JPH08266686A - ゴルフクラブ及びゴルフクラブセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はゴルフクラブとそのゴルフクラブセ
ットに関し、打球時のヘッド本体の振抜きが良く打球の
方向性の安定したゴルフクラブと、ロングアイアンでは
飛距離が確保でき、ミドルアイアンからショートアイア
ンになるに従いスピンのきいた切れ味の鋭いショットが
可能で、打球時のヘッド本体の振抜きが良く打球の方向
性の安定したゴルフクラブセットを提供することを目的
とする。 【構成】 請求項１に係るゴルフクラブは、ヘッド本体
のソール部を、当該ヘッド本体のトゥ，ヒール間の中央
部を挟んで、夫々、バック側後縁からフェース側前縁に
亘って、前記中央部からトゥ，ヒール方向へ斜め上方に
傾斜するトゥ側ガイド面とヒール側ガイド面とで構成し
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフクラブとそのゴ
ルフクラブセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、アイアンクラブからなるゴルフ
クラブセットは、２番から４番のロングアイアン，５番
から７番のミドルアイアン、そして、８番から１０番ア
イアンとサンドウエッジのショートアイアンで構成され
ており、番手が上がるに従いヘッド本体のロフト角が大
きくなるように設定されている。

【０００３】そして、“ロングはやさしく、ショートは
シャープに！”と称されるように、ロングアイアンでは
ボールを捉え易く飛距離が確保できる機能を、そして、
ロングアイアンからミドルアイアン，ショートアイアン
へと番手が上がるに従い、スピンのきいたショットが可
能となるように各番手の機能を追求する様々な改良がな
されている。

【０００４】図１８は実公昭５８−１３３８号公報に開
示されたゴルフクラブを示し、このゴルフクラブ１は、
ヘッド本体２のソール部３の略中央に、フェース部４側
の前縁からバック部５側の後縁に向かって厚み及び幅が
順次拡大する突部６を突設したもので、斯かるゴルフク
ラブ１によれば、バンカーショットに於て砂中に切り込
んだヘッド本体２の向きを上記突部６が修正して、理想
の状態でのインパクトが可能となる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上記ゴルフ
クラブ１はソール部３と突部６との間に段差があるた
め、これをショートアイアンに適用して芝上でボールを
打球すると、地面に食い込んだヘッド本体２がスイング
軌道の頂点を越えて振り抜かれる際に、突部６を中心に
ヘッド本体２がぶれて打球の方向性が悪くなってしまう
欠点が指摘されている。

【０００６】そして、上記ゴルフクラブ１をロングアイ
アンに適用してボールを払い打ちすると、突部６の肉厚
により打球面がずれてボールの上部を打球し、ボールが
トップしてしまう欠点があった。又、一般にクラブ長さ
が長くロフト角が小さな特徴をもつロングアイアンで
は、スイングによりシャフトが撓ってヘッド打球面がボ
ールの目標飛行線方向に対し右に向いて入るため、打球
時にヘッドが開いて打球がスライスとなる傾向があり、
逆にクラブ長さが短くロフト角の大きいショートアイア
ンでは、ヘッドが左に向いて入り打球がフックし易い欠
点が指摘されているが、上記従来例は、何等斯かる不具
合を解決し得るものではなかった。

【０００７】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、打球時のヘッド本体の振抜きが良く打球の方向性の
安定したゴルフクラブと、ロングアイアンでは飛距離が
確保でき、ミドルアイアンからショートアイアンになる
に従いスピンのきいた切れ味の鋭いショットが可能で、
打球時のヘッド本体の振抜きが良く打球の方向性の安定
したゴルフクラブセットを提供することを目的とする。

【０００８】又、本発明は、上記目的に加え、ロングア
イアンでのスライスとショートアイアンでのフックを防
止したゴルフクラブセットを提供することを目的とす
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項１に係るゴルフクラブは、ヘッド本体のソー
ル部を、当該ヘッド本体のトゥ，ヒール間の中央部を挟
んで、夫々、バック側後縁からフェース側前縁に亘っ
て、前記中央部からトゥ，ヒール方向へ斜め上方に傾斜
するトゥ側ガイド面とヒール側ガイド面とで構成したも
のである。

