JPH08266150A - 芝等の植物を育成するための植物育成シート構造体及び天然芝シート構造体 - Google Patents

芝等の植物を育成するための植物育成シート構造体及び天然芝シート構造体

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JPH08266150A
JPH08266150A JP7072172A JP7217295A JPH08266150A JP H08266150 A JPH08266150 A JP H08266150A JP 7072172 A JP7072172 A JP 7072172A JP 7217295 A JP7217295 A JP 7217295A JP H08266150 A JPH08266150 A JP H08266150A
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JP
Japan
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plant
sheet structure
web layer
layer
water
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Application number
JP7072172A
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English (en)
Inventor
Yoshio Ishikawa
良夫 石川
Hiroaki Fukumoto
博明 福本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Otsuka Chemical Co Ltd filed Critical Otsuka Chemical Co Ltd
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  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 植物の育成、成長後の管理が容易で、設置安
定性がよい植物育成シート構造体及び所望の場所に簡単
容易に設置でき、芝の維持管理が容易である天然芝シー
ト構造体を提供する。 【構成】 ベースウエブ層1、芯材層2及びカバーウエ
ブ層3がこの順序で下から上へ重ねられて一体的に連結
され、或いはさらに植物種保持層5が予め設けられ、ベ
ースウエブ層1は保水性を有し、芯材層2は、通水性、
通気性を与える空隙を多数有するとともに保形性を有
し、カバーウエブ層3はその表面に柔軟性のある植物保
護突起4が多数本設けられている植物育成シート構造体
A、B及び構造体A、Bにおいて芝8を育成してなる天
然芝シート構造体C。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般家庭の庭、河川の
堤防、公園、ゴルフ場等の土壌、各種建造物、道路等の
植栽ゾーン、各種スポーツ施設のフィールド等に敷設
し、植物を育成し、緑化することができる植物育成シー
ト構造体、及び該構造体で芝を育成してなる天然芝シー
ト構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般家庭の庭、河川の堤防、公園、ゴル
フ場等の土壌、各種建造物、道路等の植栽ゾーン等を緑
化するために天然芝、草花類等の植物を育成する場合、
普通には、それら土壌や植栽ゾーンに直接植物種を蒔い
たり、植物苗を植えたりして育成する。その場合、蒔い
た種や植えた苗、与えた肥料等が雨、風、灌水等により
流されないように、適当な流出防止柵等を設けることも
ある。
【0003】また、スポーツ施設をみると、そのフィー
ルドには古くから天然芝や土壌が利用されてきたが、こ
れらは維持管理が困難である等のため、今日では人工芝
が多用されるようになっている。しかし、スポーツによ
っては人工芝でのプレーに適さないもの、例えばサッカ
ーがあり、そのため、このような競技については今でも
天然芝が利用されている。
【0004】もっともスポーツ施設の場合、フィールド
に直接天然芝を育成したのでは、その育成管理、成長後
の維持管理が困難であることや、競技プレーのため芝が
損傷したとき、その再生に時間を要し、連続使用できな
い事態が発生するため、整備した下地等の上に別途育成
した天然芝を設置し、損傷が発生すると、その部分を新
しいもに交換することがある。
【0005】このようにスポーツ施設に設置したり、該
施設に設置した芝に損傷が発生するとその部分を取り換
えたりするための天然芝は、別途天然土壌で育成した天
然芝を適当寸法に切り取ったものが用いられることは勿
論あるが、そのように天然土壌を直接用いない、移設可
能の天然芝シート構造体を採用することも考えられる。
【0006】このような天然芝シート構造体は、一般家
庭の庭、河川の堤防、公園、ゴルフ場、丘陵、海岸、砂
丘等や、各種建造物、道路等の植栽ゾーン等に敷設利用
することもできる。天然芝シート構造体としては、例え
ば、特開昭51−119108号公報が、オガクズ堆肥
で構成した芝生培土層の下に網状マット及び不透水性の
下敷きシートを順次設けたロール巻き可能の芝生マット
を、特開昭54−117732号公報が、ネット上に土
又は砂を乗せ、その上に芝生を繁茂させた芝生シート
を、特開昭60−95004号公報が、穴あきゴムマッ
ト又は合成樹脂板であって天然芝育成場所に敷設され、
該穴の中に土や砂、さらに芝生ランナー及び化学肥料や
保水材を入れ、芝を育成するものを、特開昭62−25
907号公報が、ロックウールを主成分とするマット内
に芝種を混入、保持させた種付きマットを、特開昭63
−91015号公報が、ロックウールに、略等間隔に先
端部を有し底部が格子状に形成された骨材を一体化し、
ロックウールに芝種を包蔵させた植生マットを、特開平
2−104216号公報が、切芝を分解引伸ばし、筋状
のランナーを適当網目間隔のネット上に並べ、その上面
を水溶性の紙で被覆した長尺の巻きロール製品を、ま
た、特開平3−247204号公報が、肥料と無機質軽
量土壌部材を混合してなる芝育成用床材の側面及び下面
を下部シートで包み、該床材の上面に上部シートを設
け、その上部シートの下面側に芝種保持部材を配置し、
芝種保持部材と下部シートとの間で前記床材中に網目状
の波状ネットを設け、上部及び下部シートを縫糸、ステ
ープル等で相互連結して一体化した天然芝床をそれぞれ
開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般家
庭の庭、河川の堤防、公園、ゴルフ場、雨水の流れ易い
丘陵等の土壌や、風が強く、下砂地が安定しない海岸、
砂丘、或いは各種建造物、道路等の植栽ゾーン等に天然
芝、草花類等の植物を育成する場合において、それら土
壌や砂地、植栽ゾーン等に直接植物種を蒔いたり、植物
苗を植えたりして育成するときには、蒔いた種や植えた
苗、与えた肥料等が雨、風、灌水等により流され易く、
さらには下砂地の変動により安定しないといった問題が
ある。これを防止するために流出防止柵等を設けるとき
には、それを設ける手間が余分にかかり、きわめて面倒
である。
【0008】前記公報開示の天然芝シート構造体は、そ
のまま又は必要に応じ裁断して、或いは芝種の発芽のあ
と、さらには成長後に必要に応じ適当寸法に裁断して、
一般家庭の庭、河川の堤防、公園、ゴルフ場等に、ま
た、各種建造物や道路の植栽ゾーン等に敷設利用でき、
土壌等に直接種等を蒔く場合の前記問題を少しでも解消
でき、また、スポーツ施設の緑化にも利用できるが、次
