JPH08261764A - 角速度検出器 - Google Patents

角速度検出器

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Publication number
JPH08261764A
JPH08261764A JP7087349A JP8734995A JPH08261764A JP H08261764 A JPH08261764 A JP H08261764A JP 7087349 A JP7087349 A JP 7087349A JP 8734995 A JP8734995 A JP 8734995A JP H08261764 A JPH08261764 A JP H08261764A
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JP
Japan
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signal
excitation
circuit
detecting
detection means
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Withdrawn
Application number
JP7087349A
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English (en)
Inventor
Hiromi Kakinuma
博美 柿沼
Tatsuya Kuroda
達也 黒田
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度変化に基づく圧電素子の容量変化に伴っ
て検出側のバランスが崩れても、良好に角速度検出を行
う。 【構成】 発振回路110によって励振されている振動
子10に角速度が作用すると振動方向が上下方向からず
れ、圧電素子16,18に逆位相のコリオリ信号が生ず
る。圧電素子16,18から出力された信号は、I−V
変換回路120で電流信号から電圧信号に変換された
後、差動増幅回路140による差動増幅,同期検波回路
150による同期検波が行われる。圧電体は温度変化に
伴って静電容量が変化するが、電流は静電容量には影響
されないので、I−V変換回路120によって圧電素子
16,18から電流信号が取り出される。このため、温
度変化の影響を受け難い角速度検出が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ナビゲーションシス
テムなどに用いられる角速度検出器にかかり、更に具体
的には、圧電振動子を用いた角速度検出器の改良に関す
る。
【0002】
【背景技術】圧電振動子を用いた角速度検出器として
は、図5に示すものがある。この例は、特開平2−26
6214号に開示されたもののうち、正四角柱の振動子
のものである。同図において、長手方向が紙面垂直とな
っている四角柱の振動子10の各側面には、圧電素子1
2,14,16,18が接着などの手法でそれぞれ設け
られている。圧電素子12〜18は、いずれも、圧電体
の表裏に電極を形成した構成となっている。圧電素子1
2,14は駆動検出用に用いられ、圧電素子16,18
は帰還用に用いられる構成となっている。
【0003】圧電素子12,14は、固定抵抗20,2
2を介して発振回路24の出力側に接続されている。圧
電素子16,18は、調整用の可変抵抗26を介して発
振回路24の入力側に接続されている。また、圧電素子
12,14は、他方において検出用端子28,30にそ
れぞれ接続されており、これら検出用端子28,30は
差動回路32に接続されている。
【0004】発振回路24によって圧電素子12〜18
に駆動電圧が印加されると、振動子10が励振され、図
の上下方向に屈曲振動する。回転力が外部から作用して
いない状態では、圧電素子12,14のインピーダンス
は同じである。このため、検出用端子28,30間の電
位差はゼロである。この状態で紙面垂直方向を軸として
振動子10が回転すると、コリオリ力が作用して振動方
向が上下方向からずれるようになる。すると、圧電素子
12,14間のインピーダンスが相違するようになり、
検出用端子28,30間に電位差が現われるようにな
る。これが差動回路32で検出され、この検出差動出力