【００１０】そして、請求項２に係る発明は、請求項１
記載のゴルフクラブに於て、トゥ側ガイド面とヒール側
ガイド面は曲面形状をなし、両ガイド面は、バック側後
縁からフェース側前縁へ向かって曲率が大きくなってい
ることを特徴とし、請求項３に係る発明は、請求項１記
載のゴルフクラブに於て、トゥ側ガイド面とヒール側ガ
イド面は平面形状をなしていることを特徴とする。

【００１１】又、請求項４に係る発明は、ロングアイア
ン，ミドルアイアン及びショートアイアンからなるゴル
フクラブセットに於て、各ゴルフクラブのヘッド本体の
ソール部を、夫々、各ヘッド本体のトゥ，ヒール間の中
央部を挟んで、バック側後縁からフェース側前縁に亘っ
て、前記中央部からトゥ，ヒール方向へ斜め上方に傾斜
し、且つバック側後縁からフェース側前縁へ向かって曲
率の大きい曲面形状のトゥ側ガイド面とヒール側ガイド
面とで構成すると共に、ロングアイアンからミドルアイ
アン，ショートアイアンになるに従い、バック側後縁と
フェース側前縁の曲率の割合を大きくしたことを特徴と
し、請求項５に係る発明は、請求項４記載のゴルフクラ
ブセットに於て、ロングアイアンのヒール側ガイド面に
於けるバック側後縁とフェース側前縁の曲率の割合を、
トゥ側ガイド面に於けるバック側後縁とフェース側前縁
の曲率の割合よりも大きくすると共に、ロングアイアン
からミドルアイアン，ショートアイアンになるに従い、
トゥ側ガイド面に於けるバック側後縁とフェース側前縁
の曲率の割合を、ヒール側ガイド面に於けるバック側後
縁とフェース側前縁の曲率の割合よりも大きくしたもの
である。

【００１２】更に又、請求項６に係る発明は、ロングア
イアン，ミドルアイアン及びショートアイアンからなる
ゴルフクラブセットに於て、各ゴルフクラブのヘッド本
体のソール部を、夫々、各ヘッド本体のトゥ，ヒール間
の中央部を挟んで、バック側後縁からフェース側前縁に
亘って、前記中央部からトゥ，ヒール方向へ斜め上方に
傾斜する平面形状のトゥ側ガイド面とヒール側ガイド面
とで構成すると共に、ロングアイアンからミドルアイア
ン，ショートアイアンになるに従い、バック側後縁から
フェース側前縁への傾斜を大きくしたことを特徴とす
る。

【００１３】そして、請求項７に係る発明は、請求項６
記載のゴルフクラブセットに於て、ロングアイアンのヒ
ール側ガイド面に於けるバック側後縁からフェース側前
縁への傾斜を、トゥ側ガイド面に於けるバック側後縁か
らフェース側前縁への傾斜よりも大きくすると共に、ロ
ングアイアンからミドルアイアン，ショートアイアンに
なるに従い、トゥ側ガイド面に於けるバック側後縁から
フェース側前縁への傾斜を、ヒール側ガイド面に於ける
バック側後縁からフェース側前縁への傾斜よりも大きく
したものである。

【００１４】

【作用】請求項１乃至請求項３に係るゴルフクラブによ
れば、飛距離を確保するためにボールを強打する場合、
プレイヤーは地面へのヘッド本体の食込みを少なくして
ボールを払い打ちするが、ソール部に何等突出物が突出
していないため、ボールの上部を打球してしまうことが
なくなって、強打されたボールは遠くへ飛ばされること
となる。

【００１５】又、スピンをきかせて狙った位置にボール
をコントロールしようとする場合、プレイヤーはヘッド
本体を地面に食い込ませてボールにスピンをきかせる
が、ヘッド本体はフェース側前縁がトゥ，ヒール方向へ
湾曲して地面に食い込み易い形状となっているから、ヘ
ッド本体が地面に食い込んでボールにスピンをきかせる
こととなる。

