JPH0826808B2 - 内燃機関用速度制御装置 - Google Patents

内燃機関用速度制御装置

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JPH0826808B2
JPH0826808B2 JP63111853A JP11185388A JPH0826808B2 JP H0826808 B2 JPH0826808 B2 JP H0826808B2 JP 63111853 A JP63111853 A JP 63111853A JP 11185388 A JP11185388 A JP 11185388A JP H0826808 B2 JPH0826808 B2 JP H0826808B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関の燃料噴射ポンプの噴射量調節手
段の位置を制御することにより機関の回転速度を制御す
る速度制御装置に関するものである。
[従来の技術] ディーゼル機関のように燃料噴射ポンプにより燃料が
供給される機関においては、燃料噴射ポンプの噴射量調
節手段(通常は燃料噴射ポンプのコントロールラック)
を操作するアクチュエータを設け、このアクチュエータ
を制御することにより機関の回転速度を制御している。
この種の速度制御装置においては、機関の回転速度と
噴射量調節手段の位置とを検出し、機関の回転速度と、
指示回転速度との偏差に基いて指示回転速度を得るため
に必要な噴射量調節手段の目標位置を演算する。そして
検出されている噴射量調節手段の位置を目標位置に一致
させるために必要なアクチュエータの操作量を演算し、
演算された操作量だけアクチュエータを変位させること
により噴射量調節手段の位置を目標位置に一致させる。
ところで内燃機関においては、燃料の供給量によりト
ルクが決るが、各回転速度における出力(トルク×回転
数)はほぼ一定に保つことが望ましいため、各回転速度
において供給し得る燃料の量には上限がある。また排気
ガスに黒煙が生じるのを防止し、機関がオーバヒートす
るのを防止するために、各回転速度における燃料の供給
量を制限する必要がある。そのため燃料噴射ポンプが用
いられる場合には、各回転速度において噴射量調節手段
の最大位置(噴射量調節手段が燃料増量側へ変位する際
の許容限界位置)が決められており、回転速度に対する
噴射量調節手段の最大位置の特性は機関により相違す
る。
上記のように、内燃機関においては、各回転速度にお
ける噴射量調節手段の最大位置が定められているため、
機関の速度を制御する場合には単に回転速度と指示速度
との偏差を零にするようにアクチュエータを制御するだ
けでは足りず、各回転速度において噴射量調節手段の位
置が最大位置を超えないようにアクチュエータを制御す
る必要がある。
本出願人は先に、機関の回転速度を指示回転速度に保
つ速度制御と、噴射量調節手段の位置を各回転速度にお
ける最大位置以下に保つ最大噴射量制御とを行う速度制
御装置(特開昭62−13743号)を提案した。
先に提案した速度制御装置は、内燃機関の燃料噴射ポ
ンプの噴射量調節手段を操作するアクチュエータと、内
燃機関の回転速度に比例した周波数の速度検出信号を出
力する速度検出回路と、噴射量調節手段の位置を噴射量
増量側への最大位置に保持するようにアクチュエータを
制御する最大噴射量制御回路と、回転速度を設定値に保
つようにアクチュエータを制御する速度制御回路と、最
大噴射量制御回路によりアクチュエータを制御する最大
噴射量制御モードと速度制御回路によりアクチュエータ
を制御する速度制御モードとを切換える制御モード切換
回路とを備えている。ここで制御モード切換回路は、機
関の回転速度が指示回転速度以上になっているときに機
関の回転速度を指示回転速度に保持するための速度制御
を行わせ、噴射量調節手段の位置が最大噴射量位置を超
えたときには噴射量調節手段の位置を最大噴射量位置に
保つための最大噴射量制御を行わせるように制御モード
を切換える。
[発明が解決しようとする課題] 先に提案された装置によれば、速度制御と最大噴射量
制御との双方を行わせることができ、各回転速度におけ
る燃料の供給量が許容量を超えないように制御しつつ回