から回転角速度を知ることができる。
【0005】図6には、特開平2−223817号公報
に開示されたものが示されている。この例は、振動子5
0が三角柱となっており、圧電素子52,54,56が
各側面に設けられている。圧電素子52は励振用となっ
ており、固定抵抗58を介して発振回路24の出力側に
接続されている。圧電素子54,56は帰還検出用とな
っており、調整用の可変抵抗60を介して発振回路24
の入力側に接続されている。また、差動回路32の入力
側にもそれぞれ接続されている。
【0006】この例は、前記図5の例において圧電素子
12,14が共通となったものと考えることができる。
なお、図5では励振側が差動回路32に接続されて角速
度が検出されているが、この例では帰還側が差動回路3
2に接続されて角速度が検出されている。同公報には、
発振回路24及び差動回路32の詳細な回路構成例が示
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、圧電体とし
て通常用いられる強誘導体は、温度変化によって静電容
量が大きく変化するという特性がある。このため、周囲
温度の変化などが生ずると、各圧電素子に生ずる電位も
大きく変化することとなる。このような検出用圧電素子
の電位変化のため、振動子の振幅の変化,ひいてはコリ
オリ信号の変化が生ずることとなる。更に、このような
温度変化に伴う圧電素子の電位変化が検出用の圧電素子
間で異なるため、この差がコリオリ信号に重畳してしま
い、正確に角速度を検出できない。このような理由か
ら、角速度の検出出力にオフセットや温度ドリフトが生
ずることとなる。
【0008】この発明は、以上の点に着目したもので、
温度変化に基づく圧電素子の容量変化に伴って検出側の
バランスが崩れても、良好に角速度検出を行うことがで
きる角速度検出器を提供することを、その目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用】前記目的を達成す
るため、この発明では、検出信号を電流信号として取り
出すとともに、これを電圧信号に変換して、コリオリ信
号の差動検出が行われる。温度変化に伴う圧電体の容量
変化があっても、電流信号として取り出すことでその影
響が除去される。
【0010】他の発明によれば、励振側と帰還側のそれ
ぞれにおいて差動検出と同期検波の系統が設けられると
ともに、同期検波のタイミングが励振側と帰還側で工夫
される。その結果、同期検波後に一定の信号演算を行う
ことで、コリオリ信号に重畳している励振信号やその複
素成分が消去される。これにより、温度変化によるバラ
ンスの崩れがあっても、その影響が低減される。更に他
の発明によれば、タイミングを調整することで、差動検
出と同期検波が励振側と帰還側で1系統で行っている。
この発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、次の詳細
な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【0011】
【好ましい実施例の説明】この発明には数多くの実施例
が有り得るが、ここでは適切な数の実施例を示し、詳細
に説明する。
【0012】<実施例1>最初に、図1を参照しながら
実施例1について説明する。同図において、四角柱状の
振動子10の4つの側面には、前記背景技術と同様に、
圧電振動子12,14,16,18がそれぞれ設けられ
ている。圧電素子12,14は、可変抵抗100を介し
て発振回路110の出力側に接続されており、圧電素子
16,18はI−V(電流−電圧)変換回路120に接
続されている。I−V変換回路120の出力側は、出力
合成回路130を介して、一方では発振回路110の入
力側に接続されており、他方では差動増幅回路140に
接続されている。差動増幅回路140の出力側は、同期
検波回路150に接続されている。なお、発振回路11
0の発振信号が同期検波回路150に供給されるように
なっている。
【0013】以上の各部のうち、まず発振回路110か
ら説明すると、出力合成回路120によって合成された
圧電素子16,18の出力は、コンデンサ132及び抵
抗112による位相調整の後オペアンプ114の反転側
に入力されており、これによって入力信号の増幅発振が
行われるようになっている。発振出力は、LPF116