【００１６】そして、地面に食い込んだヘッド本体がス
イング軌道の頂点にくると、ソール部に設けた両ガイド
面に地面から力が作用してヘッド本体に振抜き方向への
浮力が働き、そして、この振抜きの際に、両ガイド面が
ヘッド本体のぶれを防止する。請求項４乃至請求項７に
係るゴルフクラブセットによれば、プレーヤーはロング
アイアンでは飛距離を確保するためにボールを強打し、
又、ミドルアイアンからショートアイアンになるに従い
スピンをきかせて狙った位置にボールをコントロールし
ようとするが、ロングアイアンからミドルアイアン，シ
ョートアイアンになるに従いバック側後縁とフェース側
前縁の曲率の割合が大きくなっているため、ショートア
イアンになるに従い打球時にヘッド本体が地面に食い込
み易くなる。

【００１７】そして、打球時に地面に食い込んだ各ヘッ
ド本体がスイング軌道の頂点を越えて振り抜かれる際
に、両ガイド面が地面からの抜け方向にヘッド本体をガ
イドし、且つヘッド本体のぶれを防止する。又、請求項
５及び請求項７に係るゴルフクラブセットによれば、ロ
ングアイアンでは、打球時にヒール側ガイド面に対する
地面の抵抗がトゥに比し大きいため、トウ側がかぶるよ
うにヘッドが回転することとなってスライスが矯正さ
れ、一方、ショートアイアンでは、逆に打球時にトゥ側
ガイド面に対する地面の抵抗がヒール側に比し大きいた
め、フックが矯正されることとなる。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図１乃至図３は請求項１及び請求項２に係る
ゴルフクラブの一実施例を示し、図中、７は軟鉄やステ
ンレス等の金属でヘッド本体８が成形されたゴルフクラ
ブで、ヘッド本体８は、従来と同様、ホーゼル部９やソ
ール部１０，フェース部１１等が一体的に成形されてい
る。

【００１９】そして、上記ソール部１０は、ヘッド本体
８のトゥ，ヒール間の中央部Ｍを挟んで、バック側後縁
１０ａからフェース側前縁１０ｂに亘って、前記中央部
Ｍからトゥ，ヒール方向へ夫々斜め上方に傾斜するトゥ
側ガイド面１２とヒール側ガイド面１３とで構成されて
おり、図１に示すように両ガイド面１２，１３は、夫
々、バック側後縁１０ａからフェース側前縁１０ｂへ向
かって曲率が順次大きくなった曲面形状に成形されてい
る。

【００２０】本実施例に係るゴルフクラブ７はこのよう
に構成されており、飛距離を確保するためにボールを強
打する場合、プレイヤーは地面へのヘッド本体８の食込
みを少なくしてボールを払い打ちするが、ソール部１０
には図１８の如き肉厚な突部６が突出していないため、
ボールの上部を打球してしまうことがなく、強打された
ボールは遠くへ飛ばされることとなる。

【００２１】又、スピンをきかせて狙った位置にボール
をコントロールしようとする場合、プレイヤーは図４の
如くヘッド本体８を地面１４に食い込ませてボール１５
にスピンをきかせるが、ヘッド本体８はフェース側前縁
１０ｂがトゥ，ヒール方向へ湾曲してソール部１０の中
央部Ｍが地面１４に食い込み易い形状となっているか
ら、ヘッド本体８が地面１４に食い込んでボール１５に
スピンをきかせることとなる。

【００２２】そして、上述したようにソール部１０に
は、上記中央部Ｍを挟んで、バック側後縁１０ａからフ
ェース側前縁１０ｂに亘りトゥ，ヒール方向へ斜め上方
に傾斜するトゥ側ガイド面１２とヒール側ガイド面１３
が形成されているため、図５の如く地面１４に食い込ん
だヘッド本体８がスイング軌道の頂点にくると、両ガイ
ド面１２，１３に地面１４から力が作用してヘッド本体
８に振抜き方向への浮力が働き、そして、この振抜きの
際に、トゥ側ガイド面１２とヒール側ガイド面１３がヘ
ッド本体８のぶれを防止する。

【００２３】従って、本実施例に係るゴルフクラブ７に
よれば、ヘッド本体８を地面１４に食い込ませてボール
１５にスピンをかける場合に、ヘッド本体８の振抜きが
良好になると共に、振抜きの際にヘッド本体８のぶれが
なくなって打球の方向性が安定することとなった。

