JPH0826264A - 切断具とこの切断具を備えたラップフィルム用収納体および切断具の製造方法 - Google Patents

切断具とこの切断具を備えたラップフィルム用収納体および切断具の製造方法

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JPH0826264A
JPH0826264A JP18281094A JP18281094A JPH0826264A JP H0826264 A JPH0826264 A JP H0826264A JP 18281094 A JP18281094 A JP 18281094A JP 18281094 A JP18281094 A JP 18281094A JP H0826264 A JPH0826264 A JP H0826264A
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JP18281094A
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Rikiya Yamashita
力也 山下
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属製の切断具と同等のラップフィルム切断
性、耐久・耐水性を有し、廃棄性、生産性に優れた切断
具と、このような切断具を備えたラップフィルム用収納
体および切断具の製造方法を提供する。 【構成】 紙基材に鋸歯形状部を形成し、この鋸歯形状
部の少なくとも上端面に金属およびセラミックスの少な
くもとも1つからなる溶射形成被膜を設けて切断具と
し、このような切断具を別体として装着することによ
り、あるいは一体的に設けることによりラップフィルム
収納体とし、上記の切断具は、紙基材に鋸歯形状部を形
成し、金属およびセラミックスの少なくとも1つからな
る材料物質を熱源により瞬間的に溶融状態まで加熱し、
この溶融物質を高速で鋸歯形状部の少なくとも上端面に
衝突させて溶射形成被膜を形成することにより製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は切断具とこの切断具を備
えたラップフィルム用収納体および切断具の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ラップフィルム切断具として、従来より
鋸歯を有する金属製の切断具が使用されているが、この
ような金属製の切断具を備えたラップフィルム用収納体
は箱体が紙でできているため、収納体の廃棄時に金属製
の切断具を箱体と分別する必要性があり、廃棄性が問題
となっている。また、金属製の切断具は切断性、耐久性
に優れるが、金属製の切断具に手を触れた時に傷を受け
易いという問題もある。
【0003】ここで、ラップフィルム切断は以下の手順
で行われる。 1)ラップフィルムを収納体から引き出す。 2)収納体にあるフィルム押え部でラップフィルムを固
定する。 3)ラップフィルムを切断具に接触させる(一般に切断
具の鋸歯がラップフィルムに突き刺さる状態となる)。 4)ラップフィルムを切断具に対して所定の角度に保ち
ながら引っ張ることで、切断具の鋸歯が更にラップフィ
ルムに深く突き刺さる。 5)切断具の鋸歯に沿ってラップフィルムが切断され
る。
【0004】そして、上記の4)、5)のラップフィル
ムの挙動から、切断具の切断性としては、突き刺し性と
切断方向性、すなわち、フィルム引き裂き性が重要とな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、上述のような金
属製の切断具の問題点を解消するために、いわゆる、バ
ルガナイズド紙というものがラップフィルム切断具に使
用されている。
【0006】しかしながら、バルガナイズド紙を用いた
切断具は、上記の切断性が金属製の切断具に比べて劣
り、またバルガナイズド紙自体が耐水性を有していない
ため、切断具が水に触れた場合、膨潤等を生じて切断不
能となるという問題があった。また、バルガナイズド紙
の生産性が低いため高価であり、切断具の製造コストの
増大を来すという問題もあった。さらに、バルガナイズ
ド紙に熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を塗布したり、薄い
高分子フィルムをラミネートすることにより、上記の耐
水性の欠点を補うことがなされているが、切断性と製造
コストの面で未だ実用に供し得るものではない。
【0007】さらに、収納体に直接鋸歯を形成し、この
鋸歯状部位に金属粉、砥石粉等を接着剤により固定して
切断具を一体的に設けた収納体が開発されている(特開
昭57−183946号)が、未だ十分な切断性を具備
するには至っていない。
【0008】本発明は上述のような実情に鑑みてなされ
たものであり、金属製の切断具と同等のラップフィルム
切断性、耐久・耐水性を有し、廃棄性、生産性に優れた
切断具と、このような切断具を備えたラップフィルム用
収納体および切断具の製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の切断具は紙基材と、該紙基材に形成
された鋸歯形状部と、該鋸歯形状部の少なくとも上端面
に金属およびセラミックスの少なくとも1つからなる溶
射形成被膜を有するような構成とし、また、前記鋸歯形
状部は、その略中央に少なくとも1つの突出部を有し、
該突出部は頂点曲率半径が0.1mm以上、頂点角度が
30°〜200°である形状をなし、かつ、その頂点が
前記鋸歯の頂点がなす稜線より突出しているような構成
とした。また、紙基材と、該紙基材の一方の端辺の少な
くとも上端面に金属およびセラミックスの少なくとも1
つからなる溶射形成被膜を有し、前記端辺の略中央に少
なくとも1つの突出部を有し、該突出部は頂点曲率半径
が0.1mm以上、頂点角度が30°〜200°である
形状をなすような構成とした。
【0010】本発明のラップフィルム用収納体は紙基体
からなる箱体と、該箱体の側壁または蓋部に上記のよう
な切断具を装着したような構成とし、また、紙基体から
なる箱体を有し、該箱体の側壁または蓋部には、前記紙
基体を紙基材として上記のような切断具が一体的に形成
されているような構成とした。
【0011】さらに、本発明の切断具の製造方法は紙基
材に鋸歯形状部を形成し、金属およびセラミックスの少
なくとも1つからなる材料物質を熱源により瞬間的に溶
融状態まで加熱し、この溶融物質を高速で前記鋸歯形状
部の少なくとも上端面に衝突させることにより溶射形成
被膜を形成するような構成とした。
【0012】
【作用】切断具の鋸歯形状部がラップフィルムに接触し
た際に、鋸歯形状部に設けられた溶射形成被膜を構成す
る金属および/またはセラミックスがラップフィルムを
破断するので、切断具の鋸歯がラップフィルムに容易に
突き刺さることになり、さらに、突出部を設けることに
よりラップフィルムの突き刺し性がより向上する。ま
た、このような切断具を別体として装着した収納体ある
いは一体的に備えた収納体では、切断具により優れたラ
ップフィルム切断性が付与され、また、切断具の基材が
紙基材であるため、良好な廃棄性も得られる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0014】図1は本発明の切断具の一実施例を示す斜
視図である。図1において、切断具1は紙基材2と、こ
の紙基材2の一方の端辺に形成された鋸歯形状部3を有
している。この鋸歯形状部3は三角形状の鋸歯4がその
底辺の両端部を相互に連接するように複数配設されたも
のである。そして、鋸歯形状部3の所望の領域には溶射
形成被膜6が設けられている。図示例では、鋸歯形状部
3の上端面3aと側面3bに溶射形成被膜6が設けられ
ているが、鋸歯形状部3の上端面3aにのみ溶射形成被
膜6が設けられたものであってもよい。逆に、紙基材2
の鋸歯形状部3以外の領域に不必要に溶射形成被膜6が
設けられていると、後述するラップフィルムの切断時に
切断箇所以外の部位への傷つけや、収納体への傷つけが
発生するので好ましくない。
【0015】切断具1を構成する紙基材2としては、未
晒し紙、コートボール紙、バルガナイズド紙、グラシン
紙、無機繊維紙、クラフト紙等の公知の紙材料を用いる
ことができる。この紙基材2の厚みは0.1〜2.0m
m程度、好ましくは0.3〜1.0mm程度とすること
ができる。紙基材2の厚みが0.1mm未満であると、