によって高調波成分が除去され、その後可変抵抗100
を介して圧電素子12,14に供給される。
【0014】なお、位相調整は、振動子10を直列共振
周波数近傍で発振させるために行われるものである。オ
ペアンプ114では入力が反転増幅されるため、入出力
間で位相が180゜異なることとなる。また、次段のL
PF116では、入力の位相が90゜遅れて出力され
る。他方、励振信号は、抵抗100,圧電素子12,1
4,及び振動子10において位相が180゜遅れる。こ
れら全体として発振ループが構成されているので、発振
動作が良好に行われるように、コンデンサ132及び抵
抗112による位相調整が行われる。
【0015】I−V変換回路120は、圧電素子16,
18から出力される電流信号を電圧信号に変換するため
のものである。電流信号はオペアンプ122,124の
反転側に入力されている。オペアンプ入力端子間は、よ
く知られているようにイマジナリショート,つまり電圧
がゼロとなっているので、電流信号のみが良好に得られ
る。すなわち、圧電素子16,18から出力された電流
信号は、帰還抵抗122R,124Rの抵抗値だけ積算
された電圧として、オペアンプ122,124からそれ
ぞれ出力される。なお、コンデンサ122C,124C
は発振防止用である。
【0016】出力合成回路130は、変換後の電圧信号
を2つのコンデンサ132で合成して発振回路110に
供給するための回路である。発振回路110による励振
信号は、圧電素子16,18の出力において同相となっ
ている。これに対し、コリオリ力に基づく信号,すなわ
ちコリオリ信号は、圧電素子16,18間で逆相となっ
ている。従って、圧電素子16,18の出力を加算すれ
ばコリオリ信号成分がキャンセルされて励振信号が得ら
れ、減算すれば励振信号成分がキャンセルされてコリオ
リ信号が得られる。この動作が出力合成回路130で行
われる。
【0017】差動増幅回路140は、I−V変換回路1
20から出力された変換後の電圧信号をオペアンプ14
2で差動増幅してコリオリ信号成分を検出する構成とな
っている。なお、オペアンプ142の入力間には、励振
信号のアンバランス成分及びオペアンプ142のオフセ
ット成分を調整するための可変抵抗144が設けられて
いる。
【0018】同期検波回路150は、発振回路110の
オペアンプ114の出力をダイオード152を介してF
ET154のゲートに印加することで、差動増幅回路1
40の出力を同期検波する構成となっている。156
は、入力に含まれる直流成分をカットするためのフィル
タ回路である。
【0019】次に、以上のように構成された実施例1の
動作を説明する。まず、角速度が作用していない状態か
ら説明する。発振回路110から高調波成分が除去され
て出力された励振信号は、可変抵抗100を介して圧電
素子12,14に印加される。これにより、前記背景技
術と同様に振動子10が図の上下方向に屈曲振動する。
この振動によって圧電素子16,18に生じた電流信号
は、I−V変換回路120で電圧信号に変換された後、
出力合成回路130から発振回路110に帰還される。
以上の動作を繰り返すことで、振動子10が一定周波数
で振動することとなる。
【0020】このとき、振動子10の形状の対称性や、
圧電素子12〜18の特性のアンバランスがあると、角
速度が作用していないにもかかわらず、圧電素子16,
18間の出力に差が生じ、差動増幅回路140からヌル
電圧が出力されることがある。このような場合には、可
変抵抗100又は144を調整することで、かかるヌル
電圧の発生を防止することができる。
【0021】次に、振動子10に角速度が作用した場合
の動作を説明する。この場合、振動子10の振動方向が
図の上下方向からずれるようになり、圧電素子16,1
8に逆位相のコリオリ信号が生ずる。このため、圧電素
子16,18からは、同位相の励振信号と逆位相のコリ
オリ信号が、重畳されて出力されることとなる。これら
の信号は、I−V変換回路120に供給され、ここで電
流信号から電圧信号に変換される。変換後の電圧信号は
出力合成回路130に供給され、更には差動増幅回路1
40に供給される。
【0022】出力合成回路130では、両電圧信号が加
算合成されて、同相である励振信号成分が取り出され、
発振回路110に帰還される。他方、差動増幅回路14
0では、両電圧信号が減算されて、逆位相であるコリオ
