JPH08269092A - 大腸菌組換え狂犬病ワクチン - Google Patents
大腸菌組換え狂犬病ワクチンInfo
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Abstract
な安全性及び有効性に優れ、かつ安価な狂犬病ワクチン
を提供する。 【構成】 狂犬病ウイルス糖蛋白をコードする遺伝子断
片を大腸菌に導入することにより発現された狂犬病ウイ
ルスG蛋白及びこれを含有する組換え狂犬病ワクチン。
Description
染を防御できるワクチンに関するものである。さらに詳
細には、本発明は、狂犬病ウイルス糖蛋白をコードする
遺伝子断片を大腸菌に導入することにより発現された狂
犬病ウイルスG蛋白及びこれを含有する組換え狂犬病ワ
クチンに関するものである。
気の一つであり、人を含む全ての温血動物に感染し、脳
炎を起こしてほぼ100%死に至らしめる人畜共通ウイル
ス病である。日本は島国であるという好条件に恵まれた
こと、また、狂犬病予防法が制定され、本病の人への主
たる伝播者である犬を対象に毎年予防注射が実施された
ことにより、1957年にはついに本病の根絶に成功した。
以来、今日まで約40年の長期間にわたり、日本は本病の
発生のない世界でも数少ない狂犬病清浄国となってい
る。
された国は珍しく、アメリカ合衆国やヨーロッパの先進
国や中南米、アフリカ大陸やアジアの発展途上国諸国に
おいて狂犬病は広く流行している。たとえばタイからの
報告では、検査機関に持ち込まれる犬の59%、猫の23
%、牛の80%、水牛の50%、サルの18%、豚の67%が狂
犬病ウイルス陽性である。さらに、野ネズミ・家ネズミ
の7.9%、コウモリ(Cynopterus brachyootis) の3.5%
から狂犬病ウイルスが検出されている(Wide, H.et a
l.,(1991) :Rabies in Thailand:1990. Rev.Infect.Di
s.13:644-652)。また、日本においても狂犬病の問題が
完全になくなったわけではなく、東南アジアを中心とし
た海外渡航者等にとって、狂犬病に対するワクチン接種
は依然として重要な予防接種として取り扱われている。
フランスのパスツールの歴史的な業績をあげることがで
きる。それは、まず感染発症し死亡した人や動物の脳か
ら採取したウイルスをホルマリン、石炭酸などの薬剤で
不活化して作ったものであった。しかし、この脳乳剤由
来のワクチンは脳組織の夾雑による重篤な接種後脳炎の
副作用が避けられない。その後、脳組織由来ウイルスの
部分精製ワクチンがつくられ、さらに哺乳動物や鳥類の
培養細胞によるワクチンへと改善されてきている。
物による咬傷後にワクチンを接種する、いわゆる「暴露
後ワクチン」とする使用法が圧倒的に多い。ところで、
脳組織を含まない組織培養ワクチンは安全で効果が高
く、暴露後はもちろんのこと、いわゆる「暴露前ワクチ
ン」としても、1957年以来狂犬病の発生のない我が
国では、流行諸外国への渡航者に対して予防用として使
用されている。しかし、組織培養狂犬病ワクチンはその
製造コストの点で、流行現地、特に発展途上諸外国での
普及の障害となっている。従って、安全性及び有効性に
優れ、かつ安価な狂犬病ワクチンの開発が強く望まれて
いる。
は、感染動物の脳乳剤あるいはウイルス感染培養細胞か
らウイルス粒子を回収し、不活化濃縮したものである。
この場合、ウイルスの増殖が不十分であった場合、生産
コストの上昇に反映する。また不活化が不十分であった
り、ウイルス、細菌及び培地に由来する、ワクチン抗原
としては不必要な成分が含まれる場合には、危篤な症状
を引き起こす可能性がある。その解決方法として、狂犬
病ウイルス蛋白の中で、ウイルス感染において必要な成
分のみを遺伝子工学により産生させ、得られる組換え蛋
白をワクチン抗原として使用する方法がある。
白質からなり、そのうち糖蛋白(Glycoprotein;以下G
蛋白)はウイルスの感染に主要な役割を担っていること
が知られている。また、このG蛋白に対する抗体はウイ
ルスの感染性を打ち消す中和抗体と呼ばれ、また細胞性
免疫経由の感染防御機構も主にG蛋白が関与していてこ
とが知られている。
術により発現させる試みが種々行なわれてきている。例
えば、Lawenceらは、狂犬病ウイルスERA株のG蛋白
をコードするcDNAを大腸菌(Escherichia coli)の
発現系に導入してその発現に成功している。しかしなが
ら、そこで得られたG蛋白は免疫原性としての有効性が
認められなかったことを報告している[Vaccine 84, pp
203-208, コールドスプリングハーバー研究所編)。ま
た、同様に大腸菌を用いた狂犬病ウイルス糖蛋白発現実
験がYelbertonらによっても報告されている[Science,
Vol.219, pp614-620]。この報告においても、狂犬病G