基材としての強度(特に腰の強さ)が不足して鋸歯4に
折れが発生することがあり好ましくない。また、紙基材
2の厚みが2.0mmを超えると、鋸歯形状を形成する
際の抜き加工が困難となって後述するような所望の鋸歯
が得にくくなり、良好な切断性が得られない。尚、紙基
材2は上記のような材料紙を2以上貼り合わせて構成し
てもよい。この場合、使用する材料紙は1種でも、ある
いは2種以上の組み合わせでもよい。
【0016】本発明では、上記の紙基材2に耐水性を付
与するために、合成樹脂耐水性インキを塗布することが
できる。合成樹脂耐水性インキとしては、ポリエステル
系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール系樹
脂、ポリビニルブチラール、スチレン系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、フェ
ノール系樹脂、キシレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン
系樹脂、テルペン系樹脂、ケトン系樹脂、アミド系樹
脂、シリコン系樹脂、含フッ素樹脂等を挙げることがで
きる。このような紙基材2への耐水性付与は、紙基材2
に予め行ってもよく、あるいは鋸歯形状部への砥粒の固
着の前または後、あるいは砥粒固着の前後において行っ
てもよい。
【0017】また、本発明では、耐水性付与のために上
記の紙基材2の少なくとも一方の面に溶融押し出しによ
り樹脂層を形成してもよい。使用する樹脂としては、ポ
リエチレン系樹脂、エチレンビニルアセテート共重合体
樹脂、アイオノマー、ポリプロピレンあるいはこれらの
変性物であるポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を
挙げることができ、これらの樹脂の少なくとも1種を使
用して樹脂層を形成する。樹脂層の厚みは5〜300μ
m程度が好ましい。このように樹脂層を設けることによ
り、紙基材に水あるいは湿気の接触があっても、紙基材
は良好な耐久性を示す。
【0018】また、本発明では、上記の紙基材2に硬化
処理を施すことにより、切断具1に耐久性を更に向上さ
せてもよい。この硬化処理は、紙基材2にスチレン・ブ
タジエン共重合体系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエ
ン共重合体系樹脂、メチルメタクリレート・ブタジエン
共重合体系樹脂、クロロプレン共重合体系樹脂、アクリ
ル系樹脂、アクリル・酢酸ビニル共重合体系樹脂、パラ
フィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックス等
の樹脂のいずれか1種あるいは2種以上を含浸させるこ
とにより行うことができる。また、このような硬化処理
を行った後に、上記の耐水性付与の処理を施してもよ
い。
【0019】本発明の切断具1においては、溶射形成被
膜6の紙基材への密着性を向上させ、さらに、紙基材の
強度を上げるための樹脂下塗り層を溶射形成被膜6の形
成領域に予め形成しておくことが好ましい。このような
樹脂下塗り層形成用の樹脂としては、ガラス転移温度が
50℃以上であるポリエステル系樹脂、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂およびポリエステルウレタン系樹
脂、含フッ素系樹脂からなる樹脂群Aを挙げることがで
きる。ガラス転移温度が50℃以下では樹脂成分が変化
して粘着性(タック)が生じたり、溶射形成被膜6が切
断具1から脱落することがあるため好ましくない。ま
た、樹脂群Aの樹脂には、硬化剤を添加することにより
溶射形成被膜6の固着保持性をより高いものとすること
ができる。この場合、硬化剤としては、ポリエチレンイ
ミン系、有機チタン化合物系、ポリオレフィン系、ポリ
ブタジエン系、イソシアネート系、ポリエステルウレタ
ン系、ポリエーテルウレタン系等を使用することができ
る。
【0020】また、樹脂下塗り層用の樹脂としては、エ
ポキシ系樹脂、アミノ系樹脂、フェノール系樹脂、セル
ロース誘導体系樹脂、天然高分子系樹脂、ポリビニルア
ルコール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、含ケイ
素化合物系樹脂、シラン系樹脂およびシリカ系樹脂から
なる樹脂群Bを挙げることができる。このような樹脂群
Bの樹脂は、適宜、上記のような硬化剤、硬化補助剤等
を添加することにより硬化時間を短縮することができ
る。
【0021】さらに、樹脂下塗り層用の樹脂としては、
いわゆる紙含浸処理剤といわれるスチレン・ブタジエン
共重合体系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合
体系樹脂、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体
系樹脂、クロロプレン共重合体系樹脂、アクリル系樹
脂、アクリル・酢酸ビニル共重合体系樹脂、パラフィン
ワックスおよびマイクロクリスタリンワックス等のラテ
ックス(エマルジョン)からなる樹脂群Cを挙げること
ができる。
【0022】樹脂下塗り層は上記のような各樹脂群の中
から1種、あるいは2種以上、さらには異なった樹脂群
の樹脂の組み合わせにより形成することができるが、好
ましくはガラス転移温度が50℃以上であるポリエステ
ル系樹脂、アクリル系樹脂である。
【0023】また、樹脂下塗り層用の樹脂として、アク
リレートモノマー、ポリエステルアクリレート、エポキ
シアクリレート、ウレタンアクリレート、シリコンアク
リレート、ポリブタジエンアクリレートの少なくとも1
つの樹脂からなる紫外線硬化性樹脂あるいは電子線硬化
性樹脂を使用することもできる。このような紫外線硬化
性樹脂あるいは電子線硬化性樹脂に対して、光重合開始
剤あるい増感剤等を添加することにより、樹脂5の膜厚
が大きくなっても短時間で硬化させることが可能とな
る。
【0024】尚、溶射形成被膜の形成領域へのゴミ等の
付着を防止するために、界面活性剤等の静電気防止剤、
帯電防止剤、導電剤を加えたものであってもよい。さら
に、樹脂塗料に着色剤を添加して、被膜形成領域が分か
るようにしてもよい。
【0025】本発明の切断具1の溶射形成被膜6を構成
する金属、セラミックスとしては、アルミニウム、銅、
亜鉛、チタン、ニッケル、ステンレス、錫、鉄、モリブ
デンおよびこれらの合金等の金属、酸化アルミニウム、
窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化ケイ素、酸化チタン、酸
化クロム、酸化コバルト、酸化亜鉛、セレン化チタン、
珪化チタン、水酸化チタン、硼化チタン、酸化セリウ
ム、酸化ジルコニウム等のセラミックスを挙げることが
できる。このなかでは、特にアルミニウム、酸化アルミ
ニウム、酸化チタンが好ましく用いられる。このような
金属および/またはセラミックスからなる溶射形成被膜
6の厚みは2〜1000μm程度、好ましくは10〜1
00μm程度である。厚みが2μm未満であると、切断
効果が不充分でありラップフィルム切断が不安定とな
る。また、1000μmを超えると、鋸歯形状を埋めて
しまう可能性があり好ましくない。また、溶射形成被膜
が厚くなるにつれ被膜は衝撃に弱くなるため、耐久性が
劣り好ましくない。
【0026】また、溶射形成被膜6として上記の物質を
2種以上組み合わせることにより切断具1の切断性をよ
り向上させることができる。例えば、酸化アルミニウム
(20%)/酸化チタン(80%)の組み合わせで耐久
性および切断性が向上する。
【0027】図2は図1に示される切断具の部分正面図
である。尚、鋸歯形状部3に設けられている溶射形成被
膜6は省略してある。図2において、切断具1の鋸歯形
状部3を構成する三角形状の鋸歯4は、底辺の長さLが
0.1〜5.0mm、高さHが0.1〜5.0mmであ
ることが好ましい。寸法が上記の範囲未満であると、各
鋸歯4の間が溶射形成被膜6により埋められて鋸歯形状
が形成されないので好ましくない。また、上記の範囲を
超えると鋸歯4の折れ等が発生し易く耐久性が悪くな
る。また、三角形状の鋸歯4の頂点4aの曲率半径Rは
0.1mm以上であることが好ましい。曲率半径Rが
0.1mm未満であると、頂点4aにおける溶射形成被
膜6との密着性が低下し、切断性が悪くなり、また、鋸
歯4の折れ等が発生し易くなり耐久性も不十分となる。
さらに、上記の三角形状の鋸歯4の配設ピッチPは0.