リ信号成分が取り出され、同期検波回路150に供給さ
れる。同期検波回路150では、発振回路110の励振
信号の周期で入力コリオリ信号の同期検波が行われ、そ
の駆動周波数成分が取り出される。これが、角速度の検
出信号となる。
【0023】ところで、上述したように、圧電素子12
〜18の圧電体は、一般的に強誘導体が使用されてい
る。このため、環境の変化や長時間の駆動などに伴う温
度変化があると、その静電容量が変化してしまう。他
方、圧電体が振動体10の振動による外圧を受けて内部
に電荷が生ずると電圧も発生するが、この電圧は静電容
量の変化によって変動してしまう。すなわち、温度変化
があると、圧電体の静電容量が変化し、これによって発
生電圧も変化することとなる。
【0024】しかし、振動体10の振動によって生じた
電荷の時間微分である電流は、圧電体の静電容量には影
響されない。従って、温度変化にも影響されない。この
ように、圧電素子16,18の電圧出力は温度変化の影
響を受けるが、電流出力は温度変化の影響を受けない。
従って、圧電素子16,18から、電流として信号を取
り出すようにすれば、温度変化の影響を受け難い角速度
検出が可能となる。
【0025】そこで、本実施例では、I−V変換回路1
20のオペアンプ122,124のイマジナリショート
を利用して圧電素子16,18の出力がゼロ電位に保た
れている。これにより、圧電素子16,18から電流信
号が良好に取り出され、電圧信号に変換されて出力され
る。そして、これら電圧信号に基づいて差動検出,同期
検波が行われ、角速度を示すコリオリ信号が検出され
る。従って、温度変化の影響を受けることなく、ドリフ
トのない良好な角速度検出が可能となる。
【0026】更に本実施例によれば、前記背景技術のよ
うに電圧でコリオリ信号を検出するよりも電流で検出し
たほうが高調波成分が少ない。これは、本実施例では、
コリオリ信号を電流信号として検出しているために、振
動子10が一種のフィルタとして作用することによる。
振動子10は、キャパシタ,インダクタ,抵抗の直列回
路で表現され、これが直列共振の状態となっている。こ
のため、電圧として信号を取り出すと高調波成分がその
まま出力されるようになるが、電流として信号を取り出
すと直列共振のために高調波成分の電流が小さくなり、
出力信号に含まれる高調波成分が低減されるようにな
る。従って、同期検波回路150において正確に同期を
とって検波を行うことができ、これによっても温度変化
の影響を低減できる。
【0027】<実施例2>次に、図2を参照しながら実
施例2について説明する。同図において、圧電素子1
2,14は、固定抵抗200,202を介して遅延回路
204の出力側に接続されており、圧電素子16,18
は、固定抵抗206,208を介して反転増幅回路21
0の入力側に接続されている。反転増幅回路210の出
力側は遅延回路204の入力側に接続されている。
【0028】圧電素子12,14は差動増幅回路212
の入力側にも接続されており、圧電素子16,18は差
動増幅回路214の入力側にも接続されている。差動増
幅回路212,214の出力側は、同期検波回路21
6,218の入力側にそれぞれ接続されている。これら
同期検波回路216,218の出力側は、抵抗を介して
演算回路220の入力側に接続されている。また、前記
遅延回路204の出力側は、波形整形用アンプ222を
介して同期検波回路216の同期タイミング入力側に接
続されている。更に、前記反転回路210の出力側は、
同期検波回路218の同期タイミング入力側に接続され
ている。
【0029】次に、以上のように構成された実施例2の
動作について、図3も参照しながら説明する。本実施例
では、反転増幅回路210及び遅延回路204によっ
て、振動子10が励振される。このときの圧電素子1
2,14側の励振信号波形は、同図(A)にV1Oで示す
ようになり、圧電素子16,18側の励振信号波形は、
同図(B)にV2Oで示すようになる。この励振信号V2O
が反転増幅回路210で反転増幅され、更に遅延回路2
04で90゜遅延されると励振信号V1Oとなる。
【0030】これら励振信号V1O,V2Oの複素成分は、
同図(A),(B)にV1J,V2Jで示すようになる。圧電
素子12〜18に温度変化が生ずると、励振信号V1O,
V2Oや複素成分V1J,V2Jのバランスが圧電素子12,