蛋白を発現させることに成功はしているが、得られたG
蛋白を動物に免疫しても抗体を産生させることができな
かった旨記載されている。このことは、大腸菌を用いた
発現系においては、翻訳後の修飾機能がAuthenticなも
のと異なることが大きな原因であると推察される。
用いてG蛋白の発現を行なった例が報告されている[Ar
ch. Virol., 128, p269 (1983)及び特許公表公報昭61-5
00949号]。前者の場合、発現したG蛋白ではワクチン
としての使用に十分な免疫原性を確認できなかった旨報
告されている。また後者においては、糖鎖が付加したG
蛋白が発現されたことが報告されているものの、実際に
動物を用いて免疫試験を行なった結果は示されておら
ず、その有用性を認めることはできない。また、一般に
真核細胞を用いた遺伝子組換え系は製造コストが高いた
め、狂犬病ワクチンのように発展途上国において特に流
行性の高い疾患に対するワクチンにとっては、その普及
の障害となりうる。このように、G蛋白を遺伝子組換え
手法による発現に関して、いくつかのグループが成功し
ているものの、実用化レベルにおける組換え蛋白を用い
た狂犬病ワクチンが開発された例はまだ報告されていな
い。
明者らは鋭意探究を重ねた結果、G蛋白をコードする遺
伝子断片を大腸菌に導入して産生させた蛋白がワクチン
として有効であることを見いだし、本発明を完成するに
至った。従来、大腸菌で発現された蛋白は、翻訳後の修
飾、すなわち高次構造がAuthenticなものと異なるた
め、免疫原性がAuthenticな蛋白と免疫原性が異なると
報告されていた。しかし、本発明により特に大腸菌によ
り得られる有効なエピトープだけで、十分狂犬病ウイル
スによる感染を防御することが可能であることを見いだ
したものである。
S株である。CVS株のG蛋白をコードする遺伝子断片
(G−cDNA)は、配列表配列番号1に示した塩基配
列のうち、翻訳開始コドンであるATGから終止コドンで
あるTGAまでの1575塩基対を有する遺伝子断片もしくは
これと等価の遺伝子配列を有する遺伝子断片、またはこ
れらの遺伝子断片のうち、実質的に抗原決定部位をコー
ドする一部の遺伝子を含む遺伝子である。当該G−cD
NAは、狂犬病ウイルスCVS株から、通常の遺伝子ク
ローニング技術[例えば、ファルマシア社製cDNA合
成キット並びに添付のプロトコール参照]を用いること
によりクローニングすることができる。また、このよう
なG−cDNAは、配列表配列番号1記載のの塩基配列
を基にDNA合成機[例;アプライドバイオシステム社
製タイプ381A]を用いて目的の1575塩基対もしくはその
一部の必要な遺伝子を合成することによって得ることも
できる。
るG蛋白のN末端から19番目のアミノ酸までは、自然界
の宿主中でのウイルス感染増殖過程で切り離される分泌
シグナルである。この分泌シグナルは大腸菌体では機能
しないことが考えられる。従って、G−cDNAをベク
ターに導入する際、当該分泌シグナルを除去し、新たに
翻訳開始コドンATGを有する合成ヌクレオチドリンカー
を付加することが好ましい。例えば、本来のG蛋白の分
泌シグナルに相当するアミノ酸配列をコードする塩基配
列(配列表配列番号1の1〜57番目の塩基配列)を除去
し、新たに6個のアミノ酸に相当する合成ヌクレオチド
リンカーを付加したものが使用される(配列表配列番号
2に記載)。
現させる場合、その発現宿主として大腸菌が用いられ
る。使用される大腸菌としては、SURE(フナコシ社製)
などのような市販のものが挙げられる。発現系の構築方
法としては、まず、G−cDNAを大腸菌用発現ベクタ
ーに組み込む必要がある。当該大腸菌用発現ベクターと
しては、pTre99A(ファルマシア社製)などのように市
販のものを使用することができる。得られる発現ベクタ
ーを大腸菌に導入することにより目的の狂犬病ウイルス
蛋白発現形質転換体が得られる。大腸菌への導入は、上
記のような市販の宿主大腸菌SURE(フナコシ社製)に添
付のプロトコールに記載の方法に準じて行うことができ
る。
な条件のもとに培養することにより、目的の狂犬病ウイ
ルス蛋白を発現させることができる。形質転換した大腸
菌から大量にプラスミドを抽出、精製する場合は、常
法、例えば、Molecular cloning[J.Sambrook et al,
(1989)]に記載のアルカリ法に従って行なうことができ
る。
蛋白が発現されていることが、狂犬病ウイルスG蛋白に
対してウイルス中和活性を有するモノクローナル抗体を
用いたウェスタンブロッティング法により確認された。
すなわち、この結果から、本発明の大腸菌組換え狂犬病
G蛋白がウイルス中和活性を持つ抗体を産生できること
が示唆された。
て、本発明の大腸菌由来G蛋白をマウスに接種し、得ら
