JP2000337276A - スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法 - Google Patents
スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法Info
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Abstract
差運動を極力小さくし、洩れのない高効率でかつ揺動軸
受や主軸受に片当たりが生じない高信頼性のスクロール
圧縮機を得ること。 【解決手段】 ガイドフレームの上嵌合円筒面とコンプ
ライアントフレームの上嵌合面円筒面が係合される上嵌
合部における両上嵌合円筒面間の直径隙間と、ガイドフ
レームの下嵌合円筒面とコンプライアントフレームの下
嵌合面円筒面が係合される下嵌合部における両下嵌合円
筒面間の直径隙間とを、コンプライアントフレームの傾
斜による渦巻歯先隙間からの洩れが少なくなるようにほ
ぼ等しく設定したものである。
Description
機等に用いられるスクロール圧縮機に関するものであ
る。
モーメントバランスを採りながら軸線方向に可動である
スクロール圧縮機、いわゆるフレームコンプライアント
スクロール圧縮機は、例えば出願人が出願した特願平9
−268579号に示されている。
示す図で、図10はスクロール圧縮機の要部断面図、図
11は同じくスクロール圧縮機の要部断面図、図12は
主軸受負荷方向についての説明図である。図10に示す
ように、コンプライアントフレーム3の上嵌合円筒面3
dと下嵌合円筒面3eは、それぞれ係合されるガイドフ
レーム15の上嵌合円筒面15aと下嵌合円筒面15b
に対して、半径方向に小さな隙間を持ってインローされ
ている。
半径方向には主軸受が主軸より受ける負荷方向にその隙
間分だけ移動し、その主軸受負荷方向で上下両嵌合円筒
面3d,3eがそれぞれ係合するガイドフレーム15の
上下嵌合円筒面15a,15bと接している。主軸受負
荷方向は1回転中360°連続的に変化するので、コン
プライアントフレーム3はガイドフレーム15内で微小
な揺動公転運動をしていることになる。
eは圧縮機としての構成上からも、そして部品単体の剛
性や加工性といった点からも同径ではなく、下嵌合円筒
面3eの径より上嵌合円筒面3dの径を大きくしてい
る。
級では径が大きい方が公差幅(寸法許容差)が大きいた
め、両フレームの上嵌合円筒面と下嵌合円筒面のそれぞ
れの嵌合部の半径方向の隙間に差が生ずる。このように
上嵌合円筒面と下嵌合円筒面のそれぞれの係合部の半径
方向の隙間に差が生じた場合、主軸受負荷方向に移動し
たコンプライアントフレーム3は、隙間の小さい方の嵌
合円筒面が先に対応するガイドフレーム15の嵌合円筒
面に接し、その接触部の端部を支点に、残った隙間の大
きい方の嵌合円筒面が対応するガイドフレーム15の嵌
合円筒面に接するまで傾斜することなる。
各部隙間や傾きについて説明のために誇張して描いてお
り、またそのために固定スクロールの板状渦巻歯や主軸
等の一部部品の図示を省略している。図10は両上嵌合
円筒面3d,15a間の隙間が両下嵌合円筒面間3e,
15bの隙間より大きい場合であり、コンプライアント
フレーム3は隙間の小さい下嵌合面円筒面3eの接触部
の軸線方向上端を支点として、上嵌合円筒面3dが主軸
受負荷方向に向かって傾斜する。そしてコンプライアン
トフレーム3にスラスト軸受3aを介して圧接している
揺動スクロール2も同じ方向に同傾斜量傾く。
間の方が両上嵌合円筒面3d,15a間の隙間より大き
い場合には、コンプライアントフレーム3の傾斜方向は
図10とは逆向きになる。
60°常に変化するので、コンプライアントフレーム3
は主軸受負荷方向に傾斜した歳差運動を行うことにな
り、コンプライアントフレーム3にスラスト軸受を介し
て圧接している揺動スクロール2も同様な歳差運動を行
う。
ロールの板状渦巻歯の歯先には歳差運動により反傾斜方
向の外周側一点が接触し、その180°反対側の傾斜し
た方向の外周で最大歯先隙間dmとなる歯先隙間が1回
転中360°その方向を常に変化させながら生じるの
で、洩れによる体積効率の低下や損失の増加という性能
面での不具合と、コンプライアントフレーム3と揺動ス
クロール2が傾斜することで揺動軸受2cが主軸の偏心
軸部と、主軸受が主軸の主軸部と片当たりを起こして焼
き付くという信頼性面での不具合が発生する第1の問題
点があった。
コンプライアントフレーム3は半径方向には両嵌合円筒
面の隙間の間で、また軸線方向にはリリーフ移動量の間
でばたつき、そのときに図11に示すように上嵌合円筒
面3dと下嵌合円筒面3eの2つの係合面が、円筒面で
あるが故に傾斜した状態でそれぞれを係合するガイドフ
レーム15の両嵌合円筒面との間でこじてしまう。
5aの係合部の上端と180°反対側での両下嵌合円筒
面3e,15b間の係合部の下端との接触状態でこじて
しまい、コンプライアントフレーム3がそのまま全く動
かなくなってしまう状態が起こり得る。こうなると両ス
クロールの板状渦巻歯の歯先にはこじて傾斜した方向で
最大となる歯先隙間が生じてしまい、洩れによる体積効
率の低下や損失の増加といった性能面での不具合と、コ
ンプライアントフレーム3と揺動スクロール2が傾斜し
ていることで揺動軸受が主軸の偏心軸部と、主軸受が主
軸の主軸部と片当たりを起こして焼き付くといった信頼
性面での不具合が発生する第2の問題点があった。
問題点において述べた傾斜方向とは異なりその方向は1
回転中変化しない。また、図10と同様に、図11も各
部隙間や傾きについて説明のために誇張して描いてお
り、またそのために固定スクロールの板状渦巻歯や主軸
等の一部部品の図示を省略している。
3は、上記した通り微小な揺動公転運動を行っており、
主軸受負荷方向に両嵌合円筒面の隙間分だけ半径方向へ
の移動をするが、この主軸受負荷方向を図12に示すよ
うに揺動スクロール2に作用する遠心力方向(揺動スク
ロール2の偏心方向)とその方向から主軸の反回転方向