14間,あるいは16,18間で崩れるようになり、差
動増幅回路212,214で検出されるコリオリ信号に
重畳するようになる。
【0031】他方、圧電素子12,14の出力から得ら
れるコリオリ信号成分は、同図(A)にV1Cで示すよう
になる。また、圧電素子16,18の出力から得られる
コリオリ信号成分は、同図(B)にV2Cで示すようにな
る。
【0032】同期検波回路216,218では、差動増
幅回路212からの入力信号に対して、同図(C)にT
A,TBで示すタイミングで、積分による同期検波が行わ
れる。同図(A)のTAの部分に着目すると、励振信号V
1Oは、プラス部分とマイナス部分がちょうどキャンセル
する。このため、同期検波後の信号はVA1=V1C+V1J
となる。他方、同図(B)のTAの部分に着目すると、今
度は複素成分V2Jがキャンセルされ、同期検波後の信号
はVA2=V2C+V2Oとなる。
【0033】同図(A)のTBの部分に着目すると、複素
成分V1J,コリオリ信号成分V1Cがキャンセルされ、同
期検波後の信号はVB1=V1Oとなる。他方、同図(B)
のTBの部分に着目すると、今度は励振信号V2O,コリ
オリ信号成分V2Cがキャンセルされ、同期検波後の信号
はVB2=V2Jとなる。これらをまとまると、次の表1に
示すようになる。
【0034】
【表1】
【0035】ここで、V1O=KO・V2O,V1J=KJ・V
2J,つまり励振側と帰還側の励振信号及びその複素成分
が比例関係にあるものとすると、それらの条件を前記表
1の各式に代入して、 V1C=VA1−V1J =VA1−KJ・V2J …………………(1) となる。すなわち、タイミングTAにおける同期検波回
路216側の検波出力VA1と、タイミングTBにおける
同期検波回路218側の検波出力VB2=V2Jを(1)式
に代入すれば、コリオリ信号V1Cを求めることができ
る。この演算が、演算回路220で行われる。
【0036】他方、V1O=KO・V2O,V1J=KJ・V2J
の関係と前記表1から、 V2C=VA2−V2O =VA2−V10/KO …………………(2) となる。すなわち、タイミングTAにおける同期検波回
路218側の検波出力VA2と、タイミングTBにおける
同期検波回路216側の検波出力VB1=V1Oを(2)式
に代入すれば、コリオリ信号V2Cを求めることができ
る。この演算が、演算回路220で行われる。なお、比
例係数KJ及びKOは、実験などによって求めるようにす
る。
【0037】コリオリ信号は、V1C,V2Cのうち、いず
れか一方を求めればよい。すなわち、コリオリ信号V1C
を求める場合は、同期検波回路216をタイミングTA
で駆動し、同期検波回路218をタイミングTBで駆動
する。逆に、コリオリ信号V2Cを求める場合は、同期検
波回路216をタイミングTBで駆動し、同期検波回路
218をタイミングTAで駆動する。これらをまとめる
と、表2に示すようになる。
【0038】
【表2】
【0039】このように、実施例2によれば、同期検波
のタイミングを工夫することにより、コリオリ信号に重
畳している励振信号成分やその複素成分が良好に消去さ
れる。このため、温度変化によって励振信号やその複素
成分のバランスが崩れ、それらがコリオリ信号に重畳し
たとしても、正確にコリオリ信号のみを取り出して角速
度を検出することができる。
【0040】<実施例3>次に、図4を参照しながら実
施例3について説明する。前記実施例2では、圧電素子
の励振側と帰還側それぞれに差動増幅回路や同期検波回
路を設けたが、この実施例3では差動増幅回路300及
び同期検波回路302による1系統としている。そし
て、連動して動作する切換スイッチ304,306,3
08,310で切り換えるようにするとともに、ホール
ド回路312を利用して信号をホールドすることで、同
様の動作を行うようにしたものである。
【0041】同図において、切換スイッチ304〜31
0をA側に切り換えると、差動増幅回路300,同期検
波回路302は図2の励振側の回路として動作し、切換
スイッチ304〜310をB側に切り換えると、差動増
幅回路300,同期検波回路302は図2の帰還側の回
路として動作する。従って、原理的には、前記表2に示
したタイミングで切換スイッチ304〜310を切り換
えればよい。ところが、タイミングTA,TBは、図3
(C)に示したように一部重複しているので、次のよう
