JPH082644B2 - 印刷機のインキ供給装置 - Google Patents

印刷機のインキ供給装置

Info

Publication number
JPH082644B2
JPH082644B2 JP63311064A JP31106488A JPH082644B2 JP H082644 B2 JPH082644 B2 JP H082644B2 JP 63311064 A JP63311064 A JP 63311064A JP 31106488 A JP31106488 A JP 31106488A JP H082644 B2 JPH082644 B2 JP H082644B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
roller
receiving layer
hollow body
source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63311064A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02155740A (ja
Inventor
則之 芝
雄一 岡村
公明 河原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd filed Critical Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
Priority to JP63311064A priority Critical patent/JPH082644B2/ja
Priority to DE68922568T priority patent/DE68922568T2/de
Priority to AT89118512T priority patent/ATE122288T1/de
Priority to EP89118512A priority patent/EP0363825B1/en
Priority to AU42739/89A priority patent/AU627229B2/en
Publication of JPH02155740A publication Critical patent/JPH02155740A/ja
Publication of JPH082644B2 publication Critical patent/JPH082644B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は輪転機のインキ供給装置に係り、詳細に
は、印刷稼動中常時インキを付与されるインキ元ローラ
ーから刷版面に当接し刷版面にインキを供給するインキ
フォームローラーに至るインキ供給経路が、このインキ
供給経路を構成する各ローラーを順次当接しかつインキ
元ローラー表面を粗面にするかまたはインキ元ローラー
と渡りローラーの少なくとも一方の表面を粗面にして設
けられるインキ供給装置に関する。
(従来の技術) 前記構成を備えたインキ供給装置は、例えば、特開昭
63−22648号公報「インキング装置」(以下、「従来技
術1」とする。)および特開昭63−22649号「インキン
グ装置」(以下、「従来技術2」とする。)に示される
いずれもオフセット印刷機に使用するものが公知であ
る。
従来技術1に示されるインキ供給装置は、周速差のあ
るインキ元ローラーと渡りローラー(受渡しローラー)
を圧接して連続してインキ転移を行うとともに、インキ
元ローラーと渡りローラー(受渡しローラー)のうちの
少なくとも一方のローラーの表面を粗にしてなる。そし
て、インキ元ローラーと渡りローラー(受渡しローラ
ー)のいずれか一方の表面を粗にすることにより、この
粗面にインキを保留してインキ元ローラーと渡りローラ
ー(受渡しローラー)との圧接部における摩擦に対する
潤滑作用を均一かつ一定にし、圧接部の潤滑不安定によ
る両ローラーの振動を防止する一方、粗面部においてイ
ンキと水の分離を防止するとともに水とインキと分散を
可能にし、かつ、インキの受理性を向上したものであ
る。
従来技術2に示されるインキ供給装置は、インキ元ロ
ーラーをゴムローラーにするとともに中間ローラー(駆
動ローラー)と直接接触させてインキを転移するように
し、かつ、インキ元ローラーの表面を粗面にしてなるも
のが示されている。このインキ供給装置は、インキ元ロ
ーラーをゴムローラーにしたことによって、インキ元ロ
ーラーと中間ローラー(駆動ローラー)との直接接触が
可能であり、これによって、従来インキ元ローラーと中
間ローラー(駆動ローラー)との間に介在していた渡り
ローラー(受渡しローラー)をなくし、併せて渡りロー
ラー(受渡しローラー)の駆動機構をなくし、全体的な
構造を簡単にしてコストダウンを行うとともに、困難な
作業であった渡りローラー(受渡しローラー)と前記二