に90°ずれた揺動スクロール2に作用するガス負荷方
向からなる座標で分解すると、ガス負荷方向には揺動ス
クロール2に作用するガス負荷方向と同一向きに、遠心
力方向には3個のバランサの存在により揺動スクロール
2に作用する遠心力方向とは逆向きに作用していること
になる。
軸受負荷方向への移動を、揺動スクロール2の偏心方向
についてだけで見た場合、コンプライアントフレーム3
は反偏心方向に移動していることになる。そしてコンプ
ライアントフレーム3にスラスト軸受を介して圧接して
いる揺動スクロール2も同様に反偏心方向に移動するた
め、両スクロールの板状渦巻歯側面の半径方向隙間がそ
の反偏心方向への移動量分拡大することになり、洩れに
よる体積効率の低下や損失の増加といった性能面での不
具合が生じる第3の問題点があった。
になされたもので、定常運転中のコンプライアントフレ
ームの歳差運動を極力小さくし、洩れのない高効率でか
つ揺動軸受や主軸受に片当たりが生じない高信頼性のス
クロール圧縮機を得ることを目的とする。
いた後でも、コンプライアントフレームの確実な動作安
定性を保証し、洩れのない高効率でかつ揺動軸受や主軸
受に片当たりが生じない高信頼性のスクロール圧縮機を
得ることを目的とする。
な揺動公転運動があっても両スクロールの板状渦巻歯の
半径方向隙間を極力小さくし、洩れのない高効率なスク
ロール圧縮機を得ることを目的とする。
ル圧縮機は、密閉容器内に設けられ、それぞれ台板上の
板状渦巻歯が圧縮室を形成するように互いに組み合わさ
れた固定スクロール及び揺動スクロールと、この揺動ス
クロールを軸線方向に支持するスラスト軸受及び前記揺
動スクロールを駆動する主軸を半径方向に支持する主軸
受を有し、外周に互いに独立した上嵌合円筒面及び下嵌
合円筒面の2つの係合円筒面を有するコンプライアント
フレームと、このコンプライアントフレームの2つの係
合円筒面のそれぞれと係合する互いに独立した上嵌合円
筒面及び下嵌合円筒面を内周に有し、前記コンプライア
ントフレームをこれら2つの係合円筒面により半径方向
に支持するガイドフレームと、を備え、ガイドフレーム
の上嵌合円筒面とコンプライアントフレームの上嵌合面
円筒面が係合される上嵌合部における両上嵌合円筒面間
の直径隙間と、ガイドフレームの下嵌合円筒面とコンプ
ライアントフレームの下嵌合面円筒面が係合される下嵌
合部における両下嵌合円筒面間の直径隙間とを、コンプ
ライアントフレームの傾斜による渦巻歯先隙間からの洩
れが少なくなるようにほぼ等しく設定したものである。
圧縮機において、ガイドフレームとコンプライアントフ
レームとの上嵌合部における直径隙間と下嵌合部におけ
る直径隙間とを、コンプライアントフレームが傾斜した
場合の最大歯先隙間が10μm以下になるように設定し
たものである。
法は、請求項1記載のスクロール圧縮機の組立方法であ
って、ガイドフレームの上嵌合円筒面及び下嵌合円筒面
のそれぞれの内径を寸法測定し、同様にコンプライアン
トフレームの上嵌合円筒面及び下嵌合円筒面のそれぞれ
の外径を寸法測定し、その寸法測定結果から上嵌合部と
下嵌合部の直径隙間がコンプライアントフレームの傾斜
による板状渦巻歯の歯先隙間洩れが少なくなるようにほ
ぼ等しくなるようなガイドフレーム及びコンプライアン
トフレームの組み合わせを選択して組み立てるものであ
る。
容器内に設けられ、それぞれ台板上の板状渦巻歯が圧縮
室を形成するように互いに組み合わされた固定スクロー
ル及び揺動スクロールと、この揺動スクロールの台板の
板状渦巻歯とは反対側の面に突出した中空円筒状ボス部
内周に形成される揺動軸受に嵌合される偏心軸部を有
し、前記揺動スクロールを駆動する主軸と、揺動スクロ
ールを軸線方向に支持するスラスト軸受及び主軸を半径
方向に支持する主軸受を有し、外周に互いに独立した上
嵌合円筒面及び下嵌合円筒面の2つの係合円筒面を有す
るコンプライアントフレームと、このコンプライアント
フレームの2つの係合円筒面をそれぞれ係合する互いに
独立した上嵌合円筒面及び下嵌合円筒面を内周に有し、
前記コンプライアントフレームをこれら2つの係合円筒
面により半径方向に支持するガイドフレームと、コンプ
ライアントフレームに設けられ、上嵌合円筒面及び下嵌
合円筒面の軸線方向と直交し、スラスト軸受とは反対側
の面に形成されたコンプライアントフレーム側リリーフ
管理面と、ガイドフレームに設けられ、コンプライアン
トフレームのリリーフ管理面と対向するように同じく軸
線方向と直交するように形成されたガイドフレーム側リ
リーフ管理面と、を備え、圧縮機停止時にはこれら両リ
リーフ管理面が接触し、定常運転時にはコンプライアン
トフレームが浮上し、固定スクロール及び揺動スクロー
ルの板状渦巻歯の対向する歯先と歯底が接触し、その時
に両リリーフ管理面間にはリリーフ量δなる間隙が形成
され、両フレームの上嵌合円筒面が係合する上嵌合部の
係合端部のうち固定スクロール側の端部と、下嵌合円筒
面が係合する下嵌合部の係合端部のうち固定スクロール
からは遠い側の端部との間の軸線方向距離をLa、上嵌
合部における両上嵌合円筒面間の直径隙間をdu、下嵌
合部における両下嵌合円筒面間の直径隙間をds、揺動
スクロールの揺動軸受中心と揺動スクロール板状渦巻歯
の巻き終わりから180°中心側に戻った点の外向面と
の間の水平方向距離をLb、主軸の偏心軸部の主軸軸線
に対する偏心量をRh、コンプライアントフレームのリ
リーフ管理面の外周径をDcとした場合、 ((du+ds)/2)/La > δ/(Dc/2−
Rh+Lb) の関係を満たすものである。
容器内に設けられ、それぞれ台板上の板状渦巻歯が圧縮
室を形成するように互いに組み合わされた固定スクロー
ル及び揺動スクロールと、この揺動スクロールの台板の
板状渦巻歯とは反対側の面に突出した中空円筒状ボス部
内周に形成される揺動軸受に嵌合される偏心軸部を有
し、揺動スクロールを駆動する主軸と、揺動スクロール
を軸線方向に支持するスラスト軸受及び主軸を半径方向
に支持する主軸受を有し、外周に嵌合円筒面を有するコ