【００２４】又、本実施例によれば、ボール１５を払い
打ちする場合、ボール１５の上部を打球してしまうこと
がなくなって打球の飛距離を確保することができる利点
を有する。図６乃至図８は請求項１及び請求項３に係る
ゴルフクラブの一実施例を示し、図中、１６は上記ヘッ
ド本体８と同一材料でヘッド本体１７が成形されたゴル
フクラブで、ヘッド本体１７は、ホーゼル部１８やソー
ル部１９，フェース部２０等が一体的に成形されてい
る。

【００２５】そして、本実施例に於けるソール部１９
も、ヘッド本体１７のトゥ，ヒール間の中央部Ｍを挟ん
で、バック側後縁１９ａからフェース側前縁１９ｂに亘
って、前記中央部Ｍからトゥ，ヒール方向へ夫々斜め上
方に傾斜するトゥ側ガイド面２１とヒール側ガイド面２
２とで構成されている。そして、図１の両ガイド面１
２，１３が曲面形状であるのに対し、本実施例の両ガイ
ド面２１，２２は、夫々、平面形状をなしていることを
特徴とする。

【００２６】本実施例に係るゴルフクラブ１６はこのよ
うに構成されており、上述したように飛距離を確保する
ためにボールを強打する場合、プレイヤーは地面へのヘ
ッド本体１７の食込みを少なくしてボールを払い打ちす
るが、ソール部１９には図１８の如き肉厚な突部６が突
出していないため、本実施例によっても、ボールの上部
を打球してしまうことがなくなって強打されたボールは
遠くへ飛ばされることとなる。

【００２７】又、スピンをきかせて狙った位置にボール
をコントロールしようとする場合、プレイヤーはヘッド
本体１７を地面に食い込ませてボールにスピンをきかせ
るが、ヘッド本体１７はフェース側前縁１９ｂがトゥ，
ヒール方向へ切り欠かれてソール部１９の中央部Ｍが地
面に食い込み易い形状となっているから、ヘッド本体１
７が地面に食い込んでボールにスピンをきかせることと
なる。

【００２８】そして、上述したようにソール部１９に
は、ヘッド本体１７のトゥ，ヒール間の中央部Ｍを挟ん
で、バック側後縁１９ａからフェース側前縁１９ｂに亘
って、前記中央部Ｍからトゥ，ヒール方向へ夫々斜め上
方に傾斜するトゥ側ガイド面２１とヒール側ガイド面２
２が形成されているから、地面に食い込んだヘッド本体
１７がスイング軌道の頂点にくると、両ガイド面２１，
２２に地面から力が作用してヘッド本体１７に振抜き方
向への浮力が働き、そして、この振抜きの際に、トゥ側
ガイド面２１とヒール側ガイド面２２がヘッド本体１７
のぶれを防止する。

【００２９】従って、本実施例に係るゴルフクラブ１６
によっても、ヘッド本体１７を地面に食い込ませてボー
ルにスピンをかける場合に、ヘッド本体１７の振抜きが
良好になると共に、振抜きの際にヘッド本体１７のぶれ
がなくなって打球の方向性が安定し、又、ボールを払い
打ちする場合、ボールの上部を打球してしまうことがな
くなって、打球の飛距離を確保することが可能となる。

【００３０】図９乃至図１１は請求項４に係るゴルフク
ラブセットの一実施例の概略図を示し、図９はショート
アイアンのヘッド本体に於けるソール部２３のバック側
後縁２３ａとフェース側前縁２３ｂ、図１０はミドルア
イアンのヘッド本体に於けるソール部２４のバック側後
縁２４ａとフェース側前縁２４ｂ、そして、図１１はロ
ングアイアンのヘッド本体に於けるソール部２５のバッ
ク側後縁２５ａとフェース側前縁２５ｂを示す。

【００３１】そして、本実施例は、図１に示す実施例と
同様、各ヘッド本体のソール部２３，２４，２５を、各
ヘッド本体のトゥ，ヒール間の中央部Ｍを挟んで、夫
々、バック側後縁２３ａ，２４ａ，２５ａからフェース
側前縁２３ｂ，２４ｂ，２５ｂに亘って、前記中央部Ｍ
からトゥ，ヒール方向へ斜め上方に傾斜し、且つバック
側後縁２３ａ，２４ａ，２５ａからフェース側前縁２３
ｂ，２４ｂ，２５ｂへ向かって曲率の大きい曲面形状の
トゥ側ガイド面２６，２７，２８とヒール側ガイド面２
９，３０，３１とで構成したが、本実施例は、上述の如
き構成に加え、ロングアイアンからミドルアイアン，シ
ョートアイアンになるに従い、バック側後縁２３ａ，２
４ａ，２５ａとフェース側前縁２３ｂ，２４ｂ，２５ｂ
の曲率の割合を大きくして、番手が上がるに従いトゥ側
ガイド面２６，２７，２８とヒール側ガイド面２９，３
０，３１の傾斜を大きくしたものである。

