JPH08270576A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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Publication number
JPH08270576A
JPH08270576A JP7134595A JP7134595A JPH08270576A JP H08270576 A JPH08270576 A JP H08270576A JP 7134595 A JP7134595 A JP 7134595A JP 7134595 A JP7134595 A JP 7134595A JP H08270576 A JPH08270576 A JP H08270576A
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JP
Japan
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scroll
fixed scroll
fixed
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low pressure
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Application number
JP7134595A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoharu Ikeda
清春 池田
Fumiaki Sano
文昭 佐野
Masayuki Tsunoda
昌之 角田
Toshiyuki Nakamura
利之 中村
Hiroyuki Fujiwara
弘之 藤原
Norihide Kobayashi
教秀 小林
Norihiko Toyoda
憲彦 豊田
Shoichiro Hara
正一郎 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP7134595A priority Critical patent/JPH08270576A/ja
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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/0042Driving elements, brakes, couplings, transmissions specially adapted for pumps
    • F04C29/005Means for transmitting movement from the prime mover to driven parts of the pump, e.g. clutches, couplings, transmissions
    • F04C29/0057Means for transmitting movement from the prime mover to driven parts of the pump, e.g. clutches, couplings, transmissions for eccentric movement

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易に製作できて作動不良が発生せず、また
運転状態の変化による圧縮効率の変動のないスクロール
圧縮機を得る。 【構成】 揺動スクロールと駆動軸(22)の間にスライダ
ー軸受(25)を配置して、回転力を伝達すると共に、軸方
向と直交する方向において揺動スクロールの偏心方向に
対して揺動スクロールの公転方向と反対方向に傾斜した
方向にスライダー軸受(25)がスライドする。これによ
り、図1に示すように冷媒ガスを圧縮しようとする力の
反力Fθの分力Fsが斜め方向に、スライダー軸受を前
進させようとする力に加わって、低速運転時であっても
固定渦巻歯及び揺動渦巻歯相互の半径方向隙間を密封す
る。 【効果】 渦巻歯相互側面での冷媒ガス漏れを防止し、
運転効率を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、揺動スクロール及び
固定スクロールが設けられて冷凍機、空気調整機等の圧
縮機として使用されるスクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】図8〜図10は、例えば特開平5−34
0363号公報に示されたものに類似した従来のスクロ
ール圧縮機を示す図で、図8は縦断面図、図9は図8の
スライダー軸受箇所の拡大平面図。図10は図8の固定
スクロールの支持機構箇所を分解して示す斜視図であ
る。図において、(1)は密閉容器である。
【0003】(2)は固定スクロールで、密閉容器(1)内の
一方の端部面(3)寄りに配置された台板(4)、台板(4)の
反端部面(3)側に形成された板状の固定渦巻歯(5)、台板
(4)の中心部に配置された吐出ポート(6)、台板(4)の周
縁部に互いに離れて4箇所に設けられたねじ孔(7)及び
台板(4)周縁部におけるねじ孔(7)の相互間に設けられ、
かつ互いに対向した2箇所に配置されたリーマ孔(8)が
設けられている。
【0004】(9)は台板(4)の端部面(3)側に設けられた
溝に嵌合されて吐出ポート(6)の周りに配置され、吐出
ポート(6)廻りの高圧と後述する背圧室による中間圧を
区画する内側シールである。(10)は台板(4)の端部面(3)
側に設けられた溝に嵌合されて内側シール(9)の外側に
配置され、中間圧と低圧を区画する外側シールである。
【0005】(11)は揺動スクロールで、固定渦巻歯(5)
と対向した台板(12)に設けられて固定渦巻歯(5)と係合
して圧縮室(13)を形成する揺動渦巻歯(14)及び台板(12)
の反揺動渦巻歯(14)側に形成されたボス部(15)が設けら
れている。(16)はフレームで、上端面(17)が固定スクロ
ール(2)に対向し、外周部が密閉容器(1)内に固定されて
揺動スクロール(11)の反固定スクロール(2)側に配置さ
れて、揺動スクロール(8)のスラスト荷重を支持する。
【0006】(18)は高低圧セパレータで、密閉容器(1)
に溶接固定されて固定スクロール(2)と密閉容器(1)の端
部面(3)の間に配置され、固定スクロール(2)台板(4)、
内側シール(9)及び外側シール(10)とによって背圧室(1
9)、吐出ポート(6)廻りに高圧部を形成する。(20)は固
定スクロール(2)の台板(4)を貫通して設けられ圧縮室(1
3)及び背圧室(19)に連通した抽気孔である。
【0007】(21)は揺動スクロール(11)の台板(12)とフ
レーム(16)の間に設けられたオルダム継手で、揺動スク
ロール(11)の自転を拘束すると共に揺動スクロール(11)
とフレーム(16)の相互を位置決めする。(22)は密閉容器
(1)に設けられた電動機(23)の軸で、フレーム(16)によ
りラジアル方向に支持され、かつ軸端からなる偏心ピン
(24)がスライダー軸受(25)を介して揺動スクロール(11)
のボス部(15)に嵌合されて揺動スクロール(11)を駆動す
る。なお、軸(22)の回転運動がスライダー軸受(25)によ
り偏心公転運動に変換されて揺動スクロール(11)に伝達
される。
【0008】(26)は板ばねで、固定スクロール(2)の台
板(4)とフレーム(16)の上端面(17)の間に配置されて台
板(4)のねじ孔(7)の2つに対応するリーマ孔及びこのリ
ーマ孔の相互間にさらに2つのリーマ孔が設けられてい
る。(27)はフレーム(16)の上端面(17)に設けられて板ば
ね(26)の中央寄りの2つのリーマ孔に対応して設けられ
たねじ穴、(28)はフレーム(16)の上端面(17)に設けられ
て固定スクロール(2)台板(4)のリーマ孔(8)に対応して
設けられたリーマ孔である。
【0009】(29)は固定スクロール(2)台板(4)のリーマ
孔(8)及びフレーム(16)上端面(17)のリーマ孔(28)に挿
通されたリーマピン、(30)は板ばね(26)の外寄りのリー
マ孔に挿通されて固定スクロール(2)台板(4)のねじ孔
(7)にねじ込まれた下リーマボルト、(31)は板ばね(26)
の内寄りのリーマ孔に挿通されてフレーム(16)上端面(1
7)のねじ穴(27)にねじ込まれた上リーマボルトである。
【0010】(32)はフレーム(16)、板ばね(26)、リーマ
ピン(29)、下リーマボルト(30)及び上リーマボルト(31)
を主要部とする支持手段である。(33)は押圧手段で、背