れた血清を用いて中和試験を行なった。その結果、免疫
対照群と比較して、本発明の組換え菌体免疫群は約10
倍の中和抗体価が得られた。さらに、当該免疫マウスに
対して、狂犬病ウイルス野性株を用いた攻撃試験を行な
った結果、本発明の組換え菌体免疫マウスは、攻撃後22
日以上においても生存率が85%(免疫対照群では13%)
と極めて高いことが確認された。
に説明する。《酵素及び化学物質》 制限酵素及び修飾酵素は宝酒造株
式会社及び東洋紡株式会社のものを使用した。その使用
方法に関しては、添付のプロトコールの指示する方法に
より行なった。
ーション》各酵素の使用条件はパンフレット「TAKARA B
IOTECHOLOGY GUIDE protocols &Applications(1992/199
3)」、「TAKARA BIOTECH CATALOG 1993」及び「TOYOBO
BIOCHEMICALS FOR LIFESCIENCE '94」の指定する条件に
従った。各酵素の反応終了後は、Molecular cloning
[J.Sambrook et al,1989]に従い、フェノール処理並
びにクロロホルム処理を行ない、エタノール沈殿により
DNAを回収した。DNAライゲーション反応は、タカ
ラライゲーションキット(宝酒造、カタログ番号6021)
を使用し、それに添付のプロトコールに従い行なった。
また、DNA末端へのリンカーの添加もこのキットを使
用し、それに添付のプロトコールの指示する方法により
行なった。
A断片の回収》DNAアガロース電気泳動はMolecular
cloning[J.Sambrook et al,(1989)]に従い行なった。
特にアガロースゲルより特定のDNA断片を抽出したい
時は、ローメルティングアガロース(バイオラッド社)
を使用し、その回収はMolecular cloning[J.Sambrook
et al, (1989)]に従い行なった。
質転換した大腸菌から大量にプラスミドを抽出、精製す
る場合はMolecularcloning[J.Sambrook et al, (198
9)]に記載のアルカリ法に従い行なった。
Aのクローニング》狂犬病ウイルスCVS株を感染させ
たマウス神経芽種細胞C1300NA(以下、NA細胞)か
ら、Molecular Cloning[J. Sambrook et al., 7.12-7.
15 (1989)]に記載されている方法に従ってメッセンジ
ャーRNA(mRNA)を抽出した。得られたmRNA
を鋳型にし、GcDNA合成キット(ファルマシア社
製)を使用し、cDNA合成を行なった。その手順はキ
ットに添付のプロトコールに従った。EcoRIAdaptorの
付加により、両端をEcoRI部位に変換した上記cDNA
とEcoRIで切断したクローニングベクターλZAP Vector
(ストラタジーン社)をライゲーションさせた。次に、
Gigapack Kit(ストラタジーン社)を用いたインビトロ
パッケージを行ない、それを宿主菌XL1-Blueに感染させ
た。得られた数多くのプラックの中から、特にGcDN
Aクローンを得るために、HEP株GcDNA断片[Mo
rimoto, K. et al., Virology, 173, pp465-477, (198
9)]をプローブとしたプラークハイブリダイゼーション
を行ない、所望のCVS株GcDNAを得た。
築》AuthenticなG蛋白は、そのN末端から19番目まで
のアミノ酸配列(配列標配列番号1の-19〜-1のアミノ
酸配列に相当)は、自然界の宿主中でのウイルス感染増
殖過程で切り離される、いわゆる分泌シグナルである。
今回、クローニングされたG蛋白のcDNAはこの分泌
シグナルをコードする配列をその5'末端に持つが、この
分泌シグナルは、大腸菌体で機能しないことが考えられ
る。そこで、この分泌シグナルを削除し、かつ翻訳の開
始コドンであるATG並びにEcoRI切断部位を5'末端に付
加させるために、合成ヌクレオチドリンカーd(ATGGAATT
CCTCGAGATGAAGTTCCCCATTTAC)を用い、Molecular Clonin
g[J. Sambrook et al., 14.2-14.4(1989)]に従い、P
CR法を行なった。
oRI切断部位から3'末端側の翻訳終止コドンTGAの61塩
基下流に存在するBamHIまでの消化断片、すなわちEcoR
I−BamHI切断断片(約1630塩基)をローメルティング
アガロースゲル電気泳動により回収した。得られた遺伝
子断片を、大腸菌発現ベクターpTrc99A(ファルマシア
社)中に存在するEcoRIからBamHIまでの領域を削除し
たものにライゲーションし、宿主大腸菌SURE(フナコシ
社)に添付のプロトコールの指示通りに導入して、大腸
菌での発現ベクターを構築した。つまり、狂犬病G蛋白
cDNAは、発現ベクターpTrc99Aのtrcプロモーターの
