JPH08267565A - 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法

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JPH08267565A
JPH08267565A JP7075986A JP7598695A JPH08267565A JP H08267565 A JPH08267565 A JP H08267565A JP 7075986 A JP7075986 A JP 7075986A JP 7598695 A JP7598695 A JP 7598695A JP H08267565 A JPH08267565 A JP H08267565A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
fiber
resin composite
pipe
reinforced
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Application number
JP7075986A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Sasakura
満雄 笹倉
Koichi Adachi
浩一 足立
Hisao Ikeda
尚夫 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維強化熱可塑性樹脂複合体を熱可塑性樹脂
管の外周面に積層した繊維強化熱可塑性樹脂複合管の内
外両層界面における融着強度を強化すると共に寸法安定
性のある繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法を提供
する。 【構成】 繊維強化熱可塑性樹脂複合体を熱可塑性樹脂
管の外周面に積層して多層管状体を形成し、該多層管状
体を、排気口に連通する複数個の吸引孔が内面に開口す
る筒状加熱金型に導き、加熱しながら上記吸引孔より吸
引して多層管状体を上記筒状加熱金型内面に密着させる
ことを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂
複合管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化合成樹脂複合管は、金属管に比
べて軽量で錆びず、又、合成樹脂管に比べて高強度であ
るため、配管用部材や構造部材として広く用いられてい
る。
【0003】従来、この繊維強化合成樹脂複合管とし
て、熱可塑性樹脂管の外周面に繊維強化熱硬化性樹脂か
らなる補強層を層着した複合管が開発され、使用に供さ
れているが、内層の熱可塑性樹脂管と外層の繊維強化熱
硬化性樹脂管との接着力が弱く、上記複合管を冷熱繰り
返しの条件下で使用すると、内層の熱可塑性樹脂管と外
層の繊維強化熱硬化性樹脂管との界面において剥離し、
補強効果を減殺する上、繊維強化材を、例えば、フィラ
メントワインディング方式で供給する際に著しく供給時
間がかかり、更に熱硬化性樹脂の硬化時間が加わるの
で、生産性が低いものであった。
【0004】本発明者らは、上記の問題点を改善する繊
維強化熱可塑性樹脂複合管として、先に、上記繊維強化
熱硬化性樹脂に替えて、繊維強化熱可塑性樹脂複合体を
使用し、上記多層管状体を該多層管状体の内側雰囲気の
加圧及び/又は外側雰囲気の減圧の条件下に置いて融着
一体化する繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法を提
案した(特開平6−218841号公報)。
【0005】上記繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方
法によって、繊維強化熱可塑性樹脂複合管の内層の熱可
塑性樹脂管と外層の繊維強化熱可塑性樹脂管との融着強
度は強化され、且つ、その生産性は飛躍的に改善された
が、上記内外両管の融着一体化に際し、その外径を規制
する支持物がないため、製造条件の振れにより、外方に
膨出して、寸法安定性を低下させるという問題点を残し
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の事実
に鑑みなされたものであって、その目的とするところ
は、繊維強化熱可塑性樹脂複合体を熱可塑性樹脂管の外
周面に積層した繊維強化熱可塑性樹脂複合管の内外両層
界面における融着強度を強化すると共に寸法安定性のあ
る繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法を提供するに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維強化熱可
塑性樹脂複合体を熱可塑性樹脂管の外周面に積層して多
層管状体を形成し、該多層管状体を、排気口に連通する
複数個の吸引孔が内面に開口する筒状加熱金型に導き、
加熱しながら上記吸引孔より吸引して多層管状体を上記
筒状加熱金型内面に密着させることを特徴とする繊維強
化熱可塑性樹脂複合管の製造方法をその要旨とするもの
である。
【0008】上記熱可塑性樹脂は、押出成形法により管
状体の成形ができるものであれば特に限定されるもので
はないが、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、
その他、塩化ビニルを主体とし、これと共重合し得る他
のモノマーとの共重合体、エチレン、プロピレン等のオ
レフィン類を主体とし、これと共重合し得る他のモノマ
ーとの共重合体、等々、各種の共重合体が挙げられる。
【0009】上記熱可塑性樹脂は、単1種で使用されて
もよいが、2種以上が混合されて使用されてもよい。
又、ニトリルゴム、ブタジエンゴム等の弾性体等を配合
した樹脂組成物として使用されてもよい。又、上記熱可
塑性樹脂には、必要に応じて、熱安定剤、可塑剤、滑
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤、その
他の加工助剤、改質剤等が添加されてもよい。
【0010】又、上記内層を構成する熱可塑性樹脂管と
外層を構成する繊維強化熱可塑性樹脂複合体に用いられ
る上記熱可塑性樹脂は、相互に熱融着性が良好な熱可塑
性樹脂であれば同一種類の熱可塑性樹脂である必要はな
く、上記熱可塑性樹脂群から適宜選択使用される。
【0011】本発明において、上記熱融着性の良否は、
2種の熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性樹脂組成物の成形
体を各々溶融状態になるまで加熱し、圧着し、冷却した
後、両者の界面が不明瞭になる程度に融着し、これらを
上記界面において容易に剥離し得ないものであるか否か
で判断される。
【0012】上記繊維強化熱可塑性樹脂複合体に用いら
れる強化繊維は、得られる繊維強化熱可塑性樹脂複合管
の用途に応じて、例えば、布帛状、網状、長繊維等適宜
使用され得るが、図2に示される如く、直径1〜数十μ
mの連続フィラメントからなるロービング状又はストラ
ンド状の繊維に、流動床装置を使用して微粉末状熱可塑
性樹脂を含浸し、加熱ロール間を通して加熱圧着し、上
記繊維強化熱可塑性樹脂複合体を形成したものが好適に
使用される。
【0013】上記強化繊維としては、ガラス繊維、炭素
繊維、金属繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維等の無機及
び有機の連続フィラメントが使用される。
【0014】上記強化繊維は、予め熱可塑性樹脂との親
和性を高めるために、表面処理が施されてもよい。例え
ば、ガラス繊維に対してシラン処理、炭素繊維に対して
酸化剤による液層酸化、陰極酸化、ふっ化物処理、プラ
ズマ処理等、アルミナ繊維に対してチタネート処理、ア
ラミド繊維に対しアミン基導入による表面処理等々が挙
げられる。
【0015】上記流動床装置で使用される熱可塑性樹脂
は、流動床で流動し得る粉末状になされる。上記粉末状
熱可塑性樹脂の平均粒径は、50〜200μmの範囲に
あるものが上記強化繊維に対し良好な含浸性を示す。平
均粒径が余り細粒に過ぎても流動床に送り込まれる空気
によって飛散する比率が高まり効率的でなくなり、逆
に、平均粒径が余り大きくなると、流動床における流動
化が悪くなる。
【0016】図3において、F1は多数本の連続フィラ
メントからなる強化繊維であり、流動床装置11にガイ
ドロール12、12、・・・に誘導され流動床Rを通過
する。上記流動床Rは、流動床装置11下部に設けられ
た高圧空気室13に、符号Gから矢印方向に圧入され、
該高圧空気が上部浸漬槽14との間に設けられた多孔質
の底板15の細孔から噴出し上昇気流を形成し、該気流
に上記粉末状熱可塑性樹脂をのせて、あたかも上記粉末
状熱可塑性樹脂か沸騰しつつある液体の如く流動状態に
して形成される。
【0017】上記流動床Rを通過する間に、上記多数本
の連続フィラメントからなる強化繊維は、その繊維の表
面及び繊維間に上記粉末状熱可塑性樹脂を含浸し、熱可