1〜10.0mmであることが好ましい。配設ピッチP
が0.1mm以下であると、紙基材2への鋸歯形状の形
成が困難になり、かつ、溶射形成被膜6により各鋸歯4
間が埋められてしまい鋸歯形状が形成されない。一方、
配設ピッチPが10.0mmを超えると、各鋸歯4によ
る切断の連続性がなくなり切断性が不十分なものとな
る。
【0028】鋸歯4の寸法、曲率半径および配設ピッチ
が上記の範囲にあれば、例えば図3に示されるように各
鋸歯4の間に鋸歯が存在しない領域があってもよい。あ
るいは、図4に示されるように、高さHは等しいが底辺
の長さLが異なるような三角形状の鋸歯4を異なるピッ
チで配設したり、また、図5に示されるように、高さH
の異なる三角形状の鋸歯4を同一ピッチで配設したよう
な鋸歯形状部3とすることもできる。上記の図4および
図5に示される例では、鋸歯4の頂点4aを結んで形成
される稜線Sは直線となる。尚、図3乃至図5において
は鋸歯形状部3に設けられている溶射形成被膜6は省略
してある。
【0029】図6は本発明の切断具の他の実施例を示す
部分正面図である。図6において切断具11は紙基材1
2と、この紙基材12の一方の端辺に形成された鋸歯形
状部13を有している。この鋸歯形状部13は台形状の
鋸歯14が所定の間隔を設けて複数配設されたものであ
る。そして、鋸歯形状部13の少なくとも上端面には溶
射形成被膜が設けられている。尚、図6においては鋸歯
形状部13に設けられている溶射形成被膜は省略してあ
る。図6に示される切断具11の鋸歯形状部13を構成
する台形状の鋸歯14は、上底の長さL1 が0.3〜
4.0mm、下底の長さL2 が0.5〜5.0mm、高
さHが0.5〜5.0mmであることが好ましい。寸法
が上記の範囲未満であると、砥粒を含有する樹脂塗料の
付着量が少なくなり、砥粒密度が低下して切断性が不安
定となり、また、各鋸歯14の間が溶射形成被膜により
埋められて鋸歯形状が形成されないので好ましくない。
一方、上記の範囲を超えると剛性不足により鋸歯14の
折れ等が発生し易く耐久性が悪くなる。また、台形状の
鋸歯14の各頂点14aの曲率半径Rは0.1mm以上
であり、鋸歯14の配設ピッチPは0.5〜10.0m
mであることが好ましい。上記のように鋸歯14の形状
を台形状とすることにより、ラップフィルムの切断時の
方向性が良好になる。
【0030】鋸歯14の寸法、曲率半径および配設ピッ
チが上記の範囲にあれば、例えば図7に示されるように
台形状の各鋸歯14がその下底の端部で相互に連接した
ものであってもよい。また、高さHは等しいが上底、下
底の長さが異なるような台形状の鋸歯14を異なるピッ
チで配設したり、あるいは、高さHの異なる台形状の鋸
歯14を同一ピッチで配設したような鋸歯形状部13と
することもできる。尚、図7においては鋸歯形状部13
に設けられている溶射形成被膜は省略してある。
【0031】図8は本発明の切断具の他の実施例を示す
部分正面図である。図8において切断具21は紙基材2
2と、この紙基材22の一方の端辺に形成された鋸歯形
状部23を有している。この鋸歯形状部23は矢じり形
状の7角形の鋸歯24が底辺の両端部を連接するように
複数配設されたものである。そして、鋸歯形状部23の
少なくとも上端面には溶射形成被膜が設けられている。
尚、図8においては鋸歯形状部23に設けられている溶
射形成被膜は省略してある。図8に示される切断具21
の鋸歯形状部23を構成する7角形状の鋸歯24は、先
端部の辺の長さL1 が0.3〜2.0mm、その下の辺
の長さL2 が0.5〜3.0mm、先端部の幅L3
0.5〜3.0mmであることが好ましい。寸法が上記
の範囲未満であると、溶射形成被膜の付着量が少なくな
り、被膜密度が低下して切断性が不安定となる。一方、
上記の範囲を超えると剛性不足により鋸歯24の折れ等
が発生し易く耐久性が悪くなる。また、7角形状の鋸歯
24の頂点24aの曲率半径Rは0.1mm以上であ
り、鋸歯24の配設ピッチPは0.5〜6.0mmであ
ることが好ましい。
【0032】図9は本発明の切断具の他の実施例を示す
部分正面図である。図9において切断具31は紙基材3
2と、この紙基材32の一方の端辺に形成された鋸歯形
状部33を有している。この鋸歯形状部33は矩形体上
に三角形を載置したような7角形の鋸歯34が所定の間
隔を設けるように複数配設されたものである。そして、
鋸歯形状部33の少なくとも上端面には溶射形成被膜が
設けられている。尚、図9においては鋸歯形状部33に
設けられている溶射形成被膜は省略してある。図9に示
される切断具31の鋸歯形状部33を構成する7角形状
の鋸歯34は、先端三角形の高さH1 が0.3〜2.0
mm、矩形体の高さH2 が0.3〜2.0mm、先端三
角形の底辺の長さL1 が0.3〜2.0mm、矩形体の
上辺両端部の長さL2 が0.3〜2.0mmであること
が好ましい。寸法が上記の範囲未満であると、溶射形成
被膜の付着量が少なくなり、被膜密度が低下して切断性
が不安定となる。一方、上記の範囲を超えると剛性不足
により鋸歯34の折れ等が発生し易く耐久性が悪くな
る。また、7角形状の鋸歯34の頂点34aの曲率半径
Rは0.1mm以上であり、鋸歯34の配設ピッチPは
0.9〜7.5mmであることが好ましい。上記のよう
に鋸歯34の形状を矩形体上に三角形を載置したような
7角形とし矩形体の上辺部を設けることにより、ラップ
フィルムの切断時の方向性が良好になる。
【0033】尚、図9に示される例では、先端三角形は
1個形成されているが、2個以上形成することにより、
溶射形成被膜の付着量を多くして切断性を向上させるこ
ともできる。
【0034】図10は本発明の切断具の他の実施例を示
す部分正面図である。図10において切断具41は紙基
材42と、この紙基材42の一方の端辺に形成された鋸
歯形状部43を有している。この鋸歯形状部43は弓形
状の鋸歯44が底辺の両端部を連接するように複数配設
されたものである。そして、鋸歯形状部43の少なくと
も上端面には溶射形成被膜が設けられている。尚、図1
0においては鋸歯形状部43に設けられている溶射形成
被膜は省略してある。図10に示される切断具41の鋸
歯形状部43を構成する弓扇状の鋸歯44は、半径rが
0.2〜6.0mm、中心角θが30〜180°、弧の
高さhが0.3〜5.0mm、鋸歯44の配設ピッチP
が0.5〜15mmであることが好ましい。寸法が上記
の範囲未満であると、溶射形成被膜の付着量が少なくな
り、砥粒密度が低下して切断性が不安定となる。一方、
上記の範囲を超えると剛性不足により鋸歯24の折れ等
が発生し易く耐久性が悪くなる。
【0035】また、本発明の切断具の鋸歯形状部は、上
述のような三角形状の鋸歯、台形状の鋸歯、多角形状の
鋸歯および弓形状の鋸歯の内2以上の形状の鋸歯を組み
合わせて配設したものであってもよい。このような組み
合わせにより、ラップフィルムの突き刺し性(切れ目を
いれる)と切断性(方向性)を共に高め、よりスムーズ
な切断を可能とすることできる。
【0036】上述の実施例では、鋸歯形状部を構成する
鋸歯の頂点がなす稜線は直線であるが、これに限定され
るものではない。すなわち、本発明の切断具の鋸歯形状
部は、鋸歯形状部を構成する鋸歯の頂点がなす稜線と該
稜線の両端点を結んで形成される形状が、三角形、台
形、多角形、弓形のいずれかであってもよい。図11お
よび図12は鋸歯の頂点がなす稜線の形状を示す図であ
る。図11においては、鋸歯形状部を構成する鋸歯54
が三角形状であり、各鋸歯54の頂点がなす稜線S,S
と、この2本の稜線の両端点を結んで形成される形状が
三角形である。また、図12においては、鋸歯形状部を
構成する鋸歯64が台形状であり、各鋸歯64の頂点が
なす稜線Sと、この稜線の両端点を結んで形成される形
状が弓形である。図11および図12に示されるよう
に、稜線の形状を鋸歯突出方向へ突き出したものとする
ことにより、ラップフィルムへの突き刺し性および切断
方向性が高くなるためラップフィルムの切断時において
フィルムを大きく傾けることなく切断可能となる。
【0037】また、本発明の切断具は、鋸歯形状部を構
成する上述のような三角形状の鋸歯、台形状の鋸歯、多
角形状の鋸歯および弓形状の鋸歯の高さを異なるものと
してもよい。図13はこのような鋸歯の高さが異なる例
を示す図である。図13において、切断具71は紙基材
72と、この紙基材72の一方の端辺に形成された鋸歯
形状部73を有している。この鋸歯形状部73は高さの
異なる2種の三角形状の鋸歯74と74´がその底辺の
両端部を相互に連接するように複数配設されたものであ
る。このような切断具71では、高さの高い三角形状の
鋸歯74が存在することによりラップフィルムが切断具
に引っかかり易くなり、より弱い力でラップフィルムに
鋸歯を突き刺す(切れ目をいれる)ことができる。この
場合、高さの高い三角形状の鋸歯74は配設ピッチPが
30mm以下となるように配設されている。配設ピッチ
Pが30mmを超えると上記のような効果が小さくな
る。一方、図13に示されるように、高さの高い三角形
状の鋸歯74のみを設け、各鋸歯74の間には高さの低
い鋸歯74´を設けないものであってもよい。この場
合、高さの高い三角形状の鋸歯74によりラップフィル
ムに切れ目をいれた後、鋸歯74間(鋸歯が存在しない
部分)に設けられている溶射形成被膜により切断方向性
が高いものとなる。
【0038】図14は鋸歯の高さが異なる他の例を示す