つのローラーとのニップ管理をなくして作業者の負担を
軽減し、更に、インキ元ローラーの表面を粗面にするこ
とによって、インキの転移状態を向上させたものであ
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前記従来の技術においては、インキ元
ローラーの、または、インキ元ローラーと渡りローラー
の少なくとも一方のローラーの、粗面表面が、単にロー
ラー表面にある範囲(従来技術1および従来技術2では
15〜20μm)の一様な凹凸を形成しただけの形態である
ため、印刷稼動によるインキ元ローラーと中間ローラー
(駆動ローラー)との摩擦、または、インキ元ローラー
と渡りローラー(受渡しローラー)との摩擦により、粗
面状態が短期間で変化または消滅し、前記各ローラー表
面を粗面にすることによる効果である、ローラー圧接部
の潤滑作用、インキと水の分離防止作用、インキと水の
分散作用、インキ受理性の良化作用、インキ転移性の良
化作用が、短期間で減退または、消滅するので、表面を
粗面にした各ローラーの交換、粗面の再生の頻度が高
く、機械稼動効率が良くない課題を有した。
(課題を解決するための手段) この発明は、 インキ元ローラーと、中間ローラーと、インキフォー
ムローラーとを順次当接して並設するとともに、インキ
元ローラーにインキを付与するインキ付与手段を備え、
インキ元ローラーの回転周速を当接する下流側ローラー
の回転周速より遅くしてこれらの当接部でインキを搾る
ように設け、更に、インキ元ローラーを、インキ受理層
基材中に微小中空体を分散混在させたインキ受理層を表
面に具備しかつローラー外周位置に位置する微小中空体
の中空部を開口した微小中空体分散ローラーとしたこと
を特徴とするインキ供給装置、および、 インキ元ローラーと、渡りローラーと、中間ローラー
と、インキフォームローラーとを順次当接して並設する
とともに、インキ元ローラーにインキを付与するインキ
付与手段を備え、イキ元ローラーの回転周速を当接する
下流側ローラーの回転周速より遅くしてこれらの当接部
でインキを搾るように設け、更に、インキ元ローラーと
渡りローラーの少なくとも一方を、インキ受理層基材中
に微小中空体を分散混在させたインキ受理層を表面に具
備しかつローラー外周位置に位置する微小中空体の中空
部を開口した微小中空体分散ローラーとしたことを特徴
とするインキ供給装置、 および、 インキ元ローラーと、中間ローラーと、インキフォー
ムローラーとを順次当接して並設するとともに、インキ
元ローラーにインキを付与するインキ付与手段を備え、
インキ元ローラーの回転周速を当接する下流側ローラー
の回転周速より遅くしてこれらの当接部でインキを搾る
ように設け、更に、インキ元ローラーを、インキ受理層
基材中に微小中空体、及びインキ受理層基材よりも硬い
硬質材粉末を分散混在させたインキ受理層を表面に具備
しかつローラー外周位置に位置する微小中空体の中空部
を開口した微小中空体分散ローラーとしたことを特徴と
するインキ供給装置、 および、 インキ元ローラーと、渡りローラーと、中間ローラー
と、インキフォームローラーとを順次当接して並設する
とともに、インキ元ローラーにインキを付与するインキ
付与手段を備え、インキ元ローラーの回転周速を当接す
る下流側ローラーの回転周速より遅くしてこれらの当接
部でインキを搾るように設け、更に、インキ元ローラー
と渡りローラーの少なくとも一方を、インキ受理層基材
中に微小中空体及びインキ受理層基材よりも硬い硬質材
粉末を分散混在させたインキ受理層を表面に具備しかつ
ローラー外周位置に位置する微小中空体の中空部を開口
した微小中空体分散ローラーとしたことを特徴とするイ
ンキ供給装置、 を提供することで、前記課題を解決しようとするもの
である。
(作用) 請求項1記載の発明によれば、まず、インキ付与手段
により、外周面にインキがからみつくように、インキ元
ローラーにインキを付与する。このインキ付与によって
インキ元ローラーの外周面にからみついたインキの一部
は、ローラーの外周位置に中空部を開口して分散混在す
る微小中空体の中空部に取り込まれる。
続いて、インキ元ローラーの回転に従ってインキ元ロ
ーラーと中間ローラーとの当接部位に達した付与された
インキは、当接部位の圧搾作用におり、インキ元ローラ
ーの外周面から過剰分が除去され、かつ、適量のインキ
が中間ローラーに転移される。
ローラーの外周位置に中空部を開口して分散混在する
微小中空体は、その中空部にインキを取り込むことによ
って、インキ受理性の良化、インキ転移性の良化、加え
て、オフセット印刷機に実施した際には、インキと水の
分離防止、インキと水の均等な分散の各作用のほか、イ
ンキ元ローラーから中間ローラーへ転移するインキを常
時一定量確保する。また、中空部に取り込まれたインキ
は、インキ元ローラーと中間ローラーとの当接部で潤滑
作用を行う。
