JPH08266213A - パン生地の製造法 - Google Patents

パン生地の製造法

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JPH08266213A
JPH08266213A JP7531495A JP7531495A JPH08266213A JP H08266213 A JPH08266213 A JP H08266213A JP 7531495 A JP7531495 A JP 7531495A JP 7531495 A JP7531495 A JP 7531495A JP H08266213 A JPH08266213 A JP H08266213A
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JP
Japan
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bread
dough
yeast
phospholipase
lysophospholipase
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Withdrawn
Application number
JP7531495A
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English (en)
Inventor
Hideo Muromachi
秀夫 室町
Noriko Narishima
典子 成島
Seijiro Inoue
誠二郎 井上
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、長く保存する成型冷蔵生地または
成型冷凍生地を用いてもフィッシュアイ、表皮内部およ
び低部の気泡の発現が防止された品質のよいパンを製造
することを目的とする。 【構成】 小麦粉、ホスホリパーゼCまたはリゾホスホ
リパーゼ、酵母および水を混捏し生地とし、これを常法
により製パンする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパン生地の製造法および
パン生地を用いるパンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年製パン業界において、生産合理化の
手段として、冷凍生地が広く用いられているが、生地凍
結、冷凍保存、冷凍輸送、解凍に多大のエネルギーを要
する。これらエネルギーを軽減するために、最終発酵前
の生地を冷蔵保存する冷蔵生地が注目されている。
【0003】しかしながら、このような冷蔵生地を使用
する場合、冷蔵保存中にも酵母の発酵が進むため、生地
に好ましくない影響が現れるだけでなく、生地自身も冷
蔵により物性が変化するため、焼成後のパンはボリウム
が小さく、外観、風味等が劣るという問題点がある。こ
れらの問題点を改善するために、生地の冷蔵中に発酵が
抑制される、発酵能が低温感受性を示す酵母を用いたパ
ン生地、食パン、菓子パン等を製造する方法が知られて
いる(特開平5−336872号公報)。
【0004】製パン工程のどの段階で冷蔵保存するか
で、色々なタイプの冷蔵生地を製造することが可能であ
るが、これらの中で最も省力化効果が大きく、合理化の
手段として有効なのは、成型後に冷蔵保存する、いわゆ
る、成型冷蔵生地である。成型冷蔵生地の製造において
は、上記の発酵能が低温感受性を示す酵母を用いただけ
では、生地の物性変化に起因する問題が解決されず、焼
成後のパンの表面にフィッシュアイと称される白い水泡
状の斑点が現れ、満足したパンが得られない。
【0005】焼成後のパンの表面上のフィッシュアイを
防止する製パン改良剤として、グリセリン脂肪酸エステ
ルまたはグリセリン脂肪酸有機酸エステル(特開昭63-1
52935 号公報)、アスコルビン酸類、アミノ酸、ミョウ
バン類およびグリセリン脂肪酸モノエステル(特開平5-
49384 号公報)が知られている。また、パン生地および
パンの改良剤としてホスホリパーゼAおよびDをパン生
地に添加することは知られている(特公昭60-30488号公
報)。ホスホリパーゼA2で処理したリン脂質を食品、例
えば、麺、パン、米飯等に添加する食品の保存法(特開
平1-95755 号公報)、スポンジケーキ類を製造する際
に、原料の一部としてホスホリパーゼA2 で分解した卵
液を用いる方法(特公平4-41979 号公報)は知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長く
保存する成型冷蔵生地または成型冷凍生地を用いた場合
にもフィッシュアイ、表皮内部および低部の気泡の発現
が防止された品質のよいパンを製造する方法を提供す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、パンの表
面に発現するフィシュアイ、表皮内部および低部の気泡
等の原因がパン生地中のリン脂質によるのではないかと
考えて、リン脂質を分解する酵素をパン生地に添加する
ことを検討してきた。本発明によれば、小麦粉、ホスホ
リパーゼCまたはリゾホスホリパーゼ、酵母および水を
混捏することによりパン生地を製造し、製造したパン生
地を長く冷蔵保存または冷凍保存しても製パンしたとき
に、フィシュアイ、表皮内部および低部の気泡の発現が
防止された品質のよいパンを得ることができる。
【0008】パンとしては、菓子パン(あんパン、クリ
ームパン等)、ロールパン等があげられる。本発明で用
いる酵素のうち、ホスホリパーゼC(EC 3.1.4.3) とし
てはクロストリジウム(Clostridium) 属、バチルス(Bac
illus)属、シュドモナス(Pseudomonas) 属、ストレプト
マイセス(Streptomyces)属等の微生物由来、動物組織
(脳、肝臓、脾臓等)由来のもの、リゾホスホリパーゼ
(EC 3.1.1.5) としては、ペニシリウム(Penicillium)
属、エシェリヒア(Escherichia) 属等の微生物由来、動
物組織(脾臓、肝臓等)由来のものがあげられる。
【0009】通常は容易に入手できる市販の酵素が用い
られる。本発明に用いる酵素は、ホスホリパーゼCの場
合、使用する小麦粉1Kgに対して1〜200単位使用さ
れる。このとき、1単位とは37℃、pH7.3の条件下