圧室(19)の中間圧等により形成されて、固定スクロール
(2)を揺動スクロール(11)に押圧し、固定渦巻歯(5)の歯
先端面を対向した揺動スクロール(11)の台板(12)に押付
ける。
【0011】(34)は吐出弁で、高低圧セパレータ(18)に
設けられて固定スクロール(2)の吐出ポート(6)に対応し
て配置された高低圧セパレータ(18)の吐出ポート(35)に
対向して配置されている。
【0012】従来のスクロール圧縮機は上記のように構
成され、電動機(23)が付勢されると軸(22)により揺動ス
クロール(11)が駆動される。これにより、固定渦巻歯
(5)と揺動渦巻歯(14)によって形成された圧縮室(13)の
容積が渦巻歯の外周から内周に向かって減少する。そし
て、低圧の冷媒ガスが圧縮室(13)へ流入し圧縮されて、
高圧の冷媒ガスとなり固定スクロール(2)の吐出ポート
(6)から送出される。
【0013】また、冷媒ガスの圧縮動作により発生した
高圧力が高低圧セパレータ(18)の吐出ポート(35)周りに
作用すると共に、冷媒ガスガスの圧縮動作途中の高圧ガ
スが、抽気孔(20)により抽出されて背圧室(19)に導入さ
れ中間圧力が作用する。これらの圧力により固定スクロ
ール(2)が揺動スクロール(11)に押圧されて、固定スク
ロール(2)と揺動スクロール(11)との軸方向隙間が密封
される。
【0014】また、固定渦巻歯(5)と揺動渦巻歯(14)の
組合せによって形成される圧縮室(13)の半径方向の隙間
が次に述べるように密封される。すなわち、図9におい
て、Aは軸(22)回転中心、Bはスライダー軸受(25)中心
である。スライダー軸受(25)は揺動スクロール(11)のボ
ス部(15)と軸、軸受の関係をなし、スライダー軸受(25)
の偏心自転運動の自転運動成分のみをキャンセルして偏
心運動のみを揺動スクロール(11)に伝動する。
【0015】また、スライダー軸受(25)は軸(22)の軸端
に構成された偏心ピン(24)に嵌合されて、スクロール圧
縮機が運転されるとスライダー軸受(25)の中心に冷媒ガ
スガスを圧縮しようとする力の反力Fθと半径方向力F
r(主として遠心力)が作用する。そして、半径方向力
Frによりスライダー軸受(25)は遠心力方向に前進する
ので、AとBの間隔、すなわちクランク半径rは増大す
ることになる。
【0016】このクランク半径rは、固定スクロール
(2)及び揺動スクロール(11)の渦巻歯の側面相互が接触
するので、実質的に固定渦巻歯(5)及び揺動渦巻歯(14)
の半径方向隙間が消失して密封される。なお、このよう
な機構を可変クランク機構と呼ぶ。また、図9に示す、
Ψは軸(22)の回転方向、xは遠心力の作用する方向、
x’はスライダー軸受(25)の前進する方向、rは偏心ピ
ン(24)におけるクランク半径である。
【0017】また、固定スクロール(2)とフレーム(16)
は、固定スクロール(2)台板(4)のリーマ孔(8)とフレー
ム(16)上端面(17)のリーマ孔(28)に挿通されたリーマピ
ン(29)により位置決めされる。そして、固定スクロール
(2)台板(4)のねじ孔(7)にねじ込まれた下リーマボルト
(30)によって板ばね(26)の一部が固定スクロール(2)に
締結される。また、フレーム(16)上端面(17)のねじ穴(2
7)にねじ込まれた上リーマボルト(31)によって板ばね(2
6)の他部が揺動スクロール(11)に締結される。
【0018】このような構成によって、固定スクロール
(2)とフレーム(16)は、板ばね(26)により軸方向には弾
性連結され、半径方向及び軸周りの回動方向には所定位
置に結合される。なお、板ばね(26)を介して固定スクロ
ール(2)とフレーム(16)とを連結した後、リーマピン(2
9)は抜去される。
【0019】また、固定スクロール(2)には冷媒ガスの
圧縮作用によって、半径方向の荷重及び軸周りの自転モ
ーメントが発生する。そして、固定スクロール(2)はこ
れらの荷重及びモーメントに抗して一定姿勢を保持する
必要がある。これに対し上記荷重及びモーメントがすべ
て板ばね(26)を介してフレーム(16)、密閉容器(1)によ
って支持されることによって固定スクロール(2)が一定
姿勢に保持される。
【0020】なお、固定スクロール(2)の軸方向の高低
圧セパレータ(18)側への移動量は、固定スクロール(2)
台板(4)の上面と、高低圧セパレータ(18)の対向面との
間の隙間によって決定される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】従来のスクロール圧縮
機は上記のように構成され、前述の可変クランク機構に
より固定渦巻歯(5)及び揺動渦巻歯(14)の半径方向隙間
が無くなる。しかし、例えばインバータ駆動により低周
波数でスクロール圧縮機が低速運転される場合に、スラ
イダー軸受(25)を遠心力方向に前進させる力Frが不足
する。このため、固定渦巻歯(5)及び揺動渦巻歯(14)の
半径方向隙間の密封性が低下するので、発生した半径方
向隙間からの圧縮中の冷媒ガス漏れにより圧縮効率が低
くなる。
【0022】また、固定スクロール(2)の軸方向移動量
を管理するための隙間が高低圧セパレータ(18)を密閉容
器(1)に溶接することにより設定されるため、設定され
た隙間量が不安定になる。すなわち、隙間が過大である
と板ばね(26)が過変形して異常が発生し、また隙間が過
小であると固定スクロール(2)の軸方向移動が不十分と
なり圧縮室(13)の異常高圧リリーフ作用が得られず、運
転信頼性が低下するという問題点があった。
【0023】この発明は、かかる問題点を解消するため
になされたものであり、容易に製作できて作動不良が発
生せず、また運転状態の変化による圧縮効率の変動のな
いスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明に係るスクロー
ル圧縮機においては、台板及びこの台板に配置された固
定渦巻歯が設けられた固定スクロールと、固定渦巻歯に
対向して配置された台板及びこの台板に設けられて固定
渦巻歯と係合して圧縮室を形成する揺動渦巻歯が装備さ
れ、駆動されて固定スクロールに対して揺動運動する揺
動スクロールと、固定スクロールの反揺動スクロール側
に配置されて固定スクロールの台板との間に背圧室を形
成する高低圧セパレータと、背圧室への圧縮室からの中
間圧及び吐出圧により押付け力を発生し、この押付け力
により固定スクロールを揺動スクロール方向に移動させ
て固定スクロールの軸方向の密封性を保持し、かつ圧縮
室が背圧室よりも高圧になったときには押付け力に抗し
て固定スクロールを反揺動スクロール方向に移動させて
圧縮室が圧力リリーフされる支持機構と、揺動スクロー
ルのボス部と揺動スクロールを駆動する軸の間に配置さ
れて回転力を伝達すると共に、軸方向と直交する方向に
おいて揺動スクロールの偏心方向に対して揺動スクロー
ルの公転方向と反対方向に傾斜した方向にスライドして
固定スクロール及び揺動スクロールの渦巻歯相互の半径
方向隙間を閉塞するスライダー軸受とが設けられる。
【0025】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、台板及びこの台板に配置された固定渦巻歯が
設けられた固定スクロールと、固定渦巻歯に対向して配
置された台板及びこの台板に設けられて固定渦巻歯と係
合して圧縮室を形成する揺動渦巻歯が装備され、駆動さ
れて固定スクロールに対して揺動運動する揺動スクロー
ルと、固定スクロールの反揺動スクロール側に配置され
て固定スクロールの台板との間に背圧室を形成する高低
圧セパレータと、背圧室への圧縮室からの中間圧及び吐
出圧により押付け力を発生し、この押付け力により固定
スクロールを揺動スクロール方向に移動させて固定スク
ロールの軸方向の密封性を保持し、かつ圧縮室が背圧室
よりも高圧になったときには押付け力に抗して固定スク
ロールを反揺動スクロール方向に移動させて圧縮室が圧
力リリーフされる支持機構と、凹所に揺動スクロールが
嵌合状態に配置されて揺動スクロールを径方向及び軸方
向に支持するフレームと、一部が固定スクロールに係止
され他部は高低圧セパレータ及びフレームの間に挟圧状
態に係止されてフレームに対して固定スクロールを径方
向には所定位置に軸方向には変位可能に支持する板ばね
とが設けられる。
【0026】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、大小2枚の環状板を平面において相互間に空
隙を形成する同心に配置し複数箇所で半径方向に橋絡し
た形状に一体に形成されて、内側の環状板が固定スクロ