【００３２】尚、各図中、３２はヘッド本体に一体成形
されたホーゼル部を示す。本実施例に係るゴルフクラブ
セットはこのように構成されており、プレーヤーはロン
グアイアンでは飛距離を確保するためにボールを強打
し、又、ミドルアイアンからショートアイアンになるに
従いスピンをきかせて狙った位置にボールをコントロー
ルしようとするが、図１１に示すロングアイアンから図
１０，図９のミドルアイアン，ショートアイアンになる
に従いバック側後縁２３ａ，２４ａ，２５ａとフェース
側前縁２３ｂ，２４ｂ，２５ｂの曲率の割合が大きくな
っているため、ソール部２３の中央部Ｍはソール部２５
の中央部Ｍに比しトゥ，ヒール方向へ鋭角的となってい
る。

【００３３】従って、ショートアイアンになるに従い、
打球時にヘッド本体が地面に食い込み易くなる。又、図
１及び図６で述べた実施例と同様、打球時に地面に食い
込んだ各ヘッド本体がスイング軌道の頂点を越えて振り
抜かれる際に、トゥ側ガイド面２６，２７，２８とヒー
ル側ガイド面２９，３０，３１が地面からの抜け方向に
ヘッド本体をガイドし、且つヘッド本体のぶれを防止す
る。

【００３４】従って、本実施例に係るゴルフクラブセッ
トのロングアイアンによれば、打球時に地面への食込み
が少ないためにボールの飛距離が確保でき、そして、ミ
ドルアイアンからショートアイアンになるに従いボール
にスピンをきかせて狙った位置にボールをコントロール
することが可能となった。然も、本実施例によれば、ト
ゥ側ガイド面２６，２７，２８とヒール側ガイド面２
９，３０，３１が地面からの抜け方向にヘッド本体をガ
イドし、且つヘッド本体のぶれを防止するので、ヘッド
本体の振抜きが良好になると共に、振抜きの際にヘッド
本体のぶれがなくなって打球の方向性が安定することと
なった。

【００３５】又、図１の実施例と同様、ロングアイアン
で、ボールを払い打ちする場合、ボールの上部を打球し
てしまうことがなくなって打球の飛距離を確保すること
ができる利点を有する。図１２乃至図１４は請求項４及
び請求項５に係るゴルフクラブセットの一実施例の概略
図を示し、図１２はショートアイアンのヘッド本体に於
けるソール部３３のバック側後縁３３ａとフェース側前
縁３３ｂ、図１３はミドルアイアンのヘッド本体に於け
るソール部３４のバック側後縁３４ａとフェース側前縁
３４ｂ、そして、図１４はロングアイアンのヘッド本体
に於けるソール部３５のバック側後縁３５ａとフェース
側前縁３５ｂを示す。

【００３６】而して、本実施例は、図９乃至図１２に示
すに示す実施例と同様、各ヘッド本体のソール部３３，
３４，３５を、トゥ，ヒール間の中央部Ｍを挟んで、夫
々、バック側後縁３３ａ，３４ａ，３５ａからフェース
側前縁３３ｂ，３４ｂ，３５ｂに亘って、前記中央部Ｍ
からトゥ，ヒール方向へ斜め上方に傾斜し、且つバック
側後縁３３ａ，３４ａ，３５ａからフェース側前縁３３
ｂ，３４ｂ，３５ｂへ向かって曲率の大きい曲面形状の
トゥ側ガイド面３６，３７，３８とヒール側ガイド面３
９，４０，４１とで構成し、ロングアイアンからミドル
アイアン，ショートアイアンになるに従い、バック側後
縁３３ａ，３４ａ，３５ａとフェース側前縁３３ｂ，３
４ｂ，３５ｂの曲率の割合を大きくして、番手が上がる
に従いガイド面の傾斜を大きくしている。

