JPH08270427A - 内燃機関の潤滑油供給装置 - Google Patents

内燃機関の潤滑油供給装置

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JPH08270427A
JPH08270427A JP7671995A JP7671995A JPH08270427A JP H08270427 A JPH08270427 A JP H08270427A JP 7671995 A JP7671995 A JP 7671995A JP 7671995 A JP7671995 A JP 7671995A JP H08270427 A JPH08270427 A JP H08270427A
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JP
Japan
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pressure
lubricating oil
combustion engine
internal combustion
oil
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JP7671995A
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Kazuhiko Takeu
和彦 竹生
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 内燃機関の潤滑油供給装置に関し、内燃機関
の円滑な運転状態を維持するために必要な潤滑能力を、
最小限の消費エネルギで実現する。 【構成】 オイルパンから潤滑油を汲み上げて圧送する
オイルポンプ30をメインオイルギャラリ28に接続す
る。メインオイルギャラリ28に、クランクシャフト軸
受18-1〜18-5のオイルホール20-1〜20-5に潤滑
油を導く潤滑油供給通路22-1〜22-5を連通する。メ
インオイルギャラリ28に圧力調整弁32を接続する。
クランク角の変動に伴うジャーナル部12-1〜12-5
クランクシャフト軸受18-1〜18-5との間、及びクラ
ンクピン16-1〜16-4とコンロッドとの間の潤滑条件
の変動に合わせて、圧力調整弁32を開閉する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の潤滑油供給
装置に係り、特に、内燃機関の運転中に、オイルポンプ
で汲み上げた潤滑油を、潤滑油経路を介して内燃機関の
内部に形成される摺動部に供給する内燃機関の潤滑油供
給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関には、その内部に形成
される種々の摺動部に潤滑油を供給するための潤滑油供
給装置が組み込まれている。例えば特開平5−7931
2号公報には、かかる装置の一例として、内燃機関の負
荷、回転数等に応じて潤滑油の圧力を調整する装置が開
示されている。
【0003】この装置によれば、高負荷・高回転運転時
等、摺動部に厳しい潤滑条件が課される状況下では、潤
滑油が高圧となり、一方、低負荷・低回転時等、摺動部
の潤滑条件が厳しくない状況下では、潤滑油が低圧とな
る。このため、上記公報記載の装置によれば、内燃機関
の運転状態の変動に関わらず、良好な潤滑状態を維持す
るために必要な潤滑油を、少ない消費エネルギで、過不
足なく供給することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関の
内部に形成される摺動部の潤滑条件は、内燃機関の運転
状態に応じた変化を示すと共に、内燃機関のクランク角
の変化に応じた周期的な変化をも示す。従って、過不足
のない潤滑能力を確保するためには、クランク角の変動
に対応した潤滑油の圧力調整を行うことが必要である。
かかる観点によれば、クランク角に応じて潤滑油の圧力
を調整する機能を欠く上記従来の装置は、最大限の潤滑
能力を、最小限の消費エネルギで確保するという要求に