の問題がある。
【0009】すなわち、前記公報のうち特開昭60−9
5004号公報記載の穴あきゴムマットや合成樹脂板
は、全面的にではなく間欠的に芝を育成するものである
から、全面的に芝を育成したいときには採用し難い。特
にスポーツ施設には採用し難い。また、特開平3−24
7204号公報記載の天然芝床のように、上部及び下部
シートを縫糸、ステープル等で連結して一体化したもの
を除いて、他のものは全体が分解、損傷し易く、スポー
ツ施設等、激しい力が加わる場所では使用し難い。ま
た、芝が削れる等して損傷すると、その下の材料が現れ
て極めて見苦しくなる。
【0010】特開平3−247204号公報の天然芝床
の場合でも、芝が削れる等損傷すると、同様に下の材料
が現れ、見苦しくなり、スポーツ施設等、踏まれる機会
の多い場所では使用し難い。また、いずれの公報記載の
天然芝シート構造体も、設置安定性が満足できるもので
なく、河川堤防、丘陵等の斜面等に敷設利用するには難
点があり、特にスポーツ施設に設置して、その上でプレ
ーするには不安定であり、適さない。
【0011】そこで本発明は、先ず、次の利点を有す
る、芝等の植物を育成するための植物育成シート構造体
を提供することを第1の課題とする。 そのままの寸法で、又は必要に応じ適当寸法に裁断
して、一般家庭の庭、公園、河川堤防、ゴルフ場、雨水
の流れやすい丘陵等の土壌や、風が強く、下砂地が安定
しない海岸、砂丘、或いは各種建築物、道路の植栽ゾー
ン等に、また、スポーツ施設にも簡単容易に設置でき、
芝種、草花類等の植物種を蒔いて発芽させ、育成するこ
とができ、移設もできる植物育成シート構造体。 風雨、灌水、下地の変動等によっても、蒔いた植物
の種、それからの新芽等が移動、流出しがたく、それだ
け植物の育成管理が容易である植物育成シート構造体。 全体が一体化されていて分解しにくく、また、蒔い
た植物の種やそれからの新芽、根等が上からの荷重や横
からの引掛け荷重等に対し保護されており、この点から
も植物育成管理、成長後の維持管理が容易である植物育
成シート構造体。 植物が成長する前や、成長した植物が削れ、枯れ等
により損傷、損失等したときでも、その見苦しさを低減
することができる植物育成シート構造体。 重量調整でき、それによって軽量化して移設を容易
にしたり、重量化して設置対象場所への設置安定性を増
大させることができ、スポーツ施設等においても使用に
耐えられる設置安定性を得ることができる植物育成シー
ト構造体。 雑草の種子がある場合でも、それを押さえ込むよう
に敷設して雑草が生えることを抑制でき、それだけ、植
物の育成管理、成長後の維持管理が容易である植物育成
シート構造体。 長尺物に生産可能である植物育成シート構造体。
【0012】また、本発明は、予め芝種等の植物種を保
持させた、芝等の植物を育成するための植物育成シート
構造体であって、次の利点を有するものを提供すること
を第2の課題とする。 そのままの寸法で、又は必要に応じ適当寸法に裁断
して、一般家庭の庭、公園、河川堤防、ゴルフ場、雨水
の流れやすい丘陵等の土壌や、風が強く、下砂地が安定
しない海岸、砂丘、或いは各種建築物、道路の植栽ゾー
ン等に、また、スポーツ施設にも簡単容易に設置でき、
予め保持させた芝種等の植物種から植物を育成すること
ができ、移設もできる植物育成シート構造体。 風雨、灌水、下地の変動等によっても、予め保持さ
せた植物の種、それからの新芽等が移動、流出しがた
く、それだけ植物の育成管理が容易である植物育成シー
ト構造体。 全体が一体化されていて分解しにくく、また、保持
させた植物の種やそれからの新芽、根等が上からの荷重
や横からの引掛け荷重等に対し保護されており、この点
からも植物育成管理、成長後の維持管理が容易である植
物育成シート構造体。 植物が成長する前や、成長した植物が削れ、枯れ等
により損傷、損失等したときでも、その見苦しさを低減
することができる植物育成シート構造体。 重量調整でき、それによって軽量化して移設を容易
にしたり、重量化して設置対象場所への設置安定性を増
大させることができ、スポーツ施設等においても使用に
耐えられる設置安定性を得ることができる植物育成シー
ト構造体。 雑草の種子がある場合でも、それを押さえ込むよう
に敷設して雑草が生えることを抑制でき、それだけ、植
物の育成管理、成長後の維持管理が容易である植物育成
シート構造体。 長尺物に生産可能である植物育成シート構造体。
【0013】また、本発明は前記した本発明に係る植物
種を後で蒔くタイプの植物育成シート構造体、或いは予
め植物種を保持させたタイプの植物育成シート構造体を
採用して、芝種から天然芝を育成してなる天然芝シート
構造体であって、次の利点を有するものを提供すること
を第3の課題とする。なお、「芝種」は、芝の種子自体
は勿論のこと、切り芝等から得たランナー等、芝の種と
なり得るものを含む概念のものである。 そのままの寸法で、又は必要に応じ適当寸法に裁断
して、一般家庭の庭、公園、河川堤防、ゴルフ場、雨水
の流れやすい丘陵等の土壌や、風が強く、下砂地が安定
しない海岸、砂丘、或いは各種建築物、道路の植栽ゾー
ン等に、また、スポーツ施設にも簡単容易に設置でき、
移設もできる天然芝シート構造体。 風雨、灌水、下地の変動等によっても、芝が移動、
流出しがたく、それだけ芝の管理が容易である天然芝シ
ート構造体。 全体が一体化されていて分解しにくく、また、芝の
新芽、根等が上からの荷重や横からの引掛け荷重等に対
し保護されており、従ってスポーツ施設においても使用
でき、また、この点からも芝管理が容易である天然芝シ
ート構造体。 芝が削れ、枯れ等により損傷、損失等したときで
も、その見苦しさを従来の天然芝シート構造体より低減
することができる天然芝シート構造体。 重量調整でき、それによって軽量化して移設を容易
にしたり、重量化して設置対象場所への設置安定性を増
大させることができ、スポーツ施設等においても使用に
耐えられる設置安定性を得ることができる天然芝シート
構造体。 雑草の種子がある場合でも、それを押さえ込むよう
に敷設して雑草が生えることを抑制でき、それだけ、芝
の管理が容易である天然芝シート構造体。 長尺物に生産可能である天然芝シート構造体。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決す
る本発明の芝等の植物を育成するための植物育成シート
構造体は、ベースウエブ層、芯材層及びカバーウエブ層
がこの順序で下から上へ重ねられて一体的に連結され、
前記ベースウエブ層は保水性を有し、前記芯材層は通水
性、通気性を与える空隙を多数有するとともに保形性を
有し、前記カバーウエブ層はその表面に柔軟性のある植
物保護突起が多数本設けられていることを特徴とするも
のである。
【0015】また、前記第2の課題を解決する本発明の
植物育成シート構造体は、前記第1の課題を解決する植
物育成シート構造体において、植物種を保持して発芽さ
せるための植物種保持層が設けられているものである。
また、前記第3の課題を解決する本発明の天然芝シート
構造体は、前記第1の課題を解決する植物育成シート構
造体に芝種を蒔いたり、前記第2の課題を解決する植物
育成シート構造体において保持させる植物種を芝種にす
る等して、これら芝種から芝を育成してなる天然芝シー
ト構造体である。
【0016】本発明に係る前記いずれの構造体について
も、前記ベースウエブ層は保水性があればよく、この保
水性については、水をかける、注ぐ、水に浸す等により
保水できればよく、この保水量を調整することで本発明
の植物育成シート構造体や天然芝シート構造体の重量を
調整できるとともに、保水量を調整して天然芝等の植物