更にまた、印刷稼動中、インキ元ローラーと中間ロー
ラーとが相互に摩擦し合い、前記中空部に取り込まれた
インキによる潤滑作用があるといえども、摩耗は免れ得
ないが、インキ元ローラーのインキ受理層には微小中空
体が分散混在しており、インキ受理層の摩耗に従ってイ
ンキ受理層内に分散混在する微小中空体が順次外周面に
露出し続いて中空部を開口するので、インキ受理層が摩
耗しきる直前まで、インキ元ローラー外周面の状態に有
意な変化が生じない。
インキ元ローラーは当接する下流側のローラーより回
転周速が遅く設定されており、インキ元ローラーの下流
側のローラーに転移するインキの量をコントロールする
ことができる。また、インキ元ローラーとインキ元ロー
ラーの下流側のローラーとの当接部に到ったインキのう
ちの過剰分は、当接部により搾らえて、インキ元ローラ
ーの回転方向の当接部より上流側に残される。
請求項2記載の発明によれば、まず、インキ付与手段
により、外周面にインキがからみつくように、インキ元
ローラーにインキを付与する。このインキ付与によって
インキ元ローラーの外周面にからみついたインキの一部
は、インキ元ローラーがその表面に微小中空体を分散混
在させたインキ受理層を具備しかつローラーの外周位置
に位置する微小中空体の中空部を開口した形態であると
きは、この開口した中空部に取り込まれる。
続いて、インキ元ローラーの回転に従ってインキ元ロ
ーラーと渡りローラーとの当接部位に達した前記付与さ
れたインキは、当接部位の圧搾作用により、インキ元ロ
ーラーの外周面から過剰分が除去され、かつ、適量のイ
ンキが中間ローラーに転移される。この時、転移される
インキの一部は、渡りローラーがその表面に微小中空体
を分散混在させたインキ受理層を具備しかつローラーの
外周位置に位置する微小中空体の中空部を開口した形態
であるときは、この開口した中空部に取り込まれる。
インキ元ローラーまたは/および渡りローラーのロー
ラーの外周位置に中空部を開口して分散混在する微小中
空体は、その中空部にインキを取り込むことによって、
インキ受理性の良化、インキ転移性の良化、加えて、オ
フセット印刷機に実施した際には、インキと水の分離防
止、インキと水の均等な分散の各作用のほか、インキ元
ローラーから渡りローラーを介して中間ローラーへ転移
するインキを常時一定量確保する。また、中空部に取り
込まれたインキは、少なくともインキ元ローラーと渡り
ローラーとの当接部で、潤滑作用を行う。
更にまた、印刷稼動中、インキ元ローラーと渡りロー
ラーとが相互に摩擦し合い、中空部に取り込まれたイン
キによる潤滑作用があるといえども、摩耗は免れ得ない
が、インキ元ローラーまたは/および渡りローラーのイ
ンキ受理層には微小中空体が分散混在しており、インキ
受理層の摩耗に従ってインキ受理層内に分散混在する微
小中空体が順次外周面に露出し続いて中空部を開口する
ので、インキ受理層が摩耗しきる直前まで、インキ元ロ
ーラーまたは/および渡りローラーの外周面の状態に有
意な変化が生じない。
インキ元ローラーは当接する下流側のローラーより回
転周速が遅く設定されており、インキ元ローラーの下流
側のローラーに転移するインキの量をコントロールする
ことができる。また、インキ元ローラーとインキ元ロー
ラーの下流側のローラーとの当接部に至ったインキのう
ちの過剰分は、当接部により搾られて、インキ元ローラ
ーの回転方向の当接部より上流側に残される。
請求項3記載及び請求項4記載の発明では、インキ受
理層に硬質材粉末を分散混在させることにより、前記印
刷稼動中の摩擦を、専ら、インキ受理層に混在する硬質
材粉末が負担するので、インキ受理層の摩耗を抑制す
る。従って、請求項3記載の発明ではインキ元ローラー
としての寿命を、延長する。請求項4記載の発明ではイ
ンキ元ローラーまたは/および渡りローラーとしての寿
命をそれぞれ延長する。
(実 施 例) この発明について、オフセット輪転印刷機に係る実施
例を示す図面に従い説明する。
第1図は(a)乃至(h)は、この発明の代表的実施
例を示すものである。そして、第1図(a)(c)
(e)(g)は、インキ元ローラー(2)にインキを付
与するインキ付与手段(6)が、インキ元ローラー
(2)の一部を浸漬可能にインキを貯留するインキ貯留
体(61)である例を示す。第1図(b)(d)(f)
(h)は、インキ元ローラー(2)にインキを付与する
インキ付与手段(6)が、インキ元ローラー(2)の周
面に設けてインキを放出するインキ放出体(62)である
例を示している。他の構成については、第1図(a)と
(b)、第1図(c)と(d)、第1図(e)と
(f)、第1図(g)と(h)がそれぞれ同一である。
即ち、第1図(a)(b)は、回転するインキ元ローラ
ー(2)と、インキ元ローラー(2)の上流側にあって
インキ元ローラー(2)の外周面にインキを付与するイ
ンキ付与手段(6)と、版胴P上の刷版に当接して回転
