外に、加硫剤,
老化防止剤,加硫促進剤,充填剤等を必要に応じて適宜
に配合することができる。
【0021】つぎに、この発明の金具付防振ゴムの一例
をあげて、その製法を説明する。
【0022】具体的に、図1に示すような、一方の面の
1箇所にネジ1が取付けられた金具2の他面に略半円柱
状の自己潤滑ゴム3が接着された金具付防振ゴムの製法
を説明する。すなわち、まず、前記各成分を用い適宜に
配合して自己潤滑ゴム形成材料を調製する。ついで、こ
の自己潤滑ゴム形成材料を、所定の形状に型成形して略
半円柱状の自己潤滑ゴムを作製する。一方、上記金具2
の平坦面に、下塗り接着層形成材料を用いて下塗り接着
層を形成し、さらにこの下塗り接着層上に、上塗り接着
層形成材料を用いて上塗り接着層を形成することによ
り、図2に示すように、金具2面上に下塗り接着層21
が、ついで、下塗り接着層21上に上塗り接着層22が
積層形成される。そして、所定形状に型成形された未加
硫の自己潤滑ゴムを、金具2の平坦面に形成された2層
の接着層のうち、上塗り接着層上に載置して、これを加
硫することにより金具に自己潤滑ゴムを加硫接着する。
このようにして、図1に示すように、金具2の所定位置
に加硫済みの略半円柱状の自己潤滑ゴム3を備えた金具
付防振ゴムが得られる。
【0023】上記下塗り接着層および上塗り接着層の形
成方法としては、各形成材料である接着剤を用い、接着
せしめる金具の部位に、まず、下塗り接着剤を塗布し、
乾燥させた後、その上に上塗り接着剤を塗布し乾燥させ
ることにより形成される。
【0024】上記加硫条件としては、例えば、160℃
×30分という条件があげられる。
【0025】さらに、この発明の金具付防振ゴムの他の
例として、下記に述べるような各種金具付防振ゴムに適
用が可能である。例えば、サスペンションブッシュ、エ
ンジンマウント、ストッパー、ボディーマウント、メン
バーマウント、ステアリングコラムブッシュ、バンパラ
バー、デフマウント、コイルスプリングシート、ダイナ
ミックダンパー、センターベアリングマウント等への適
用があげられる。
【0026】そして、前記図1および図2に示す金具付
防振ゴムにおいて、下塗り接着層の厚みは、5〜20μ
mに設定することが好ましく、また、上塗り接着層の厚
みは、5〜20μmに設定することが好ましい。
【0027】
【発明の効果】以上のように、この発明の金具付防振ゴ
ムは、不飽和脂肪酸アミドを含有する自己潤滑ゴムを、
所定の金具に接着したものである。このように、この発
明の金具付防振ゴムは、従来にはなかった、金具に自己
潤滑ゴムが接着されたものであり、防振ゴム自身の用途
が広範囲の分野にわたって使用可能となり、様々な箇所
に用いることが可能となる。さらに、上記不飽和脂肪酸
アミドの含有量を1〜7重量%に設定することにより、
金具と自己潤滑ゴムとの接着力の低下を抑制し、長期間
に渡り両者の剥離を防止することができる。また、金具
と自己潤滑ゴム間の接着層として、クロロスルホン化ポ
リエチレン系接着剤からなる上塗り接着層を自己潤滑ゴ
ム側に、下塗り接着層を金具側に位置決めした2層構造
からなる接着層を積層形成することにより、自己潤滑ゴ
ムから滲出する不飽和脂肪酸アミドの上塗り接着層への
浸入および透過が防止されて接着性が向上し、かつ不飽
和脂肪酸アミドの含有量を多く設定でき、一層優れた異
音発生防止効果が得られる。
【0028】つぎに、この発明を実施例に基づいて説明
する。
【0029】〔自己潤滑ゴム形成材料a〜h、比較ゴム
形成材料i〕まず、下記の表1〜表3に示す自己潤滑ゴ
ム形成材料および比較ゴム形成材料を、同表に示す割合
で配合し混練しゴムコンパウンドを作製した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【実施例1〜4、比較実施例1〜4、比較例1】上記自
己潤滑ゴム形成材料a〜hおよび比較用ゴム形成材料i