【００３７】そして、本実施例は斯かる構成に加え、更
に、図１４に示すロングアイアンのヒール側ガイド面４
１に於けるバック側後縁３５ａとフェース側前縁３５ｂ
の曲率の割合を、トゥ側ガイド面３８に於けるバック側
後縁３５ａとフェース側前縁３５ｂの曲率の割合よりも
大きくすると共に、ミドルアイアン，ショートアイアン
になるに従い、トゥ側ガイド面３７，３６に於けるバッ
ク側後縁３４ａ，３３ａとフェース側前縁３４ｂ，３３
ｂの曲率の割合を、ヒール側ガイド面４０，３９に於け
るバック側後縁３４ａ，３３ａとフェース側前縁３４
ｂ，３３ｂの曲率の割合よりも大きくしたものである。

【００３８】即ち、既述したように、一般にクラブ長さ
が長くロフト角が小さな特徴をもつロングアイアンで
は、スイングによりシャフトが撓ってヘッド打球面がボ
ールの目標飛行線方向に対し右に向いて入るため、打球
時にヘッドが開いて打球がスライスとなる傾向があり、
逆にクラブ長さが短くロフト角の大きいショートアイア
ンでは、ヘッドが左に向いて入り打球がフックし易い欠
点がある。

【００３９】そこで、本実施例は、上述したようにロン
グアイアンでは、ヒール側ガイド面４１に於けるバック
側後縁３５ａとフェース側前縁３５ｂの曲率の割合を、
トゥ側ガイド面３８に於けるバック側後縁３５ａとフェ
ース側前縁３５ｂの曲率の割合よりも大きくすることに
より、ヒール側ガイド面４１の傾斜を大きくして打球時
に於けるヒール側ガイド面４１と地面との抵抗をトゥ側
ガイド面３８よりも大きくし、又、図１２に示すショー
トアイアンでは、上述した構成によってトゥ側ガイド面
３６の傾斜を大きくし、打球時に於けるトゥ側ガイド面
３６と地面との抵抗をヒール側ガイド面３９よりも大き
くしたものである。

【００４０】従って、ロングアイアンでは、打球時にト
ウ側がかぶるようにヘッドが回転することとなってスラ
イスが矯正され、一方、ショートアイアンでは逆にフッ
クが矯正され、その結果、本実施例によれば、図９乃至
図１２に示す実施例と同様の効果を得ることができるこ
とは勿論、ロングアイアンでのスライスとショートアイ
アンでのフックを防止することが可能である。

【００４１】図１５乃至図１７は請求項６及び請求項７
に係るゴルフクラブセットの一実施例の概略図を示し、
図１５はショートアイアンのヘッド本体に於けるソール
部４２のバック側後縁４２ａとフェース側前縁４２ｂ、
図１６はミドルアイアンのヘッド本体に於けるソール部
４３のバック側後縁４３ａとフェース側前縁４３ｂ、そ
して、図１７はロングアイアンのヘッド本体に於けるソ
ール部４４のバック側後縁４４ａとフェース側前縁４４
ｂを示す。

【００４２】そして、図６に示す実施例と同様、各ヘッ
ド本体のソール部４２，４３，４４は、夫々、トゥ，ヒ
ール間の中央部Ｍを挟んで、バック側後縁４２ａ，４３
ａ，４４ａからフェース側前縁４２ｂ，４３ｂ，４４ｂ
に亘って、前記中央部Ｍからトゥ，ヒール方向へ斜め上
方に傾斜する平面形状のトゥ側ガイド面４５，４６，４
７とヒール側ガイド面４８，４９，５０とで構成されて
いる。