種、新芽、成長した植物等への給水量をコントロールで
き、さらに、保持させた水に養分を含ませておくことで
養分補給量もコントロールできる。保水量の調整につい
ては、与える水の量による調整だけでなく、圧縮する、
絞る、傾ける等により排水することでも調整できること
が望ましい。いずれにしても、ベースウエブ層は、本発
明に係る植物育成シート構造体及び天然芝シート構造体
の設置場所へのなじみを良くするため、柔軟性があるこ
とが望ましい。
【0017】このようなベースウエブ層として、例え
ば、各種繊維を絡み合わせてなるウエブ層(例えば綿か
らなるウエブ層)、各種繊維の織物、編物、これらの組
み合わせ等からなるウエブ層が考えられる。これらのう
ちでも、綿ウエブ層は吸水性、保水性が良く、また、圧
縮する、絞る等して水を容易に排出でき、これらによっ
て容易に重量調整できるとともに、保水量を調整して天
然芝等の種、新芽、成長した植物等への給水量を容易に
コントロールでき、さらに、保持させた水に養分を含ま
せておくことで養分補給量も容易にコントロールできる
ので、望ましいものである。
【0018】ベースウエブ層を綿ウエブ層とする場合、
その綿は天然綿でも、合成繊維からなる綿でも、これら
の組み合わせでもよいが、保水量調整を広い範囲にわた
って行えるように、綿の全部又は一部を吸水性繊維から
なる吸水綿とすることも考えられる。例えば合成繊維綿
と吸水綿の混合綿とすることが考えられる。かかる合成
繊維綿としては、2〜8デニール程度のポリエステル繊
維、アクリル繊維等からなる綿を例示でき、また、吸水
綿としては、東洋紡績(株)製の超吸水性繊維(商品名
ランシールF)からなる吸水綿を例示できる。
【0019】カバーウエブ層については、植物種を後で
蒔くタイプの植物育成シート構造体におけるカバーウエ
ブ層は、この上に蒔かれる植物種が発芽して根が入り込
んで行けるものであればよく、また、植物種を予め保持
したタイプの植物育成シート構造体におけるカバーウエ
ブ層は、保持された植物種が発芽し、カバーウエブ層上
方へと成長できるものであればよいが、いずれのタイプ
の植物育成シート構造体においても、また、本発明に係
る天然芝シート構造体においても、それらのカバーウエ
ブ層は、例えば保水性を有するものが考えられる。この
保水性については、水をかける、注ぐ、水に浸す等によ
り吸水して保水できればよい。さらには保水量を調整で
きるものが望ましい。この保水量を調整できれば、本発
明の植物育成シート構造体や天然芝シート構造体の重量
をこの点でもそれだけ調整できるとともに、保水量を調
整して天然芝等の植物種、新芽、成長した植物等への給
水量をコントロールでき、さらに、保持させた水に養分
を含ませておくことで養分補給量もコントロールでき
る。保水量の調整については、与える水の量による調整
だけでなく、圧縮する、絞る、傾ける等により排水する
ことでも調整できることが望ましい。
【0020】本発明に係るいずれの植物育成シート構造
体においても、また、天然芝シート構造体においても、
保水性があり、保水量調整可能なカバーウエブ層とし
て、例えば、各種繊維を絡み合わせてなるウエブ層(例
えば綿からなるウエブ層)、各種繊維の織物、編物、こ
れらの組み合わせ等からなるウエブ層が考えられる。こ
れらのうちでも、綿ウエブ層は吸水性、保水性がよく、
また、圧縮する、絞る等して水を容易に排出でき、これ
らによって重量調整できるとともに、保水量を調整して
天然芝等の種、新芽、成長した植物等への給水量を容易
にコントロールでき、さらに、保持させた水に養分を含
ませておくことで養分補給量もコントロールできるの
で、望ましいものである。
【0021】カバーウエブ層を綿ウエブ層とする場合、
その綿は天然綿でも、合成繊維からなる綿でも、これら
の組み合わせでもよいが、保水量調整を広い範囲にわた
って行えるように、綿の全部又は一部を吸水性繊維から
なる吸水綿とすることも考えられる。例えば合成繊維綿
と吸水綿の混合綿とすることが考えられる。かかる合成
繊維綿としては、前記ベースウエブ層の場合と同様に、
2〜8デニール程度のポリエステル繊維、アクリル繊維
等からなる綿を例示でき、また、吸水綿としては、東洋
紡績(株)製の超吸水性繊維(商品名 ランシールF)
からなる吸水綿を例示できる。
【0022】ベースウエブ層及びカバーウエブ層として
それぞれ綿ウエブ層を採用する場合、例えばカバーウエ
ブ層は綿量をベースウエブ層のそれより少なくして、ベ
ースウエブ層より薄くし、植物種の発芽、その後の成長
の妨げとならないように配慮する一方、ベースウエブ層
はその保水量調整によって重量調整、植物への給水量等
のコントロールを所望の範囲で行える厚さとすることが
考えられる。
【0023】ベースウエブ層及びカバーウエブ層は糸そ
の他の手段で相互に連結してもよく、この点、綿からな
るベースウエブ層及びカバーウエブ層については、それ
らを構成する綿繊維の一部を前記芯材層に通して、或い
は芯材層及び植物種保持層に通して互いに絡め連結する
ことで両者を連結してもよい。この両綿ウエブの連結
は、それらの間に芯材層を挟んだ状態で、或いはさらに
植物種保持層を設けた状態で、例えば一般にウエブ接合
法として知られているニードルパンチ法を実施すること
で行える。
【0024】いずれにしても、カバーウエブ層は、蒔い
た種から、或いは植物種保持層の種から植物が成長する
前や、成長した植物が削れる、枯れるなどしたとき、或
いは天然芝シート構造体において芝が削れる、枯れるな
どしたときに、カバーウエブ層が見苦しくならないよう
に、カバーウエブ層の少なくとも表面部分を例えば植物
の色に似せて(例えばグリーン色や、茶色筋とグリーン
色筋が混じり合った状態等に)色付けしておいてもよ
い。
【0025】本発明に係るいずれの植物育成シート構造
体においても、また、天然芝シート構造体においても、
前記芯材層は、通水性、通気性を与える空隙を多数有す
るとともに保形性を有し、植物育成を妨げないものであ
ればよく、或いはさらに植物育成シート構造体や天然芝
シート構造体の強度保持、運搬時の一体性確保の役割を
果たすものであれば望ましいが、例えば、合成樹脂繊維
を絡み合わせてなる3次元網目構造体、合成樹脂繊維等
からなる網かご状のもの、小さい網かごを複数連ねた状
態のもの、合成樹脂繊維等からなる網板1枚、又はこれ
を複数枚重ねたもの等の網体芯材層の他、かかる網体芯
材層にバルク材、オガクズ、木片等を装填したもの、或
いは網袋や布袋にバルク材、オガクズ、木片等を収容し
た構造のもの等種々考えられる。いずれにしても、植物
育成シート構造体や天然芝シート構造体の設置場所への
なじみをよくするため全体的に可撓性を有していること
が望ましく、また、かかる構造体上の歩行、スポーツプ
レー(特に天然芝シート構造体の場合)の感触をよくす
るため適度の弾力性を有していることが望ましい。
【0026】これらの点から網体芯材層は好ましいもの
であり、特に、可撓性、弾力性、空隙の多さ、強度等の
点から、さらに運搬時の構造体の一体性を確保できる点
から合成樹脂繊維を絡み合わせてなる3次元網目構造体
は望ましいものの一つである。そのような3次元網目構
造体として、例えばポリアミド、ポリプロピレン、塩化
ビニル樹脂等からなる直径0.1〜0.8mm程度の合
成樹脂繊維を絡み合わせてなる3次元網目構造体を挙げ
ることができる。
【0027】このような3次元網目構造体として、例え
ば、ゼオン化成(株)製の網目構造体(商品名 ゼオマ
ット7020等)を採用できる。本発明に係る植物種保
持層を設けた植物育成シート構造体における該植物種保
持層は、カバーウエブ層上、カバーウエブ層中、芯材層
とカバーウエブ層の間、芯材層中、芯材層とベースウエ
