JPH08266244A - 結晶粉末性エリスリトール組成物の製造方法 - Google Patents

結晶粉末性エリスリトール組成物の製造方法

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JPH08266244A
JPH08266244A JP7094237A JP9423795A JPH08266244A JP H08266244 A JPH08266244 A JP H08266244A JP 7094237 A JP7094237 A JP 7094237A JP 9423795 A JP9423795 A JP 9423795A JP H08266244 A JPH08266244 A JP H08266244A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品及び食品添加物から選ばれる食品成分を
含有する結晶粉末性エリスリトール組成物の練合法によ
る製造方法を提供する。 【構成】 高純度エリスリトールに食品または食品添加
物を添加してなるエリスリトール含有高濃度水溶液、又
は高純度エリスリトール結晶の加熱溶融液に食品または
食品添加物を溶解した溶液に、必要に応じて種晶を添加
して練合し、場合により得られた固化物を粉砕すること
を特徴とする結晶粉末性エリスリトール組成物の製造方
法に関する。 【効果】 本練合法により、新しい食品素材として有用
な、食品及び食品添加物を含有する結晶粉末性エリスリ
トール組成物が、低コストで且つ簡便な方法で製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品または食品添加物
を含有する結晶粉末性エリスリトール組成物の製造に利
用するものである。
【0002】
【従来の技術】エリスリトールは分子量122、融点1
19℃の結晶あるいは粉末で、水に溶解し、質の良い甘
味性を有し、砂糖の約80%の甘味度を示す4炭糖の糖
アルコールである。エリスリトールはソルビトール等の
他の糖アルコール類とは違い、小腸から良く吸収される
ため、大腸における浸透圧性の下痢を起こし難い上、非
う蝕原性であり、且つアミノ酸やタンパク質と褐変を起
こさない性質を有する糖質系の素材であり、天然界に、
梨、ブドウ、スイカ、メロンなどの果実類をはじめとし
て、地衣類、キノコ類などに存在し、ワイン、清酒、醤
油などの発酵食品にも含まれており、これまでにも食品
として食経験がある極めて安全性の高い素材である。エ
リスリトールは小腸から良く吸収されるが、生体内で全
く代謝を受けずにそのまま尿中に排泄されるため、有効
エネルギー値は極めて低く、生理的エネルギー値は最大
0.3Kcal/gと報告(日本臨床栄養学会雑誌11(2),13-19,1
990)されている。その質の良い甘味性、非う蝕原性、
超低エネルギー性の性質を利用して、飲料や菓子類をは
じめ広く食品用途に使われており、最近では医薬品添加
物としても使用されている。
【0003】エリスリトールは、化学的合成による方法
やある種の酵母菌株を使用した発酵法による製造法が知
られているが(特開昭60−110295号、特開昭6
3−196298号公報参照)、現在行われているエリ
スリトールの商業的生産方法は、ブドウ糖を原料とした
発酵法により行われており、最終製品である結晶粉末は
水溶液から晶析法で製造されている(特開平5−325
70号、特開平6−9455号公報参照)。しかしエリ
スリトール自体、甘味度がショ糖の約80%と低い上、結
晶が溶解する際の吸熱作用により強い冷感を有してい
る。そこで嗜好性の面からも、甘味度を増やしたり冷感
を和らげたりする必要性が生じている。また最近のユー
ザーの嗜好性の多様化から、新しい味覚を持つ素材を提
供する必要性が生じており、エリスリトールをベースに
した新しい素材の開発が望まれている。これまでに主な
ものとして、次に記載のエリスリトール組成物及びその
製造方法が公知となっている。
【0004】(1)特開昭63−304964号、特開
平2−104259号、特開平4−287658号公報
記載の、高甘味度甘味料やショ糖、果糖との組成物。 (2)特開平1−225458号、特開平5−1375
35号公報記載の、エリスリトールに糖又は糖アルコー
ル、場合により微量の寒天を含有させた高濃度の水溶液
を混合して製造される、エリスリトールの微結晶が含有
された液状の流動性を有する組成物。 (3)特開平1−95741号、特開平1−98457
号、特開平1−171455号公報記載の、高甘味度甘
味料をエリスリトール結晶粒子の表面に被覆した組成
物。 (4)特開平1−148173号、特開平1−1714
41号公報記載の、高甘味度甘味料や飲食品用の小量添