図である。図14において、切断具71は紙基材72
と、この紙基材72の一方の端辺に形成された鋸歯形状
部73を有している。この鋸歯形状部73は高さの異な
る2種の三角形状の鋸歯74と74´により構成され、
高さの高い三角形状の鋸歯74がその底辺の両端部を相
互に連接するように複数配設された領域と、高さの低い
三角形状の鋸歯74´がその底辺の両端部を相互に連接
するように複数配設された領域とが交互に存在してい
る。このような切断具71では、高さの高い三角形状の
鋸歯74が存在することによりラップフィルムが切断具
に引っかかり易くなり、より弱い力でラップフィルムに
鋸歯を突き刺す(切れ目をいれる)ことができ切断がス
ムーズになる。
【0039】尚、図13および図14においては鋸歯形
状部73に設けられている溶射形成被膜は省略してあ
る。
【0040】本発明の切断具の鋸歯形状部は、鋸歯形状
部を構成する上述のような三角形状の鋸歯、台形状の鋸
歯、多角形状の鋸歯および弓形状の鋸歯の頂点がなす稜
線が、鋸歯の底辺部を結ぶ基線に対して1〜15°の範
囲で傾斜しているものであってもよい。図15はこのよ
うな鋸歯形状部を構成する鋸歯の例を示す図である。図
15においては、鋸歯形状部83を構成する鋸歯84が
三角形状であり、連接する各鋸歯84の高さは徐々に高
くなっている。そして、鋸歯84の頂点がなす稜線S
と、鋸歯84の底辺部を結ぶ基線Bとのなす角θは1〜
15°の範囲である。また、図16に示されるように、
鋸歯84の頂点がなす稜線S,Sと、鋸歯84の底辺部
を結ぶ基線Bとのなす角θは1〜15°の範囲であり、
かつ、稜線S,Sと基線Bとの間隔が鋸歯形状部83の
ほぼ中央で最大となるようにしてもよい。さらに、図1
7に示されるように、鋸歯84の頂点がなす稜線S,S
と、鋸歯84の底辺部を結ぶ基線Bとのなす角θは1〜
15°の範囲であり、かつ、稜線S,Sと基線Bとの間
隔が鋸歯形状部83の両端で最大となるようにしてもよ
い。
【0041】また、本発明の切断具の鋸歯形状部は、鋸
歯形状部を構成する上述のような三角形状の鋸歯、台形
状の鋸歯、多角形状の鋸歯および弓形状の鋸歯の頂点が
なす稜線が、鋸歯の底辺部を結ぶ基線と平行であり、紙
基材の軸方向に対して1〜15°の範囲で傾斜している
ものであってもよい。図18はこのような鋸歯形状部を
構成する鋸歯の例を示す図である。図18においては、
紙基材92に形成された鋸歯形状部93を構成する鋸歯
94が三角形状であり、連接する各鋸歯84の頂点がな
す稜線Sと、鋸歯84の底辺部を結ぶ基線Bとは平行で
ある。一方、紙基材92の軸方向(図示例の矢印A方
向)と稜線Sとのなす角θは1〜15°の範囲である。
このように稜線Sを鋸歯突出方向(紙基材92の軸方向
Aと直角方向)に突き出すことにより、ラップフィルム
が切断具に引っかかり易くなり、より弱い力でラップフ
ィルムに鋸歯を突き刺す(切れ目をいれる)ことができ
る。
【0042】更に、本発明の切断具の鋸歯形状部は、上
述のような三角形状の鋸歯、台形状の鋸歯、多角形状の
鋸歯および弓形状の鋸歯を鋸歯形状部の両端部近傍にの
み設けたものとしてもよい。図19は本発明の切断具の
他の実施例を示す部分正面図である。図19において切
断具101は紙基材102と、この紙基材102の一方
の端辺に形成された鋸歯形状部103を有している。こ
の鋸歯形状部103はその両端部近傍に三角形状の鋸歯
104が複数配設されたものである。そして、鋸歯形状
部103の少なくとも上端面には溶射形成被膜が設けら
れている。尚、図19においては鋸歯形状部103に設
けられている溶射形成被膜は省略してある。このような
切断具101では、鋸歯形状部103の両端の鋸歯10
4によりラップフィルムに切れ目をいれた後、鋸歯10
4間(鋸歯が存在しない部分)に設けられている溶射形
成被膜により切断方向性が高いものとなる。
【0043】本発明の切断具は、上述のような実施例の
他に、鋸歯形状部の略中央に少なくとも1つの突出部を
有するものであってもよい。
【0044】図20はこのような突出部を有する本発明
の切断具の一実施例を示す斜視図である。図20におい
て、切断具111は紙基材112と、この紙基材112
の一方の端辺に形成された鋸歯形状部113を有してい
る。この鋸歯形状部113は三角形状の鋸歯114がそ
の底辺の両端部を相互に連接するように複数配設され、
その中央に1個の突出部117が形成されたものであ
る。また、鋸歯形状部113の所望の領域には樹脂11
5により砥粒116が固着されている。図示例では、鋸
歯形状部113の上端面113aと側面113bに溶射
形成被膜116が設けられているが、鋸歯形状部113
の上端面113aにのみ溶射形成被膜116が設けられ
たものであってもよい。また、突出部117が樹脂によ
り硬化処理され、その他の鋸歯形状部にのみ溶射形成被
膜116が設けられたものであってもよい。
【0045】図21は図20に示される切断具の鋸歯形
成部の部分正面図である。尚、鋸歯形状部113に設け
られている溶射形成被膜116は省略してある。図22
において、切断具111の鋸歯形状部113を構成する
突出部117は三角形状をなし、その頂点117aの曲
率半径は0.1mm以上、頂点117aの角度αは30
°〜200°、好ましくは60°〜110°である。突
出部117の頂点曲率半径が0.1mm未満の場合、頂
点117aにおける溶射形成被膜116の密着性が低下
し、切断性が悪くなるとともに、ラップフィルム切断中
の突出部117の耐久性が悪くなる。また、頂点角度α
が30°未満では、突出部117がラップフィルムによ
り折れ易くなり耐久性が不充分であり、200°を超え
ると突き刺し性が不充分となり切断性が不安定となる。
そして、上記の突出部117は、その頂点117aが鋸
歯114の頂点がなす稜線S(図示例では2本の稜線S
の交点P)よりも0.5mm以上突出していることが好
ましい。突出部117の突出量が0.5mm未満である
と、突き刺し性が不充分となり切断性が不安定となる。
【0046】上記の突出部117は、ラップフィルムを
繰り出して切断する際、最初にラップフィルムに接触
し、かつ、ラップフィルムに穴をあけ、その後、ラップ
フィルムの切断伝播性によって、ラップフィルムはその
後鋸歯形状部に沿って切断される。
【0047】図22は突出部を有する本発明の切断具の
他の実施例を示す部分正面図である。図22において切
断具121は紙基材122と、この紙基材122の一方
の端辺に形成された鋸歯形状部123を有している。こ
の鋸歯形状部123は三角形状の鋸歯124がその底辺
の両端部を相互に連接するように複数配設され、その中
央に2個の突出部127が形成されたものである。そし
て、鋸歯形状部123の少なくとも上端面には溶射形成
被膜が設けられている。尚、図22においては鋸歯形状
部123に設けられている溶射形成被膜は省略してあ
る。図22に示される切断具121の鋸歯形状部123
を構成する突出部127は、それぞれ三角形状をなし、
その頂点127aの曲率半径は0.1mm以上、頂点1
27aの角度αは30°〜200°、好ましくは60°
〜110°である。そして、上記の各突出部127は、
その頂点127aが鋸歯124の頂点がなす稜線Sより
も0.5mm以上突出していることが好ましい。この場
合の突出部127の突出量は、2個の突出部127の頂
点127aがなす稜線S´から2本の稜線Sの交点Pま
での距離で設定することができる。
【0048】図23は突出部を有する本発明の切断具の
他の実施例を示す部分正面図である。図23において切
断具131は紙基材132と、この紙基材132の一方
の端辺に形成された鋸歯形状部133を有している。こ
の鋸歯形状部133は三角形状の鋸歯134がその底辺
の両端部を相互に連接するように複数配設され、その中
央に3個の突出部137,137´,137´が形成さ
れたものである。そして、鋸歯形状部133の少なくと
も上端面には溶射形成被膜が設けられている。尚、図2
3においては鋸歯形状部133に設けられている溶射形
成被膜は省略してある。図23に示される切断具131
の鋸歯形状部133を構成する突出部137,137
´,137´は、それぞれ三角形状をなし、その頂点1
37a,137´aの曲率半径は0.1mm以上、頂点
137a,137´aの角度αは30°〜200°、好
ましくは60°〜110°である。そして、中央の突出
部137は、その頂点137aが鋸歯134の頂点がな
す稜線S(図示例では2本の稜線Sの交点P)よりも
0.5mm以上突出していることが好ましい。また、両
側の突出部137´は、その頂点137´aを結んだ線
S´が上記交点Pよりも上方に位置することが好まし
い。また、図示例では、中央の突出部137の頂点13
7aと両側の突出部137´の頂点137´aとがなす
2本の稜線S″は、鋸歯134の頂点がなす2本の稜線
Sよりも急峻であるが、これに限定されるものではな
い。
【0049】上述の突出部を有する本発明の切断具の実
施例では、鋸歯形状部を構成する鋸歯114,124,
134の頂点がなす稜線と該稜線の両端点を結んで形成
される形状が三角形であるが、これに限定されるもので
はなく、鋸歯の頂点がなす稜線と該稜線の両端点を結ん
で形成される形状が、直線、台形、多角形、弓形のいず
れかであってもよい。図24に示す例では、鋸歯形状部
を構成する鋸歯144が台形状であり、各鋸歯144の