で1分間に1μmol のホスファチジルコリンを分解する
酵素量である。リゾホスホリパーゼの場合、使用される
小麦粉1Kgあたり100〜50,000単位が使用され
る。このとき1単位とは、37℃、pH4.2の条件下
で、1分間に1.11%のリゾホスファチジルコリン基質
乳化溶液の濁度を、波長620nmで測定したときの吸光
度を1.0増加させるときの酵素量である。
【0010】ホスホリパーゼCおよびリゾホスホリパー
ゼに他のリン酸脂肪分解酵素〔例えば、ホスホリパーゼ
2 (EC 3.1.1.4) 、ホスホリパーゼD(EC 3.1.4.4)
等〕を併用してもよい。ホスホリパーゼCの場合は単独
でも充分、効果を有するが、リゾホスホリパーゼの場合
は、その単独での効果がホスホリパーゼCより劣るた
め、ホスホリパーゼA2 と併用することにより効果を高
めることができる。リゾホスホリパーゼとホスホリパー
ゼA2 とを併用する場合、リゾホスホリパーゼは、使用
する小麦粉1Kgあたり10〜50,000単位、ホスホリパ
ーゼA2 の1単位とは、37℃、pH5.5の条件下で1
分間に1μmol の遊離脂肪酸を生成する酵素量である。
【0011】本発明で用いる酵母としては、パン酵母と
して知られているものであれば、文献記載のもの、市販
品等いずれも用いられるが、好ましくは冷蔵耐性または
/および冷凍耐性を有する酵母が用いられる。具体的に
は、例えば、サッカロミセス・セルビジェ( Saccharom
yces cerevisiae ) FERM P-11937 、P-11938(特開平4-
234939号公報) 、NCIMB40328、40329 、40330 、40331
、40332 (特開平5-76348 号公報)、FERE P-12916
(特開平5-284896号公報) 、ダイヤイーストREIZO、FRZ
〔協和醗酵工業(株)〕、オリエンタル LTイース
ト、FDイースト、FD−1イースト〔オリエンタル酵
母工業(株)〕、ニッテンRSイースト〔日本甜菜製糖
(株)〕、カネカグリーンイースト、グリーンイースト
WS〔鐘淵化学工業(株)〕、三共イーストY、M〔三
共(株)〕、45イースト(黒)、45イースト−レッ
ド、45FCイースト、45SAイースト〔旭フーズ
(株)〕等が用いられる。
【0012】本発明に係わるパン生地、特に成型冷蔵ま
たは成型冷凍パン生地は、通常小麦粉にホスホリパーゼ
Cまたはリゾホスホリパーゼ、酵母、食塩、水さらに必
要に応じて砂糖、脱脂粉乳、卵、イーストフード、ショ
ートニング等を加え混捏した後、フロアタイム、分割、
ベンチタイムをとり、成型した生地を−2〜15℃で冷
蔵または−10〜−30℃で冷凍して得られる。
【0013】代表的な菓子パン等のパン生地の製法には
ストレート法と中種法があり、前者は全原料を最初から
混ぜる方法であり、後者は、まず小麦粉の一部に酵母と
水を加え中種をつくり、発酵後に残りの原料を合わせる
方法である。前記パン生地を用いて常法(ホイロ、焼
成)により製パンし、パンを得る。
【0014】
【実施例】以下に実施例および比較例を示す。実施例1 下記の配合および工程によりストレート法であんパンを
製造した。 配合 (重量部) 強力粉 90 薄力粉 10 グラニュー糖 25 食塩 0.8 ショートニング 10 脱脂粉乳 3 イーストフード〔バンダイヤC−300(協和醗酵工業(株)〕 0.15 全卵 10 イースト〔ダイヤイーストREIZO (協和醗酵工業(株)〕 5 水 46 ホスホリパーゼC(シグマ社製:No P-7633) 50単位/Kg・小麦粉 工程 ミキシング :低 速 3分 中低速 3分後 ショートニング添加 低 速 2分 中低速 3分 中高速 5〜7分 捏上温度 :28℃ フスアタイム :28℃、60分 分 割 :50g ベンチタイム :20分 成 型 :ガス抜きを行った後あん40gを包む 成型生地の冷蔵:5℃、1〜3日 ホイロ :38℃、85%RH、60分 焼 成 :200℃、10分 焼成したあんパンの評価結果を第1表に示す。
【0015】
【表1】
【0016】実施例2〜3および比較例1〜6 実施例1の配合において、ホスホリパーゼCの代わりに
第2表に示す酵素または添加物を用いる以外は実施例1
と同様にしてあんパンを製造した。焼成したあんパンの
評価結果を第3表に示す。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】第3表から明らかな如く、実施例2および
3で得られたあんパンの品質は、比較例1〜6で得られ
たそれに比べ、1日後においても優れており、2および
3日後と長期になるにつれて比較例との差が顕著に表れ
た。 実施例4 小麦粉1KgとホスホリパーゼC(シグマ社製:No. P-36
33) 50単位とを混合してパン改良剤を製造した。 実施例5 小麦粉1Kgとリゾホスホリパーゼ〔Sumizyme PLE, 新日
本化学工業(株)〕とを混合してパン改良剤を製造し
た。
【0020】
【発明の効果】本発明により、長く保存する成型冷蔵生
地または成型冷凍生地を用いてもフィッシュアイ、表皮
内部および低部の気泡の発生が防止される品質のよいパ
ンを製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉、ホスホリパーゼCまたはリゾホ
    スホリパーゼ、酵母および水を混捏することを特徴とす
    るパン生地の製造法。
  2. 【請求項2】 パン生地が成型冷蔵パン生地または成型
    冷凍パン生地である請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のパン生地を用い
    て常法により製パンすることを特徴とするパンの製造
    法。
  4. 【請求項4】 ホスホリパーゼCまたはリゾホスホリパ
    ーゼを有効成分とするパン改良剤。
JP7531495A 1995-03-31 1995-03-31 パン生地の製造法 Withdrawn JPH08266213A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999049011A1 (en) * 1998-03-24 1999-09-30 Dsm N.V. Application of lipase in brewing
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