対して、未だ改良の余地を残すものであった。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、内燃機関のクランク角に応じて潤滑油の圧力を
調整することにより、上記の課題を解決する内燃機関の
潤滑油供給装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、内燃機関
の摺動部に潤滑油を供給する内燃機関の潤滑油供給装置
において、クランク角の変動に伴う前記摺動部の潤滑条
件の変動に合わせて、潤滑経路内圧力を変動させる内燃
機関の潤滑油供給装置により達成される。
【0007】
【作用】本発明において、潤滑経路の内圧は、クランク
角の変動に伴う摺動部の潤滑条件に応じて変化する。こ
の場合、内燃機関のクランク角の変動に伴って摺動部の
潤滑条件が変動するのに対応して、潤滑能力がきめ細か
く調整され、定常的な潤滑油の圧力を下げつつ、すなわ
ち、潤滑油の供給に要する定常的な消費エネルギを削減
しつつ、必要十分な潤滑能力が確保されることになる。
【0008】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である内燃機関の
潤滑油供給装置の全体構成図を示す。図1に示すクラン
クシャフト10は、直列4気筒の内燃機関において、ピ
ストンに生ずる往復運動を回転運動に変換するための構
成部品である。同図に示すように、クランクシャフト1
0は、ジャーナル部12-1〜12-5、カウンタウェイト
14-1〜14-8、及びクランクピン16-1-4で構成さ
れている。
【0009】ジャーナル部12-1〜12-5は、クランク
シャフト10の回転軸であり、それぞれ内燃機関のシリ
ンダブロック内に設けられるクランクシャフト軸受18
-1〜18-5によって回転可能に把持される。クランクピ
ン16-1〜16-4は、コネクティングロッド(図示せ
ず)を介してピストンに連結される部分であり、その外
周面は、コネクティングロッドの大端部内に、回動可能
に把持される。また、カウンタウェイト14-1〜14-8
は、クランクピン16-1〜16-4がジャーナル部12-1
〜12-5の中心から偏心して設けられていることに対応
して、クランクシャフト10の軸回りの回転モーメント
のバランスを取るために設けられた部材である。
【0010】内燃機関の運転中に、各気筒に順次燃焼が
生ずると、その結果生ずる燃焼圧が、ピストン及びコネ
クティングロッドを介して、対応するクランクピン16
-1〜16-4にそれぞれ伝達される。その結果、クランク
シャフト10は、ジャーナル部12-1〜12-5を中心と
して回転する。この際、クランクピン16-1〜16-4
コネクティングロッドとの間、及びジャーナル部16-1
〜16-4とクランクシャフト軸受18-1〜18-5との間
では、クランクシャフト10の回転に伴う摺動が生ず
る。
【0011】内燃機関において、円滑な運転状態を確保
し、また、摺動部の磨耗を抑制するためには、これらの
摺動部に、適宜、潤滑油を供給する必要がある。このた
め、本実施例においては、各クランクシャフト軸受18
-1〜18-5にオイルホール20-1〜20-5を設けて、そ
れらに潤滑油供給通路22-1〜22-5を連通させると共
に、クランクシャフト10の内部に、上記のオイルホー
ル20-1〜20-5から供給される潤滑油を細部に分配す
るための通路を設けている。
【0012】ここで、オイルホール20-1〜20-5から
供給される潤滑油を分配する通路は、具体的には、図1
においてジャーナル部12-2、及びクランクピン16-2
の部分に例示するように、ジャーナル部12-1〜12-4
を径方向に貫通するオイルホール24、及びそのオイル
ホール24の一端からクランクピン16-1〜16-4の外
周にかけてクランクシャフト10の内部を斜めに貫通す
るオイルホール26とによって構成される。
【0013】従って、潤滑油供給通路22-1〜22-5
らオイルホール20-1〜20-5を介して、クランクシャ