頂点がなす稜線Sと、この稜線の両端点を結んで形成さ
れる形状が弓形である。そして、その中央に1個の突出
部147が形成されたものである。この場合も、突出部
147は三角形状をなし、その頂点147aの曲率半径
は0.1mm以上、頂点147aの角度αは30°〜2
00°、好ましくは60°〜110°である。また、上
記の突出部147は、その頂点147aが鋸歯144の
頂点がなす稜線Sよりも0.5mm以上突出しているこ
とが好ましい。
【0050】上述の突出部を有する本発明の切断具の実
施例では、鋸歯形状部を構成する上述のような三角形状
の鋸歯、台形状の鋸歯、多角形状の鋸歯および弓形状の
鋸歯の頂点がなす稜線が、鋸歯の底辺部を結ぶ基線に対
して1〜15°の範囲で傾斜しているものであってもよ
い。図25はこのような鋸歯形状部を構成する鋸歯の例
を示す図である。図25においては、鋸歯形状部153
を構成する鋸歯154が三角形状であり、連接する各鋸
歯154の高さは中央部に向けて徐々に高くなってお
り、その中央に1個の突出部157が形成されたもので
ある。そして、鋸歯154の頂点がなす稜線Sと、鋸歯
154の底辺部を結ぶ基線Bとのなす角θは1〜15°
の範囲である。この場合も、突出部157は三角形状を
なし、その頂点157aの曲率半径は0.1mm以上、
頂点157αの角度θは30°〜200°、好ましくは
60°〜110°である。また、上記の突出部157
は、その頂点157aが鋸歯154の頂点がなす稜線S
(図示例では2本の稜線Sの交点P)よりも0.5mm
以上突出していることが好ましい。
【0051】尚、上述の実施例は紙基材の一方の端辺に
鋸歯形状部を形成したものであるが、本発明の切断具は
紙基材の両端辺に鋸歯形状部を形成したものであっても
よい。
【0052】図26は突出部を有する本発明の切断具の
他の態様を示す部分正面図である。図26において、切
断具161は鋸歯形状部を有していない点で上述の本発
明の切断具と相違する。すなわち、切断具161は紙基
材162と、この紙基材162の一方の端辺162aの
少なくとも上端面に設けられた溶射形成被膜(図示せ
ず)と、溶射形成被膜が設けられた端辺162aの略中
央に形成された1個の突出部167とを備えている。こ
の切断具161を構成する上記の紙基材、樹脂および溶
射形成被膜材料としては、上述の鋸歯形状部を有する切
断具において使用可能なものをすべて挙げることができ
る。また、突出部167は三角形状をなし、その頂点1
67aの曲率半径は0.1mm以上、頂点167aの角
度αは30°〜200°、好ましくは60°〜110°
である。そして、上記の突出部167は、その頂点16
7aが紙基材162の端辺162a(図示例では2辺1
62aの交点P)よりも0.5mm以上突出しているこ
とが好ましい。このような切断具167におけるラップ
フィルムの切断は、最初に突出部167がラップフィル
ムに接触して突き刺さり、その後、溶射形成被膜が設け
られた端辺162aに沿って切断される。尚、上記の切
断具161のように鋸歯形状部を有していない切断具に
おいても、突出部の形成個数は複数であってもよいこと
は勿論である。
【0053】本発明では、上記の突出部は三角形状に限
定されるものではなく、上述の条件を満足する頂点を有
するものであれば突出部の形状はいかなるものであって
もよい。また、突出部が3個以上連続的に存在する場
合、各突出部の頂点がなす稜線は、三角形、弓形、多角
形等いずれの形状を示すものであってもよい。
【0054】尚、上述の例では、突出部の少なくとも上
端面には溶射形成被膜が設けられているが、溶射形成被
膜が設けられていなくもよい。この場合、紙基材として
上述のような硬化処理を施した紙基材等、より強度の高
いものを使用する必要がある。
【0055】上述のような本発明の切断具の溶射形成被
膜は、材料物質である金属、セラミックスを熱源(ガス
あるいは電気)により瞬間的に溶融状態まで加熱し、こ
れを高速で被着体である紙基材の鋸歯形状部に衝突させ
ることにより形成することができる。この溶射形成被膜
の形成においては、鋸歯形状部を備えた1枚の紙基材を
ターゲットとして溶射ガンから溶融物質を溶射してもよ
い。また、鋸歯形状部を備えた複数枚の紙基材をその鋸
歯形状部の上端面が溶射ガンに対向するように重ね合わ
せておき、各鋸歯形状部の上端面に溶射ガンから溶融物
質を溶射してもよい。
【0056】上述のような本発明の切断具の製造方法に
おいては、鋸歯形状部への砥粒の固着の前または後、あ
るいは砥粒固着の前後で紙基材に対して耐水処理を行っ
てもよい。この耐水処理は紙基材の説明において述べた
ので、ここでの説明は省略する。
【0057】次に、上述のような本発明のラップフィル
ム用収納体について説明する。
【0058】本発明のラップフィルム用収納体は、図2
7に示されるように、紙基体からなる箱体202と、こ
の箱体202の蓋部203に装着された切断具204を
備えたものである。箱体202を構成する紙基体は従来
のラップフィルム用収納体に用いられている紙基体であ
ればよく、好ましくはコートボール紙が使用される。そ
して、蓋部203に装着された切断具204は上述のよ
うな本発明の切断具であればいずれの態様のものであっ
てもよい。この場合、切断具204は、その鋸歯形状部
の長さが、収納体に収納されるラップフィルムの幅より
も大きいものを使用する。さらに、上述のように別体と
して装着された切断具204は、溶射形成被膜が設けら
れていない所定形状の紙基材を装着した後、紙基材の鋸
歯形状部に上述のようにして溶射形成被膜を設けて切断
具としたものであってもよい。
【0059】また、本発明のラップフィルム用収納体
は、蓋部203に切断具を一体的に形成したものであっ
てもよい。すなわち、箱体202を構成する紙基体を紙
基材として蓋部203の先端辺に鋸歯形成部を設け、こ
の鋸歯形成部に上述のようにして溶射形成被膜を設ける
ことにより切断具を形成することができる。このように
切断具204が一体的に形成された場合も、切断具20
4は上述のような本発明の切断具であればいずれの態様
のものであってもよい。
【0060】また、本発明のラップフィルム用収納体
は、蓋部203に切断具204を装着する代わりに、図
28に示されるように箱体202の側壁202aの端部
に切断具204を装着してもよい。
【0061】ここで、蓋部に本発明の切断具を別体とし
て装着、あるいは一体的に形成したラップフィルム用収
納体の構造についてさらに説明する。
【0062】図29は本発明のラップフィルム用収納体
の一実施例を示す縦断面図である。図29においてラッ
プフィルム用収納体211は、紙基体からなる箱体21
2と、この箱体212の蓋部213の先端部に一体的に
形成された切断具214を備えたものである。このラッ
プフィルム用収納体211では、箱体212内部に収納
されているラップフィルムのロール体の最大幅位置(図
中に点線Lで示した位置)に相当する箇所、あるいは、
それより下部に切断具214が設けられている。図示例
のようにラップフィルム用収納体211から引き出した
ラップフィルムを箱体212の側壁212aと切断具2
14との間に挟み、指で蓋部213を側壁212aに押
し付けながらラップフィルムを切断する場合、箱体21
2の側壁212aは箱体内側方向(点線L方向)にたわ
みを生じるが、上述のように側壁212aのうち切断具
214と対向する位置はラップフィルムのロール体の最
大幅位置であるため、側壁212aのたわみが有効に防
止され、ラップフィルムの固定が確実になされ安定した
切断が可能となる。
【0063】図30および図31は本発明のラップフィ
ルム用収納体の他の実施例を示す縦断面図である。図3
0および図31においてラップフィルム用収納体22
1、231は、それぞれ紙基体からなる箱体222、2
32と、この箱体の蓋部223、233の先端部に一体
的に形成された切断具224、234を備えたものであ
る。そして、図30のラップフィルム用収納体221
は、箱体222の側壁のうち蓋部223と対向する側壁
222aに補強部材225を備えている。また、図31
に示されるラップフィルム用収納体231は、蓋部23
3に補強部材235を備えている。このようなラップフ
ィルム用収納体221、231は、側壁あるいは蓋部の
剛性が補強部材により向上されており、このため、ラッ
プフィルム切断時に側壁あるいは蓋部がたわんでラップ
フィルムのバタツキや寄れを生じることが防止される。
したがって、ラップフィルムの安定した切断が可能とな
る。また、ラップフィルムの繰り出し時において、補強
部材225によって側壁222aのたわみが有効に防止
され、かつ、ラップフィルムの滑りが改善されるため、
ラップフィルムの繰り出しが容易になる。
【0064】上記の補強部材225、235としては、
箱体を形成しているのと同じ紙基材(別体の紙基材を貼
り合わせる場合、および、側壁を折り返して一体的に設
ける場合を含む)、化学処理紙、樹脂含浸紙、樹脂コー
ト紙等の紙材料、合成樹脂、金属、繊維、セラミックス
等の単独、あるいは組み合わせを使用することができ
る。また、補強部材225、235はラップフィルム用
収納体の長さ方向全域に連続帯状に形成されてもよく、
あるいは部分的に形成されてもよい。
【0065】図32は本発明のラップフィルム用収納体
の他の実施例を示す縦断面図である。図32においてラ
ップフィルム用収納体241は、紙基体からなる箱体2