ブ層の間、又はベースウエブ層中、又はこれらのうち2
以上の部分などに設けることができるが、設け易さ、植
物種の保護、植物種からの植物の成長等の観点から、代
表的には芯材層とカバーウエブ層との間に挟み設けるこ
とが考えられる。
【0028】植物種保持層は、芝種等の植物種をその移
動を阻止して保持し、発芽させ得るものであればよい
が、植物種ができるだけ均一に分散配置されていること
が望ましい。このような植物種保持層として例えば、植
物種の発芽、その後の成長を妨げない不織布シート、該
不織布シート上に均一的に分散配置された植物種、及び
該植物種の上から被覆され、植物種の発芽、その後の成
長を妨げない水溶性の種押さえフィルムを含むものを挙
げることができる。水溶性の種押さえフィルムは蛋白質
系、澱粉系等の水溶性フィルムが考えられ、発芽養分を
含めてあってもよい。このほか、不織布シート等の台シ
ート上に種を分散配置するとともに該種を台シートに適
当な接着剤で付着させたもの等も考えられる。いずれに
しても、種を除く各部は可撓性のあるものとして、芯材
層、カバーウエブ層等の他の部材へのなじみをよくする
ことが望ましい。なお、前記不織シートや台シートは耐
水性のあるもの、水溶性のもの等種々考えられる。ま
た、種押さえフィルムは必ずしも水溶性であることを要
しない。
【0029】植物種保持層をカバーウエブ層中、或いは
ベースウエブ層中に設けるときは、該層中に植物種を直
接内蔵させ、カバーウエブ層の一部、或いはベースウエ
ブ層の一部に植物種保持層の一部を兼ねさせてもよい。
いずれにしても本発明に係る構造体において、ベースウ
エブ層、芯材層及びカバーウエブ層、或いはさらに植物
種保持層は、糸その他の手段で相互に連結してもよく、
この点、綿からなるベースウエブ層及びカバーウエブ層
を採用するときは、前述のように連結することもでき
る。また、それとともに糸その他の連結手段を採用して
もよい。
【0030】いずれにしても前記ベースウエブ層の保
護、保形、構造体全体のクッション性の調整、構造体重
量調整等のうち一つ又は二つ以上の目的で、該ベースウ
エブ層の下部にバッキング材を設けてもよい。かかるバ
ッキング材はシート状のバッキング材を接着剤でベース
ウエブ層下面に貼着する、シート状のバッキング材をベ
ースウエブ層に重ねて糸等の連結手段で連結する、これ
らを組み合わせて設ける、ベースウエブ層下部にバッキ
ング材をシート状に成形して設ける、ベースウエブ層下
面にバッキング材料を塗布して形成する等により設ける
ことができる。
【0031】かかるバッキング材は、本発明に係るいず
れの植物育成シート構造体についても、また、天然芝シ
ート構造体についても、それらが、一定の場所に常設さ
れるいわゆる常設型のものであるときは、ベースウエブ
層とその外部間で通水できるように設け、場合によって
は移設することがあるいわゆる仮設型のものであるとき
は、そのような通水を不能にするように設けることが考
えられるが、常設型であれ、仮設型であれ、本発明に係
る構造体を設置した土壌等の水分を利用できるように、
及び(又は)構造体の水はけをよくするために、ベース
ウエブ層とその外部間で通水できるように設けてもよ
い。この場合、バッキング材自身は通水性を有していて
も、有していなくてもよい。通水性の無いバッキング材
については、これを間欠的に設けること等で、ベースウ
エブ層とその外部間での通水が可能となる。
【0032】また、いずれにしても、ベースウエブ層に
設けられるバッキング材は、その一部又は全部が肥料を
含有させた水溶性材料からなっていてもよい。本発明に
係るいずれの植物育成シート構造体においても、また、
天然芝シート構造体においても、カバーウエブ層の表面
に柔軟性を有する植物保護突起が多数本設けられている
が、かかる保護突起は、合成樹脂、天然物、これらの組
み合わせ等からなる保護突起形成用の繊維状材を、カバ
ーウエブ層に接着する、織り込む等により設けることが
できる他、網状体の片面から保護突起が延びるように射
出成形等したものをカバーウエブ層に接着する、縫着す
る等により取り付けて設けることもでき、或いは保護突
起形成用の繊維状材をカバーウエブ層からベースウエブ
層にわたって織り込み、この繊維状材により該カバーウ
エブ層表面に植物保護突起を形成することもできる。こ
の場合、該繊維状材に、該繊維状材単独で、或いは他の
糸等の連結手段とともに、構造体構成部材の一体的な連
結に寄与させることもできる。
【0033】また、植物保護突起形成用の繊維状材をカ
バーウエブ層からベースウエブ層にわたって織り込み、
この繊維状材によりカバーウエブ層表面に植物保護突起
を形成する場合、該繊維状材のうち、該ベースウエブ層
に織り込まれた部分の少なくとも一部を前記バッキング
材で抜け止めするようにしてもよい。この場合、バッキ
ング材は、抜け止め効果を得るために、単にベースウエ
ブ層に当てがうだけでなく、繊維状材を固定するよう
に、ベースウエブ層下面に貼着する、ベースウエブ層下
部にバッキング材をシート状に成形して設ける、ベース
ウエブ層下面にバッキング材料を塗布して形成するなど
して設けることが考えられる。
【0034】バッキング材は、前記のようにベースウエ
ブ層の保護、保形、構造体のクッション性の調整、構造
体重量調整等のうちの1又は2以上の目的とともにこの
ように繊維状材の抜け止めの目的でも採用できるが、ベ
ースウエブ層の保護、保形、構造体のクッション性の調
整、構造体重量調整等のうちの1又は2以上が結果的に
達成されることがあるとしても、当初の狙いとして、単
に繊維状材の抜け止め効果のみを得るためにバッキング
材を設けることも考えられる。
【0035】また、いずれにしても、植物保護突起形成
用の繊維状材として、パイル糸を採用することができ、
該保護突起を例えば絨毯におけるようなカットパイル、
ループパイルによるパイル突起、或いはパイル状の突起
(例えばチエーンステッチによる突起)、或いはさらに
はこれらの2種類以上の組み合わせ等に形成してもよ
い。ループパイルは、植物種等の保護強度やクッション
性の向上の点から好ましいものである。また、植物種を
後から蒔く植物育成シート構造体においてカットパイル
を採用すると、蒔いた種が植物保護突起の間に入り込み
やすく、それだけ該種の風等による飛散や流出をよく防
止できる。2種類以上のパイルを採用してこれらの効果
を併せ持たせてもよい。
【0036】かかる繊維状材は、それがパイル糸であ
れ、そうでない場合であれ、それによってカバーウエブ
層表面に形成される植物保護突起が、その上から蒔かれ
る植物種、それからの新芽や根、成長した植物を保護で
きる程度の、或いは予め設けられた植物種保持層におけ
る植物種、それからの新芽や根、成長した植物を保護で
きる程度の強度(引っ張り強度等)、腰の強さ等があれ
ばよく、単繊維からなるもの、単繊維を複数本束ねてな
るもの、単繊維を複数本より合わせてなるもの等種々考
えられる。例えばポリアミド、ポリプロピレン、ポリエ
ステル等の太デニールフィラメント糸単独、これらの糸
の複数本からなるものを挙げることができる。また、い
ずれにしても植物保護突起形成に用いるフィラメントの
断面形状としては、円形断面のもの、矩形断面のもの等
種々考えられる。
【0037】また、いずれにしても、植物の育成のため
に、植物保護突起形成用の繊維状材として、それがパイ
ル糸であれ、そうでない場合であれ、水分移送性を有す
るものを採用してもよい。かかる水分移送性を有する繊
維状材としては、代表例として毛細管現象による水分移
送性を有する繊維状材を広い範囲から選択採用できる。
例えば、繊維状材としてフィラメントを採用する場合、
そのフィラメントが、一部又は全部で中空断面であるも
