JP2754180B2 - 多色刷用輪転印刷機および多色刷印刷方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、多色刷用輪転印刷機
および多色刷印刷方法に係り、詳細には、インキングロ
ーラー表面にインキ除去手段を当接して過剰または余剰
インキを除去してキーレスインキ供給をおこなう多色刷
用輪転印刷機および多色刷印刷方法に関する。

【従来の技術】キーレスインキ供給装置は、従来からフ
レキソ印刷の分野で使用されている。すなわちローラー
表面に精緻かつ略定形な微小微深セルを規則正しく配列
して設けたインキ計量ローラー、いわゆるアニロックス
ローラーと、このアニロックスローラーに当接して、セ
ル内に取り込まれたインキ以外の過剰分のインキを除去
する適宜なインキ除去手段（例えば、ブレードまたはロ
ーラー）との共同作用により、印刷稼動中は、セル内に
取り込まれたインキを刷版に供給しようとする装置であ
る。また、近年においてフレキソ印刷以外の凸版印刷、
および、オフセット印刷の分野で、アニロックスローラ
ーを使用したキーレスインキ供給装置が使用されるよう
になった（「最新の新聞製作主要機材1986」、昭和61年
5月17日（社）日本新聞協会発行、第323頁左欄22行乃至
第325頁左欄１２行目参照）。そして、これらのキーレ
スインキ供給装置に使用されるアニロックスローラー
は、微小微深セルを、転造によって、若しくは、レーザ
ー加工によって設けたもの、または、前記セルを設けた
ものの表面を、適宜必要に応じて、適応した素材で被覆
したものが使用されている。

【０００２】更に、最近において、前記キーレスインキ
供給装置を使用して多色刷印刷が行われるようになり、
（例えば、昭和63年3月15日印刷学会出版部発行「印刷
雑誌昭和63年3月号」（Vol．71 No3）67頁3欄または、
昭和63年6月5日尼崎市立花町1ー26ー10、印刷通信社発行
「印刷通信第393号」第3面参照）、の多色刷印刷におい
ては、前記「印刷雑誌昭和63年3月号」および「印刷通
信第393号」に記載されるように、インキ毎にセルの大
きさを変えたアニロックスローラーが使用された。

【発明が解決しようとする課題】このように、従来のキ
ーレスインキ供給装置は表面に前記の微小微深セルを設
けたアニロックスローラーと、このローラーに当接する
適宜なインキ除去手段（例えば、ブレードまたはローラ
ー）との共同作用によって、印刷稼動中、セル内に取り
込まれたインキを版面に供給する装置である。そのた
め、印刷稼動によって、前記アニロックスローラーとイ
ンキ除去手段とが、常時擦れ合って互いに摩耗する。そ
して、このキーレスインキ供給装置は、アニロックスロ
ーラーの摩耗が僅かでも進行することにより、微小微深
セルの容積が減小して、版面に供給できるインキの量が
減少するので、印刷面の品質を一定に維持することがで
きない。また、ある程度（例えば、セルの初期深さ（多
くの場合30μｍ以下）の１割程度）以上摩耗が進行する
と、必要量のインキを版面に供給することができなくな
る。従って、比較的短期間の印刷稼動でアニロックスロ
ーラーの入れ換えが必要となり、印刷作業効率が低かっ
た。また、アニロックスローラーは、セルを設ける工程
が繁雑であるとともに多くの時間を要するために、比較
的高価であり、アニロックスローラーの入れ換え頻度が
高いことと相俟って、ランニングコストがやや高いもの
になっていた課題を有した。

【０００３】更にこのような従来のアニロックスローラ
ーを用いた多色刷印刷方法あるいは多色刷用輪転印刷機
では、インキ毎にその流度が異なる場合には、同一の容
量のセルを備えたアニロックスローラーを使用して全て
のインキを供給したのでは、インキ毎にインキ供給量に
過剰または不足が生じ、印刷面の色彩バランスがとれず
多色刷の刷り上がりが美しくならない場合が多い。その
ため、多色刷用輪転印刷機の前記キーレスインキ供給装
置では、使用するアニロックスローラーのセルの容量を
そのアニロックスローラーで使用されるインキの物性の
うちの流度に関連づけて僅かずつ異ならせており、その
加工および稼動による摩耗の管理に厳格さが求められ、
単色印刷用輪転機に比較して更にランニングコストが高
いものになっていた課題を有した。