フト軸受18-1〜18-5の内周側に潤滑油が供給される
と、その後、供給された潤滑油は、直接的に、またはジ
ャーナル部12-1〜12-5を貫通するオイルホール24
を通って、ジャーナル部12-1〜12-5とクランクシャ
フト軸受18-1〜18-5との摺動面に供給され、更に、
オイルホール26を通ってクランクピン16-1〜16-4
とコネクティングロッドとの摺動面に供給される。
【0014】上述した潤滑油供給通路22-1〜22
-5は、内燃機関の内部に形成されるメインオイルギャラ
リ28に連通している。また、メインオイルギャラリ2
8には、オイルパンに貯留される潤滑油を汲み上げて圧
送するオイルポンプ30、及びクランクシャフト10の
回転に連動して開閉し、メインオイルギャラリ28内の
潤滑油をオイルパンに漏出させる圧力調整弁32が連通
している。
【0015】オイルポンプ30は、内燃機関の出力トル
クの一部を動力源として作動するポンプであり、内燃機
関の始動と共に潤滑油の圧送を開始する。従って、内燃
機関が始動すると、オイルポンプ30による潤滑油の圧
送が開始され、その後メインオイルギャラリ28の油圧
が上昇し、クランクシャフト軸受18-1〜18-5とジャ
ーナル部12-1〜12-5との間、及びクランクピン16
-1〜16-4とコネクティングロッドとの間、等への潤滑
油の供給が開始される。
【0016】この際、各摺動部には、オイルポンプ30
から潤滑油供給通路22-1〜22-5に至る潤滑経路内の
圧力が高いほど、多量の潤滑油を供給することができ
る。一方、上記潤滑経路内の圧力を高圧とするために
は、オイルポンプ30に高い負荷を課すことが必要とな
り、その駆動に多量のエネルギが必要となる。すなわ
ち、オイルポンプ30に高い負荷を課した場合、摺動部
に多量の潤滑油を供給することができ、内燃機関におい
て円滑な運転状態を維持することが可能ではあるが、潤
滑油の供給に多量のエネルギが消費されるという弊害が
生ずる。
【0017】これに対して、本実施例の潤滑油供給装置
は、メインオイルギャラリ28に連通した圧力調整弁3
2をクランク角に応じて開閉させることにより潤滑経路
内の圧力をきめ細かく調整し、オイルポンプ30の定常
的負荷を高めることなく、高い潤滑能力を実現する点に
特徴を有している。
【0018】以下、図2乃至図4を参照して、本実施例
の潤滑油供給装置の動作について説明する。図2は、内
燃機関の運転中におけるジャーナル部12-1〜12-5
クランクシャフト軸受18-1〜18-5との相対位置関係
を表す断面図であり、図2(A)〜(D)は、それぞれ
対応する気筒で、吸気工程(ピストン下死点近傍)、圧
縮工程(上死点近傍)、爆発工程(下死点近傍)、排気
工程(上死点近傍)が行われている際の状態を示す。
【0019】図2(A)に示すように、吸気工程におい
てピストンが下死点近傍に到達した状況下では、ピスト
ン等の往復運動系の下死点方向に向かう慣性がクランク
シャフト10に伝達され、ジャーナル部12-1〜12-5
が、クランクシャフト軸受18-1〜18-5の中心から下
方に偏心した状態となる。
【0020】その後、圧縮工程においてピストンが上死
点近傍に到達すると、今度は、ピストン等の往復運動系
の上死点方向に向かう慣性がクランクシャフト10に伝
達され、図2(B)に示すように、ジャーナル部12-1
〜12-5が、クランクシャフト軸受18-1〜18-5の中
心から上方に偏心した状態となる。
【0021】更に、爆発工程、及び排気工程では、上述
した吸気工程、及び圧縮工程に比してピストン等の往復
運動系に大きな慣性が作用するため、図2(C)に示す
如く爆発工程においてピストンが下死点近傍に到達した
場合、及び図2(D)に示す如く排気工程においてピス
トンが上死点近傍に到達した場合は、それぞれ、吸気工
程(同図(A))に比してジャーナル部12-1〜12-5
がクランクシャフト軸受18-1〜18-5の中心から大き
く下方に偏心した状態、及び圧縮工程(同図(B))の
場合に比してジャーナル部12-1〜12-5がクランクシ
ャフト軸受18 -1〜18-5の中心から大きく上方に偏心