転速度を指示速度に保つ制御を行わせることができる。
しかしながらこの速度制御装置では、負荷が急激に投
入されたときに機関の出力が負荷の急変に追従すること
ができず、機関が停止することがあった。
第5図(A)はある内燃機関に関して、各回転速度N
における噴射量調節手段の最大位置LMを示したものであ
り、同図(B)は同機関の回転速度Nに対する出力の変
化を示したものである。この内燃機関では、定格回転速
度Nnにおいて噴射量調節手段の位置を最大位置Lm1とし
た時に、定格出力Pnが得られるようになっている。
第5図に示す特性を有する内燃機関に対して先に提案
した速度制御装置を適用し、機関の負荷トルクがT1のと
きに噴射量調節手段が最大位置よりも手前の位置にあっ
て定格速度Nnで運転しているものとする。この状態で第
6図(A)に示したように時刻t1において負荷トルクを
T1からT2(>T1)に急に増大させたとする。このときの
機関の回転速度Nの時間的変化は第6図(B)に示した
通りである。即ち機関の出力を修正する動作には時間遅
れがあるため、機関の回転速度は負荷が投入された後の
時刻t2ではN1(<Nn)まで低下する。時刻t2において負
荷トルクT2に対して余剰トルクを得ることができる場合
には回転速度が上昇していき、やがて回転速度が定格速
度Nnに復帰する。しかしながら時刻t2で負荷に対してト
ルクが不足する場合には回転速度を定格速度Nnに復帰さ
せることができず、機関は停止することになる。
また機関を定格回転速度Nnで運転している状態で、定
格出力に相当する負荷を徐々に投入した場合には、定格
回転速度Nnを保持することができるが、定格出力に相当
する負荷であってもこれを急に投入した場合には噴射量
調節手段の位置が最大位置でクランプされるため、回転
速度を復帰させるためのトルクを得ることができなくな
って機関が停止する。
以上のように、先に提案した速度制御装置では、負荷
の投入の仕方によっては機関が停止することがあり、機
関の能力を充分に発揮させることができない場合があっ
た。
本発明の目的は、負荷が急に投入された場合でも機関
を停止させることなく回転速度を指示回転速度に復帰さ
せることができるようにした内燃機関用速度制御装置を
提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、内燃機関の燃料噴射ポンプの噴射量調節手
段を操作するアクチュエータと、内燃機関の回転速度を
示す速度検出信号を出力する速度検出器と、前記噴射量
調節手段の位置を噴射量増量側への最大位置に保つよう
にアクチュエータを制御する最大噴射量制御回路と、回
転速度を設定値に保つようにアクチュエータを制御する
速度制御回路と、機関の回転速度が指示回転速度以上に
なっているときに速度制御回路によりアクチュエータを
制御する速度制御モードとし、噴射量調節手段の位置が
最大噴射量位置を超えたときには最大噴射量制御回路に
よりアクチュエータを制御する最大噴射量制御モードと
するように制御モードを切換える制御モード切換回路と
を備えた内燃機関用速度制御装置において、負荷が変化
した場合に一定時間の間制御モードを速度制御モードに
固定することにより、機関を停止させることなく回転速
度の復帰を図るようにしたものである。
そのため、本発明においては、内燃機関の負荷の変化
を検出する負荷変化検出器と、この負荷変化検出器によ
り所定の大きさ以上の負荷の増大が検出された時点より
設定された時間を計測するタイマとを設け、該タイマが
設定時間の計測を行っている間は回転速度と指示回転速
度との大小関係及び噴射量調節手段の位置のいかんに係
わりなく制御モードを速度制御モードに固定するように
制御モード切換回路を構成する。
[作 用] 上記のように構成すると、負荷が急に投入されたとき
に一時的に制御モードが速度制御モードに固定され、こ
の間は噴射量調節手段の位置が最大位置を超えることが
できるようになる。従って負荷が急に投入された場合に
は噴射量調節手段の位置を最大位置に制限することなく
制御して一時的に定格出力以上の出力を発生させること
ができ、回転速度を指示回転速度に復帰させることがで
きる。この場合速度制御モードに固定する時間はタイマ
により制限するので、長時間噴射量調節手段が最大位置