からなるゴムコンパウンドを用い、ゴムシートおよび金
具付防振ゴムを作製して下記に示す評価・測定を行っ
た。
【0034】〔静摩擦係数(μs)、動摩擦係数(μ
k)〕上記混練した自己潤滑ゴム形成材料を用い、ゴム
シートを作製してこの静摩擦係数(μs)、動摩擦係数
(μk)を測定した。これらの測定はつぎのようにして
行われた。すなわち、図3に示すように、テストピース
として、各ゴムコンパウンドを160℃×20分の条件
で加熱加硫して厚み2mmのゴムシート30を作製し
た。ついで、このゴムシート30を可動台31に接着
し、この可動台31を面方向に3mm/秒で7mm移動
させた時、ロードセル(図示せず)に固定されて移動不
可能な相手材32に加わる力(F)をロードセルで測定
した。ここで、相手材32はステンレス製であり、接触
面は10mm×10mm、面粗度Rmaxは5〜10μ
mである。また、相手材32には重量(M)100gの
ウエイトWを載置した。そして、F=μMの式にて算出
したμ値を摩擦係数とした。なお、移動し始めて最初に
得られる摩擦係数ピークを静摩擦係数、その後7mm移
動する間に得られる摩擦係数の平均値を動摩擦係数とし
た。
【0035】〔常態物性〕テストピースとして上記ゴム
シート30を用い、JIS K6301に準じて、常態
物性である、100%引張応力(M100 )、破断強度
(TB)、破断伸び(EB)、硬さ(HS)を測定し
た。
【0036】〔圧縮永久歪み〕上記ゴムシート30を用
い、JIS K6301に準じて、70℃×22時間、
および100℃×22時間の各条件で測定した。
【0037】〔動特性〕図4に示すように、テストピー
スとして各ゴムコンパウンドを160℃×40分の条件
で加熱加硫して作製した円柱体形状(直径50mm×高
さ25mm)の自己潤滑ゴム33を用い、静ばね定数
(Ks)、動ばね定数(Kd100 )、動倍率(Kd100
/Ks)および損失係数(tanδ)を算出した。
【0038】ここで、静ばね定数(Ks)は、自己潤滑
ゴム33の上面および下面に、それぞれ金具34を取付
け、自己潤滑ゴム33を軸方向に7mm圧縮させ、得ら
れる荷重たわみ曲線の往路から、2.5mm撓ませるの
に必要な力を測定して算出した。また、動ばね定数(K
100 )は、静ばね定数(Ks)と同様、自己潤滑ゴム
33を軸方向に2.5mm圧縮させ、下方から100H
zの周波数により振幅0.05mmで振動させ、上方の
ロードセル(図示せず)にて検出し算出した。そして、
動倍率(Kd100 /Ks)は、上記のようにして算出し
た静ばね定数(Ks)および動ばね定数(Kd100 )よ
り算出した。さらに、損失係数(tanδ)は、上記動
ばね定数(Kd100 )と同様に、自己潤滑ゴム33を
2.5mm圧縮させ、下方から15Hzの周波数により
振幅0.5mmで振動させ、上方のロードセルにて検出
し算出した。
【0039】〔異音発生試験〕まず、図5に示すような
形状の金具付防振ゴム40を作製した。これは、まず、
下記の表4に示す下塗り接着層形成材料および上塗り接
着層形成材料を準備し、中心部に棒状の把手41を有す
る金具42の一面に、下塗り接着剤を塗布し、乾燥した
後、その上に上塗り接着剤を塗布した。そして、上塗り
接着剤が乾燥することにより厚み10μmの下塗り接着
層および厚み10μmの上塗り接着層からなる2層の接
着層を形成した。
【0040】一方、前記各ゴムコンパウンド(自己潤滑
ゴム材料および比較用ゴム材料)を用いて、上部が球面
を有し、下面が平面の未加硫状態の自己潤滑ゴムを型成
形により作製した。ついで、表4に示すような組み合わ
せにより、上記2層の接着層を有する金具42の接着層
形成面に、自己潤滑ゴムの平面部分を載置し、160℃
×40分の条件で加熱加硫を行うことにより、金具42
に自己潤滑ゴム43を接着して図5に示す金具付防振ゴ
ム40を作製した。