した状態が形成される。
【0022】このように、ジャーナル部12-1〜12-5
とクランクシャフト軸受18-1〜18-5との相対位置関
係は、内燃機関のクランク角の変動に伴って変化する。
このため、ジャーナル部12-1〜12-5とクランクシャ
フト軸受18-1〜18-5との間の摺動条件は、内燃機関
のクランク角に応じた周期的な変動を示す。尚、上記2
は、ジャーナル部12-1〜12-5とクランクシャフト軸
受18-1〜18-5との相対位置を表したものであるが、
クランクピン16-1〜16-4とコネクティングロッドと
の間でも同様の関係が成立する。
【0023】つまり、ジャーナル部12-1〜12-5とク
ランクシャフト軸受18-1〜18-5との間、及びクラン
クピン16-1〜16-4とコネクティングロッドとの間等
に形成される摺動部の摺動条件は、内燃機関の運転中に
刻々と変化する性質を有しており、クランク角の変化に
対して一定の条件が維持されるものではない。
【0024】従って、かかる摺動部において、円滑な摺
動状態を実現するためには、必ずしも潤滑経路内の圧力
を定常的に高圧に維持する必要はなく、摺動部において
潤滑条件が厳しくなるクランク角において高い油圧を発
生すれば、十分に円滑な潤滑状態を維持することができ
る。
【0025】これに対して、本実施例の潤滑油供給装置
は、上述の如くクランクシャフト10に連動して開閉す
る圧力調整弁32を備えている。また、この圧力調整弁
32は、上述した各摺動部において特に厳しい摺動条件
が形成される直前のクランク角で閉弁状態となり、他の
クランク角では開弁状態となるように構成されている。
【0026】かかる構成によれば、ジャーナル部12-1
〜12-5とクランクシャフト軸受18-1〜18-5との
間、及びクランクピン16-1〜16-4とコネクティング
ロッドとの間等の摺動部に厳しい摺動条件が課される時
期に、メインオイルギャラリ28、潤滑油供給通路22
-1〜22-5等を含む潤滑経路内に高い油圧を発生させる
ことができる。また、これらの摺動部に課される摺動条
件がさほど厳しくない時期には、潤滑経路の内圧が低圧
となり、オイルポンプ30の負荷を小さく抑制すること
ができる。
【0027】従って、本実施例の潤滑油供給装置によれ
ば、オイルポンプ30の駆動に要する定常的なエネルギ
を十分に小さく抑制しつつ、各摺動部に、摺動条件の厳
しい時期に円滑な摺動状態を維持するに足る十分な潤滑
油を供給することができる。このように、本実施例の潤
滑油供給装置は、少ない消費エネルギで、十分な潤滑能
力を確保するうえで有効である。
【0028】ところで、本実施例の潤滑油供給装置にお
いて、圧力調整弁32は、定常的には開弁状態とされ、
特定のクランク角において急に閉弁状態とされる。圧力
調整弁32が開弁状態である場合には、この圧力調整弁
32を通って、潤滑油がメインオイルギャラリ28から
オイルパンへ向けて流出しているため、上記の如く圧力
調整弁32が急に閉弁されると、その上流側には、いわ
ゆる油撃作用による圧力波が生ずる。
【0029】以下、図3を参照して、油撃作用による圧
力波について説明する。図3は、本実施例の潤滑油供給
装置が備えるメインオイルギャラリ28、潤滑油供給通
路22-1〜22-5等をモデル化して表した長さLの管路
40内に、圧力調整弁32が閉弁した後に圧力波が発生
する原理を説明するための図を示す。
【0030】図3(A)は、圧力調整弁32が閉弁した
直後の管路40の圧力分布を示す。圧力調整弁32が閉
弁する以前は、管路40内に圧力調整弁32に向かう潤
滑油の流れが存在している。かかる状況下で圧力調整弁
32が急に閉弁されると、管路40内の潤滑油は、先ず
圧力調整弁32の直上流部で静止する。その後、管路内
40の上流側に存在する潤滑油は、僅かな時間遅れを伴
って徐々に静止状態となる。この場合、かかる時間遅れ
に起因して、圧力調整弁32付近の圧力は、圧力調整弁
32の閉弁前の潤滑油の圧力p0 (以下、基準圧p0
称す)に比してΔpだけ高圧となる。そして、その圧力
上昇は、正圧の圧力波となって上流側へ速度cで伝搬す