直下に転写の方向に挿入された。最終的に得られた大腸
菌組換え蛋白は、狂犬病ウイルスCVS株のAuthentic
なG蛋白のN末端(+1番目のアミノ酸)の上流に6個の
アミノ酸残基が付加された形のものとなった(図1並び
に配列表配列番号2参照)。
して、ウイルス中和活性を有する抗狂犬病ウイルスG蛋
白モノクローナル抗体を用いたウェスタンブロッティン
グ法で検出確認した。その結果を図2に示した。この結
果より、本発明により得られた大腸菌組換え狂犬病ウイ
ルスG蛋白が狂犬病ウイルス中和活性を持つ抗体を誘導
できる可能性が示唆された。
た組換え体をアンピシリン存在下のLB寒天培地に薄く
まいた。37℃で一夜培養して現れた単一のコロニーを2
mlのLB液体培地(アンピシリン存在)に移して、一夜
37℃で振とう培養した。その培養液の0.2mlを新しい200
mlLB培地(アンピシリン存在)に接種して、37℃で3
時間振とうした。その後、IPTGを5mMになるように添加
し、さらに一夜37℃で培養した。その後、遠心して菌体
を回収し、PBSで洗浄後、20mlの蒸留水に懸濁したも
のを菌体浮遊液とした。
なるようにPBSに浮遊させ、その0.2mlを8週令のBal
b/cマウス13頭の腹腔内に注射し、さらに2週間間隔で
最終的に3回注射した。また、対照群として、発現ベク
ターpTrc99Aの存在する大腸菌SURETM株を上記と同様の
方法で調製し、得られた菌体を同様に接種したマウス15
頭を用意した。
清を回収して、Smithらの方法[Smith, J.S., et al.,
"A rapid reproducible test for determining rabies
neutralizing antibodies.", Bull World Health Orga
n 48, pp535-541 (1973)]に準拠して中和試験を実施し
た。すなわち、個別のマウスから回収した血清は、その
量が少なかったため、各々の血清を混合して試験血清原
液とし、PBSで5倍、25倍、125倍、625倍と5倍段階
希釈した。5倍〜625倍までの希釈液をそれぞれ0.1mlを
プラスチック4チェンバースライド(ヌンク社製)に入
れ、その中に予め希釈した狂犬病ウイルス0.1mlを加え
て37℃1時間反応させた。その後、予め調製しておいた
NA細胞を0.2ml加えて、37℃で一夜培養した。プラス
チック4チェンバースライドのスライドグラス上に付着
したNA細胞をPBSで静かに洗浄した後、風乾し、冷
アセトン中で20分間固定した。モノクローナル抗体(一
次抗体)と抗マウスIgG蛍光抗体との間接蛍光法で、中
和を免れたウイルスによる感染細胞の数を計数して対数
グラフ上にプロットした。「血清なしウイルスのみ」の
ウイルス対照のスライド上の感染細胞数の50%の感染細
胞数に減少させるべき血清希釈倍数を推測したところ、
ベクターによる免疫対照群では5倍以下であったが、組
換え菌体免疫群ではおおむね45倍の中和抗体価が得られ
た。
最終免疫2週後のマウスに、狂犬病ウイルス野性分離株
1088株0.02mlを足蹠に筋肉内注射し感染発症の経過を観
察した。その結果を図3に示した。ベクターのみによる
免疫対照群では、攻撃から13日〜17日まで発症死亡例が
相次いでみられ、17日目までに15匹中13匹が死亡した
(生存率13%)。これに対して、本発明の組換え蛋白免
疫群では、13匹中死亡例はわずかに2匹で、22日経過後
も85%の高い生存率を示した。この結果より、本発明に
より得られた大腸菌組換え狂犬病ウイルスG蛋白を接種
されたマウスは野性株に対する感染防御能を有している
ことが認められる。従って、本発明の組換え蛋白がワク
チンとして有効であることが確認された。
病ウイルスG蛋白は、狂犬病ウイルスに対する感染防御
能並びに中和抗体産生能を有することが明らかとなっ
た。すなわち、本発明の大腸菌組換えG蛋白がワクチン
として有効であることが示唆された。さらに、大腸菌は
培養が容易で組換え発現産物の大量製造が可能であるの
で、狂犬病の流行している発展途上諸国へ、安価でかつ
安全性及び有効性に優れた狂犬病ワクチンの提供が可能
となることが期待出来る。
を示す。
解析における、本発明の大腸菌組換え狂犬病ウイルスG
蛋白と抗狂犬病ウイルスG蛋白モノクローナル抗体との
反応を示す電気泳動の結果を示す写真。
疫されたマウスを用いた狂犬病野性株攻撃試験結果を示
す。
Claims (6)
- 【請求項1】 配列表配列番号1に記載の狂犬病ウイル
ス糖蛋白のアミノ酸配列のうち、+1〜505番目のアミノ
酸配列をコードする塩基配列を含む遺伝子断片を大腸菌
内で発現させることにより得られ、かつ免疫原性を有す
ることを特徴とする組換え狂犬病ウイルスG蛋白。 - 【請求項2】 該遺伝子断片が、配列表配列番号2に記