塑性樹脂含浸シートF2を形成する。次いで、上記熱可
塑性樹脂含浸シートF2は、加熱ロール16、16間
で、加熱圧着され、上記強化繊維の配向方向に直交する
方向に融着され、上記繊維強化熱可塑性樹脂複合体F3
が作製される。
【0018】上記繊維強化熱可塑性樹脂複合体F3の強
化繊維の含有量は、得られる繊維強化熱可塑性樹脂複合
管の用途に応じて適宜設定されるが、通常、5〜70容
量%である。上記含有量が5容量%未満では十分な補強
効果が得られず、70容量%を超えると上記熱可塑性樹
脂の含浸量が低下し、上記融着強度が低下する。又、上
記繊維強化熱可塑性樹脂複合体F3の厚さも、上記強化
繊維の含有量と同様、得られる繊維強化熱可塑性樹脂複
合管の用途に応じて適宜設定されるが、通常、0.1〜
5mmである。
【0019】上記繊維強化熱可塑性樹脂複合体F3の幅
は、複合される熱可塑性樹脂管の外径に上記繊維強化熱
可塑性樹脂複合体F3の厚さの2倍を加えた値から算出
される熱可塑性樹脂管の外周長さであるが、上記熱可塑
性樹脂管の外周面に積層するに際し、取扱い易さから2
分割もしくは3分割以上に分割して使用してもよい。
【0020】以上に上記繊維強化熱可塑性樹脂複合体F
3の一例を示したが、前記する如く、本発明において
は、これに限定されるものではなく、例えば、上記多数
本の連続フィラメントからなる強化繊維に熱可塑性樹脂
を含浸もしくは付着せしめる方法にあっても、上記流動
床装置を利用する方法に替えて、上記熱可塑性樹脂を溶
剤に溶解した溶液や分散液に上記多数本の連続フィラメ
ントからなる強化繊維を浸漬し、熱可塑性樹脂を含浸も
しくは付着せしめてもよい。
【0021】上記排気口に連通する複数個の吸引孔が内
面に開口する筒状加熱金型は、図2にその一例を示す如
く、該筒状加熱金型4を通過する熱可塑性樹脂管Aと該
筒状加熱金型4の間に上記繊維強化熱可塑性樹脂複合体
F3を所定厚さの管状体に賦形し、同時に上記熱可塑性
樹脂管Aに融着一体化するためのものであり、41、4
1、・・・は、該筒状加熱金型4外周を包み込む様に装
着された加熱具であり、42、42、・・・は、上記繊
維強化熱可塑性樹脂複合体F3を該筒状加熱金型4内面
43に密着させるための減圧用の吸引孔であり、該吸引
孔42は、連結管44を経て減圧ポンプ5に連結されて
いる。
【0022】上記吸引孔42は、上記繊維強化熱可塑性
樹脂複合体F3が熱可塑性樹脂管A外周面に偏りなく積
層されるように、上記筒状加熱金型4内面に筒状加熱金
型4の中心軸に対し対称的に開口するように設けられる
ことが好ましく、吸引孔42の数は、形成される上記繊
維強化熱可塑性樹脂複合管Cの外面の平滑度を阻害しな
い範囲で可及的多いことが望ましい。
【0023】以下、図1に示された、本発明を実施する
ための装置の一例を参照しながら、本発明の繊維強化熱
可塑性樹脂複合管の製造方法を順を追って説明する。
【0024】図1において、1は、熱可塑性樹脂管Aを
成形するための押出機であり、2は、上記熱可塑性樹脂
管A成形用金型である。上記熱可塑性樹脂管A成形用金
型2を備えた押出機1によって成形された熱可塑性樹脂
管Aは、図2に拡大して示す、排気口に連通する複数個
の吸引孔が内面に開口する筒状加熱金型4内を通過す
る。上記筒状加熱金型4の内面43と上記熱可塑性樹脂
管Aとの間に、図3に示す流動床装置11によって、予
め作製されている繊維強化熱可塑性樹脂複合体F3を、
上記熱可塑性樹脂管A成形用金型2と筒状加熱金型4と
の間で、上記熱可塑性樹脂管Aの上下に2分割して供給
し、所定厚さの管状体に賦形される。
【0025】上記の如く、熱可塑性樹脂管Aの外周面に
所定厚さの管状体として賦形され、積層された多層管状
体Bは、加熱具41、41、・・・によって加熱される
と同時に、排気ポンプ5により、上記筒状加熱金型4の
内面43と多層管状体Bの間の空間に存在する気体を複
数個の吸引孔42、42、・・・から吸引排気し、該空
間を減圧状態にして、多層管状体Bを上記筒状加熱金型
4の内面43に吸引し、密着させる。
【0026】上記の如く、多層管状体Bが上記筒状加熱
金型4の内面43に吸引され、密着すると、多層管状体
Bの内層を構成する熱可塑性樹脂管Aと繊維強化熱可塑
性樹脂複合体F3からなる管状体とは、強い力で圧着さ
れ、加熱具41で十分に加熱されているので上記両者は
強固に融着する。
【0027】同時に、繊維強化熱可塑性樹脂複合体F3
からなる管状体は、上記筒状加熱金型4の内面43と上
記熱可塑性樹脂管Aとの間に挟圧され、且つ、上記筒状
加熱金型4の内面43に開口する複数個の吸引孔42、