る。
【0031】図3(B)は、上記の如く発生した圧力上
昇波が、管路40の全域に達した後の圧力分布を示す。
上記の如く生じた圧力上昇が、管路40の全域に達する
と、管路40内の圧力が、本来定常的に維持し得る基準
圧p0 に比してΔpだけ高圧側にシフトした状態とな
る。このため、管路40内の圧力分布がかかる状態に達
すると、その後、管路40内の圧力の開放が開始され
る。そして、その圧力開放は、図3(B)に示す如く、
正圧を開放する圧力波となって、伝搬速度cで圧力調整
弁32側に伝搬する。
【0032】図3(C)は、上記の如く発生した圧力開
放波が、圧力調整弁32に到達した後の圧力分布を示
す。圧力開放波の進行過程では、管路40の内圧は、ほ
ぼ基準圧p0 に維持される。また、圧力開放波の進行に
は、管路40からの潤滑油の流出が伴う。このため、圧
力開放波が圧力調整弁32に到達すると、その後、潤滑
油の流出方向の流れが強制的に停止されることになり、
圧力調整弁32の近傍の圧力には、基準圧p0 に比して
Δpだけ低圧となる。そして、その圧力降下は、負圧の
圧力波となって上流側へ速度cで伝搬する。
【0033】図3(D)は、上記の如く発生した圧力降
下波が、管路40の全域に達した後の圧力分布を示す。
上記の如く生じた圧力降下が、管路40の全域に達する
と、管路40内の圧力が、基準圧p0 に比してΔpだけ
低圧側にシフトした状態となる。このため、管路40内
の圧力分布がかかる状態に達すると、その後、管路40
内の圧力を基準圧p0 に回復すべく、管路40への、潤
滑油の流入が開始される。そして、潤滑油の流入は、負
圧を開放する圧力波となって、管路40の全域が基準圧
0 となるまで継続する。以後、圧力調整弁32が開弁
されるまで、上記図3(A)〜図3(D)に示す圧力波
が、適当な減衰を伴いつつ、繰り返し管路40内を進行
する。
【0034】このため、本実施例の潤滑油供給装置が備
える潤滑経路の内部には、圧力調整弁32が閉弁された
後に、図4に示す如く基準圧p0 を中心として、管路の
長さL、及び潤滑油内における波動の伝搬速度cで決ま
る周期4L/cで変動する圧力変動が生じる。従って、
本実施例の潤滑油供給装置においては、オイルポンプ3
0によって定常的に発生される基準圧p0 に対して更に
高い油圧p0 +Δpが、圧力調整弁32の閉弁後、所定
の時間遅れを伴って潤滑経路内に発生することになる。
【0035】かかる特性を受けて、本実施例において
は、ジャーナル部12-1〜12-5とクランクシャフト軸
受18-1〜18-5との間、及びクランクピン16-1〜1
-4とコネクティングロッドとの間等の摺動部において
潤滑条件が厳しくなるタイミングで、上述した油圧p0
+Δpがオイルホール20-1〜20-5に導かれるように
圧力調整弁32の閉弁タイミングが調整されている。
【0036】このため、本実施例の潤滑油供給装置によ
れば、オイルポンプ30の定常的な吐出能力を高圧化す
ることなく、摺動条件の厳しい時期に円滑な摺動状態を
維持するに足る十分な潤滑油を供給することができる。
従って、本実施例の潤滑油供給装置によれば、上述の如
く、摺動条件の厳しくない期間中オイルポンプ30の負
荷が低減されことと相まって、極めて少ない消費エネル
ギで、内燃機関の運転状態を円滑に維持するために十分
な潤滑能力を確保することができる。
【0037】図5は、本実施例の第2の実施例である潤
滑油供給装置の要部構成を表す概念図を示す。本実施例
の潤滑油供給装置においては、上記図1に示すクランク
シャフト10連動式の圧力調整弁32に代えて、アクチ
ュエータ50を駆動源とする往復動式の圧力調整弁52
を用いて、潤滑経路の圧力調整を図っている。
【0038】アクチュエータ50は、電子制御ユニット
54により、電気的に制御されており、例えばPZT等
の圧電素子によって構成することができる。かかる構成
によれば、圧力調整弁52の開閉制御に、クランク角の
みでなく、吸入空気量、機関回転数等をも反映させるこ
とが可能であり、内燃機関のクランク角、運転状態等に
