JPH08269783A - 電着方法とその装置 - Google Patents

電着方法とその装置

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JPH08269783A
JPH08269783A JP7140195A JP7140195A JPH08269783A JP H08269783 A JPH08269783 A JP H08269783A JP 7140195 A JP7140195 A JP 7140195A JP 7140195 A JP7140195 A JP 7140195A JP H08269783 A JPH08269783 A JP H08269783A
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JP
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electrodeposition
base material
metal
treatment
plating
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JP7140195A
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Inventor
Masanori Tabei
正紀 田部井
Nobuo Matsuoka
宣夫 松岡
Kohei Chigira
恒平 千木良
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Achilles Corp
Original Assignee
Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材の三次元網状組織にメッキ金属を均一に
付着させてクラックのない金属多孔体を得る。 【構成】 予備電着処理と、本電着処理とを行ってメッ
キ金属を基材組織に付着させる。予備電着処理は、相対
的に小さい電流密度をもって基材Mの組織に金属メッキ
を行う処理であり、本電着処理は、予備電着処理によっ
て基材Mに付着した析出金属を核として相対的に大電流
密度をもって基材の三次元網状組織の全表面にメッキ金
属を所定厚みに付着させる処理である。基材Mは給電ロ
ール3aとガイドローラ5aまたは3,5間で保持し、
水平方向の搬送ラインLに沿って予備電着装置1及び本
電着装置2の多段の電着ユニット4a,4内に順次導入
する。電着ユニット4a(4)は、液溜め6a(6)内
に電極板7a(7)を有し、メッキ液を噴出させてお
り、基材Mはメッキ液の噴流内を経由して電着が行われ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケルカドミウム電
池,リチウム電池,ニッケル水素電池,燃料電池などの
各種電池の電極や、フィルタなどの用途に用いる金属多
孔体の製造に用いる電着方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記目的に用いられる金属多孔体には、
基材としてスライスされたウレタンフォームシート,不
織布などが用いられる。例えばウレタンフォームシート
は、三次元網状組織の骨格を有しており、金属多孔体
は、ウレタンフォームシートの網状組織に予め導電化処
理を施し、その骨格表面に所定厚みの金属メッキを施す
ことによって得られる。不織布を基材に用いたときもそ
の要領は同じである。
【0003】ところで、金属のメッキ処理は、基材の網
状組織を骨格とし、組織中に隙間を残してその表面全面
にわたり均一に金属を電着する処理であり、単に平面上
にメッキを施す場合とは異なり、基材組織内部へメッキ
液を浸透させて三次元の網状組織に金属メッキを行うも
のであるため、高度の技術が必要とされる。
【0004】導電化処理は、誘導体である基材に導電剤
を塗布又は含浸させ、あるいは無電解メッキを施して基
材表面に金属を析出させる処理である。この導電化処理
によって基材の抵抗値が減少し、基材への金属メッキが
可能となる。次いで、基材に金属メッキ処理が施される