ンプライアントフレームと、このコンプライアントフレ
ームの嵌合円筒面を係合する嵌合円筒面を内周に有し、
コンプライアントフレームを嵌合円筒面により半径方向
に支持するガイドフレームと、を備え、主軸の偏心軸部
の主軸軸線に対する偏心量をRh、板状渦巻歯より幾何
学的に決定される揺動スクロールの理論公転半径をRc
とした場合、Rh≧Rcであることを特徴とするもので
ある。
法は、請求項5記載のスクロール圧縮機の組立方法であ
って、ガイドフレームの嵌合円筒面とコンプライアント
フレームの嵌合円筒面が係合される嵌合部における両嵌
合円筒面間の直径隙間に応じて前記偏心軸の偏心量Rh
の大きさを変化させるとともに、直径隙間に応じてその
直径隙間に対応した偏心量の偏心軸部を有する主軸を選
択して組み立てるものである。
面を参照して説明する。 実施の形態1.図1〜4は実施の形態1を示す図で、ス
クロール圧縮機の縦断面図、図2は図1の要部断面図、
図3は図2のコンプライアントフレームが主軸受負荷方
向に移動し、ガイドフレームに接触した時の説明図、図
4は揺動スクロールの板状渦巻歯の各寸法を示す説明図
である。尚、図2及び図3において、各部隙間は説明の
ために誇張して描いており、また、固定スクロールの板
状渦巻歯や主軸等の一部部品の図示を省略している。
作を説明する。図1において、1は固定スクロールであ
り、その外周部がガイドフレーム15にボルト(図示せ
ず)締結により固定されている。また、台板部1aの一
方の面(図10において下側)には板状渦巻歯1bが形
成されていると共に、渦巻歯1bの外側には2個1対の
オルダム案内溝1cがほぼ一直線上に形成され、オルダ
ムリング9の固定スクロール側爪9aが往復摺動自在に
係合されている。さらに固定スクロール1の側面方向
(図1において右側)からは吸入管18が、密閉容器1
0を貫通して固定スクロール1の外周部に圧入されてい
る。
一方の面(図1において上側)には固定スクロール1の
板状渦巻歯1bと組み合わされ圧縮室1dを形成する板
状渦巻歯2bが形成されている。また台板部2aの板状
渦巻歯2bと反対側の面(図1において下側)の中央部
には中空円筒形状のボス部2fが形成されており、その
ボス部2fの内周面には揺動軸受2cが形成されてい
る。そしてボス部2fの外周には、コンプライアントフ
レーム3に一体的に、あるいは別体で形成されコンプラ
イアントフレーム3に固定されるスラスト軸受3aと圧
接摺動可能なスラスト面2dが形成されている。さらに
揺動スクロール2の台板部2aの外周側には、前記固定
スクロール1のオルダム案内溝1cとほぼ90度の位相
差を持つ2個1対のオルダム案内溝2eがほぼ一直線上
に形成されており、オルダムリング9の揺動スクロール
爪9bが往復摺動自在に係合されている。
は、電動機によって回転駆動される主軸4を半径方向に
支持する主軸受3c及び補助主軸受3hが形成されてい
る。ガイドフレーム15はその外周面15gが焼嵌めや
溶接等によって密閉容器10に固着されているものの、
その外周面には部分的に切欠き部15cが設けられてお
り、固定スクロール1の外周面に設けられた切欠き部1
hとともに、吐出ポート1fから吐出される高圧の冷媒
ガスを、ガイドフレーム15より電動機側(図10にお
いて下側)に設けられた吐出管17に導く流路を形成し
ている。またガイドフレーム15の内周の複数の円筒面
のなかにあって、固定スクロール側(図10において上
側)には、上嵌合円筒面15aが形成され、コンプライ
アントフレーム3の外周の複数の円筒面のなかで、最も
径の大きい円筒面に形成された上嵌合円筒面3dと係合
されている。
の円筒面の中にあって、上嵌合円筒面15aより電動機
側(図1において下側)には、下嵌合円筒面15bが形
成されており、コンプライアントフレーム3の外周の下
嵌合円筒面3eと係合され、主軸受3cを挟んで上下の
2つの嵌合円筒面間の係合により、コンプライアントフ
レーム3はガイドフレーム15に半径方向に支持され
る。またコンプライアントフレーム3は主軸4に連動し
て自転しないように、ガイドフレーム15あるいは固定
スクロール1に直接あるいは間接的にピン(図示せず)
等で連結され、自転運動を拘束される。
シール材を収納するシール溝が形成された円筒面が上下
に2ヶ所あり、これらシール溝には上シール材16a及
び下シール材16bが収納され、それぞれ対向するコン
プライアントフレーム3の外周面に接している。そして
これら2つのシール材16a,16bとガイドフレーム
15内周面とコンプライアントフレーム3外周面とによ
って空間15fが形成され、この空間15fを以降フレ
ーム空間15fと呼ぶ。フレーム空間15fは、コンプ
ライアントフレーム3に形成された均圧孔3iを介し
て、スラスト軸受3aの内側にあって主軸バランサ4e
が回転運動するボス部外側空間2hと連通している。な
お上シール材16a及び下シール材16bを収納するシ
ール溝をコンプライアントフレーム3の外周面に設ける
場合もある。またオルダムリング9が設置されるスラス
ト軸受3aの外周側の空間2i(以下台板外周部空間2
iと呼ぶ)は、両スクロールの板状渦巻歯の外周巻終わ
り近傍である吸入空間1gと連通しているので、吸入圧
力(低圧)雰囲気となっている。
上側)端部には、揺動スクロール2の揺動軸受2cと回
転自在に係合する、主軸4の軸心とは偏心量Rhだけ偏
心した軸心を有する円筒状の偏心軸部4bが形成されて
いる。この偏心量Rhは両スクロールの板状渦巻歯の側
面接触を避けるために、通常両スクロールの板状渦巻歯
の形状から幾何学的に決定される揺動スクロールの理論
公転半径Rcよりもわずかに小さく設定されている。ま
た主軸4には主軸バランサ4eが焼嵌められており、さ
らにコンプライアントフレーム3の主軸受3c及び補助
主軸受3hと回転自在に係合する主軸部4cが形成され
ている。
ム6に形成される副軸受6aと回転自在に係合する副軸
部4dが形成されており、この副軸部4dと前述した主
軸部4cとの間にバランサ8a,8bを有する電動機回
転子8が焼嵌められている。前述した主軸バランサ4e