ールに係止され外側の環状板が高低圧セパレータ及びフ
レームの間に挟圧状態に係止され、フレームに対して固
定スクロールを径方向には所定位置に軸方向には変位可
能に支持する板ばねが設けられる。
【0027】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、固定スクロールの高低圧セパレータ側の面に
装着され、一部が固定スクロールに係止されて他部は高
低圧セパレータ及びフレームの間に挟圧状態に係止さ
れ、フレームに対して固定スクロールを径方向には所定
位置に軸方向には変位可能に支持する板ばねと、フレー
ムの凹所に少ない空隙で台板が嵌合された固定スクロー
ルとが設けられる。
【0028】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、固定スクロール台板の固定渦巻歯側の面に装
着され、一部が固定スクロールに係止されて他部は高低
圧セパレータ及びフレームの間に挟圧状態に係止され、
フレームに対して固定スクロールを径方向には所定位置
に、軸方向には変位可能に支持する板ばねと、高低圧セ
パレータの凹所に少ない空隙で台板が嵌合された固定ス
クロールとが設けられる。
【0029】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、台板及びこの台板に配置された固定渦巻歯が
設けられた固定スクロールと、固定渦巻歯に対向して配
置された台板及びこの台板に設けられて固定渦巻歯と係
合して圧縮室を形成する揺動渦巻歯が装備され、駆動さ
れて固定スクロールに対して揺動運動する揺動スクロー
ルと、固定スクロールの反揺動スクロール側に配置され
て固定スクロールの台板との間に背圧室を形成する高低
圧セパレータと、背圧室への圧縮室からの中間圧及び吐
出圧により押付け力を発生し、この押付け力により固定
スクロールを揺動スクロール方向に移動させて固定スク
ロールの軸方向の密封性を保持し、かつ圧縮室が背圧室
よりも高圧になったときには押付け力に抗して固定スク
ロールを反揺動スクロール方向に移動させて圧縮室が圧
力リリーフされる支持機構と、揺動スクロールを径方向
及び軸方向に支持するフレームと、一部が固定スクロー
ルに係止されて他部は高低圧セパレータ及びフレームの
いずれかに係止され、固定スクロールを径方向には所定
位置に軸方向には変位可能に支持する板ばねと、固定ス
クロール及び高低圧セパレータの両者を連結して、上記
両者の径方向及び回動方向の相対変位を所定位置に阻止
し、軸方向には相対変位可能に保持する連結手段とが設
けられる。
【0030】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、固定スクロール及び高低圧セパレータそれぞ
れのリーマ孔に嵌合されたガイドピンからなり、固定ス
クロール及び高低圧セパレータの両者を連結して、上記
両者の径方向及び回動方向の相対変位を所定位置に阻止
し、軸方向には相対変位可能に保持する連結手段が設け
られる。
【0031】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、密閉容器内に装備された台板及びこの台板に
配置された固定渦巻歯が設けられた固定スクロールと、
固定渦巻歯に対向して配置された台板及びこの台板に設
けられて固定渦巻歯と係合して圧縮室を形成する揺動渦
巻歯が装備され、駆動されて固定スクロールに対して揺
動運動する揺動スクロールと、密閉容器に溶接されて固
定スクロールの反揺動スクロール側に配置されて固定ス
クロールの台板との間に背圧室を形成する高低圧セパレ
ータと、背圧室への圧縮室からの中間圧及び吐出圧によ
り押付け力を発生し、この押付け力により固定スクロー
ルを揺動スクロール方向に移動させて固定スクロールの
軸方向の密封性を保持し、かつ圧縮室が背圧室よりも高
圧になったときには押付け力に抗して固定スクロールを
反揺動スクロール方向に移動させて圧縮室が圧力リリー
フされる支持機構と、揺動スクロールを径方向及び軸方
向に支持するフレームと、一部が固定スクロールに係止
されて他部は高低圧セパレータに係止され、固定スクロ
ールを径方向には所定位置に軸方向には変位可能に支持
する板ばねとが設けられる。
【0032】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、背圧室への圧縮室からの中間圧及び吐出圧に
より押付け力を発生し、この押付け力により固定スクロ
ールを揺動スクロール方向に移動させて固定スクロール
の軸方向の密封性を保持し、かつ圧縮室が背圧室よりも
高圧になったときには押付け力に抗して固定スクロール
を反揺動スクロール方向に移動させて圧縮室が圧力リリ
ーフされる支持機構により固定スクロールが軸方向に変
位する。そして、この固定スクロールの軸方向変位が、
一方は固定スクロールの台板背面に対面した高低圧セパ
レータにより規制され、他方は固定スクロール渦巻側に
対面する揺動スクロールにより規制される。
【0033】
【作用】上記のように構成されたスクロール圧縮機で
は、スライダー軸受が揺動スクロールを駆動する軸の軸
方向と直交する方向において揺動スクロールの偏心方向
に対して揺動スクロールの公転方向と反対方向に傾斜し
た方向にスライドする。これにより、後述する図1に示
すように冷媒ガスを圧縮しようとする力の反力Fθの分
力Fsが、スライダー軸受を前進させようとする力に加
わる。これによって、スクロール圧縮機の低速運転時に
スライダー軸受を遠心力方向に前進させる力Frが充足
されて固定渦巻歯及び揺動渦巻歯相互の半径方向隙間を
密封する。
【0034】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、フレームに対して固定スクロールを径方向
には所定位置に軸方向には変位可能に支持する板ばねの
一側が、高低圧セパレータ及びフレームの間に挟圧状態
に係止される。これにより、高低圧セパレータと固定ス
クロール等が配置された密閉容器との溶接作業が省略で
きる。
【0035】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、フレームに対して固定スクロールを径方向
には所定位置に軸方向には変位可能に支持する板ばね
が、大小2枚の環状板を平面において相互間に空隙を形
成する同心に配置し複数箇所で半径方向に橋絡した形状
に一体に形成される。
【0036】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、一部が固定スクロールに係止されて他部は
高低圧セパレータ及びフレームの間に挟圧状態に係止さ
れ、フレームに対して固定スクロールを径方向には所定
位置に軸方向には変位可能に支持する板ばねが、固定ス
クロールの高低圧セパレータ側の面に装着される。ま
た、固定スクロールの台板がフレームの凹所に少ない空
隙で嵌合されるので、固定スクロールの径方向への変位
が、フレームの凹所と台板の隙間の範囲に制約され、板
ばねにおける過度の弾性変形発生が防止される。
【0037】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、一部が固定スクロールに係止されて他部は
高低圧セパレータ及びフレームの間に挟圧状態に係止さ
れ、フレームに対して固定スクロールを径方向には所定
位置に軸方向には変位可能に支持する板ばねが、固定ス
クロール台板の固定渦巻歯側の面に装着される。また、
固定スクロールの台板が高低圧セパレータの凹所に少な
い空隙で嵌合されるので、固定スクロールの径方向への
変位が、高低圧セパレータの凹所と台板の隙間の範囲に
制約され、板ばねにおける過度の弾性変形発生が防止さ
れる。
【0038】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、フレームに対して固定スクロールを径方向
には所定位置に軸方向には変位可能に支持する板ばねの
一側が、高低圧セパレータ及びフレームのいずれかに係
止される。また、連結手段によって固定スクロール及び
高低圧セパレータの両者が連結されて、上記両者の径方
向及び回動方向の相対変位が所定位置に阻止され、軸方
向には相対変位可能に保持される。
【0039】これにより、固定スクロールに過大荷重が
作用したときの固定スクロールの径方向及び回動方向の
変位が連結手段を介して高低圧セパレータに伝達されて
支持され、板ばねにおける過度の弾性変形発生が防止さ
れる。
【0040】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、フレームに対して固定スクロールを径方向