と、基材の三次元網状組織の網を骨格としてその周囲に
メッキ金属が付着して金属多孔体が得られ、後処理とし
て必要により基材を焼却処理すると、メッキ金属のみの
三次元網状組織の金属多孔体が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、基材の金属メ
ッキ処理に際し、前述の導電化処理を行ったのみでは、
基材の表層部と、内層部とでは電流密度のばらつきが起
り、これが三次元網状組織への均一な電着の妨げとなる
ことを指摘し、導電化処理後、二次の導電化処理とし
て、第1槽内で金属メッキ処理を施して基材の骨格表面
に0.1〜数μmの厚みにメッキ金属を電着させ、次い
で第2槽内で予定厚みまで基材の両表面から本来の金属
メッキ処理を行う方法が提案された(特公昭57−39
317号公報参照)。
【0006】この方法は、要するに、メッキ条件を改善
し、一般のメッキとほぼ同程度の電流密度の使用を可能
とし、メッキ液に浸潤した基材の総ての部分が同時に電
着を開始するようにし、あわせて、メッキ金属の電着速
度を向上させ、均一性のある金属多孔体を得ようとする
ものである。
【0007】ところが、この方法に関しては次のような
問題点が指摘されている。すなわち、上記方法では、第
1槽で二次導電化処理を低電流密度(数A/dm2)で
行った後、第2槽で高電流密度(10A/dm2)にて
金属メッキ処理を行うと、低電流密度でメッキした金属
粒度に差異が生じ、粒界に歪みを発生するため、粒界強
度が弱くなり、多孔体の強度も弱く、形状が不安定とな
って、第2槽における両面のメッキ厚の不均一や局部的
な不均一を助長する結果となり、ひいては、シート状の
金属多孔体をコイル状に巻き取ることは不可能である、
というのである(特開平1−290792号参照)。
【0008】たしかに、得られた金属多孔体には局部的
にメッキ厚の不均一が生ずるのは事実のようである。発
明者らの実験によっても得られた金属多孔体には、基材
を横切ってクラックが生ずることを確認している。しか
し、電流密度の大小によるメッキ金属粒度の差異が原因
して粒界強度が低下するという事実は認められなかっ
た。
【0009】メッキ厚に不均一が生ずる原因は、必ずし
も明らかではないが、特開平1−290792号が指摘
するようなメッキ条件の問題ではなく、原因は、メッキ
処理の方法にあるようである。つまり、特公昭57−3
9317号公報に記載された金属多孔体の連続製造方法
において、導電化処理は、図3に示すように、第1槽中
で給電ロール20の円周面に接して転回する基材Mの曲
面に対して行われ、メッキ金属が基材Mの網状組織に付
着すると、組織が固定され、強度が増大する。しかし、
メッキ金属の付着量は給電ロール20に接する基材Mの
内面側と、電極板21に面する外面側とでは異なり、外
面側のメッキ金属の付着量が多いため、外面側が硬くな
り、基材Mは給電ロール20の形状に沿って曲面に賦型
され、次いで給電ロール20から離れて平坦面に戻され
ると、メッキ金属の付着量が少ない内側の面が強制的に
引き伸されることになって、図4に示すように基材Mの
内側の面には基材を横切って細かい間隔で筋状のクラッ
ク22が平行に生ずる。
【0010】このようなクラック22が生じたままの基
材Mが次に第2槽中に送り込まれ、高電流密度をもって
その両面から電着が行われると、クラック22の部分が
断線状態となり、電極として使用するときに導電不良と
なるのではないかと思われる。
【0011】本発明の目的は、基材の二次導電化処理と
しての予備電着処理において、基材にクラックを生じさ
せずに均一に金属メッキを行う方法とその装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による電着方法においては、基材を搬送しつ
つ予備電着処理と本電着処理とを順次行い、基材の三次
元網状組織に金属メッキする電着方法であって、予備電
着処理は、導電化処理が施された基材の組織の表面に金
属イオンを析出させる処理であり、本電着処理は、基材
に析出したメッキ金属を核として基材の網状組織に所定
厚みまで金属メッキを施す処理であり、予備電着処理及
び本電着処理は、いずれもメッキ液の噴流中に基材を浸