と合わせて3個のバランサによって静的及び動的な釣り
合いが図られている。さらに、主軸4の下端面にオイル
パイプ4fが圧入されており、オイルパイプ4fの反主
軸4側の開口部は密閉容器10の底部に溜まった冷凍機
油10e内に浸かっている。密閉容器10の側面にはガ
ラス端子10fが取り付けれており、電動機固定子7か
らのリード線が接合されている。
媒ガスは吸入管18から固定スクロール1及び揺動スク
ロール2の板状渦巻歯1b、2bで形成される圧縮室1
dに入り、よく知られたスクロールの圧縮行程によっ
て、吸入冷媒ガスは高圧となり、固定スクロール1の吐
出ポート1fより密閉容器10内に吐出される。吐出さ
れた高圧な冷媒ガスは密閉容器内空間10dを吐出圧
(高圧)雰囲気とし、吐出管17から圧縮機外に放出さ
れる。
なるので、密閉容器10底部の冷凍機油10eは、後述
するように給油経路の終端が吸入圧力雰囲気とつながる
ため、圧力差によりオイルパイプ4f、主軸4に軸方向
に貫通して設けられた給油穴4gを経由して、偏心軸部
4b上端と揺動スクロール2のボス部2f内側に囲まれ
た中空空間2gに導かれる。そしてここまで導かれた高
圧な冷凍機油は揺動軸受2cに供給され、そこでの絞り
作用により減圧され中間圧となり、ボス部外側空間2h
に流出する。中間圧となった冷凍機油は、均圧孔3iを
通ってフレーム空間15fを満たし、図示されない中間
圧調整弁を経由して吸入圧力雰囲気である台板外周部空
間2iに開放され、吸入空間1gを経て、低圧の吸入冷
媒ガスとともに圧縮室1dに入る。そして冷媒ガスとと
もに吐出ポート1fから吐出され、密閉容器10内で冷
媒ガスと分離されて再び密閉容器10の底部に戻る。
ム空間15fは運転時、中間圧雰囲気となっている。さ
てコンプライアントフレーム3には、揺動スクロール2
及びスラスト軸受3aを介して、圧縮作用によるスラス
トガス力と、ボス部外側空間2hの中間圧力に起因する
力の合計が、図1において下向きの力として作用する。
また一方でコンプライアントフレーム3にはフレーム空
間15fの中間圧に起因する力と、吐出圧(高圧)雰囲
気である密閉容器内空間10dに臨んでいる下端面15
dに作用する吐出圧に起因する力の合計が上向きの力と
して作用する。
下向きの力より大きくなるように設定されており、この
ためコンプライアントフレーム3は上嵌合円筒面3dを
ガイドフレーム15の上嵌合円筒面15aに、下嵌合円
筒面3eをガイドフレーム15の下嵌合円筒面15bに
案内されて、固定スクロール1側(図1において上側)
に浮上する。そしてスラスト軸受3aを介してコンプラ
イアントフレーム3に圧接している揺動スクロール2
も、コンプライアントフレーム3の浮上に伴い浮上し、
その板状渦巻歯2bの歯先と歯底は、対向する固定スク
ロール1の板状渦巻歯1bの歯先と歯底に接触し、定常
運転時には洩れの極めて少ない圧縮が実現される。
が大きくなるため、前記した下向きの力の方が上向きの
力より大きくなり、浮上していたコンプライアントフレ
ーム3は反固定スクロール側(図1において下側)にリ
リーフ移動し、両スクロールの板状渦巻歯1b、2bの
歯先には、対向する歯底との間に比較的に大きな隙間が
生じ、圧縮室1dの異常昇圧は回避される。なおこのと
きのリリーフ移動量δはコンプライアントフレーム3の
リリーフ管理面3fとガイドフレーム15のリリーフ管
理15h間の定常運転時(コンプライアントフレーム3
の浮上状態時)の軸線方向距離で規定される。停止時に
はこの両リリーフ管理面3f、15hが接触していて、
両スクロールの板状渦巻歯1b、2b間には前記のリリ
ーフ移動量δ分の隙間が生じている。そして定常運転時
にはコンプライアントフレーム3はリリーフ移動量δ分
だけ浮上し、このときの両リリーフ管理面3f、15h
間の軸線方向距離はリリーフ移動量δだけ離れている。
ロール2に発生する転覆モーメントの一部または全部が
スラスト軸受3aを介して伝達されるが、主軸4から主
軸受3cに作用する軸受負荷と、その軸受負荷の反作用
である2つの反力の合力、すなわち上嵌合円筒面3dに
作用するガイドフレーム15から受ける反力と、下嵌合
円筒面3eに作用するガイドフレーム15から受ける反
力との合力、とによって生じる偶力が前記伝達された転
覆モーメントを打ち消すように作用するので、コンプラ
イアントフレーム3は、非常に良好な定常運転時追随動
作安定性、そしてリリーフ動作安定性を有する。
を参考にしながら説明する。図2に示すφGuはガイド
フレーム15の上嵌合円筒面15aの内径、φGsはガ
イドフレーム15の下嵌合円筒面15bの内径であり、
またφCuはガイドフレーム上嵌合円筒面15aと係合
されるコンプライアントフレーム3の上嵌合円筒面3d
の外径、φCsはガイドフレーム下嵌合円筒面15bと
係合されるコンプライアントフレーム3の下嵌合円筒面
3eの外径である。これより上嵌合部における両上嵌合
円筒面15a、3d間の直径隙間duはφGuからφC
uを引いた値であり、同様に下嵌合部における両上嵌合
円筒面15b、3e間の直径隙間dsはφGsからφC
sを引いた値である。
ル圧縮機においては、これら上下2つの嵌合部の直径隙
間duとdsを等しくしている。このため図3に示すよ
うに、コンプライアントフレーム3が主軸受負荷方向に
移動した場合、コンプライアントフレーム3の上嵌合円
筒面3dがガイドフレーム15の上嵌合円筒面15a
に、そしてコンプライアントフレーム3の下嵌合円筒面
3eがガイドフレーム15の下嵌合円筒面15bに同時
に接触できるので、従来のスクロール圧縮機のようにコ
ンプライアントフレーム3の傾斜は発生しない。
ても常にコンプライアントフレーム3の傾斜は発生せ
ず、すなわちコンプライアントフレーム3の歳差運動は
行われることがないため、コンプライアントフレーム3
にスラスト軸受3aを介して圧接している揺動スクロー
ル2も歳差運動のない常に安定した姿勢で公転される。
そのため揺動スクロール2の板状渦巻歯2bの歯先と歯
底は、対向する固定スクロール1の板状渦巻歯1bと平