し刷版にインキを供給するインキフォームローラー
(5)と、インキ元ローラー(2)とインキフォームロ
ーラー(5)との間に介在し、インキ元ローラー(2)
とインキフォームローラー(5)とのいずれの外周面と
も当接して回転するように並設した中間ローラー(4)
とから構成され、インキ元ローラー(2)が、後に説明
する微小中空体分散ローラー(1)である。
第1図(c)乃至(h)は、回転するインキ元ローラ
ー(2)と、イッキ元ローラー(2)の上流側にあって
インキ元ローラー(2)の外周面にインキを付与するイ
ンキ付与手段(6)と、版胴P上の刷版に当接して回転
し前記刷版にインキを供給するインキフォームローラー
(5)と、インキ元ローラー(2)とインキフォームロ
ーラー(5)との間に介在し、インキ元ローラー(2)
乃至インキフォームローラー(5)に、順次外周面を当
接して回転するよう並設した渡りローラー(3)と中間
ローラー(4)とから構成され、第1図(c)(d)は
前記インキ元ローラー(2)が、後に説明する微小中空
体分散ローラー(1)であり、第1図(e)(f)は、
渡りローラー(3)が、後に説明する微小中空体分散ロ
ーラー(1)であり、第1図(g)(h)は、インキ元
ローラー(2)と渡りローラー(3)の双方が、後に説
明する微小中空体分散ローラー(1)である。
微小中空体分散ローラー(1)は、第2図(a)に示
すように、例えば鋼材からなる母部材(16)の表面に複
数素材が混在してなるインキ受理層(11)を具備する。
このインキ受理層(11)には、少なくとも微小中空体
(12)を略均等に分散した状態で混在させかつローラー
外周位置に分散混在する微小中空体(12)の中空部を開
口させる。また微小中空体(12)に加えて、耐摩耗性を
高めるために、硬質材粉末(13)例えば硬質無機粉末
を、やはり略均等に分散した状態で混在される(第2図
(b)、(c)参照)。
即ち、このインキ受理層(11)、第2図(b)に図示
されるようにインキ受理層基材(14)と微小中空体(1
2)とが混在する略均一な層からなる。あるいは、第2
図(c)に図示されるように硬質材粉末(13)とインキ
受理層基材(14)と微小中空体(12)とが混在する略均
一な層からなる。
インキ受理層基材(14)としては、この実施例では可
撓性を有する物質を使用し、可撓性合成樹脂であるウレ
タン樹脂を使用したが、可撓性を有するそれ以外の合成
樹脂、それ以外の樹脂、ゴムでもよい。
インキ受理層基材(14)に均質に分散される微小中空体
(12)は、その殻層の一部が除去されることによって中
空部の開口部を形成しうるものであればよい。微小中空
体(12)は、一般にマイクロバルーン、マイクロスフエ
アー、ホローバブル、シンタクティックフォーム材と称
されるもので、例えばカーボンバルーン、ガラスバルー
ン、シリカバルーン、シラスバルーン、フェノールバル
ーン、塩化ビニリデンバルーン、アルミナバルーン、ジ
リコニアバルーンと呼ばれる、種々の素材の中空粉体が
知られている。一、二、例を挙げれば、米国VERSAR Ma
nufacturing Inc.製「Carbo Spheres」(商標)や米国
フィライト社製「Fillite」(商品名)等がある。前者
はカーボンバルーンで、かさ密度は、0.15g/cm3、粒子
肉厚は、1〜2μm、粒径分布は50〜150μm(平均粒
子径50μm)、粒径分布5〜100μm(平均粒子径45μ
m)、粒径分布5〜50μm(平均粒子径30μm)、粒径
分50〜150μm(平均粒子径60μm)からなる4種類で
ある。さらにその表面を、ニッケル、鉄、銅、金等でコ
ーティングされたものも知られており、有効である。後
者はシリカバルーンで、かさ密度は、0.4g/cm3、粒子径
分布は、30〜300μmである。
この発明では、粒径5〜300μmの範囲に包含されて
いる微小中空体(12)が少なくとも使用可能である。微
小中空体分散ローラー(1)のインキ受理層(11)の分
散混合する微小中空体(12)の混合比率を変えることに
よって、または/および、微小中空体(12)のサイズを
変えることによって、下流側へ転移するインキ量の異な
る微小中空体分散ローラー(1)を容易に作成し得る。
外周位置に分散混在して開口する微小中空体(12)によ
るインキ取り込み量を変えた微小中空体分散ローラー
(1)は、物性の異なるインキの供給量のバランスを常
に一定に保つ必要のある多色刷印刷において、個々の色
インキ毎に適正な量のインキを供給する。そのため多色
刷印刷の場合に、個々の色インキ毎に適正なインキ供給
をすることのできるインキ供給装置を容易に得ることが
でき、このインキ供給装置を、サテライト型、B−B積
み重ね型、B−B横並べ型等の多色刷用輪転印刷機に適
用実施して有効である。
硬質材粉末(13)としては、例えばセラミックス粉
末、金属粉末、合金粉末等が使用可能である。硬質材粉
末(13)として使用される硬質無機粉末の大きさは少な