を超えることがなく、排気ガスに黒煙を生じたり、機関
がオーバヒートしたりするおそれはない。
[実施例] 以下添附図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の実施例の全体的構成を示したブロッ
ク図で、同図において1は制御対象である内燃機関(こ
の例ではディーゼル機関)、2は内燃機関1に燃料を供
給する燃料噴射ポンプ、3は内燃機関の負荷である。
燃料噴射ポンプ2は通常コントロールラックを備えて
いて、このラックの位置を変えることにより燃料の噴射
量を調節し得るようになっている。本実施例では、この
ラックを噴射量調節手段とする。4は燃料噴射ポンプ2
の噴射量調節手段を操作する電動式のアクチュエータ
で、このアクチュエータとしては電動機を駆動源として
出力アームを駆動するものや、電磁石を駆動源としてプ
ランジャを駆動するもの等が用いられる。
5は内燃機関1の回転速度を検出して回転速度を示す
速度検出信号を出力する速度検出器、6は燃料噴射ポン
プの噴射量調節手段の位置を検出する位置検出器であ
る。速度検出器5は例えば内燃機関の回転速度に比例し
た周波数の信号を出力する信号発電機と、この信号発電
機の出力周波数を電圧信号に変換する周波数電圧変換器
とにより構成される。また位置検出器6はポテンショメ
ータや差動変圧器等により構成される。尚第1図では噴
射量調節手段の位置を直接検出するように示してある
が、アクチュエータの出力部の位置から噴射量調節手段
の位置を検出するようにしてもよい。
速度検出器5から得られる速度検出信号Vnは指示回転
速度Noを示す指示速度信号Vnoを出力する指示速度信号
発生器7の出力とともに速度偏差信号発生器8に入力さ
れている。速度偏差信号発生器8は指示速度信号Vnoか
ら速度検出信号Vnを減算して速度偏差信号Vnd(=Vno−
Vn)を出力する。
位置検出器6から得られる位置検出信号Vpは、各回転
速度Nにおける噴射量調節手段の噴射量増量側への最大
位置LMを演算して該最大位置を示す最大位置信号Vpmを
出力する最大位置信号発生器9の出力とともに位置偏差
信号発生器10に入力されている。位置偏差信号発生器10
は、最大位置信号Vpmから位置検出信号Vpを減算して位
置偏差信号Vpdを出力する。
速度偏差信号Vnd及び位置偏差信号Vpdは切換スイッチ
11を通してPID演算器12に入力される。PID演算器は、速
度偏差または位置偏差を入力として比例(P)、積分
(I)及び微分(D)演算を行うことにより機関の回転
速度を指示回転速度Noに保つために必要な噴射量調節手
段の操作量を演算する。PID演算器が演算した操作量は
駆動信号出力回路13に入力される。駆動信号出力回路13
は演算された操作量だけ噴射量調節手段を操作するよう
にアクチュエータ4に駆動信号を与える。アクチュエー
タ4は与えられた駆動信号に応じて噴射量調節手段を演
算された操作量だけ操作する。
上記指示速度信号発生器7と、速度偏差信号発生器8
と、最大位置信号発生器9と、位置偏差信号発生器10
と、切換スイッチ11と、PID演算器12と駆動信号出力回
路13とにより制御演算部14が構成されている。そしてこ
の例では、速度検出器5、指示速度信号発生器7、速度
偏差信号発生器8、切換スイッチ11、PID演算器12及び
駆動信号出力回路13により、機関の回転速度を指示回転
速度に保つようにアクチュエータ4を制御する速度制御
回路が構成されている。また位置検出器6と、噴射量調
節手段最大位置信号発生器9と、位置偏差信号発生器10
と、切換スイッチ11と、PID演算器12と駆動信号出力回
路13とにより、噴射量調節手段の噴射量増量側への限界
位置を設定された最大位置に制限するようにアクチュエ
ータ4を制御する最大噴射量制御回路が構成されてい
る。
20は制御モード切換回路で、この切換回路により切換
スイッチ11を切換えることにより、制御系の制御モード
を速度制御モードと最大噴射量制御モードとに切換える
ようになっている。
本発明においては、上記の構成に加えて、更に負荷変
化検出器21と、タイマ22とが設けられている。
負荷変化検出器21は、速度検出器5から得られる速度
検出信号Vnを時間微分する微分器23と、この微分器の出