42、・・・から吸引排気されるので、上記繊維強化熱
可塑性樹脂複合体F3からなる管状体内に残存している
気体及び該繊維強化熱可塑性樹脂複合体F3からなる管
状体と熱可塑性樹脂管Aとの界面に巻き込まれた気体は
悉く除去される。
【0028】上記の如くして、筒状加熱金型4におい
て、熱可塑性樹脂管Aの外周面に繊維強化熱可塑性樹脂
複合体F3からなる管状体が積層され、加熱下に吸引圧
着され上記両者は融着一体化され、次いで、冷却水槽を
備えたサイジング装置6で冷却されながら繊維強化熱可
塑性樹脂複合管Cは、外径がサイジング固定される。7
は、上記サイジング装置6に至る上記繊維強化熱可塑性
樹脂複合管Cの引取機であり、かくして得られた繊維強
化熱可塑性樹脂複合管Cは、図示されていない切断機に
よって規格長さに切断され製品化される。
【0029】猶、上記筒状加熱金型4の金型温度は、使
用する熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、一般に、
ビカット軟化点温度以上、融点以下の温度範囲で、熱可
塑性樹脂管Aの成形条件とも併せて適宜設定される。
又、排気ポンプ5による減圧力は、500〜760mm
Hg程度の範囲が好ましく、更に好ましくは、650〜
760mmHgである。
【0030】
【作用】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方
法は、繊維強化熱可塑性樹脂複合体を熱可塑性樹脂管の
外周面に積層して多層管状体を形成し、該多層管状体
を、排気口に連通する複数個の吸引孔が内面に開口する
筒状加熱金型に導き、加熱しながら上記吸引孔より吸引
して多層管状体を上記筒状加熱金型内面に密着させるこ
とによって、内層を構成する熱可塑性樹脂管と外層を構
成する繊維強化熱可塑性樹脂複合体からなる管状体が強
固に融着し、且つ、上記繊維強化熱可塑性樹脂複合体か
らなる管状体内の残存ガス及び該管状体と上記熱可塑性
樹脂管との界面に巻き込まれた空気を十分に脱気し、緻
密な繊維強化熱可塑性樹脂複合管の組織を形成している
ので、上記融着界面や繊維強化熱可塑性樹脂複合体から
なる管状体部分における剥離やボイドの形成がなく、繊
維強化の効果を十分に発揮した高強度管を安定して製造
できる。
【0031】更に、又、筒状加熱金型によって、繊維強
化熱可塑性樹脂複合管の外径の寸法精度が高水準に維持
されるので、製造条件の僅かなバラツキがあっても上記
繊維強化熱可塑性樹脂複合管の外径に影響を及ぼすこと
なく、長時間、外径の寸法精度が高水準に保持された高
品位の繊維強化熱可塑性樹脂複合管を安定して製造でき
る。
【0032】
【実施例】以下に実施例を掲げて、本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0033】(実施例1)繊維強化熱可塑性樹脂複合体の作製 図3に示すように、直径23μmのフィラメント400
0本からなるロービング状のガラス繊維(日本電気硝子
社製、tex4400)10本をシート状に解繊して、
流動床装置11に誘導し、以下に示す組成の平均粒径8
0μmの粉末状塩素化塩化ビニル樹脂組成物の流動床R
に浸漬し、該樹脂組成物を含浸した。
【0034】 (樹脂組成物) 塩素化塩化ビニル樹脂(重合度1000、塩素化度67%) 100重量部 錫系熱安定剤 4重量部 ステアリルアルコール 2重量部 ポリエチレンワックス 0.5重量部
【0035】上記塩素化塩化ビニル樹脂組成物の流動床
Rは、流動床装置11下部に設けられた高圧空気室13
に、符号Gから矢印方向に圧入され、該高圧空気が上部
浸漬槽14との間に設けられた多孔質の底板15の細孔
から噴出し上昇気流を形成し、該気流に上記粉末状塩素
化塩化ビニル樹脂をのせて、あたかも上記粉末状塩素化
塩化ビニル樹脂組成物が沸騰しつつある液体の如く流動
状態にして形成される。
【0036】上記流動床Rを通過する間に、上記シート
状に解繊されたガラス繊維からなる強化繊維は、その繊
維の表面及び繊維間に上記粉末状塩素化塩化ビニル樹脂
組成物を含浸し、塩素化塩化ビニル樹脂含浸シートF2
を形成する。次いで、上記塩素化塩化ビニル樹脂含浸シ
ートF2は、加熱ロール16、16間で、加熱圧着さ
れ、上記強化繊維の配向方向に直交する方向に融着さ
れ、厚さ0.5mm、幅360mm、厚さ0.5mmの
上記繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂複合体F3を作製
し、これをスリット加工により幅179mm×厚さ0.