行状態となり、コンプライアントフレーム3の浮上に伴
い、揺動スクロール2の板状渦巻歯2bの歯先と歯底
は、対向する固定スクロール1の板状渦巻歯1b歯先と
歯底に全面が接触でき、定常運転時には洩れの極めて少
ない圧縮が実現できる。
完全に等しいことが理想であるが、実際の量産性を考慮
すると僅かながらの差が生じてしまうことは否めない。
コンプライアントフレーム3とそれに伴う揺動スクロー
ル2の歳差運動も傾きがある程度小さければ、圧縮室1
dに冷媒ガスとともに流入する冷凍機油10eによるオ
イルシールによって、両スクロールの板状渦巻歯1b、
2bの歯先隙間からの冷媒ガスの洩れを防止できる。1
〜1.5HPクラスのルームエアコン対象の圧縮機であ
れば、図10に示す反傾斜方向で接触している外周側と
その180°反対側の傾斜した方向の外周との距離であ
る最大歯先隙間dmが6μm程度までは、オイルシール
の効果により、2つの直径隙間du、dsが等しい圧縮
機、すなわち最大歯先隙間dmがほとんどゼロの圧縮機
に対して、体積効率や成績係数の低下はほとんどない。
10μm程度までは体積効率や成績係数は低下するもの
の、オイルシール効果がまだ現れており、許容できる範
囲である。しかし最大歯先隙間dmが10μmを越えて
くると、オイルシールの効果がほとんどなくなり、体積
効率や成績係数の低下は著しい。このため1〜1.5H
Pクラスのルームエアコン対象の圧縮機であれば、上嵌
合部の直径隙間duと下嵌合部の直径隙間dsの差は、
図10に示す最大歯先隙間dmが理想的には6μm以
下、最大で10μmとなる傾きが発生する差まで許容さ
れる。
きい圧縮機では、容量が大きくなるにつれ洩れの感度、
すなわち同一隙間での洩れが体積効率や成績係数に与え
る影響が小さいため、上記の許容される直径隙間の差は
容量が大きくなるほど大きくなる。
の係合部の上端と下嵌合部の係合部の上端との軸線方向
距離をLk、図4に示すように揺動スクロール2の板状
渦巻歯2bの最大外周距離、すなわち巻き終わり外向面
と巻き終わりより180°中心側に戻った位置での外向
面とを結ぶ距離をLyとした場合、 (|du−ds|/2)/Lk = dm/Ly (1) の関係が成立する。
限り等しくするためには、コンプライアントフレーム3
の上嵌合円筒面3dと下嵌合円筒面3eの外径φCuと
φCs、そしてガイドフレーム15の上嵌合円筒面15
aと下嵌合円筒面15bの内径φGuとφGsの各々の
寸法公差を厳しくすなわち公差幅を小さく設定して加工
すればよいが、加工の高精度を要求することになって加
工コストが上昇してしまうし、あるいは寸法誤差による
加工不良品の増大を招く恐れがある。
の圧縮機では、上嵌合円筒面3d及び下嵌合円筒面3e
の外径を寸法測定された複数のコンプライアントフレー
ム3と、同じく上嵌合円筒面15a及び下嵌合円筒面1
5bの内径を寸法測定された複数のガイドフレーム15
の中から、上下嵌合部のそれぞれの直径隙間duとds
が等しくなる両フレームの組み合わせを選択し、そのコ
ンプライアントフレーム3とガイドフレーム15を用い
て組み立てている。
容範囲内になるように、両フレームの組み合わせを、そ
れぞれの嵌合円筒面の寸法測定結果から選択嵌合して組
み立てることで、上記のように該当する嵌合円筒面の寸
法公差を厳しくすることなく、生産性の向上が図れる。
示す図で、図5はスクロール圧縮機の要部縦断面図、図
6は図5のコンプライアントフレームが起動時などの圧
力不安定時にばたついた状態を示す動作説明図、図7は
主軸の偏心軸部の偏心量についての説明図である。尚、
全体的な構成は図1と同様であり、ここでは全体図は省
略するが、図5及び図6の図示されない部分は図1と同
じである。
フレーム3のリリーフ管理面3fの外周径を表し、また
Laは両フレームの上嵌合部の係合部の上端と下嵌合部
の係合部の下端との軸線方向距離である。また、δはコ
ンプライアントフレーム3のリリーフ移動量であるが、
停止時は揺動スクロール2の板状渦巻歯2bの歯先隙間
と同値である。
動スクロール2が傾斜した場合、傾斜した方向のコンプ
ライアントフレーム3のリリーフ管理面3fの外端とそ
の180°反対方向での揺動スクロール2の板状渦巻歯
2bの外向面との法線距離をMとした場合、Mが最大と
なるのは、揺動スクロール2の板状渦巻歯2bの巻き終
わり方向に揺動スクロール2が偏心していて(揺動スク
ロール2の公転角が吸入閉じ込み完了公転角を0°とし
たとき180°の状態)、コンプライアントフレーム3
及び揺動スクロール2が反偏心方向に傾斜している、す
なわち板状渦巻歯2bの巻き終わりが最も早く固定スク
ロールに近づく方向の傾斜の時で、図7に示すように主
軸4の偏心軸部4bの偏心量をRhで表し、また図4に
示すように、揺動スクロール2の揺動軸受2cの中心と
板状渦巻歯2bの巻き終わり外向面との水平方向距離を
Lcで表した場合、最大Mは、 最大M=Dc/2+Rh+Lc (2) となる。
クロール2の板状渦巻歯2bの巻き終わり方向のわずか
手前に揺動スクロール2が偏心している時(揺動スクロ
ール2の公転角が、吸入閉じ込み完了公転角を0°とし
たとき180°直前の時)に、コンプライアントフレー
ム3及び揺動スクロール2が最大時とは逆に偏心方向に
傾斜している、すなわち板状渦巻歯2bの巻き終わりが
固定スクロールから離れる方向の傾斜の時で、図4に示
すように、揺動スクロール2の揺動軸受2cの中心と板
状渦巻歯2bの巻き終わりから180°中心側に戻った
点での外向面との水平方向をLbで表した場合、最小M
は、 最小M=Dc/2−Rh+Lb (3) となる。
合部における両上嵌合円筒面3d、15a間の直径隙間
をdu、下嵌合部における両下嵌合円筒面3e、15b
間の直径隙間をdsで表すとき(直径隙間du、dsの
定義は実施の形態1と同じ)、 ((du+ds)/2)/La > δ/(Dc/2−Rh+Lb) (4) となっている。
動時などの圧力不安定時に大きくばたついた場合でも、
図6に示すようにコンプライアントフレーム3のリリー