【課題を解決するための手段】この発明は、これらの課
題を解決するために、版胴とインキ供給装置を具備した
印刷機構を各色毎に設け、これら印刷機構の各インキ供
給装置は、微小中空体を分散混在させたインキ受理層を
表面に具備しかつローラー外周位置に位置する微小中空
体の中空部を開口したインキングローラーとこのインキ
ングローラーに当接して過剰または余剰のインキを除去
するインキ除去手段とを具備した機構とし、更に、各イ
ンキ供給装置のインキングローラーのインキ受理層は、
このインキ受理層における微小中空体の混合比率を、各
インキ供給装置で使用されるインキの物性のうちの少な
くとも流度に関連づけて決定した混合比率として形成
し、また、前記各色毎の印刷機構を、これら印刷機構に
よって順次連続して印刷し得るよう配して設けたことを
特徴とする多色刷用輪転印刷機、及び、版胴とインキ供
給装置を具備した印刷機構を各色毎に設け、これら印刷
機構の各インキ供給装置は、微小中空体を分散混在させ
たインキ受理層を表面に具備しかつローラー外周位置に
位置する微小中空体の中空部を開口したインキングロー
ラーとこのインキングローラーに当接して過剰または余
剰のインキを除去するインキ除去手段とを具備した機構
とし、更に、各インキ供給装置のインキングローラーの
インキ受理層は、このインキ受理層における微小中空体
のサイズを、各インキ供給装置で使用されるインキの物
性のうちの少なくとも流度に関連づけて決定したサイズ
として形成し、また、前記各色毎の印刷機構を、これら
印刷機構によって順次連続して印刷し得るよう配して設
けたことを特徴とする多色刷用輪転印刷機、及び、版胴
とインキ供給装置を具備した印刷機構を各色毎に設け、
これら印刷機構の各インキ供給装置は、微小中空体を分
散混在させたインキ受理層を表面に具備しかつローラー
外周位置に位置する微小中空体の中空部を開口したイン
キングローラーとこのインキングローラーに当接して過
剰または余剰のインキを除去するインキ除去手段とを具
備した機構とし、更に、各インキ供給装置のインキング
ローラーのインキ受理層は、このインキ受理層における
微小中空体のサイズおよび混合比率を、各インキ供給装
置で使用されるインキの物性のうちの少なくとも流度に
関連づけて決定したサイズおよび混合比率として形成
し、また、前記各色毎の印刷機構を、これら印刷機構に
よって順次連続して印刷し得るよう配して設けたことを
特徴とする多色刷用輪転印刷機、及び、各色毎の版胴の
刷版に、それぞれに供給するインキの物性のうちの少な
くとも流度に関連づけて決定した混合比率で分散混在し
た微小中空体の中空部を外周に開口するインキングロー
ラー表面の過剰または余剰のインキを除去して適量化し
たインキを供給し、インキ供給した前記各色毎の版胴の
刷版によって各色毎の画線を順次連続して印刷すること
を特徴とする多色刷印刷方法、及び、各色毎の版胴の刷
版に、それぞれに供給するインキの物性のうちの少なく
とも流度に関連づけて決定したサイズの分散混在した微
小中空体の中空部を外周に開口するインキングローラー
表面の過剰または余剰のインキを除去して適量化したイ
ンキを供給し、インキ供給した前記各色毎の版胴の刷版
によって各色毎の画線を順次連続して印刷することを特
徴とする多色刷印刷方法、及び、各色毎の版胴の刷版
に、それぞれに供給するインキの物性のうちの少なくと
も流度に関連づけて決定したサイズかつ混合比率で分散
混在した微小中空体の中空部を外周に開口するインキン
グローラー表面の過剰または余剰のインキを除去して適
量化したインキを供給し、インキ供給した前記各色毎の
刷版によって各色毎の画線を順次連続して印刷すること
を特徴とする多色刷印刷方法、を提供する。

【作用】この発明の構成によれば、インキの物性のうち
の少なくとも流度に関連づけた混合比率からなる微小中
空体を分散混在させたインキ受理層あるいは、インキの
物性のうちの少なくとも流度に関連づけたサイズからな
る微小中空体を分散混在させたインキ受理層あるいは、
インキの物性のうちの少なくとも流度に関連づけたサイ
ズおよび混合比率からなる微小中空体を分散混在させた
インキ受理層を表面に具備しかつローラー外周位置に位
置する微小中空体の中空部を開口したインキングローラ
ーを、物性のうちの少なくとも流度の異なる個々のイン
キ毎に適したインキ量を残留させるインキ受理層を有す
るインキングローラーを選択し順次使用することによ
り、多色刷印刷における個々のインキ毎に適正量のイン
キを版面に供給する。すなわち、例えばまず、インキン
グローラーにおいては、インキ補給手段により、外周面
にインキがからみつくように、インキを補給する。この
インキ補給によってインキングローラーの外周面にから
みついたインキの一部は、ローラーの外周位置に中空部
を開口して分散混在する微小中空体の中空部に取り込ま
れる。

【０００４】続いて、インキングローラーに当接した適
宜なインキ除去手段により、インキングローラーの外周
面にからみついたインキの過剰分を外周面から除去す
る。この除去によって、インキングローラー外周面に
は、微小中空体に取り込まれたインキが残留する。イン
キングローラー外周面に残留したインキは、直接または
インキフォームローラーを介して版面に供給される。

