JP2013203944A - プリプレグおよびその成型品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、生産性および取り扱い性に優れかつ成形時の樹脂含浸性に優れたプリプレグを提供するものである。
【解決手段】 補強繊維束の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂組成物の層を樹脂組成物が補強繊維束に接合するように積層したプリプレグであり、該補強繊維束を構成する単繊維の繊度が1.0〜2.4dtexであるプリプレグにより解決される。さらに、前記補強繊維束を構成する補強繊維の真円度が0.70〜0.90であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、補強繊維と熱可塑性樹脂からなるプリプレグに関する。さらに詳しくは、樹脂含浸性に優れ、かつ、取り扱い性に優れたプリプレグに関する。
補強繊維と樹脂からなる繊維強化複合材料成形品は、軽量で且つ高強度である特徴から、航空機、自動車、スポーツ、レジャー、その他各種工業用途に利用されている。
その中で樹脂に熱可塑性樹脂を用いたプリプレグは成型性に優れる為、複雑形状の成形部品としても応用されている。
熱可塑性樹脂は熱硬化性樹脂に比べ溶融状態での粘度が高い為、プリプレグを作製するには樹脂が補強繊維束に高度に含浸することが好まれて使用されている。しかしこのような高度に含浸したプリプレグは剛直である為成形する際の取り扱い性に問題があった。また、一般的に熱可塑性樹脂を強化繊維束内部まで十分含浸させるには、溶融状態の樹脂と強化繊維束を複合してから圧力などの外力が必要となるが、このような含浸には長い時間が必要な場合もあり、成形品の生産性が課題となっていた。
このような課題を解決する為、近年コミングル形態や不連続コミングル形態のプリプレグが開発されている。ここでコミングル形態とは、連続した強化繊維束内部に連続した熱可塑性樹脂を繊維状で存在させている複合形態を言う。また、不連続コミングル形態とは、連続した強化繊維束内部に不連続の熱可塑性樹脂を繊維状で存在させている複合形態を言う。特許文献1には、連続した強化繊維束と連続した熱可塑性樹脂繊維束から構成されるコミングル形態のプリプレグの製造方法が開示されている。
この形態は、プリプレグの状態で熱可塑性樹脂の含浸がなされていないためドレープ性に優れ、かつ強化繊維束と熱可塑性樹脂が近接して配置されているため含浸性も良好である。しかしながら、プリプレグの搬送時や金型への賦形時に強化繊維束と熱可塑性樹脂繊維が分線分離したり、熱可塑性樹脂を予め紡糸しマルチフィラメント化する工程が必要となるため、結果的に生産性および取り扱い性の面で工業的に使用するには耐えない形態となっている。
また、特許文献2には、連続した強化繊維束に、長さ20mm〜200mmにカットされた不連続の熱可塑性樹脂短繊維がランダム配向したシートを乗せ、ウォータージェットなどの交絡手法を用いて強制的に交絡させた不連続コミングル形態のプリプレグの製造方法が開示されている。
この形態も、同様に、成形時の含浸性が良好である。また、完全交絡して形態が保持されているため強化繊維束と熱可塑性樹脂繊維が分離する問題がない。しかしながら、熱可塑性樹脂繊維が短繊維状で配置されているためプリプレグが嵩高くなり、金型形状によっては賦形できないなどのドレープ性に問題がある。
特許文献3には、更にプリプレグの作製時に連続した強化繊維束に過熱した熱可塑性樹脂を押出機よりエアブローにより吹き付け、不織布状に積層する技術が記載されている。この技術では通気孔を有する熱可塑性樹脂を積層することで、完全含浸ではないプリプレグを作製でき、取り扱い性に優れることや、成形品のボイドを少なくできることが開示されている。
しかしながら、プリプレグの段階で樹脂の含浸性を落とすことにより、成形後の含浸性も悪くなるなどの影響がある。また樹脂の分散性も悪くなり、成形品の力学強度低下につながる懸念もあった。
特開昭60−209033号公報 特開平03−47713号公報 国際公開特許 WO2003/091015のパンフレット
本発明は、生産性および取り扱い性に優れかつ成形時の樹脂含浸性に優れたプリプレグを提供するものである。
本発明者らは、補強繊維束と熱可塑性樹脂とをある特定の構造とし、かつ補強繊維を構成する単繊維を太繊度とすることで、かかる課題を一挙に解決することを見出した。
すなわち、本発明は、補強繊維束の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂組成物の層を樹脂組成物が補強繊維束に接合するように積層したプリプレグであり、該補強繊維束を構成する単繊維の繊度が1.0〜2.4dtexであること特徴とするプリプレグに関する。
本発明は、生産性および取り扱い性に優れかつ成形時の樹脂含浸性に優れたプリプレグを提供することができるものである。