加成分を結晶中または聚晶間に含有固定化させた組成
物。 (5)特開平4−335870号公報記載の、マルトデ
キストリンを結合剤とした高甘味度甘味料との水溶液を
スプレードライして、高甘味度甘味料が均一に含まれる
結晶組成物の製造方法。
【0005】しかしながら、(1)に記載の組成物は、
味覚の改善等を目的としてエリスリトール粉末と他の甘
味料粉末とを一定の比率で単純に混合しただけの組成物
であり、甘味料の種類や混合比率によっては均一性に問
題が残る。(2)に記載のものは、液状流動性の組成物
及びその製造法であって、本発明の製造方法とは異なっ
ており、用途もフォンダントに限定されている。(3)
に記載の方法は、エリスリトール結晶の表面を高甘味度
甘味料で被覆するもので、結晶が擦れたりすると被覆物
が剥がれ易い欠点を有している。剥がれた場合、組成物
が均一に分布存在できなくなる。成分がばらついた組成
物では味覚に悪影響を与える。(4)に記載の方法で製
造された組成物は、甘味成分等を結晶中または聚晶間に
固定したものであり安定な組成物が得られるが、このも
のは甘味成分等の含有量が極めて少なくなるという欠点
を有する。更に、この組成物は晶析法で製造されるもの
であるため、回収率の低下によるコストへの影響は免れ
ず、好ましい方法とは言えない。(5)に記載の方法に
よると、均一性と回収率が高く保持される利点がある
が、スプレードライ法であるため、ランニングコストや
設備費が高いなど、コストの面で好ましくない。
【0006】この様に、食品成分との結晶粉末性エリス
リトール組成物を製造する場合、味覚に悪影響を与えな
いためにエリスリトールと組成物成分とが均一に分布し
てなる組成物を、低コストで製造できる方法が望まれ
る。粉末と粉末とを単に混合するだけのものでは均一性
に問題が残る。特に高甘味度甘味料などでは、組成物が
不均一に分布すると、甘味の強い部分と弱い部分が生じ
るなど、味覚上好ましくない。また、これまでに公知の
エリスリトール組成物は、殆どのものが甘味料との組成
物であり、着色料や食物繊維をはじめとした、他の食品
成分との組成物の報告例は見られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
技術の上記欠点を改良した、即ち低コストで且つ簡便な
方法にて、均一性の高いエリスリトール組成物を製造す
る方法を見出すことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、練合法を用いることによって本課題を解決
することができることを見いだした。すなわち本発明
は、練合法により、食品及び食品添加物等の食品成分を
均一に含有する結晶粉末性エリスリトール組成物を製造
する方法に関するものであり、更に詳しくは、高純度エ
リスリトール水溶液に食品または食品添加物を添加して
得られるエリスリトール含有高濃度水溶液、又は高純度
エリスリトールの結晶または粉末の加熱溶融液に食品ま
たは食品添加物を添加してなる溶解液に、必要に応じて
種晶を添加して練合し、場合により得られた固化物を粉
砕することを特徴とする結晶粉末性エリスリトール組成
物の製造方法である。尚、本発明では水溶液を練合する
際、温度や組成物の構成によってはエリスリトールの結
晶が析出している場合があるが、結晶の析出量が少ない
場合にはそのまま練合しても何等差し支えない。
【0009】本発明で使用されるエリスリトールは、通
常、エリスリトール生産菌を使用した発酵法により製造
されたものが使用されるがそれ以外の化学的合成法、ま
たはその他の方法により製造されたものでも使用でき
る。練合を行う機械装置は、食品または食品添加物を添
加してなるエリスリトール含有高濃度水溶液や結晶が一
部析出したスラリー液の粘度が低いので、特別な練合装
置を必要とせず、加温、冷却、保温、攪拌混合ができれ
ばどの様な装置を用いてもよい。一軸及び二軸型押出機
(エクストルーダー)は温度調節がしやすい上、練合力
が強いため、本発明の実施に特に好適である。この場
合、製造条件が適切であれば排出口からエリスリトール
組成物を結晶性粉末として得ることができる。
【0010】本エリスリトール組成物を製造する際の、
原料として使用する高純度エリスリトールは、固形分あ
たりの純度が90%以上、好ましくは95%以上のもの
が使用される。また、不純物として含まれるグリセリン
含量は1%以下が好ましく、0.5%以下がより好まし
い。グリセリン含量が1%を越えると、組成物の結晶が
べとついたり、吸湿性が高くなるなど製品として好まし
くない。また、高純度エリスリトールの形態は結晶また
は粉末状でも良く、クロマト分離液の様な水溶液状態で
も良い。結晶または粉末状のエリスリトールを使用する
場合には、食品または食品添加物と一緒に水または温湯