載のアミノ酸配列のうち、-6〜505番目のアミノ酸配列
をコードする塩基配列を含む遺伝子断片である請求項1
に記載の組換え狂犬病ウイルスG蛋白。 - 【請求項3】 配列表配列番号1に記載の+1〜505番目
のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む遺伝子断片
を大腸菌用発現ベクター内のプロモーター下流に組み込
んだベクターを大腸菌中に導入し、この形質転換体を培
養することにより狂犬病ウイルスG蛋白を産生させるこ
とを特徴とする組換え狂犬病ウイルス蛋白の製法。 - 【請求項4】 該遺伝子断片が、配列表配列番号2に記
載の-6〜505番目のアミノ酸配列をコードする塩基配列
を含む遺伝子断片である請求項3に記載の組換え狂犬病
ウイルス蛋白の製法。 - 【請求項5】 配列表配列番号1に記載の狂犬病ウイル
ス糖蛋白のアミノ酸配列のうち、+1〜505番目のアミノ
酸配列をコードする塩基配列を含む遺伝子断片を大腸菌
内で発現させることにより得られ、かつ免疫原性を有す
る組換え狂犬病ウイルスG蛋白を含有する狂犬病ワクチ
ン。 - 【請求項6】 該遺伝子断片が、配列表配列番号2に記
載のアミノ酸配列のうち、-6〜505番目のアミノ酸配列
をコードする塩基配列を含む遺伝子断片である請求項5
に記載の組換え狂犬病ウイルスG蛋白を含有する狂犬病
ワクチン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7100329A JPH08269092A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 大腸菌組換え狂犬病ワクチン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7100329A JPH08269092A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 大腸菌組換え狂犬病ワクチン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08269092A true JPH08269092A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=14271126
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7100329A Pending JPH08269092A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 大腸菌組換え狂犬病ワクチン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08269092A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997043428A1 (fr) * | 1996-05-09 | 1997-11-20 | Biocem | Plantes transgeniques exprimant la glycoproteine g de la rage, et glycoproteines ainsi obtenues |
WO1999021884A1 (en) * | 1997-10-29 | 1999-05-06 | Shanghai Second Medical University | Cblaeh07: a g protein gamma-5 subunit |
JP2008263964A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-11-06 | Yamaguchi Univ | コウモリ由来細胞株 |
WO2024055273A1 (zh) * | 2022-09-16 | 2024-03-21 | 复旦大学附属中山医院 | 一种狂犬病mRNA疫苗、其制备及应用 |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP7100329A patent/JPH08269092A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2008263964A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-11-06 | Yamaguchi Univ | コウモリ由来細胞株 |
WO2024055273A1 (zh) * | 2022-09-16 | 2024-03-21 | 复旦大学附属中山医院 | 一种狂犬病mRNA疫苗、其制备及应用 |
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