【００４３】而して、本実施例は、斯かる構成に加え、
図１２乃至図１４に示す実施例と同様、ロングアイアン
からミドルアイアン，ショートアイアンになるに従い、
トゥ側ガイド面４５，４６，４７とヒール側ガイド面４
８，４９，５０への傾斜を大きくし、そして、図１７に
示すロングアイアンのヒール側ガイド面５０に於けるバ
ック側後縁４４ａからフェース側前縁４４ｂへの傾斜
を、トゥ側ガイド面４７に於けるバック側後縁４４ａか
らフェース側前縁４４ｂへの傾斜よりも大きくすると共
に、ショートアイアンへと番手が上がるに従い、トゥ側
ガイド面４６，４５に於けるバック側後縁４３ａ，４２
ａからフェース側前縁４３ｂ，４２ｂへの傾斜を、ヒー
ル側ガイド面４９，４８に於けるバック側後縁４３ａ，
４２ａからフェース側前縁４３ｂ，４２ｂへの傾斜より
も大きくしたことを特徴とする本実施例はこのように構
成されており、本実施例によっても、ロングアイアンで
は、打球時にトウ側がかぶるようにヘッドが回転するこ
ととなってスライスが矯正され、一方、ショートアイア
ンでは逆にフックが矯正され、その結果、図１２乃至図
１４に示す実施例と同様、所期の目的を達成することが
可能である。

【００４４】

【発明の効果】以上述べたように、請求項１乃至請求項
３に係るゴルフクラブによれば、ヘッド本体を地面に食
い込ませてボールにスピンをかける場合に、ヘッド本体
の振抜きが良好になると共に、振抜きの際にヘッド本体
のぶれがなくなって打球の方向性が安定することとなっ
た。そして、ボールを払い打ちする場合には、ボールの
上部を打球してしまうことがなくなって打球の飛距離を
確保することができる利点を有する。

【００４５】又、請求項４乃至請求項７に係るゴルフク
ラブセットのロングアイアンによれば、打球時に地面へ
の食込みが少ないためにボールの飛距離が確保でき、そ
して、ミドルアイアンからショートアイアンになるに従
いボールにスピンをきかせて狙った位置にボールをコン
トロールすることが可能となった。然も、本発明によれ
ば、ヘッド本体の振抜きが良好になると共に、振抜きの
際にヘッド本体のぶれがなくなって打球の方向性が安定
することとなった。

【００４６】又、ロングアイアンで、ボールを払い打ち
する場合、ボールの上部を打球してしまうことがなくな
って打球の飛距離を確保することができる利点を有す
る。更に又、請求項５及び請求項７に係るゴルフクラブ
セットによれば、ロングアイアンでのスライスとショー
トアイアンでのフックを防止することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１及び請求項２に係るゴルフクラブの一
実施例に於けるヘッド本体の正面図である。