漬して行うものであり、予備電着処理及び本電着処理へ
の搬入,搬出並びに処理の全期間中、基材を水平に保持
して連続送りを与えつつ搬送するものである。
【0013】また、本発明による電着装置においては、
2以上の給電ロールと前後2段以上の電着ユニットとの
組合せを有する電着装置であって、2以上の給電ロール
は陰極に給電され、ガイドロールと組合せて直列に配列
されたものであり、各給電ロールとガイドロールとの組
は、基材の搬送ラインを形成し、基材を一方向に駆動し
て水平方向に搬送するものであり、電着ユニットは、液
溜めと電極板とを有し、給電ロールの列間に配置され、
液溜めは、常時メッキ液を噴出させつつ基材と電極板と
をメッキ液の噴流中に浸漬させるものであり、電極板
は、基材に供給すべき金属イオンの供給源として基材の
搬送ラインの少なくとも一方に配置されたものであり、
前段に配置された少なくとも一つの電着ユニットは、相
対的に低電流密度で基材に金属メッキを行う予備電着処
理用のものであり、後段に配置された残りの電着ユニッ
トは、相対的に高電流密度で基材に金属メッキを行う本
電着処理用のものである。
【0014】また、予備電着処理用の電着ユニットを挾
んで配置された給電ロールのピッチ間隔は、本電着処理
用の電着ユニットを挾んで配置された給電ロールのピッ
チ間隔より相対的に狭いものである。
【0015】
【作用】給電ロールとガイドロール間に挿入された基材
は、まず、前段の電着ユニット内に導入され、前段の電
着ユニットより送出された基材は次の給電ロールとガイ
ドロール間を経て後段の電着ユニットに導入される。
【0016】給電ロールは、陰極に給電され、搬入され
た基材を陰極に印加し、電着ユニットでは電極板が陽極
に給電される。電着ユニット内に導入された基材は液溜
め内に噴出するメッキ液の噴流中に浸漬され、電極板か
ら溶出した金属イオンが基材の網状組織に付着し、網状
組織を象った金属多孔体が形成される。
【0017】前段の電着ユニットは、予備電着処理用で
ある。予備電着処理は、相対的に低電流密度で基材に
0.1〜数μmの厚みの薄メッキを施す処理である。予
備電着処理用の電着ユニットに次々と基材を数回通した
後、後段の電着ユニットに導入する。後段の電着ユニッ
トは、本電着処理用である。本電着処理は、相対的に高
電流密度で基材の金属メッキを行う処理である。本電着
処理用の電着ユニットに基材を数回通すことによってメ
ッキ金属が基材の網状組織に付着し、予定厚みの金属多
孔体が得られる。
【0018】予備電着処理においては、通電電流が低電
流密度であればあるほど、より均一な密度で予備電着を
行うことが可能となる。また、予備電着処理での各給電
ロール間のピッチ間隔が大きいと、基材自体の電気抵抗
のため、基材内で電流が消費されて、電着が不十分とな
る。強いて給電ロールのピッチ間隔が大きいままで予備
電着を行うときには基材を低速で搬送せざるを得ない
が、予備電着処理での給電ロールのピッチ間隔を小さく
設定すると、相対的に速い送り速度で基材を搬送しつつ
予備電着を均一に行うことができる。
【0019】予備電着が不均一であるときには、後の本
電着処理において、電着密度が不均一になるばかりでな
く、本電着処理が高電流密度の下で行われるため、電気
抵抗の増加による発熱が起因して基材が損傷する可能性
がある。
【0020】このため、本発明においては、予備電着処
理での給電ロールのピッチ間隔を、本電着処理での給電
ロールのピッチ間隔より相対的に狭く設定して基材の搬
送ラインを形成しているが、予備電着処理の進行に伴っ
て給電ロールのピッチ間隔を前段のものを最小とし、後
段にかけて次第にピッチ間隔を広げるとともに給電ロー
ルに印加する電流密度を順次増大させるように構成すれ
ば、速い送り速度で基材を搬送しつつ均一な電着が可能
となる。
【0021】予備電着処理において、給電ロールのピッ
チ,数,電流密度は、基材の厚み,送り速度に応じて適
宜選択されるべきである。本電着処理における給電ロー
ルのピッチ間隔,数,電流密度は、基材に電着する電着
金属の目付量によって適宜選択する。
【0022】本発明においては、基材は各給電ロール間
に水平に支持された状態で各段の電着ユニットを経由し