には所定位置に軸方向には変位可能に支持する板ばねの
一側が、高低圧セパレータ及びフレームのいずれかに係
止される。また、固定スクロール及び高低圧セパレータ
それぞれのリーマ孔に嵌合されたガイドピンからなる連
結手段によって固定スクロール及び高低圧セパレータの
両者が連結されて、上記両者の径方向及び回動方向の相
対変位が所定位置に阻止され、軸方向には相対変位可能
に保持される。
【0041】これにより、固定スクロールに過大荷重が
作用したときの固定スクロールの径方向及び回動方向の
変位が連結手段を介して高低圧セパレータに伝達されて
支持され、板ばねにおける過度の弾性変形発生が防止さ
れる。
【0042】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、固定スクロールを径方向には所定位置に軸
方向には変位可能に支持する板ばねの一側が、密閉容器
に溶接固定された高低圧セパレータに係止される。これ
により、固定スクロール、板ばね、高低圧セパレータ等
を他のスクロール圧縮機の部材の組立工程から独立して
組立てて、ユニット化することができる。そして、組立
られたユニット部材における高低圧セパレータの外周部
を密閉容器に溶接することによりスクロール圧縮機が組
立られる。
【0043】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、背圧室への圧縮室からの中間圧及び吐出圧
により発生する押付け力により固定スクロールを揺動ス
クロール方向に移動させ、かつ圧縮室が背圧室よりも高
圧になったときには押付け力に抗して固定スクロールを
反揺動スクロール方向に移動させる支持機構により固定
スクロールが軸方向に変位する。そして、この固定スク
ロールの軸方向変位を、一方は固定スクロールの台板に
対面した高低圧セパレータにより規制し、他方は固定ス
クロールの渦巻側に対面する揺動スクロールにより規制
する。これによって、固定スクロールの軸方向移動量が
固定スクロールと高低圧セパレータの隙間及び固定スク
ロールと揺動スクロールの最小距離によって設定され
る。
【0044】
【実施例】
実施例1.図1は、この発明の一実施例を示す前述の図
9相当図で、図1の他はスクロール圧縮機が前述の図8
〜図10のスクロール圧縮機と同様に構成されている。
図において、図8〜図10と同符号は相当部分を示し、
(25)はスライダー軸受で、スライダー軸受(25)の半径方
向への前進方向x’を決定する面が、スライダー軸受(2
5)の偏心方向に対して回転方向Ψとは反対方向に図1に
示す角度βだけ傾斜した姿勢に設けられている。
【0045】上記のように構成されたスクロール圧縮機
において、電動機(23)が付勢されると軸(22)を介して揺
動スクロール(11)が駆動される。そして、固定渦巻歯
(5)と揺動渦巻歯(14)によって形成された圧縮室(13)の
容積が渦巻歯の外周から内周に向かって減少する。そし
て、低圧の冷媒ガスが圧縮室(13)へ流入し圧縮されて、
高圧の冷媒ガスとなり固定スクロール(2)の吐出ポート
(6)から送出される。
【0046】そして、スクロール圧縮機の運転中におい
て図1に示すようにスライダー軸受(25)に、冷媒ガスを
圧縮しようとする力の反力Fθの分力Fsがスライダー
軸受(25)を前進させようとする矢印x’方向に作用す
る。
【0047】すなわち、インバータ駆動によりスクロー
ル圧縮機が低周波数により低速で運転される場合に、ス
ライダー軸受(25)に十分な遠心力Frが作用しないとき
であっても、図1に示す角度βを予め設定しておくこと
により、冷媒ガスの反力Fθの分力Fsがスライダー軸
受(25)を前進させようとする力、すなわち半径方向力F
rに加わる。これによって、固定渦巻歯(5)及び揺動渦
巻歯(14)相互の半径方向隙間が消失するので、この箇所
での冷媒ガス漏れをスクロール圧縮機の低速運転時であ
っても防止することができて圧縮効率を向上することが
できる。
【0048】さらに、以上のような構成においては、ス
クロール圧縮機の休止中における起動時等の固定スクロ
ール(2)の軸方向微小移動による液圧縮リリーフ機能を
維持しつつ、スライダー軸受(25)の機能による通常運転
時等における固定渦巻歯(5)及び揺動渦巻歯(14)相互の
側面隙間の半径方向シール機能を向上することができ
る。
【0049】実施例2.図2及び図3は、この発明の他
の実施例を示す図で、図2は縦断面図、図3は図2の固
定スクロールの支持機構箇所を分解して示す斜視図であ
り、図2及び図3の他はスクロール圧縮機が前述の図8
〜図10のスクロール圧縮機と同様に構成されている。
図において、図8〜図10と同符号は相当部分を示し、
(1)は密閉容器である。
【0050】(2)は固定スクロールで、密閉容器(1)内の
一方の端部面(3)寄りに配置されて密閉容器(1)の内径よ
りも小さい外径Cを有する台板(4)、台板(4)の反端部面
(3)側に形成された板状の固定渦巻歯(5)、台板(4)の中
心部に配置された吐出ポート(6)、台板(4)の周縁部に互
いに離れて4箇所に設けられたねじ孔(7)及び台板(4)周
縁部におけるねじ孔(7)の相互間に設けられ、かつ互い
に対向した2箇所に配置されたリーマ孔(8)が設けられ
ている。
【0051】(18)は固定スクロール(2)の台板(4)の外径
Cよりも大きい内径Dの凹所を有する高低圧セパレータ
で、周縁部に互いに離れて4箇所に配置されたボルト孔
(36)及び周縁部におけるボルト孔(36)の相互間に設けら
れ、かつ互いに対向した2箇所に配置されたリーマ孔(3
7)が設けられている。
【0052】そして、高低圧セパレータ(18)は周縁部が
密閉容器(1)に固定されて固定スクロール(2)と密閉容器
(1)の端部面(3)の間に配置され、内径Dの凹所に固定ス
クロール(2)の台板(4)が嵌合されて台板(4)、内側シー
ル(9)及び外側シール(10)とによって背圧室(19)を形成
する。
【0053】(26)は環状をなす板ばねで、大小2枚の環
状板を平面において相互間に空隙を形成する同心に配置
し複数箇所で半径方向に橋絡した形状に一体に形成され
ている。そして、高低圧セパレータ(18)の外周下面とフ
レーム(16)の上端面(17)の間に配置されて固定スクロー
ル(2)台板(4)のリーマ孔(8)に対応したリーマ孔(38)、
高低圧セパレータ(18)のボルト孔(36)に対応したボルト
孔(39)、高低圧セパレータ(18)のリーマ孔(37)に対応し
たリーマ孔(40)、固定スクロール(2)台板(4)のねじ孔
(7)に対応したボルト孔(41)が設けられている。
【0054】(27)はフレーム(16)の上端面(17)に設けら
れて高低圧セパレータ(18)のボルト孔(36)及び板ばね(2
6)のボルト孔(39)に対応したねじ穴、(28)はフレーム(1
6)の上端面(17)に設けられて高低圧セパレータ(18)のリ
ーマ孔(37)及び板ばね(26)のリーマ孔(40)に対応したリ
ーマ孔である。
【0055】(42)は固定スクロール(2)台板(4)のリーマ
孔(8)及び板ばね(26)のリーマ孔(38)に挿通された第1
リーマピン、(43)は高低圧セパレータ(18)のリーマ孔(3
7)、板ばね(26)のリーマ孔(40)及びフレーム(16)の上端
面(17)のリーマ孔(28)に挿通された第2リーマピンであ
る。
【0056】(30)は板ばね(26)のボルト孔(41)に挿通さ
れて固定スクロール(2)台板(4)のねじ孔(7)にねじ込ま
れた下リーマボルト、(31)は高低圧セパレータ(18)のボ
ルト孔(36)及び板ばね(26)のボルト孔(39)に挿通されて
フレーム(16)の上端面(17)のねじ穴(27)にねじ込まれた
上リーマボルトである。
【0057】(32)はフレーム(16)、高低圧セパレータ(1
8)、板ばね(26)、第1リーマピン(42)、第2リーマピン
(43)、下リーマボルト(30)及び上リーマボルト(31)を主
要部とする支持手段である。(33)は支持手段(32)の機能
に含まれる押圧手段で、背圧室(19)の中間圧等により形
成されて固定スクロール(2)を揺動スクロール(11)に押
圧し、固定渦巻歯(5)の歯先端面を対向した揺動スクロ
ール(11)の台板(12)に押付ける。
【0058】(34)は吐出弁で、高低圧セパレータ(18)に
設けられて固定スクロール(2)の吐出ポート(6)に対応し
て配置された高低圧セパレータ(18)の吐出ポート(35)に
対向して配置されている。
【0059】上記のように構成されたスクロール圧縮機
において、電動機(23)が付勢されると軸(22)により揺動
スクロール(11)が駆動される。これにより、固定渦巻歯