くとも1〜100μm程度のものが使用可能である。
次に、微小中空体分散ローラーの製造方法について説
明する。まず、第2図(b)に図示される微小中空体分
散ローラー(1)においては、インキ受理層基材(14)
中に微小中空体(12)を均等に分散させる。第2図
(c)に図示される微小中空体分散ローラー(1)にお
いては、インキ受理層基材(14)中に微小中空体(12)
および、硬質材粉末(13)を均等に分散させる。この工
程は、混合または混練手段等インキ受理層基材(14)の
性状に整合した適宜の手段による。得られた、微小中空
体(12)、あるいは微小中空体(12)および硬質材粉末
(13)を均等に分散されたインキ受理層基材(14)で、
母部材(16)表面を被覆してインキ受理層(11)とす
る。この工程は、鋳込、巻きつけまたは塗布等、適宜な
手段による。次いで、母部材(16)表面を被覆したイン
キ受理層(11)表面を研削する。研削は、研削用の機械
で行っても他の手段によっても良い。すると、第2図
(b)に図示されるように、微小中空体(12)を分散さ
れたインキ受理層(11)においては、インキ受理層(1
1)の表面近くに存在する微小中空体(12)の殻層の一
部は除去され中空内表面が剥き出しにされ、インキ受理
層(11)表面に中空部を開口することになる。また、第
2図(c)に図示されるように、微小中空体(12)、お
よび硬質材粉末(13)を分散されたインキ受理層(11)
においては、インキ受理層(11)表面近くに存在する微
小中空体(12)の殻層の一部は除去され中空内表面が剥
き出しにされ、インキ受理層(11)表面に中空部を開口
することになるとともに、硬質材粉末(13)はインキ受
理層(11)表面に露出される。
第3図(a)乃至(h)は、前記第1図(a)乃至
(h)に示す構成において、インキ元ローラー(2)の
回転方向におけるインキ付与手段より下流側面に近接ま
たは当接してインキ膜厚調整ブレード(7)を設け、更
に、中間ローラー(4)の回転方向におけるインキフォ
ームローラー当接位置より下流側面に近接または当接し
て履歴消しブレード(8)を設けた構成を示し、第3図
(a)(b)(c)……は、それぞれ第1図(a)
(b)(c)……と対応する。
そして、上記第1図(a)乃至(h)および第3図
(a)乃至(h)は、いずれもインキ元ローラー(2)
の回転周速を、当接する下流側ローラーである中間ロー
ラー(4)、あるいは、渡りローラー(3)の回転周速
よりも遅くなるよう設け、その駆動手段(図示せず)
は、インキ供給装置の駆動ギヤ経路によっても、専用の
単独駆動手段によっても良い。また、第1図(g)
(h)および第3図(g)(h)において、インキ元ロ
ーラー(2)と渡りローラー(3)の双方のインキ受理
層(11)の構成は同一である必要はなく、すなわち、分
散混在する微小中空体(12)の混在比率または/および
微小中空体(12)のサイズが同一である必要はない。
尚、インキ受理層(11)に分散混在する硬質材粉末(1
3)の混在比率、サイズについても同一である必要はな
い。
更に、第1図(a)乃至(h)および第3図(a)乃
至(h)では、インキ付与手段(6)がインキ貯留体
(61)である場合とインキ放出体(62)である場合の例
のみを示したが、他の適宜な手段であっても良い。
尚、各図中Dは湿し水供給手段である。また、各構成
は全てオフセット輪転印刷機での実施例を示したが、同
様の構成を、フレキソ輪転印刷機を含む凸版輪転印刷機
に実施しても差し支えない。以上の実施例の構成によれ
ば、まず、インキ付与手段(6)により、外周面にイン
キがからみつくように、インキ元ローラー(2)にイン
キを付与する。
インキ付与手段(6)がインキ貯留体(61)である場
合には、インキ貯留体(61)に貯留したインキにインキ
元ローラー(2)の一部を浸漬し、インキ元ローラー
(2)の外周面にインキを付与する。インキ付与手段
(6)がインキ放出体(62)である場合には、インキ放
出体(62)からインキ元ローラー(2)の外周面に向け
てインキを放出し、インキ元ローラー(2)の外周面に
インキを付与する。
インキ元ローラー(2)が微小中空体分散ローラー
(1)であるときは、インキ元ローラー(2)に付与さ
れたインキは、その一部が、インキ元ローラー(2)の
外周位置に中空部を開口して分散混在する微小中空体
(12)の中空部に取り込まれる。
続いて、インキ元ローラー(2)の回転に従って、イ
ンキ元ローラー(2)の周面に付与されたインキは、イ
ンキ元ローラー(2)と中間ローラー(4)との当接部
またはインキ元ローラー(2)と渡りローラー(3)と
の当接部に到り、この当接部を通過する際に、中間ロー
ラー(4)または渡りローラー(3)に転移される。
インキ元ローラー(2)は中ローラー(4)または渡
りローラー(3)より回転周速が遅く設定されており、
中間ローラー(4)または渡りローラー(3)に転移す