【図２】図１に示すヘッド本体の底面図である。

【図３】図１に示すヘッド本体の側面図である。

【図４】ゴルフクラブの打球状態を示す説明図である。

【図５】ゴルフクラブの打球状態を示す説明図である。

【図６】請求項１及び請求項３に係るゴルフクラブの一
実施例に於けるヘッド本体の正面図である。

【図７】図６に示すヘッド本体の底面図である。

【図８】図６に示すヘッド本体の側面図である。

【図９】請求項４に係るゴルフクラブセットの一実施例
に於けるショートアイアンのソール部の概略図である。

【図１０】請求項４に係るゴルフクラブセットの一実施
例に於けるミドルアイアンのソール部の概略図である。

【図１１】請求項４に係るゴルフクラブセットの一実施
例に於けるロングアイアンのソール部の概略図である。

【図１２】請求項４及び請求項５に係るゴルフクラブセ
ットの一実施例に於けるショートアイアンのソール部の
概略図である。

【図１３】請求項４及び請求項５に係るゴルフクラブセ
ットの一実施例に於けるミドルアイアンのソール部の概
略図である。

【図１４】請求項４及び請求項５に係るゴルフクラブセ
ットの一実施例に於けるロングアイアンのソール部の概
略図である。

【図１５】請求項６及び請求項７に係るゴルフクラブセ
ットの一実施例に於けるショートアイアンのソール部の
概略図である。

【図１６】請求項６及び請求項７に係るゴルフクラブセ
ットの一実施例に於けるミドルアイアンのソール部の概
略図である。

【図１７】請求項６及び請求項７に係るゴルフクラブセ
ットの一実施例に於けるロングアイアンのソール部の概
略図である。

【図１８】従来のゴルフクラブの斜視図である。

【符号の説明】

７，１６ ゴルフクラブ ８，１７ ヘッド本体 １０，１９，２３，２４，２５，３３，３４，３５，４
２，４３，４４ ソール部 １０ａ，１９ａ，２３ａ，２４ａ，２５ａ，３３ａ，３
４ａ，３５ａ，４２ａ，４３ａ，４４ａ バック側後縁 １０ｂ，１９ｂ，２３ｂ，２４ｂ，２５ｂ，３３ｂ，３
４ｂ，３５ｂ，４２ｂ，４３ｂ，４４ｂ フェース側前
縁 １１，２０ フェース部 １２，２１，２６，２７，２８，３６，３７，３８，４
５，４６，４７ トゥ側ガイド面 １３，２２，２９，３０，３１，３９，４０，４１，４
８，４９，５０ ヒール側ガイド面

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヘッド本体のソール部を、当該ヘッド本
   体のトゥ，ヒール間の中央部を挟んで、夫々、バック側
   後縁からフェース側前縁に亘って、前記中央部からト
   ゥ，ヒール方向へ斜め上方に傾斜するトゥ側ガイド面と
   ヒール側ガイド面とで構成したことを特徴とするゴルフ
   クラブ。
2. 【請求項２】 トゥ側ガイド面とヒール側ガイド面は曲
   面形状をなし、両ガイド面は、バック側後縁からフェー
   ス側前縁へ向かって曲率が大きくなっていることを特徴
   とする請求項１記載のゴルフクラブ。
3. 【請求項３】 トゥ側ガイド面とヒール側ガイド面は平
   面形状をなしていることを特徴とする請求項１記載のゴ
   ルフクラブ。
4. 【請求項４】 ロングアイアン，ミドルアイアン及びシ
   ョートアイアンからなるゴルフクラブセットに於て、各
   ゴルフクラブのヘッド本体のソール部を、夫々、各ヘッ
   ド本体のトゥ，ヒール間の中央部を挟んで、バック側後
   縁からフェース側前縁に亘って、前記中央部からトゥ，
   ヒール方向へ斜め上方に傾斜し、且つバック側後縁から
   フェース側前縁へ向かって曲率の大きい曲面形状のトゥ
   側ガイド面とヒール側ガイド面とで構成すると共に、ロ
   ングアイアンからミドルアイアン，ショートアイアンに
   なるに従い、バック側後縁とフェース側前縁の曲率の割
   合を大きくしたことを特徴とするゴルフクラブセット。
5. 【請求項５】 ロングアイアンのヒール側ガイド面に於
   けるバック側後縁とフェース側前縁の曲率の割合を、ト
   ゥ側ガイド面に於けるバック側後縁とフェース側前縁の
   曲率の割合よりも大きくすると共に、ロングアイアンか
   らミドルアイアン，ショートアイアンになるに従い、ト
   ゥ側ガイド面に於けるバック側後縁とフェース側前縁の
   曲率の割合を、ヒール側ガイド面に於けるバック側後縁
   とフェース側前縁の曲率の割合よりも大きくしたことを
   特徴とする請求項４記載のゴルフクラブセット。
6. 【請求項６】 ロングアイアン，ミドルアイアン及びシ
   ョートアイアンからなるゴルフクラブセットに於て、各
   ゴルフクラブのヘッド本体のソール部を、夫々、各ヘッ
   ド本体のトゥ，ヒール間の中央部を挟んで、バック側後
   縁からフェース側前縁に亘って、前記中央部からトゥ，
   ヒール方向へ斜め上方に傾斜する平面形状のトゥ側ガイ
   ド面とヒール側ガイド面とで構成すると共に、ロングア
   イアンからミドルアイアン，ショートアイアンになるに
   従い、バック側後縁からフェース側前縁への傾斜を大き
   くしたことを特徴とするゴルフクラブセット。
7. 【請求項７】 ロングアイアンのヒール側ガイド面に於
   けるバック側後縁からフェース側前縁への傾斜を、トゥ
   側ガイド面に於けるバック側後縁からフェース側前縁へ
   の傾斜よりも大きくすると共に、ロングアイアンからミ
   ドルアイアン，ショートアイアンになるに従い、トゥ側
   ガイド面に於けるバック側後縁からフェース側前縁への
   傾斜を、ヒール側ガイド面に於けるバック側後縁からフ
   ェース側前縁への傾斜よりも大きくしたことを特徴とす
   る請求項６記載のゴルフクラブセット。