(5)と揺動渦巻歯(14)によって形成された圧縮室(13)の
容積が渦巻歯の外周から内周に向かって減少する。そし
て、低圧の冷媒ガスが圧縮室(13)へ流入し圧縮され、高
圧の冷媒ガスとなり固定スクロール(2)の吐出ポート(6)
から送出される。
【0060】そして、固定スクロール(2)と板ばね(26)
は、固定スクロール(2)台板(4)のリーマ孔(8)及び板ば
ね(26)のリーマ孔(38)に挿通された第1リーマピン(42)
によって位置決めされる。次いで、板ばね(26)のボルト
孔(41)に挿通されて固定スクロール(2)台板(4)のねじ孔
(7)にねじ込まれた下リーマボルト(30)によって相互に
締結される。
【0061】また、高低圧セパレータ(18)、板ばね(26)
及びフレーム(16)は、高低圧セパレータ(18)のリーマ孔
(37)、板ばね(26)のリーマ孔(40)及びフレーム(16)上端
面(17)のリーマ孔(28)に挿通された第2リーマピン(43)
によって位置決めされる。次いで、高低圧セパレータ(1
8)のボルト孔(36)及び板ばね(26)のボルト孔(39)に挿通
されてフレーム(16)上端面(17)のねじ穴(27)にねじ込ま
れた上リーマボルト(31)によって相互に締結される。
【0062】このようにして、固定スクロール(2)と揺
動スクロール(11)が位置決めされ、また高低圧セパレー
タ(18)と密閉容器(1)の端部面(30)との空間と、固定渦
巻歯(5)及び揺動渦巻歯(14)が設けられた空間との間の
気密が保たれる。そして、固定スクロール(2)は、揺動
スクロール(11)と高低圧セパレータ(18)の固定スクロー
ル(2)側によって形成される空間に、半径方向及び回動
方向について所定位置に高い剛性で支持され、軸方向に
は板ばね(26)により移動可能に弾性支持される。
【0063】そして、スクロール圧縮機が運転されると
冷媒ガスの圧縮作用により内側シール(9)と吐出ポート
(35)の間には高圧力が、背圧室(19)には中間圧力が作用
する。これらの圧力により固定スクロール(2)が揺動ス
クロール(11)に押圧されて、固定スクロール(2)の固定
渦巻歯(5)と揺動スクロール(11)の揺動渦巻歯(14)きの
間における軸方向隙間が密封される。
【0064】また、固定渦巻歯(5)及び揺動渦巻歯(14)
における軸方向隙間を密封する機能と共に、液圧縮等に
より圧縮室(13)内圧力が異常に上昇したときには、固定
スクロール(2)が高低圧セパレータ(18)側に変位して、
渦巻歯の歯先隙間から圧力をリリーフする機能が得られ
る。なお、このような構成による機構をアキシャルコン
プライアント機構という。
【0065】また、高低圧セパレータ(18)とフレーム(1
6)の間に板ばね(26)が挟み込み状態に配置されるので、
高低圧セパレータ(18)と密閉容器(1)の溶接作業が不要
となる。そして、フレーム(16)の全外周を密閉容器(1)
に焼き嵌めすることにより、比較的に容易に密閉容器
(1)内を高圧と低圧に区画することができる。
【0066】また、板ばね(26)が図3に示すように、大
小2枚の環状板を平面において相互間に空隙を形成する
同心に配置し複数箇所で半径方向に橋絡した形状に形成
されているので、高低圧セパレータ(18)とフレーム(16)
の間に挟み込み状態に配置されることにより高圧と低圧
を容易に気密区画することができる。また、半径方向及
び回動方向に剛性が高く、軸方向にはばね定数の小さい
ばね特性によって固定スクロール(2)を弾性支持するこ
とができる。
【0067】また、固定スクロール(2)は、揺動スクロ
ール(11)と高低圧セパレータ(18)の固定スクロール(2)
側によって形成される空間において、軸方向には移動可
能に支持される。そして、その軸方向移動最大量はフレ
ーム(16)、揺動スクロール(11)、板ばね(26)、固定スク
ロール(2)、高低圧セパレータ(18)等の関係部材の部品
レベルの寸法管理により比較的に容易に所要値とするこ
とができる。したがって、固定スクロール(2)の軸方向
移動最大量が、高低圧セパレータ(18)を密閉容器(1)に
溶接するときの熱収縮、歪み等によって左右されて不安
定な値となる不具合を回避することができる。
【0068】また、スクロール圧縮機の長期運転休止後
における起動時等の冷媒液圧縮により、半径方向に過大
な荷重が作用したときの固定スクロール(2)の径方向へ
の変位が、外径Cの台板(4)が高低圧セパレータ(18)の
内径Dの凹所にほぼ同寸法に嵌合されていることにより
台板(4)と高低圧セパレータ(18)の凹所との隙間の範囲
に制約される。これによって、板ばね(26)のずれ、変形
量の増大による過大な応力負荷が板ばね(26)に作用する
ことを防止でき、過大な応力負荷による板ばね(26)の異
常によって発生する故障を未然に防ぐことができる。
【0069】実施例3.図4も、この発明の他の実施例
を示す図で、前述の図3相当図であり、図4の他はスク
ロール圧縮機が前述の図2及び図3のスクロール圧縮機
と同様に構成されている。図において、図1と図2及び
図3と同符号は相当部分を示し、(26)は固定スクロール
(2)の台板(4)の高低圧セパレータ(18)側に装着された板
ばねで、図4に示すように、大小2枚の環状板を平面に
おいて相互間に空隙を形成する同心に配置し複数箇所で
半径方向に橋絡した形状に形成されている。
【0070】また、固定スクロール(2)の台板(4)は図4
に示すように外径Cに製作される。また、フレーム(16)
は外径Cよりも大きい内径Eに形成されると共に固定ス
クロール(2)の台板(4)の図4に示す厚さt対応寸法が高
低圧セパレータ(18)側に延長される。そして、固定スク
ロール(2)の台板(4)がフレーム(16)にほぼ同寸法に嵌合
状態に配置されて、図2及び図3のスクロール圧縮機と
同様に構成される。
【0071】上記のように構成されたスクロール圧縮機
においても、固定スクロール(2)が支持手段(32)によっ
て支持され、また押圧手段(33)によって揺動スクロール
(11)に押圧される。したがって、詳細な説明を省略する
が図4の実施例においても図2及び図3の実施例と同様
な作用が得られることは明白である。
【0072】実施例4.図5及び図6も、この発明の他
の実施例を示す図で、図5は前述の図3要部相当図、図
6は図5の固定スクロールにおける荷重状況を説明する
斜視図であり、図5及び図6の他はスクロール圧縮機が
前述の図2及び図3のスクロール圧縮機と同様に構成さ
れている。図において、図1と図2及び図3と同符号は
相当部分を示し、(44)はリーマピンからなるガイドピン
で、高低圧セパレータ(18)の固定スクロール(2)との対
向面に設けられたリーマ孔(45)及び固定スクロール(2)
の高低圧セパレータ(18)との対向面に設けられたリーマ
孔(46)に嵌合される。
【0073】(47)は高低圧セパレータ(18)のリーマ孔(4
5)及び固定スクロール(2)のリーマ孔(46)に嵌合され(4
7)はガイドピン(44)を主要部とする連結手段で、固定ス
クロール(2)と高低圧セパレータ(18)との径方向及び回
動方向の相対変位を所定位置に阻止し、軸方向には相対
変位可能に保持する。
【0074】上記のように構成されたスクロール圧縮機
においても、固定スクロール(2)が支持手段(32)によっ
て支持され、また押圧手段(33)によって揺動スクロール
(11)に押圧される。したがって、詳細な説明を省略する
が図5及び図6の実施例においても図2及び図3の実施
例と同様な作用が得られることは明白である。
【0075】また、図5及び図6の実施例において固定
スクロール(2)と高低圧セパレータ(18)とが連結手段(4
7)によって連結されて径方向及び回動方向の相対変位が
阻止される。この構成によって次に述べる作用を得るこ
とができる。すなわち、図6に示すように固定スクロー
ル(2)に作用する径方向及び回動方向の荷重は、揺動ス
クロール(11)に作用する遠心力による荷重Fr、冷媒ガ
スを圧縮しようとする力の反力Fθ、揺動スクロール(1
1)との渦巻歯側面の接触による自転モーメントM等があ
る。
【0076】これらの荷重が、前述の図2及び図3の実
施例における揺動スクロール(2)においては板ばね(26)
によって支持される。しかし、スクロール圧縮機が液冷
媒等の非圧縮性流体を圧縮し始めた場合に、上記荷重の
うち液冷媒、すなわち非圧縮体である液体を圧縮しよう
とする力の反力Fθが異常に増大する。このように、固
定スクロール(2)に作用する荷重が過大になったときに
は、板ばね(26)が径方向及び回動方向には所要の剛性を
備えているものの、固定スクロール(2)に作用する過大