【0041】
【表4】
【0042】この金具付防振ゴム40を用い、室温(2
5℃)にて、図6に示すように、片面が湾曲面に形成さ
れた治具44の湾曲面に、金具付防振ゴム40の自己潤
滑ゴム43の球面部分を、矢印A方向から100kgf
の荷重で押し当て、両矢印B方向に中心から±30m
m、10Hzで加振させた。この際、1m離れた場所で
聞こえる異音の発生の有無を確認した。
【0043】〔接着性〕ゴムと金具との接着性評価は、
図8に示すような、円柱形状のテストピース47を用い
て行った。このテストピース47は、ゴム45の上面お
よび下面にそれぞれ金具46を、150℃×20分の条
件で加硫接着して作製した。このテストピース47で、
下部金具46を固定し、上部金具46を矢印A方向に、
100mm/minの速度で引っ張り、ゴムを破断また
は剥離させた。このとき、要した最大荷重を接着力と
し、破断面(または剥離面)の状態を下記に示す区分で
識別し、破断面(または剥離面)全体に対する各区分の
割合(%)により接着性の優劣を判断した。R:ゴムの
破断部(%)、M:下塗り接着剤と金具界面の剥離部
(金具表面が現れる部分)(%)で、Mの数値が高いほ
ど接着性に劣ると判断される。
【0044】以上のようにして測定した各測定・評価結
果を、下記の表5〜表7に併せて示す。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】上記表5〜表7の結果から、各実施例品お
よび比較実施例品とも、金具と自己潤滑ゴムとが接着さ
れたものであって、異音発生を防止する防振特性を備え
たものであった。特に、実施例品のクロロスルホン化ポ
リエチレン系接着剤を用いて上塗り接着層を形成したも
ののなかでも、実施例3,4品は他のものより不飽和脂
肪酸アミドの含有量を多く設定したにもかかわらず、そ
の優れた摺動特性とともに、特に金具と自己潤滑ゴムと
の接着性にも優れていることがわかる。しかし、潤滑剤
を添加していない比較例1については良好な接着性は得
られたものの、ゴム表面の摩擦係数が高く極めて大きい
異音が発生した。
【0049】つぎに、金具付防振ゴムの製品としての実
施例について述べる。
【0050】自己潤滑ゴムを使用した金具付接着タイ
プのストッパー製品および金具非接着タイプのストッパ
ー製品を比較した。
【0051】
【実施例5、比較例2】前記表1の自己潤滑ゴム形成材
料cを用いた金具接着タイプのストッパー(実施例5)
と、金具非接着タイプのストッパー(比較例2)を作製
した。
【0052】まず、上記金具接着タイプのストッパー
(実施例5)は、後記の表8に示す下塗り接着層形成材
料および上塗り接着層形成材料を準備した。そして、図
9に示すような、一方の面に1個のネジ51が取付けら
れた金具52を準備し、この金具52の平坦面に、上記
下塗り接着層形成材料を用いて下塗り接着層を形成し、
ついで、この下塗り接着層上に上塗り接着層形成材料を
用いて上塗り接着層を形成した。つぎに、下記の表8に
示す自己潤滑ゴム形成材料を用いて所定形状(略半円柱
状)に型成形した自己潤滑ゴム53を、上記金具52の
平坦面の上塗り接着層が形成された面に載置してこれを
加硫(160℃×30分)することにより金具接着タイ
プのストッパーを作製した。
【0053】上記金具非接着タイプのストッパー(比較
例2)は、まず、図10に示すような、一方の面に1個
のネジ51が取付けられた金具54を準備した。この金
具54は、他面側に、ゴム部分と金具54とを接合する
ための溝(凹部)が設けられたものである。そして、後
記の表8に示す自己潤滑ゴム形成材料を用いて所定形状
(略半円柱状)に型成形することにより自己潤滑ゴム5
6を作製した。この自己潤滑ゴム56の平面部には、上
記金具54の溝内に嵌め込み金具54と自己潤滑ゴム5
6とを接合させるためのつば部56aが設けられてい