の、らせん状乃至渦巻き状に捩じられたもの等で、保水
性、水分移送性を有するものを例示でき、また、PCT
出願に基づく国際公開第WO90/15193号公報に
開示されている人工芝用の保水性、水分移送性に優れ
た、断面渦巻き状に捩じれたモノフィラメントを例示す
ることもできる。
【0038】いずれにしても、植物保護突起のカバーウ
エブ層表面からの高さについては、植物保護等の観点か
ら、また、成長した植物が該保護突起より上まで伸びる
ことができるように選択すればよく、例えば植物が芝で
ある場合、それには限定されないが、3〜15mm程
度、より好ましくは5〜7mm程度が考えられる。ま
た、カバーウエブ層表面の植物保護突起の密度は、植物
保護を達成でき、植物の成長を妨げない範囲で適当に選
択することができる。
【0039】また、いずれにしても、植物育成シート構
造体において、蒔いた種から植物が成長する前、或いは
予め設けた植物種保持層の植物種から植物が成長する前
や、成長した植物が削れる、枯れるなどしたとき、或い
は天然芝シート構造体において芝が削れる、枯れるなど
したときに、植物保護突起が見苦しくならないように、
該突起を例えば植物の色に似せて(例えばグリーン色
や、茶色筋とグリーン色筋とが混じり合った状態等に)
色付けしておいてもよい。
【0040】また、いずれにしても、本発明に係る植物
育成シート構造体、天然芝シート構造体は、運搬、保管
を容易にするため、構成部材をそれぞれ可撓性のあるも
のとして、全体にロール状に巻くことができる可撓性を
与えてもよい。
【0041】
【作用】本発明に係る植物育成シート構造体及び天然芝
シート構造体は、そのままの寸法で、又は必要に応じ適
当寸法に裁断され、一般家庭の庭、公園、河川堤防、ゴ
ルフ場、丘陵等の土壌、海岸や砂丘、各種建築物、道路
の植栽ゾーン等に、また、スポーツ施設にも簡単容易に
設置され、また、必要に応じ移設もされる。
【0042】後で植物種を蒔いて用いるタイプの植物育
成シート構造体については、芝種、草花類等の植物種が
蒔かれ、適当な温度条件のもとで、或いはさらに、これ
に水又は植物育成養分を含ませた水が供給されること
で、該植物種が発芽し、所望の植物が成長する。予め植
物種保持層を設けた植物育成シート構造体については、
適当な温度条件のもとで、或いはさらに、水又は植物育
成養分を含ませた水が供給されて、植物種保持層の植物
種が発芽し、植物が成長する。
【0043】天然芝シート構造体についても、これに水
又は芝育成養分を含ませた水が供給され、芝が維持さ
れ、また、新たに成長もする。いずれの植物育成シート
構造体についても、また天然芝シート構造体について
も、適当寸法のものを複数枚並べ設置するときは、必要
に応じ、隣合うもの同士を、例えばベースウエブ層にお
いて糸等によるくくり合わせ、ミシン縫い、面状ファス
ナ等により相互連結して一体化できる。この一体化は設
置安定性をもたらす。
【0044】前記面状ファスナは多数のループを設けた
面状の雌部材と、該ループに係脱可能の多数の係合突起
を立設した面状の雄部材の組み合わせからなるファスナ
で、例えば一定幅の帯状(テープ状)にした雄部材(又
は雌部材)を芯材層下面の、隣合う芯材層に臨む端縁部
に縫着、接着等により取り付け、互いに隣合う構造体に
おいて、これら芯材層下面端縁部の雄部材(又は雌部
材)を突き合わせるように配置し、該帯状の雄部材(又
は雌部材)の幅の約2倍の幅を有する帯状の雌部材(又
は雄部材)をそれら2本の雄部材(又は雌部材)に当接
して隣合う構造体を相互連結することが考えられる。
【0045】また、構造体の適当寸法のもの複数枚を、
隣合うもの同士、特にベースウエブ層同士を接触させて
並べ設置するときは、それら全体に対し例えば局部的に
水又は育成養分を含ませた水を供給するときでも、ベー
スウエブ層が水流路の役割を果たし、全体的に均一に水
や養分が供給され易い。また、成長植物の根はベースウ
エブ層まで達し、必要な水分、或いはさらに水分と共に
養分を吸収できる。
【0046】後で植物種を蒔いて用いるタイプの植物育
成シート構造体においては、蒔かれた種はカバーウエブ
層表面の植物保護突起の間に入り込み、或いはさらにカ
バーウエブ層まで達し、その位置から移動し難く、その
位置に安定的に保持され、該種からの発芽、延びる根も
略その位置に安定的に保持されるので、風雨、灌水、下
地の変動等によっても、蒔いた種、それからの新芽や根
等が移動、流出し難い。
【0047】予め植物種保持層を設けた植物育成シート
構造体において、植物種は植物種保持層に安定的に保持
され、該種からの発芽、伸び出る根も略その位置に安定
的に保持されるので、風雨、灌水、下地の変動等によっ
ても、種、それからの新芽や根等が移動、流出し難い。
【0048】天然芝シート構造体においても、芝根が通
常芯材層、或いはカバーウエブ層等に入り込み、従って
風雨、灌水、下地の変動等によっても、芝が移動、流出
し難い。 いずれの植物育成シート構造体においても、
また天然芝シート構造体においても、全体が一体化され
ており、従って外力が加わっても分解し難く、また、カ
バーウエブ層表面に植物保護突起を設けてあるから、後
で植物種を蒔いて用いるタイプの植物育成シート構造体
においては、蒔いた植物の種やそれからの新芽、根等が
該保護突起により上からの荷重や横からの引掛け荷重等
に対し保護され、予め植物種保持層を設けた植物育成シ
ート構造体においては、植物種保持層の種やそれからの
新芽、根等が植物保護突起、カバーウエブ層及び芯材層
等のうち1又は2以上により上からの荷重や横からの引
掛け荷重等に対し保護され、天然芝シート構造体におい
ても、芝根、芝の新芽等が芯材層、カバーウエブ層及び
植物保護突起等のうち1又は2以上により上からの荷重
や横からの引掛け荷重等に対し保護される。
【0049】また、カバーウエブ層表面に設けた植物保
護突起、或いはさらにカバーウエブ層の少なくとも表面
部分を色付けすることができ、適当に色付けすること
で、植物育成シート構造体においては、種から植物が成
長する前や、成長した植物が削れ、枯れ等により損傷、
損失等したときでも、その見苦しさを低減することがで
き、天然芝シート構造体においても、芝が削れ、枯れ等
により損傷、損失等したときでも、その見苦しさを従来
の天然芝シート構造体より低減することができる。
【0050】いずれの植物育成シート構造体について
も、また天然芝シート構造体についても、その下に雑草
の種子がある場合でも、それを押さえ込むように敷設で
き、そのように敷設することで雑草の成長を抑制でき
る。植物育成シート構造体及び天然芝シート構造体のい
ずれについても、ベースウエブ層に供給する水量を調整
する等して、その保水量を調整することで構造体全体の
重量調整が可能であり、この重量調整によって移設を容
易化したり、構造体設置場所への設置安定性を増大させ
ることができ、スポーツ施設等においても使用に耐え得
る設置安定性を得ることができる。
【0051】また、植物育成シート構造体、天然芝シー
ト構造体のいずれについても、長尺物に生産可能であ
る。
【0052】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明に係る、後で種を蒔いて用いる植物
育成シート構造体の1例の概略断面図であり、芝種を蒔
いた状態で示してある。図2は本発明に係る、植物種保
持層を有する植物育成シート構造体の1例の概略断面図
であり、芝種を保持させた状態で示してある。図3は本
発明に係る天然芝シート構造体の1例の概略断面図であ
る。図3に示す天然芝シート構造体は図1又は図2に示
す植物育成シート構造体において芝種が発芽し、成長し
た状態のものである。