本発明のプリプレグは、補強繊維と熱可塑性樹脂から構成される。ここで、本発明で使用される補強繊維束とは、補強繊維を一方向に引き揃え、束状となったものを意味する。かかる強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維などが挙げられる。これらを単独または2種以上を併用しても良い。補強繊維に予め表面処理やカップリング処理を行うこともできる。とりわけ、比重が小さく、高強度、高弾性率である炭素繊維が、成形品の補強効率をより高めることができるため、好ましい。
本発明に用いる炭素繊維束の本数は特に限定されないが、通常3000本〜24000本程度が好ましい。
また本発明においては用いる単繊維の繊度は1.0〜2.4dtexが好ましい。1.0dtexより小さくなると、繊維の表面積が大きくなることや繊維間の絡み合いが多くなるなどにより熱可塑性樹脂の含浸性が阻害される。また繊維の分散性も悪くなる。また2.4dtexより単繊維の繊度が大きくなると、炭素繊維の製造が困難になり、単繊維の力学強度が低下するなどの理由で成形材料の強度が低下してしまう。
また、本発明に用いる補強繊維としては、断面形状が真円度0.70以上0.90以下であることが好ましい。さらに、断面形状が空豆型であることが好ましい。断面形状を比較的単純な形状である真円度0.70以上0.90以下の空豆型とすることで、単繊維の繊度が大きくなつても、真円度が0.90より大きい丸に近い断面形状の補強繊維より、ストランド強度は高い数値を維持できる。また、単繊維を密に詰めることが出来るため、プリプレグ中での繊維含有率が向上し、複合材料の力学特性を向上させることが可能となる。
<補強繊維束の直径及び真円度>
(1)サンプルの作製
長さ5cmに切断した補強繊維束をエポキシ樹脂(エポマウント主剤:エポマウント硬化剤=100:9(質量比))に包埋し、2cmに切断して横断面を露出させ、鏡面処理した。
(2)観察面のエッチング処理
更に、繊維の外形を明瞭にするために、サンプルの横断面を次の方法でエッチング処理した。
・使用装置:プラズマエッチング装置(日本電子(株)社製、製品名:P―170)
・処理条件:雰囲気ガス:Ar/O=75/25、プラズマ出力:50W、真空度:約120Pa、処理時間:5min
(3)SEM観察
前記(1)及び(2)により得られたサンプルの横断面を、SEM(PHILIPS社製、製品名:FEI―XL20)を用いて観察し、画面上に5個以上の繊維断面が写っている写真を任意に5枚撮影した。
(4)補強繊維束の単繊維の直径測定
各サンプルについて5枚のSEM写真から任意に20個、ただし、1枚の写真から3個以上の単繊維断面を選んで、画像解析ソフトウェア(日本ロ―パー(株)製、製品名:Image― Pro PLUS)を用いて繊維断面の外形をトレースし、断面の長径(最大フェレ径)dを計測した。選んだ単繊維断面全ての長径dの平均を、補強繊維束の単繊維の直径Diとした。
(5)真円度測定
画像解析ソフトウェア(日本ロ―パー(株)製、製品名:Image― Pro PLUS)を用いて繊維断面の外形をトレースし、周長Lおよび面積Sを計測した。各サンプルについて5枚の写真から任意に20個、ただし、1枚の写真から3個以上の繊維断面を選んで計測し、LおよびSの平均値を求め、次式により真円度を算出した。
真円度=4πS/L ・・・(a)
また、かかる補強繊維束には、その取り扱い性を向上する目的でサイジング剤を付与することができる。サイジング剤については、本発明の効果を達成できる範囲内であれば、その種類、付与方法、付着量、付着形態などについて特に限定されない。さらに、補強繊維束には、その目的に応じて任意の添加剤を付与してもよい。
本発明で使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート、液晶ポリエステルなどのポリエステル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリーレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、HIPS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーエルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂やこれらの共重合体、変性体などが挙げられる。これらを単独または2種以上を併用しても良い。とりわけ、成形性の観点から、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂で構成されることが好ましい。
