JPH08269670A - 金属複合材の製造方法 - Google Patents

金属複合材の製造方法

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JPH08269670A
JPH08269670A JP7190895A JP7190895A JPH08269670A JP H08269670 A JPH08269670 A JP H08269670A JP 7190895 A JP7190895 A JP 7190895A JP 7190895 A JP7190895 A JP 7190895A JP H08269670 A JPH08269670 A JP H08269670A
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JP
Japan
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metal
chamber
oxide
plasma
coating
Prior art date
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Pending
Application number
JP7190895A
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English (en)
Inventor
Nobuo Tanabe
信夫 田辺
Shoji Mimura
彰治 味村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Priority to JP7190895A priority Critical patent/JPH08269670A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油分及び酸化物又は酸化膜を高効率で確実に
除去することができる金属複合材の製造方法を提供す
る。 【構成】 金属又は合金からなる芯材線材10を水素プ
ラズマ室2内でプラズマ処理する。このプラズマは水素
を含有するものであり、この処理により、芯材表面の酸
化物が還元されて金属化する。これにより、芯材表面が
均一にかつむらなく清浄化され、被覆材は高密着性で被
覆され、芯材表面に高強度の金属結合により接合され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウムクラッド鋼
板、アルミニウムクラッド鋼線等のように芯材の表面に
被覆材をクラッドした金属複合材の製造方法に関し、特
に、芯材又は被覆材の金属の表面酸化物を高効率で除去
して接合強度を高めた金属複合材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属又は合金からなる芯材に、同様に金
属又は合金からなる被覆材を接合した金属複合材におい
ては、芯材と被覆材との間に金属結合を形成することが
接合強度を高めるために必要である。芯材と被覆材との
間に油分又は金属酸化物が存在すると、金属結合の形成
が阻害されるため、両者の密着性が著しく低下する。こ
れにより、複合材の使用中に芯材が露出してしまうこと
がある。
【0003】このため、金属結合を形成して接合強度を
高めるために、被覆前に油分及び酸化物を十分に除去し
ておく必要がある。従来、この油分及び酸化物を除去す
るために、溶剤洗浄、電解脱脂、ショットブラスト研磨
又はブラシ研磨等の手段を適宜組み合わせて実施してい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとく、従来、
金属表面に形成されている錆及びスケール等の酸化物
は、ショットブラスト研磨又はブラシ研磨等の機械的な
方法により除去されていた。しかしながら、これらの方
法には以下に示す欠点がある。即ち、ショット又はブラ
シが当たらない部分は、酸化物が除去されない。また、
これらのショットブラスト又はブラシによる研磨では、
原子レベルからみれば、粗い処理法であり、非研磨部分
が残る。更に、被処理材の表面が削れてしまい、処理の
程度によっては、寸法が変化する。更にまた、大気中で
酸化膜を除去しても、その除去後に、再び薄い酸化物が
形成される。特に、油分及び酸化膜の除去処理により、
外観上、金属光沢が得られたとしても、原子レベルでみ
れば非研磨部分が存在し、除去後に再び薄い酸化膜が形
成されるために、金属又は合金表面には酸化膜が残存す
るというように、従来の方法には根幹的な部分で欠点が
ある。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、油分及び酸化物又は酸化膜を高効率で確実
に除去することができる金属複合材の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る金属複合材
の製造方法は、金属又は合金からなる芯材に被覆材を被