に切換スイッチ304〜310を切り換えるようにす
る。
【0042】(1)切換動作1 第1の切換動作は、図3(D)に示すように、タイミン
グTA,TBの一方を1周期ずらすようにしたものであ
る。例えば、表2の上段に示す励振側でコリオリ信号V
C1を求める場合、タイミングTB1で切換スイッチ304
〜310をB側に切り換え、タイミングTA1で切換スイ
ッチ304〜310をA側に切り換えるようにする。ま
た、表2の下段に示す帰還側でコリオリ信号VC2を求め
る場合、タイミングTB1で切換スイッチ304〜310
をA側に切り換え、タイミングTA1で切換スイッチ30
4〜310をB側に切り換えるようにする。なお、タイ
ミングTA1,TB1の代わりに、タイミングTA2,TB2と
してもよい。これらをまとめると、次の表3のようにな
る。
【0043】
【表3】
【0044】このようにすることで、同期検波出力に励
振信号の1周期相当の時間のずれが生ずるが、実用上何
ら不都合は生じない。各タイミングにおける同期検波後
の信号は、ホールド回路312にそれぞれホールドさ
れ、検波終了の時点で演算回路220による(1)又は
(2)式に基づく演算が行われる。
【0045】(2)切換動作2 第2の切換動作は、図3(E)に示すように、タイミン
グTa,Tbを同図(C)に示したTA,TBよりも短くし
て重ならないようにしたものである。タイミングTAを
Taとしても、同図(A)に示したように、励振信号V1O
はプラス部分とマイナス部分がちょうどキャンセルし、
同期検波後の信号はVA1=V1C+V1Jとなる。他方、同
図(B)においても、複素成分V2Jがキャンセルされ、
同期検波後の信号はVA2=V2C+V2Oとなる。同様に、
タイミングTBをTbとしても、同図(A)に示したよう
に、複素成分V1J,コリオリ信号成分V1Cがキャンセル
され、同期検波後の信号はVB1=V1Oとなる。他方、同
図(B)においても、励振信号V2O,コリオリ信号成分
V2Cがキャンセルされ、同期検波後の信号はVB2=V2J
となる。
【0046】すなわち、タイミングをTA,TBからT
a,Tbとしても、上述した表1と同様の結果が得られ
る。従って、表2の上段に示す励振側でコリオリ信号V
C1を求める場合、タイミングTbで切換スイッチ304
〜310をB側に切り換え、タイミングTaで切換スイ
ッチ304〜310をA側に切り換えるようにする。ま
た、表2の下段に示す帰還側でコリオリ信号VC2を求め
る場合、タイミングTbで切換スイッチ304〜310
をA側に切り換え、タイミングTaで切換スイッチ30
4〜310をB側に切り換えるようにする。これらをま
とめると、次の表4のようになる。
【0047】
【表4】
【0048】このような切換スイッチ304〜310の
切り換えとホールド回路312による同期検波信号のホ
ールドを行うことで、1系統の回路によって前記実施例
2と同様の効果を得ることができる。
【0049】<他の実施例>この発明は、以上の開示に
基づいて多様に改変することが可能であり、例えば次の
ようなものがある。 (1)前記実施例は、振動子に圧電素子を設けた場合で
あるが、圧電タイプの振動子を用い、これに電極を設け
るようにした圧電振動子型のものに対しても、同様に適
用可能である。
【0050】(2)前記実施例は、四角柱の振動子を用
いた場合であるが、他に円柱や三角柱,あるいはリング
状の振動子の場合にも、同様に適用可能である。 (3)また、コリオリ検出に当ってホールド回路は必要
に応じて設けてよい。
【0051】(4)図3(C)〜(E)に示すタイミング
を、同図(A),(B)に示す信号の半周期分ずらして
も、同様の効果を得ることができる。また、同図(C)
〜(E)に示すタイミングの範囲も、(C),(D)では
信号の半周期となっており、(E)では1/4周期とな
っているが、何らそれらに限定されるものではない。す
なわち、中心PA,PBに対して対称に変更する限りは、
同様の効果を得ることができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、次のような効果がある。 (1)振動子の検出側から電流信号として取り出し、こ
れを電圧信号に変換して角速度を検出することとしたの
で、温度変化の影響を受けることなく、正確に角速度を
検出することができる。
【0053】(2)励振側と帰還側の同期検波のタイミ