るインキの量をコントロールすることができる。また、
インキ元ローラー(2)と中間ローラー(4)との当接
部またはインキ元ローラー(2)と渡りローラー(3)
との当接部に到ったインキのうちの過剰分は、当接部に
より搾られて、インキ元ローラー(2)の回転方向の当
接部より上流側に残される。
インキ元ローラー(2)が微小中空体分散ローラー
(1)である時には、インキ受理層(11)の微小中空体
(12)内に取り込まれたインキは、当接部で搾られるこ
となく、当接部を通過可能であり、微小中空体(12)内
に取り込まれるインキ量を増減することによって、すな
わち、微小中空体(12)のサイズを変更するまたは微小
中空体(12)の混在比率を変更して、ローラー外周に開
口する微小中空体(12)に取り込むインキの容量を増減
することによって当接部を通過するインキ量を増減し、
インキ元ローラー(2)から中間ローラー(4)または
渡りローラー(3)に転移するインキの量を増減するこ
とができる。
渡りローラー(3)が微小中空体分散ローラー(1)
である場合には、前記インキ元ローラー(2)から渡り
ローラー(3)へのインキ転移量を増減調整可能であ
る。すなわち、渡りローラー(3)の表面に設けるイン
キ受理層(11)の微小中空体(12)のサイズを変更する
かまたは微小中空体(12)の混在比率を変更して、ロー
ラー外周に開口する微小中空体(12)に取り込むインキ
の容量を増減することによって、インキ元ローラー
(2)から受領するインキ量を増減することができる。
渡りローラー(3)に転移されたインキは、渡りロー
ラー(3)の回転に従って渡りローラー(3)と中間ロ
ーラー(4)との当接部に到り、その当接部を通過する
際に中間ローラー(4)に転移される。
インキ元ローラー(2)からまたは渡りローラー
(3)から中間ローラー(4)に転移されたインキは、
中間ローラー(4)の回転に従って中間ローラー(4)
とインキフォームローラー(5)との当接部に到り、そ
の当接部を通過する際にインキフォームローラー(5)
に転移されて、インキフォームローラー(5)の回転に
より、版胴P上の刷版に供給される。
他方、第3図(a)乃至(h)に示すようなインキ膜
厚調整ブレード(7)および履歴消しブレード(8)を
設けた構成において、前記二つのブレード(7)、
(8)は、それぞれ次のように作用する。
インキ膜厚調整ブレード(7)は、インキ元ローラー
(2)に付与されてインキ元ローラー(2)の回転に従
いインキ元ローラー(2)と中間ローラーの当接部また
はインキ元ローラー(2)と渡りローラー(3)との当
接部に到るインキの量を予め調整するもので、インキ元
ローラー(2)に付与されたインキの全量が、インキ元
ローラー(2)の回転に従って前記当接部に到って搾ら
れ、その当接部の直上流に大量に滞留し、思わぬ不具
合、例えば、中間ローラー(4)または渡りローラー
(3)の回転に連れて、滞留した大量のインキの一部が
前記当接部を押し拡げて当接部を通過してしまうような
不具合を、未然に防止する。履歴消しブレード(8)
は、インキフォームローラー(5)から不均一状態で転
移された中間ローラー(4)の外周面上のインキを、均
一化するかまたは除去するもので、刷版にインキ供給を
行った後のインキフォームローラー(5)に残留する、
画線部と当接して消費された部分と画線部と当接せずに
未消費だった部分とが混在する不均一な状態のインキ
を、このインキが転移される中間ローラー(4)上でそ
の不均一さを消去し、前記不均一な状態が継続すること
によって生じる刷版画線部各部へのインキ供給量の不均
一をなくし、印刷面における濃淡現象、いわゆるゴース
トの発生を防止する。
更に、この発明では、インキ元ローラー(2)と中間
ローラー(4)またはインキ元ローラー(2)と渡りロ
ーラー(3)とは、その回転周速を異にしており、相互
間に摩擦が作用し、ローラーの少なくとも一方が摩耗す
る。しかしながら、インキ元ローラー(2)あるいはイ
ンキ元ローラー(2)または渡りローラー(3)の少な
くとも一方に微小中空体分散ローラー(1)を使用した
場合では、ローラーのインキ受理層(11)に微小中空体
(12)が分散混在しており、インキ受理層(11)の摩耗
に従ってインキ受理層(11)内に分散混在する微小中空
体(12)が順次外周面に露出し続いて中空部を開口する
ので、インキ受理層(11)が摩耗しきる直前まで、この
ローラーの外周面の状態に有意な変化が生じない。
また、インキ受理層(11)に硬質粉末(13)を分散混
在させることにより、前記摩耗を、専ら、この硬質材粉
末(13)が負担するので、インキ受理層(11)の摩耗を
抑制し、このローラーの寿命を延長する。
この発明は、以上記載の実施例に局限されるものでは
なく、特許請求の範囲を逸脱しない設計上の改変を含む
ものである。
(効果) この発明の実施により、印刷稼動によりインキ元ロー