つつ予備電着処理及び本電着処理が行われ、電着処理期
間中基材の組織に変形が生じないため、電着むらがな
く、したがって、得られた金属多孔体にクラック(ひび
割れ)が生じない。
【0023】
【実施例】以下に本発明の実施例を図によって説明す
る。図1において、本発明装置は、予備電着装置1と、
本電着装置2との組合せからなっているものである。予
備電着装置1及び本電着装置2はいずれも給電ロール3
と電着ユニット4とを組合せたものであり、各給電ロー
ル3は、ガイドロール5と対をなして陰極に給電され、
予備電着装置1と、本電着装置2とにわたって基材Mを
水平姿勢に支えて搬送する搬送ラインLを形成してい
る。電着ユニット4は、隣接する各給電ロール3,3間
に配設されたものである。
【0024】予備電着装置と、本電着装置とは基本的に
は同じ構成である。以下の説明では本電着装置の構成を
説明し、予備電着装置については本電着装置の構成部分
と同じ構成部分には、本電着装置の構成部分の番号にa
の添字を付して両者を区別する。
【0025】本電着装置2の電着ユニット4は、図2の
ように液溜め6と、対の電極板7とを有している。液溜
め6は、容器8と、容器8上の搬送ラインLの前後対向
壁の上下段に設置された対のローラ9,9との組合せか
らなり、容器8内には、メッキ液槽10内のメッキ液を
ポンプ11で汲み上げて常時供給され、メッキ液は、容
器8上に噴流し、その液面を上段ローラ9の高さに保っ
ている。電極板7は、基材の搬送ラインLを挾んでその
上下に配置されたものである。容器8の口縁又は上段ロ
ーラ11を超えて溢流するメッキ液は、メッキ液槽10
中に返還している。
【0026】予備電着装置1の給電ロール3aは、ガイ
ドローラ5aと組合されて基材Mの搬送ラインLを形成
するが、給電ロール3aの列のピッチ間隔は、本電着装
置2の給電ロール3の列のピッチ間隔よりも相対的に狭
く、また、ロール径も相対的に小さい。予備電着装置1
の電着ユニット4aは、液溜め6aと、電極板7aとの
組合せからなっており、液溜め6aには、容器8aのみ
を用い、容器8aが給電ロール3aに接して配設されて
いる。予備電着装置1の組は、シンク12内に納めら
れ、シンク12をメッキ液槽10上に設置し、基材の搬
送ラインLは、予備電着装置1と本電着装置2とに同じ
高さで水平に形成している。
【0027】各容器8a内には、メッキ液槽10内よ
り、ポンプ11aで汲み上げられたメッキ液が供給さ
れ、メッキ液は容器8a上に溢流し、容器8aの口縁か
ら溢流するメッキ液をシンク12に受入れ、これをメッ
キ液槽10内に返還している。また、予備電着装置1に
おいては容器8a内に電極板7aを収容しているが、基
材Mの搬送ラインLの下側のみに設置している。
【0028】もっとも、本電着装置2と同様に基材Mの
搬送ラインLを挾んでその上下に電極板を設置してもよ
い。予備電着装置1における給電ロール3aの列のピッ
チ間隔を狭く設定したのは、予備電着装置1に導入され
る基材Mの電気抵抗が大きいために給電ロール3aを通
して絶えず基材Mを陰極に印加するためである。
【0029】実施例において、予め導電化処理を施した
三次元網目組織をなすウレタンフォーム,不織布などを
基材Mとし、その一端を予備電着装置1の各給電ロール
3aとガイドローラ5aの対間及び電着ユニット4aを
通して張り渡し、さらに本電着装置2の給電ロール3と
ガイドローラ5間及び電着ユニット4を通して巻取り器
13に導く。この状態で各給電ロール3a,3a及び
3,3,…を一方向に回転駆動し、電極板7a及び7を
陽極、各給電ロール3a,3を陰極に給電して電着処理
を開始する。
【0030】予備電着工程において、導電化処理された
基材Mは、給電ロール3aを通じて陰極となり、搬送ラ
インLに沿って直線状に移動する。各電着ユニット4a
においては、常時メッキ液が液溜め6a上に吹き上げら
れており、基材がその液面下を潜り抜ける際に、電極板
7aから溶出した金属イオンが基材Mの組織に電着す
る。予備電着処理で基材Mに付着する金属イオンの電着
量は、0.1〜数μm程度の極く僅かである。予備電着
処理を終えた基材Mは、そのまま直線方向を搬送ライン
Lに沿って搬送され、次いで本電着装置2に搬入され