【０００５】他方、インキングローラーに補給されるイ
ンキがインキ補給手段において適正量に調整されて補給
される場合には、インキングローラーの外周面に過剰イ
ンキが存在しないので、インキ除去手段は過剰インキの
除去を行わず、そのまま、版面へのインキ供給がおこな
れる。そして、版面へ直接に、またはインキフォームロ
ーラーを介しての、版面へのインキ供給後のインキング
ローラー外周面には、版面画線部と当接せずに未消費だ
ったインキ、すなわち余剰インキが残余または転移され
ている。従って、これをインキ除去手段によって除去し
た後、インキングローラー外周面にインキ補給手段から
インキを補給して、版面へのインキ供給量を略一定量に
保つ。更に、インキ除去手段による過剰インキまたは余
剰インキの除去作用時にインキングローラー外周面が摩
耗するが、インキングローラーのインキ受理層には微小
中空体が分散混在しており、摩耗に従って順次外周面に
露出し続いて中空部を開口するので、ローラー外周面の
状態に有意な変化が生じない。このような作用を、各イ
ンキ供給装置において順次おこない多色刷印刷を行う。

【実施例】この発明にかかる多色刷用輪転印刷機および
多色刷印刷方法に使用するオフセット輪転印刷機に係る
実施例を示す図面に従い、以下説明する。図1は、この
発明に使用するオフセット輪転印刷機のインキ供給装置
（01）の代表的実施例のひとつを示すものである。即
ち、回転するインキングローラー(1)と、インキングロ
ーラー(1)に当接してインキングローラー(1)の外周面上
の過剰インキを除去するインキ除去手段(2)と、インキ
ングローラー(1)の上流側にあってインキングローラー
(1)の外周面にインキを補給するインキ補給手段(3)と、
インキングローラー(1)の下流側にあってインキングロ
ーラー(1)外周面と版胴Ｐ上の刷版面とのいずれにも外
周面を当接して回転するインキフォームローラー(4)と
から構成される。

【０００６】インキングローラー(1)は、図3に示すよう
に、例えば鋼材からなる母部材(16)の表面に複数素材が
混在してなるインキ受理層(11)を具備する。このインキ
受理層(11)には、少なくとも微小中空体(12)を略均等に
分散した状態で混在させかつローラー外周位置に分散混
在する微小中空体(12)の中空部を開口させる。また微小
中空体(12)に加えて、耐摩耗性を高めるために、硬質材
粉末(13)例えば硬質無機粉末を、やはり略均等に分散し
た状態で混在させる（図4、図5参照）。即ち、このイン
キ受理層(11)は、図4に図示されるようにインキ受理層
基材(14)とインキ受理層基材(14)に分散される微小中空
体(12)とが混在する略均一な層からなる。あるいは、図
5に図示されるように硬質材粉末(13)とインキ受理層基
材(14)と微小中空体(12)とが混在する略均一な層からな
る。インキ受理層基材(14)としては、この実施例では可
撓性を有する物質を使用し、可撓性合成樹脂であるウレ
タン樹脂を使用したが、可撓性を有するそれ以外の合成
樹脂、それ以外の樹脂、ゴムでもよい。

【０００７】インキ受理層基材(14)に均質に分散される
微小中空体(12)は、その殻層の一部が除去されることに
よって中空部の開口部を形成しうるものであればよい。
微小中空体(12)は、一般にマイクロバルーン、マイクロ
スフエアー、ホローバブル、シンタクティックフォーム
材と称されるもので、例えばカーボンバルーン、ガラス
バルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、フェノー
ルバルーン、塩化ビニリデンバルーン、アルミナバルー
ン、ジリコニアバルーンと呼ばれる、種々の素材の中空
粉体が知られている。一、二、例をあげれば、米国VERS
AR Manufacturing Inc．製「Carbo Spheres」（商
標）や英国フィライト社製「Fillite」（商品名）等があ
る。前者はカーボンバルーンで、かさ密度は、0.15g／c
m3、粒子肉厚は、1〜2μｍ、粒径分布は50〜150μｍ
（平均粒子径50μｍ）、粒径分布5〜100μｍ（平均粒子
径45μｍ）、粒径分布5〜50μｍ（平均粒子径30μ
ｍ）、粒径分布50〜150μｍ（平均粒子径60μｍ）から
なる４種類である。さらにその表面を、ニッケル、鉄、
銅、金等でコーティングれたものも知られており、有効
である。後者はシリカバルーンで、かさ密度は0.4g/cm
3、粒径分布は、30〜300μｍである。

【０００８】この発明では粒径5〜300μｍの範囲に包含
されている微称中空体(12)が少なくとも使用可能であ
る。インキングローラー(1)のインキ受理層(11)に分散
混合する微小中空体(12)の混合比率を変えることによっ
て、または／および、微小中空体(12)のサイズを変える
ことによって、版面へのインキ供給量の異なるインキン
グローラー(1)を容易に作成し得る。外周位置に分散混
在して開口する微小中空体(12)によるインキ取り込み量
を変えたインキングローラー(1)は、物性のうちの少な
くとも流度の異なるインキの供給量のバランスを常に一
定に保つ必要のある多色刷印刷において、個々のインキ
毎に適正な量のインキを供給する。そのため多色印刷の
場合に、個々のインキ毎に適正なインキ供給をすること
のできるインキ供給装置を容易に得ることができ、この
インキ供給装置を、サテライト型、Ｂ−Ｂ積み重ね型、
Ｂ−Ｂ横並べ型等の多色刷用輪転印刷機に適用実施して
有効である。