本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物の層は成形時に熱により溶融した樹脂が含浸する際に炭素繊維束の内部の空気(以下ボイド)を外部に逃がすことが重要である。このような観点から積層する樹脂は空孔を有していることが望ましい。さらに、熱可塑樹脂組成物の層を構成する物質の形態は繊維状であることが好ましく、実質上ランダム配向である方が、該プリプレグのドレープ性をより高める上で好ましい。そして空孔を有する熱可塑性樹脂組成物の層の形態は多孔質フィルム、粒子の凝集体、不織布、織物などがあげられるが、空孔率を上げられるなどの理由により不織布や織物が好ましい。ここで熱可塑性樹脂組成物の層を形成する繊維の平均繊維径については特に制限はなく200μm以下のものを好ましく用いることができる。本発明のプリプレグのドレープ性をさらに高める観点から、繊維の平均繊維径は、より好ましくは0.1〜10.0μmである。ここで平均繊維径とは、光学顕微鏡などを用いて繊維集合体を観察し、サンプル数として500本以上の直径を測定したときの数平均値である。
本発明のプリプレグは、少なくとも、加熱して溶融状態とした熱可塑性樹脂をエアーブローすることにより、熱可塑性樹脂からなる層を形成する第1の工程、および、連続した補強繊維束と熱可塑性樹脂からなる層を積層する第2の工程を含む製造工程により製造することができる。
第1工程では、まず熱可塑性樹脂を加熱して溶融状態とし、ついでエアーブローすることで、プリプレグの形態へ加工することができる。ここで、熱可塑性樹脂を加熱して溶融する方法としては、単軸押出機、二軸押出機などの一般的な方法を用いることができる。
また、溶融状態の熱可塑性樹脂をエアーブローする方法は、例えば、熱可塑性樹脂を溶融状態のまま口金より吐出させながら、吐出口近傍に設置されたエアー噴出口から圧力空気を排出させる方法が挙げられる。ここで用いるエアーの圧力としては、特に制限はないが、0.5〜150.0MPaが好ましい。圧力を上記範囲内とすることで、熱可塑性樹脂を好ましい繊維状形態とすることができるだけでなく、得られるプリプレグの品位を確保することができる。また、予め加熱したエアーを使用すると、熱可塑性樹脂の繊維径を細くでき、プリプレグの取り扱い性の観点でより好ましい。
第2工程では、第1工程で得られる熱可塑性樹脂からなる層を、連続した補強繊維束に積層させる。ここで、熱可塑性樹脂からなる層を、別途形成した後、補強繊維束と積層しても良いが、ここで、加熱して溶融状態とした熱可塑性樹脂を、エアーブローを用いて、連続した補強繊維束に吹き付けることにより、連続した補強繊維束と熱可塑性樹脂からなる層を積層する方法がより好ましい。この方法は、上記第1の工程と第2の工程を1プロセスで行うことが可能であるため、生産性の観点で好ましい。さらに、エアーブローにより強化繊維束に吹き付けられた熱可塑性樹脂が、繊維同士が相互に融着した通気性を有する不織布の形態を形成する。また、該不織布を構成する繊維は、実質上ランダム配向である。さらには、補強繊維束と熱可塑性樹脂からなる層が界面で融着している。従って、得られるプリプレグは、良好な含浸性や取り扱い性を満足する。
本発明における積層とは熱可塑性樹脂組成物の層が補強繊維束上におかれている状態を意味する。また、接合とは熱可塑性樹脂組成物の層と補強繊維の単糸が接触している面を意味し強化繊維の単糸と熱可塑性樹脂とが化学的、物理的、電気的な結合力などで、搬送や成形工程で容易に分離しない程度の強さで結合している状態にあることを言う。例えば、本発明での目安としては、補強繊維束または熱可塑性樹脂からなる層のどちらか一方を保持して、プリプレグを持ち上げた場合に、その界面で両者が剥離しないことが挙げられる。
本発明のプリプレグは、補強繊維束に熱可塑性樹脂からなる層が積層された形態であるが、さらに補強繊維束の上下に熱可塑性樹脂からなる層が積層されたサンドイッチ状の形態や、補強繊維束の全周囲に熱可塑性樹脂からなる層が積層された芯鞘状の形態とすることもできる。このように、補強繊維束の被覆が大きくなると、プリプレグの取り扱いは比較的容易となる。
ここで、補強繊維束の上下に熱可塑性樹脂からなる層が積層された形態は、例えば、連続した補強繊維束の両面に熱可塑性樹脂を吹き付けることで達成できる。また、このときのエアーブローが交差する位置に補強繊維束を配置すると補強繊維束の開繊をより一層促進させることができる。
本発明のプリプレグは通常の成形法で成形することで成形品として加工することができる。成形方法としては、例えば、プレス成形、フィラメントワインディング成形、スタンピング成形などが挙げられる。得られる成形品は熱可塑性であることから、インサート成形、アウトサート成形、熱溶着、振動溶着、超音波溶着などに活用することもできる。
本発明で得られる成形品は、連続した補強繊維で強化されているため力学的特性に優れ、かつ工業的に有用な生産性および経済性を兼ね備えており、種々の用途に展開できる。例えば、高強度中空パイプ、シリンダーヘッドカバー、ベアリングリテーナ、インテークマニホールド、ペダル等の自動車部品、モンキー、レンチ等の工具類、電子機器の筐体等が挙げられる。