【0053】図1に示す植物育成シート構造体Aは、ベ
ースウエブ層1と、芯材層2と、カバーウエブ層3とが
この順序で下から上へ重ねられて一体的に連結され、カ
バーウエブ層3の表面に柔軟性のある植物保護突起4が
多数本設けられているものである。図2に示す植物育成
シート構造体Bは、図1に示す構造体において、芯材層
2とカバーウエブ層3との間に植物種保持層5が挟まれ
ているものである。
【0054】図1、図2に示すいずれの植物育成シート
構造体においても、芯材層2は、合成樹脂繊維を絡み合
わせてなる3次元網目構造体であり、ここではゼオン
(株)製のゼオマット7020で、直径0.5mmのポ
リアミドフィラメントを絡み合わせてなり、目付重量4
20g/m2 、全厚20mmのものである。上下両面に
凹凸があり、内部に多くの連続性空隙部分を有してお
り、これにより充分な通気性、通水性がある。また、全
体的に可撓性、弾力性があり、保形性及び適当な強度も
ある。さらに、構造体運搬時の構造体の一体化の確保に
も寄与する。
【0055】また、図1、図2に示すいずれの植物育成
シート構造体においても、ベースウエブ層1は6デニー
ルのポリエステル繊維からなる合成繊維綿50%と5デ
ニールの吸水性アクリル繊維(東洋紡績(株)製 ラン
シールF)からなる吸水綿50%とを混ぜ、目付量30
0g/m2 とした綿ウエブ層であり、カバーウエブ層3
もウエブ層1と同じ合成繊維綿50%と吸水綿50%を
混ぜ、目付量100g/m2 とした綿ウエブ層である。
【0056】これら綿ウエブ層1及び3は、それらの間
に、芯材層2(図1)、或いは芯材層2と植物種保持層
5(図2)を挟んだ状態で、ニードルパンチ法にてニー
ドリングを約50回/cm2 で行うことで互いに連結さ
れ、これらウエブ層1、3を構成する綿繊維の一部が芯
材層2(図1)、或いは芯材層2及び植物種保持層5
(図2)を通って互いに絡み合い、連結し合っている。
なお、この絡み合いの状態は図示を省略している。
【0057】植物育成シート構造体Bにおいて、植物種
保持層5は、柔軟な薄い通気性のある不織布シート51
の上に芝種Sを均一に分散配置し、その上から蛋白質系
の柔軟な水溶性の芝種押さえフィルム52をラミネート
したものであり、芝種の発芽、その後の育成に支障のな
いものである。なお、芝種Sはここでは芝の種子である
が、切り芝等から得たランナー等でもよい。
【0058】図1、図2に示すいずれの植物育成シート
構造体においても、カバーウエブ層3からベースウエブ
層1にわたってパイル糸6が織り込まれており、これに
より構成部材がさらに一体的に分解し難い状態で連結さ
れている。また、このパイル糸6によりカバーウエブ層
3の表面に多数のループパイル61が略均一に分散立設
されており、このループパイル61が前記の柔軟性のあ
る植物保護突起4を形成している。
【0059】パイル糸6は、3000d/39f(d:
デニール,f:フィラメント)のポリアミド嵩高加工長
繊維(一般にBCFナイロン糸と称されているもの)
で、グリーン色フィラメントと茶色フィラメントとを混
ぜることで天然芝に似せて色付けされており、毛細管現
象による水分移送性を有するもので、5/16インチゲ
ージ、4ステッチにて織り込まれている。カバーウエブ
層3からのパイル61(保護突起4)の高さは約5〜6
mm程度である。
【0060】なお、本例では、ベースウエブ層1の下部
にバッキング材を設けないが、パイル61をカットパイ
ルに形成するときは、図1及び図2、或いはさらに図3
に二点鎖線で示すようにベースウエブ層1の下面にバッ
キング材7を形成し、これによりパイル糸6を抜け止め
する。バッキング材7を設ける場合、該バッキング材の
材質として不水溶性であるが通水性を有するバッキング
材料、例えば機械発泡させたSBRラテックスを薄めに
塗布して形成することや、水溶性のバッキング材料、例
えば水溶性のポリビニルアルコール、酢酸ビニルエマル
ジョン等を塗布して形成すること等が考えられる。ま
た、水溶性のバッキング材料を用いる場合、その少なく
とも一部に肥料を含有させてもよい。
【0061】以上説明した植物育成シート構造体A、B
は、工場で長尺物に大量生産される。全体的に可撓性を
有し、保管、運搬等にあたりロール状に巻くことができ
る。使用にあたっては、適当寸法に裁断される。適当寸
法に裁断された構造体A(又はB)は、一般家庭の庭、
公園、河川堤防、ゴルフ場、丘陵等の土壌、海岸や砂
丘、各種建築物、道路の植栽ゾーン等に、また、スポー
ツ施設に設置される。この設置は簡単容易に行える。ま
た、設置後の移設もできる。
【0062】所定場所に設置された植物育成シート構造
体Aは、ここでは芝種Sが蒔かれ、適当な温度条件のも
とで、或いはさらに、これに水又は植物育成養分を含ま
せた水が供給されることで、該芝種が発芽し、図3に示
すように天然芝8に成長する。また、所定場所に設置さ
れた植物育成シート構造体Bは、適当な温度条件のもと
で、或いはさらに、これに水又は植物育成養分を含ませ
た水が供給されることで、芝種Sが図3に示すように天
然芝8に成長する。
【0063】いずれの植物育成シート構造体A、Bにつ
いても、芝種Sが天然芝8に成長すると、天然芝シート
構造体Cとなる。天然芝シート構造体Cについても、こ
れに水又は芝育成養分を含ませた水が供給され、芝が維
持され、また、新たに成長もする。成長芝8の根81は
通常ベースウエブ層1まで達し、必要な水分、或いはさ
らに水分と共にこれに溶けた養分を主としてベースウエ
ブ層1から吸収する。
【0064】また、カバーウエブ層3も、水分を保持で
きる。また、カバーウエブ層3からベースウエブ層1に
わたって織り込まれ、保水性、水分移送性を有するパイ
ル糸6がベースウエブ層1から水分、或いは水分ととも
に養分を吸い上げ、或いは上から供給される水分、或い
は水分とともに供給される養分を保持する。
【0065】バッキング材7を設けるときでも、これを
ベースウエブ層1とその下方外部間で通水可能に設けて
おけば、構造体が敷設された土壌等の水分を吸い上げる
ことができるし、逆に余剰の水分を土壌等へ放出するこ
ともできる。また、バッキング材7を水溶性材料で形成
し、少なくともその一部に肥料を含有させておくとき
は、構造体使用とともに該バッキング材が溶解し、ここ
からも養分が補給される。このように肥料を含有させた
部分があるときは、給水に養分を含ませることは必ずし
も要しない。外部からの養分補給をこれによって省略す
ることも可能である。
【0066】植物育成シート構造体A、B及び天然芝シ
ート構造体Cのいずれについても、適当寸法のものを複
数枚並べ設置するときは、必要に応じ、隣合うもの同士
を、例えばベースウエブ層1においてミシン縫い、面状
ファスナ等により相互連結して一体化できる。この一体
化は設置安定性をもたらし、スポーツ施設等では好まし
いものである。
【0067】また、適当寸法のもの複数枚を、隣合うも
の同士、特にベースウエブ層1同士を接触させて並べ設
置するときは、それら全体に対し例えば局部的に水又は
育成養分を含ませた水を供給するときでも、主としてベ
ースウエブ層1が水流路の役割を果たし、全体的に均一
に水や養分が供給され易い。植物育成シート構造体Aに
おいては、蒔かれた種Sはカバーウエブ層3表面の植物
保護突起4の間に入り込み、或いはさらにカバーウエブ
層3まで達し、その位置から移動し難く、その位置に安
定的に保持され、該種からの発芽、延びる根も略その位
置に安定的に保持されるので、風雨、灌水、下地の変動
等によっても、蒔いた種、それからの新芽や根等が移
動、流出し難い。
【0068】また、植物育成シート構造体Bにおいて
は、芝種Sは、カバーウエブ層3と芯材層2との間にあ