【０００９】硬質材粉末(13)としては、例えばセラミッ
クス粉末、金属粉末、合金粉末等が使用可能である。硬
質材(13)として使用される硬質無機粉末の大きさは少な
くとも1〜100μｍ程度のものが使用可能である。

【００１０】次に、インキングローラー(1)の製造方法
について説明する。まず、図4に図示されるインキング
ローラー(1)においては、インキ受理層基材(14)中に微
小中空体(12)を均等に分散させる。図5に図示されるイ
ンキングローラー(1)においては、インキ受理層基材(1
4)中に微小中空体(12)および、硬質材粉末(13)を均等に
分散させる。この工程は、混合または混練手段等インキ
受理層基材(14)の性状に整合した適宜の手段による。得
られた、微小中空体(12)、あるいは微小中空体(12)およ
び硬質材粉末(13)を均等に分散されたインキ受理層基材
(14)で、母部材(16)表面を被覆してインキ受理層(11)と
する。この工程は、鋳込、巻きつけまたは塗布等、適宜
な手段による。次いで、母部材(16)表面を被覆したイン
キ受理層(11)表面を研削する。研削は、研削用の機械で
行ってもインキングローラー(1)を輪転機に設置後のブ
レードあるいは、バーとの摩擦によって行ってもよい。
すると、図4に図示されるように、微小中空体(12)を分
散されたインキ受理層(11)においては、インキ受理層(1
1)の表面近くに存在する微小中空体(12)の殻層の一部は
除去され中空内表面が剥き出しにされ、インキ受理層(1
1)表面に中空部を開口することになるとともに、また、
図5に図示されるように、微小中空体(12)、および硬質
材粉末(13)を分散されたインキ受理層(11)においては、
インキ受理層(11)表面近くに存在する微小中空体(12)の
殻層の一部は除去され中空内表面が剥き出しにされ、イ
ンキ受理層(11)表面に中空部を開口することになるとと
もに、硬質材粉末(13)はインキ受理層(11)表面に露出さ
れる。

【００１１】インキ除去手段(2)は、図1に図示するよう
にインキングローラー(1)の外周面に刃先を当接して設
けたブレード(21)からなる。インキ補給手段(3)は、イ
ンキングローラー(1)の上流側に設けられ、インキング
ローラー(1)の外周面と僅かに外周面を離隔して回転す
るインキ元ローラー(3)と、このインキ元ローラー(3)の
上流側に設けられ、インキ元ローラー(31)の一部を浸漬
する状態にインキを貯留するインキ貯留体(32)とからな
る。そしてインキ貯留体(32)内のインキは、印刷稼動中
は、図中矢印で示すように、追加送給されるとともにオ
ーバーフローして貯留面高さを一定に保つ。

【００１２】図6乃至図8、図12乃至図33は、この発明に
係るオフセット輪転印刷機での種々実施例に使用するイ
ンキ供給装置(01)の構成を示している。尚、図15は図1
に示す実施例と同一である。

【００１３】図6乃至図8は図1に示す実施例とは異なる
インキ除去手段(2)の形態を示すものである。即ち、図6
においてはブレード(21)にかえて、インキングローラー
(1)の外周面に外周面を当接し、インキングローラー(1)
の回転周速よりも遅い回転周速で回転するか、インキン
グローラー(1)との当接圧を強力にするとともにインキ
ングローラー(1)の回転周速と略同等の回転周速で回転
するようにしたローラー(22)を使用した形態からなる。
図7は、インキ元ローラー(31)を図8に示すインキ除去手
段(2)であるローラー(22)兼用として使用する実施例を
あらわす。図8においてはブレード(21)にかえてインキ
ングローラー(1)の外周面に一側を当接した棒状体であ
るバー(23)を使用した形態からなる。尚、以下に説明す
る図12乃至図29は、インキ除去手段(2)としてブレード
(21)を使用した形態で示したが、ローラー(22)またはバ
ー(23)を使用してもインキ元ローラー(31)をインキ除去
手段(2)と兼用として使用しても差し支えない。

【００１４】図12乃至図33は、インキングローラー(1)
へのインキ補給手段(3)とインキングローラー(1)乃至刷
版面へのインキ供給経路との組合せによる各実施例の構
成を示す。図12乃至図17は、インキを常時一定の貯留高
さに保って貯留する、例えばインキパン若しくはインキ
ファウンテン形状のインキ貯留体(32)をインキ補給手段
(3)の必須構成要部とする形態である。図18乃至図23
は、インキを常時所定量放出する、例えばノズル形状の
インキ放出体(33)をインキ補給手段(3)の必須構成要部
とする形態である。図24乃至図33は、開口部の少なくと
も一部をインキングローラー(1)若しくはインキ元ロー
ラー(31)の周面の一部で区切る、例えば、いわゆるイン
キツボ若しくはインキチャンバー形状のインキ保留体(3
4)、(35)をインキ補給手段(3)の必須構成要部とする形
態である。図24乃至図29は、開口部の一部を開放したま
まのインキ保留体(34)を使用し、図18乃至図21は、開口
部を閉塞するとともにインキ除去手段(2)を併設したイ
ンキ保留体(35)を使用した形態を示している。そして、
図30、31は、併設したインキ除去手段(2)がブレード(2
1)からなり、図32、33は、併設したインキ除去手段(2)
がバー(23)からなる。