力から所定の大きさ以上の負荷の変化を判別する負荷判
別器24とからなっている。
タイマ22は、負荷変化検出器21により所定の大きさ以
上の負荷の増大が検出された時点より設定された時間だ
け時限動作を行い、時限動作を行っている間所定のタイ
マ出力信号Cを出力する。
制御モード切換回路20は、速度検出信号Vnと、指示回
転速度信号Vnoと、最大位置信号Vpmと、位置検出信号Vp
と、タイマ22の出力信号Cとを入力として、速度制御モ
ードにする条件が成立しているときと、最大噴射量制御
モードにする条件が成立しているときとでそれぞれ異な
る状態をとる信号Dを出力する。すなわち、機関の回転
速度Nが指示回転速度No以上になっているときには速度
制御回路によりアクチュエータ4を制御する速度制御モ
ードを行わせるものとし、このとき制御モード切換回路
20の出力信号Dのレベルが第1の状態(例えば高レベ
ル)となる。また噴射量調節手段の位置が最大噴射量位
置を超えたときには最大噴射量制御回路によりアクチュ
エータ4を制御する最大噴射量制御モードを行わせるも
のとし、このとき制御モード切換回路20の出力信号Dの
レベルは第2の状態(例えば低レベルまたは零レベル)
になる。
上記制御モード切換回路20の出力信号Dは切換スイッ
チ11の制御端子に与えられ、切換スイッチ11は、出力信
号Dのレベルが第1の状態にある時に速度偏差信号Vnd
をPID演算器12に与えて速度制御を行わせ、出力信号D
のレベルが第2の状態にある時に位置偏差信号VpdをPID
演算器12に与えて最大噴射量制御を行わせる。
第2図は負荷変化検出器21及び制御モード切換回路20
の具体的構成例を示したものである。この例では、演算
増幅器OP1と抵抗R1及びR2とコンデンサC1とにより微分
器23が構成され、この微分器23に速度検出信号Vnが入力
されている。
微分器23の出力Vdは比較器CP1の正相入力端子に入力
され、該比較器CP1の逆相入力端子には、図示しない電
源回路の出力電圧Vccを抵抗R3及びR4からなる分圧回路
により分圧して得た基準電圧Voが入力されている。
比較器CP1と抵抗R3及びR4とにより負荷判別器24が構
成され、比較器CP1の出力がタイマ22の制御端子に与え
られている。
機関に負荷が投入されると、その回転速度が低下す
る。回転速度が低下すると速度検出信号Vnが変化するた
め、微分器23がその変化の大きさに応じた大きさの微分
信号Vdを出力する。この微分信号Vdが基準電圧以上ある
ときに比較器CP1の出力端子の電位が瞬間的に高レベル
になる。これによりタイマ22が時限動作を開始し、該タ
イマは時限動作を行っている一定時間の間高レベルのタ
イマ出力信号Cを出力する。
制御モード切換回路20は、比較器CP2及びCP3と、オア
回路OR1と、RSフリップフロップ回路FFとにより構成さ
れている。
比較器CP2には速度検出信号Vnと指示速度信号Vnoとが
入力され、速度検出信号Vnが指示速度信号Vnoよりも大
きいとき(機関の回転速度が指示回転速度よりも高いと
き)に比較器CP2の出力端子の電位が高レベルになる。
この比較器CP2の出力はタイマ22の出力Cとともにオア
回路OR1に入力され、該オア回路OR1の出力がフリップフ
ロップ回路FFのセット端子Sに入力されている。比較器
CP3には位置検出信号Vpと各回転速度における最大位置
信号Vpmとが入力され、位置検出信号Vpが最大位置信号V
pmを超えた時に比較器CP3の出力端子の電位が高レベル
になるようになっている。この比較器CP3の出力はフリ
ップフロップ回路FFのリセット端子Rに入力されてい
る。フリップフロップ回路FFの正論理出力端子Qに得ら
れる信号Dが切換スイッチ11の制御端子に入力されてい
る。
切換スイッチ11はその制御端子に高レベルの信号が入
力された時に速度偏差信号VndをPID演算器12に与え、制
御端子に低レベルの信号が入力された時に位置偏差信号
VpdをPID演算器12に与える。
上記の実施例において、比較器CP3の出力A、比較器C
P2の出力B、タイマの出力C及びフリップフロップ回路
の出力Dの関係を示す真理値表は表1の通りである。こ
の表において、「1」は信号が高レベルであることを示
し、「0」は信号が低レベルであることを示している。