る。本電着装置2に導入された基材Mは、給電ロール3
とガイドローラ5との対間に保持され、引き続き搬送ラ
インLに沿って水平方向に搬送され、次々と電着ユニッ
ト4に導入される。本電着装置2の電着ユニット4にお
いても、常時メッキ液が液溜め6上に吹き上げられて液
面が一定高さを保っており、基材Mがその液面下を潜り
抜ける際に、予備電着処理で基材Mに析出した金属イオ
ンを核として上下の電極板7,7から液中に溶出した金
属イオンが電着する。本電着処理では、高電流密度をも
って電着を行うため、液溜め内に下方より噴出したメッ
キ液の噴出圧を受けて金属イオンが基材の内部に強制的
に深く浸透し、その網状組織に金属イオンが付着する。
【0031】本電着装置2では、基材Mが各段の電着ユ
ニット4,4,…内を繰返し通過する間にその三次元網
状組織の全表面が均等に、且つ所要厚さに金属メッキさ
れ、三次元網状組織を骨格とする金属多孔体となる。本
電着処理を終了して得られた金属多孔体のシートは、巻
取り器13にロール状に巻取って電着処理を完了する。
【0032】得られた金属多孔体は、次に空気中で加熱
し、基材を焼却すると、三次元網状構造の金属のみの多
孔体となる。もっとも基材の焼却は、電池の電極として
使用されるときに必要とされる処理であり、フィルター
などの用途に使用するときにあえて基材を焼却する必要
はない。
【0033】本発明において、基材は、予備電着処理及
び本電着処理を通じ、一貫して水平方向に直線送りを与
えつつ電着処理を行い、予備電着処理中はもとより、予
備電着処理後も基材を変形させることがないため、基材
の電着付着面にクラックが生ぜず、本電着処理において
も基材を引き続き直線方向に搬送しつつその両面方向か
ら所定厚みにメッキ金属を付着させるため、電着量に不
同が生ぜず、得られた金属多孔体には断線状態は生じな
い。
【0034】本発明においては、予備電着処理によって
基材の組織に僅かであってもメッキ金属が付着すること
によって、基材の表面抵抗値が大幅に減少し、次いで本
電着装置に導入されたときには、予備電着処理によって
基材組織に形成されたメッキ金属の僅かの電着膜が引き
金となり、その電着膜を核として比較的高い電流密度の
下でメッキ金属が析出し、三次元網状構造の基材の内部
組織にまで及んで組織全体に均一にメッキ金属を所要厚
みに電着することができる。以下に実施例を示す。
【0035】(実施例)下記の仕様の電着装置を用いて
基材に電着処理を行った。 a)予備電着装置 給電ロール 直径55mmφ 給電ロールの数 5個 給電ロールのピッチ間隔 18cm 予備電着ユニット 10cm幅のもの4基を各給電ロー
ル間隔内に設置 b)本電着装置 給電ロール 直径300mmφ 給電ロールの数 4個 給電ロールのピッチ間隔 65cm 本電着ユニット 30cm幅のもの3基を各給電ロール
間隔内に設置
【0036】上記仕様の電着装置を用い、送り速度を1
0mHに設定し、ウレタンフォーム(厚み1.6mm,
幅400mm)を基材として電流密度15A/m2を通
電して予備電着処理を行い、次いで電流密度500A/
2を通電して本電着を行い、目付量平均500〜60
0g/m2の金属多孔体を製造した。得られた金属多孔
体には目視では全くクラック(亀裂)の発生は認められ
なかった。
【0037】比較のため、予備電着処理に300mmφ
の給電ロールを用い、この給電ロールの周面に沿わせて
実施例と同じ条件の下で予備電着処理及び本電着処理を
行ったところ、得られた金属多孔体には約1cmの間隔
で基材を横切る方向のクラック(亀裂)が発生した。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によるときには、基
材の三次元網状構造を変形させずに正規の平面を保たせ
て予備電着処理を行うため、メッキ金属が基材の三次元
網状組織に均等に付着し、基材にクラックが生ぜず、本
電着処理においても、予備電着処理から送り出された基
材の搬送ラインをそのまま引き続いて直線状に搬送しつ
つ、本電着処理を行うため、予備電着処理によって析出
したメッキ金属を引き金として三次元網状組織の全表面
にむらなくメッキ金属を所要厚みに析出して均一で強度