応じた最適な潤滑油圧を潤滑経路内に発生させることが
可能である。
【0039】ところで、上述した実施例は、ジャーナル
部12-1〜12-5とクランクシャフト軸受18-1〜18
-5との間、及びクランクピン16-1〜16-4とコンロッ
ドとの間ににみ潤滑油を供給しているが、内燃機関の摺
動部をこれらの摺動部に限定するものではなく、例え
ば、カムシャフトとカムシャフ軸受との間等に、クラン
ク角の影響を考慮した油圧で、潤滑油を供給することと
しても良い。
【0040】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、内燃機関
のクランク角に応じて、潤滑油の圧力がきめ細かく調整
され、潤滑油の供給に要する定常的な消費エネルギを削
減しつつ、十分な潤滑能力を確保することができる。す
なわち、本発明に係る内燃機関の潤滑油供給装置は、内
燃機関において円滑な運動状態を維持するために必要な
潤滑能力を、最小限の消費エネルギで実現することがで
きるという特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である内燃機関の潤滑油供給
装置の全体構成図である。
【図2】図2(A)は吸気工程においてピストンが下死
点近傍に到達した際のクランクシャフトのジャーナル部
とクランクシャフト軸受との相対位置関係を表す断面図
である。図2(B)は圧縮工程においてピストンが上死
点近傍に到達した際のクランクシャフトのジャーナル部
とクランクシャフト軸受との相対位置関係を表す断面図
である。図2(C)は爆発工程においてピストンが下死
点近傍に到達した際のクランクシャフトのジャーナル部
とクランクシャフト軸受との相対位置関係を表す断面図
である。図2(D)は排気工程においてピストンが上死
点近傍に到達した際のクランクシャフトのジャーナル部
とクランクシャフト軸受との相対位置関係を表す断面図
である。
【図3】図3(A)は圧力調整弁が閉弁した後に潤滑経
路内を正圧波が進行する状態を説明するための図であ
る。図3(B)は圧力調整弁が閉弁した後に潤滑経路内
を正圧開放波が進行する状態を説明するための図であ
る。図3(C)は圧力調整弁が閉弁した後に潤滑経路内
を負圧波が進行する状態を説明するための図である。図
3(D)は圧力調整弁が閉弁した後に潤滑経路内を負圧
開放波が進行する状態を説明するための図である。
【図4】本実施例の潤滑油供給装置が備える潤滑経路内
に生ずる圧力変動を表す図である。
【図5】本発明の第2の実施例である内燃機関の潤滑油
供給装置の要部構成図である。
【符号の説明】
10 クランクシャフト 12-1〜12-5 ジャーナル部 16-1〜16-4 クランクピン 18-1〜18-5 クランクシャフト軸受 20-1〜20-5,24,26 オイルホール 22-1〜22-5 潤滑油供給通路 28 メインオイルギャラリ 30 オイルポンプ 32,52 圧力調整弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の摺動部に潤滑油を供給する内
    燃機関の潤滑油供給装置において、 クランク角の変動に伴う前記摺動部の潤滑条件の変動に
    合わせて、潤滑経路内圧力を変動させることを特徴とす
    る内燃機関の潤滑油供給装置。
JP7671995A 1995-03-31 1995-03-31 内燃機関の潤滑油供給装置 Pending JPH08270427A (ja)

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JP (1) JPH08270427A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019027597A (ja) * 2017-08-02 2019-02-21 エムアーエヌ トラック アンド バス アーゲーMAN Truck & Bus AG 内燃エンジンを潤滑するための装置

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