また#は信号のレベルが変化しないことを意味してい
る。信号Dが高レベルの時に速度制御モードで制御が行
われ、信号Dが低レベルの時に最大噴射制御モードで制
御が行われることになる。
上記制御モード切換回路においては、機関の回転速度
Nが指示回転速度No以上になっているときに比較器CP2
の出力Bが高レベルになってオア回路OR1の出力が高レ
ベルになり、フリップフロップ回路FFをセットする。こ
れによりフリップフロップ回路FFをセットする。これに
よりフリップフロップ回路FFの出力端子Qに得られる信
号Dが高レベルになる。このとき切換スイッチ11は速度
偏差信号VndをPID演算器12に与えて制御モードを速度制
御モードとする。PID演算器は、回転速度を指示回転速
度に一致させるために必要な噴射量調節手段の操作量を
演算し、演算した操作量を駆動信号出力回路13に与え
る。駆動信号出力回路13は噴射量調節手段を演算された
操作量だけ操作するようにアクチュエータ4に駆動信号
を与え、回転速度を指示回転速度に保持する。
また噴射量調節手段の位置が最大噴射量位置を超えた
ときに比較器CP3の出力Aが高レベルになってフリップ
フロップ回路FFをリセットする。これによりフリップフ
ロップ回路FFの出力端子Qに得られる信号Dが低レベル
になる。このとき切換スイッチ11は、位置偏差信号Vpd
をPID演算器12に与えて制御モードを最大噴射量制御モ
ードとする。PID演算器12は噴射量調節手段の位置を最
大噴射量位置に一致させるために必要な操作量を演算
し、演算した操作量を駆動信号出力回路13に与える。駆
動信号出力回路13は噴射量調節手段を演算された操作量
だけ操作するように駆動信号をアクチュエータに与え、
噴射量調節手段を最大噴射量位置に保持する。
回転速度が指示回転速度を超えかつ噴射量調節手段の
位置が最大位置を超えて比較器CP3及びCP2の出力A及び
Bが共に高レベルになったときにはフリップフロップ回
路FFの出力Dが高レベルに保持されるようになってお
り、このとき速度制御モードで制御が行われる。
また所定の大きさ以上の負荷変化が検出されてタイマ
22が高レベルのタイマ出力Cを発生したときにもフリッ
プフロップ回路FFがセットされ、タイマ出力Cが高レベ
ルになっている間フリップフロップ回路の出力信号Dが
高レベルに保持される。これにより所定の大きさ以上の
負荷変化が生じてから一定時間の間制御モードが速度制
御モードに固定される。
上記実施例において、第3図(A)に示したように時
刻taにおいて負荷が投入されたとする。このとき機関の
回転速度が低下するため、速度検出信号Vnが第3図
(B)に示すように変化し、微分器23は第3図(C)に
示すような微分信号Vdを出力する。時刻tbでこの微分信
号Vdが基準電圧Voを超えると第3図(D)に示したよう
に比較器CP1の出力Vcが高レベルになる。この比較器の
出力の立上りでタイマ22が時限動作を開始し、タイマ22
は設定された時間Twの間高レベルのタイマ出力信号C
(第3図E)を出力する。タイマ22が高レベルのタイマ
出力信号Cを出力している間フリップフロップ回路FFの
出力端子Qに高レベルの信号Dが得られ、制御モードが
速度制御モードに固定される。この状態では、噴射量調
節手段を最大位置に保持する制御が行われないため、噴
射量調節手段は最大噴射量位置を超えることができるよ
うになる。従って定格負荷が急に投入されたような場合
でも、一時的に定格出力以上の出力を発生させて回転速
度を確実に指示回転速度に復帰させることができる。
上記の実施例では、速度検出信号の変化から負荷の変
化を検出するようにしたが、負荷の変化の検出の仕方は
上記実施例のものに限定されるものではない。例えば、
内燃機関の負荷が発電機である場合には、該発電機の出
力から負荷の変化を検出するようにしてもよい。第4図
は内燃機関の出力軸に取付けられた発電機30から負荷31
に供給される電流ILの変化により負荷の変化を検出する
ようにしたもので、この例では発電機30から負荷31に至
る線路に変流器CTが取付けられ、この変流器CTの出力が
負荷検出器32に入力されている。負荷検出器32は発電機
の負荷電流に比例した負荷検出信号(電圧信号)VLを発
生し、この負荷検出信号が微分器23に入力されている。