覆した金属複合材を得る金属複合材の製造方法におい
て、前記芯材の表面を水素プラズマ又は水素及び不活性
ガスからなる混合ガスプラズマによりその表面の酸化物
又は酸化膜を還元処理した後、前記芯材の表面に被覆材
を被覆することを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明においては、水素プラズマ又は水素と不
活性ガスとの混合ガスプラズマにより芯材表面の酸化物
又は酸化膜を還元処理するから、この芯材表面の酸化物
又は酸化膜を均一に、かつむらなく消失させることがで
きる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1の実
施例を示す模式図である。差動排気室1と、水素プラズ
マ室2と、差動排気室3と、金属被覆室4とが順次隣接
するようにして配設されている。被処理金属芯材として
の線材10は差動排気室1に入り、次いで水素プラズマ
室2に入る。そして、線材10は他の差動排気室3を経
て被覆処理室4へ送給される。差動排気室1、3は単に
真空ポンプ(図示せず)により排気されたチャンバであ
り、水素プラズマを形成すべき水素プラズマ室2への大
気の流入を防止するために、水素プラズマ室2と外界と
の間に介在するように設けられている。
【0009】水素プラズマ室2においては、その外側を
コイル5が嵌合しており、コイル5には高周波電源6が
接続されている。そして、水素プラズマ室2内は水素ガ
ス(H2)又は水素ガスと不活性ガスのアルゴンガスと
の混合ガス(H2+Ar)により満たされており、その
真空度は大気圧〜数torrの範囲に保持されている。そし
て、高周波電源6によりコイル5に通電することによ
り、水素プラズマ室2内のH2ガス又はH2+Ar混合ガ
スがプラズマ化される。
【0010】金属被覆処理室4は、プラズマ処理後の線
材10の周面に金属又は合金の被覆材が被覆される。こ
の被覆処理室4においては、真空又は不活性ガス雰囲気
下で、被覆処理されることが好ましい。この場合は、差
動排気室3を省略することができる。
【0011】このように構成された装置により複合線材
を製造する場合に、線材10は先ず差動排気室1内に入
り、その後水素プラズマ室2内に入る。この水素プラズ
マ室2内においては、室内に供給されているH2又はH2
+Ar等のプラズマガスがコイル5から印加される高周
波電力によりプラズマ化されている。この水素プラズマ
室2内に進入した線材10は水素を含むプラズマによる
処理を受け、その表面に付着している油分及び表面に形
成されている酸化物又は酸化膜が除去される。この水素
プラズマ室2内には、高励起状態のH原子又はH+イオ
ンが生成されており、このH原子又はH+イオンは極め
て反応性に富み、金属酸化物を還元する。これにより、
線材表面の酸化物又は酸化膜が除去される。一方、水素
ガスに混入されるArガスはプラズマの安定化を促進す
る。また、Arイオンはスパッタ効果が大きいため、被
処理金属の表面をスパッタし、清浄化する作用を有す
る。
【0012】このようにして、本実施例によれば、芯材
の線材10の表面が水素を含むプラズマ中で還元処理さ
れ、線材10の表面に付着している金属酸化物が還元さ
れ、金属になる。これにより、線材10の表面が清浄化
され、その後、金属被覆処理室4内で被覆材を被覆処理
すると、被覆材は清浄化された線材10の表面に高密着
性で接合される。そして、被覆材の被着後、圧延又は熱
処理により、線材と被覆材とは金属結合し、強固に接合
される。
【0013】次に、図2を参照して本発明の第2の実施
例について説明する。反転ローラ14及び矯正ローラ1
5が収納された真空チャンバ13には、差動排気室11
及び水素プラズマ室12と、ヒータ室16とが気密的に
連結されている。このヒータ室16内には抵抗発熱ヒー
タ17が配置されており、ヒータ室16の上には、被覆
室18が配置されている。この被覆室18内には、銅の
溶湯を貯留した容器19が配設されており、この容器1
9内を線材10が上方に通過することにより、線材10
の表面に銅溶湯が付着し、線材10に銅が被覆される。
この銅容器19には銅の溶解炉20が連結されており、
溶解炉20から銅溶湯が容器19内に補給されるように
なっている。
【0014】このように構成された装置においては、ブ
ラシで研磨された鋼線線材10は、差動排気室11内に
進入し、この真空空間から水素プラズマ室12へ送給さ
れる。この水素プラズマ室12において、線材10は図
1に示す第1実施例と同様に、水素又は水素及びアルゴ
ンガスのプラズマにより還元処理され、ブラシによる機
械研磨後の線材表面に残存している酸化膜が還元されて
金属となる。その後、線材10は真空チャンバ13内に
入り、反転ローラ14によりその進行方向を上方に向
け、矯正ローラ15によりその曲がりくせを矯正され
る。そして、真直になった線材10はヒータ17により
所定の温度に加熱された後、銅容器19内にその底部か
ら入り、銅の溶湯が線材10の表面に付着する。その
後、銅被覆材が凝固し、得られた銅被覆鋼線からなる線