荷重によって過弾性変形し過大な応力負荷が作用する。
【0077】この場合に、固定スクロール(2)は板ばね
(26)の弾性変形分だけ径方向及び回動方向に変位する。
このような板ばね(26)の機能上好ましくない方向の変形
に対する固定スクロール(2)の径方向及び回動方向の変
位が、連結手段(47)のガイドピン(44)を介して高低圧セ
パレータ(18)に伝達されることにより阻止される。した
がって、板ばね(26)への過大な応力負荷を回避すること
ができ、板ばね(26)の過変形によって生じる故障を未然
に防止することができる。
【0078】実施例5.図7も、この発明の他の実施例
を示す図で、図7は前述の図3要部相当図であり、図7
の他はスクロール圧縮機が前述の図2及び図3のスクロ
ール圧縮機と同様に構成されている。図において、図1
と図2及び図3と同符号は相当部分を示し、(18)はフラ
ンジ状に突出した外周部が形成されてこの外周部が密閉
容器(1)に溶接された高低圧セパレータ、(26)は固定ス
クロール(2)の台板(4)の揺動スクロール(11)側の面に装
着された板ばねである。
【0079】上記のように構成されたスクロール圧縮機
においても、固定スクロール(2)が支持手段(32)によっ
て支持され、また押圧手段(33)によって揺動スクロール
(11)に押圧される。したがって、詳細な説明を省略する
が図7の実施例においても図2及び図3の実施例と同様
な作用が得られることは明白である。
【0080】また、図7の実施例において固定スクロー
ル(2)、板ばね(26)、内側シール(9)、外側シール(10)、
高低圧セパレータ(18)及び吐出弁(34)を他のスクロール
圧縮機の部材の組立から独立して組立ててユニット化す
る。そして、ユニット部材における高低圧セパレータ(1
8)の外周部を密閉容器(1)に溶接することによって、ス
クロール圧縮機の組立を終了するような製造工程を設定
することができる。
【0081】したがって、固定スクロール(2)廻りのユ
ニットをスクロール圧縮機の組立から別工程により組立
てることにより、1つの生産ラインにおける組立工程数
を減少して生産性を向上することができる。
【0082】実施例6.図2〜7で示したスクロール圧
縮機において固定スクロール(2)の軸方向移動量は高低
圧セパレータ(18)と揺動スクロール(11)に挟まれた空間
によって規制されている。
【0083】上記のように構成されたスクロール圧縮機
では、予め固定スクロール(2)の軸方向寸法と高低圧セ
パレータ(18)〜揺動スクロール(11)間の距離を設定値に
勘合しておくことで、組立と同時に固定スクロールの軸
方向移動量を所定の値に管理することができ、組立に際
する工程と部品点数を節約することができる。
【0084】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、台板及
び固定渦巻歯が装備された固定スクロール並びに固定渦
巻歯に対向して配置された台板に固定渦巻歯と係合して
圧縮室を形成する揺動渦巻歯が装備された揺動スクロー
ルを設け、また、固定スクロールの反揺動スクロール側
に配置されて固定スクロールの台板との間に背圧室を形
成する高低圧セパレータと、背圧室への圧縮室からの中
間圧及び吐出圧により押付け力を発生し、この押付け力
により固定スクロールを揺動スクロールに方向に移動さ
せて固定スクロールの軸方向の密封性を保持し、かつ圧
縮室が背圧室よりも高圧になったときには押付け力に抗
して固定スクロールを反揺動スクロール方向に移動させ
て圧縮室が圧力リリーフされる支持機構と、揺動スクロ
ールのボス部と揺動スクロールを駆動する軸の間に配置
されて回転力を伝達すると共に、軸方向と直交する方向
において揺動スクロールの偏心方向に対して揺動スクロ
ールの公転方向と反対方向に傾斜した方向にスライドし
て固定スクロール及び揺動スクロールの渦巻歯相互の半
径方向隙間を閉塞するスライダー軸受とを設けたもので
ある。
【0085】これによって、スライダー軸受が揺動スク
ロールを駆動する軸の軸方向と直交する方向において揺
動スクロールの偏心方向に対して揺動スクロールの公転
方向と反対方向に傾斜した方向にスライドする。これに
より、図1に示すように冷媒ガスを圧縮しようとする力
の反力Fθの分力Fsが、スライダー軸受を前進させよ
うとする力に加わる。これによって、スクロール圧縮機
の低速運転時にスライダー軸受を遠心力方向に前進させ
る力Frが充足されて固定渦巻歯及び揺動渦巻歯相互の
半径方向隙間が密封される。したがって、固定渦巻歯及
び揺動渦巻歯相互の半径方向箇所での冷媒ガス漏れが防
止されて圧縮効率が向上し運転効率を向上する効果があ
る。
【0086】また、この発明は以上説明したように、台
板及び固定渦巻歯が装備された固定スクロール並びに固
定渦巻歯に対向して配置された台板に固定渦巻歯と係合
して圧縮室を形成する揺動渦巻歯が装備された揺動スク
ロールを設け、また、固定スクロールの反揺動スクロー
ル側に配置されて固定スクロールの台板との間に背圧室
を形成する高低圧セパレータと、背圧室への圧縮室から
の中間圧及び吐出圧により押付け力を発生し、この押付
け力により固定スクロールを揺動スクロールに方向に移
動させて固定スクロールの軸方向の密封性を保持し、か
つ圧縮室が背圧室よりも高圧になったときには押付け力
に抗して固定スクロールを反揺動スクロール方向に移動
させて圧縮室が圧力リリーフされる支持機構と、凹所に
揺動スクロールが嵌合状態に配置されて揺動スクロール
を径方向及び軸方向に支持するフレームと、一部が固定
スクロールに係止されて他部は高低圧セパレータ及びフ
レームの間に挟圧状態に係止されて、フレームに対して
固定スクロールを径方向には所定位置に軸方向には変位
可能に支持する板ばねとを設けたものである。
【0087】これによって、フレームに対して固定スク
ロールを径方向には所定位置に軸方向には変位可能に支
持する板ばねの一側が、高低圧セパレータ及びフレーム
の間に挟圧状態に係止される。これにより、高低圧セパ
レータと固定スクロール等が配置された密閉容器との溶
接作業が省略できる。したがって、溶接作業による熱収
縮、歪み等によって発生する不具合を未然に防止するこ
とができると共に、生産性を向上する効果がある。
【0088】また、この発明は以上説明したように、大
小2枚の環状板を平面において相互間に空隙を形成する
同心に配置し複数箇所で半径方向に橋絡した形状に一体
に形成されて内側の環状板が固定スクロールに係止され
外側の環状板が高低圧セパレータ及びフレームの間に挟
圧状態に係止され、フレームに対して固定スクロールを
径方向には所定位置に軸方向には変位可能に支持する板
ばねを設けたものである。
【0089】このように、板ばねが高低圧セパレータと
フレームの間に挟み込み状態に配置されることにより高
圧と低圧を容易に気密区画することができる。また、半
径方向及び回動方向に剛性が高く、軸方向にはばね定数
の小さいばね特性によって固定スクロールを弾性支持す
ることができる。したがって、運転性能を安定化する効
果がある。
【0090】また、この発明は以上説明したように、固
定スクロールの高低圧セパレータ側の面に装着され、一
部が固定スクロールに係止されて他部は高低圧セパレー
タ及びフレームの間に挟圧状態に係止され、フレームに
対して固定スクロールを径方向には所定位置に軸方向に
は変位可能に支持する板ばねと、フレームの凹所に少な
い空隙で台板が嵌合された固定スクロールとを設けたも
のである。
【0091】このようにして、一部が固定スクロールに
係止されて他部は高低圧セパレータ及びフレームの間に
挟圧状態に係止され、フレームに対して固定スクロール
を径方向には所定位置に軸方向には変位可能に支持する
板ばねが、固定スクロールの高低圧セパレータ側の面に
装着される。また、固定スクロールの台板がフレームの
凹所に少ない空隙で嵌合されるので、固定スクロールの
径方向への変位が、フレームの凹所と台板の隙間の範囲
に制約される。したがって、板ばねのずれ、変形量の増
大による過大な応力負荷の発生を防止でき、過大な応力
負荷による故障を未然に防ぐ効果がある。
【0092】また、この発明は以上説明したように、固
定スクロール台板の固定渦巻歯側の面に装着され、一部
が固定スクロールに係止されて他部は高低圧セパレータ
及びフレームの間に挟圧状態に係止され、フレームに対
して固定スクロールを径方向には所定位置に軸方向には
変位可能に支持する板ばねと、高低圧セパレータの凹所
に少ない空隙で台板が嵌合された固定スクロールとを設
けたものである。
【0093】このようにして、一部が固定スクロールに