その他の構成は第1図の実施例と全く同様である。
第4図の実施例においては、発電機30の負荷が変化し
た時に負荷検出信号VLが変化し、この負荷検出信号の変
化が微分器23により検出される。その他の動作は第1図
の実施例の動作と同様である。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、負荷が投入されたと
きに一時的に制御モードを速度制御モードに固定するよ
うにして噴射量調節手段の位置が最大位置を超えること
ができるようにしたので、負荷が急に投入された場合に
一時的に定格出力以上の出力を発生させることができ、
回転速度を指示回転速度に確実に復帰させることができ
る。また速度制御モードに固定する時間はタイマにより
制限するので、排気ガスに長時間黒煙を生じたり、機関
がオーバヒートしたりするおそれはない。従って機関の
動作に何等支障を来たさずに負荷の急変に対処すること
ができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の全体的構成を示すブロック
図、第2図は第1図の実施例で用いる負荷変化検出器と
制御モード切換回路の構成を示す回路図、第3図は第1
図及び第2図に示した実施例の各部の信号波形を示す波
形図、第4図は本発明の他の実施例の全体的構成を示し
たブロック図、第5図は速度制御と最大噴射量制御とを
行った場合の噴射量調節手段の最大位置の回転速度に対
する特性と機関の出力の回転速度に対する特性とを示し
た線図、第6図は従来の速度制御装置において負荷変動
が生じた場合の応答を示した線図である。 1……内燃機関、2……燃料噴射ポンプ、3……負荷、
4……アクチュエータ、5……速度検出器、6……位置
検出器、7……指示速度信号発生器、8……速度偏差信
号発生器、9……最大位置信号発生器、10……位置偏差
信号発生器、11……切換スイッチ、12……PID演算器、1
3……駆動信号出力回路、20……制御モード切換回路、2
1……負荷変化検出器、22……タイマ、23……微分器、2
4……負荷判別器、32……負荷検出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−111015(JP,A) 実開 昭58−177533(JP,U) 実開 昭62−171630(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の燃料噴射ポンプの噴射量調節手
    段を操作するアクチュエータと、前記内燃機関の回転速
    度を示す速度検出信号を出力する速度検出器と、前記噴
    射量調節手段の位置を噴射量増量側への最大位置に保持
    するように前記アクチュエータを制御する最大噴射量制
    御回路と、前記回転速度を設定値に保つように前記アク
    チュエータを制御する速度制御回路と、機関の回転速度
    が指示回転速度以上になっているときに前記速度制御回
    路により前記アクチュエータを制御する速度制御モード
    とし、噴射量調節手段の位置が最大噴射量位置を超えた
    ときには前記最大噴射量制御回路により前記アクチュエ
    ータを制御する最大噴射量制御モードとするように制御
    モードを切換える制御モード切換回路とを備えた内燃機
    関用速度制御装置において、 前記内燃機関の負荷の変化を検出する負荷変化検出器
    と、 前記負荷変化検出器により所定の大きさ以上の負荷の増
    大が検出された時点より設定された時間を計測するタイ
    マとを具備し、 前記制御モード切換回路は、前記タイマが設定時間の計
    測を行っている間は前記回転速度と指示回転速度との大
    小関係及び噴射量調節手段の位置のいかんに係わりなく
    制御モードを速度制御モードに固定するように構成され
    ていることを特徴とする内燃機関用速度制御装置。
JP63111853A 1988-05-09 1988-05-09 内燃機関用速度制御装置 Expired - Fee Related JPH0826808B2 (ja)

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