フ管理面3fの外周端がガイドフレーム15のリリーフ
管理面15hと、揺動スクロール2の板状渦巻歯2bの
歯先が固定スクロール1の歯底と(傾斜方向や偏心方向
によっては固定スクロール1の板状渦巻歯1bの歯先が
揺動スクロール2の歯底と)が接触することで、ばたつ
きに規制がかけられる。これらは平面同士の接触である
ため、両者がこじてしまうことはない。
アントフレーム3の傾斜角より大きな傾斜角を必要とす
る両上嵌合面3d、15a間の係合部の上端と両下嵌合
円筒面3e、15b間の係合部の下端とが同時に接触し
てしまう状態は決して起こらず、円筒面同士の接触で発
生し得るこじれは発生しない。尚、数式(4)は上記最
小M時において満足しているものであるから、いかなる
偏心方向に揺動スクロール2が位置していようとも、ま
たどの方向にコンプライアントフレーム3及び揺動スク
ロール2が傾斜していようとも、リリーフ管理面と板状
渦巻歯によってばたつきに規制がかけられ、コンプライ
アントフレーム3の上下嵌合円筒面3d、3eがガイド
フレーム15の上下嵌合円筒面15a、15bに対して
こじてしまうことはない。そのため起動時等の圧力不安
定時にコンプライアントフレーム3がばたついてた後で
もコンプライアントフレーム3の確実な動作安定性が保
証される。
間du,dsの値が決定されてからリリーフ移動量δを
決定してもよい。そのとき両リリーフ管理面3f、15
hの間に調整板を入れるようにしておけば、上記関係式
を満足するような厚さの調整板を選択して組み込むこと
で、リリーフ量の調整が容易となり、また確実に(4)
式の関係を満足することができ生産性が向上する。
示す図で、図8はスクロール圧縮機の要部断面図であ
り、図9はインボリュート曲線で形成されている板状渦
巻歯を有する揺動スクロールの渦巻歯形状から幾何学的
に決定される理論公転半径Rcを説明する図である。
尚、全体的な構成は図1と同様であり、図8に図示され
ない部分は図1と同じである。
をP、歯厚をTとしたとき、揺動スクロール2の幾何学
的に決定される理論公転半径Rcは、 Rc=(P−2T)/2 (5) である。図8に示す実施の形態3の圧縮機では、主軸4
の偏心軸部4bの偏心量Rh(図7の定義と同じ)が上
記理論公転半径Rcより大きく設定されている。そのた
めガイドフレーム15の上嵌合円筒面15aとコンプラ
イアントフレーム3の上嵌合面円筒面3dが係合される
上嵌合部の直径隙間duと、ガイドフレーム3の下嵌合
円筒面15bとコンプライアントフレーム3の下嵌合面
円筒面3eが係合される下嵌合部の直径隙間dsのうち
(直径隙間du、dsの定義は実施の形態1と同じ)、
小さい方の隙間の範囲でコンプライアントフレーム3が
主軸受負荷方向に移動する微小な揺動公転運動をする。
に、コンプライアントフレーム3が移動しても、その反
偏心方向への移動量に見合う分だけ、予め偏心軸部4b
の偏心量Rhを理論公転半径Rcより大きく設定してあ
るので、従来のスクロール圧縮機のように両スクロール
の板状渦巻歯1b、2b側面間の半径方向隙間が拡大さ
れることはなく、接触するかしないかの極微小な側面半
径方向隙間を維持しながら運転でき、洩れのない高効率
な運転が実現される。
方向への移動は、主軸受負荷のガス負荷方向成分と反偏
心方向成分の比で決定されるもので、コンプライアント
フレーム3が反偏心方向にだけ移動するものではない。
ガス負荷方向への移動量と反偏心方向への移動量のベク
トル和がコンプライアントフレーム3の移動量で、それ
は両フレームの嵌合円筒面間の直径隙間の半分である。
れば、上記のように偏心軸部4bの偏心量Rhを理論公
転半径Rcよりも大きくせず、Rcと等しくすればよ
い。また、固定スクロール1をガイドフレーム15に装
着する時に偏心軸部4bの偏心量Rhが理論公転半径R
cより大きいと、両スクロールの板状渦巻歯1b、2b
が干渉しそうだが、コンプライアントフレーム3が嵌合
円筒面間の直径隙間duまたはdsの範囲で半径方向に
移動可能であるため、不具合は生じない。
が大きいとコンプライアントフレーム3の反偏心方向へ
の移動量も大きくなるため、偏心軸部4eの偏心量Rh
も大きくする必要がある。このように直径隙間duまた
はdsに適した偏心軸4bの偏心量Rhが存在するわけ
であり、偏心軸部の偏心量Rhが寸法測定された複数の
主軸の中から、その圧縮機の両フレームの嵌合部の直径
隙間duまたはdsに適した主軸4を選択し組み立てれ
ば、確実に板状渦巻歯1b、2b間の側面半径方向隙間
を極小化が図れると共に、コンプライアントフレーム3
の上嵌合円筒面3d及び下嵌合円筒面3eの外径、ガイ
ドフレーム15の上嵌合円筒面15a及び下嵌合円筒面
15bの内径、そして偏心軸部4eの偏心量Rhの寸法
公差を厳しくすなわち公差幅を小さく設定することな
く、生産性の向上が図れる。
スクロール圧縮機について述べたが、横置き型のスクロ
ール圧縮機においても適用でき、同様な効果を得られ
る。また、完全密閉型でなく、自動車空調機用等の主軸
の駆動要素が容器の外に出ている半密閉型のスクロール
圧縮機においても適用でき、同様な効果が得られる。
ば、ガイドフレームの上嵌合円筒面とコンプライアント
フレームの上嵌合面円筒面が係合される上嵌合部におけ
る両上嵌合円筒面間の直径隙間と、ガイドフレームの下
嵌合円筒面とコンプライアントフレームの下嵌合面円筒
面が係合される下嵌合部における両下嵌合円筒面間の直
径隙間とをコンプライアントフレームの傾斜による渦巻
歯先隙間からの洩れが少なくなるようにほぼ等しく設定
したことにより、定常運転中のコンプライアントフレー
ムの歳差運動を極力小さくし、渦巻歯先からの洩れのな
い高効率でかつ揺動軸受や主軸受に片当たりが生じない
高信頼性のスクロール圧縮機が得られる効果がある。
法は、ガイドフレームの上嵌合円筒面及び下嵌合円筒面
のそれぞれの内径を寸法測定し、同様にコンプライアン
トフレームの上嵌合円筒面及び下嵌合円筒面のそれぞれ
の外径を寸法測定し、その寸法測定結果から前記上嵌合
部と下嵌合部の直径隙間がほぼ等しくなるようなガイド