5mmのシート2枚とし、各々を巻芯に巻回した。
【0037】図1に示す如く、上記繊維強化塩素化塩化
ビニル樹脂複合体F3に用いられたものと同組成の塩素
化塩化ビニル樹脂組成物を、押出機1により加熱可塑化
し、管用金型2によって塩素化塩化ビニル樹脂管Aを押
出し、該塩素化塩化ビニル樹脂管Aの上方及び下方に設
けられた巻戻しロール3に上記繊維強化塩素化塩化ビニ
ル樹脂複合体F3巻回ロールをセットし、筒状加熱金型
4に導入し、上記塩素化塩化ビニル樹脂管Aの外周面を
上下両面から包み込んで被覆し、外径107.0mm、
厚さ3.5mmの多層管状体Bを形成した。
【0038】上記筒状加熱金型4に繊維強化塩素化塩化
ビニル樹脂複合体F3を導入するスタート作業は、予め
図1に示す筒状加熱金型4を含む製造ラインにセットさ
れたガイド用の樹脂管に上記繊維強化塩素化塩化ビニル
樹脂複合体F3を管状に被覆固定して引取機7で引取な
がら、該ガイド用の樹脂管に後続して塩素化塩化ビニル
樹脂管Aを押出して行った。
【0039】上記筒状加熱金型4は、図2に拡大して示
すように、加熱具41により150℃に均一に加熱され
ており、減圧ポンプ5に連なる吸引管44を介して吸引
孔42、42、・・・より吸引され、700mmHgの
減圧がなされ、該筒状加熱金型4内面に吸引力が作用し
ているので、該筒状加熱金型4内面を通過する多層管状
体Bは加熱され、その内面43に押圧されて密着し、繊
維強化塩素化塩化ビニル樹脂複合体F3を表面の凹凸や
内部にボイドのない緻密な外層をその外径をサイジング
しながら形成すると共に、該繊維強化塩素化塩化ビニル
樹脂複合体F3と塩化ビニル樹脂管Aとをその界面にお
いて強固に融着した。
【0040】上記筒状加熱金型4により賦形された多層
管状体Bは、次いで、水槽を備えたサイジング装置6で
冷却サイジングされて、外径107.0mm、厚さ3.