【００１５】更に、図12乃至図33において、図12、14、
16、18、20、22、24、26、28、30、32は、インキングロ
ーラー(1)が直接刷版面にインキを供給する形態を示
し、図13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33
は、インキングローラー(1)と刷版面との間にインキフ
ォームローラー(4)が介在し、インキフォームローラー
(4)が刷版面にインキ供給する形態である。そして、図1
2、13、18、19、24、25、30、31は、インキ補給手段(3)
のインキ貯留体(32)またはインキ放出体(33)またはイン
キ保留体(34)、(35)からインキングローラー(1)の外周
面に直接インキを補給する形態を示す。図14乃至図17、
図20乃至図23、図26乃至図29、図32乃至図33は、インキ
補給手段(3)がインキ元ローラー(31)を具備し、インキ
貯留体(32)またはインキ放出体(33)またはインキ保留体
(34)、(35)からインキ元ローラー(31)を介してインキン
グローラー(1)の外周面にインキを補給する形態であ
る。図14、15、20、21、26、27、32、33は、インキ元ロ
ーラー(31)で直接インキングローラー(1)の外周面にイ
ンキを補給する形態であり、図16、17、22、23、28、29
は、インキ元ローラー(31)とインキングローラー(1)と
の間に他のローラー(36)が介在し、他のローラー(36)が
インキングローラー(1)の外周面にインキを補給する形
態を示す。上記におけるインキ元ローラー(31)は、図1
4、15、20、21、26、27、32、33に示す形態では、その
外周面がインキングローラー(1)の外周面と離隔してい
ても当接していても良い。また、図16、17、22、23、2
8、29に示す形態は、インキ元ローラー(31)の外周面に
近接してインキ膜厚調整ブレード(37)が具備されてイン
キ元ローラー(31)の外周面上のインキ膜厚を規定して他
のローラー(36)を介してインキングローラー(1)の外周
面にインキを補給する形態である。従って、他のローラ
ー(36)は、その外周面をインキ元ローラー(31)の外周面
とインキングローラー(1)との外周面とのいずれとも当
接して設けられており、また、インキングローラー(1)
の外周面には過剰インキが補給されない。しかしなが
ら、刷版面またはインキフォームローラー(4)の外周面
を履歴後のインキングローラー(1)の外周面には、画線
部と当接せずに未消費だったインキ、即ち余剰インキが
残余または転移しているので、インキ除去手段(2)であ
るブレード(21)は、こうした余剰インキを除去するよう
設けられている。また、各構成は全てオフセット輪転印
刷機での実施例を示したが、同様の構成を、フレキソ輪
転印刷機を含む凸版印刷機にもそのまま実施しても差し
支えない。

【００１６】以上の実施例の構成によれば、まず、イン
キ補給手段(3)によりインキングローラー(1)の外周面に
インキを絡み付けて補給する。インキ補給手段(3)がイ
ンキ貯留体(32)を具備する場合には、インキ貯留体(32)
に貯留したインキにインキングローラー(1)またはイン
キ元ローラー(31)の少なくとも一部を浸漬している。そ
してインキングローラー(1)の外周面に直接に、また
は、インキ元ローラー(31)の外周面によって汲み出した
インキをインキ元ローラー(31)の外周面から若しくは他
のローラー(36)の外周面を介して、インキングローラー
(1)の外周面に補給する。インキ補給手段(3)がインキ放
出体(33)を具備する場合には、インキ放出体(33)からイ
ンキングローラー(1)の外周面に向けてインキを放出す
る。または、インキ元ローラー(31)とインキングローラ
ー(1)との近接部若しくは当接部に向けてインキを放出
する、または、インキ元ローラー(31)の外周部に向けて
インキを放出し、インキングローラー(1)の外周面に直
接に、または、インキ元ローラー(31)の外周面から若し
くは他のローラー(36)を介して、インキングローラー
(1)の外周面に補給する。インキ補給手段(3)が開口部を
有しこの開口部の少なくとも一部をインキングローラー
(1)またはインキ元ローラー(31)の一部で切ったインキ
保留体(34)または(35)を具備する場合には、インキ保留
体(34)または(35)の開口部を区切るインキングローラー
(1)の外周面に直接に、または、インキ保留体(34)の開
口部を区切るインキ元ローラー(31)の外周面から若しく
は他のローラー(36)の外周面を介して、インキングロー
ラー(1)の外周面に補給する。インキングローラー(1)に
補給されたインキは、その一部が、インキングローラー
(1)の外周位置に中空部を開口して分散混在する微小中
空体(12)の中空部に取り込まれる。

【００１７】続いて、インキングローラー(1)の回転に
よって、インキングローラー(1)の外周面に当接したイ
ンキ除去手段(2)が、インキングローラー(1)の外周面に
補給されたインキの過剰分を外周面から除去する。この
過剰インキ除去後のインキングローラー(1)の外周面に
は、あたかもインキ保留セルのような作用をおこなう微
小中空体(12)の中空部に取り込まれた、印刷に適正量の
インキが保留され残留する。