に溶解し、所定の水溶液濃度まで濃縮後、練合を行う。
水溶液状のエリスリトールを使用する場合には、これに
食品または食品添加物を添加し、必要により加温溶解
後、所定の水溶液濃度まで濃縮して練合を行う。練合の
際のエリスリトール含有高濃度水溶液の濃度は通常80
重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好まし
くは95重量%以上である。80%未満の場合、組成物
の成分によっては結晶化が充分に進まず好ましい結晶性
粉末が得られない場合がある。またエリスリトール含有
高濃度水溶液の濃度が90%未満で練合して製造した組
成物は、場合により湿っているので乾燥する必要があ
る。乾燥機は特別な装置を必要とせず、一般的な熱風乾
燥機などを使用すれば良い。本練合の際には必ずしも水
溶液である必要はなく、多量でなければ一部結晶が析出
しているスラリー液でも何等差し支えない。また、本発
明では、高純度エリスリトールの結晶または粉末を加熱
溶解した溶融液に、食品や食品添加物を加えて均一に溶
解させ、その後加熱を止め必要により種晶を添加して練
合を行って、結晶粉末性のエリスリトール組成物を製造
することもできる。
【0011】組成物の製造の際、種晶は添加しなくても
構わないが、添加する場合には小量で良く、通常0.1
〜5%が添加される。種晶としてはエリスリトールだけ
でも良いが、通常は、得られる組成物と同じ組成比の種
晶混合物、または得られた組成物をそのまま種晶として
用いる。練合開始時の温度は、80℃〜150℃以下が
好ましいが、さらに好ましくは85℃〜140℃以下で
ある。80℃未満では練合開始時にエリスリトールの結
晶がたくさん析出する場合があり、均一な組成物の製造
が困難となる。また150℃を超えると着色の原因にな
る。本組成物を製造する場合、食品や食品添加物は任意
の割合で添加することが可能であるが、通常はエリスリ
トール100部に対して0.05部〜500部、好まし
くは0.05部〜200部、特に好ましくは0.05部〜
100部が添加される。0.05部未満では、組成物と
した食品成分の効果が発揮され難く、500部を超える
と組成物が結晶し難くなる。一般に高甘味度甘味料や色
素等の添加量は少なく、糖類や糖アルコール、食物繊維
等の添加量は多くなる。また添加する食品や食品添加物
は通常1種類であるが、必要により数種類を同時に添加
してもよい。
【0012】本発明で使用される食品または食品添加物
は、通常の食品や、食品添加物であれば特に制限はない
が、糖類、糖アルコール類、食物繊維等、一般に大量に
添加して使用されるものは、常温、常圧で固体又は結晶
性粉末であるものが好ましい。具体的には糖類として、
グルコース、フラクトース、キシロース、シュークロー
ス、マルトース、ラクトース、ラクチュロース、異性化
糖等の一般的糖類、フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ
糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ
糖、カップリングシュガー、パラチノース等の砂糖の誘
導体、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、ラ
クチトール、マンニトール、パラチニット、還元澱粉糖
化物等の糖アルコールがあげられる。そして高甘味度甘
味料として、ステビオシド、グリチルリチン、ソーマチ
ン、モネリン等の非糖質天然甘味料、アスパルテーム、
アリテーム等のアミノ酸系甘味料、サッカリン、チク
ロ、アセスルファムK,シュクラロース、ズルチン等の
合成甘味料があげられる。また酸味料として、クエン
酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、グ
ルコン酸、グルコノデルタラクトン等があげられ、ビタ
ミンとして、ビタミンA、β-カロチン、ビタミンB1、
B2、B6、B12、ナイアシン、ニコチン酸、ニコチン
酸アミド、ビタミンC、D、E、パントテン酸、ビオチ
ン、葉酸、リポ酸等があげられる。更に着色料として、
カラメル、アナトー色素(アルカリ塩)、紅麹色素、コ
チニール色素、クチナシ色素、紅花色素、赤キャベツ色
素、アカネ色素、アルカネット色素、カカオ色素、コー
ン色素、コーリャン色素、スオウ色素、ハイビスカス色
素、ビートレッド、ブドウ果皮色素、ラック色素、イモ
カロチン、クサギ青色素、タマリンド色素、チコリ色
素、海苔色素、紫コーン色素、紫ヤマイモ色素等があげ
られ、アラビアガム、トラガントガム、ポリデキストロ
ース、グアーガム、グアーガム水解物、ローカストビー
ンガム、ペクチン、カードラン、寒天、キチン、キトサ