り、さらにカバーウエブ層3の表面に植物保護突起4が
形成されているから、その位置から移動し難く、その位
置に安定的に保持されるので、該種からの発芽、伸び出
る根も略その位置に安定的に保持され、風雨、灌水、下
地の変動等によっても、芝種S、それからの新芽や根等
が移動、流出し難い。
【0069】天然芝シート構造体Cにおいても、芝根8
1が通常芯材層1に入り込み、該芯材層2やその上のカ
バーウエブ層3、植物保護突起4で保護されるので、風
雨、灌水、下地の変動等によっても、芝が移動、流出し
難い。従って、植物育成シート構造体A、Bは、雨水や
灌水の流れやすい傾斜面、風の強い、或いはさらに下地
の砂地が変動し易い海岸、砂丘又はその付近での植物の
育成にも適しており、天然芝シート構造体Cも、同様の
場所での天然芝の維持、育成に適している。また、この
点から芝の育成管理、成長後の管理も容易である。
【0070】植物育成シート構造体A、B及び天然芝シ
ート構造体Cのいずれにおいても、全体が一体化されて
おり、従って外力が加わっても分解し難く、また、カバ
ーウエブ層3の表面に植物保護突起4を設けてあるか
ら、植物育成シート構造体Aにおいては、蒔いた芝種S
やそれからの新芽、根等が該保護突起4により上からの
荷重や横からの引掛け荷重等に対し保護され、植物育成
シート構造体Bにおいては、植物種保持層5の芝種Sや
それからの新芽、根等がカバーウエブ層3や植物保護突
起4により上からの荷重や横からの引掛け荷重等に対し
保護され、天然芝シート構造体Cにおいても、芝の新
芽、根等が芯材層2、カバーウエブ層3及び植物保護突
起4等のうち1又は2以上により上からの荷重や横から
の引掛け荷重等に対し保護される。従って構造体A、
B、Cは、人の歩行や運動等により荷重が加わる場所に
敷設しても使用に耐えることができ、また、これらの点
でも芝育成、成長後の維持管理が容易である。
【0071】また、植物育成シート構造体A、B及び天
然芝シート構造体Cのいずれにおいても、ベースウエブ
層1やカバーウエブ層3はこれに水を供給して吸水、保
水させ、或いは圧縮する等して排水させ得るので、その
保水量の調整を容易に行うことができ、その保水量を調
整することで構造体全体の重量調整がそれだけ可能であ
り、この重量調整によって全体を軽量化して移設を容易
にしたり、構造体設置場所への設置安定性を増大させる
ことができ、スポーツ施設のようにプレーヤーにより激
しい力が加わる場所に設置しても使用に耐え得る設置安
定性が得られる。
【0072】また、パイル糸6は芝の色に似せて色付け
されており、従って構造体表面の植物保護突起4も同様
に色付けされているから、植物育成シート構造体A、B
においては、芝種Sから芝8が成長する前や、成長した
芝8が削れ、枯れ等により一部損傷、損失するようなこ
とがあっても、それだけ見苦しさが低減され、天然芝シ
ート構造体Cにおいても、芝8が削れ、枯れ等により一
部損傷、損失するようなことがあっても、周囲の芝8と
同様の保護突起4の色が現れるので、それだけ見苦しさ
が低減される。
【0073】また、植物育成シート構造体A、B及び天
然芝シート構造体Cのいずれにおいても、その設置対象
場所に雑草の種子があるときでも、これを押さえ込むよ
うに設置できるので、雑草が生えることをそれだけ抑制
して雑草の処理に要する手間をそれだけ省くことがで
き、この点でも芝育成管理、成長後の維持管理が容易で
ある。
【0074】
【発明の効果】本発明によると次の利点を有する芝等の
植物を育成するための植物育成シート構造体を提供する
ことができる。 そのままの寸法で、又は必要に応じ適当寸法に裁断
して、一般家庭の庭、公園、河川堤防、ゴルフ場、雨水
の流れやすい丘陵等の土壌や、風が強く、下砂地が安定
しない海岸、砂丘、或いは各種建築物、道路の植栽ゾー
ン等に、また、スポーツ施設にも簡単容易に設置でき、
芝種、草花類等の植物種を蒔いて発芽させ、育成するこ
とができ、移設もできる。 風雨、灌水、下地の変動等によっても、蒔いた植物
の種、それからの新芽等が移動、流出しがたく、それだ
け植物の育成管理が容易である。 全体が一体化されていて分解しにくく、また、蒔い
た植物の種やそれからの新芽、根等が上からの荷重や横
からの引掛け荷重等に対し保護されており、この点から
も植物育成管理、成長後の維持管理が容易である。 植物が成長する前や、成長した植物が削れ、枯れ等
により損傷、損失等したときでも、その見苦しさを低減
することができる。 重量調整でき、それによって軽量化して移設を容易
にしたり、重量化して設置対象場所への設置安定性を増
大させることができ、スポーツ施設等においても使用に
耐えられる設置安定性を得ることができる。 雑草の種子がある場合でも、それを押さえ込むよう
に敷設して雑草が生えることを抑制でき、それだけ、植
物の育成管理、成長後の維持管理が容易である。 長尺物に生産可能である。
【0075】また、本発明によると、予め芝種等の植物
種を保持させた、芝等の植物を育成するための植物育成
シート構造体であって、次の利点を有するものを提供す
ることができる。 そのままの寸法で、又は必要に応じ適当寸法に裁断
して、一般家庭の庭、公園、河川堤防、ゴルフ場、雨水
の流れやすい丘陵等の土壌や、風が強く、下砂地が安定
しない海岸、砂丘、或いは各種建築物、道路の植栽ゾー
ン等に、また、スポーツ施設にも簡単容易に設置でき、
予め保持させた芝種等の植物種から植物を育成すること
ができ、移設もできる。 風雨、灌水、下地の変動等によっても、予め保持さ
せた植物の種、それからの新芽等が移動、流出しがた
く、それだけ植物の育成管理が容易である。 全体が一体化されていて分解しにくく、また、保持
させた植物の種やそれからの新芽、根等が上からの荷重
や横からの引掛け荷重等に対し保護されており、この点
からも植物育成管理、成長後の維持管理が容易である。 植物が成長する前や、成長した植物が削れ、枯れ等
により損傷、損失等したときでも、その見苦しさを低減
することができる。 重量調整でき、それによって軽量化して移設を容易
にしたり、重量化して設置対象場所への設置安定性を増
大させることができ、スポーツ施設等においても使用に
耐えられる設置安定性を得ることができる。 雑草の種子がある場合でも、それを押さえ込むよう
に敷設して雑草が生えることを抑制でき、それだけ、植
物の育成管理、成長後の維持管理が容易である。 長尺物に生産可能である。
【0076】また、本発明は次の利点を有する天然芝シ
ート構造体を提供することができる。 そのままの寸法で、又は必要に応じ適当寸法に裁断
して、一般家庭の庭、公園、河川堤防、ゴルフ場、雨水
の流れやすい丘陵等の土壌や、風が強く、下砂地が安定
しない海岸、砂丘、或いは各種建築物、道路の植栽ゾー
ン等に、また、スポーツ施設にも簡単容易に設置でき、
移設もできる。 風雨、灌水、下地の変動等によっても、芝が移動、
流出しがたく、それだけ芝の管理が容易である。 全体が一体化されていて分解しにくく、また、芝の
新芽、根等が上からの荷重や横からの引掛け荷重等に対
し保護されており、従ってスポーツ施設においても使用
でき、また、この点からも芝管理が容易である。 芝が削れ、枯れ等により損傷、損失等したときで
も、その見苦しさを従来の天然芝シート構造体より低減
することができる。 重量調整でき、それによって軽量化して移設を容易
にしたり、重量化して設置対象場所への設置安定性を増
大させることができ、スポーツ施設等においても使用に
耐えられる設置安定性を得ることができる。 雑草の種子がある場合でも、それを押さえ込むよう
に敷設して雑草が生えることを抑制でき、それだけ、芝
の管理が容易である。 長尺物に生産可能である。