係止されて他部は高低圧セパレータ及びフレームの間に
挟圧状態に係止され、フレームに対して固定スクロール
を径方向には所定位置に軸方向には変位可能に支持する
板ばねが、固定スクロール台板の固定渦巻歯側の面に装
着される。また、固定スクロールの台板が高低圧セパレ
ータの凹所に少ない空隙で嵌合されるので、固定スクロ
ールの径方向への変位が、高低圧セパレータの凹所と台
板の隙間の範囲に制約される。したがって、板ばねのず
れ、変形量の増大による過大な応力負荷の発生を防止で
き、過大な応力負荷による故障を未然に防ぐ効果があ
る。
【0094】また、この発明は以上説明したように、密
閉容器内に配置された台板及び固定渦巻歯が装備された
固定スクロール並びに固定渦巻歯に対向して配置された
台板に固定渦巻歯と係合して圧縮室を形成する揺動渦巻
歯が装備された揺動スクロールを設け、また、固定スク
ロールの反揺動スクロール側に配置されて固定スクロー
ルの台板との間に背圧室を形成する高低圧セパレータ
と、背圧室への圧縮室からの中間圧及び吐出圧により押
付け力を発生し、この押付け力により固定スクロールを
揺動スクロールに方向に移動させて固定スクロールの軸
方向の密封性を保持し、かつ圧縮室が背圧室よりも高圧
になったときには押付け力に抗して固定スクロールを反
揺動スクロール方向に移動させて圧縮室が圧力リリーフ
される支持機構と、揺動スクロールを径方向及び軸方向
に支持するフレームと、一部が固定スクロールに係止さ
れて他部は高低圧セパレータ及びフレームのいずれかに
係止され、固定スクロールを径方向には所定位置に軸方
向には変位可能に支持する板ばねと、固定スクロール及
び高低圧セパレータの両者を連結して、上記両者の径方
向及び回動方向の相対変位を所定位置に阻止し、軸方向
には相対変位可能に保持する連結手段とを設けたもので
ある。
【0095】これによって、フレームに対して固定スク
ロールを径方向には所定位置に軸方向には変位可能に支
持する板ばねの一側が、高低圧セパレータ及びフレーム
のいずれかに係止される。また、連結手段によって固定
スクロール及び高低圧セパレータの両者が連結されて、
上記両者の径方向及び回動方向の相対変位が所定位置に
阻止され、軸方向には相対変位可能に保持される。この
ため、固定スクロールに過大荷重が作用したときの固定
スクロールの径方向及び回動方向の変位が連結手段を介
して高低圧セパレータに伝達されて支持され、板ばねに
おける過度の弾性変形発生が防止される。したがって、
板ばねへの過大負荷を回避することができ、板ばねの過
変形によって生じる故障を未然に防止する効果がある。
【0096】また、この発明は以上説明したように、固
定スクロール及び高低圧セパレータそれぞれのリーマ孔
に嵌合されたガイドピンからなり、固定スクロール及び
高低圧セパレータの両者を連結して、上記両者の径方向
及び回動方向の相対変位を所定位置に阻止し、軸方向に
は相対変位可能に保持する連結手段を設けたものであ
る。
【0097】これによって、フレームに対して固定スク
ロールを径方向には所定位置に軸方向には変位可能に支
持する板ばねの一側が、高低圧セパレータ及びフレーム
のいずれかに係止される。また、固定スクロール及び高
低圧セパレータそれぞれのリーマ孔に嵌合されたガイド
ピンからなる連結手段によって固定スクロール及び高低
圧セパレータの両者が連結されて、上記両者の径方向及
び回動方向の相対変位が所定位置に阻止され、軸方向に
は相対変位可能に保持される。このため、固定スクロー
ルに過大荷重が作用したときの固定スクロールの径方向
及び回動方向の変位が連結手段を介して高低圧セパレー
タに伝達されて支持され、板ばねにおける過度の弾性変
形発生が防止される。したがって、板ばねへの過大負荷
を回避することができて、板ばねの過変形によって生じ
る故障を未然に防止する効果がある。
【0098】また、この発明は以上説明したように、密
閉容器内に装備された台板及び固定渦巻歯が装備された
固定スクロール並びに固定渦巻歯に対向して配置された
台板に固定渦巻歯と係合して圧縮室を形成する揺動渦巻
歯が装備された揺動スクロールを設け、また、密閉容器
に溶接されて固定スクロールの反揺動スクロール側に配
置されて固定スクロールの台板との間に背圧室を形成す
る高低圧セパレータと、背圧室への圧縮室からの中間圧
及び吐出圧により押付け力を発生し、この押付け力によ
り固定スクロールを揺動スクロール方向に移動させて固
定スクロールの軸方向の密封性を保持し、かつ圧縮室が
背圧室よりも高圧になったときには押付け力に抗して固
定スクロールを反揺動スクロール方向に移動させて圧縮
室が圧力リリーフされる支持機構と、揺動スクロールを
径方向及び軸方向に支持するフレームと、一部が固定ス
クロールに係止されて他部は高低圧セパレータに係止さ
れ、固定スクロールを径方向には所定位置に軸方向には
変位可能に支持する板ばねとを設けたものである。
【0099】これによって、固定スクロールを径方向に
は所定位置に軸方向には変位可能に支持する板ばねの一
側が、密閉容器に溶接固定された高低圧セパレータに係
止される。これにより、固定スクロール、板ばね、高低
圧セパレータ等を他のスクロール圧縮機の部材の組立か
ら独立して組立てて、ユニット化することができる。そ
して、組立てられたユニットにおける高低圧セパレータ
の外周部を密閉容器に溶接しスクロール圧縮機を組立て
ることができる。したがって、1つの生産ラインにおけ
る組立工程数を少なくすることができ生産性を向上する
効果がある。
【0100】また、この発明は以上説明したように、背
圧室への圧縮室からの中間圧及び吐出圧により押付け力
を発生し、この押付け力により固定スクロールを揺動ス
クロール方向に移動させて固定スクロールの軸方向の密
封性を保持し、かつ圧縮室が背圧室よりも高圧になった
ときには押付け力に抗して固定スクロールを反揺動スク
ロール方向に移動させて圧縮室が圧力リリーフされる支
持機構により固定スクロールが軸方向に変位する。そし
て、この固定スクロールの軸方向変位を、一方は固定ス
クロールの台板背面に対面した高低圧セパレータにより
規制し、他方は固定スクロール渦巻側に対面する揺動ス
クロールにより規制したものである。
【0101】これによって、固定スクロールの軸方向移
動量を固定スクロールと高低圧セパレータの隙間及び固
定スクロールと揺動スクロールの最小距離を管理して設
定できる。したがって、固定スクロールの軸方向への所
要の移動量を容易に設定することができ、さらに組立工
程と部品点数を節約することができ、スクロール圧縮機
の作動信頼性と生産性を向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1を示す図で、後述する図
9に相当するスライダー軸受箇所の平面図。
【図2】 この発明の実施例2を示す縦断面図。
【図3】 図2の固定スクロールの支持機構箇所を分解
して示す斜視図。
【図4】 この発明の実施例3を示す図で、前述の図3
相当図。
【図5】 この発明の実施例4を示す図で、前述の図3
要部相当図。
【図6】 図5の固定スクロールにおける荷重状況を説
明する斜視図。
【図7】 この発明の実施例6を示す図で、前述の図3
要部相当図。
【図8】 従来のスクロール圧縮機を示す縦断面図。
【図9】 図9は図8のスライダー軸受箇所の拡大平面
図。
【図10】 図10は図8の固定スクロールの支持機構
箇所を分解して示す斜視図。
【符号の説明】
1 密閉容器、2 固定スクロール、4,12 台板、
5 固定渦巻歯、11揺動スクロール、13 圧縮室、
14 揺動渦巻歯、15 ボス部、16 フレーム、1
8 高低圧セパレータ、19 背圧室、22 軸、25
スライダー軸受、26 板ばね、32 支持機構、4
4 ガイドピン、45,46 リーマ孔、47 連結手
段。
フロントページの続き (72)発明者 中村 利之 鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱電機株式 会社住環境研究開発センター内 (72)発明者 藤原 弘之 和歌山市手平6丁目5番66号 三菱電機株 式会社和歌山製作所内 (72)発明者 小林 教秀 和歌山市手平6丁目5番66号 三菱電機株 式会社和歌山製作所内 (72)発明者 豊田 憲彦 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術センター内 (72)発明者 原 正一郎 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術センター内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台板及びこの台板に配置された固定渦巻