ン等の食物繊維及び着香料等が含まれる。
【0013】本発明により得られた結晶粉末性エリスリ
トール組成物は、試験例1及び2に示した通り、吸湿性
を有する食品及び食品添加物の吸湿性を低下させたり、
エリスリトールの冷感を緩和することができる。また、
試験例3に示した様に、組成物中の成分が均一に存在し
ており、ばらつきが原因で生じる味覚上の問題は発生し
難い。練合法により結晶粉末を製造する方法自体は新し
い方法ではないが、結晶粉末性のエリスリトール組成物
を製造する方法としては、これまでに実施の報告が無い
全く新しい方法である。晶析法やスプレードライ法など
の従来の技術に比べて操作が簡便であり、且つ低コスト
に結晶粉末性の組成物を製造することができ、しかも、
着色料や食物繊維等をはじめとした組成物の製造が可能
であるなど、産業上非常に有用な方法である。
【0014】
【実施例】つぎに本発明の実施例を示して更に具体的に
説明するが、本発明は実施例により限定されるものでは
ない。 実施例1 純度95%のエリスリトール結晶2kgと、グラニュー糖2kg
を4Lの温湯に溶解後浴温125℃で減圧濃縮し、濃度98
%、液温112℃の熱水溶液を得、卓上型バッチニーダー
(入江商会)に移し、エリスリトールとシュークロース
の混合種晶(1:1)200gを添加して、90rpmで攪拌練合を
行う。温度が60℃になるまで練合後、ステンレス製トレ
ーに移して室温で一夜放置する。得られた固形物を粉砕
機で粉砕して、グラニュー糖含有の結晶粉末性エリスリ
トール組成物3.86kgを得た。
【0015】実施例2 純度94%のエリスリトール結晶5kgと、ステビオシド粉
末50gを4Lの温湯に溶解後、浴温120℃で減圧濃縮し、濃
度90%、液温98℃の熱水溶液を得、製菓用ミキサー(ア
イコーミキサー・愛工舎製)に移し、エリスリトールの
種晶50gを添加して、180rpmで攪拌練合を行う。温度が
室温に下がるまで攪拌練合を継続した後、得られた結晶
状粉末を熱風乾燥機にて乾燥し、ステビオシド含有の結
晶粉末性エリスリトール組成物4.93kgを得た。
【0016】実施例3 純度98%のエリスリトール結晶4kgと、フラクトオリゴ
糖粉末(明治製菓製)1Kgを4Lの温湯に溶解後、浴温125
℃で減圧濃縮し、濃度96%、液温110℃の熱水溶液を
得、卓上型バッチニーダーに移し、同じ割合の混合種晶
20gを添加して、90rpmの速度で攪拌練合を行う。温度が
60℃に下がるまで攪拌練合を継続した後、ステンレス製
のトレーに移し、一夜室温に放置する。得られた固化物
を粉砕して、フラクトオリゴ糖を含有する結晶粉末性エ
リスリトール組成物4.84kgを得た。
【0017】実施例4 純度98%のエリスリトール結晶3kgと、純度97%のソル
ビトール粉末2kgを4Lの温湯に溶解後、浴温125℃で減圧
濃縮し、濃度96%、液温108℃の熱水溶液を得、卓上型
バッチニーダーに移し、同じ割合の混合種晶150gを添加
して90rpmの速度で攪拌練合を行う。温度が60℃に下が
るまで攪拌練合を継続した後、ステンレス製トレーに移
して一夜放置する。得られた固化物を粉砕して、ソルビ
トール含有結晶粉末性エリスリトール組成物4.88kgを得
た。
【0018】実施例5 純度98%のエリスリトール結晶2kgと、純度93.5%のマ
ルチトール粉末2kgを4Lの温湯に溶解後、浴温125℃で減
圧濃縮し、濃度96%、液温108℃の熱水溶液を得、卓上
型バッチニーダーに移し、同じ割合の混合種晶200gを添
加して90rpmの速度で攪拌練合を行う。温度が60℃に下
がるまで攪拌練合を継続した後、ステンレス製トレーに
移して一夜放置する。得られた固化物を粉砕して、マル
チトール含有の結晶粉末性エリスリトール組成物3.68kg
を得た。
【0019】実施例6 純度98%のエリスリトール結晶4.75kgと、食添クエン酸
粉末0.25kgを4Lの温湯に溶解後、浴温125℃で減圧濃縮
し、濃度96%、液温106℃の熱水溶液を得、卓上型バッ
チニーダーに移し、同じ割合の混合種晶50gを添加して9
0rpmの速度で攪拌練合を行う。室温に下がるまで攪拌練
合を継続してクエン酸含有結晶粉末性エリスリトール組
成物4.73kgを得た。
【0020】実施例7 純度98%のエリスリトール結晶4.6kgと、ビタミンC0.4
kgを4Lの温湯に溶解後、浴温105℃で減圧濃縮し、濃度9
0%、液温98℃の熱水溶液を得、製菓用ミキサーに移
し、同じ割合の混合種晶150gを添加して180rpmの速度で
攪拌練合を行い、温度が室温に下がるまで攪拌練合を継
続する。得られた結晶状粉末を熱風乾燥機にて乾燥し
て、ビタミンCを含有した結晶粉末性エリスリトール組
成物4.88kgを得た。
【0021】実施例8 純度98%のエリスリトール結晶5kgと、カカオ色素粉末5