42と、この箱体242の蓋部243の先端部近傍の裏
面(箱体242の側壁242aと対向する面)に装着さ
れた切断具244を備えたものである。切断具244の
装着は、切断具244の溶射形成被膜側を蓋部243か
ら浮かすように切断具244の溶射形成被膜側と反対側
を蓋部243に固着することにより行うものである。こ
のため、切断具244の溶射形成被膜側は回動自在であ
って蓋部243に当接させることができ、かつ、切断具
244を構成する紙基材の弾性力により元位置に戻る機
能を有している。したがって、ラップフィルム用収納体
241から引き出したラップフィルムを箱体242の側
壁242aと蓋部243との間に挟み切断する場合、切
断具244の溶射形成被膜側は回動して蓋部243に当
接した状態となるが、この時、切断具244が元位置に
戻る付勢力がラップフィルムに作用してラップフィルム
の固定がより確実なものとなり、安定した切断が可能と
なる。
【0066】図33乃至図36は本発明のラップフィル
ム用収納体の他の実施例を示す縦断面図である。図33
乃至図36においてラップフィルム用収納体251、2
61、271、281は、それぞれ紙基体からなる箱体
252、262、272、282と、この箱体の蓋部2
53、263、273、283の先端部に一体的に形成
された切断具254、264、274、284を備えた
ものである。そして、いずれのラップフィルム用収納体
も、蓋部が連設されている側壁252b、262b、2
72b、282bと切断具254、264、274、2
84とがなす角度βは70°〜85°の範囲となってい
る。すなわち、図33および図34において、蓋部25
3、263と対向する位置にある箱体の側壁252a、
262aは、折曲部Mにおいて箱体内部方向に折れ曲が
った構造であり、この側壁252a、262aの折れ曲
がりに対応して蓋部が側壁252b、262bに対して
70°〜85°内の所定の角度となるように設定されて
いる。また、図35および図36において、蓋部27
3、283と対向する位置にある箱体の側壁272a、
282aは、折曲部Mにおいて箱体外側方向に折れ曲が
った構造であり、この側壁272a、282aの折れ曲
がりに対応して蓋部が側壁272b、282bに対して
70°〜85°内の所定の角度となるように設定されて
いる。
【0067】上述のように蓋部が連設されている側壁と
切断具とのなす角度βを70°〜85°とすることによ
り、角度β=90°の場合に比べてラップフィルム引き
裂き字の切断具の剛性が上がって耐久性が向上し、か
つ、箱体および蓋部のたわみがなくなるため、ラップフ
ィルムの切断が安定化する。また、切断時にラップフィ
ルム用収納体を握る際に、角度β=90°の場合に比べ
て力が入り易い握り方ができラップフィルムの押えが効
果的に行われ、ラップフィルムのバタツキ、寄れがなく
なり安定した切断が可能となる。さらに、図33および
図34に示されるラップフィルム用収納体では、切断具
が箱体内側に隠れるような形状であるため、切断具の保
護および人体や他の収納体等への傷つきが防止される。
【0068】尚、上述の図29〜図31、図33〜図3
6に示したラップフィルム用収納体の実施例は一体的に
切断具を有するものであるが、別体の切断具を装着した
ラップフィルム用収納体においても適用されることは勿
論である。また、図29に示される切断具位置の設定、
図30あるいは図31に示される補強部材を使用するこ
と、図32に示される切断具を回動自在にすること、お
よび、図33〜図36に示される側壁と切断具との角度
を70〜85°とすること、の各態様を2以上組み合わ
せるも可能である。
【0069】次に、具体的な実施例を示して本発明を更
に詳細説明する。実施例1 紙基材として厚み0.5mm、1.8mm、2.1mm
のバルガナイズド紙を用いて、下記のような〜の鋸
歯形状部を形成した。
【0070】:図2に示される鋸歯形状部(L=1.
2mm,H=1.2mm,P=1.2mm,R=0.1
mm) :図6に示される鋸歯形状部(L1 =0.8mm,L
2 =1.8mm,H=1.5mm,P=2.4mm,R
=0.1mm) :図8に示される鋸歯形状部(L1 =0.5mm,L
2 =0.5mm,L3 =0.8mm,P=1.6mm,
R=0.1mm) :図9に示される鋸歯形状部(L1 =0.3mm,L
2 =0.3mm,H1 =0.3mm,H2 =0.3m
m,P=1.8mm,R=0.1mm) :図10に示される鋸歯形状部(r=2.0mm,θ
=130°,h=1.0mm,P=5.0mm) :図14に示される鋸歯形状部(大きい三角形:底辺
=1.0mm,高さ=1.0mm,小さい三角形:底辺
=0.5mm,高さ=0.5mm,R=0.1mm) 次に、紙基材の鋸歯形状部の鋸歯の上端面および側面に
ガス式溶射法により溶射形成被膜を形成して切断具(実
施例1〜25、比較例1〜5)を得た。但し、紙基材の
厚さは実施例25が1.8mm、比較例5が2.1mm
であり、他はすべて0.5mmとした。
【0071】次に、上記の切断具を備えた紙基材を用い
て図27に示されるような収納体を作成し、厚み12μ
mの塩化ビニリデンフィルムの切断性を評価して結果を
下記の表1に示した。
【0072】
【表1】 実施例2 紙基材として厚み0.5mm,1.8mm,2.1mm
のコートボール紙を用いた他は、実施例1と同様にして
切断具(実施例1〜25、比較実施例1〜5)を得た。
【0073】次に、上記の切断具を備えた紙基材を用い
て図27に示されるような収納体を作成し、厚み12μ
mの塩化ビニリデンフィルムの切断性を評価したとこ
ろ、実施例1と同様の結果が得られた。実施例3 紙基材として厚み0.5mm,1.8mm,2.1mm
のコートボール紙を用いて、下記の条件で図21に示さ
れる突出部を備えた鋸歯形状部を形成した。
【0074】・鋸歯:L=1.8mm,H=2.0m
m,P=1.8mm,R=0.1mm ・突出部:R=0.1mm,α=105°,突出量=3
mm ・鋸歯稜線と紙基材の軸方向(図21の矢印方向)との
なす角度=3° 次に、紙基材の鋸歯形状部の鋸歯の上端面および側面に
ガス式溶射法により溶射形成被膜を形成して切断具(実
施例1〜23、比較実施例1〜8)を得た。また、突出
部のみポリエステル樹脂20重量部、硬化剤4重量部よ
りなる硬化処理剤によって硬化処理を施し、その他の鋸
歯形状部は実施例2と同様にして溶射形成被膜を設けて
切断具(実施例24)を得た。但し、紙基材の厚さは実
施例20が1.8mm、比較例5が2.1mmであり、
他はすべて0.5mmとした。
【0075】次に、上記の切断具を備えた紙基材を用い
て図27に示されるような収納体を作成し、厚み12μ
mの塩化ビニリデンフィルムの切断性を評価して結果を
下記の表2に示した。
【0076】
【表2】 実施例4 紙基材として厚み0.5mmのコートボール紙の両面
に、下記の表3に示される樹脂を溶融押し出し法により
押し出して樹脂層を形成した。その後、この紙基材に図
2に示される鋸歯形状部(L=1.8mm,H=2.0
mm,P=1.8mm,R=0.1mm)を形成した。
【0077】次に、紙基材の鋸歯形状部の鋸歯の上端面
および側面にガス式溶射法により溶射形成被膜を形成し
て切断具(実施例1〜10、比較実施例1〜3)を得
た。
【0078】上記の切断具の鋸歯形状部を水に5分間浸
漬した後、この切断具を有する紙基材を用いて図27に
示されるような収納体を作成し、厚み12μmの塩化ビ
ニリデンフィルムを切断して切断具の耐水性を評価し、
結果を下記の表3に示した。
【0079】
【表3】
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば切
断具は紙基材に形成された鋸歯形状部あるいは紙基材の
一端辺の少なくとも上端面に金属およびセラミックスの
少なくとも1つからなる溶射形成被膜が設けられている
ため、切断具の鋸歯形状部がラップフィルムに接触した
際に、鋸歯形状部の溶射形成被膜がラップフィルムを破
断するので、切断具の鋸歯がラップフィルムに容易に突
き刺さり、金属製の切断具と同等の切断性、耐久・耐水
性を有する。また、鋸歯形状部に突出部を設けることに
よりラップフィルムの突き刺し性がより向上する。この
ような切断具を別体として装着した、あるいは一体的に
備えた本発明の収納体は、優れたラップフィルム切断性
が付与され、かつ、切断具の基材が紙基材であるため、
良好な廃棄性も付与される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の切断具の一実施例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示される切断具の部分正面図である。
【図3】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面図
である。
【図4】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面図
である。
【図5】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面図
である。
【図6】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面図
である。