5mmの繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂複合管Cが作製
された。
【0041】得られた繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂複
合管Cを管軸方向に2cmの長さに輪切りにして融着界
面の剪断打ち抜き強度測定用試験片を作成し、水道用硬
質塩化ビニルライニング鋼管に関するJWWA 116
に準拠して、剪断打ち抜き強度を測定した。測定結果、
塩素化塩化ビニル樹脂管Aと繊維強化塩素化塩化ビニル
樹脂複合体F3との融着界面における剪断強度の平均値
は、100kgf/cm2 であった。又、上記融着界面
の剪断打ち抜き強度試験後、塩素化塩化ビニル樹脂管A
側と繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂複合体F3の内外両
界面を目視により観察したが、この観察によっては、ボ
イド等の空隙部の存在は見当たらなかった。更に、得ら
れた繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂複合管Cの外径をラ
ンダムに10点測定した。測定結果は、平均外径10
7.0mm、外径のバラツキRの最大、最小値は、±
0.5mm、最大バラツキRの平均値は、±0.2mm
であった。
【0042】(比較例1=特開平6−218841号公
報記載の方法に相当する。)実施例1で作成された繊維
強化塩素化塩化ビニル樹脂複合体F3を、幅358mm
にスリット加工して第1強化層用シート状繊維複合体2
0とし、幅20mmにスリット加工して第2強化層用シ
ート状繊維複合体21として準備し、図4及び図5に2
つに分割して示す装置を使用して繊維強化塩素化塩化ビ
ニル樹脂複合管を作成した。
【0043】先ず、実施例1で使用した塩素化塩化ビニ
ル樹脂組成物を、押出機22によって加熱可塑化してク
ロスヘッド金型23に送り、一方、上記幅358mmの
第1強化層用シート状繊維複合体20を供給し、上記ク
ロスヘッド金型23で成形される塩素化塩化ビニル樹脂
管の外周面を包み込むように被覆した状態で押出し、第
1強化層を有する繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂複合管
25を成形した。
【0044】上記クロスヘッド金型23には、一端がイ
ンナーコア26を貫通して上記繊維強化塩素化塩化ビニ
ル樹脂複合管25内に開放し、他端が圧力ポンプ27に
連通する上記繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂複合管加圧
空気の通路28が設けられている。
【0045】29は、冷却金型であり、上記繊維強化塩
素化塩化ビニル樹脂複合管25内に2重に設けられた上
記インナーコア26の間に設けられており、上記加圧空
気の通路28を通じて上記繊維強化塩素化塩化ビニル樹
脂複合管25内に圧送される空気圧に耐え得るまでに上
記繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂複合管25を冷却する
作用を有する。
【0046】上記インナーコア26先端にその一端が固
定されたワイヤーからなる支承具30が、他端におい
て、図5に示される弾性体からなるシール板31と連結
され、該シール板31によって、それ以上先に圧力空気
が漏出していかないように上記繊維強化塩素化塩化ビニ
ル樹脂複合管25内を密封する。
【0047】細幅の第2強化層用シート状繊維複合体2
1は、巻付け機24及び該第2強化層用シート状繊維複
合体21を加熱する熱風発生機32によって上記第1強
化層を有する繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂複合管25
の第1強化層上にスパイラル状に巻回していき、次い
で、300℃に保たれた加熱炉33に導入し、該加熱炉
33内を減圧ポンプ34によって700mmHgの減圧
状態に維持すると同時に前記圧力ポンプ27によって
0.4kg/cm2 の圧力を上記繊維強化塩素化塩化ビ
ニル樹脂複合管25を膨大させる方向に加え、第1強化
層上にスパイラル状に巻回した第2強化層によって、該
繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂複合管25を緊締する圧
縮力を与え、各層間を融着一体化した。
【0048】更に、上記融着一体化した繊維強化塩素化
塩化ビニル樹脂複合管25外周面に押出機35から加熱
可塑化された最内層の塩素化塩化ビニル樹脂管と同一組
成の塩素化塩化ビニル樹脂組成物をクロスヘッド金型3
6を用いて被覆層37を設けた後、サイジング装置38
で冷却サイジングを施し、外径107.0mm、肉厚
3.5mmの4層管からなる繊維強化塩素化塩化ビニル
樹脂複合管39を作製した。猶、40は、上記繊維強化
塩素化塩化ビニル樹脂管39の引取機である。
【0049】得られた繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂複
合管39を実施例と同様にして管軸方向に2cmの長さ
に輪切りにして融着界面の剪断打ち抜き強度測定用試験
片を作成し、剪断打ち抜き強度を測定した。測定結果、
塩素化塩化ビニル樹脂管と第1強化層との融着界面にお
ける剪断強度の平均値は、95kgf/cm2 であっ
た。
【0050】又、上記融着界面の剪断打ち抜き強度試験
後、塩素化塩化ビニル樹脂管A側と繊維強化塩素化塩化
ビニル樹脂複合体F3の内外両界面を目視により観察し
たが、この観察によっては、若干のボイドが認められた