gを4Lの温湯に溶解後、浴温105℃で減圧濃縮し、濃度85
%、液温90℃の熱水溶液を得、製菓用ミキサーに移し、
エリスリトール種晶50gを添加して、180rpmの速度で攪
拌練合を行い、温度が室温に下がるまで攪拌練合を継続
する。得られた結晶状粉末を熱風乾燥機にて乾燥して、
カカオ色素を含有した結晶粉末性エリスリトール組成物
4.92kgを得た。
【0022】実施例9 純度98%のエリスリトール結晶5kgと、ステビオシド粉
末50g及びカカオ色素粉末5gを4Lの温湯に溶解後、浴温1
05℃で減圧濃縮し、濃度90%、液温98℃の熱水溶液を
得、製菓用ミキサーに移し、180rpmの速度で攪拌練合を
行い、温度が室温に下がるまで攪拌練合を継続する。得
られた結晶状粉末を乾燥して、ステビオシドとカカオ色
素を含有した結晶粉末性エリスリトール組成物4.89kgを
得た。
【0023】実施例10 純度98%のエリスリトール結晶4kg、パラチニット粉末
(三井製糖製)1kg、リンゴ酸粉末0.1kg及びビタミンB
1硝酸塩50gを4Lの温湯に溶解後、浴温115℃で減圧濃縮
し、濃度94%、液温100℃の熱水溶液を得、製菓用ミキ
サーに移し、エリスリトールとパラチニットの混合種晶
(4:1)150gを添加して180rpmの速度で攪拌練合を行
う。温度が50℃に下がるまで攪拌練合を継続した後、ス
テンレス製トレーに移して一夜放置する。得られた固化
物を粉砕して、パラチニット、リンゴ酸、ビタミンB1
硝酸塩を含有した結晶粉末性エリスリトール組成物4.88
kgを得た。
【0024】実施例11 140℃に加熱した卓上型バッチニーダーに、純度98%の
エリスリトール結晶2kgを添加して攪拌下に溶融する。
この中にポリデキストロース粉末2kgを添加して、加熱
下に攪拌を続けて溶解する。ポリデキストロースが溶解
後直ちに加熱を止め、エリスリトール種晶50gを添加し
て90rpmで練合を行う。次第に結晶が生成するが温度が8
0℃に下がるまで練合を継続し、ステンレス製トレーに
移して一夜放置した後、得られた固化物を粉砕機にて粉
砕して、ポリデキストロース含有の結晶粉末性エリスリ
トール組成物4.83kgを得た。
【0025】試験例1 実施例11で調製した、ポリデキストロース含有結晶粉
末性エリスリトール組成物および対照としてエリスリト
ール結晶とポリデキストロース粉末とを混合しただけの
単純混合物(組成比は実施例11と同じ)の吸湿性試験
を相対湿度80%の条件下で10日間保存した試料の肉眼観
察を行うことにより実施した。その結果を、表1に示し
た。
【0026】
【表1】
【0027】表1より、本発明で調製した練合組成物
は、単純混合物に比べ、吸湿性は格段に低く、練合した
ことでポリデキストロースの吸湿性を著しく低下させる
ことが分かる。
【0028】試験例2 実施例1で製造した、グラニュー糖含有エリスリトール
組成物および対照として純度95%のエリスリトール結晶
とグラニュー糖結晶とを混合しただけの単純混合物(組
成比は実施例1と同じ)をドーナッツにまぶし、パネラ
ー10人による試食を行い、組成物の冷感を官能評価し
た。その結果を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】表2より、本発明で製造した練合組成物は
単純混合物に比べて、冷感を感じないと答えたパネラー
が多く、練合法で組成物にしたことで、エリスリトール
の冷感が低下されることが分かる。
【0031】試験例3 実施例6で製造したクエン酸含有の結晶粉末性エリスリ
トール組成物の5ヶ所からサンプリング(A〜E)し
て、高速液体クロマトグラフィー(カラム:バイオラッ
ド製、アミネックスHPX87H,移動相:0.01N硫酸,移動速
度:0.6ml/分,検出器:RI)によりそれぞれの成分含量を
分析した。その結果を表3に示したが、ばらつきは殆ど
無く均一性が高く保たれていた。
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】本発明は、食品又は食品添加物を含むエ
リスリトールの高濃度水溶液や溶融液を、練合法により
結晶粉末性組成物にするものであり、従来の方法である
晶析法やスプレードライ法に比べ、収率の向上を含めた
低コスト化が実現できる。しかも得られた結晶粉末性エ
リスリトール組成物は、試験例1及び2に示した通り、
吸湿性を有する食品及び食品添加物の吸湿性を低下させ
たり、エリスリトールの冷感を緩和することができ、ま
た本練合法による組成物は、試験例3に示した様に、組
成物中に含有成分が均一に存在しており、ばらつきが原
因で生じる味覚上の問題は発生し難い。したがって、本
発明の結晶粉末性エリスリトール組成物は新しい食品素