【図7】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面図
である。
【図8】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面図
である。
【図9】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面図
である。
【図10】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面
図である。
【図11】本発明の切断具の鋸歯の頂点がなす稜線の形
状を示す図である。
【図12】本発明の切断具の鋸歯の頂点がなす稜線の形
状を示す図である。
【図13】本発明の切断具の鋸歯の高さが異なる実施例
を示す図である。
【図14】本発明の切断具の鋸歯の高さが異なる実施例
を示す図である。
【図15】本発明の切断具の鋸歯形状部を構成する鋸歯
の例を示す図である。
【図16】本発明の切断具の鋸歯形状部を構成する鋸歯
の例を示す図である。
【図17】本発明の切断具の鋸歯形状部を構成する鋸歯
の例を示す図である。
【図18】本発明の切断具の鋸歯形状部を構成する鋸歯
の例を示す図である。
【図19】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面
図である。
【図20】本発明の切断具の他の実施例を示す斜視図で
ある。
【図21】図20に示される切断具の部分正面図であ
る。
【図22】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面
図である。
【図23】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面
図である。
【図24】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面
図である。
【図25】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面
図である。
【図26】本発明の切断具の他の実施例を示す部分正面
図である。
【図27】本発明のラップフィルム用収納体の一実施例
を示す斜視図である。
【図28】本発明のラップフィルム用収納体の他の実施
例を示す斜視図である。
【図29】本発明のラップフィルム用収納体の他の実施
例を示す縦断面図である。
【図30】本発明のラップフィルム用収納体の他の実施
例を示す縦断面図である。
【図31】本発明のラップフィルム用収納体の他の実施
例を示す縦断面図である。
【図32】本発明のラップフィルム用収納体の他の実施
例を示す縦断面図である。
【図33】本発明のラップフィルム用収納体の他の実施
例を示す縦断面図である。
【図34】本発明のラップフィルム用収納体の他の実施
例を示す縦断面図である。
【図35】本発明のラップフィルム用収納体の他の実施
例を示す縦断面図である。
【図36】本発明のラップフィルム用収納体の他の実施
例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,111,161…切断具 2,112,162…紙基材 3,113…鋸歯形状部 4,114…鋸歯 6,116…溶射形成被膜 117,167…突出部 201,211,221,231,241,251,2
61,271,281,…ラップフィルム用収納体 S…稜線

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基材と、該紙基材に形成された鋸歯形
    状部と、該鋸歯形状部の少なくとも上端面に金属および
    セラミックスの少なくとも1つからなる溶射形成被膜を
    有することを特徴とする切断具。
  2. 【請求項2】 前記金属は、アルミニウム、銅、亜鉛、
    チタン、ニッケル、ステンレス、錫、鉄、モリブデンお
    よびこれらの合金の少なくとも1種からなることを特徴
    とする請求項1に記載の切断具。
  3. 【請求項3】 前記セラミックスは、酸化アルミニウ
    ム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化ケイ素、酸化チタ
    ン、酸化クロム、酸化コバルト、酸化亜鉛、セレン化チ
    タン、珪化チタン、水酸化チタン、硼化チタン、酸化セ
    リウム、酸化ジルコニウムの少なくとも1種からなるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切断
    具。
  4. 【請求項4】 前記溶射形成被膜の厚みは、2〜100
    0μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    いずれかに記載の切断具。
  5. 【請求項5】 前記紙基材は、厚みが0.1〜2.0m
    mであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいず
    れかに記載の切断具。
  6. 【請求項6】 前記鋸歯形状部は、底辺0.1〜5.0
    mm、高さ0.1〜5.0mmの三角形状の鋸歯が0.
    1〜10.0mmのピッチで複数配設されたものであ
    り、かつ、該三角形状の鋸歯の頂点の曲率半径は0.1
    mm以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5
    のいずれかに記載の切断具。
  7. 【請求項7】 前記鋸歯形状部は、上底0.3〜4.0
    mm、下底0.5〜5.0mm、高さ0.5〜5.0m
    mの台形状の鋸歯が0.5〜10.0mmのピッチで複
    数配設されたものであり、かつ、該台形状の鋸歯の各頂
    点の曲率半径は0.1mm以上であることを特徴とする
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の切断具。
  8. 【請求項8】 前記鋸歯形状部は、5角形以上の多角形
    状の鋸歯が複数配設されたものであり、かつ、該多角形
    状の鋸歯の各頂点の曲率半径は0.1mm以上であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の切断具。
  9. 【請求項9】 前記鋸歯形状部は、半径0.2〜6.0
    mm、中心角30〜180°、弧の高さ0.3〜5.0
    mmの弓形状の鋸歯が複数連続して配設されたものであ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに
    記載の切断具。
  10. 【請求項10】 前記鋸歯形状部は、三角形状の鋸歯、
    台形状の鋸歯、多角形状の鋸歯および扇形状の鋸歯の内
    2以上の形状の鋸歯を組み合わせて配設したものである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記
    載の切断具。
  11. 【請求項11】 切断具を構成する前記鋸歯の頂点がな
    す稜線と該稜線の両端点を結んで形成される形状が、直
    線、三角形、台形、多角形、扇形のいずれかであること
    を特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載
    の切断具。
  12. 【請求項12】 切断具を構成する前記鋸歯の高さが2
    種以上であり、最大の高さを有する前記鋸歯が30mm
    以上のピッチをなすように配設され、該ピッチ間に高さ
    の低い鋸歯が配設されていることを特徴とする請求項1
    乃至請求項11のいずれかに記載の切断具。
  13. 【請求項13】 切断具を構成する前記鋸歯の高さが2
    種以上であり、最大の高さを有する前記鋸歯が30mm
    以上のピッチをなすように配設され、該ピッチ間に高さ
    の低い鋸歯が配設されていない箇所があることを特徴と
    する請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の切断
    具。
  14. 【請求項14】 切断具を構成する前記鋸歯の高さが2
    種以上であり、最大の高さを有する前記鋸歯が複数連続
    して配設され、該鋸歯間に高さの低い鋸歯が配設されて
    いることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれ
    かに記載の切断具。
  15. 【請求項15】 切断具を構成する前記鋸歯の高さが2
    種以上であり、最大の高さを有する前記鋸歯が複数連続
    して配設され、該鋸歯間に高さの低い鋸歯が配設されて
    いない箇所があることを特徴とする請求項1乃至請求項
    11のいずれかに記載の切断具。
  16. 【請求項16】 切断具を構成する前記鋸歯の頂点がな
    す稜線が、前記鋸歯の底辺部を結ぶ基線と平行であり、
    かつ、前記基材の軸方向に対して1〜15°の範囲で傾
    斜していることを特徴とする請求項1乃至請求項10の
    いずれかに記載の切断具。
  17. 【請求項17】 前記稜線が鋸歯形状部の中央で突出し
    ていることを特徴とする請求項16に記載の切断具。
  18. 【請求項18】 切断具を構成する前記鋸歯の頂点がな