フレーム及びコンプライアントフレームの組み合わせを
選択して組み立てるようにしたことにより、組み立てる
圧縮機のすべての上嵌合部と下嵌合部の直径隙間がコン
プライアントフレームの傾斜による渦巻歯先隙間からの
洩れが少なくなるようにほぼ等しくなっていることで、
高効率で高信頼性を有するスクロール圧縮機を安定して
供給できるとともに、ガイドフレームの上嵌合円筒面及
び下嵌合円筒面のそれぞれの内径及びコンプライアント
フレームの上嵌合円筒面及び下嵌合円筒面のそれぞれの
外径の寸法公差を厳しくすることなく、生産性の向上が
図れる効果がある。
ンプライアントフレームのリリーフ量をδ、両フレーム
の上嵌合円筒面が係合する上嵌合部の係合上端部と、下
嵌合円筒面が係合する下嵌合部の係合下端部との間の軸
線方向距離をLa、前記上嵌合部における両上嵌合円筒
面間の直径隙間をdu、前記下嵌合部における両下嵌合
円筒面間の直径隙間をds、揺動スクロールの揺動軸受
中心と揺動スクロール板状渦巻歯の巻き終わりから18
0°中心側に戻った点の外向面との間の水平方向距離を
Lb、主軸の偏心軸部の主軸軸線に対する偏心量をR
h、コンプライアントフレームのリリーフ管理面の外周
径をDcとした場合、 ((du+ds)/2)/La > δ/(Dc/2−
Rh+Lb) の関係を満たすことにより、揺動スクロールがいかなる
偏心方向に位置していようとも、またどの方向にコンプ
ライアントフレームが傾斜していようとも、リリーフ管
理面と板状渦巻歯のそれぞれの接触によって、コンプラ
イアントフレームのばたつきに規制がかけられるので、
コンプライアントフレームがガイドフレームに対してこ
じることがなく、コンプライアントフレームがばたつい
た後でも、コンプライアントフレームの確実な動作安定
性を保証し、渦巻歯先からの洩れのない高効率でかつ揺
動軸受や主軸受に片当たりが生じない高信頼性のスクロ
ール圧縮機が得られる効果がある。
ば、主軸の偏心軸部の主軸軸線に対する偏心量Rhを、
両スクロールの板状渦巻歯より幾何学的に決定される揺
動スクロールの理論公転半径Rcと等しいか該理論公転
半径Rcよりも大きく設定ことにより、コンプライアン
トフレームの微小な揺動公転運動によって、コンプライ
アントフレームが揺動スクロールの反偏心方向に移動し
たとしても、両スクロールの板状渦巻歯側面の半径方向
隙間を極力小さくでき、渦巻側面から洩れのない高効率
なスクロール圧縮機が得られる効果がある。
法は、ガイドフレームの上下両嵌合円筒面とコンプライ
アントフレームの上下両嵌合円筒面が係合される上下2
つの嵌合部のどちらか一方の嵌合部の両嵌合円筒面間の
直径隙間に応じて主軸の偏心軸の偏心量Rhの大きさを
変化させるとともに、直径隙間に応じてその直径隙間に
対応した偏心量の偏心軸部を有する主軸を選択して組み
立てるようにしたことにより、偏心軸部は組み立てる圧
縮機のすべてが上嵌合部または下嵌合部の直径隙間に適
した偏心量となっていることで、高効率で高信頼性を有
するスクロール圧縮機を安定して供給できるとともに、
ガイドフレームの上嵌合円筒面及び下嵌合円筒面のそれ
ぞれの内径及びコンプライアントフレームの上嵌合円筒
面及び下嵌合円筒面のそれぞれの外径、そして偏心軸部
の偏心量の寸法公差を厳しくすることなく、生産性の向
上が図れる効果がある。
の縦断面図である。
図である。
である。
板状渦巻歯の各寸法を示す説明図である。
の要部縦断面図である。
である。
偏心量についての説明図である。
の要部縦断面図である。
いての説明図である。
ある。
ある。
についての説明図である。
1d 圧縮室、1f吐出ポート、1h 切欠き部、2
揺動スクロール、2a 台板 2b 板状渦巻歯、2c
揺動軸受、2d スラスト面、2e オルダム案内
溝、2f ボス部、2g 中空空間、2h ボス部外側
空間、2i 台板外周部空間、3 コンプライアントフ
レーム、3a スラスト軸受、3c 主軸受、3d 上
嵌合円筒面、3e 下嵌合円筒面、3f リリーフ管理
面、3h 補助主軸受、3i 禁圧孔、4 主軸、4b
偏心軸部、4c 主軸部、4d 副軸部、4e 主軸
バランサ、4f オイルパイプ、4g 給油穴、6 副
フレーム、6a 副軸受、7 電動機固定子、8 電動
機回転子、8a,8b バランサ、9 オルダムリン
グ、9a 固定スクロール側爪、9b 揺動スクロール
側爪、10 密閉容器、10d 密閉容器内空間、10
e 冷凍機油、10f ガラス端子、15 ガイドフレ
ーム、15a 上嵌合円筒面、15b 下嵌合円筒面、
15d 下端面、15f フレーム空間、15h リリ
ーフ管理面。
Claims (6)
- 【請求項1】 密閉容器内に設けられ、それぞれ台板上
の板状渦巻歯が圧縮室を形成するように互いに組み合わ
された固定スクロール及び揺動スクロールと、 この揺動スクロールを軸線方向に支持するスラスト軸受
及び前記揺動スクロールを駆動する主軸を半径方向に支
持する主軸受を有し、外周に互いに独立した上嵌合円筒
面及び下嵌合円筒面の2つの係合円筒面を有するコンプ
ライアントフレームと、 このコンプライアントフレームの2つの係合円筒面のそ
れぞれと係合する互いに独立した上嵌合円筒面及び下嵌
合円筒面を内周に有し、前記コンプライアントフレーム
をこれら2つの係合円筒面により半径方向に支持するガ
イドフレームと、 を備え、前記ガイドフレームの上嵌合円筒面と前記コン
プライアントフレームの上嵌合面円筒面が係合される上
嵌合部における両上嵌合円筒面間の直径隙間と、前記ガ
イドフレームの下嵌合円筒面と前記コンプライアントフ
レームの下嵌合面円筒面が係合される下嵌合部における
両下嵌合円筒面間の直径隙間とを、前記コンプライアン
トフレームの傾斜による渦巻歯先隙間からの洩れが少な
くなるようにほぼ等しく設定したことを特徴とするスク
ロール圧縮機。 - 【請求項2】 1〜1.5HPクラスのスクロール圧縮
機において、 前記ガイドフレームと前記コンプライアントフレームと
の上嵌合部における直径隙間と下嵌合部における直径隙
間とを、前記コンプライアントフレームが傾斜した場合