ラーと中間ローラーとの摩擦、または、インキ元ローラ
ーと渡りローラーとの摩擦によって、インキ元ローラー
あるいはインキ元ローラーまたは/および渡りローラー
の外周面が摩耗しても、この外周面の状態に有意な変化
を生ずることなく長期間使用することができるので、こ
れらローラーと交換頻度を著しく低減し、奇怪稼動効率
を大幅に向上し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)乃至(h)は、この発明の代表的な実施例
を示す概略図、第2図(a)乃至(c)は、この発明に
使用する微小中空体分散ローラーの説明図、第3図
(a)乃至(h)は、第1図(a)乃至(h)とは異な
る実施例を示す概略図である。 (1)……微小中空体分散ローラー、(11)……インキ
受理層、(12)……微小中空体、(13)……硬質材粉
末、(14)……インキ受理層基材、(16)……母部材、
(2)……インキ元ローラー、(3)……渡りローラ
ー、(4)……中間ローラー、(5)……インキフォー
ムローラー、(6)……インキ付与手段、(61)……イ
ンキ貯留体、(62)……インキ放出体、(7)……イン
キ膜厚調整ブレード、(8)……履歴消しブレード、P
……版胴。 D……湿し水供給手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インキ元ローラーと、中間ローラーと、イ
    ンキフォームローラーとを順次当接して並設するととも
    に、インキ元ローラーにインキを付与するインキ付与手
    段を備え、インキ元ローラーの回転周速を当接する下流
    側ローラーの回転周速より遅くしてこれらの当接部でイ
    ンキを搾るように設け、更に、インキ元ローラーを、イ
    ンキ受理層基材中に微小中空体を分散混在させたインキ
    受理層を表面に具備しかつローラー外周位置に位置する
    微小中空体の中空部を開口した微小中空体分散ローラー
    としたことを特徴とするインキ供給装置。
  2. 【請求項2】インキ元ローラーと、渡りローラーと、中
    間ローラーと、インキフォームローラーとを順次当接し
    て並設するとともに、インキ元ローラーにインキを付与
    するインキ付与手段を備え、インキ元ローラーの回転周
    速を当接する下流側ローラーの回転周速より遅くしてこ
    れらの当接部でインキを搾るように設け、更に、インキ
    元ローラーと渡りローラーの少なくとも一方を、インキ
    受理層基材中に微小中空体を分散混在させたインキ受理
    層を表面に具備しかつローラー外周位置に位置する微小
    中空体の中空部を開口した微小中空体分散ローラーとし
    たことを特徴とするインキ供給装置。
  3. 【請求項3】インキ元ローラーと、中間ローラーと、イ
    ンキフォームローラーとを順次当接して並設するととも
    に、インキ元ローラーにインキを付与するインキ付与手
    段を備え、インキ元ローラーの回転周速を当接する下流
    側ローラーの回転周速より遅くしてこれらの当接部でイ
    ンキを搾るように設け、更に、インキ元ローラーを、イ
    ンキ受理層基材中に微小中空体、及びインキ受理層基材
    よりも硬い硬質材粉末を分散混在させたインキ受理層を
    表面に具備しかつローラー外周位置に位置する微小中空
    体の中空部を開口した微小中空体分散ローラーとしたこ
    とを特徴とするインキ供給装置。
  4. 【請求項4】インキ元ローラーと、渡りローラーと、中
    間ローラーと、インキフォームローラーとを順次当接し
    て並設するとともに、インキ元ローラーにインキを付与
    するインキ付与手段を備え、インキ元ローラーの回転周
    速を当接する下流側ローラーの回転周速より遅くしてこ
    れらの当接部でインキを搾るように設け、更に、インキ
    元ローラーと渡りローラーの少なくとも一方を、インキ
    受理層基材中に微小中空体及びインキ受理層基材よりも
    硬い硬質材粉末を分散混在させたインキ受理層を表面に
    具備しかつローラー外周位置に位置する微小中空体の中
    空部を開口した微小中空体分散ローラーとしたことを特
    徴とするインキ供給装置。
JP63311064A 1988-10-14 1988-12-09 印刷機のインキ供給装置 Expired - Lifetime JPH082644B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63311064A JPH082644B2 (ja) 1988-12-09 1988-12-09 印刷機のインキ供給装置
DE68922568T DE68922568T2 (de) 1988-10-14 1989-10-05 Farbzuführvorrichtung für eine Druckmaschine.