【0077】以上の他、本発明の植物育成シート構造体
及び天然芝シート構造体は、適当な大きさに裁断した
り、当初から適当な大きさに形成して複数枚を組み合わ
せ並べて敷設する場合、隣合うもの同士をミシン縫い,
面状ファスナ等により接合してこの点でも全体の設置安
定性得ることができる。適当寸法のもの複数枚を、例え
ば保水性のあるベースウエブ層同士を接触させて並べ設
置するときは、それら全体に対し局部的に水又は植物育
成養分を含ませた水を供給するときでも、該ベースウエ
ブ層が水流路の役割を果たし、全体的に均一に水や養分
が供給され易い。従ってこの点でも植物育成管理、成長
後の維持管理が容易である。
【0078】ベースウエブ層下部に、バッキング材を設
けるときは、これよりベースウエブ層の保護、、保形、
構造体のクッション性の調整、構造体重量調整等のうち
の1又は2以上を必要に応じ達成することが可能とな
る。また、バッキング材を該ベースウエブ層とその外部
間で通水できるように設けるときは、構造体を設置した
土壌等の水分等を植物が吸収したり、構造体の余剰水分
を土壌等へ放出することが妨げられない。
【0079】かかるバッキング材の一部又は全部が肥料
を含有させた水溶性材料からなっているときは、その肥
料の量、種類等にもよるが、別途外部からの養分の補給
を少なくしたり、省略することができ、それだけ手間が
省ける。植物保護突起形成用の繊維状材がカバーウエブ
層からベースウエブ層にわたって織り込まれ、この繊維
状材により該カバーウエブ層に植物保護突起が形成され
ているときは、該繊維状材に構造体構成部材の一体的な
連結に寄与させることができ、全体の構造をそれだけ簡
素化することが可能となる。また、この場合、該繊維状
材のうち、該ベースウエブ層に織り込まれた部分の少な
くとも一部をベースウエブ層下部に設けたバッキング材
で抜け止めしておくことができ、その場合は構造体全体
が一層分解し難くなる。
【0080】植物保護突起形成用の繊維状材が水分移送
性を有するものであるときは、それだけ植物の育成管
理、成長後の管理が容易になる。植物保護突起形成用の
繊維状材としてパイル糸が採用され、植物保護突起がそ
のパイル糸から形成されるパイル突起又はパイル状突起
の形態であるときは、かかる植物保護突起をカバーウエ
ブ層表面に簡単に設けることができる。
【0081】芯材層として網体芯材層を採用するとき
は、植物根等への通気性、通水性を十分なものにでき
る。また、ベースウエブ層及び(又は)カバウエブ層が
吸水性繊維からなる吸水綿を含む綿からなるウエブ層で
あるときは、それらの保水量調整、従って全体の重量調
整も広い範囲で、容易に行える。
【0082】また、構造体全体がロール状に巻くことが
できる可撓性を有しているときは、ロール状に巻くこと
で運搬等を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、後で植物種を蒔くタイプの植物
育成シート構造体の1例の概略断面図である。
【図2】本発明に係る、予め植物種を保持させたタイプ
の植物育成シート構造体の1例の概略断面図である。
【図3】本発明に係る天然芝シート構造体の1例の概略
断面図である。
【符号の説明】
A 植物育成シート構造体 B 植物育成シート構造体 C 天然芝シート構造体 1 ベースウエブ層 2 芯材層 3 カバーウエブ層 4 カバーウエブ層表面の植物保護突起 5 植物種保持層 51 不織シート 52 種押さえフィルム S 芝種 6 パイル糸 61 ループパイル 7 バッキング材 8 芝 81 芝根

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースウエブ層、芯材層及びカバーウエ
    ブ層がこの順序で下から上へ重ねられて一体的に連結さ
    れ、前記ベースウエブ層は保水性を有し、前記芯材層は
    通水性、通気性を与える空隙を多数有するとともに保形
    性を有し、前記カバーウエブ層はその表面に柔軟性のあ
    る植物保護突起が多数本設けられていることを特徴とす
    る芝等の植物を育成するための植物育成シート構造体。
  2. 【請求項2】 植物種を保持して発芽させるための植物
    種保持層を設けた請求項1記載の植物育成シート構造
    体。
  3. 【請求項3】 前記ベースウエブ層下部に、該ベースウ
    エブ層とその外部間で通水できるようにバッキング材が
    設けられている請求項1又は2記載の植物育成シート構
    造体。
  4. 【請求項4】 前記バッキング材の一部又は全部が肥料
    を含有させた水溶性材料からなっている請求項3記載の
    植物育成シート構造体。
  5. 【請求項5】 前記バッキング材により植物育成シート
    構造体重量を調整してある請求項3又は4記載の植物育
    成シート構造体。
  6. 【請求項6】 前記バッキング材により植物育成シート
    構造体のクッション性を調整してある請求項3、4又は
    5記載の植物育成シート構造体。
  7. 【請求項7】 少なくとも前記カバーウエブ層に前記植
    物保護突起形成用の繊維状材が織り込まれ、この繊維状
    材により該カバーウエブ層表面に前記植物保護突起が形
    成されている請求項1から6のいずれかに記載の植物育
    成シート構造体。
  8. 【請求項8】 前記植物保護突起形成用の前記繊維状材
    が前記カバーウエブ層から前記ベースウエブ層にわたっ
    て織り込まれている請求項7記載の植物育成シート構造
    体。
  9. 【請求項9】 前記植物保護突起形成用の繊維状材が前
    記カバーウエブ層から前記ベースウエブ層にわたって織
    り込まれ、この繊維状材により該カバーウエブ層表面に
    前記植物保護突起が形成されており、該繊維状材のう
    ち、該ベースウエブ層に織り込まれた部分のすくなくと
    も一部が前記バッキング材で抜け止めされている請求項
    3から6のいずれかに記載の植物育成シート構造体。
  10. 【請求項10】 前記繊維状材が水分移送性を有する請求
    項7、8又は9記載の植物育成シート構造体。
  11. 【請求項11】 前記繊維状材がパイル糸であり、前記植
    物保護突起がパイル突起又はパイル状突起である請求項
    7から10のいずれかに記載の植物育成シート構造体。
  12. 【請求項12】 前記芯材層が網体芯材層である請求項1
    から11のいずれかに記載の植物育成シート構造体。
  13. 【請求項13】 前記ベースウエブ層及び前記カバーウエ
    ブ層がそれぞれ綿からなるウエブ層であり、該両ウエブ
    層は、それらを構成する綿繊維の一部が前記芯材層を通
    して互いに絡め連結されている請求項1から12のいず
    れかに記載の植物育成シート構造体。
  14. 【請求項14】 前記ベースウエブ層が吸水性繊維からな
    る吸水綿を含む綿である請求項1から13のいずれかに
    記載の植物育成シート構造体。
  15. 【請求項15】 前記カバーウエブ層が吸水性繊維からな
    る吸水綿を含む綿である請求項1から14のいずれかに
    記載の植物育成シート構造体。
  16. 【請求項16】 全体がロール状に巻くことができる可撓
    性を有している請求項1から15のいずれかに記載の植
    物育成シート構造体。
  17. 【請求項17】 請求項1から16のいずれかに記載の植
    物育成シート構造体にて芝を育成してなる天然芝シート
    構造体。
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