【００１８】他方、図16、17、22、23、28、29に示す構
成では、インキングローラー(1)には、インキ補給手段
(3)において印刷適正量に調整されたインキが微小中空
体(12)の中空部等インキングローラー(1)の外周面に補
給されるので、インキングローラー(1)の外周面には過
剰インキが存在せず、過剰インキの除去は必要ないので
行われない。

【００１９】引き続いて、インキングローラー(1)の更
なる回転によって、微小中空体(12)の中空部等インキン
グローラー(1)の外周面の印刷適正量のインキを、イン
キングローラー(1)から直接に、または、インキフォー
ムローラー(4)の外周面を介して、刷版面に供給する。

【００２０】インキングローラー(1)から直接に、また
は、インキフォームローラー(4)の外周面を介して、刷
版面へのインキ供給を済ませたインキングローラー(1)
の外周面には、刷版面画線部と当接せず未消費で残留し
たインキ、即ち余剰インキが残余または転移されてい
る。図1、図6、7、8、図12乃至図15、図18乃至図21、図
24乃至図27、図30乃至図33に示される構成では、余剰イ
ンキに上被せ状態にインキを補給し、インキ除去手段
(2)によって過剰インキを除去し、インキングローラー
(1)の外周面のインキを印刷適正量とするが、図16、1
7、22、23、28、29に示される構成では、余剰インキに
上被せ状態にインキを補給すると、インキングローラー
(1)の外周面上にインキ過剰部分が発生する。従って、
図16、17、22、23、28、29に示される構成では、インキ
除去手段(2)であるブレードを、刷版面へのインキ供給
を済ませたインキングローラー(1)の外周面に当接し
て、余剰インキをインキングローラー(1)の外周面から
除去する。インキングローラー(1)の回転が連続するこ
とによって、以上記載の作用が連続して行われる。

【００２１】他方、インキ除去手段(2)による過剰イン
キまたは余剰インキの除去作用時にインキングローラー
(1)の外周面が徐々に摩耗するが、インキングローラー
(1)の表面に具備さたインキ受理層(11)には微小中空体
(12)が略均等に分散して混在しており、摩耗に従って順
次外周面に露出し、続いて中空部を開口するので、イン
キングローラー(1)の外周面の状態は、インキ受理層(1
1)が消尽する直前まで有意な変化を生ずることがない。
従って、印刷適正量のインキ供給が極めて長期間継続で
きる。

【００２２】更に、インキ受理層(11)に硬質材粉末(1
3)、例えば硬質無機粉末を略均等に分散して混在させた
インキングローラー(1)を使用した構成では、インキ除
去作用時のインキ除去手段(2)による摩擦を、専ら、硬
質無機粉末が負担するので、インキングローラー(1)の
外周面の摩耗が抑制される。また、この場合も、インキ
ングローラー(1)の外周面の状態は、インキ受理層(11)
が消尽する直前まで有意な変化を生ずることがない。従
って、印刷適正量のインキ供給がより長期間に亘り継続
できる。

【００２３】これら説明したインキ供給装置(01)を多色
刷輪転印刷機および多色刷印刷に使用する。すなわち、
図1に示すインキ供給装置を使用するサテライト型の多
色刷オフセット輪転印刷機の概略を図2に図示する。図1
に示すインキ供給装置を実施したＢ−Ｂ積み重ね型の多
色刷オフセット輪転印刷機の実施例の概略図を、図9、
図10に図示する。更に、図1に示すインキ供給装置を実
施したＢ−Ｂ横ならべ型の多色刷オフセット輪転印刷機
を示す実施例の概略図を図11に図示する。

【００２４】そして、インキの物性のうちの少なくとも
流度に関連づけて夫々に適したサイズまたは／および混
合比率からなる微小中空体(12)を分散混在させたインキ
受理層(11)を表面に具備し、かつインキングローラー
(1)外周位置に位置する微小中空体(12)の中空部を開口
したインキングローラー(1)を具備したインキ供給装置
(01)を、順次使用して多色刷印刷をおこなう。ひとつの
多色刷輪転印刷機における総てのインキ供給装置が必ず
しも同一形態でなくともよい。例えば、色毎に、または
輪転機上の配置位置によってインキ補給手段の構成を変
えてもよい。

【００２５】使用するインキングローラー(1)の微小中
空体(12)の混合比率または／およびサイズは通常インキ
の流度、インキ膜厚と反射濃度の関係（以下「膜厚濃
度」という）の違いなどを勘案して変える。変化は、微
小中空体(12)のサイズのみによって行っても、微小中空
体(12)の混合比率のみによって行っても、微小中空体(1
2)のサイズおよび混合比率をあわせて行っても良い。イ
ンキの流度、膜厚濃度は各インキ毎に異なる場合が多
い。従って、インキの流度に関係しては、流度が小さく
流れにくいインキでは、微小中空体(12)の混合比率を上
げまたは／および微小中空体(12)のサイズを大きくする
必要がある。膜厚濃度に関係しては、幾つかのインキを
併用するときは印刷面としてバランスのとれた膜厚濃度
が必要とされ、そのためには各インキ毎に膜厚を変える
必要、即ち供給するインキ量を変える必要があり、各イ
ンキ毎に微小中空体(12)の混合比率または／およびサイ
ズに変える必要がある。