が、上記融着界面における剪断強度が示すよう散見され
る程度のものであった。
【0051】更に、得られた繊維強化塩素化塩化ビニル
樹脂複合管39の外径をランダムに10点測定した。測
定結果は、最大外径109.5mm、外径のバラツキR
の最大、最小値は、±1.5mm、最大バラツキRの平
均値は、±0.6mmと大きく、外径の寸法精度に劣
る。
【0052】
【本発明の効果】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合管
は、叙上の如く構成されているので、内層を構成する熱
可塑性樹脂管と外層を構成する繊維強化熱可塑性樹脂複
合体からなる管状体が強固に融着し、且つ、上記繊維強
化熱可塑性樹脂複合体からなる管状体内の残存ガス及び
該管状体と上記熱可塑性樹脂管との界面に巻き込まれた
空気を十分に脱気し、緻密な繊維強化熱可塑性樹脂複合
管の組織を形成しているので、上記融着界面や繊維強化
熱可塑性樹脂複合体からなる管状体部分における剥離や
ボイドの形成がなく、繊維強化の効果を十分に発揮した
高強度繊維強化熱可塑性樹脂管を安定して製造できる。
【0053】更に、又、筒状加熱金型によって、繊維強
化熱可塑性樹脂複合管の外径の寸法精度が高水準に維持
されるので、製造条件の僅かなバラツキがあっても上記
繊維強化熱可塑性樹脂複合管の外径に影響を及ぼすこと
なく、長時間、外径の寸法精度が高水準に保持された高
品位の繊維強化熱可塑性樹脂複合管を安定して製造でき
る。
【0054】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製
造方法によって得られる繊維強化熱可塑性樹脂複合管
は、上記の如く、上記繊維強化熱可塑性樹脂複合体から
なる管状体内の残存ガス及び該管状体と上記熱可塑性樹
脂管との界面にボイドの形成もなく、緻密な繊維強化熱
可塑性樹脂複合管の組織を形成しているので、高温、高
圧等の高負荷下や長期に冷熱水繰り返し下等の過酷な条
件下でも強化繊維の補強効果によって、安定して使用す
ることができる。
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置の一例を一部切欠
して示す概略説明図である。
【図2】図1にしめされる装置の一部を取り出し、拡大
して示す一部切欠断面図である。
【図3】本発明において使用される繊維補強熱可塑性樹
脂複合体を作製するための装置の一例を一部切欠して示
す概略説明図である。
【図4】比較例を実施するための装置の一例を一部切欠
して示す概略説明図であり、図5に示される本装置の後
半部分と一体のものである。
【図5】図4の後半部分を一部切欠して示す概略説明図
である。
【符号の説明】
1 押出機 2 金型 3 巻戻しロール 4 筒状加熱金型 41 加熱具 42 吸引孔 43 内面 44 吸引管 5 減圧ポンプ 6 サイジング装置 7 引取機 A 熱可塑性樹脂管 B 多層筒状体 C 繊維強化熱可塑性樹脂複合管 F1 強化繊維 F2 熱可塑性樹脂付着シート F3 繊維強化熱可塑性樹脂複合体 R 流動床 11 流動床装置 12 ガイドロール 13 高圧空気室 14 上部浸漬槽 15 多孔質の底板 16 加熱ロール 20 第1強化層用シート状繊維複合体 21 第2強化層用シート状繊維複合体 22、35 押出機 23、36 クロスヘッド金型 24 巻付け機 25 繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂複合体 26 インナーコア 27 圧力ポンプ 28 加圧空気の通路 29 冷却金型 30 支承具 31 シール板 32 熱風発生機 33 加熱炉 34 減圧ポンプ 37 被覆層 38 サイジング装置 39 繊維強化塩素化塩化ビニル樹脂4層管 40 引取機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 23:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化熱可塑性樹脂複合体を熱可塑性
    樹脂管の外周面に積層して多層管状体を形成し、該多層
    管状体を、排気口に連通する複数個の吸引孔が内面に開
    口する筒状加熱金型に導き、加熱しながら上記吸引孔よ
    り吸引して多層管状体を上記筒状加熱金型内面に密着さ
    せることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製
    造方法。
JP7075986A 1995-03-31 1995-03-31 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法 Pending JPH08267565A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020158572A (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 積水化学工業株式会社 ポリ塩化ビニル系炭素繊維強化複合材料
WO2020196153A1 (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 積水化学工業株式会社 ポリ塩化ビニル系炭素繊維強化複合材料
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CN114193730A (zh) * 2021-12-10 2022-03-18 永高股份有限公司 一种增强增韧复合管的生产设备

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