の最大歯先隙間が10μm以下になるように設定したこ
とを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。 - 【請求項3】 請求項1記載のスクロール圧縮機の組立
方法であって、 ガイドフレームの上嵌合円筒面及び下嵌合円筒面のそれ
ぞれの内径を寸法測定し、同様にコンプライアントフレ
ームの上嵌合円筒面及び下嵌合円筒面のそれぞれの外径
を寸法測定し、その寸法測定結果から上嵌合部と下嵌合
部の直径隙間が前記コンプライアントフレームの傾斜に
よる渦巻歯先隙間からの洩れが少なくなるようにほぼ等
しくなるようなガイドフレーム及びコンプライアントフ
レームの組み合わせを選択して組み立てることを特徴と
するスクロール圧縮機の組立方法。 - 【請求項4】 密閉容器内に設けられ、それぞれ台板上
の板状渦巻歯が圧縮室を形成するように互いに組み合わ
された固定スクロール及び揺動スクロールと、 この揺動スクロールの台板の板状渦巻歯とは反対側の面
に突出した中空円筒状ボス部内周に形成される揺動軸受
に嵌合される偏心軸部を有し、前記揺動スクロールを駆
動する主軸と、 前記揺動スクロールを軸線方向に支持するスラスト軸受
及び前記主軸を半径方向に支持する主軸受を有し、外周
に互いに独立した上嵌合円筒面及び下嵌合円筒面の2つ
の係合円筒面を有するコンプライアントフレームと、 このコンプライアントフレームの2つの係合円筒面をそ
れぞれ係合する互いに独立した上嵌合円筒面及び下嵌合
円筒面を内周に有し、前記コンプライアントフレームを
これら2つの係合円筒面により半径方向に支持するガイ
ドフレームと、 前記コンプライアントフレームに設けられ、前記上嵌合
円筒面及び下嵌合円筒面の軸線方向と直交し、前記スラ
スト軸受とは反対側の面に形成されたコンプライアント
フレーム側リリーフ管理面と、 前記ガイドフレームに設けられ、前記コンプライアント
フレームのリリーフ管理面と対向するように同じく軸線
方向と直交するように形成されたガイドフレーム側リリ
ーフ管理面と、 を備え、圧縮機停止時にはこれら両リリーフ管理面が接
触し、定常運転時には前記コンプライアントフレームが
浮上し、前記固定スクロール及び揺動スクロールの板状
渦巻歯の対向する歯先と歯底が接触し、その時に両リリ
ーフ管理面間にはリリーフ量δなる間隙が形成され、 両フレームの上嵌合円筒面が係合する上嵌合部の係合端
部のうち固定スクロール側の端部と、下嵌合円筒面が係
合する下嵌合部の係合端部のうち固定スクロールからは
遠い側の端部との間の軸線方向距離をLa、前記上嵌合
部における両上嵌合円筒面間の直径隙間をdu、前記下
嵌合部における両下嵌合円筒面間の直径隙間をds、前
記揺動スクロールの揺動軸受中心と揺動スクロール板状
渦巻歯の巻き終わりから180°中心側に戻った点の外
向面との間の水平方向距離をLb、前記主軸の偏心軸部
の主軸軸線に対する偏心量をRh、前記コンプライアン
トフレームのリリーフ管理面の外周径をDcとした場
合、 ((du+ds)/2)/La > δ/(Dc/2−
Rh+Lb) の関係を満たすことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 【請求項5】 密閉容器内に設けられ、それぞれ台板上
の板状渦巻歯が圧縮室を形成するように互いに組み合わ
された固定スクロール及び揺動スクロールと、 この揺動スクロールの台板の板状渦巻歯とは反対側の面
に突出した中空円筒状ボス部内周に形成される揺動軸受
に嵌合される偏心軸部を有し、揺動スクロールを駆動す
る主軸と、 前記揺動スクロールを軸線方向に支持するスラスト軸受
及び前記主軸を半径方向に支持する主軸受を有し、外周
に嵌合円筒面を有するコンプライアントフレームと、 このコンプライアントフレームの嵌合円筒面を係合する
嵌合円筒面を内周に有し、前記コンプライアントフレー
ムを該嵌合円筒面により半径方向に支持するガイドフレ
ームと、を備え、 前記主軸の偏心軸部の主軸軸線に対する偏心量をRh、
前記板状渦巻歯より幾何学的に決定される揺動スクロー
ルの理論公転半径をRcとした場合、Rh≧Rcである
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 【請求項6】 請求項5記載のスクロール圧縮機の組立
方法であって、 前記ガイドフレームの嵌合円筒面と前記コンプライアン
トフレームの嵌合円筒面が係合される嵌合部における両
嵌合円筒面間の直径隙間に応じて前記偏心軸の偏心量R
hの大きさを変化させるとともに、前記直径隙間に応じ
てその直径隙間に対応した偏心量の偏心軸部を有する主
軸を選択して組み立てることを特徴とするスクロール圧
縮機の組立方法。
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JP15091799A JP3863685B2 (ja) | 1999-05-31 | 1999-05-31 | スクロール圧縮機 |
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JP2006228324A Division JP2006342809A (ja) | 2006-08-24 | 2006-08-24 | スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法 |
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JP3863685B2 JP3863685B2 (ja) | 2006-12-27 |
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JP15091799A Expired - Lifetime JP3863685B2 (ja) | 1999-05-31 | 1999-05-31 | スクロール圧縮機 |
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