【００２６】すなわち、微小中空体を使ったキーレスイ
ンキ供給によっておこなう印刷は、多数の開口した微小
中空体の容積に整合する一定量のインキを常時版面に供
給することによって行う印刷であり、インキが開口した
微小中空体内に常時所定量だけきちんと入り込む必要が
ある。微小中空体の表面のインキに対する濡れ性が略一
定であれば（微小中空体を構成する素材が略一定であ
り、微小中空体の表面の状態が略一定であれば濡れ性は
略一定と考えられる。）、インキが開口した微小中空体
内に入り込むときの入り込みやすさは、インキの流れ易
さつまりインキの流度と関係してくる。ところが、イン
キの流度は、例えば、出願人の使用に係るインキの測定
値では、流度（ガラス板、10分、25度、ｍｍ）は、イエ
ローでは194、マゼンダでは256、シアンでは246、ブラ
ックでは293と、各インキごとに異なる。

【００２７】したがって、各インキ毎に常時一定量のイ
ンキを得るには、インキの流度に関係付けた容積の微小
中空体とする、すなわち流度が小さく流れにくいインキ
では、開口した微小中空体の容積をあらかじめ大きくし
ておく必要がある。他方、微小中空体を使ったキーレス
インキ供給によって行う印刷は、一定量のインキを版面
に供給して印刷するのであり、印刷面の各インキ毎の膜
厚濃度は、例えば出願人の使用に係るインキの測定値で
は、図34に示すように各インキ毎に異なる。従って、幾
つかのインキを使用して印刷する場合には、印刷面とし
てバランスのとれた膜厚濃度が必用であり、バランスの
とれた膜厚濃度を得るためには、各インキ毎に膜厚を変
える必要、すなわち、供給するインキ量を変える必要が
あり、各インキ毎に開口した微小中空体の容積を変える
必要がある。印刷用インキは顔料と液体との混合体であ
り、略同色のインキでも、使用する顔料もしくは液体の
相違によって、または／および、両者の混合比率の相違
によって、流度および膜厚濃度が夫々無関係に変化する
と考えられる。そのため、各インキ毎に使用するインキ
ングローラーをそのインキの適正な供給量に合わせて選
択する必要がある。また、各インキ毎の流度と膜厚濃度
とは、微小中空体のサイズまたは／および混合比率を決
定する因子としては、それぞれ無関係に独立した因子で
あることは無論であり、最終的な微小中空体のサイズま
たは／および混合比率は、両者を勘案して適宜に決定す
る必要がある。

【発明の効果】以上記載の通り、この発明により、多色
印刷の場合には、個々のインキ毎に適正なインキ供給を
することのできる多色刷用輪転印刷機および多色印刷方
法を得ることができる。そして、このインキ供給装置
を、サテライト型、Ｂ−Ｂ積み重ね型、Ｂ−Ｂ横並べ型
等の多色刷用輪転印刷機に適用実施して有効である。更
にこの発明に使用するキーレスインキ供給装置におい
て、インキ除去手段が当接して作用するインキングロー
ラーが摩耗してもその外周面の状態に有意な変化を生じ
ないので、このインキングローラーを長期間使用するこ
とが可能であり、従ってインキングローラーの入れ換え
頻度が低くなり、印刷作業効率を高くすることができ
る。

【００２８】また、インキングローラーは、従来のアニ
ロックスローラーに比較すると安価であり、インキング
ローラーの入れ換え頻度の低減と相俟って、ランニング
コストを大きく低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実施
し得るインキ供給装置の一例をしめす概略図

【図２】 図１に示すインキ供給装置を使用するサテラ
イト型の多色刷オフセット輪転印刷機を示す概略図

【図３】 この発明に使用するインキングローラーの説
明図

【図４】 この発明に使用するインキングローラーの説
明図

【図５】 この発明に使用するインキングローラーの説
明図

【図６】 図１に示すインキ供給装置においてインキ除
去手段を他の手段におきかえた実施例を示す概略図

【図７】 インキ元ローラーを図８に示すインキ除去手
段であるローラー兼用として使用する実施例の概略図

【図８】 図１に示すインキ供給装置においてインキ除
去手段を他の手段におきかえた実施例を示す概略図、

【図９】 図１に示すインキ供給装置を実施したＢ−Ｂ
積み重ね型の多色刷オフセット輪転印刷機を示す概略図

【図１０】 図１に示すインキ供給装置を実施したＢ−
Ｂ積み重ね型の多色刷オフセット輪転印刷機を示す概略
図、

【図１１】 図１に示すインキ供給装置を実施したＢ−
Ｂ横並べ型の多色刷オフセット輪転印刷機を示す概略
図、

【図１２】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図１３】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図１４】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図１５】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図、
尚図１に図示される実施例と同一である