材10は被覆室18を出て上方に進行し、伸線機(図示
せず)により伸線加工されて鋼線と銅とが金属結合す
る。
【0015】本実施例においては、水素プラズマ室12
にてプラズマ処理された線材10は大気に解放されるこ
となく銅容器19内で銅溶湯が被覆され、所謂ディップ
フォーミングにより銅被覆鋼線が得られる。このため、
酸化膜除去後に大気に接触して再酸化されることなく、
清浄化後の鋼線の表面に銅が付着されるので、確実に両
者を金属結合することができる。
【0016】次ぎに、この図2に示す装置により、実際
に銅被覆鋼線を製造した結果について、説明する。水素
プラズマ室12は内径が60mm、長さが2000m
m、プラズマガスがH2+10体積%Arで圧力が40T
orrである。高周波電力は13.56MHz、1kWで
ある。そして、ブラシ研磨した鋼線(直径12.7m
m)を、プラズマ処理室12内でプラズマ処理して酸化
物を除去した後、大気に接触させることなく、銅容器1
9内に導入して銅をディップフォーミングした。この銅
被覆鋼線の線径は17.5mmであり、これを直径1
2.3mmまで伸線加工した。
【0017】得られた本実施例の線材を10mmの長さ
に切断して試験材とした。また、比較のために、水素プ
ラズマ処理しない線材について銅をディップフォーミン
グして銅被覆鋼線を製造し、10mm長の試験材を得
た。
【0018】そして、この実施例及び比較例の試験材に
ついて、圧壊試験して被覆材の密着性を評価した。その
結果、水素プラズマ処理した試験材は圧壊加重を8トン
まで印加しても剥離が生じなかった。これに対し、水素
プラズマ処理しなかった比較例は5.6トンの圧壊加重
で剥離が生じた。このように、本実施例の場合には、被
覆材と芯材との密着性が極めて優れていた。
【0019】なお、上記実施例は芯材が線材の場合のも
のであるが、板材等、種々の断面形状のものを芯材とす
ることができる。また、被覆材は芯材の全面を被覆する
ものに限らず、一面等、特定の面又は領域を被覆するも
のであってもよい。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、芯材を水素を含有
するプラズマにより処理することにより、その表面の酸
化物又は酸化膜を還元して金属にし、その表面を清浄化
するので、芯材の表面を均一に且つむらなく清浄化する
ことができ、芯材と被覆材との密着性を向上させ、金属
結合による接合強度が極めて高い金属複合材を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す図である。
【符号の説明】
1、3、11:差動排気室 2、12:水素プラズマ室 4:金属被覆処理室 5:コイル 6:高周波電源 10:線材 13:真空チャンバ 14:反転ローラ 15:矯正ローラ 16:ヒータ室 17:ヒータ 18:被覆室 19:銅容器 20:銅溶解炉

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属又は合金からなる芯材に被覆材を被
    覆した金属複合材を得る金属複合材の製造方法におい
    て、前記芯材の表面を水素プラズマ又は水素及び不活性
    ガスからなる混合ガスプラズマによりその表面の酸化物
    又は酸化膜を還元処理した後、前記芯材の表面に被覆材
    を被覆することを特徴とする金属複合材の製造方法。
JP7190895A 1995-03-29 1995-03-29 金属複合材の製造方法 Pending JPH08269670A (ja)

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JP7190895A JPH08269670A (ja) 1995-03-29 1995-03-29 金属複合材の製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100960027B1 (ko) * 2007-02-15 2010-05-28 가부시키가이샤 신가와 와이어 세정 가이드
JP2010277754A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Micro Denshi Kk 電気部品の接続方法とその接続装置
CN109266987A (zh) * 2018-08-29 2019-01-25 广州倬粤动力新能源有限公司 锌丝的加工设备

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KR100960027B1 (ko) * 2007-02-15 2010-05-28 가부시키가이샤 신가와 와이어 세정 가이드
JP2010277754A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Micro Denshi Kk 電気部品の接続方法とその接続装置
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