が大きく、断線のない金属多孔体を短時間で製造でき
る。殊に本発明によるときには、予備電着処理と本電着
処理とは、いずれも各電着ユニット内のメッキ液の噴流
中に基材を浸漬させるため、メッキ液が基材の組織に十
分に浸透して電着速度を一層促進できる。
【0039】また、電着ユニットを通して電着処理を行
うため従来のようにメッキ浴槽内に基材を浸漬して処理
を行う場合に比してメンテナンスを容易にできる効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す装置の断面図である。
【図2】電着ユニットの拡大図である。
【図3】従来技術の問題点を示す図である。
【図4】クラックが発生した基材を示す図である。
【符号の説明】
1 予備電着装置 2 本電着装置 3,3a 給電ロール 4,4a 電着ユニット 5,5a ガイドローラ 6,6a 液溜め 7,7a 電極板 8,8a 容器 9 ローラ 10 メッキ液槽 11 ポンプ 12 シンク 13 巻取り器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材を搬送しつつ予備電着処理と本電着
    処理とを順次行い、基材の三次元網状組織に金属メッキ
    する電着方法であって、 予備電着処理は、導電化処理が施された基材の組織の表
    面に金属イオンを析出させる処理であり、 本電着処理は、基材に析出したメッキ金属を核として基
    材の網状組織に所定厚みまで金属メッキを施す処理であ
    り、 予備電着処理及び本電着処理は、いずれもメッキ液の噴
    流中に基材を浸漬して行うものであり、 予備電着処理及び本電着処理への搬入,搬出並びに処理
    の全期間中、基材を水平に保持して連続送りを与えつつ
    搬送するものであることを特徴とする電着方法。
  2. 【請求項2】 2以上の給電ロールと前後2段以上の電
    着ユニットとの組合せを有する電着装置であって、 2以上の給電ロールは陰極に給電され、ガイドロールと
    組合せて直列に配列されたものであり、 各給電ロールとガイドロールとの組は、基材の搬送ライ
    ンを形成し、基材を一方向に駆動して水平方向に搬送す
    るものであり、 電着ユニットは、液溜めと電極板とを有し、給電ロール
    の列間に配置され、 液溜めは、常時メッキ液を噴出させつつ基材と電極板と
    をメッキ液の噴流中に浸漬させるものであり、 電極板は、基材に供給すべき金属イオンの供給源として
    基材の搬送ラインの少なくとも一方に配置されたもので
    あり、 前段に配置された少なくとも一つの電着ユニットは、相
    対的に低電流密度で基材に金属メッキを行う予備電着処
    理用のものであり、 後段に配置された残りの電着ユニットは、相対的に高電
    流密度で基材に金属メッキを行う本電着処理用のもので
    あることを特徴とする電着装置。
  3. 【請求項3】 予備電着処理用の電着ユニットを挾んで
    配置された給電ロールのピッチ間隔は、本電着処理用の
    電着ユニットを挾んで配置された給電ロールのピッチ間
    隔より相対的に狭いものであることを特徴とする請求項
    2に記載の電着装置。
JP7140195A 1995-03-29 1995-03-29 電着方法とその装置 Pending JPH08269783A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004509230A (ja) * 2000-09-18 2004-03-25 サーキット フォイル ルクセンブルグ トレーディング エス.エイ アール.エル. 発泡材ストリップの電気メッキ方法

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JP2004509230A (ja) * 2000-09-18 2004-03-25 サーキット フォイル ルクセンブルグ トレーディング エス.エイ アール.エル. 発泡材ストリップの電気メッキ方法

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