ングを工夫することとしたので、コリオリ信号に重畳し
ている励振信号成分やその複素成分を良好に消去して正
確にコリオリ信号のみを取り出し、良好に角速度を検出
することができる。
【0054】(3)励振側と帰還側の同期検波のタイミ
ングを調整して両者が重ならないようにしたで、1系統
の差動検出と同期検波の回路のみで、コリオリ信号に重
畳している励振信号成分やその複素成分を良好に消去し
て正確にコリオリ信号のみを取り出し、良好に角速度を
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の構成を示す回路図であ
る。
【図2】実施例2の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例2及び実施例3の作用を示す波形図であ
る。
【図4】実施例3を示すブロック図である。
【図5】背景技術を示すブロック図である。
【図6】他の背景技術を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…振動子 12,14,16,18…圧電素子 100…可変抵抗 110…発振回路 120…I−V変換回路 130…出力合成回路 140,212,214,300…差動増幅回路 150,216,218,302…同期検波回路 204…遅延回路 210…反転増幅器 220…演算回路 222…増幅器 304,306,308,310…切換スイッチ 312…ホールド回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体を励振するための励振信号を出力
    する発振手段;励振信号に基づいて振動手段を振動する
    ための励振手段及び帰還手段;振動体に作用したコリオ
    リ力を検出するための検出手段;検出手段から電流信号
    を取り出すとともに、これを電圧信号に変換するI−V
    変換手段;変換後の電圧信号から角速度の検出信号を得
    る差動検出手段;を備えた角速度検出器。
  2. 【請求項2】 振動体を励振するための励振信号を出力
    する発振手段;励振信号を印加して振動体を振動すると
    ともに、振動体に作用したコリオリ力を検出するための
    励振検出手段;励振信号を振動体から発振手段に帰還す
    るとともに、振動体に作用したコリオリ力を検出するた
    めの帰還検出手段;励振検出手段の出力を差動検出する
    ための励振側差動検出手段;帰還検出手段の出力を差動
    検出するための帰還側差動検出手段;励振側差動検出手
    段の検出信号に対して、励振側の励振信号及びその複素
    成分の位相を考慮したタイミングで同期検波するための
    励振側同期検波手段;帰還側差動検出手段の検出信号に
    対して、帰還側の励振信号及びその複素成分の位相を考
    慮したタイミングで同期検波するための帰還側同期検波
    手段;これらによって同期検波された信号から角速度の
    検出信号を得る演算手段;を備えた角速度検出器。
  3. 【請求項3】 振動手段を励振するための励振信号を出
    力する発振手段;励振信号を印加して振動体を振動する
    とともに、振動体に作用したコリオリ力を検出するため
    の励振検出手段;励振信号を振動体から発振手段に帰還
    するとともに、振動体に作用したコリオリ力を検出する
    ための帰還検出手段;励振検出手段及び帰還検出手段の
    出力を差動検出するための差動検出手段;同期検波され
    た各差動検出手段の信号をホールドするホールド手段;
    差動検出された信号に対して同期検波するための同期検
    波手段;励振信号及びその複素成分の位相を考慮した第
    1及び第2の重複しないタイミングで、前記差動検出手
    段の入力,前記同期検波手段の動作タイミング,及び前
    記ホールド手段の入力をそれぞれ切り換える切換手段;
    ホールド手段にホールドされた各信号に基づいて、角速
    度の検出信号を得る演算手段;を備えた角速度検出器。
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Cited By (3)

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