    歯が設けられた固定スクロールと、上記固定渦巻歯に対
    向して配置された台板及びこの台板に設けられて上記固
    定渦巻歯と係合して圧縮室を形成する揺動渦巻歯が装備
    され、駆動されて上記固定スクロールに対して揺動運動
    する揺動スクロールと、上記固定スクロールの反上記揺
    動スクロール側に配置されて上記固定スクロールの台板
    との間に背圧室を形成する高低圧セパレータと、上記背
    圧室への上記圧縮室からの中間圧及び吐出圧により押付
    け力を発生し、この押付け力により上記固定スクロール
    を上記揺動スクロール方向に移動させて上記固定スクロ
    ールの軸方向の密封性を保持し、かつ上記圧縮室が上記
    背圧室よりも高圧になったときには上記押付け力に抗し
    て上記固定スクロールを反上記揺動スクロール方向に移
    動させて上記圧縮室が圧力リリーフされる支持機構と、
    上記揺動スクロールのボス部と上記揺動スクロールを駆
    動する軸の間に配置されて回転力を伝達すると共に、軸
    方向と直交する方向において上記揺動スクロールの偏心
    方向に対して上記揺動スクロールの公転方向と反対方向
    に傾斜した方向にスライドして上記固定スクロール及び
    揺動スクロールの渦巻歯相互の半径方向隙間を閉塞する
    スライダー軸受とを備えたスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 台板及びこの台板に配置された固定渦巻
    歯が設けられた固定スクロールと、上記固定渦巻歯に対
    向して配置された台板及びこの台板に設けられて上記固
    定渦巻歯と係合して圧縮室を形成する揺動渦巻歯が装備
    され、駆動されて上記固定スクロールに対して揺動運動
    する揺動スクロールと、上記固定スクロールの反上記揺
    動スクロール側に配置されて上記固定スクロールの台板
    との間に背圧室を形成する高低圧セパレータと、上記背
    圧室への上記圧縮室からの中間圧及び吐出圧により押付
    け力を発生し、この押付け力により上記固定スクロール
    を上記揺動スクロール方向に移動させて上記固定スクロ
    ールの軸方向の密封性を保持し、かつ上記圧縮室が上記
    背圧室よりも高圧になったときには上記押付け力に抗し
    て上記固定スクロールを反上記揺動スクロール方向に移
    動させて上記圧縮室が圧力リリーフされる支持機構と、
    凹所に上記揺動スクロールが嵌合状態に配置されて上記
    揺動スクロールを径方向及び軸方向に支持するフレーム
    と、一部が上記固定スクロールに係止されて他部は上記
    高低圧セパレータ及びフレームの間に挟圧状態に係止さ
    れて、上記フレームに対して上記固定スクロールを径方
    向には所定位置に軸方向には変位可能に支持する板ばね
    とを備えたスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 大小2枚の環状板を平面において相互間
    に空隙を形成する同心に配置し複数箇所で半径方向に橋
    絡した形状に一体に形成されて、内側の上記環状板が固
    定スクロールに係止され外側の上記環状板は高低圧セパ
    レータ及びフレームの間に挟圧状態に係止された板ばね
    としたことを特徴とする請求項2記載のスクロール圧縮
    機。
  4. 【請求項4】 固定スクロールの高低圧セパレータ側の
    面に装着された板ばねと、フレームの凹所に少ない空隙
    で台板が嵌合された上記固定スクロールとを備えたこと
    を特徴とする請求項2記載のスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 固定スクロール台板の固定渦巻歯側の面
    に装着された板ばねと、高低圧セパレータの凹所に少な
    い空隙で上記台板が嵌合された上記固定スクロールとを
    備えたことを特徴とする請求項2記載のスクロール圧縮
    機。
  6. 【請求項6】 台板及びこの台板に配置された固定渦巻
    歯が設けられた固定スクロールと、上記固定渦巻歯に対
    向して配置された台板及びこの台板に設けられて上記固
    定渦巻歯と係合して圧縮室を形成する揺動渦巻歯が装備
    され、駆動されて上記固定スクロールに対して揺動運動
    する揺動スクロールと、上記固定スクロールの反上記揺
    動スクロール側に配置されて上記固定スクロールの台板
    との間に背圧室を形成する高低圧セパレータと、上記背
    圧室への上記圧縮室からの中間圧及び吐出圧により押付
    け力を発生し、この押付け力により上記固定スクロール
    を上記揺動スクロール方向に移動させて上記固定スクロ
    ールの軸方向の密封性を保持し、かつ上記圧縮室が上記
    背圧室よりも高圧になったときには上記押付け力に抗し
    て上記固定スクロールを反上記揺動スクロール方向に移
    動させて上記圧縮室が圧力リリーフされる支持機構と、
    上記揺動スクロールを径方向及び軸方向に支持するフレ
    ームと、一部が上記固定スクロールに係止されて他部は
    上記高低圧セパレータ及びフレームのいずれかに係止さ
    れ、上記固定スクロールを径方向には所定位置に軸方向
    には変位可能に支持する板ばねと、上記固定スクロール
    及び高低圧セパレータの両者を連結して、上記両者の径
    方向及び回動方向の相対変位を所定位置に阻止し、軸方
    向には相対変位可能に保持する連結手段とを備えたスク
    ロール圧縮機。
  7. 【請求項7】 固定スクロール及び高低圧セパレータそ
    れぞれのリーマ孔に嵌合されたガイドピンからなる連結
    手段としたことを特徴とする請求項6記載のスクロール
    圧縮機。
  8. 【請求項8】 密閉容器内に装備された台板及びこの台
    板に配置された固定渦巻歯が設けられた固定スクロール
    と、上記固定渦巻歯に対向して配置された台板及びこの
    台板に設けられて上記固定渦巻歯と係合して圧縮室を形
    成する揺動渦巻歯が装備され、駆動されて上記固定スク
    ロールに対して揺動運動する揺動スクロールと、上記密
    閉容器に溶接されて上記固定スクロールの反上記揺動ス
    クロール側に配置されて上記固定スクロールの台板との
    間に背圧室を形成する高低圧セパレータと、上記背圧室
    への上記圧縮室からの中間圧及び吐出圧により押付け力
    を発生し、この押付け力により上記固定スクロールを上
    記揺動スクロール方向に移動させて上記固定スクロール
    の軸方向の密封性を保持し、かつ上記圧縮室が上記背圧
    室よりも高圧になったときには上記押付け力に抗して上
    記固定スクロールを反上記揺動スクロール方向に移動さ
    せて上記圧縮室が圧力リリーフされる支持機構と、凹所
    に上記揺動スクロールが嵌合状態に配置されて上記揺動
    スクロールを径方向及び軸方向に支持するフレームと、
    一部が上記固定スクロールに係止されて他部は上記高低
    圧セパレータに係止され、上記フレームに対して上記固
    定スクロールを径方向には所定位置に軸方向には変位可
    能に支持する板ばねとを備えたスクロール圧縮機。
  9. 【請求項9】 固定スクロールの軸方向変位を一方は上
    記固定スクロールの台板背面に対面した高低圧セパレー
    タにより規制し、他方は上記固定スクロール渦巻側に対
    面する揺動スクロールにより規制したことを特徴とする
    スクロール圧縮機。
JP7134595A 1995-03-29 1995-03-29 スクロール圧縮機 Pending JPH08270576A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20120029147A (ko) * 2010-09-16 2012-03-26 한라공조주식회사 전동식 압축기
CN102777382A (zh) * 2011-05-09 2012-11-14 阿耐思特岩田株式会社 涡旋式流体机械
JP2013245566A (ja) * 2012-05-23 2013-12-09 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機

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