AT89118512T ATE122288T1 (de) 1988-10-14 1989-10-05 Farbzuführvorrichtung für eine druckmaschine.
EP89118512A EP0363825B1 (en) 1988-10-14 1989-10-05 Ink furnishing device for printing machines
AU42739/89A AU627229B2 (en) 1988-10-14 1989-10-10 Ink furnishing device for printing machines

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63311064A JPH082644B2 (ja) 1988-12-09 1988-12-09 印刷機のインキ供給装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02155740A JPH02155740A (ja) 1990-06-14
JPH082644B2 true JPH082644B2 (ja) 1996-01-17

Family

ID=18012684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63311064A Expired - Lifetime JPH082644B2 (ja) 1988-10-14 1988-12-09 印刷機のインキ供給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH082644B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2643187B2 (ja) * 1987-10-05 1997-08-20 株式会社金陽社 インキ装置のインキ受渡しロール及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02155740A (ja) 1990-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0662394B1 (en) Printing roller and method of manufacturing the same
US5429046A (en) Dampening roller and method for producing the same and dampening systems for a printing apparatus employing the dampening roller
US4366754A (en) Holder for ink separator on a drum of a printing press
JP2616901B2 (ja) 多色刷用輪転印刷機
JPH082644B2 (ja) 印刷機のインキ供給装置
JPH0292640A (ja) 印刷機のインキングローラーおよび印刷機のインキングローラーの製造方法
US5992317A (en) Dampening unit for an offset printing machine
US4882990A (en) Ink roller for rotary press
JPH04234655A (ja) キーなしリトグラフ印刷装置
EP0363825B1 (en) Ink furnishing device for printing machines
US5184552A (en) Ink roller for rotary press
JPH0796298B2 (ja) 印刷機のインキ供給装置
JP2000043237A (ja) スキージとスキージング機構およびそれを用いたスクリーン印刷方法
US4065841A (en) Printing roller
JP2754180B2 (ja) 多色刷用輪転印刷機および多色刷印刷方法
JPH08300797A (ja) 印刷装置
JPH02182458A (ja) 印刷機のインキングローラー及びその製造方法
JPH0957947A (ja) 脱水機能を有するインキ供給装置
JP3055912B2 (ja) 計量ローラーの製造方法
JPH0822591B2 (ja) 印刷機におけるインキ供給装置
JPH0453750A (ja) オフセツト印刷機
JPS5894467A (ja) インキング装置及びインキ着けロ−ル
JPH08244211A (ja) 印刷装置
JPH0658740B2 (ja) 磁気記録液の塗布装置
JPH08187840A (ja) オフセット印刷機のブリッジローラ装置

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term