材として広く食品産業に利用される。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高純度エリスリトールに、食品または食
    品添加物を添加して得られるエリスリトール含有高濃度
    水溶液に、必要に応じて種晶を添加して練合し、場合に
    より得られた固化物を粉砕することを特徴とする結晶粉
    末性エリスリトール組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 高純度エリスリトールの純度が90%以
    上であり、エリスリトール含有高濃度水溶液が固形分濃
    度80%以上のものであることを特徴とする請求項1記
    載の結晶粉末性エリスリトール組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 高純度エリスリトールの純度が95%以
    上であり、エリスリトール含有高濃度水溶液が固形分濃
    度90%以上のものであることを特徴とする請求項1記
    載の結晶粉末性エリスリトール組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 高純度エリスリトールの結晶または粉末
    の加熱溶融液に食品または食品添加物を添加してなる溶
    解液に、必要に応じて種晶を添加して練合し、場合によ
    り得られた固化物を粉砕することを特徴とする結晶粉末
    性エリスリトール組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 高純度エリスリトールの結晶または粉末
    の純度が90%以上であることを特徴とする、請求項4
    記載の結晶粉末性エリスリトール組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 高純度エリスリトールの結晶または粉末
    の純度が95%以上であることを特徴とする、請求項4
    記載の結晶粉末性エリスリトール組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 食品または食品添加物の添加量が、エリ
    スリトール100重量部に対して0.05〜500重量
    部であることを特徴とする、請求項1ないし請求項6記
    載の結晶粉末性エリスリトール組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 食品または食品添加物の添加量が、エリ
    スリトール100重量部に対して0.05〜200重量
    部であることを特徴とする、請求項1ないし請求項6記
    載の結晶粉末性エリスリトール組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 食品または食品添加物が、糖類、オリゴ
    糖類、糖アルコール類(エリスリトールを除く)、高甘
    味度甘味料、有機酸、ビタミン類、食物繊維及び着色料
    からなる群から選ばれた1または2以上のものであるこ
    とを特徴とする、請求項1ないし請求項8記載の結晶粉
    末性エリスリトール組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 練合開始時の温度が、80℃〜150
    ℃であることを特徴とする、請求項1ないし請求項9記
    載の結晶粉末性エリスリトール組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 練合開始時の温度が、85℃〜140
    ℃であることを特徴とする、請求項1ないし請求項9記
    載の結晶粉末性エリスリトール組成物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100397408B1 (ko) * 2000-05-22 2003-09-13 주식회사 보락 감미제를 함유한 동시결정화 당알코올 및 그의 제조 방법
WO2006077904A1 (ja) * 2005-01-24 2006-07-27 Nikken Fine Chemicals Co., Ltd. 糖アルコール共晶体とその製造方法
JP2013502383A (ja) * 2009-08-18 2013-01-24 カーギル インコーポレイテッド エリトリトールおよびイソマルトのタブレット化
JP2016067357A (ja) * 2014-10-01 2016-05-09 片岡物産株式会社 粉末食品及びその製造方法

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