る。そして、上記金具54の溝内に、上記自己潤滑ゴム
56のつば部56aを嵌め込んで、自己潤滑ゴム56を
金具54に固形した。そして、これを加硫(160℃×
30分)することにより金具非接着タイプのストッパー
を作製した。
【0054】このようにして作製した接着タイプ、非接
着タイプのストッパーに対して、つぎのような特性評価
をした。この結果を後記の表8に併せて示した。
【0055】〔異音・耐久評価〕図11に示すような耐
久評価条件に基づいて評価測定を行った。まず、ストッ
パー61の自己潤滑ゴム部分62に下方から台板60を
押圧した。そして、異音評価は、矢印B方向に加振が開
始されてから50回以内に発生した異音(1m離れて聞
こえる音)の有無を確認した。
【0056】また、耐久評価では、加振が開始されてか
ら、1cmの大きさの亀裂が発生するまでの加振回数を
カウントした。
【0057】これら評価試験における条件として、台板
60の下方からの荷重を300kgf、加振での振幅を
±20mm、周波数1Hzに設定した。
【0058】
【表8】
【0059】上記表8から、金具接着タイプのストッパ
ー(実施例5)および金具非接着タイプのストッパー
(比較例2)とも、異音は発生しなかったものの、金具
非接着タイプのストッパー(比較例2)は、加振後50
000回程度で金具に固定された自己潤滑ゴム56の付
け根(図10参照)に亀裂65が発生してしまい耐久性
に劣ることがわかる。これに対して金具接着タイプのス
トッパー(実施例5)は、990000回まで加振して
も亀裂の発生はみられず、高い耐久性を有することがわ
かる。これにより、自己潤滑ゴムと金具とを接着した防
振ゴムが異音発生を防止すると同時に、高い製品強度を
実現できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の金具付防振ゴムの一例を示す斜視図
である。
【図2】金具面に積層形成された2層構造の接着層を示
す部分拡大断面図である。
【図3】摩擦係数の測定方法を示す説明図である。
【図4】動特性の測定方法を示す説明図である。
【図5】異音発生試験および接着性試験に用いる金具付
防振ゴムを示す側面図である。
【図6】異音発生試験の試験方法を示す斜視図である。
【図7】スタビライザーブッシュの適用例を示す断面図
である。
【図8】ゴムと金具との接着性の評価方法を示す説明図
である。
【図9】金具接着タイプのストッパー製品を示す斜視図
である。
【図10】金具非接着タイプのストッパー製品を示す斜
視図である。
【図11】ストッパー製品の異音・耐久評価試験方法を
示す説明図である。
【符号の説明】
2 金具 3 自己潤滑ゴム 21 下塗り接着層 22 上塗り接着層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和脂肪酸アミドを含有する自己潤滑
    ゴムを、接着層を介して所定の金具に加硫接着してなる
    金具付防振ゴム。
  2. 【請求項2】 自己潤滑ゴム中の不飽和脂肪酸アミドの
    含有量が1〜7重量%に設定されている請求項1記載の
    金具付防振ゴム。
  3. 【請求項3】 所定の金具と、自己潤滑ゴムとの接着界
    面に、下塗り接着層およびクロロスルホン化ポリエチレ
    ン系接着剤からなる上塗り接着層が、上記自己潤滑ゴム
    側に位置決めした状態で積層形成されている請求項1ま
    たは2記載の金具付防振ゴム。
  4. 【請求項4】 自己潤滑ゴム中の不飽和脂肪酸アミドの
    含有量が1〜10重量%に設定されている請求項3記載
    の金具付防振ゴム。
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Cited By (7)

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