【図１６】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図１７】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図１８】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図１９】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図２０】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図２１】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図２２】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図２３】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図２４】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図２５】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図２６】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図２７】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図２８】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図２９】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図３０】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図３１】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図３２】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図３３】 この発明にかかる多色刷用輪転印刷機に実
施しうる種々のインキ供給装置の実施例を示す概略図

【図３４】 印刷面の各インキ毎の膜厚濃度の測定値図

【符号の説明】

（０１） インキ供給装置 （１） インキングローラー （１１） インキ受理層 （１２） 微小中空体 （１３） 硬質材粉末 （１４） インキ受理層基材 （１６） 母部材 （２） インキ除去手段 （２１） ブレード （２２） ローラー （２３） バー （３） インキ補給手段 （３１） インキ元ローラー （３２） インキ貯留体 （３３） インキ放出体 （３４） インキ保留体 （３５） インキ保留体 （３６） 他のローラー （３７） インキ膜厚調整ブレード （４） インキフォームローラー Ｄ 湿し水供給手段 Ｐ 版胴

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】版胴とインキ供給装置を具備した印刷機構
   を各色毎に設け、これら印刷機構の各インキ供給装置
   は、微小中空体を分散混在させたインキ受理層を表面に
   具備しかつローラー外周位置に位置する微小中空体の中
   空部を開口したインキングローラーとこのインキングロ
   ーラーに当接して過剰または余剰のインキを除去するイ
   ンキ除去手段とを具備した機構とし、更に、各インキ供
   給装置のインキングローラーのインキ受理層は、このイ
   ンキ受理層における微小中空体の混合比率を、各インキ
   供給装置で使用されるインキの物性のうちの少なくとも
   流度に関連づけて決定した混合比率として形成し、ま
   た、前記各色毎の印刷機構を、これら印刷機構によって
   順次連続して印刷し得るよう配して設けたことを特徴と
   する多色刷用輪転印刷機。
2. 【請求項２】版胴とインキ供給装置を具備した印刷機構
   を各色毎に設け、これら印刷機構の各インキ供給装置
   は、微小中空体を分散混在させたインキ受理層を表面に
   具備しかつローラー外周位置に位置する微小中空体の中
   空部を開口したインキングローラーとこのインキングロ
   ーラーに当接して過剰または余剰のインキを除去するイ
   ンキ除去手段とを具備した機構とし、更に、各インキ供
   給装置のインキングローラーのインキ受理層は、このイ
   ンキ受理層における微小中空体のサイズを、各インキ供
   給装置で使用されるインキの物性のうちの少なくとも流
   度に関連づけて決定したサイズとして形成し、また、前
   記各色毎の印刷機構を、これら印刷機構によって順次連
   続して印刷し得るよう配して設けたことを特徴とする多
   色刷用輪転印刷機。
3. 【請求項３】版胴とインキ供給装置を具備した印刷機構
   を各色毎に設け、これら印刷機構の各インキ供給装置
   は、微小中空体を分散混在させたインキ受理層を表面に
   具備しかつローラー外周位置に位置する微小中空体の中
   空部を開口したインキングローラーとこのインキングロ
   ーラーに当接して過剰または余剰のインキを除去するイ
   ンキ除去手段とを具備した機構とし、更に、各インキ供
   給装置のインキングローラーのインキ受理層は、このイ
   ンキ受理層における微小中空体のサイズおよび混合比率
   を、各インキ供給装置で使用されるインキの物性のうち
   の少なくとも流度に関連づけて決定したサイズおよび混
   合比率として形成し、また、前記各色毎の印刷機構を、
   これら印刷機構によって順次連続して印刷し得るよう配
   して設けたことを特徴とする多色刷用輪転印刷機。
4. 【請求項４】各色毎の版胴の刷版に、それぞれに供給す
   るインキの物性のうちの少なくとも流度に関連づけて決
   定した混合比率で分散混在した微小中空体の中空部を外
   周に開口するインキングローラー表面の過剰または余剰
   のインキを除去して適量化したインキを供給し、インキ
   供給した前記各色毎の版胴の刷版によって各色毎の画線
   を順次連続して印刷することを特徴とする多色刷印刷方
   法。
5. 【請求項５】各色毎の版胴の刷版に、それぞれに供給す
   るインキの物性のうちの少なくとも流度に関連づけて決
   定したサイズの分散混在した微小中空体の中空部を外周
   に開口するインキングローラー表面の過剰または余剰の
   インキを除去して適量化したインキを供給し、インキ供
   給した前記各色毎の版胴の刷版によって各色毎の画線を
   順次連続して印刷することを特徴とする多色刷印刷方
   法。
6. 【請求項６】各色毎の版胴の刷版に、それぞれに供給す
   るインキの物性のうちの少なくとも流度に関連づけて決
   定したサイズかつ混合比率で分散混在した微小中空体の
   中空部を外周に開口するインキングローラー表面の過剰
   または余剰のインキを除去して適量化したインキを供給
   し、インキ供給した前記各色毎の刷版によって各色毎の
   画線を順次連続して印刷することを特徴とする多色刷印
   刷方法。