上記の中でも、軽量かつ高剛性であって、さらに高い成形性を持つため、自動車用部位に好適に用いることができる。
本発明の実施例および比較例に用いた各種構成要素は下記の通りである。
以下、具体的な実施例により本発明を説明する。
(実施例1)
単繊維の繊度が1.4dtex、真円度0.75である連続した炭素繊維束を、ドラム式のワインダー(図示せず)にて張力をかけつつ、6m/分の速度で繊維束が重ならないようにワインダーを動かし目付100の炭素繊維束のシートを作製した。繊維束がばらけないように固定した後、ドラム上のシートの特定部をカットし、1枚の炭素繊維束のシートとした。次に、ナイロン6(宇部興産製1022B)を、スクリュー直径20mmの単軸押出機にて、その先端に取り付けたメルトブロー方式ダイ(φ0.35mm、50ホール、1.2mmピッチ)から溶融吐出させ、炭素繊維束のシートを移動させながら吹き付けた。その後冷却することによりプリプレグを作製した。これらのプリプレグの樹脂進入度上記の方法にて評価した。更にこのプリプレグをSEMにより観察したところ、熱可塑性樹脂は炭素繊維束のシート上に不織布状に付着していることが確認された。
(実施例2)
実施例1にて作製したプリプレグを縦300mm、横300mmにカットし金型にセットした後、280℃に予熱したプレス機に入れ、5分間0.3MPaの圧力にてプレスを行った。その後室温のプレス機に移し、0.4MPaにて2分間冷却し、厚さ2mmの樹脂含浸プリプレグを作製した。このプリプレグを下記の方法にて含浸性および曲げ物性評価を実施した。
(実施例3)
単繊維の繊度が2.4dtex、真円度0.75である連続した炭素繊維束を用いた以外は実施例1と同様の方法にて熱可塑性樹脂が積層したプリプレグを作製した。これらのプリプレグの樹脂進入度上記の方法にて評価した。更にこのプリプレグをSEMにより観察したところ、熱可塑性樹脂は炭素繊維束のシート上に不織布状に付着していることが確認された。
(実施例4)
実施例3で作製したプリプレグを実施例2と同様の方法にて成形し、厚さ2mmの樹脂含浸プリプレグを作製した。このプリプレグを下記の方法にて含浸性および曲げ物性評価を実施した。
(比較例1)
単繊維の繊度が0.6dtex、真円度0.95である以外は実施例1と同様の方法にて熱可塑性樹脂層が積層されたプリプレグを作製した。このプリプレグをSEMにより観察したところ、熱可塑性樹脂は炭素繊維束のシート上に不織布状に付着していた。更に実施例2と同様の方法にて熱可塑性樹脂はほとんど繊維束中に含浸していなかった。
実施例での評価方法を以下に記した。
(1)樹脂進入度
SEMによるプリプレグ断面の観察を行い、プリプレグの断面を補強繊維束の垂直方向から観察し、補強繊維束の厚さに対する熱可塑性樹脂が進入している深さを測定し、強化繊維束領域の厚みで除することにより進入度(%)として評価した。
(2)含浸性
本発明において含浸性は、実施例にて作製したプリプレグのボイド(空隙)を観察することにより評価した。得られたプリプレグの断面観察を行い、各サンプルの含浸性を下記基準に従い、4段階で評価を行った。なお、断面観察には、光学顕微鏡を用いた。
○○:ボイドがほとんど確認できない。(含浸性に特に優れる)
○:成形品の断面積に対するボイド面積が10%以下である。(含浸性に優れる。)
△:成形品の断面積に対するボイド面積が10%を越える。(含浸性に優れない。)
×:成形品の断面積に対するボイド面積が50%を越える。(含浸性に劣る。)
(3)曲げ試験
得られた樹脂含浸プリプレグを長さ127mm幅12.7mmにカットし、ASTM D790規格に基づいて曲げ試験を行った。
評価結果を表1に記した。

Claims (6)

  1. 補強繊維束の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂組成物の層を樹脂組成物が補強繊維束に接合するように積層したプリプレグであり、該補強繊維束を構成する単繊維の繊度が1.0〜2.4dtexであるプリプレグ。
  2. 前記補強繊維束を構成する補強繊維の真円度が0.70〜0.90である請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記補強繊維束を構成する繊維が炭素繊維である請求項1または2のいずれかに記載のプリプレグ。
  4. 前記熱可塑性樹脂組成物の層が不織布または織物である請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ。
  5. 前記熱可塑性樹脂性組成物がポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレグを成形してなる成形品。
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