    す稜線が、前記鋸歯の底辺部を結ぶ基線に対して1〜1
    5°の範囲で傾斜していることを特徴とする請求項1乃
    至請求項10のいずれかに記載の切断具。
  19. 【請求項19】 前記稜線と前記基線との間隔が鋸歯形
    状部の中央で最大であることを特徴とする請求項18に
    記載の切断具。
  20. 【請求項20】 前記稜線と前記基線との間隔が鋸歯形
    状部の両端で最大であることを特徴とする請求項18に
    記載の切断具。
  21. 【請求項21】 前記稜線と該稜線の両端点を結んで形
    成される形状が、直線、三角形、台形、多角形、扇形の
    いずれかであることを特徴とする請求項16乃至請求項
    20のいずれかに記載の切断具。
  22. 【請求項22】 前記鋸歯形状部は、その略中央に少な
    くとも1つの突出部を有し、該突出部は頂点曲率半径が
    0.1mm以上、頂点角度が30°〜200°である形
    状をなし、かつ、その頂点が前記鋸歯の頂点がなす稜線
    より突出していることを特徴とする請求項1乃至請求項
    19のいずれかに記載の切断具。
  23. 【請求項23】 前記突出部の頂点は、前記稜線よりも
    0.5mm以上突出していることを特徴とする請求項2
    2に記載の切断具。
  24. 【請求項24】 前記突出部の少なくとも上端面に金属
    およびセラミックスの少なくとも1つからなる溶射形成
    被膜を有することを特徴とする請求項22または請求項
    23に記載の切断具。
  25. 【請求項25】 前記稜線と該稜線の両端点を結んで形
    成される形状が、直線、三角形、台形、多角形、扇形の
    いずれかであることを特徴とする請求項22乃至請求項
    24のいずれかに記載の切断具。
  26. 【請求項26】 前記紙基材は、未晒し紙、コートボー
    ル紙、バルガナイズド紙、グラシン紙、無機繊維紙およ
    びクラフト紙のいずれかであることを特徴とする請求項
    1乃至請求項25に記載の切断具。
  27. 【請求項27】 前記紙基材は、未晒し紙、コートボー
    ル紙、バルガナイズド紙、グラシン紙、無機繊維紙およ
    びクラフト紙のいずれかに硬化処理を施したものである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項25に記載の切断
    具。
  28. 【請求項28】 前記紙基材の少なくとも鋸歯形状部に
    耐水性インキが塗布されていることを特徴とする請求項
    1乃至請求項27に記載の切断具。
  29. 【請求項29】 前記紙基材は、ポリエチレン系樹脂、
    エチレンビニルアセテート共重合体樹脂、アイオノマ
    ー、ポリプロピレンあるいはこれらの変性物であるポリ
    オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネ
    ート系樹脂、ポリスチレン系樹脂からなる樹脂群から選
    ばれた少なくとも1種の樹脂を溶融押し出しすることに
    より形成した樹脂層を少なくとも一方の面に有すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項27に記載の切断具。
  30. 【請求項30】 前記樹脂層の厚みは1〜300μmで
    あることを特徴とする請求項29に記載の切断具。
  31. 【請求項31】 紙基材と、該紙基材の一方の端辺の少
    なくもと上端面に金属およびセラミックスの少なくとも
    1つからなる溶射形成被膜を有することを特徴とする切
    断具。
  32. 【請求項32】 前記金属は、アルミニウム、銅、亜
    鉛、チタン、ニッケル、ステンレス、錫、鉄、モリブデ
    ンおよびこれらの合金の少なくとも1種からなることを
    特徴とする請求項31に記載の切断具。
  33. 【請求項33】 前記セラミックスは、酸化アルミニウ
    ム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化ケイ素、酸化チタ
    ン、酸化クロム、酸化コバルト、酸化亜鉛、セレン化チ
    タン、珪化チタン、水酸化チタン、硼化チタン、酸化セ
    リウム、酸化ジルコニウムの少なくとも1種からなるこ
    とを特徴とする請求項31または請求項32に記載の切
    断具。
  34. 【請求項34】 前記溶射形成被膜の厚みは、2〜10
    00μmであることを特徴とする請求項31乃至請求項
    33のいずれかに記載の切断具。
  35. 【請求項35】 前記紙基材は、厚みが0.1〜2.0
    mmであることを特徴とする請求項31乃至請求項34
    のいずれかに記載の切断具。
  36. 【請求項36】 前記端辺と該端辺の両端点を結んで形
    成される形状が、直線、三角形、台形、多角形、扇形の
    いずれかであることを特徴とする請求項31乃至請求項
    35のいずれかに記載の切断具。
  37. 【請求項37】 前記紙基材は、未晒し紙、コートボー
    ル紙、バルガナイズド紙、グラシン紙、無機繊維紙およ
    びクラフト紙のいずれかであることを特徴とする請求項
    31乃至請求項36に記載の切断具。
  38. 【請求項38】 前記紙基材は、未晒し紙、コートボー
    ル紙、バルガナイズド紙、グラシン紙、無機繊維紙およ
    びクラフト紙のいずれかに硬化処理を施したものである
    ことを特徴とする請求項31乃至請求項37に記載の切
    断具。
  39. 【請求項39】 前記紙基材の少なくとも鋸歯形状部に
    耐水性インキが塗布されていることを特徴とする請求項
    31乃至請求項38に記載の切断具。
  40. 【請求項40】 前記紙基材は、ポリエチレン系樹脂、
    エチレンビニルアセテート共重合体樹脂、アイオノマ
    ー、ポリプロピレンあるいはこれらの変性物であるポリ
    オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネ
    ート系樹脂、ポリスチレン系樹脂からなる樹脂群から選
    ばれた少なくとも1種の樹脂を溶融押し出しすることに
    より形成した樹脂層を少なくもと一方の面に有すること
    を特徴とする請求項31乃至請求項38に記載の切断
    具。
  41. 【請求項41】 前記樹脂層の厚みは1〜300μmで
    あることを特徴とする請求項40に記載の切断具。
  42. 【請求項42】 紙基体からなる箱体と、該箱体の側壁
    または蓋部に請求項1乃至請求項41のいずれかに記載
    の切断具を装着したことを特徴とするラップフィルム用
    収納体。
  43. 【請求項43】 紙基体からなる箱体を有し、該箱体の
    側壁または蓋部には、前記紙基体を紙基材として請求項
    1乃至請求項41のいずれかに記載の切断具が一体的に
    形成されていることを特徴とするラップフィルム用収納
    体。
  44. 【請求項44】 前記切断具の鋸歯形状部の長さは、収
    納されるラップフィルムの幅よりも大きいことを特徴と
    する請求項42または請求項43に記載のラップフィル
    ム用収納体。
  45. 【請求項45】 前記切断具は、前記箱体の蓋部のうち
    収納されるラップフィルムのロール体の最大幅位置に相
    当する箇所に備えられていることを特徴とする請求項4
    2乃至請求項44のいずれかに記載のラップフィルム用
    収納体。
  46. 【請求項46】 前記切断具は前記箱体の蓋部に備えら
    れ、前記蓋部と対向する側壁および前記蓋部の少なくと
    も一方に補強部材を有することを特徴とする請求項42
    乃至請求項45のいずれかに記載のラップフィルム用収
    納体。
  47. 【請求項47】 前記切断具は溶射形成被膜側と反対側
    において前記箱体の蓋部のうち箱体側壁と対向する位置
    に固着され、前記切断具の溶射形成被膜側は回動自在で
    あることを特徴とする請求項42乃至請求項46のいず
    れかに記載のラップフィルム用収納体。
  48. 【請求項48】 前記切断具は前記箱体の蓋部に備えら
    れ、該蓋部が連設されている側壁と前記切断具とがなす
    角度が70°〜85°であることを特徴とする請求項4
    2乃至請求項47のいずれかに記載のラップフィルム用
    収納体。
  49. 【請求項49】 紙基材に鋸歯形状部を形成し、金属お
    よびセラミックスの少なくとも1つからなる材料物質を
    熱源により瞬間的に溶融状態まで加熱し、この溶融物質
    を高速で前記鋸歯形状部の少なくとも上端面に衝突させ
    ることにより溶射形成被膜を形成することを特徴とする
    切断具の製造方法。
  50. 【請求項50】 前記鋸歯形状部を備えた複数枚の前記
    紙基材を、その鋸歯形状部の上端面が前記熱源に対向す
    るように重ね合わせておき、各鋸歯形状部の上端面に溶
    融物質を溶射することを特徴とする請求項49記載の切
    断具の製造方法。
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